JP2007169411A - ポリウレタン樹脂およびそれを用いた導電性ロール - Google Patents
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Abstract
【課題】 走行安定性及び耐久性に優れている複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の導電性ロールとそれに用いるポリウレタン樹脂を提供する。
【解決手段】 ポリオール(A)、有機ジイソシアネート(B)およびポリシロキサン化合物(C)を共重合してなるポリウレタン樹脂において、該ポリウレタン樹脂がガラス転移温度を少なくとも2個有し、一方が−250〜−60℃の間でもう一方が−50〜50℃の間であることを特徴とするポリウレタン樹脂に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリオール(A)、有機ジイソシアネート(B)およびポリシロキサン化合物(C)を共重合してなるポリウレタン樹脂において、該ポリウレタン樹脂がガラス転移温度を少なくとも2個有し、一方が−250〜−60℃の間でもう一方が−50〜50℃の間であることを特徴とするポリウレタン樹脂に関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリシロキサン結合を有するポリウレタン樹脂、およびこれを用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の導電性ロールに関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる導電性ロールとしては、現像ロール、帯電ロール、転写ロール等が挙げられる。従来より、この導電性ロールの最外層形成材料としては、熱可塑性ウレタン樹脂をアミノ樹脂で架橋したものが用いられている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、上記熱可塑性ウレタン樹脂を用いた導電性ロールでは、ウレタン樹脂は摩擦係数が比較的大きいため、熱的、物理的にトナーが導電性ロールの表面に付着しやすく、トナーフィルミングが生じやすいという難点がある。そこで、ポリウレタン樹脂とシリコン化合物を併用したり、両末端に水酸基又はアミノ基を有する反応性シリコーンオイルを分子内に導入したポリウレタン樹脂を用いることが提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、上記ポリウレタン樹脂では、十分な滑り性を付与するために多くのシリコン化合物を分子内に導入する必要があり、塗膜の強靭性が不足し、結果として走行安定性や耐久性、耐加水分解性が不足する場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ガラス転移温度を少なくとも2個有し、分子中にシロキサン結合を有するポリウレタン樹脂を用いることにより、優れた滑り性と基材密着性と機械的強度を有することができ、走行安定性及び耐久性、耐加水分解性に優れている複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の導電性ロールを提供するものである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下の発明に到達した。
1) ポリオール(A)、有機ジイソシアネート(B)およびポリシロキサン化合物(C)を共重合してなるポリウレタン樹脂において、該ポリウレタン樹脂がガラス転移温度を少なくとも2個有し、一方が−250〜−60℃の間でもう一方が−50〜50℃の間であることを特徴とするポリウレタン樹脂。
2) 1)に記載のポリウレタン樹脂を表面層に有する導電性ロール。
3) 2)に記載の導電性ロールを用いた電子写真装置。
本発明のガラス転移温度を少なくとも2個有し、分子中にシロキサン結合を有するポリウレタン樹脂は滑り性と基材密着性及び機械的強度に優れており、例えば複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の導電性ロールに用いた場合、導電性ロールの摩擦係数が低下し、トナーフィルミングの発生を防止することができ、耐久複写画質の向上を図ることができる効果を奏する。
本発明のポリウレタン樹脂は、ポリオール(A)、有機ジイソシアネート化合物(B)およびポリシロキサン化合物(C)を共重合して得られる。特に数平均分子量が500〜10000の範囲にある高分子量ポリオールとポリシロキサン化合物(C)が非相容であるため、本ポリウレタン樹脂はポリシロキサンセグメントを比較的多く有するセグメントと高分子量ポリオールの比較的多く有するセグメントがあることにより、ガラス転移温度が2個以上検出される。この特徴により、本発明のポリウレタン樹脂は塗布された際、ポリシロキサン化合物(C)を主とするポリウレタン樹脂が濃化し、塗膜表面に局在化するために塗膜の滑り性が顕著に向上する。他方では、基材界面には上記ポリオール(A)を主とするポリウレタン樹脂が存在し、前記ポリウレタン樹脂の効果により基材界面との接着性が保持され、塗膜自身の機械的強度が維持できる。ポリシロキサンセグメントを比較的多く有するポリウレタン樹脂が存在することは2個以上検出されるガラス転移温度のピークの少なくとも一方が−250〜―60℃の範囲にあることで確認される。また上記ポリオール(A)を主とするポリウレタン樹脂が存在することはもう一方のガラス転移温度のピークが−50〜50℃の間にあることから確認される。なお、−50〜50℃の範囲を外れると基材界面との接着性と塗膜の強度が両立できなくなる場合がある。
