JPH1173623A - バインダーおよび磁気記録媒体 - Google Patents

バインダーおよび磁気記録媒体

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JPH1173623A
JPH1173623A JP9249348A JP24934897A JPH1173623A JP H1173623 A JPH1173623 A JP H1173623A JP 9249348 A JP9249348 A JP 9249348A JP 24934897 A JP24934897 A JP 24934897A JP H1173623 A JPH1173623 A JP H1173623A
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JP
Japan
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polyol
group
rosin
binder
magnetic
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Application number
JP9249348A
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English (en)
Inventor
Takashi Takemoto
隆志 竹本
Toshiro Shimada
寿郎 島田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1173623A publication Critical patent/JPH1173623A/ja
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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のものに比べて磁気記録媒体の耐久性に
優れ、しかも塗料粘度が低く、また磁性体の分散性が優
れた磁気記録媒体用バインダーを提供する。 【解決手段】 水酸基当量300〜2,000の高分子
ポリオール(A1)または該(A1)および低分子ポリ
オール(A4)からなるポリオール成分(A)と有機ポ
リイソシアネート(B)とから誘導されるポリウレタン
樹脂(C)からなる磁気記録媒体用バインダーにおい
て、該高分子ポリオール(A1)の少なくとも10重量
%が、ジエポキシ化合物1分子とロジン類2分子との反
応で得られるロジンポリオール(A2)または該(A
2)のアルキレンオキシドもしくはラクトン付加物(A
3)であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
カ−ド、磁気ディスク等の磁気記録媒体の製造に用いら
れるバインダーおよびそのバインダーを用いた磁気記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気記録用バインダーとして、
1,4ブタンジオールとアジピン酸とから得られるポリ
エステルポリオールと有機ポリイソシアネートとからの
ポリウレタン樹脂(例えば特公昭41−16984号公
報)等が用いられている。ところが近年磁気記録媒体の
高性能化に伴い、磁性粉の微粒子化や高磁力化が図ら
れ、上述のバインダーでは、十分な磁性粉分散性、磁性
層表面平滑性および耐久性が得られない。かかる問題点
を改善するために、ポリカプロラクトン系ポリウレタン
樹脂(特公昭63−10457号公報)やポリカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂(特公平2−8369号公報)
等をバインダーとして用いることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ポ
リカプロラクトン系ポリウレタン樹脂やポリカーボネー
ト系ポリウレタン樹脂は、従来のポリエステル系ポリウ
レタン樹脂に比べて耐加水分解性は向上しているもの
の、耐久性の点において充分満足すべきものは未だ得ら
れていないのが実状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐久性に
優れ、しかも塗料粘度も低く、また磁性粉の分散性が優
れた磁気記録媒体用バインダーについて鋭意検討した結
果、高分子ポリオールの少なくとも一部として、ジエポ
キシ化合物1分子とロジン類2分子との反応で得られる
ロジンポリオールまたはその誘導体を用いたポリウレタ
ン樹脂からなるバインダーを用いることでこれらの課題
を解決できることを見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、水酸基当量300〜
2,000の高分子ポリオール(A1)または該(A
1)および低分子ポリオール(A4)からなるポリオー
ル成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)とから誘
導されるポリウレタン樹脂(C)からなる磁気記録媒体
用バインダーにおいて、該高分子ポリオール(A1)の
少なくとも10重量%が、ジエポキシ化合物1分子とロ
ジン類2分子との反応で得られるロジンポリオール(A
2)、または該(A2)のアルキレンオキシドもしくは
ラクトン付加物(A3)であることを特徴とする磁気記
録媒体用バインダー;並びに該バインダーを含有してな
る磁性層を有する磁気記録媒体に関するものである。
【0006】本発明におけるロジンポリオール(A2)
は、ジエポキシ化合物1分子と、ガムロジン、トール油
ロジン、ウッドロジンおよび水素添加ロジン等からなる
群から選ばれる少なくとも1種のロジン類2分子とから
の反応で得られるロジンポリオールである。
【0007】該ジエポキシ化合物としてはエポキシ当量
が70〜500、好ましくは70〜400のジエポキシ
