JP2603547B2 - 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー - Google Patents

磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー

Info

Publication number
JP2603547B2
JP2603547B2 JP1329285A JP32928589A JP2603547B2 JP 2603547 B2 JP2603547 B2 JP 2603547B2 JP 1329285 A JP1329285 A JP 1329285A JP 32928589 A JP32928589 A JP 32928589A JP 2603547 B2 JP2603547 B2 JP 2603547B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
group
magnetic
magnetic recording
diisocyanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1329285A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03190983A (ja
Inventor
正人 遠藤
純市 山崎
伸 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Polyurethane Industry Co Ltd filed Critical Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority to JP1329285A priority Critical patent/JP2603547B2/ja
Publication of JPH03190983A publication Critical patent/JPH03190983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2603547B2 publication Critical patent/JP2603547B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダ
ーに関する、さらに詳細には、非磁性支持体上に形成さ
れる磁性層のバインダーが特定のポリウレタン樹脂バイ
ンダーからなる分散特性、電磁変換特性等に優れた磁気
記録媒体用バインダーに関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、オーデオ機器、ビデオ機器、コンピューター
等に用いる磁気記録媒体(具体的には、オーデオテー
プ、ビデオテープ、フロッピーディスク及びコンピュー
ター用データテープ等に用いられる)は、ポリエステル
フィルム等の非磁性の支持体上に磁性粉とバインダー等
を含む磁性塗料を塗布、乾燥して磁性層を形成すること
によって得られる。
このような磁気記録媒体の磁性層を形成するためのバ
インダーとしては、一般に塩化ビニル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹脂、エ
ポキシ樹脂等が使われている。
近年、オーデオテープ、ビデオテープ、コンピュータ
ー用のデータテープ等の磁気記録媒体の用途拡大に伴
い、要求性能も多岐に渡っているが、特に磁気記録媒体
の高信頼性への要望が増大している。具体的には鮮明な
音、画像を記録再生するための高密度記録化が特に求め
えられている。
高密度化の方策として、磁性粉の微粒子化、高磁力化
が図られるとともに、磁性層中における磁性粉の充填密
度、いわゆるパッキングデンシティを増大させる傾向が
強くなっている。このような磁性層の微粒子化による比
表面積の増大や高磁力化による凝集力の増大に伴い、分
散が困難となり従来のバインダーでは満足のいく分散性
や表面性が得られず、磁性粉のパッキングデンシティを
増大させることも困難なものとなっている。
近年、分散性を改善するために種々の親水性極性基を
導入することが提案されている。
例えば(イ)−SO3M基、(ロ)−COOM基、(ハ)−P
=O(OM′)2基、(ニ)−OH基、(ホ)三級アミノ基
(Mは水素あるいはアルカリ金属、M′は水素、アルカ
リ金属あるいは炭化水素基)等が考えられている。しか
し、(イ)、(ロ)、及び(ハ)の極性基の場合、これ
らを導入するにしたがって、得られる樹脂は濁りを生
じ、時間とともに沈澱、分離が発生することがある。ま
たこれを用いて磁性粉を分散させた磁性塗料の粘度は、
磁性基の導入量に伴って増大し、ひいては磁気記録媒体
の製造が困難となることがある。(ニ)と(ホ)は、分
散力は低く、極性基の導入量を増やしても微粒子化され
た磁性粉や高磁化量を有する金属磁性粉のバインダーと
しては性能不十分のためその改善が要望されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者等は、従来の欠陥を解消するために、鋭意研
究検討を重ねた結果、特定の親水性極性基を導入したポ
リウレタン樹脂をバインダーとしたときに、磁性粉の分
散性や磁性層の表面性を大幅に改良した磁気記録媒体が
得られることを見出し、本発明に至った。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち本発明は、磁気記録媒体用バインダーとして用い
るポリウレタン樹脂において、数平均分子量(以下n
と略す)500〜3000のポリオール、鎖延長剤、2〜3個