ポリオールとしてはポリエステルジオールあるいはポリカーボネートジオールが好ましい。ポリエステルジオールの酸成分としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデシニルコハク酸等の脂肪族系二塩基酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環族系二塩基酸、あるいはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族二塩基酸を挙げる事ができる。また、スルホン酸金属塩基を導入するためには5−ナトリウムスルホイソフタル酸(ジメチルエステル)を用いてもよい。ポリカーボネートジオールとしてはポリメチレンカーボネートジオール、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリブチレンカーボネートジオール等の炭素数1〜10のアルキレン基を含有するポリアルキレンカーボネートジオール、ポリフェニレンカーボネートジオール等の炭素数6〜10のアリール基を含有するポリアリーレンカーボネートジオールなどが挙げられる。具体的にはポリ1,4−ブチレンカーボネートジオール、ポリ1,5−ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,6−へキシレンカーボネートジオール、ポリ1,4−シクロヘキシレンカーボネートジオール、ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンカーボネートジオールあるいはブチル、エチル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3―メチル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど2種以上からなるポリカーボネートジオールなどが好ましい。
グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族系グリコール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等の脂環族系グリコールが挙げられる。これらの中では特にエチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンが好ましい。
なお、ポリオールの数平均分子量は500〜10000の範囲が好ましい。分子量が500未満だとポリシロキサン化合物(C)と相溶し、該ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が1個になることがあり、滑り性と塗膜強度の両立ができなくなる可能性がある。また、10000を超えるとポリシロキサン化合物(C)と相溶しない傾向にあり、液安定性の良いポリウレタン樹脂が重合できなくなり、分離するおそれがある。
ジイソシアネート化合物(B)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアナート、あるいは、或いは1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物、キシレンジイソシアネートの水素添加物の様な脂肪族、脂環族ジイソシアナートが挙げられる。また、必要に応じて三官能以上のポリイソシアネート化合物を併用しても良い。
本発明のポリウレタン樹脂には、必要に応じて一般的に鎖延長剤と呼ばれるジオール化合物等を共重合して良い。共重合される鎖延長剤としては、種々のグリコール、例えば1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘキサンジオール等が挙げられる。又はトリメチロールプロパンやトリエタノールアミンの様な低分子量トリオール、ジエチルアミンや4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミン化合物、或いはトリメチロールプロパンやグリセリンへのプロピレンオキサイドやラクトンモノマー付加物の様な高分子トリオール化合物を挙げることが出来る。これらの中では特にトリメチロールプロパン、トリエタノールアミンが好ましい。トリオールを用いることによりポリウレタン分子の側鎖に水酸基が残存し、ポリイソシアネート化合物又はアミノ樹脂等の硬化剤による架橋密度が高くなり、ポリウレタン樹脂の機械的強度を向上する効果が得られる。また、トリエタノールアミンのように3級アミン骨格を有する化合物では、ポリイソシアネート系硬化剤との反応性を高める触媒効果を期待することができる。
本発明のポリウレタン樹脂に使用されるポリシロキサン化合物(C)とは、シロキサン結合を分子内に2つ以上含む化合物を示す。より具体的にはジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジプロピルシロキサン等のアルキル置換シロキサンが好ましい。さらには、ウレタン分子中の共重合させるために水酸基、アミノ基、メルカプト基などを有する1個または2個以上の官能基を有することが好ましい。その構造式は例えば一般式(I)〜(IV)のようなものが挙げられる。
(ただし、Xは−R’NH2、−R’N(H)R’’NH2、−R’OH、−R’SH、−CR’’(R’OH)2のうち少なくとも1個である。またRはアルキル、アルコキシ基のいずれかであり、R’、R’’はアルキレン基、m=1〜100、n=2〜100である)
一般式(I)〜(IV)において、官能基Xの官能基当量(Mx)は100〜6000g/molの範囲が好ましい。Mxが100g/mol未満では一般式(I)〜(IV)の一分子中に存在する官能基Xの数が多くなり、一般式(I)〜(IV)がポリウレタン分子鎖中に組み込まれ、得られたポリウレタン樹脂は効果的に滑り性を発揮しないことがある。また、Mxが6000g/molを越えるとポリウレタン骨格との相溶性が極端に低下し、ポリウレタン骨格に組み込まれにくくなることがある。ポリシロキサン化合物(C)の数平均分子量は500以上であることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂はポリオール(A)および有機ジイソシアネート化合物(B)、ポリシロキサン化合物(C)を必須成分とし、その他必要に応じて鎖延長剤を付加重合して得ることが出来る。合成方法は特に限定されないが、例えば以下の様な方法により合成される事が最も好ましい。すなわち、ポリオール化合物(A)と有機ジイソシアネート化合物(B)からイソシアネート基末端のポリウレタンプレポリマーを合成する。その際後で用いるポリシロキサン化合物(C)の有する官能基当量(Mx)より過剰量のイソシアネート当量を有するように有機ジイソシアネート化合物(B)を反応させる(合成第一段階)。次いで、ポリウレタンプレポリマーとポリシロキサン化合物(C)を反応させる(合成第二段階)。さらに必要に応じて残存する未反応イソシアネート基を、イソシネート基と反応性を有する官能基を2個以上有する化合物で鎖延長させる(合成第三段階)。この様な反応手順により、高分子量ポリオールを比較的多く有するポリウレタン分子とポリシロキサン化合物を比較的多く有するポリウレタン分子が安定的な状態で共在し、優れた塗膜表面滑性と高い基材密着性及び優れた機械的強度が発揮される。
