JP2867734B2 - 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法

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JP2867734B2
JP2867734B2 JP3097965A JP9796591A JP2867734B2 JP 2867734 B2 JP2867734 B2 JP 2867734B2 JP 3097965 A JP3097965 A JP 3097965A JP 9796591 A JP9796591 A JP 9796591A JP 2867734 B2 JP2867734 B2 JP 2867734B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性支持体に微粉状
磁性粒子が分散したバインダーを塗布して得られる磁気
記録媒体において、磁気記録層の構成成分である磁気記
録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法に関す
るものである
【0003】
【従来の技術】従来から塗布型磁気記録媒体(具体的に
はオーディオテープ、ビデオテープ、フロッピーディス
ク、コンピューター用データテープ等)のバインダーと
して、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ塩化
ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、ポリメタクリル酸メチル
共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合
体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂等が使用されてきた。しかし、最近の磁気記録媒体に
求められる要求性能は多岐に渡り、高性能を要求される
用途には従来のバインダーは性能的に十分とはいえない
のが現状である。磁気記録媒体の高性能化の方策として
は磁性粉の微粒子化、高磁力化とともに磁性層中の磁性
粉の高充填密度化、いわゆるパッキングデンシィティー
の増大等による高密度化が主となっている。このような
磁性粉の微粒子化による比表面積の増大や、高磁力化に
よる凝集力の増大にともない、従来のバインダーでは満
足のいく分散性や表面性が得られず、磁性粉のパッキン
グデンシィティーを増大させることも困難なものとなっ
ている。
【0004】近年、分散性を改善するために種々の親水
性極性基を導入することが提案されている。1とえば、
SO3 M基、COOM基、P=O(OM′)2 基、OH
基、第三アミノ基、第四アンモニウム塩(Mは水素ある
いはアルカリ金属、M′は水素、アルカリ金属あるいは
炭化水素基)等が考えられている。しかし、SO3
基、COOM基、P=O(OM′)2 基それぞれを導入
した場合、得られる樹脂は濁りを生じ、時間とともに沈
殿、分離が発生する。また、これらを用いて磁性粉を分
散させた磁性塗料の粘度は、極性基の導入量にともなっ
て増大し、ひいては磁気記録媒体の製造が困難となる。
【0005】OH基、第三アミノ基それぞれを導入した
場合、分散力は低く、極性基の導入量を増やしても微粒
子化された磁性粉や高磁化量を有する金属磁性粉のバイ
ンダーとしては性能不十分である。
【0006】また、ポリウレタン樹脂バインダーへの第
四アンモニウム塩導入は、第三アミンをポリウレタン主
鎖に導入後、アルキル化剤により第四級化する方法が特
開昭54−153009号公報、特開昭55−1001
57号公報で報告されている。しかし、ポリマー溶液で
の第四級化は通常十分に進行せず、残存アルキル化剤に
よるポリウレタン主鎖への悪影響(分解)が懸念される
上、この方法で第四アンモニウム塩を導入した場合、溶
解性に劣り、バインダーに安定的に導入することが困難
であり、濁り、沈殿を生じるため改善が要望されてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記事
情に鑑み、第四アンモニウム塩導入ポリウレタン樹脂の
溶解性、低塗料粘度化、高分散性、そして磁気記録媒体
を形成した場合の電磁変換特性の向上を目的として磁気
記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーについて鋭意研
究検討を重ねた結果、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、次の工程からなるこ
とを特徴とする磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バイン
ダーの製造方法である。 (イ)下記の一般式(I)で示される特定の第四級アン
モニウム塩含有グリコー ルと、有機ジイソシアネート
(1)を反応させて、第四級アンモニウム塩含 有のイソ
シアネート基末端プレポリマーを合成する工程。 (ロ)長鎖ポリオールと(イ)で得られたイソシアネー
ト基末端プレポリマーを 反応させて前駆体を得る工程。 (ハ)鎖延長剤、(ハ)で得られた前駆体、有機ジイソ
シアネート(1)とは異 なる有機ジイソシアネート
(2)を反応させて、最終的に第四級アンモニウ ム塩含
有ポリウレタン樹脂バインダーを得る工程。