の活性水素基を含有するアルキルホスフィン基含有化合
物、有機ジイソシアネートを反応せしめてなり、樹脂中
にアルキルホスフィン基を0.01mmol/g〜1.0mmol/g含有
することを特徴とする磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂
バインダーである。
本発明のポリウレタン樹脂を構成する各成分について
説明する。
本発明に使用されるn500〜3000のポリオールとして
は、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリ
オール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル・エス
テルポリオール、ポリカーボネートポリオール等があ
る。
本発明のポリエステルポリオール、ポリアミドポリオ
ールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セパシ
ン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸ま
たはそれらの酸エステル、酸無水物等のジカルボン酸・
酸エステル・酸無水物と、エチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−
1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールあ
るいはビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプ
ロピレンオキサイド付加物等のグリコール、ヘキサメチ
レンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、モノエタノールアミン等のジアミンまたはアミノア
ルコール等の単独または、これらの混合物との縮合反応
で得られる。またε−カプロラクトン、アルキル置換ε
−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換
δ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノ
マーの開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポ
リオール等のポリエステルポリオールがある。ポリエー
テルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリテトラメ
チレンエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテル・エステルポリオールとしては、前述の
ポリエーテルポリオールと上記したジカルボン酸又は酸
無水物等から製造されるポリエステルポリオールが挙げ
られる。
ポリカーボネートポリオールとしては、一般には多価
アルコールとジエチルカーボネートの脱エタノール縮合
反応、あるいは多価アルコールとジフェニルカーボネー
トの脱フェノール縮合反応、あるいは、多価アルコール
とエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反
応で得られ、この多価アルコールとしては、1,6−ヘキ
サンジオール、ジエチレングリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタン
ジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル等の脂肪族ジオール、あるいは、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添
ビスフェノールA等の脂環族ジオール、p−キシレング
リコール、ビスフェノールA等より成る芳香族系ポリカ
ーボネートポリオールが用いられる。さらに、このよう
にして得られたポリカーボネートポリオールを開始剤と
して、前記のε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン
等のラクトンモノマーを開環重合することにより、ポリ
カーボネート−ラクトン系ポリオールが得られる。
本発明で使用される鎖延長剤としては、例えば、エチ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール(以下1,4BGと略
す)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール(以下NPGと略す)、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シ
クロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール(以下CHDMと略す)、あるいはビスフェノ
ールAのエチレンオキサイドまたは、プロピレンオキサ
イド付加物等のグリコール、ヘキサメチレンジアミン、
キシレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノー
ルアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン等のジア
ミンまたはアミノアルコール等が挙げられ、他に特開昭
61-107531にしめされるイソシアネート基と反応しウレ
ア結合を生成する水、尿素も鎖延長剤として使うことが
できる。これらは単独または、2種以上の混合物として
使うことができる。
本発明に使用されるアルキルホスフィン基を有する活
性水素化合物としては、一般式(I)で示される。