本発明のポリウレタン樹脂におけるポリシロキサン化合物(C)の導入量は、ポリウレタン樹脂全体重量中1〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは1〜20重量%である。1重量%未満では塗膜の十分な滑り性が得られにくくなりことがあり、一方30重量%以上では遊離したシリコン化合物のブリードアウトやポリウレタン樹脂の機械的強度の低下が起こりやすくなる場合がある。
本発明のポリウレタン樹脂の数平均分子量は5000から100000、望ましくは10000から80000である。数平均分子量が5000未満では機械的強度が不足し、数平均分子量が100000を超えると溶液粘度が大きくなり、作業性、カーボンブラック等の分散性が悪化する虞がある。
ポリウレタン樹脂を製造するときには、触媒としてオクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウリレート、トリエチルアミン等を用いてもよい。また紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤などをポリウレタン樹脂の製造前、製造中あるいは製造後に添加してもよい。
本発明の導電性ロールは、上述のポリウレタン樹脂と共に必要に応じてポリイソシアネート化合物又はアミノ樹脂等の硬化剤、カーボンブラック等の導電剤を併用したコーティング液を塗布、乾燥して得られる。
該コーティング液を塗布する方法は特に制限するものではなく、従来公知のディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等が挙げられる。また、塗布層の厚みは3〜100μmが好ましく、特に好ましくは5〜50μmである。
このようにして製造された導電性ロールは複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置に組み込まれて使用される。
以下実施例により本発明を具体的に例示するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。なお、樹脂物性の測定は以下のような手順で行った。
DMT:テレフタル酸ジメチルエステル
DMI:イソフタル酸ジメチルエステル
IPA:イソフタル酸
DSN:5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル
HHPA:水添無水フタル酸
EG:エチレングリコール
2MG:2−メチル−1,3−プロパンジオール
NPG:2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール
PG :1,2−プロピレングリコール
HPN:ヒドロキシピバリン酸エステル
DMH:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート
HDI:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
TMP:トリメチロールプロパン
T5651:ヘキサンジオール、ペンタンジオールの混合系からなるカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株)製)
ODX688:アジペート系ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製)
プラクセル220:ポリカプロラクトン(ダイセル化学(株)製)
DMT:テレフタル酸ジメチルエステル
DMI:イソフタル酸ジメチルエステル
IPA:イソフタル酸
DSN:5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル
HHPA:水添無水フタル酸
EG:エチレングリコール
2MG:2−メチル−1,3−プロパンジオール
NPG:2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール
PG :1,2−プロピレングリコール
HPN:ヒドロキシピバリン酸エステル
DMH:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート
HDI:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
TMP:トリメチロールプロパン
T5651:ヘキサンジオール、ペンタンジオールの混合系からなるカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株)製)
ODX688:アジペート系ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製)
プラクセル220:ポリカプロラクトン(ダイセル化学(株)製)
(溶液粘度)
B型粘度計を用いて25℃で測定した。
B型粘度計を用いて25℃で測定した。
(数平均分子量および分子量分布)
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。なお、分子量300以下の低分子のピークは分析時には削除し、300以上の高分子のピークをデータ処理することで数平均分子量を求めた。
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。なお、分子量300以下の低分子のピークは分析時には削除し、300以上の高分子のピークをデータ処理することで数平均分子量を求めた。
(組成分析)
クロロホルム−D溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
クロロホルム−D溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
(極性基濃度)
試料0.1gを炭化し、酸に溶解した後、原子吸光分析によりNa濃度を求め、下記式より求めた。
Na濃度(ppm)/23(Na原子量)=極性基濃度(eq/t)
試料0.1gを炭化し、酸に溶解した後、原子吸光分析によりNa濃度を求め、下記式より求めた。
Na濃度(ppm)/23(Na原子量)=極性基濃度(eq/t)
(ガラス転移温度)
10Hzにおける動的粘弾性の温度依存性測定結果より、損失弾性率(E’’)において、ピークの示す点の温度をガラス転移温度とした。ピークが2個ある場合、低いほうをLo−Tg、高いほうをHi−Tgと表した。なお、測定はアイティー計測制御(株)製動的粘弾性測定装置DVA−220により、周波数10Hz、昇温速度4℃/min、温度範囲−250〜200℃で行った。サンプルは15×4mm、厚さ15μmのフィルム状サンプル片を用いた。
10Hzにおける動的粘弾性の温度依存性測定結果より、損失弾性率(E’’)において、ピークの示す点の温度をガラス転移温度とした。ピークが2個ある場合、低いほうをLo−Tg、高いほうをHi−Tgと表した。なお、測定はアイティー計測制御(株)製動的粘弾性測定装置DVA−220により、周波数10Hz、昇温速度4℃/min、温度範囲−250〜200℃で行った。サンプルは15×4mm、厚さ15μmのフィルム状サンプル片を用いた。
ポリエステルジオール(a)の合成例1
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器に、テレフタル酸ジメチルエステル97部、イソフタル酸ジメチルエステル97部、及びエチレングリコール82部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール92部を投入し、触媒としてテトラブトキシチタネート0.1部を添加した。常圧下240℃で約4時間反応させ、生成する水を溜去した。ついで245℃で約10分間減圧し、反応を終了した。得られたポリエステルジオール(a)の水酸基価は1100eq/106gであった。
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器に、テレフタル酸ジメチルエステル97部、イソフタル酸ジメチルエステル97部、及びエチレングリコール82部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール92部を投入し、触媒としてテトラブトキシチタネート0.1部を添加した。常圧下240℃で約4時間反応させ、生成する水を溜去した。ついで245℃で約10分間減圧し、反応を終了した。得られたポリエステルジオール(a)の水酸基価は1100eq/106gであった。
ポリエステルジオール(b)の合成例2
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器に、テレフタル酸ジメチルエステル93部、イソフタル酸ジメチルエステル93部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル12部及びエチレングリコール68部、2−メチル−1,3−プロパンジオール100部を投入し、触媒としてテトラブトキシチタネート0.1部を添加した。常圧下240℃で約4時間反応させ、生成する水を溜去した。ついで245℃で約10分間減圧し、反応を終了した。得られたポリエステルジオール(b)の水酸基価は2020eq/106gであった。
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器に、テレフタル酸ジメチルエステル93部、イソフタル酸ジメチルエステル93部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル12部及びエチレングリコール68部、2−メチル−1,3−プロパンジオール100部を投入し、触媒としてテトラブトキシチタネート0.1部を添加した。常圧下240℃で約4時間反応させ、生成する水を溜去した。ついで245℃で約10分間減圧し、反応を終了した。得られたポリエステルジオール(b)の水酸基価は2020eq/106gであった。
ポリエステルジオール(c)の合成例3
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器に、イソフタル酸83部、水添無水フタル酸74部及びエチレングリコール37部、1,2−プロピレングリコール106部を投入し、触媒としてテトラブトキシチタネート0.1部を添加した。常圧下240℃で約4時間反応させ、生成する水を溜去した。ついで245℃で約10分間減圧し、反応を終了した。得られたポリエステルジオール(c)の水酸基価は910eq/106gであった。
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器に、イソフタル酸83部、水添無水フタル酸74部及びエチレングリコール37部、1,2−プロピレングリコール106部を投入し、触媒としてテトラブトキシチタネート0.1部を添加した。常圧下240℃で約4時間反応させ、生成する水を溜去した。ついで245℃で約10分間減圧し、反応を終了した。得られたポリエステルジオール(c)の水酸基価は910eq/106gであった。
極性基を有するポリエステルジオール(d)の合成例4
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステルを888部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネートを1836部およびテトラブトキシチタン0.2部を仕込み240℃で5時間エステル交換した。温度を100℃まで低下させ、トルエン633部で希釈しポリエステルジオール(f)溶液(固形分濃度80%)を得た。得られたポリエステルジオール(f)の水酸基価は4700であり、組成は5−ナトリウムスルホイソフタル酸/2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート=3/1(モル比)であった。
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステルを888部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネートを1836部およびテトラブトキシチタン0.2部を仕込み240℃で5時間エステル交換した。温度を100℃まで低下させ、トルエン633部で希釈しポリエステルジオール(f)溶液(固形分濃度80%)を得た。得られたポリエステルジオール(f)の水酸基価は4700であり、組成は5−ナトリウムスルホイソフタル酸/2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート=3/1(モル比)であった。
[実施例1]
ポリウレタン樹脂(A)の合成
ポリエステルジオール(a)60部、ODX−688 40部を2−ブタノン(以下MEKと略する)76部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート14部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK106部、KF865(片末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)7部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を70℃で約2時間行った後、MEK100部を添加して固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(A)の特性を表2に示した。