【0009】
【化2】 (A、Bは、炭素数1〜10の2価の有機鎖である。R
、Rは炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、
ベンジル基から選択される基であり、かつ、R、R
のうち少なくとも1つは、炭素数4〜10のアルキル基
である。Xは、有機あるいは無機のアニオンであ
る。)
【0010】本発明に用いるポリウレタン樹脂バインダ
ーの各構成成分について、以下に説明する。本発明に使
用される数平均分子量500〜5,000の長鎖ポリオ
ールとしては、ポリエステル系、ポリラクトン系、ポリ
カーボネート系ポリオール、及び、これらのコエステル
ポリオールがあり、これら長鎖ポリオールを単独使用、
又は併用しても良い。これらの長鎖ポリオールは公知の
方法で得られるものである。
【0011】例えば、公知のコハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸またはそれらの酸エステル、酸無水物等のジカルボ
ン酸・酸エステル・酸無水物と、エチレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
グリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル
−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4
−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイドまたは
プロピレンオキサイド付加物等のグリコール、ヘキサメ
チレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、モノエタノールアミン等のジアミンまたはアミノア
ルコール等単独または、これらの混合物との脱水縮合反
応で得られるポリエステルポリオール、ポリエステルア
ミドポリオール、またはε−カプロラクトン、アルキル
置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキ
ル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクト
ン)モノマーの開環重合して得られるラクトン系ポリエ
ステルポリオール等のポリエステルポリオールがあり、
ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレン
グリコール、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリ
テトラメチレンエーテルポリオール等があげられる。ポ
リエーテル・エステルポリオールとしては、上記のポリ
エーテルポリオールと上記したジカルボン酸又は酸無水
物等から製造されるポリエステルポリオールがあげられ
る。ポリカーボネートポリオールとしては、一般には多
価アルコールとジエチレンカーボネートの脱エタノール
縮合反応、あるいは多価アルコールとジフェニルカーボ
ネートの脱フェノール縮合反応、あるいは、多価アルコ
ールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮
合反応などで得られ、この多価アルコールとしては、
1,6−ヘキサングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタングリコール、1,5−ペンタ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オク
タングリコール、1,9−ノナングリコール、1,10
−デカングリコール等の脂肪族グリコール、あるいは、
1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコールより成る
ポリカーボネートポリオールが用いられる。
【0012】本発明で使用される鎖延長剤としては、公
知のグリコール、ジアミン、アミノアルコール等が用い
られる。例えば、エチレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタングリコール、
1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−
オクタングリコール、1,9−ノナングリコール、ジエ
チレングリコール、シクロヘキサン−1,4−グリコー
ル、シクロヘキサン1,4−ジメタノールあるいはビス
フェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオ
キサイド付加物等のグリコール、ヘキサメチレンジアミ
ン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタ
ノールアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン等
のジアミンまたはアミノアルコール等が挙げられ、他に
特開昭61−107531に示されるイソシアネート基
と反応しウレア結合を生成する水、尿素も鎖延長剤とし
て使うことができる。これら上記の化合物は単独または
これらの混合物の形で使うことができる。
【0013】本発明に使用される特定の第四アンモニウ
ム塩含有グリコールとしては、下記の一般式(I)で示