化合物が用いられ、その具体例としては、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジグリジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
グリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル類;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグ
リシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タンジグリシジルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、2,2−
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリ
シジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテ
ル、2,2’−ビス〔4−(β−ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル〕プロパンジグリシジルエーテル等の芳香
族または脂環式ジグリシジルエーテル類;3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキ
シド等の脂環式オキシラン類等が挙げられる。これらの
うち好ましいものは芳香族または脂環式ジグリシジルエ
ーテル類であり、さらに好ましいものは芳香族ジグリシ
ジルエーテル類である。
【0008】該ロジン類としては、天然に存在するロジ
ン(ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等)お
よび水添ロジン等が挙げられる。通常は、これらのロジ
ンを蒸留して不鹸化物等を除いた精製ロジンが使用され
る。これらのロジン類のうち好ましいものはガムロジン
およびウッドロジンである。
【0009】上記ジエポキシ化合物とロジン類の反応
は、公知の反応条件で容易に行うことができる。例え
ば、ジエポキシ化合物1モルとロジン類2モルとを触媒
存在下、120〜200℃でジエポキシ化合物のエポキ
シ基とロジン類のカルボキシル基との開環付加反応を行
う。該触媒としては、例えばトリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミ
ン、ビリジン、2−メチルイミダゾール等のアミン系触
媒、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の第
4級アンモニウム塩、ルイス酸、ホウ酸エステル、有機
金属化合物、有機金属塩等が使用できる。該方法で得ら
れる反応物は、2個のロジン骨格と2個の水酸基を分子
中に有するジオールである。
【0010】該(A2)の水酸基当量は、通常300〜
1,500、好ましくは400〜1,300である。水
酸基当量が300未満では、得られるポリウレタン樹脂
が脆いものとなり、1,500を超えると得られるポリ
ウレタン樹脂の樹脂強度が低下し、磁気テープにしたと
きの耐久性が不十分となる。
【0011】また、該(A2)のアルキレンオキシドま
たはラクトン付加物(A3)としては、上記(A2)を
開始剤としてアルキレンオシド(例えばエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、1,2−、2,3−もしくは
1,4−ブチレンオキシド等)やラクトン(例えばε−
カプロラクトン、γ−バレロラクトン)を公知の方法で
(共)付加したものが挙げらる。該(A3)が2種以上
の異なるアルキレンオキシドまたはラクトンの共付加物
の場合の付加形式はブロックまたはランダムのいずれで
あってももよい。
【0012】該(A3)の水酸基当量は、通常500〜
2,000、好ましくは800〜1,800である。水
酸基当量が500未満では、得られるポリウレタン樹脂
が脆いものとなり、2,000を超えると得られるポリ
ウレタン樹脂の物性が低下する。
【0013】本発明において使用される(A2)または
(A3)は、それぞれ単独または併用して用いることが
できる。
【0014】本発明において使用される(A2)および
/または(A3)の量は、高分子ポリオール(A1)全
量に基づいて通常10重量%以上、好ましくは30重量
%以上、特に好ましくは50重量%以上である。(A
2)および/または(A3)の量が10重量%未満では
バインダーの物性が低下し、磁気テープの耐久性が不十
分となる。
【0015】本発明における高分子ポリオール(A1)
として、上記(A2)もしくは(A3)と共に、必要に
より水酸基当量300〜2,000の他の高分子ポリオ
ールを併用することができる。併用できる他の高分子ポ
リオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエー
テルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが挙
げられる。これらのうち好ましいものはポリエステルポ
リオールである。
【0016】上記ポリエステルポリオールとしては、低
分子ポリオールとジカルボン酸とからの縮合ポリエステ
ルポリオール、低分子ポリオールを開始剤とするラクト
ンの開環重合により得られるポリラクトンポリオール等
が含まれる。上記低分子ポリオールとしては、例えば、
直鎖状アルキレングリコール類(エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,8−オクタメチレンジオール、
1,10−デカンジオール等);環状基を有する低分子
ジオール類〔シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、キシリレングリコール、ビス(ヒドロキ
シエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエ
トキシ)−ジフェニルプロパン(ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加物)等〕;およびこれらの1種また