但し、R1、R2、R3は炭素数1〜10の2価の有機鎖であ
る。X、Yはイソシアネート基と反応しうる活性水素基
である。Zはイソシアネート基と反応しうる活性水素基
又は水素である。X、Y、Zのイソシアネート基と反応
しうる活性水素基とは−OH基、−NH2基、−SH基、−COO
H基等である。
一般式(I)の例としては、メチルジメタノールホス
フィン(以下MDMPと略す)、メチルジエタノールホスフ
ィン、エチルジプロパノールホスフィン、2−メチルプ
ロピルジイソプロパノールホスフィン、フェニルジエタ
ノールホスフィン(以下PDEPと略す)、ベンジルジヘキ
サノールホスフィン、ベンジルオクタノールホスフィ
ン、トリエタノールホスフィン(以下TEPと略す)、ト
リプロパノールホスフィン、ビス(2−アミノプロピ
ル)メチルホスフィン、ビス(2−メルカプトプロピ
ル)メチルホスフィン等が挙げられる。
これらの化合物はこのまま、鎖延長剤の一部として使
用できるが、前述のポリオールのグリコール原料として
も使用することができる。例えば、ε−カプロラクト
ン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラク
トン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状ラクト
ンモノマーによる開環重合反応、あるいは公知のジカル
ボン酸との脱水縮合反応、あるいは前述したポリエステ
ルポリオールとのエステル交換反応等により、ポリエス
テルポリオールが得られ、またポリエーテルポリオール
の製造時、開始剤としてラクトン系の化合物を用いるこ
とでラクトン系のポリエーテルポリオールが得られる。
さらにポリカーボネートポリオールの原料である多価ア
ルコールとしてこれらの化合物を用いることでポリカー
ボネートポリオールが得られる。このようにして得られ
たポリオールは、アルキルホスフィン基を含有する活性
水素化合物として使用することができる。導入するアル
キルホスフィン基のポリウレタン樹脂中の濃度として
は、0.01mmol/g〜1.0mmol/g、より好ましくは、0.05mmo
l/g〜0.5mmol/gである。濃度がこれ以下の場合、微粒子
化された磁性粉に対して分散性が充分でなく、所定の磁
気特性、電磁変換特性が得られず、また濃度がこれ以上
の場合、得られるポリウレタン樹脂のウレタン基濃度が
高くなり、溶剤に溶けにくくなったり、また溶液粘度が
高くなり、塗料製造上、混合、移送、塗布の工程に於て
作業性が劣るようになる。
本発明に使用される有機ジイソシアネートとしては、
例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと
2,6−トリレンジイソシアネートの任意の混合物、キシ
レン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソ
シアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(以下MDIと略す)、4,4′−ジフェニルエーテルジイ
ソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソ
シアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイ
ソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジ
イソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジ
イソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシア
ネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシア
ネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、シ
クロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネ
ート等を挙げることができる。これらの有機ジイソシア
ネートは、芳香族、脂肪族、脂環族のいずれでもよく、
目的とする樹脂物性に応じて選択することができる。
本発明のポリウレタン樹脂中には、他の親水性極性基
を併用してもよい。例えば−COOM基、−OH基、−SO3M
基、−P=O(OM′)2基(Mは水素またはアルカリ金
属、M′は水素、アルカリ金属または炭化水素基)三級
アミノ基、第四級アンモニウム塩等の親水性極性基を含
有するジオール、ジアミンまたはアミノアルコール等の
活性水素化合物等と併用することができる。−COOM基を
有する活性水素化合物の例としては、−COOM含有グリコ
ールとして、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジ
メチロールプロピオン酸ナトリウム、2,2−ジメチロー
ル酪酸、及び2,2−ジメチロール吉草酸、さらにはジア
ミンと酸無水物の反応生成物例えばイソホロンジアミン
(以下IPDAと略す)/無水フタル酸の反応生成物等を挙
げることができる。
極性基としての−OH基を有する活性水素化合物の例と
しては、1個の2枚OH基含有グリコールとして、グリセ
リン、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、1,2,6
−ヘキサントリオール及びジエタノールアミンのプロピ
レンオキサイド付加物があり、分子内に3級OH基を有す
るグリコールとして、1,2,3−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン、1,3,5−ヒドロキシ−3−メチルペンタン、