される化合物が用いられる。
【0014】
【化3】 (A、Bは、炭素数1〜10の2価の有機鎖である。R
、Rは炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、
ベンジル基から選択される基であり、かつ、R、R
のうち少なくとも1つは、炭素数4〜10のアルキル基
である。Xは、有機あるいは無機のアニオンであ
る。)
【0015】一般式(I)の具体例としては、N−ブチ
ル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル
アンモニウムクロライド、N−ペンチル−N,N−ジ
(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムク
ロライド、N−ヘキシル−N,N−ジ(2−ヒドロキシ
エチル)−N−メチルアンモニウムクロライド、N−ヘ
プチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メ
チルアンモニウムクロライド、N−オクチル−N,N−
ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウム
クロライド、N−ノニル−N,N−ジ(2−ヒドロキシ
エチル)−N−メチルアンモニウムクロライド、N−デ
シル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチ
ルアンモニウムクロライド、N−ブチル−N,N−ジ
(2−ヒドロキシブチル)−N−メチルアンモニウムク
ロライド、N−ペンチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシ
ブチル)−N−メチルアンモニウムクロライド、N−ヘ
キシル−N−ヘキシル−N,N−ジ(2−ヒドロキシブ
チル)−N−メチルアンモニウムクロライド、N−ヘプ
チル−N,N−ジ(2−ヒドロキシブチル)−N−メチ
ルアンモニウムクロライド、N−オクチル−N,N−ジ
(2−ヒドロキシブチル)−N−メチルアンモニウムク
ロライド、N−ノニル−N,N−ジ(2−ヒドロキシブ
チル)−N−メチルアンモニウムクロライド、N−デシ
ル−N,N−ジ(2−ヒドロキシブチル)−N−メチル
アンモニウムクロライド、N−ブチル−N,N−ジ(2
−ヒドロキシヘキシル)−N−メチルアンモニウムクロ
ライド、N−ペンチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシヘ
キシル)−N−メチルアンモニウムクアロライド、N−
ヘキシル−N,N−ジ(2−ヒドロキシヘキシル)−N
−メチルンモニウムクロライド、N−ヘプチル−N,N
−ジ(2−ヒドロキシヘキシル)−N−メチルアンモニ
ウムクロライド、N−オクチル−N,N−ジ(2−ヒド
ロキシヘキシル)−N−メチルアンモニウムクロライ
ド、N−ノニル−N,N−ジ(2−ヒドロキシヘキシ
ル)−N−メチルアンモニウムクロライド、N−デシル
−N,N−ジ(2−ヒドロキシヘキシル)−N−メチル
アンモニウムクロライドがあり、これらのクロライドが
ブロマイド、ヨーダイド、パラトルエンスルホネート等
である化合物も挙げられる。好ましくはN−オクチル−
N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアン
モニウムブロマイドまたは、N−(2−エチルヘキシ
ル)−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチ
ルアンモニウムクロライドまたは、N−デシル−N,N
−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウ
ムブロマイドである。
【0016】本発明に使用される第四アンモニウム塩の
濃度は、好ましくは0.01〜1.00mmol/g、
より好ましくは0.05〜0.50mmol/gであ
る。濃度が0.01mmol/g以下の場合、磁性粉に
対して分散性が十分でなく、所定の磁気特性、電磁変換
特性が得られず、また、濃度が1.0mmol/g以上
の場合、磁性塗料の粘度が高くなり、非磁性支持体に塗
布することが困難となってしまう。
【0017】本発明に使用される有機ジイソシアネート
(1)及び有機ジイソシアネート(2)としては、公知
の芳香族、脂肪族、脂環族ジイソシアネートのいずれで
もよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレン−1,
4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、
2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、
2,2′−ビス(4−イソシアナト−フェニル)プロパ
ン、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイ
ソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジ
イソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジ
イソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシア
ネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジ
イソシアネート等を挙げることができる。これらの有機
ジイソシアネートは、芳香族、脂肪族、脂環族のいずれ
でもよく、希望する樹脂物性に応じて選択される。
し、有機ジイソシアネート(1)と有機ジイソシアネー
ト(2)では、異なる種類のものを選択する必要があ
る。
【0018】本発明における有機ジイソシアネート
(1)には、得られるポリウレタン樹脂バインダー全体
の溶解性を妨げないことから、トリレンジイソシアネー
ト(2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート、
又は、これらの混合物)、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートから少なくとも1種
類以上選択されるものが好ましい。
【0019】本発明の磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂
バインダーの製造手順を以下に説明する。本発明は、以
下の(イ)〜(ハ)の工程からなる磁気記録媒体用ポリ
ウレタン樹脂バインダーの製造方法である。 (イ)下記の一般式(I)で示される特定の第四級アン
モニウム塩含有グリコー ルと、有機ジイソシアネート
(1)を反応させて、第四級アンモニウム塩含 有のイソ
シアネート基末端プレポリマーを合成する。 (ロ)長鎖ポリオールと(イ)で得られたイソシアネー
ト基末端プレポリマーを 反応させて前駆体を得る。 (ハ)鎖延長剤、(ハ)で得られた前駆体、有機ジイソ
シアネート(1)とは異 なる有機ジイソシアネート
(2)を反応させて、最終的に第四級アンモニウ ム塩含
有ポリウレタン樹脂バインダーを得る。 本発明における全イソシアネート基数(有機ジイソシア
ネート(1)及び有機ジイソシアネート(2)のイソシ
アネート基数)/全活性水素基数(長鎖ポリオール、鎖
延長剤、第四級アンモニウム塩含有グリコールの全活性
水素基数)のモル数比は、 0.50〜1.10、好まし
くは0.80〜1.05である。このようにして得られ
るバインダーは、線状で両末端に水酸基を有し、数平均
分子量5,000〜150,000、好ましくは10,
000〜70,000のポリウレタン樹脂である。分子
量が5,000より小さい場合、分散性に優れ有利な反
面、塗膜形成能が不十分であり、耐久性と表面平滑性に
劣る。分子量が150,000より大きい場合、分散性
が低下するとともに粘度が増大し塗料製造上や、混合、
移送、塗布の工程おいて作業性が低下する。
【0020】本発明においては、無溶剤で各原料の溶解
状態で反応させるバルク重合法、溶剤中で反応させる溶
液重合法等の公知の反応方法を用いることができる。
た、本発明においては、必要に応じて触媒及び安定剤を
用いることができる。本発明から得られるバインダー適
用できる磁性粉としては、Fe、Ni、Co、Fe−N
i−Co合金、Fe−Mn−Zn合金等、Fe、Ni、
Coを主成分とするメタル磁性粉の他、γ−Fe
、Co含有γ−Fe、等の酸化鉄、六方晶
バリウムフェライト等の強磁性粉が挙げられる。
【0021】
【作用】このように、(イ)特定の第四級アンモニウム
塩含有グリコールと、有機ジイソシアネート(1)を反
応させて第四級アンモニウム塩含有のイソシアネート基
末端プレポリマーを合成する工程、(ロ)長鎖ポリオー
ルと(イ)で得られたイソシアネート基末端プレポリマ
ーを反応させて前駆体を得る工程、(ハ)鎖延長剤、
(ハ)で得られた前駆体、有機ジイソシアネート(1)
とは異なる有機ジイソシアネート(2)を反応させて、
最終的に第四級アンモニウム塩含有ポリウレタン樹脂バ
インダーを得る工程からなる製造方法は、ポリウレタン
樹脂に第四級アンモニウム塩を安定的に導入でき、得ら
れたポリウレタン樹脂バインダーは、沈殿、分離するこ
ともない。また、本発明の製造方法によって得られた
リウレタン樹脂を磁気記録媒体のバインダーとすること
により、磁性粉に対する分散性を大幅に改良でき、低粘
度の磁性塗料の供給が可能となり、優れた機械的物性と
電磁変換特性を兼ね備えた磁気記録媒体を供することが
できる。
【0022】
【実施例】次に、本発明について実施例により更に詳細
に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例における「部」および「%」は、
断りのない限り「重量部」および「重量%」を示す。
【0023】実施例 1 温度計、攪拌機、コンデンサーを備えた反応容器に2,
4−体及び2,6−体の異性体比80/20のトリレン
ジイソシアネートの混合物(商品名コロネートT−8
0,日本ポリウレタン工業製)48部、シクロヘキサノ
ン37部、N−ヘキシル−N,N−ジ(2−ヒドロキシ
エチル)−N−メチルアンモニウムブロマイド39部を
仕込み70℃で2時間反応させた後、シクロヘキサノン
429部、数平均分子量(Mn)1000のポリヘキサ
メチレンイソフタレート1000部を仕込み80℃にて
2時間反応させる。イソシアネート基が無いことを確認
してから1,4−ブタンジオールを18部、シクロヘキ
サノン443部、及びウレタン化触媒としてジオクチル
錫ジラウレートを0.1部加え、50℃で混合した後、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)を261部加え80℃にて反応させた。時間と共に
