JP3361691B2 - Oa機器用高導電性ポリウレタン樹脂接着剤 - Google Patents

Oa機器用高導電性ポリウレタン樹脂接着剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着剤等に用いられ
るポリウレタン樹脂に関する。更に詳しくは、中程度の
導電性(体積固有抵抗値が106 〜109Ωcm)を有す
ることで静電気特性、帯電性、潜像印刷性等を改善する
ために用いられるポリウレタン樹脂、及び金属間の接着
部の絶縁に起因する腐食や、OA機器などの電磁波シール
ド性等を改善するために用いられる高導電性ポリウレタ
ン樹脂接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、静電気特性、帯電性、潜像印
刷性等の改善に関して過塩素酸金属、アンモニウム塩に
代表される各種フィラーの添加、ドーピングなどの手法
が用いられてきた。しかし、いずれの方法も樹脂マトリ
クスに非相溶のものを添加し、表面に滲出させて必要な
特性を確保するものであり、必然的にブリードアウトに
よる表面汚染を生じ、しかもブリードアウトが終われば
導電特性も失われるという非恒久的なものであった。ま
た、カーボンブラックを配合する方法も種々行われてい
るが、カーボンブラックの強固なストラクチュアーによ
って、カーボンブラックが均一に分散されず、本発明に
示す108Ωcm程度の体積固有抵抗値を安定的に得るこ
とは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記事
情に鑑み、添加剤類を加えることなく、ポリウレタンの
構成成分について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ガラス転
移温度が30℃以下で、かつ、SO3M、COOM(式
中、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウムイオンを示
す。)で表されるイオン性セグメントを1種以上含有
し、更に、融解熱が200kJ/mol以下の脂肪族長
鎖ポリオールを用いた体積固有抵抗値が106〜109Ω
cmであるポリウレタン樹脂を用いることを特徴とする
系を除く溶液反応法及び無溶剤下で反応させる方法によ
って得られる被着材料が非金属用である磁気記録媒体を
除くOA機器用高導電性ポリウレタン樹脂接着剤であ
り、ポリウレタン樹脂が脂肪族長鎖ポリオールと有機ポ
リイソシアネート、又は、脂肪族長鎖ポリオールと有機
ポリイソシアネートと、脂肪族ポリオールのモル数に対
して1/2モル以下の鎖延長剤とを反応させて得られる
水系を除く溶液反応法及び無溶剤下で反応させる方法に
よって得られる被着材料が非金属用である磁気記録媒体
を除くOA機器用高導電性ポリウレタン樹脂接着剤であ
る。
【0005】
【本発明の実施の形態】まず、本発明のポリウレタン樹
脂を構成する成分について以下に説明する。本発明に使
用される長鎖ポリオールとしては、ポリエステル系、ポ
リラクトン系、ポリカーボネート系、ポリエーテル系ポ
リオール、及びこれらのコポリオールがあり、また、こ
れら長鎖ポリオールを単独使用、または併用してもよ
い。これら長鎖ポリオールは公知の方法で得られるもの
であり、分子量としては30〜10000が好ましい。これら
ポリオールの融解熱は200kJ/mol以下が望ましい。
【0006】一般にポリウレタン樹脂はその構成成分の
大部分をポリオールが占めており、ポリオールの性質は
ポリウレタンに強く反映される。ポリオールの融解熱が
200kJ/mol以上ではウレタン化反応後もポリオールの結
晶化が発生し易く、ポリウレタン樹脂のイオン伝導を阻
害し、著しく体積固有抵抗値が増大するため望ましくな
い。
【0007】ポリエステルポリオールとしては、公知の
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサ
ヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸または
その酸エステル、酸無水物等のジカルボン酸・酸エステ
ル、酸無水物と、エチレングリコール、1,3-プロピレン
グリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブタンジ
オール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、
1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオール、
1,9-ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4-シク
ロヘキサンジメタノール、あるいはビスフェノールAの
エチレオキサイド、または、プロピレオキサイド付加物
等のグリコール、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジ
アミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等