は2種以上の混合物のアルキレンオキシド(炭素数2〜
4のアルキレンオキシド;エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、1,2−、2,3−、1,3−もしくは
1,4−ブチレンオキシド等)付加物(分子量500未
満)などが挙げられる。
【0017】ポリエステルポリオールは通常の方法、例
えば低分子ポリオールとジカルボン酸もしくはそのエス
テル形成性誘導体[例えば無水物(無水マレイン酸、無
水フタル酸等)、エステル(テレフタル酸ジメチル
等)、ハライド等]とを反応(縮合)させる方法、ある
いは開始剤(例えば上記低分子ポリオール)にラクトン
を付加重合させることにより製造することができる。
【0018】これらのポリエステルポリオールの具体例
としては、ポリエチレンフタレートジオール、ポリブチ
レンフタレートジオール、ポリヘキサメチレンフタレー
トジオール、ポリネオペンチルフタレートジオール、ポ
リエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペー
トジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、
ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプ
ロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンア
ジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペ
ートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポ
リ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオー
ル、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセ
バケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、
ポリブチレンセバケートジオール、ポリカプロラクトン
ジオールもしくはトリオール、ポリバレロラクトンジオ
ールもしくはトリオールおよびこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。また、上記以外に特開昭62−202
324記載のフタル酸変性ポリカプロラクトンポリオー
ルも使用できる。
【0019】上記ポリエーテルポリオールとしては、前
記の低分子ポリオールのアルキレンオキシド(炭素数2
〜4のアルキレンオキシド:エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、1,2−、2,3−もしくは1,4−ブ
チレンオキシド等)付加物;炭素数2〜4のアルキレン
オキシドを開環重合または開環共重合(ブロックおよび
/またはランダム重合)させて得られるもの[例えばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リエチレン−ポリプロピレン(ブロックおよび/または
ランダム)グリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリテトラメチレン−エチレン(ブロックおよび/
またはランダム)グリコール、ポリテトラメチレン−プ
ロピレン(ブロックおよび/またはランダム)グリコー
ル、ポリへキサメチレンエーテルグリコール等];低分
子トリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン、
ヘキサントリオール等)のアルキレンオキシド付加物;
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0020】上記ポリカーボネートポリオールとして
は、低分子ポリオール(1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)
とカーボネート(例えばジメチルカーボネート、エチレ
ンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメ
チレンカーボネート等)とを重縮合反応して得られる化
合物が挙げられる。
【0021】また、他の高分子ポリオールとして、上記
以外にポリマーポリオール、ポリジエンポリオール(ポ
リブタジエンポリオール等)等も使用できる。
【0022】本発明における高分子ポリオール(A1)
の水酸基当量は、通常300〜2,000、好ましくは
400〜1,500である。水酸基当量が300未満で
は、得られるポリウレタン樹脂が脆くなり、耐スクラッ
チ性が低下し、2,000を越えると得られるポリウレ
タン樹脂の樹脂強度が不十分となり、耐摩耗性、耐スク
ラッチ性などが低下する。
【0023】本発明において高分子ポリオール(A1)
とともに必要により用いられる低分子ポリオール(A
4)としては、例えば前記ポリエステルポリオールの出
発物質として例示した低分子ポリオール(直鎖状アルキ
レングリコール類、環状基を有する低分子ジオール類
等);グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールエタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリト
ール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビト
ール、キシリット、マンニット、グルコース、フラクト
ース、ショ糖等の3〜8価のアルコール類;およびこれ
ら2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ま
しいのは直鎖状アルキレングリコールおよび環状基を有
する低分子ジオールである。(A1)と(A4)を併用
する場合のポリオール成分(A)の平均水酸基当量は、
通常200〜2,000、好ましくは250〜1,80