粘度が上昇するので、適時シクロヘキサンにて希釈し
た。このポリウレタン樹脂溶液は固形分25.2%,粘
度2440cP/25℃、数平均分子量22100であ
った。
【0024】実施例 2〜8 実施例1と同様の合成方法で、長鎖ポリオール、鎖延長
剤、有機ジイソシアネート、および第四アンモニウム塩
の種類を変えて合成した。合成したポリウレタン樹脂組
成、溶剤組成を表1に、特性を表3,4に示す。
【0025】比較例 1〜2 実施例1、5と同様な合成方法にて、第四アンモニウム
塩を用いないこと以外は、同様に合成した。合成したポ
リウレタン樹脂組成、溶剤組成を表2に、特性を表5,
6に示す。
【0026】比較例 3〜5 実施例1、2、3と同様の合成方法で、第四アンモニウ
ム塩結合有機ジイソシアネートと結合しない有機ジイソ
シアネートと同一の有機ジイソシアネートを用いて合成
した。合成したポリウレタン樹脂組成、溶剤組成を表2
に、特性を表5,6に示す。
【0027】比較例 6〜8 実施例1と同様の合成方法で、第四アンモニウム塩の種
類を変えて合成した。合成したポリウレタン樹脂組成、
溶剤組成を表2に、特性を表5,6に示す。
【0028】比較例 9 温度計、攪拌機および部分還流式冷却器を備えた反応容
器にイソフタル酸496部、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸ジメチル119部、1,6−ヘキサンジオール
519部、テトラブチルチタネート0.02部を加え1
40〜220℃で10時間反応させた後、180〜22
0℃で5時間かけて20mmHgまで減圧し、さらに5
〜20mmHg、220℃で10時間重縮合反応を行な
った。得られた長鎖ポリオール水酸基価は112、Mn
=1000であった。このポリエステルポリオール−2
を用いて、実施例1と同様の合成方法でポリウレタン樹
脂を合成した。合成したポリウレタン樹脂組成、溶剤組
成を表2に、特性を表5,6に示す。
【0029】磁性塗料および磁性層の評価
【0030】応用例 1 実施例1で得られたポリウレタン溶液を用いて、下記の
配合割合の組成物を卓上サンドグラインドミル(五十嵐
機械製)で8時間分散させ、得られた磁性塗料を厚さ1
5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥
膜厚5μmとなるように塗布し乾燥後の光沢度を見た。
さらに、得られた磁性塗料の粘度をE型粘度計(東機産
業製)を用いて測定した。結果を表6に示す。また、8
時間分散して得られた磁性塗料に硬化剤としてコロネー
トL(日本ポリウレタン工業製)を、樹脂分換算100
部に対して樹脂分換算10部を加え、1時間混合してか
ら、厚さ15μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に乾燥膜厚5μmとなるように塗布した。さらに、
直ちに2000ガウスの磁場中を通過させて配向処理を
施し、60℃で24時間放置し磁気テープを得た。得ら
れた磁気テープの電磁変換特性は振動試料型磁力計(東
英工業製)を用いて評価した。角型比(Br/Bm)の
測定結果を表7に示す。 磁気記録媒体用配合組成物 メタル粉(BET=55m2/g) 100部 ポリウレタン樹脂(樹脂粉) 25部 レシチン 1部 MEK 110部 トルエン 110部 シクロヘキサノン 74部
【0031】応用例2〜8、比較例1〜9 応用例1で用いたポリウレタン樹脂の代わりに、実施例
2〜12および比較例1〜6で得たポリウレタン樹脂溶
液を用いて、応用例1と同様の処方で分散性、磁気テー
プ特性を評価した。結果を表7および表8に示す。
【0032】光沢度 : 得られた磁気テープの磁性面
を光沢計を用いて入射角60度反射角60度における反
射率を測定した。 塗料粘度: 得られた磁性塗料の粘度をE型粘度計(東
機産業製)を用い1r.p.m.での粘度を測定した。 角型比(Br/Bm) :得られた磁気テープの電磁変
換特性は振動試料型磁力計VSM−3KA型(東英工業
製)を用いて、飽和磁化、残留磁化を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】*1 PHPD:ポリ(ヘキサメチレンイソフタレート)ジオール Mn=1000 PBA :ポリ(ブチレンアジペート)ジオール Mn=1000 PCD :ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール Mn=2000 PE−1:コエステルポリオール Mn=2000 モル比 〔イソフタル酸/テレフタル酸=1/1〕/ 〔エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=1/1〕PCL :ポリカプロラクトンジオール Mn=2000 *2 1,4−BD:1,4−ブタンジオール CHDM :1,4−シクロヘキサンジメタノール NPG :ネオペンチルグリコール *3 A:N−ヘキシル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニ ウムブロマイド B:N−オクチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニ ウムブロマイド C:N−(2−エチルヘキシル)−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N− メチルアンモニウムクロダイド D:N−デシル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウ ムブロマイド E:N,N−ジメチル−N,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロラ イド F:N,N−ジエチル−N,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロラ イド G:N,N−ジエチル−N,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロマ イド *4 TDI :2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネ ート=80/20(重量比)の混合物 MDI :4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート IPDI:イソホロンジイソシアネート *5 イ:シクロヘキサノン ロ:シクロヘキサノン/MEK=1/1
【0040】*3 A : N−ヘキシル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエ
チル)−N−メチルアンモニウムブロマイド B : N−オクチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエ
チル)−N−メチルアンモニウムブロマイド C : N−(2−エチルヘキシル)−N,N−ジ(2
−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムクロラ
イド D : N−デシル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)−N−メチルアンモニウムブロマイド E : N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N,N
−ジ(メチル)アンモニウムクロライド F : N,N−ジエチル−N,N−ジ(2−ヒドロキ
シエチル)アンモニウムクロライド G : N,N−ジエチル−N,N−ジ(2−ヒドロキ
シエチル)アンモニウムブロマイド *4 MDI : 4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト TDI : 2,4−体及び2,6−体の異性体比=8
0/20のトリレンジイソシアネート HDI : ヘキサメチレンジイソシアネート IPDI: イソフォロンジイソシアネート *5 イ : シクロヘキサノン ロ : シクロヘキサノン/MEK=1/1
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/702 C08G 18/32,18/10,18/70 C09D 5/23 C09D 175/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程からなることを特徴とする磁気
    記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法。 (イ)下記の一般式(I)で示される特定の第四級アン
    モニウム塩含有グリコー ルと、有機ジイソシアネート
    (1)を反応させて、第四級アンモニウム塩含 有のイソ
    シアネート基末端プレポリマーを合成する工程。 (ロ)長鎖ポリオールと(イ)で得られたイソシアネー
    ト基末端プレポリマーを 反応させて前駆体を得る工程。 (ハ)鎖延長剤、(ハ)で得られた前駆体、有機ジイソ
    シアネート(1)とは異 なる有機ジイソシアネート
    (2)を反応させて、最終的に第四級アンモニウ ム塩含
    有ポリウレタン樹脂バインダーを得る工程。 【化1】 (A、Bは、炭素数1〜10の2価の有機鎖である。R
    、Rは炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、
    ベンジル基から選択される基であり、かつ、R、R
    のうち少なくとも1つは、炭素数4〜10のアルキル基
    である。Xは、有機あるいは無機のアニオンであ
    る。)
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂バインダー中の第四級
    アンモニウム塩の濃度が、0.01〜1.0mmol/
    gである請求項1に記載の磁気記録媒体用ポリウレタン
    樹脂バインダーの製造方法
  3. 【請求項3】 有機ジイソシアネート(1)が、トルエ
    ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
    ト、イソホロンジイソシアネートから少なくとも1種類
    以上選択されることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製
    造方法
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