のジアミンまたはアミノアルコール等単独又はこれらの
混合物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオ
ール、ポリエステルアミドポリオール、またはイプシロ
ンーカプロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノ
マーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリ
オールが挙げられ、各成分の選択、重合度の調節で融解
熱を200kJ/mol以下に設計する必要がある。
【0008】ポリカーボネートポリオールとしては一般
には多価アルコールとジエチレンカーボネート、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカ
ーボネート等との脱アルコール反応などで得られ、この
多価アルコールとしてはエチレングリコール、1,3-プロ
ピレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブ
タンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオ
ール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオ
ール、1,9-ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,
4-シクロヘキサンジメタノール等の単独又はこれらの複
数使用からなるポリカーボネートポリオールが挙げら
れ、各成分の選択、重合度の調節で融解熱を200kJ/mol
以下に設計する必要がある。
【0009】ポリエーテルポリオールとしてはエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラ
ンなどを開環重合させたポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコール等、および、これらを共重合したコポリエーテ
ル、更に前記のポリエステル、ポリカーボネートポリオ
ールを開始剤としたエステルエーテルが挙げられ、各成
分の選択、重合度の調節で融解熱を200kJ/mol以下に設
計する必要がある。
【0010】本発明で使用される鎖延長剤としては一般
に分子量300以下の分子内に2個以上の活性水素を含有
する物質であり、公知のアルコール、アミン、アミノア
ルコール等が用いられる。例えば、エチレングリコー
ル、1,3-プロピレングリコール、1,2-プロピレングリコ
ール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-
ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-
1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-
オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ジエチレングリコール、1,4-
シクロヘキサンジメタノール、ビスヒドロキシエトキシ
ベンゼン、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサ
イド、または、プロピレンオキサイド付加物等のグリコ
ール、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、メチレンビス(オルソクロロアニリ
ン)、モノエタノールアミン等のジアミン又はアミノア
ルコール等が挙げられ、他に水、尿素も鎖延長剤として
使うことができる。上記の化合物は単独でまたは混合し
て使用することが出来る。また、鎖延長剤の配合mol数
の合計は、ポリオールのmol数以下、より好ましくはポ
リオールのmol数の1/2以下が好ましい。鎖延長剤の配合
mol数の合計が、ポリオールのmol数を越える場合、凝集
力の強いウレタン結合量が増し、強靱な物性が得られる
が、イオン伝導を阻害し、抵抗値が増してしまう。
【0011】本発明に使用されるイオン性セグメントと
しては次に示す化合物が挙げられ、ポリエステル及び/
又は、鎖延長剤としてポリウレタン樹脂の分子内に導入
することが出来る。
【0012】SO3M基の導入例としては、2−ナトリ
ウムスルホ−1,4−ブタンジオール、2−カリウムス
ルホ−1,4−ブタンジオール等のスルホン酸金属塩含
有グリコール、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5
−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホコハ
ク酸等のスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸等を前記の
長鎖ポリオール原料として、及び/又は鎖延長剤として
用いる方法が挙げられる。
【0013】COOM基の導入例としては、ビス(2,