ポリウレタン樹脂(A)の合成
ポリエステルジオール(a)60部、ODX−688 40部を2−ブタノン(以下MEKと略する)76部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート14部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK106部、KF865(片末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)7部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を70℃で約2時間行った後、MEK100部を添加して固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(A)の特性を表2に示した。
[実施例2]
ポリウレタン樹脂(B)の合成
ポリエステルジオール(b)70部、プラクセル220 30部をMEK76部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート14部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK106部、KF8010(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)7部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を70℃で約2時間行った後、MEK100部を添加し、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(B)の特性を表2に示した。
ポリウレタン樹脂(B)の合成
ポリエステルジオール(b)70部、プラクセル220 30部をMEK76部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート14部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK106部、KF8010(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)7部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を70℃で約2時間行った後、MEK100部を添加し、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(B)の特性を表2に示した。
[実施例3]
ポリウレタン樹脂(C)の合成
T−5651 100部(旭化成ケミカルズ(株)製)とポリエステルジオール(d)10部(固形分として)、をMEK124部に溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート16部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK78部、KF8010(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)10部を溶解し、70℃で約10分反応させた後、トリメチロールプロパン2部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部、MEK113部を添加した。反応を70℃で約2時間行い、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(C)の特性を表2に示した。
ポリウレタン樹脂(C)の合成
T−5651 100部(旭化成ケミカルズ(株)製)とポリエステルジオール(d)10部(固形分として)、をMEK124部に溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート16部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK78部、KF8010(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)10部を溶解し、70℃で約10分反応させた後、トリメチロールプロパン2部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部、MEK113部を添加した。反応を70℃で約2時間行い、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(C)の特性を表2に示した。
[実施例4]
ポリウレタン樹脂(D)の合成
ポリエステルジオール(c)100部をMEK74部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート11部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK105部、KF8012(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)8部を溶解し、70℃で約10分反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を70℃で約2時間行った後、MEK99部を添加し、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(D)の特性を表2に示した。
ポリウレタン樹脂(D)の合成
ポリエステルジオール(c)100部をMEK74部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート11部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK105部、KF8012(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)8部を溶解し、70℃で約10分反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を70℃で約2時間行った後、MEK99部を添加し、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(D)の特性を表2に示した。