0、さらに好ましくは300〜1,500である。ま
た、併用する場合の該(A)中の(A4)の重量割合は
通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下であ
る。
【0024】さらに、ポリウレタン樹脂(C)の分子側
鎖にカルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、スルフ
ァミン酸(塩)基および燐酸エステル(塩)基もしくは
ホスホン酸(塩)等から選ばれる少なくとも1種以上の
有機酸(塩)基を導入することにより、バインダーに用
いたときの磁性粉の分散性を一層向上させることができ
る。該有機酸の塩としては、例えば金属塩(カリウム、
ナトリウム、リチウム等)およびアミン塩(アルキルア
ミン、アルカノールアミン等)が挙げられる。有機酸
(塩)基として好ましいものはスルホン酸塩基およびス
ルファミン酸塩基であり、特に好ましいものはスルホン
酸金属塩基およびスルファミン酸金属塩基である。
(C)の分子側鎖に有機酸(塩)基を導入する方法とし
て、例えば本発明で使用される低分子ポリオール(A
4)の一部として該有機酸(塩)基を有する低分子ポリ
オールを用いる方法がある。
【0025】カルボン酸(塩)基を有する低分子ポリオ
ールとしては、例えば (HOCH22C(CH3)COOH、 (HOCH22C(CH2CH3)COOH、 (HOCH2CH22NCH2CH2COOH およびこれらの塩(金属塩、有機アミン塩等)が挙げら
れる。
【0026】スルホン酸(塩)基を有する低分子ポリオ
ールとしては、例えば (HOCH22C(CH3)SO3H、 (HOCH2CH22NCH2CH2SO3H、 (HOCH2CH2OCO)263SO3H およびこれらの塩(金属塩、有機アミン塩等)が挙げら
れる。
【0027】スルファミン酸(塩)基を有する低分子ポ
リオールとしては、例えば (HOCH2CH22NSO3H、 (HOCH2CH2CH22NSO3H、 (HOCH2CH2CH2CH22NSO3H、 およびこれらの塩(金属塩、有機アミン塩等)が挙げら
れる。
【0028】燐酸エステル(塩)基もしくはホスホン酸
(塩)基を有する低分子ポリオールとしては、例えば およびこれらの塩(金属塩、有機アミン塩等)が挙げら
れる。
【0029】上記以外に(C)の分子側鎖に有機酸
(塩)基を導入する方法として、上記の有機酸(塩)基
含有低分子ポリオールを出発物質に用いたポリエステル
ポリオール、該有機酸(塩)基含有低分子ポリオールを
開始剤としてアルキレンオキシドまたはラクトンを付加
重合させて得られるポリオール等を高分子ポリオール
(A1)の一部として用いる方法も例示できる。
【0030】(C)の分子側鎖に有機酸(塩)基を導入
する場合の(C)中の有機酸(塩)基の含有量は、該
(C)106gあたり1,000当量を越えない量、好
ましくは5〜500当量、さらに好ましくは10〜30
0当量である。有機酸(塩)基の含有量が1,000当
量を超えると磁性塗料としたときの粘度が高くなり作業
性が悪くなる。
【0031】有機ポリイソシアネート(B)としては、
例えば、炭素数6〜20(NCO基中の炭素を除く)の
芳香族ジイソシアネート(1,3−もしくは1,4−フ
ェニレンジイソシアネート、2,4−もしくは2,6−
トリレンジイソシアネート、2,4’−もしくは4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等);炭素数
2〜18(NCO基中の炭素を除く)の脂肪族もしくは
芳香脂肪族ジイソシアネート(テトラメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート等);炭素数4〜18
(NCO基中の炭素を除く)の脂環式ジイソシアネート
(イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネート、2,5−ビシクロ
[2,2,1]ヘプタンビスイソシアネート、2,6−
ビシクロ[2,2,1]ヘプタンビスイソシアネート
等);変性ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソ
シアネートのビュレット変性体、イソホロンジイソシア
ネートのイソシアヌレート変性体、2,4−および/ま
たは2,6−トリレンジイソシアネートのトリメチロー
ルプロパン付加物等);イソシアネート末端プレポリマ
ー;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは芳香族ジイソシアネートであ
り、特に好ましいものは4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネートである。
【0032】(A)と(B)とを反応させて(C)を製
造するに際し、(A)と(B)の当量比(OH/NCO
比)は通常0.6〜1.5、好ましくは0.8〜1.2
である。当量比が0.6未満または1.5を越えると
(A)と(B)との反応によりえられるポリウレタン樹
脂の分子量が低くなり分散性が低下し、また、樹脂強度
が不十分となり、耐摩耗性、耐スクラッチ性、耐加水分
解性等が低下する。上記反応はイソシアネート基に対し
て不活性な溶媒の存在下または不存在下に行なうことが
できる。この溶媒としてはエステル系溶媒(酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テ
トラハイドロフラン等)、ケトン系溶媒(シクロヘキサ
ノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン等)
およびこれらの二種以上の混合溶媒が挙げられる。
【0033】反応方法としては(A)と(B)とを一括
して反応容器に仕込み反応させる方法;(A)と(B)
とを分割して多段反応をさせる方法;予め混合した
(A)と(B)を加熱された多軸押出し機中を通過させ
反応させる方法等が挙げられる。反応温度は通常30〜
180℃,好ましくは60〜120℃である。また、反
応を促進させるため通常のウレタン反応において用いら
れる触媒、例えば錫系触媒(トリメチルチンラウレー
ト、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラ
ウレート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクト
エート等)、鉛系触媒(レッドオレート、レッド2−エ
チルヘキソエート等)、アミン系触媒(トリエチレンジ
アミン等)等を使用してもよい。
【0034】かくして得られるポリウレタン樹脂(C)
の数平均分子量は、通常1,000〜200,000、
好ましくは3,000〜150,000である。数平均
分子量が1,000未満では樹脂物性が低下し、磁気テ
ープの耐久性が劣り、200,000を越えると塗料粘
度が高くなり、磁性体の分散性も低下する。
【0035】また、該(C)のガラス転移点は、通常0
〜125℃、好ましくは30〜120℃、さらに好まし
くは50〜115℃である。ガラス転移点が0℃未満で
は磁気テープの耐久性が低下し、125℃を超えると磁
気テープ製造時のカレンダー性が悪くなる。該ガラス転
移点は、例えば示差熱分析(DSC)法により測定する
ことができる。
【0036】本発明のバインダーに用いられる(C)
は、必要により他の樹脂と併用してもよい。該他の樹脂
としては、ポリ塩化ビニル系[塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体(「VYHH」;UCC社製、「エスレック
C」;積水化学製等)、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体(「VAGH」;UCC社製、
「エスレックA」;積水化学製等)、塩化ビニル−塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体(「サラン」;
旭ダウ製等)]、ポリウレタン系[ポリウレタン樹脂
(「エステン」;グッドリッチ社製等)]、ブタジエン
系[アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(「ハイカ
ー1482」;日本ゼオン製等)等]、アクリル系(ア
クリル酸エステル系共重合体等)、ニトロセルロース、
フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0037】これらの他の樹脂は、樹脂中に官能基とし
てカルボキシル基、スルホン酸金属塩基、スルホベタイ
ン、燐酸エステル基、アミノ基、第4級アンモニウム塩
基、水酸基等の官能基を含有していても良い。該他の樹
脂と併用する場合の(C)の含有量は通常30重量%以
上、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50
重量%以上である。
【0038】本発明の磁気記録媒体は、本発明のバイン
ダー、磁性粉、溶剤および添加剤を混合・分散し、得ら
れる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成
させることにより得られる。また、本発明のバインダー
は、磁性層とは反対側のバックコート層用のバインダー
としても使用することができる。
【0039】上記磁性塗料に使用される磁性粉として
は、酸化鉄〔例えばγ−Fe23(γ−ヘマタイ
ト)〕、CrO3(三酸化クロム)、合金系の磁性体
〔例えばCo−γ−Fe23(コバルトフェライトまた
はコバルトドープγ−酸化鉄)、Fe−Co−Cr〕、
純鉄Fe(メタルパウダー)、窒化鉄、炭化鉄等が挙げ
られる。
【0040】該磁性塗料に用いられる溶媒としては、エ
ステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル
系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン
系溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルルケトン等)、芳香族炭化水素系溶媒(ト
ルエン、キシレン等)およびこれらの2種以上の混合溶
媒が挙げられる。これらのうち好ましいものはケトン系
溶媒と芳香族炭化水素系溶媒との混合溶媒である。該溶
媒の使用量は、磁性塗料中の固形分含量が通常20〜8
0重量%となる範囲である。
【0041】さらに該磁性塗料には、バインダーおよび
磁性粉の他に、添加剤として公知の分散剤、潤滑剤、研
磨剤、帯電防止剤、防錆剤、架橋剤等が添加されていて
もよい。
【0042】分散剤としては、炭素数12〜18個の脂
肪酸(カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸
等);金属石鹸[前記の脂肪酸のアルカリ金属(カリウ
ム、ナトリウム等)塩およびアルカリ土類金属(マグネ
シウム、カルシウム、バリウム等)塩]等が挙げられ
る。
【0043】潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキ
ルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1
〜5、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシ
ロキサン、フロロアルキルポリシロキサン、シリコンオ
イル、導電性微粉末(グラファイト等)、無機粉末(二
硫化モリブデン、二硫化タングステン等)、プラスチッ
ク微粉末、脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類等が
挙げられる。
【0044】研磨剤としては、アルミナ、炭化珪素、酸
化クロム、コランダム、人造コランダム、ダイヤモン
ド、人造ダイヤモンド等が挙げられる。
【0045】帯電防止剤としては、導電性粉末(カーボ
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等)、
天然界面活性剤(サポニン等)、ノニオン型界面界面活
性剤(アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシ
ドール系等)、カチオン型界面活性剤(高級アルキルア
ミン類、第四級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複
素環類、ホスホニウム類等)、アニオン型界面活性剤
(カルボン酸型、スルホン酸型、リン酸型、硫酸エステ
ル基型、燐酸エステル基型等)、両性界面活性剤(アミ
ノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸
または燐酸エステル類等)等が挙げられる。
【0046】防錆剤としては、燐酸、スルフィド、グア
ニジン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメート、
カルシウムクロメート、ストロンチウムクロメート等が
挙げられる。また、特にジシクロヘキシルアミンナイト
ライト、シクロヘキシルアミンクロメート、ジイソプロ
ピルアミンナイトライト、ジエタノールアミンホスフェ
ート、シクロヘキシルアンモニウムカーボネート、プロ
ピレンジアミンステアレート、グアニジンカーボネー
ト、トリエタノールアミンナイトライト、モルフォリン
ステアレート等の気化性防錆剤(アミン、アミドまたは
イミドの無機酸塩または有機酸塩)を使用すると防錆効
果が向上する。
【0047】また、磁気記録媒体の磁性層の強度の向上
を目的として磁性塗料中に架橋剤として多官能ポリイソ
シアネートを配合することができる。好ましい多官能ポ
リイソシアネートとしては、たとえば有機ポリイソシア
ネート(TDI,MDI等)と活性水素化合物(低分子
ポリオール、ポリアミン、ポリエーテルポリオール、ポ
リエステルポリオール等)とからのNCO基末端プレポ
リマー[例えば、「コロネートL」(日本ポリウレタン
工業製)、「コロネートHL」(日本ポリウレタン工業
製)等]等が挙げられる。
【0048】バインダーと架橋剤の配合割合は特に限定
されないが、バインダー100重量部に対して架橋剤が
通常3〜80重量部である。また、架橋反応を促進させ
るため、前述のポリウレタン樹脂を製造する際に用いた
ものと同様の触媒を適宜配合してもよい。
【0049】磁気記録媒体を構成する非磁性支持体の素
材としては、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等);ポリ
オレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン等);セ
ルロース誘導体(セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート、セルロースダイアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート等);ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等);その他のプラスチック(ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等);非磁性
金属類(アルミニウム、銅、スズ、亜鉛またはこれらを
含む非磁性合金等);セラミック類(ガラス、陶器、磁
器等);オレフィン類(バライタ、ポリエチレン、エチ
レン−ブテン共重合体等)を塗布またはラミネートした
紙等が挙げられる。また、非磁性支持体の形態はフイル
ム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等のい
ずれでもよい。非磁性支持体上に磁性塗料を塗布して形
成される磁性層の厚さは、乾燥膜厚で通常0.1〜50
μmである。
【0050】磁気記録媒体(磁気テープ等)を製造する
方法としては、たとえばバインダー、磁性粉、溶媒およ
び必要により添加剤を予めプレミキサー等で混合したの
ち、混合分散機(ボールミル、ペイントコンディショナ
ー、サンドグラインダー、サンドミル、プラストミル
等)で磁性粉を分散させて磁性塗料を作成し、つぎにこ
の磁性塗料を、ドクターブレード法、転写印刷法(グラ
ビア法、リバースロール法等)の方法により非磁性支持
体に塗布後、配向、乾燥、表面加工、切断、巻取り等の
各工程を経て磁気記録媒体とする方法が例示できる。
【0051】該磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層
(磁性粉およびバインダー等)からなるものが一般的で
あるが、非磁性支持体と磁性層の間に中間層(下塗層、
アンダーコート層)を設けたもの、非磁性支持体の両面
に磁性層を有するもの、磁気特性の異なる磁性層を重積
したもの、磁性層の上に保護層を設けたもの、非磁性支
持体にバックコート層を設けたもの等であってもよい。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、部は重量部を示す。
【0053】合成例1[ロジンポリオール(D)の製
造] 攪拌機、温度計、環流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた4つ口コルベンに中国産ガムロジン(WG級、酸価
166.1)2モルを仕込み、窒素気流下で加熱し完全
に溶融させた後、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンジグリシジルエーテル1モルを攪拌しなが
ら投入し、140℃にて2−メチルイミダゾール0.0
02モルを添加し、150℃にて5時間反応させること
により、水酸基価113.0(水酸基当量:496.
5)、酸価1.4KOHmg/g、数平均分子量993
のロジンポリオール(D−1)1モルを得た。
【0054】実施例1 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付
した4つ口コルベンに、ロジンポリオール(D−1)
0.5モル、アジピン酸と1,4−ブタンジオールから
得られた水酸基当量500のポリエステルジオール0.
5モル、(HOCH2CH22NSO3Naのプロピレン
オキシド8モル付加物0.42モルおよびジフェニルメ
タンジイソシアネート1.38モルを仕込み約70℃で
反応させた。これにMEK/シクロヘキサノン混合物
(重量比1:1)を加え、固形分30%のポリウレタン
樹脂溶液(C−1)を得た。該(C−1)の粘度は1,
000cP/25℃、固形分濃度は30%、GPC法に
よる数平均分子量(ポリスチレン換算)は11,00
0、ポリウレタン樹脂中のスルファミン酸塩基含有量は
樹脂106g当たり220当量、DSC法によるガラス
転移点は50℃であった。この(C−1)をバインダー
として使用し、下記組成物をペイントコンディショナー
で混合、分散させて磁性塗料(E−1)を作成した。 Co−γ−Fe23微粉末 100部 ポリウレタン樹脂(C−1) 10部
(固形分換算) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 (商品名「VAGH」;UCC社製) 10部 レシチン 1部 メチルエチルケトン 75部 トルエン 75部 得られた磁性塗料に硬化剤[「コロネートL」(日本ポ
リウレタン工業製)、トリメチロールプロパンのトリレ
ンジイソシアネート3モル付加物]を5部添加し、10
分間混合した。この磁性塗料をポリエステルフィルムに
塗布し(乾燥膜厚5μm)、1,000Oeの磁場をか
け、配向させてテープを得た。更に、このテープをカレ
ンダーロールで処理し、磁気テープ(F−1)を得た。
【0055】実施例2 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付
した4つ口コルベンに、ロジンポリオール(D−1)1
モル、ネオペンチルグリコール1モル、(HOCH2
22NSO3Naのプロピレンオキシド8モル付加物
0.2モルおよびジフェニルメタンジイソシアネート2
モルを仕込み約70℃で反応させた。これにMEK/シ
クロヘキサノン混合物(重量比1:1)を加え、固形分
30%のポリウレタン樹脂溶液(C−2)を得た。該
(C−2)の粘度は800cP/25℃、固形分濃度は
30%、GPC法による数平均分子量(ポリスチレン換
算)は10,000、ポリウレタン樹脂中のスルファミ
ン酸塩基含有量は樹脂106g当たり100当量、DS
C法によるガラス転移点は107℃であった。得られた
ポリウレタン樹脂溶液(C−2)を用い実施例1と同様
にして磁性塗料(E−2)を作成し、磁気テープ(F−
2)を得た。
【0056】実施例3 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付
した4つ口コルベンに、ロジンポリオール(D−1)
0.5モル、アジピン酸と1,4−ブタンジオールから
得られた水酸基当量500のポリエステルジオール0.
5モル、(HOCH2CH2OCO)263SO3Na
0.2モルおよびジフェニルメタンジイソシアネート
1.1モルを仕込み約70℃で反応させた。これにME
K/シクロヘキサノン混合物(重量比1:1)を加え、
固形分30%のポリウレタン樹脂溶液(C−3)を得
た。該(C−3)の粘度は1,100cP/25℃、固
形分濃度は30%、GPC法による数平均分子量(ポリ
スチレン換算)は12,000、ポリウレタン樹脂中の
スルホン酸塩基含有量は樹脂106g当たり100当
量、DSC法によるガラス転移点は52℃であった。得
られたポリウレタン樹脂溶液(C−3)を用い実施例1
と同様にして磁性塗料(E−3)を作成し、磁気テープ
(F−3)を得た。
【0057】実施例4 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付
した4つ口コルベンに、ロジンポリオール(D−1)1
モル、ネオペンチルグリコール1モル、(HOCH2
2OCO)263SO3Na0.1モルおよびジフェ
ニルメタンジイソシアネート2モルを仕込み約70℃で
反応させた。これにMEK/シクロヘキサノン混合物
(重量比1:1)を加え、固形分30%のポリウレタン
樹脂溶液(C−4)を得た。該(C−4)の粘度は1,
300cP/25℃、固形分濃度は30%、GPC法に
よる数平均分子量(ポリスチレン換算)は13,00
0、ポリウレタン樹脂中のスルホン酸塩基含有量は樹脂
106g当たり100当量、DSC法によるガラス転移
点は105℃であった。得られたポリウレタン樹脂溶液
(C−4)を用い実施例1と同様にして磁性塗料(E−
4)を作成し、磁気テープ(F−4)を得た。
【0058】比較例1 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付
した4つ口コルベンに、1,6−ヘキサンジオールとジ
メチルカーボネートから得られた水酸基当量500のポ
リカーボネートジオール1モル、ネオペンチルグリコー
ル1モルおよびジフェニルメタンジイソシアネート1.
