JP2651729C - - Google Patents

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JP2651729C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法に関する。
更に詳細には、第三級アミノ基含有のポリウレタン樹脂に分子内オキシスルホン
酸エステルを加えて反応させるという、分散特性、電磁変換特性等に優れた磁気
記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法に関する。 〔従来の技術〕 一般に、オーデオ機器、ビデオ機器、コンピューター等に用いる磁気記録媒体
(具体的には、オーデオテープ、ビデオテープ、フロッピーディスク及びコンピ
ューター用データーテープ等に用いられる)は、ポリエステルフイルム等の非磁
性の支持体上に磁性粉とバインダー等を含む磁性塗料を塗布、乾燥して磁性層を
形成することによって得られる。 このような磁気記録媒体の磁性層を形成するためのバインダーとしては、一般
に塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹
脂、エポキシ樹脂等が使われている。 近年、オーデオテープ、ビデオテープ、コンピューター用のデーターテープ等
の磁気記録媒体の用途拡大に伴い、要求性能も多岐に渡っているが、特に磁気記
録媒体の高信頼性への要望が増大している。具体的には鮮明な音、画像を記録再
生するための高密度記録化が特に求められている。 高密度化の方策として、磁性粉の微粒子化、高磁力化が図られるとともに、磁
性層中における磁性粉の充填密度、いわゆるパッキングデンシティを増大させる
傾向が強くなっている。このような磁性粉の微粒子化による比表面積の増大や高
磁力化による凝集力の増大に伴い、分散が困難となり従来のバインダーでは満足
のいく分散性や表面性が得られず、磁性粉のパッキングデンシティを増大させる
ことも困難なものとなっている。 近年、分散性を改善するために種々の親水性極性基を導入することが提案され
ている。例えば、(イ)−SO3M基、(ロ)−COOM基、(ハ)−P=O(0M′)2基、
(ニ)第四級アンモニウム塩基、(ホ)−OH基、(ヘ)三級アミノ基(Mは水素
あるいはアルカリ金属、M′は水素、アルカリ金属あるいは炭化水素基)等が考
えられている。しかし、(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の場合、これらを導
入するにしたがって、得られる樹脂は濁りを生じたり、時間とともに沈殿、 分離が発生することがある 又、これを用いて磁性粉を分散させた磁性塗料の粘
度は、極性基の導入量に伴って増大し、ひいては磁気記録媒体の製造が困難とな
ることがある。更に、例えば特公昭58−41565号には、スルホン酸金属塩基等を
ポリウレタン樹脂中に導入することで、バインダーの分散性を改善することが提
案されているが、導入量を増やすにつれポリウレタン樹脂そのものの耐加水分解
性が低下するようになったり、更に磁気記録媒体としたときの磁性粉の粉落ちが
問題となる等耐久性の面で、改善する必要があった。−COOM基のうち、Mが水素
(−COOH基)の場合、導入量の増加と共に、分散性、粉落ちの向上が認められる
が、磁性塗料の粘度が極度に高くなり、又得られる磁気記録媒体の耐久性が、酸
性基である−COOH基のために大きく低下してしまい、この改善が望まれている。
又Mが金属の場合、分散性としては−COOH基の場合と同等であり、磁性塗料の粘
度も比較的高くもならず、親水性極性基としては好適 であるが−COOH基よりも低い導入量で、得られる樹脂は白濁し、経時により沈殿
物が発生する。これらは樹脂の経時安定性及び取扱、分散性等に支障をきたし、
この改善が望まれている。又第四級アンモニウム塩の場合も、導入量とともに濁
りを発生するようになり、溶剤の使用に制限が生じ、かつ高価なため、分散性に
優れた、安価で溶解製の良い極性基の開発が必要である。(ホ)と(ヘ)の場合
、分散力は低く、導入量を増やしても微粒子化された磁性粉や高磁化量を有する
金属磁性粉のバインダーとしては性能不十分のためその改善が要望されていた。 〔発明が解決しようとする課題〕 磁気記録媒体において、微粒子化した磁性粉に対して十分な分散性を示すバイ
ンダーは未だ開発されておらず、所定の磁気特性、電磁変換特性を確保すること
が要望されていた。本発明者等は、鋭意研究検討を重ねた結果、第三級アミノ基
含有のポリウレタン樹脂に分子内オキシスルホン酸エステルを反応させるという
方法に よって得られたポリウレタン樹脂が、前記の課題を解決し、磁性粉の分散性や磁
性層の表面性を大幅に改良した磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明に