[比較例1]
ポリウレタン樹脂(E)の合成
ODX688 100部(大日本インキ化学(株)製)をMEK73部に溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート9部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK98部、KF8010(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)5部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部、MEK95部を添加した。反応を70℃で約2時間行い、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(E)の特性を表2に示した。
ポリウレタン樹脂(E)の合成
ODX688 100部(大日本インキ化学(株)製)をMEK73部に溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート9部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK98部、KF8010(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)5部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部、MEK95部を添加した。反応を70℃で約2時間行い、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(E)の特性を表2に示した。
[比較例2]
ポリウレタン樹脂(F)の合成
ODX688 100部(大日本インキ化学(株)製)、DMH3部をMEK80部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート17部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK109部、KF865(側鎖にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)6部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部、MEK105部を添加した。反応を70℃で約2時間行い、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(F)の特性を表2に示した。
ポリウレタン樹脂(F)の合成
ODX688 100部(大日本インキ化学(株)製)、DMH3部をMEK80部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート17部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK109部、KF865(側鎖にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)6部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部、MEK105部を添加した。反応を70℃で約2時間行い、固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(F)の特性を表2に示した。
[比較例3]
ポリウレタン樹脂(G)の合成
ポリエステルジオール(a)100部、DMH10部を2−ブタノン(以下MEKと略する)94部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート31部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK128部、KF8010(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)7部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を70℃で約2時間行った後、MEK123部を添加して固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(G)の特性を表2に示した。
ポリウレタン樹脂(G)の合成
ポリエステルジオール(a)100部、DMH10部を2−ブタノン(以下MEKと略する)94部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート31部を溶解し、70℃で約2時間反応させた。次に、MEK128部、KF8010(両末端にアミノ基を含有するシリコーンオイル、信越化学工業(株)製)7部を溶解し、70℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を70℃で約2時間行った後、MEK123部を添加して固形分濃度30%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂(G)の特性を表2に示した。
[実施例5]
上記ポリウレタン樹脂(A)100部にデンカブラックHS−100(カーボンブラック、電気化学工業(株)製)15部を分散させた後、ポリウレタン樹脂の固形分に対して10%のコロネートL(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、日本ポリウレタン工業(株)製)を添加し、コーティング液を調整した。このコーティング液を乾燥後の厚みが約10μmとなるよう、最外層として塗布乾燥することにより、導電性ロールを作製した。
上記ポリウレタン樹脂(A)100部にデンカブラックHS−100(カーボンブラック、電気化学工業(株)製)15部を分散させた後、ポリウレタン樹脂の固形分に対して10%のコロネートL(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、日本ポリウレタン工業(株)製)を添加し、コーティング液を調整した。このコーティング液を乾燥後の厚みが約10μmとなるよう、最外層として塗布乾燥することにより、導電性ロールを作製した。