1,2,3,6−ヒドロキシ−2,3−ジメチルヘキサン等の単体
もしくは混合物があり、ジアミンとして、N−ヒドロキ
シエチルエチレンジアミン、1,3−ジアミノ−2−プロ
パノール等を挙げることができる。
−SO3M基を有する活性水素化合物の例としては、2−
ナトリウムスルホ−1,4−ブタンジオール、2−カリウ
ムスルホ−1,4−ブタンジオール等の−SO3M基含有グリ
コール、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリ
ウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホコハク酸及
びそのアルキルエステル等の−SO3M基含有ジカルボン酸
及びエステルが挙げられる。
−P=O(OM′)2基を有する活性水素化合物の例と
しては、2,3−ジヒドロキシプロピル−フェニルホスフ
ォン酸ナトリウム、2,3−ジヒドロキシプロピル−フェ
ニルホスフォン酸ナトリウム、ビス(2−ヒドロキシエ
チル)ホスフォン酸カリウム、ビス(4−ヒドロキシブ
チル)ホスフォン酸ナトリウム等が挙げられる。
三級アミノ基を有する活性水素化合物の例としては、
N−メチルジメタノールアミン、N−メチルジエタノー
ルアミン、N−メチルジプロパノールアミン、あるいは
これらのN−エチル化合物、N−フェニル化合物、3−
ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチ
ルアミノ−1,2−プロパンジオール、4−(3−ヒドロ
キシ−2−ヒドロキシメチル)プロピル−N,N−ジメチ
ルアニリン、4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメ
チル)プロピル−N,N−ジエチルアニリン等が挙げられ
る。
第四級アンモニウム塩の例としては、ビス(2−ヒド
ロキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド、ビス
(6−ヒドロキシヘキシル)ジメチルアンモニウムクロ
ライド、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライドあるいは、これらの化合物で塩素が臭
素、ヨウ素、パラトルエンスルホネートである化合物。
さらに4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル)
プロピル−N,N−ジメチルアニリンのアルキルハロゲン
塩が挙げられる。
これら親水性極性基含有の活性水素化合物は、鎖延長
剤の一部として用いても良いし、ポリカーボネートポリ
オールまたはポリカーボネート−ラクトン系ポリオール
の製造時、多価アルコールの一部として前述の親水性極
性基含有多価アルコールを併用し、ポリカーボネートポ
リオールまたはポリカーボネート−ラクトン系ポリオー
ルに前述の親水性極性基を含有させたり、併用されるポ
リエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール
等の原料として、多価アルコールの一部またはジカルボ
ン酸の一部として用いたり、ポリエステル、ポリカーボ
ネートポリオール等とのエステル交換反応によっても、
ポリオール鎖に親水性極性基を導入することが可能であ
る。
本発明のポリウレタン樹脂を構成する各成分である
n500〜3000のポリオール、鎖延長剤、および2〜3個の
活性水素基を含有するアルキルホスフィン基含有化合物
の全活性水素基のモル数と有機ジイソシアネートの全イ
ソシアネート基の全モル数とのモル数比R(全イソシア
ネート基/全活性水素基)は0.80〜1.05、好ましくは0.
85〜1.00である。このような成分から得られる樹脂は、
n10000〜130000好ましくは20000〜60000である。この
場合nが10000より小さくなると分散性に優れており
有利であるが、樹脂の塗膜形成能が不十分となり、耐久
性と表面滑性の点で劣るようになる。nが130000より
大きくなると分散性が落ちると共に、粘度が大きくなる
ので塗料製造上、混合、移送、塗布の工程に於て作業性
が劣るようになる。
本発明にかかるポリウレタン樹脂を製造する際には公
知の方法例えば、溶融状態で反応せしめるバルク重合
(固形反応)法、メチルエチルケトン(以下MEKと略
す)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶剤、セロソルブ、カルビトール等として知られるグリ
コールエーテル系、セロソルブアセテート等の酢酸グリ
コールエーテル系、ジメチルアセトアミド、ジメチルホ
ルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール等のアルコール系溶剤等の単独または混合
溶剤中に前記の各成分を溶解せしめた状態で反応させる
溶液重合法等を用いることができる。
また必要に応じて触媒及び安定剤を用いることができ
る。触媒としては例えば、トリエチルアミン、トリエチ
レンジアミン等の含窒素化合物、ジブチル錫ジラウレー
ト(以下DBTDLと略す)、オクチル酸錫、ステアリン酸
亜鉛等の有機金属化合物等が挙げられる。安定剤として
は、置換ベンゾトリアゾール類等の紫外線吸収剤、フェ
ノール誘導体等の酸化防止剤、及び加水分解防止剤等が
挙げられる。
また、本発明では本発明のポリウレタン樹脂と共に、
必要に応じて磁気記録媒体のバインダーとして通常用い