至った。 〔課題を解決するための手段〕 即ち本発明は、 ポリオール、鎖延長剤としてのグリコール、式(I)又は(II)で示される三級
アミノ基及び活性水素基含有化合物、有機ジイソシアネートを反応させて得られ
る、三級アミノ基含有量が0.001〜1.0mmol/gであるポリウレタン樹脂に、該ポリ
ウレタン樹脂中の第三級アミノ基に対して当量以下の量の分子内オキシスルホン
酸エステル(以下スルトンと略す)を加えて反応させ、かつ、ポリウレタン樹脂
中に生成するスルホベタイン基の含有量が0.001〜1.0mmol/gであることを特徴と
する磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法である。 (式中、Aは炭素数10以下の2価の有機鎖を示す。Bは炭素数20以下の3価の有
機鎖を示す。Rは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、ベンジル基を示す。
Xは水酸基又はアミノ基を示す。) これまで、ポリウレタン樹脂中に導入された三級アミノ基は、スルトン例えば
1,3−プロパンスルトン等を開環させ、次式に示されるような反応によって第
四級アンモニウムイオンと、開館した1,3−プロパンスルトンからスルホン酸
イオンが生じ、双性イオン(zwitterion ツビッターイオン)を同一分子中に有
する、い わゆるツビッターアイオノマーを生成する。 Rは有機鎖を示す。 本発明者等は、このツビッターアイオノマーの磁気記録媒体用ポリウレタン樹
脂バインダーへの応用を鋭意検討した結果、白濁や沈殿を生ずることなく、微粒
子化された磁性粉に対しても、優れた分散性を有するポリウレタン樹脂バインダ
ーの製造方法を見出した。 本発明のポリウレタン樹脂を構成する各成分について説明する。 本発明に使用されるMn 500〜3000のポリオールとしては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル
エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等がある。 本発明のポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、としては
、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸又はそれ
らの酸エステル、酸無水物等のジカルボン酸・酸エステル・酸無水物と、エチレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン
−1,4ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールあるいはビスフェノ
ールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等のグリコール
、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン(以下IPDA
と略す)、モノエタノールアミン等のジアミン又 はアミノアルコール等単独、又は、これらの混合物との縮合反応で得られる。又
ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、
アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環
重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオー
ルがある。ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、
ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等
が挙げられる。 ポリエーテルエステルポリオールとしては、前記のポリエーテルポリオールと
前記のジカルボン酸又は酸無水物等から製造されるポリエステルポリオールが挙
げられる。 ポリカーボネートポリオールとしては、一般には多価アルコールとジエチルカ
ーボネートの脱エタノール縮合反応、あるいは多価アルコールとジフェニルカー
ボネートの脱フェノール縮合反応、あるいは、多価アルコールとエチレン カーボネートの脱エチレングリコール縮合反応等で得られ、この多価アルコール
としては、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,2−プロパ
ンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デンカ
ンジオール等の脂肪族ジオール、あるいは、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環族ジオー
ル、p−キシレングリコール、ビスフェノールA等より成る芳香族系ポリカーボ
ネートポリオールが用いられる。更に、このようにして得られたポリカーボネー
トポリオールを開始剤として、前記のε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン
等のラクトンモノマーを開環重合することにより、ポリカーボネート−ラクトン
系ポリオールが得られる。 本発明では使用される鎖延長剤としてのグリコールとしては、エチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,
4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールあるいはビスフェノール
Aのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。こ
れら前記の化合物は単独又はこれらの混合物の形で使うことができる。 本発明に使用される第3級アミノ基を含有するジオール又はジアミンとしては
、一般式(I)、(II)で示されるものがある。 式(I)及び(II)において、Aは炭素数10以下の2価の有機鎖を示す。B
は炭素数20以下の3価の有機鎖を示す。Rは炭素数1〜10のアルキル基、フ
ェニル基、ベンジル基を示す。Xは水酸基又はアミノ基を示す。 一般式(I)の例としては、N−メチルジメタノールアミン、N−メチルジエ
タノールアミン、N−メチルジ−n−プロパノールアミン、N−メチルジイソプ
ロパノールアミン、N−メチルジヘキサノールアミン、N−メチルジオクタノー
ルアミン、N−メチル−ジ(2−アミノエチル)アミン、N−メチルジ(4−ア
ミノブチル)アミン、等のRがメチル基のもの以外に、エチル基、プロピル基、
フェニル基である化合 物等が挙げられる。これらはポリウレタン樹脂の主鎖中に導入される。 一般式(II)の例としては、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール
、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジアミン、4−ジメチルアミノ−1,
2−ブタンジオール、5−ジメチルアミノ−1,3−ペンタンジオール、3−ジ
エチルアミノ−1,2−プロパンジオール、4−ジエチルアミノ−1,2−ブタ
ンジオール、5−ジエチルアミノ−1,3−ペンタンジオール、4−(3−ヒド
ロキシ−2−ヒドロキシメチル)プロピル−N,N−ジメチルアニリン、4−(
4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)ブチル−N,N−ジメチルアニリン等
のRがメチル基のもの以外に、エチル基、フェニル基である化合物等が挙げられ
る。これらはポリウレタン樹脂の側鎖中に導入される。 本発明で用いられるスルトンとしては、4〜8員環からなるものがあり、例え
ば1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1, 5−ペンタンスルトン、2−メチル−1,3−プロパンスルトン等がある。本発
明は、第三級アミノ基含有ポリウレタン樹脂を合成した後、スルトンを添加、反
応させ、第三級アミノ基とスルトンとの反応により生成するスルホベタイン基を
導入したポリウレタン樹脂バインダーの製造方法である。スルトンを添加する前
のポリウレタン樹脂における第三級アミノ基の濃度としては、0.001mmol/g〜1.0
mmol/g、より好ましくは、0.005mmol/g〜0.5mmol/gである。また、スルトンの添
加量は、ポリウレタン樹脂中に含有する第三級アミノ基の当量以下である。なお
、スルホベタイン基としての最低含有量は、0.001mmol/gである。スルホベタイ
ン基が、0.001mmol/g未満の場合は、所定の磁気特性、電磁変換特性が得られな
い。また、1.0mmol/gを越える場合は、得られる樹脂の溶液粘度が増大し、つい
にはグル状になり磁気記録媒体用バインダーとして利用できなくなる。 本発明で用いられる有機ジイソシアネートと しては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略す)、4,4
′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−
ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート
、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、
ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4
,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂
肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水 添化トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、シ
クロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げることがで
きる。これらの有機ジイソシアネートは、芳香族、脂肪族、脂環族、のいずれで
もよいが、目的とする樹脂物性に応じて選択することができる。 本発明のポリウレタン樹脂中には、他の親水性極性基を併用してもよい。例え
ば−COOM基、−OH基、−SO3M基、−P=O(OM′)2基(Mは水素またはアルカリ金
属、M′は水素、アルカリ金属または炭化水素基)第四級アンモニウム塩等の親
水性極性基を含有するジオール、ジアミン又はアミノアルコール等の活性水素化
合物等と併用することができる。 本発明と併用できる−COOM基を有する活性水素化合物の例としては、−COOM基
含有グリコールとして、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロ
ールプロピオン酸ナトリウム、2,2−ジメチロール酪酸、及び2,2−ジメ チロール吉草酸、さらにはジアミンと酸無水物の反応生成物例えばIPDA/無水フ
タル酸の反応生成物等を挙げることができる。 本発明と併用できる極性基としての−OH基を有する活性水素化合物の例として
は、1個の2級OH基含有グリコールとして、グリセリン、グリセリンのエチレン
オキサイド付加物、1,2,6−ヘキサントリオール及びジエタノールアミンの
プロピレンオキサイド付加物があり、分子内に3級OH基を有するグリコールと
して、1,2,3−ヒドロキシ−2−メチルプロパン、1,3,5−ヒドロキシ
−3−メチルペンタン、1,2,3,6−ヒドロキシ−2,3−ジメチルヘキサ
ン等の単体もしくは混合物、ジアミンとして、N−ヒドロキシエチルエチレンジ
アミン、1,3−ジアミノ−2−プロパノール等を挙げることができる。 本発明と併用できる−SO3M基を有する活性水素化合物の例としては、2−ナト
リウムスルホ−1,4−ブタンジオール、2−カリウムスル ホ−1,4−ブタンジオール等のSO3M基含有グリコール、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホコハク酸及
びそのアルキルエステル等の−SO3M基含有ジカルボン酸及びエステルが挙げられ
る。 本発明と併用できる−P=O(OM’)2基を有す活性水素化合物の例としては、2,
3−ジヒドロキシプロピル−フェニルホスフォン酸ナトリウム、2,3−ジヒド
ロキシプロピル−フェニルホスフォン酸ナトリウム、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)ホスフォン酸カリウム、ビス(4−ヒドロキシブチル)ホスフォン酸ナトリ
ウム等が挙げられる。 本発明と併用できる第四級アンモニウム塩を有する活性水素化合物の例として
は、例えば、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド、
ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ジメチルアンモニウムクロライド、2,3−ジ
ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニ ウムクロライドあるいは、これらの化合物で塩素が臭素、ヨウ素、パラトルエン
スルホネートである化合物、更に4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル
)プロピル−N,N−ジメチルアニリンのアルキルハロゲン塩等が挙げられる。 これら親水性極性基を含有するジオール、ジアミン、アミノアルコール等は、
鎖延長剤の一部あるいは全部として使用できるが、前述のポリオールの原料とし
ても使用することができる。即ち、ポリカーボネートポリオール又はポリカーボ
ネート−ラクトン系ポリオールの製造時、多価アルコールの一部として前記の親
水性極性基含有多価アルコールを併用し、ポリカーボネトポリオール又はポリカ
ーボネート−ラクトン系ポリオールに前記親水性極性基を含有させたり、併用さ
れるポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール等の原料として、
多価アルコールの一部又はジカルボン酸の一部として用いたり、ポリエステル、
ポリカーボネ ートポリオール等とのエステル交換反応によっても、ポリオール鎖に親水性極性
基を導入することが可能である。 本発明におけるポリオール、鎖延長剤としてのグリコール、第三級アミノ基及
び活性水素基含有化合物の全活性水素基数と、有機ジイソシアネートの全イソシ
アネート基数とのモル比(全イソシアネート基/全活性水素基)は、0.80〜1.05
、好ましくは0.85〜1.00である。 このようにして得られるバインダーは、線状 ましくは20000〜60000であるポリウレタン樹脂 と分散性に優れており有利であるが、樹脂の塗膜形成能が不十分となり、耐久性
と表面滑性の ると分散性が落ちるとと共に、粘度が大きくなるので塗料製造上、混合、移送、
塗布の工程に於て作業性が劣るようになる。 本発明のポリウレタン樹脂バインダーの製造 方法は、第三級アミノ基含有ポリウレタン樹脂を合成し、その後、スルトンを添
加して、樹脂中の第三級アミノ基をスルホベタイン化反応させるが、この第三級
アミノ基含有ポリウレタン樹脂の製造方法としては、例えば、溶融状態で反応せ
しめるバルク重合(固形反応)法、メチルエチルケトン(以下MEKと略す)、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン(アノン)等のケトン系溶剤、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
エーテル系溶剤、セロソルブ、カルビトール等として知られるグリコールエーテ
ル系、セロソルブアセテート等の酢酸グリコールエーテル系、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系
溶剤等の単独又は混合溶剤中に前記の各成分を溶解せしめた状態で反応させる溶
液重合法等を用いることができる。 又必要に応じて触媒及び安定剤を用いることができる。触媒としては例えば、
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物、ジブチル錫ジラウ
レート(以下DBTDLと略す)、オクチル酸錫、ステアリン酸亜鉛等の有機金属化
合物等が挙げられる。安定剤としては、置換ベンゾトリアゾール類等の紫外線吸
収剤、フェノール誘導体等の酸化防止剤、及び加水分解防止剤等を加えることが
できる。本発明によって得られたポリウレタン樹脂バインダーを磁気記録媒体に
用いる場合、必要に応じて磁気記録媒体のバインダーとして通常用いられる他の
ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリブチルブチラール
系樹脂、繊維素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の熱硬化性樹脂又は反応型樹脂及び不
飽和プレポリマー、例えばウレタンアクリルタイプ、ポリエステルアクリルタイ
プ、又は多官能モノマーとして、ウレタンアクリルタイプ、 リン酸エステルアクリルタイプ、アリールタイプ、等の電子線又は紫外線硬化型
樹脂を併用することができる。このようにして製造した第三級アミノ基を含有す
るポリウレタン樹脂に対して、スルトンを用いて、第四級化する方法としては、
ポリウレタン樹脂製造後、必要量のスルトンを、第三級アミノ基を含有するポリ
ウレタン樹脂溶液中に加え、室温〜80℃の温度範囲のうち、任意の温度で1時
間かくはんすることによって行うことができる。 〔作用〕 数平均分子量500〜3000のポリオール、鎖延長剤、第三級アミノ基及び活性水
素基含有化合物、有機ジイソシアネートを反応させて得られる、第三級アミノ基
を0.001〜1.0mmol/g含有しているポリウレタン樹脂に、ポリウレタン樹脂中に含
有している第三アミノ基の当量以下の量のスルトンを加えて反応させ、かつ、ポ
リウレタン樹脂中にスルホベタイン基を0.001〜1.0mmol/g含有させるという製造
方法によって得られ た磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーは、磁性粉に対する分散性や磁性
層の表面性を大幅に改良することができる。 〔実施例〕 次に、本発明について実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。尚、実施例における「部」及び「%」は、断わ
りのない限り「重量部」及び「重量%」である。 実施例1 温度計、かくはん機、コンデンサーを備えた フタレート1000部、1,4−ブタンジオール18部、N−メチルジエタノールアミ
ン34部、シクロヘキサノン944部(反応開始固形分60%に相当)及びDBTDLを0.3
部(固形分に対し0.02%に相当する)加え50℃で混合したのちMDIを364.4部(R
=0.98相当量)加え80℃にて反応させた。時間と共に粘度が上昇するので適時シ
クロヘキサノン及びMEKにで希釈し、赤外吸収 スペクトルで2275cm-1のイソシアネート基の吸収が消失するのを確認した後、全
溶剤量4249部(固形分の3倍量に相当し、シクロヘキサノン/MEK=1/1重
量比とする)となるよう希釈し透明な淡黄色液体を得た。更にこの樹脂溶液に、