このようにして得られた導電性ロールを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った結果は表3のとおりであった。表3の結果から、ポリウレタン樹脂(A)を用いたコーティング液は塗布性に問題なく、この導電性ロールは、摩擦係数が低く、トナーフィルミングが発生せず、耐久複写画質に優れた評価を示していることが分かる。
塗布性
上記ポリウレタン樹脂を用いたコーティング液を導電性ロールの最外層として塗布乾燥した際に、塗膜に皺やムラが発生したものを×、ごくわずかに発生したものを○、発生しなかったものを◎とした。
上記ポリウレタン樹脂を用いたコーティング液を導電性ロールの最外層として塗布乾燥した際に、塗膜に皺やムラが発生したものを×、ごくわずかに発生したものを○、発生しなかったものを◎とした。
摩擦係数
上記ポリウレタン樹脂を用いたコーティング液を塗布乾燥して塗膜を作製し、静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて、移動速度0.3cm/秒、荷重100gの条件下で、剛球に対する摩擦係数を測定した。
上記ポリウレタン樹脂を用いたコーティング液を塗布乾燥して塗膜を作製し、静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて、移動速度0.3cm/秒、荷重100gの条件下で、剛球に対する摩擦係数を測定した。
トナーフィルミング性
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、トナー付着の厚みが1μm以上であったものをトナーフィルミングが発生したものとした。そして、トナーフィルミングが発生したものを×、発生しなかったものを○とした。
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、トナー付着の厚みが1μm以上であったものをトナーフィルミングが発生したものとした。そして、トナーフィルミングが発生したものを×、発生しなかったものを○とした。
耐久複写画質−1
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの条件下において5千枚複写した後、べた黒画像において画像ムラや白斑点ぬけのないものを◎、ごくわずかに発生したものを○、発生したものを×とした。
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの条件下において5千枚複写した後、べた黒画像において画像ムラや白斑点ぬけのないものを◎、ごくわずかに発生したものを○、発生したものを×とした。
耐久複写画質−2
上記導電性ロールを80℃×85%の環境下で5日間放置後、現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの条件下において5千枚複写した後、べた黒画像において画像ムラや白斑点ぬけのないものを◎、ごくわずかに発生したものを○、発生したものを×とした。
上記導電性ロールを80℃×85%の環境下で5日間放置後、現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの条件下において5千枚複写した後、べた黒画像において画像ムラや白斑点ぬけのないものを◎、ごくわずかに発生したものを○、発生したものを×とした。
[実施例6〜8]
ポリウレタン樹脂(B)〜(D)を使用して、実施例5と同様の方法により、評価を行った結果は表3のとおりであった。表3の結果から、ポリウレタン樹脂(B)〜(D)を用いたコーティング液は塗布性に問題なく、実施例6〜8の導電性ロールは、摩擦係数が低く、トナーフィルミングが発生せず、耐久複写画質に優れた評価を示していることが分かる。
ポリウレタン樹脂(B)〜(D)を使用して、実施例5と同様の方法により、評価を行った結果は表3のとおりであった。表3の結果から、ポリウレタン樹脂(B)〜(D)を用いたコーティング液は塗布性に問題なく、実施例6〜8の導電性ロールは、摩擦係数が低く、トナーフィルミングが発生せず、耐久複写画質に優れた評価を示していることが分かる。
[比較例4、5、6]
ポリウレタン樹脂(E)、(F)及び(G)を使用して、実施例5と同様の方法により、評価を行った結果は表3のとおりであった。表3の結果から、ポリウレタン樹脂(E)を用いた比較例4の導電性ロールは、摩擦係数が高く、トナーフィルミングが顕著に発生し、耐久複写画質の評価は不可能であった。また、ポリウレタン樹脂(F)を用いた比較例5の導電性ロールは、高湿高温放置後の耐久複写画質に劣ることが分かる。また、ポリウレタン樹脂(G)を用いた比較例6の導電性ロールは、ロール表面が硬くなりすぎたため、トナーを均一に塗布できず、トナーフィルミングが発生したことが分かる。
ポリウレタン樹脂(E)、(F)及び(G)を使用して、実施例5と同様の方法により、評価を行った結果は表3のとおりであった。表3の結果から、ポリウレタン樹脂(E)を用いた比較例4の導電性ロールは、摩擦係数が高く、トナーフィルミングが顕著に発生し、耐久複写画質の評価は不可能であった。また、ポリウレタン樹脂(F)を用いた比較例5の導電性ロールは、高湿高温放置後の耐久複写画質に劣ることが分かる。また、ポリウレタン樹脂(G)を用いた比較例6の導電性ロールは、ロール表面が硬くなりすぎたため、トナーを均一に塗布できず、トナーフィルミングが発生したことが分かる。
以上のように、本発明のポリウレタン樹脂は滑り性と基材密着性及び機械的強度に優れており、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の導電性ロールに用いた場合、導電性ロールの摩擦係数が低下し、トナーフィルミングの発生を防止することができ、耐久複写画質の向上を図ることができ、高温高湿環境下でも耐久複写画質の劣化がない。
Claims (5)
- ポリオール(A)、有機ジイソシアネート(B)およびポリシロキサン化合物(C)を共重合してなるポリウレタン樹脂において、該ポリウレタン樹脂がガラス転移温度を少なくとも2個有し、一方が−250〜−60℃の間でもう一方が−50〜50℃の間であることを特徴とするポリウレタン樹脂。
- ポリシロキサン化合物(C)の分子量が500以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂を表面層に有する導電性ロール。
- 請求項4に記載の導電性ロールを用いた電子写真装置。
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Legal Events
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