られる他のポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体、ポリブチルブチラール系樹脂、繊維素系樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びフェノキシ樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の熱硬化
性樹脂又は反応型樹脂及び不飽和プレポリマー、例えば
ウレタンアクリルタイプ、ポリエステルアクリルタイ
プ、または多官能モノマーとして、ウレタンアクリルタ
イプ、リン酸エステルアクリルタイプ、アリールタイ
プ、等の電子線または紫外線硬化型樹脂を併用すること
ができる。
本発明で用いられる磁性粉としては、例えばγ−Fe2O
3、Co含有γ−Fe2O3、等の酸化鉄磁性粉、CrO2、六方晶
系バリウムフェライト微粒子、及びFe、Ni、Co、Fe-Ni-
Co合金、Fe-Mn-Zn合金等Fe、Ni、Coを主成分とするメタ
ル磁性粉、窒化鉄等各種の強磁性粉が挙げられる。
本発明に係わるポリウレタン樹脂は、磁気記録媒体以
外に、塗料、接着剤、シーリング剤、防水剤、床材、人
工皮革、繊維処理剤、弾性繊維、クッション材、シー
ト、ベルト、フィルム、ロール、ギヤー、ソリッドタイ
ヤ、防振材、チューブ、パッキング材、靴底(マイクロ
セルラー)等に利用することができる。
〔作用〕
このように、樹脂中にアルキルホスフィン基を0.01mm
ol/g〜1.0mmol/g導入して成るポリウレタン樹脂をバイ
ンダーとすることにより、磁性粉に対する分散性や磁性
層の表面性を大幅に改良される。
〔実施例〕
次に、本発明について実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明がこれら実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例における「部」及び「%」は、断わりの
ない限り「重量部」及び「重量%」である。
実施例1. 温度計、かくはん機、コンデンサーを備えた反応容器
に、n1000のポリヘキサメチレンイソフタレート1000
部、1,4−BG18部、TEP11部、シクロヘキサノン870部
(反応開始固形分60%に相当)及びDBTDLを0.05部加え5
0℃で混合したのちMDIを282部加え80℃にて反応させ
た。時間と共に粘度が上昇するので適時シクロヘキサノ
ン、及びMEKにて希釈し、全溶剤量3930部とし、重量比
で1:1となるよう希釈した。得られたポリウレタン樹脂
溶剤は固形分25.3%、粘度320(cP/25℃)で、ポリスチ
レン換算で、nは21200であった。
実施例2.〜5. 実施例1.と同様の合成方法で、ポリオール、鎖延長
剤、有機ジイソシアネート、導入するアルキルホスフィ
ンの種類、濃度を変えて合成した。適時、使用する溶剤
を変更した。合成したポリウレタン樹脂の組成、及び特
性をそれぞれ表1.に示す。
比較例1. 実施例1.において、アルキルホスフィンを加えないこ
と以外は同様に合成し、合成したポリウレタン樹脂の組
成、及び特性を表1.に示す。
比較例2. 実施例3.において、アルキルホスフィンを加えないこ
と以外は同様に合成し、合成したポリウレタン樹脂の組
成、及び特性を表1.に示す。
〈磁性塗料及び磁性層の評価〉 応用例1. 実施例1.で得られたポリウレタン樹脂をもちいて、 磁性塗料用配合組成物 Co−γ−Fe2O3 100部 ポリウレタン樹脂(樹脂分) 25部 トルエン 110部 MEK 110部 シクロヘキサノン 70部 該配合割合の組成物を卓上サンドグラインミル(五十
嵐機械KK製)で8時間分散させ、得られた磁性塗料を厚
さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾
燥後厚さ5μmになるように塗布し乾燥し、各々の光沢
度を見た(表2.)。また8時間分散して得た磁気塗料に
ポリイソシアネートとしてコロネート−L(日本ポリウ
レタン工業製 商品名)を硬化剤として樹脂分換算でポ
リウレタン樹脂(A)の10%加え、更に1時間混合して
から、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に乾燥後厚さ5μmになるように2000ガウスの磁場
を印加しつつ塗布してから、60℃1日放置し磁気テープ
を得た。
応用例2.〜5.、比較例1.〜2. 応用例1.で用いたポリウレタン樹脂の代わりに実施例
2.〜5.及び比較例1.〜2.で得たポリウレタン樹脂を用い
て、応用例1.と同様の処方で分散性、磁気テープ特性を
評価した。結果を表2.に示す。
光沢度:得られた磁気テープの表面を光沢計を用いて入
射角60度反射角60度における反射率を見た。
角型比(Br/Bm):VSM−3型(東英工業株式会社製)を
用いて、飽和磁化、残留磁化を測定した。
表1.の註 1) ポリウレタン樹脂中に導入したホスフィン化合物
の固形分換算モル濃度 2) 得られたポリウレタン樹脂のnは、GPC装置(H
LC-8020:東ソー株式会社製)を用い、ポリスチレン換算
で求めた。
3) ポリブチレンアジペートn=2500使用した。
〔発明の効果〕 本発明におけるポリウレタン樹脂は、親水性極性基と
して、アルキルホスフィン基を樹脂中に0.01mmol/g〜1.
0mmol/g導入することにより、磁性粉に対する分散性を
向上させることができ、これを磁性層のバインダーとし
て用いると高密度磁気記録媒体を得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体用バインダーとして用いるポ
    リウレタン樹脂において、 数平均分子量500〜3000のポリオール、鎖延長剤、2〜
    3個の活性水素基を含有するアルキルホスフィン基含有