1,3−プロパンスルトン34.8部を加え、25℃にて1時間かくはんした。 実施例2 実施例1において、N−メチルジエタノールアミン、148部、1,3−プロパ
ンスルトン151部使用した以外は実施例1と同様に合成した。 実施例3 実施例1において、N−メチルジエタノールアミンの代わりに、4−(3−ヒ
ドロキシ−2−ヒドロキシメチル)プロピル−N,N−ジメチルアニリン3.0部
を用い、1,4−ブタンスルトン1.9部用いた以外は、実施例1と同様に合成し
た。 実施例4 実施例1において、スルトンを加える前のポ リウレタン樹脂溶液に対し、1,3−プロパンスルトン9.5部を加えること以外
は同様に合成した。 実施例5 実施例2において、スルトンを加える前のポリウレタン樹脂溶液に対し、1,
3−プロパンスルトン17.4部を加えること以外は同様に合成した。 実施例6 実施例1において、N−メチルジエタノールアミンの代わりに、N−メチル−
ジ(アミノエチル)アミン0.3部使用してポリウレタン樹脂溶液を合成した後、
1,4−プロパンスルトン0.9部を加え、80℃にて1時間かくはんした。 比較例1〜2 実施例1および3において、1,3−プロパンスルトンを加えないこと以外は
、同様にポリウレタン樹脂溶液を合成した。 実施例1〜6及び比較例1〜2で得たポリウレタン樹脂溶液は、全て淡黄色透
明の液体であ った。 <磁性塗料及び磁性層の評価> 応用例1 実施例1で得たポリウレタン樹脂を用いて磁性塗料を調製した。 磁性塗料配合割合 Co−γ−Fe2O3 100部 ポリウレタン樹脂(樹脂分) 25部 トルエン 110部 MEK 110部 シクロヘキサノン 70部 該配合割合の組成物を卓上サンドグラインドミル(五十嵐機械KK製)で8時
間分散させ、得られた磁性塗料を厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイ
ルム上に乾燥後厚さ5μmになるように塗布して乾燥し、各々の光沢度を見た(
第2表)。また8時間分散して得た磁気塗料にポリイソシアネートとしてコロネ
ートL(日本ポリウレタン工業製商品名)を硬化剤として樹脂分換算でポリウレ
タン樹脂の10%加 え、更に1時間混合してから、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイ
ルム上に乾燥後厚さ5μmになるように2000ガウスの磁場を印加しつつ塗布して
から、60℃1日放置し磁気テープを得た。 応用例2〜6、比較例1〜2 応用例1で用いたポリウレタン樹脂の代わりに実施例2〜6及び比較例1〜2
で得たポリウレタン樹脂を用いて、応用例1と同様の処方で分散性、磁気テープ
特性を評価した。 光沢度:得られた磁気テープの表面を光沢計を 用いて入射角60度反射角60度における 反射率を見た 角型比(Br/Bm):VSM−3型(東英工業株 式会社製)を用いて、飽和磁化、残留磁 化を測定した。 実施例1〜6及び比較例1〜2で合成されたポリウレタン樹脂の性状を表1に
、応用例の結果を表2に示す。 装置により、ポリスチレン換算にて求めた。 〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明におけるポリウレタン樹脂は、親水性
極性基として、第三アミノ基を樹脂中に0.001〜1.0mmol/g含有し、かつこれと同
じ濃度か、あるいは、これ以下の濃度でスルトンを加えることにより、磁性粉に
対する分散性を向上させることができ、これを磁性層のバインダーとして用いる
と高密度磁気記録媒体を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 数平均分子量500〜3000のポリオール、鎖延長剤としてのグリコール、式(I
    )又は(II)で示される三級アミノ基及び活性水素基含有化合物、有機ジイソシ
    アネートを反応させて得られる、三級アミノ基含有量が0.001〜1.0mmol/gである
    ポリウレタン樹脂に、該ポリウレタン樹脂中の第三級アミノ基に対して当量以下
    の量の分子内オキシスルホン酸エステルを加えて反応させ、かつ、ポリウレタン
    樹脂中に生成するスルホベタイン基の含有量が0.001〜1.0mmol/gであることを特
    徴とする磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法。 (式中、Aは炭素数10以下の2価の有機鎖を示す。Bは炭素数20以下の3価の有
    機鎖を示す。Rは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、ベンジル基を示す。
    Xは水酸基又はアミノ基を示す。)

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