2−ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,3−ジヒド
ロキシプロピオン酸、2,3−ジヒドロキシ−メチルプ
ロピオン酸、2,2−ジヒドロキシメチルプロピオン
酸、2,3−ジヒドロキシ−2−(1−メチルエチル)
ブタン酸、3,11−ジヒドロキシテトラデカン酸、
9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、1,2−ジヒ
ドロ−6−ヒドロキシ−2−オキシ−4−ピリジンカル
ボン酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、2,3−ジ
ヒドロキシ−2−メチルブタン二酸等、及びこれらの塩
を前述の長鎖ポリオール原料として、及び/又は鎖延長
剤として用いる方法が挙げられる。
【0014】本発明で使用されるポリイソシアネートモ
ノマーとしては、具体的には例えば、公知の2,4−ト
リレンジイソシアネート(以下TDIと称略する)、
2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4
−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェルメタンジイソシアネート(以
下MDIと称略する)、2,4′−ジフェルメタンジイ
ソシアネート(以下2,4′MDIと称略する)、4,
4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニト
ロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′
−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソ
シアネート、ナフチレ−1,5−ジイソシアネート、
3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシ
アネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
(以下HDIと称略する)、3−メチル−1,5ペンタ
ンジイソシアネート,リジンジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水
添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソ
シアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族
ジイソシアネート等のジイソシアネート及び/又はこれ
らの重合体、ポリメリック体が挙げられる。
【0015】前記ポリウレタンの製造において、ポリウ
レタン樹脂が線状の場合は活性水素化合物とイソシアネ
ート化合物のNCO/OHモル比は0.6/1.00〜1.15/1.0
0が好ましい。更に、得られた熱可塑性ポリウレタン樹
脂に必要に応じて通常のポリイソシアネート硬化剤を添
加することも出来る。ポリイソシアネート硬化剤として
は、イソシアネート基を2個以上有する低分子量ポリイ
ソシアネートを反応させた分子末端をイソシアネート基
とした化合物等が挙げられ、例えば、日本ポリウレタン
工業製、コロネートL、コロネート2030、コロネー
トHL、コロネートHX等が挙げられる。
【0016】ポリウレタン樹脂を熱硬化性樹脂とする場
合は、前記の線状ポリウレタン成分を分割し、適宜選択
したイソシアネート成分と、前記のポリオール、鎖延長
剤から選択された活性水素化合物との反応物であるイソ
シアネート末端プレポリマーを合成し、このイソシアネ
ート末端プレポリマーと、前述のポリオール、鎖延長剤
から選択された架橋剤としての活性水素化合物とを使用
時に混合、架橋させることも出来る。この際のイソシア
ネート末端プレポリマーと架橋剤のNCO/OHモル比
は0.6/1.00〜1.15/1.00が好ましい。この場合も、イソ
シアネート末端プレポリマーに必要に応じて通常のポリ
イソシアネート硬化剤を添加することも出来る。ポリイ
ソシアネート硬化剤としては、イソシアネート基を2個
以上有する低分子量ポリイソシアネートを反応させた分
子末端をイソシアネート基とした化合物等が挙げられ、
例えば、日本ポリウレタン工業製、コロネート203
0、コロネートHL、コロネートHX等が挙げられる。
【0017】更に、触媒として、トリエチルアミン、ト
リエチレンジアミン等の第3アミン、酢酸カリウム、ス
テアリン酸亜鉛等の金属塩、ジブチル錫ラウレート、ジ
ブチル錫オキサイド等の有機金属化合物などが挙げられ
る。安定剤として置換ベンゾトリアゾール類等の紫外線
に対する安定剤、フェノール誘導体等の熱酸化に対する
安定剤を配合することによってポリウレタン樹脂の諸性
能を安定化させることが出来る。
【0018】また、このポリウレタン樹脂を製造するに
あたっては、従来の公知の方法をとることができ、トル
エン、キシレン、ベンゼン、ジオキサン、シクロヘキサ
ノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
酢酸エチル、酢酸ブチル等の単一または混合溶剤系で反
応させる溶液反応法、無溶剤下で反応剤を十分に混合、
反応させる方法等、通常の製造方法を用いることが出来
る。
【0019】
【発明の効果】本発明のポリウレタン樹脂を用いること
により、導電性を付与でき、静電気特性を向上させるこ
とが可能となり、樹脂への種々の添加剤、ドーパント等
の添加量の削減もしくは未添加が可能となり、接着剤、
特に磁気記録媒体を除くOA機器用高導電性ポリウレタ
ン接着剤等の生産性、物性の向上を図ることが出来る。
更に本発明のポリウレタン樹脂は、フィルムラミネート
用接着剤、エラストマー、インキバインダー、プラスチ
ック等の表面処理剤、アスファルト、コンクリートの改
質剤、その他の接着剤、コーティング剤として応用する
ことが出来る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例にて更に詳しく述べる
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。な
お、合成例、実施例及び比較例における「部」及び
「%」は特に断りのないかぎり、「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0021】〔ポリオールの合成〕 合成例1 撹拌機、温度計および部分還流式冷却器を備えた反応器
にアジピン酸664.1部、1,4-ブタンジオール499.7部、テ
トラブチルチタネート0.01部を仕込み、140〜220℃で10
時間反応させた後、180〜220℃で5時間かけて20mmHgま
で減圧し、更に5〜20mmHg、200〜220℃で10時間重縮合
反応を行なった。得られたポリオールの1分子当たりの
平均水酸基数は2.0、水酸基価は112、数平均分子量200
0、DSC測定よる融解熱は71kJ/molであった。これをポリ
オールAとする。これらの組成、物性をまとめて表1に
示す。
【0022】合成例2〜12ポリオールの合成例1と同
様の手法で、ポリオールB〜Rを合成した。これらの組
成、物性をまとめて表1〜表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】実施例1 撹拌機、温度計および冷却管を備えた反応器にポリエス
テルポリオールA(表1参照)240.0部、ポリオールP6
0.0部、メチルエチルケトン/トルエン=3/1の混合溶媒
300部を仕込み、50℃で溶解混合した後、ウレタン化触
媒としてジオクチル錫ジラウレート0.06部を加え、次い
で、MDI60.0部を加え、75℃にて反応させた。反応が
進行するにつれて、粘度が上昇するので、適時、メチル
エチルケトン/トルエン=3/1の混合溶媒にて希釈し、
赤外スペクトルでイソシアネート基の吸収ピークが消滅
したのを確認して、均一透明な溶液を得た。この様にし
て得られたポリウレタン樹脂溶液は、固形分30%であ
り、GPC測定によるポリスチレン換算での数平均分子
量は約26000であった。得られたポリウレタンをPU-A1と
する。これらのPU樹脂組成と評価結果を表3に示す。 (1)得られたポリウレタン樹脂溶液に硬化剤としてコ
ロネートLを混合(固形分換算100部/10部)し、離型紙
上に乾燥後、120℃×2時間キュアさせ、約100μmの透明
キャストフィルムを作成した。このフィルムの表面をメ
タノールで十分にふき取り、乾燥後、抵抗測定器(横河
ヒューレットパッカード製16068A、4329A)にて温度25
℃、湿度50%RH、印加電圧100Vにて測定した。体積固有
抵抗値は108.5Ωcmであった。 (2)得られたフィルムをオリエンテック社製Rheovibr
on DDV-2EP(H/R=2℃/min, f=35Hz)で測定し、損失弾
性率のピーク温度をTgと定義した。PU-A1のTgは-33℃で
あった。 (3)(1)と同様の配合を厚さ50μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上に乾燥膜厚2μmになるように
塗布し、60℃で1分間乾燥後、厚さ50μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムをポリウレタン樹脂面に貼り
合わせ、密着させ、50℃にて24時間キュアさせた後、引
張り試験器にて引張り速度300mm/minで剥離強度を測定
した。剥離強度は750gf/15mmであった。これらのPU樹脂
組成と評価結果を表5に示す。
【0026】実施例2〜8、11、12 撹拌機、温度計および冷却管を備えた反応器に表3に示
すようにポリエステルポリオール、鎖延長剤、イソシア
ネートを選択しポリウレタン樹脂の合成例1と同様にポ
リウレタン樹脂溶液を得た。実施例1と同様にフィルム
を作成し、抵抗、Tg、剥離強度を測定した。これらのPU
樹脂組成と評価結果を表5に示す。
【0027】実施例13 撹拌機、温度計および冷却管を備えた反応器にポリエス
テルポリオールA(表1参照)251.2部、ポリオールP 25
1.2部を仕込み、50℃で溶解混合した後、MDI251.4部
を加え、75℃にて反応させ、イソシアネート末端のプレ
ポリマーを得た。架橋剤としてのポリオールA 226.0部
とトリメチロールプロパン20.2部の混合物と、このプレ
ポリマーとをそれぞれ75℃に調整し、均一混合後、130
℃に予備加熱した2mm厚のモールドにそそぎ込み、続い
て、130℃で10時間硬化反応を行い、約2mm厚のシートを
得た。 (1)得られたシートの表面をメタノールで十分にふき
取り、乾燥後、抵抗測定器(横河ヒューレットパッカー
ド製16068A、4329A)にて温度25℃、湿度50%RH、印加電
圧100Vにて測定した。体積固有抵抗値は107.9Ωcmであ
った。 (2)得られたシートをオリエンテック社製Rheovibron
DDV-2EP(H/R=2℃/min,f=35Hz)で測定し、損失弾性率
のピーク温度をTgと定義した。PU-A3のTgは-27℃であっ
た。 (3)同様の配合を厚さ300μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に乾燥膜厚20μmになるように塗布
し、厚さ300μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
をポリウレタン樹脂面に張り合わせ、密着させ、50℃に
て72時間キュアさせた後、引張り試験器にて引張り速度
300mm/minで剥離強度を測定した。剥離強度は800gf/15m
mであった。
【0028】実施例14、15、17 実施例13と同様に表4に示す組成のポリウレタン樹脂
を合成し、同様の手順でシートを作成し、抵抗値、Tg、
剥離強度を測定した。結果を表5に示す。
【0029】実施例18 50℃に加熱溶融させたポリオールJ 556.4部とポリオー
ルP 139.1部を均一混合した中に、C-HX 304.5部を仕込
み、均一混合後、130℃に予備加熱した2mm厚のモールド
にそそぎ込み、続いて、130℃で10時間硬化反応を行
い、約2mm厚のシートを得た。組成を表4に示す。この
シートの表面をメタノールで十分にふき取り、乾燥後、
抵抗測定器(横河ヒューレットパッカード製16068A、43
29A)にて温度25℃、湿度50%RH、印加電圧100Vにて測定
した。体積固有抵抗値は106.9Ωcmであった。結果を表
5に示す。
【0030】比較例1〜7 撹拌機、温度計および冷却管を備えた反応器に表3に示
すようにポリエステルポリオール、鎖延長剤、イソシア
ネートを選択しポリウレタン樹脂の合成例1と同様にポ
リウレタン樹脂溶液を得た。実施例1と同様にフィルム
を作成し、抵抗、Tg、剥離強度を測定した。結果を表5
に示す。
【0031】比較例8〜10 実施例12と同様に表4に示す組成のポリウレタン樹脂
を合成し、同様の手順でシートを作成し、抵抗値、Tg、
剥離強度を測定した。結果を表5に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−6255(JP,A) 特開 平6−128550(JP,A) 特開 平6−157698(JP,A) 特開 平6−172639(JP,A) 特開 平6−100650(JP,A) 特開 平6−231444(JP,A) 特開 平6−287441(JP,A) 特開 平6−340845(JP,A) 特開 平6−340846(JP,A) 特開 平7−62321(JP,A) 特開 平7−110934(JP,A) 特開 平6−287268(JP,A) 特開 平9−278862(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 CAS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水系を除く溶液反応法及び無溶剤下で反応
    させる方法によって得られる被着材料が非金属用である
    接着剤であって,ガラス転移温度が30℃以下で、か
    つ、SO3M、COOM(式中、Mは水素、アルカリ金
    属、アンモニウムイオンを示す。)で表されるイオン性
    セグメントを1種以上含有し、 更に、融解熱が200kJ/mol以下の脂肪族長鎖ポ
    リオールを用いた体積固有抵抗値が106〜109Ωcmで
    あるポリウレタン樹脂を用いることを特徴とする磁気記
    録媒体を除くOA機器用高導電性ポリウレタン樹脂接着
    剤。
  2. 【請求項2】水系を除く溶液反応法及び無溶剤下で反応
    させる方法によって得られる被着材料が非金属用である
    接着剤であって,ポリウレタン樹脂が脂肪族長鎖ポリオ
    ールと有機ポリイソシアネート、又は、脂肪族長鎖ポリ
    オールと有機ポリイソシアネートと、脂肪族長鎖ポリオ
    ールのモル数に対して1/2モル以下の鎖延長剤とを反
    応させて得られることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体を除くOA機器用高導電性ポリウレタン樹脂接
    着剤。
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