9モルを仕込み約70℃で反応させた。これにMEK/
シクロヘキサノン混合物(重量比1:1)を加え、固形
分30%のポリウレタン樹脂溶液(C−5)を得た。該
(C−5)の粘度は1,500cP/25℃、固形分濃
度は30%、GPC法による数平均分子量(ポリスチレ
ン換算)は15,000、DSC法によるガラス転移点
は10℃であった。得られたポリウレタン樹脂溶液(C
−5)を用い実施例1と同様にして磁性塗料(E−5)
を作成し、比較の磁気テープ(F−5)を得た。
【0059】試験例1 実施例1〜4および比較例1で得られた磁気テープ(F
−1)〜(F−5)の耐久性を測定した。その結果を表
1に示す。耐久性は、学振式摩擦堅牢度試験機(大栄化
学精機製作所製)で100gの荷重で30回摩擦後の粉
落ち量(mg)で示した。数値が少ない程、磁気テープ
の耐久性が良好であることを示す。
【0060】
【表1】
【0061】試験例2 実施例1〜4および比較例1で得られた磁性塗料(C−
1)〜(C−5)の粘度を測定した。その結果を表2に
示す。粘度は、BL型粘度計(東京計器製)を用いて2
5℃にて測定した。
【0062】
【表2】
【0063】試験例3 実施例1〜4および比較例1で得られた磁気テープ(F
−1)〜(F−5)の磁性体の分散性を見るため表面光
沢度を測定した。その結果を表3に示す。表面光沢度
は、日本電色工業製デジタル変角光沢計を用い、75゜
の正反射率を測定した。数値は標準板の反射率を95と
した場合と比較し、相対値(%)で表示した。光沢度が
高いほど分散性が良好であることを示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体用バインダーは、
従来のものに比べて次のような効果を奏する。 (1)本発明の磁気記録媒体用バインダーを用いて得ら
れた磁気記録媒体の耐久性が極めて優れている。 (2)また、本発明の磁気記録媒体用バインダーを用い
て得られた磁性塗料の粘度が低いため、塗布ラインのス
ピードアップができ、しかも、配向時に磁性体が動きや
すくなり、磁気特性が向上する。 (3)磁性体に対する分散性も優れており、さらに磁気
テープの磁気特性が向上する。上記効果を奏することか
ら本発明のバインダーは、たとえばオーディオテープ、
ビデオテープ、コンピューターテープ、データーレコー
ダーテープ、メタルテープ、フロッピーディスク、磁気
カード等の磁気記録媒体用バインダーとして有用であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基当量300〜2,000の高分子
    ポリオール(A1)または該(A1)および低分子ポリ
    オール(A4)からなるポリオール成分(A)と有機ポ
    リイソシアネート(B)とから誘導されるポリウレタン
    樹脂(C)からなる磁気記録媒体用バインダーにおい
    て、該高分子ポリオール(A1)の少なくとも10重量
    %が、ジエポキシ化合物1分子とロジン類2分子との反
    応で得られるロジンポリオール(A2)または該(A
    2)のアルキレンオキシドもしくはラクトン付加物(A
    3)であることを特徴とする磁気記録媒体用バインダ
    ー。
  2. 【請求項2】 該ロジン類が、ガムロジン、トール油ロ
    ジン、ウッドロジンおよび水素添加ロジンからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のバイン
    ダー。
  3. 【請求項3】 (C)が、分子側鎖にカルボン酸(塩)
    基、スルホン酸(塩)基、スルファミン酸(塩)基およ
    び燐酸エステル(塩)基もしくはホスホン酸(塩)基か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸(塩)基
    を有し、かつ該有機酸(塩)基の含有量が(C)106
    g当たり1〜1,000当量である請求項1または2記
    載の磁気記録媒体用バインダー。
  4. 【請求項4】 (C)のガラス転移点が50〜115℃
    である請求項1〜3いずれか記載の磁気記録媒体用バイ
    ンダー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載のバインダー
    を含有してなる磁性層を有する磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11250880B2 (en) 2017-06-30 2022-02-15 Sony Corporation Magnetic recording medium having controlled protrusion characteristics

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