    化合物、有機ジイソシアネートを反応せしめてなり、 樹脂中に該アルキルホスフィン基を0.01mmol/g〜1.0mmo
    l/g含有することを特徴とする磁気記録媒体用ポリウレ
    タン樹脂バインダー。
JP1329285A 1989-12-19 1989-12-19 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー Expired - Lifetime JP2603547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1329285A JP2603547B2 (ja) 1989-12-19 1989-12-19 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1329285A JP2603547B2 (ja) 1989-12-19 1989-12-19 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03190983A JPH03190983A (ja) 1991-08-20
JP2603547B2 true JP2603547B2 (ja) 1997-04-23

Family

ID=18219748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1329285A Expired - Lifetime JP2603547B2 (ja) 1989-12-19 1989-12-19 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2603547B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0641474A (ja) * 1992-07-24 1994-02-15 Sanyo Chem Ind Ltd 磁性塗料用バインダー
JP5585083B2 (ja) * 2007-12-28 2014-09-10 宇部興産株式会社 耐燃性ポリウレタンイミド樹脂、その樹脂組成物および硬化膜

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03190983A (ja) 1991-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5124424A (en) Polyurethane resin binder for magnetic recording mediums comprising a polycarbonate polyol
JPS6346887B2 (ja)
US5384362A (en) Vinyl-sulfonated and non-sulfonated hydroxy functional polyurethane copolymers prepared from macromonomers and their use in magnetic recording media
JPH07166129A (ja) 磁気媒体用バインダー
JP2630467B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
JPS60127522A (ja) 磁気記録担体
JP2603547B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
JP2660589B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JP2651729B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JP2630479B2 (ja) 滋気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
JP3189253B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JP2663184B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JP2663186B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JP2867734B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
JPH06340846A (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
JPH02284911A (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂結合剤
JPS6363970B2 (ja)
JP2579501B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂
JP3031377B1 (ja) 磁気記録媒体用バインダ―及びこれを用いた磁気記録媒体
JPH07110934A (ja) 磁気記録媒体
JPH0551008B2 (ja)
JP3085408B2 (ja) 磁気記録媒体
US5473042A (en) Materials suitable as crosslinkable binder components
JPH0256727B2 (ja)
JP3575130B2 (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees