JP2009132815A - ポリウレタン樹脂、導電性ロールおよびこれを用いた電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真装置の高画質化や高速化、高温高湿環境における耐久性、画質安定性の向上要求に対応できる導電性ロールが求められている。
【解決手段】ポリカーボネートジオール(A)、ジイソシアネート化合物(B)、イソシアネートと反応する官能基と三級アミノ基を有する化合物(C)、ポリシロキサン化合物(D)を反応させて得られるポリウレタン樹脂、導電性ロールおよびこれを用いた電子写真装置に関する。
【選択図】なし
【解決手段】ポリカーボネートジオール(A)、ジイソシアネート化合物(B)、イソシアネートと反応する官能基と三級アミノ基を有する化合物(C)、ポリシロキサン化合物(D)を反応させて得られるポリウレタン樹脂、導電性ロールおよびこれを用いた電子写真装置に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物と分子内に三級アミノ基を有する化合物とポリシロキサン化合物を反応させて得られるポリウレタン樹脂、このポリウレタン樹脂を表面層に有する導電性ロール、およびこの導電性ロールを用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置に関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる導電性ロールとしては、現像ロール、帯電ロール、転写ロール等が挙げられる。従来より、この導電性ロールの最外層形成材料としては、熱可塑性ポリウレタン樹脂をアミノ樹脂で架橋したものが用いられてきた(特許文献1参照)。しかしながら、近年、トナーが微粒子化し、電荷を付与させるものが主流になってくると、通常のポリウレタン樹脂を用いた導電性ロールでは、トナーが導電性ロールの表面に付着しやすく、トナーフィルミングが生じやすいという難点が出てきた。そこで、ポリウレタン樹脂とポリシロキサン化合物を併用したり、両末端に水酸基又はアミノ基を有する反応性ポリシロキサン化合物を分子内に導入したポリウレタン樹脂を用いたり、カーボンブラックを分散させたりすることが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、上記ポリウレタン樹脂では、十分な滑り性を付与するために多くのポリシロキサン化合物を分子内に導入する必要があり、塗膜の強靭性が不足し、結果として走行安定性や耐久性が不足する場合があった。また、新たに近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の高画質化や高速化、高温高湿環境における耐久性の向上の要求に対して、導電性ロールの耐熱性、耐加水分解性が不足しつつあり、更なる向上が求められている。特許文献3では、ウレタン樹脂骨格にポリカーボネートジオールを使用して耐熱性、耐加水分解性を向上させ、更にカーボンブラックの分散性を向上させるためにウレタン樹脂にスルホン酸金属塩基を導入したポリウレタン樹脂が提案されている。しかしながらスルホン酸金属塩基を有するためにトナーの帯電特性の制御が難しく、特に高温、高湿度環境下ではスルホン酸金属塩基が吸湿するため、帯電性が変化し、安定した画質が得られないといった問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、電子写真装置の高画質化や高速化、高温高湿環境における耐久性、画質安定性の向上の要求に対して、以下の構成からなる
ポリウレタン樹脂を用いた導電性ロールを用いるものとする。
ポリウレタン樹脂を用いた導電性ロールを用いるものとする。
すなわち、分子内に耐熱性、耐加水分解性に優れたポリカーボネートジオール、滑り性付与のためにポリシロキサン化合物、更にはカーボンブラック分散性に優れ、高温高湿度下で吸湿が少ない三級アミノ基を有する化合物からなるポリカーボネートウレタン樹脂を用いることにより、耐久性、画質安定性に優れた複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の導電性ロールを提供できることを見出し、本発明に到達した。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下の発明に到達した。
(1) ポリカーボネートジオール(A)、ジイソシアネート化合物(B)、イソシアネートと反応する官能基と三級アミノ基を有する化合物(C)、ポリシロキサン化合物(D)を反応させて得られるポリウレタン樹脂。
(2) 更に、鎖延長剤(E)を加えて反応させて得られる(1)に記載のポリウレタン樹脂。
(3) ポリシロキサン化合物(D)が、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物から選ばれる1種または2種以上の混合物のいずれかであることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリウレタン樹脂。
(ただし、Xは−R’NH2、−R’N(H)R’’NH2、−R’OH、−R’SH、−CR’’’(R’OH)2のうち少なくとも1個である。またRはアルキル基、アルコキシ基のいずれかであり、R’、R’’はアルキレン基、R’’’はアルキル基、m=1〜100、n=2〜100である)
(4) (1)または(2)に記載のポリウレタン樹脂を表面層に有する導電性ロール。
(5) (4)に記載の導電性ロールを用いた電子写真装置。
(2) 更に、鎖延長剤(E)を加えて反応させて得られる(1)に記載のポリウレタン樹脂。
(3) ポリシロキサン化合物(D)が、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物から選ばれる1種または2種以上の混合物のいずれかであることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリウレタン樹脂。
(4) (1)または(2)に記載のポリウレタン樹脂を表面層に有する導電性ロール。
(5) (4)に記載の導電性ロールを用いた電子写真装置。
本発明のポリカーボネート結合、シロキサン結合と三級アミノ基を分子内に有するポリウレタン樹脂は滑り性と機械的強度、高温高湿下の耐加水分解性に優れており、例えば複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の導電性ロールに用いた場合、導電性ロールの摩擦係数が低下し、トナーフィルミングの発生を防止することができ、耐久複写画質の向上を図ることができ、高温高湿環境下でも耐久複写画質の劣化がないという効果を奏する。
本発明のポリカーボネートウレタン樹脂は、ポリカーボネートジオール(A)、ジイソシアネート化合物(B)、イソシアネートと反応する官能基と三級アミノ基を有する化合物(C)、ポリシロキサン化合物(D)および必要に応じてその他のイソシアネートと反応する官能基を有する化合物(E)を反応させて得られるウレタン樹脂である。分子内にカーボネート結合を導入することにより、ポリオール成分としてエステル結合やエーテル結合のみからなるポリウレタン樹脂よりも耐熱性や耐加水分解性に優れたものとなる。また分子内にアミノ基を導入することによって優れたカーボンブラック分散性を有することが可能となる。さらにポリシロキサン化合物(D)を併用することにより高い滑り性を付与することが出来る。さらに極性基としてアミノ基を使用することにより、吸水性のあるスルホン酸金属塩基と異なり、高温、高湿の環境下でも帯電特性が安定であり、耐久複写画質の劣化がない。
カーボネートジオール(A)としてはポリメチレンカーボネートジオール、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリブチレンカーボネートジオール等の炭素数1〜10のアルキレン基を含有するポリアルキレンカーボネートジオール、ポリフェニレンカーボネートジオール等の炭素数6〜10のアリール基を含有するポリアリーレンカーボネートジオールなどが挙げられる。また、ε−カプロラクタム等のカプロラクタムとの共重合体であっても良い。
中でもポリ(1,4−ブチレンカーボネート)ジオール、ポリ(1,5−ペンチレンカーボネート)ジオール、ポリ(1,6−へキシレンカーボネート)ジオール、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカーボネート)ジオール、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンカーボネート)ジオール、あるいは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3―メチル―1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど2種以上のジオール成分からなるポリカーボネートジオールなどが好ましい。
なお、カーボネートジオール(A)は単独で使用しても複数成分を混合して使用しても良い。また上記カーボネートジオール(A)の数平均分子量としては500〜5000が好ましく、さらに好ましいのは1000〜3000である。数平均分子量が500未満になると、出来上がったポリウレタンのウレタン基濃度が高くなり、重合の際に一般的に溶媒として用いるメチルエチルケトン、トルエンへの溶解性が悪くなることがある。数平均分子量が5000を超えるものは溶融粘度が高く、本発明のポリウレタン樹脂溶液の製造時において、作業時の取り扱いが困難になる。
ジイソシアネート化合物(B)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアナートが、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添物のような脂肪族、脂環族ジイソシアナートが挙げられる。これらの中、芳香族ジイソシアネートでは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、脂肪族、脂環族ジイソシアナートではヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。また、必要に応じて三官能以上のポリイソシアネート化合物を併用しても良い。
本発明のポリウレタン樹脂を製造する際には、必要に応じて鎖延長剤(E)を共重合しても良い。共重合される鎖延長剤としては、種々のグリコール、例えば1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘキサンジオール等が挙げられる。又はトリメチロールプロパンの様な低分子量トリオール、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミン化合物、或いはトリメチロールプロパンやグリセリンのプロピレンオキサイドやラクトンモノマー付加物の様な高分子トリオール化合物を挙げることが出来る。これらの中では特にトリメチロールプロパンが好ましい。
トリオールを用いることによりポリウレタン分子の側鎖に水酸基が残存し、ポリイソシアネート化合物又はアミノ樹脂等の硬化剤による架橋密度が高くなり、ポリウレタン樹脂の機械的強度を向上する効果が得られる。また、トリエタノールアミンのように三級アミノ基骨格を有する化合物では、ポリイソシアネート系硬化剤との反応性を高める触媒効果を期待することができる。
トリオールを用いることによりポリウレタン分子の側鎖に水酸基が残存し、ポリイソシアネート化合物又はアミノ樹脂等の硬化剤による架橋密度が高くなり、ポリウレタン樹脂の機械的強度を向上する効果が得られる。また、トリエタノールアミンのように三級アミノ基骨格を有する化合物では、ポリイソシアネート系硬化剤との反応性を高める触媒効果を期待することができる。
イソシアネートと反応する官能基と三級アミノ基を有する化合物(C)としては、N−アルキルジメタノールアミン、N−アルキルジエタノールアミン、N−アルキルジプロパノールアミン、N−アルキルジヘキサノ−ルアミン、N−アルキルジオクタノールアミンにおいてアルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基のもの、3−ジアルキルアミノ−1,2−プロパンジオール、4−ジアルキルアミノ−1,2−ブタンジオール、5−ジアルキルアミノ−1,3−ペンタンジオールにおいてアルキル基がメチル基またはエチル基のもの、などが挙げられる。なかでもN−メチルジエタノールアミン、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、4−ジメチルアミノ−1,2−ブタンジオールが特に好ましい。
イソシアネートと反応する官能基と三級アミノ基を有する化合物(C)が含有する三級アミノ基量は、ウレタン樹脂全体に対して50〜500eq/106gの範囲が好ましい。350eq/106g以下がより好ましく、200eq/106g以下であれば更に好ましい。50eq/106g未満だとカーボンブラックの分散性が不足し、500eq/106gを越えるとポリウレタン製造時に副反応により、ゲル化が進行しやすくなる。ここでアミノ基量は、樹脂重量106g当たりアミノ塩基が何当量存在するかを表す数値である。従って単位はeq/106gで表す。
本発明のポリウレタン樹脂に使用されるポリシロキサン化合物(D)とは、シロキサン結合を分子内に2つ以上含む化合物を示す。より具体的にはポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジプロピルシロキサン等のアルキル置換ポリシロキサンが好ましい。また、アルキル置換ポリシロキサンのアルキル基の一部がフェニル基に置換されたものも好ましい。さらには、ポリウレタンと共重合させるために水酸基、アミノ基、メルカプト基などを有する1個または2個以上の官能基を有することが更に好ましい。その構造式は例えば一般式(I)〜(IV)のようなものが挙げられる。
(ただし、Xは−R’NH2、−R’N(H)R’’NH2、−R’OH、−R’SH、−CR’’’(R’OH)2のうち少なくとも1個である。またRはアルキル基、アルコキシ基のいずれかであり、R’、R’’はアルキレン基、R’’’はアルキル基、m=1〜100、n=2〜100である)
一般式(I)〜(IV)において、官能基Xの官能基当量(Mx)は100〜6000g/molの範囲が好ましい。500g/mol以上がより好ましく、1500g/mol以上が更に好ましい。Mxが100g/mol未満では一般式(I)〜(IV)のポリシロキサンセグメントとポリオールセグメントが相溶してしまい、表面エネルギーの低いポリシロキサンセグメントを多く含むポリウレタンの表面偏析を生じず滑り性向上効果を発揮しないことがある。また、Mxが6000g/molを越えるとポリシロキサン化合物のポリウレタン骨格との反応性が極端に低下してポリウレタン骨格に組み込まれにくくなり、ポリシロキサン化合物のブリードアウトやポリウレタン樹脂の機械的強度の低下が生じることがある。
本発明のポリウレタン樹脂におけるポリシロキサン化合物(D)の導入量は、ポリウレタン樹脂全体重量中1〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは1〜20重量%である。1重量%未満では塗膜の十分な滑り性が得られにくくなりことがあり、一方30重量%以上では遊離したポリシロキサン化合物のブリードアウトやポリウレタン樹脂の機械的強度の低下が起こりやすくなる場合がある。
本発明のポリウレタン樹脂の数平均分子量は5000から100000、望ましくは10000から80000である。数平均分子量が5000未満では機械的強度が不足し、数平均分子量が100000を超えると溶液粘度が大きくなり、ポリウレタン樹脂溶解品の取り扱い、あるいはカーボンブラック等の分散性が悪化する虞がある。
ポリウレタン樹脂を製造するときには、触媒としてオクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウリレート、トリエチルアミン等を用いてもよい。また紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤などをポリウレタン樹脂の製造前、製造中あるいは製造後に添加してもよい。
本発明のポリウレタン樹脂のガラス転移温度は−60〜60℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは−40〜25℃である。ガラス転移温度が−60℃未満では樹脂が柔らかく、長期間の耐久性が充分に得られにくい。一方、60℃を超えると塗布性が低下し、塗膜に皺やムラが発生しやすい。
本発明の導電性ロールは、上述のポリウレタン樹脂と共に必要に応じてポリイソシアネート化合物又はアミノ樹脂等の硬化剤、カーボンブラック等の導電剤を併用したコーティング液を塗布、乾燥して得られる。
該コーティング液を塗布する方法は特に制限するものではなく、従来公知のディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等が挙げられる。また、塗布層の厚みは3〜100μmが好ましく、特に好ましくは5〜50μmである。
このようにして製造された導電性ロールは、現像ロール、帯電ロール、転写ロール等として、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置に組み込まれて使用される。
以下実施例により本発明を具体的に例示するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。なお、樹脂物性の測定は以下のような手順で行った。
(溶液粘度)
B型粘度計を用いて25℃で測定した。
B型粘度計を用いて25℃で測定した。
(数平均分子量および分子量分布)
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。なお、分子量300以下の低分子のピークは分析時には削除し、300以上の高分子のピークをデータ処理することで数平均分子量を求めた。
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。なお、分子量300以下の低分子のピークは分析時には削除し、300以上の高分子のピークをデータ処理することで数平均分子量を求めた。
(組成分析)
重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
(ガラス転移温度)
110Hzにおける動的粘弾性の温度依存性測定結果より求めた貯蔵弾性率(E’)の変曲点温度を、ガラス転移温度とした。測定はレオロジー(株)製FTレオスペクトラーDVE−VAにより、周波数110Hz、振幅10.0μm、昇温速度5℃/min、温度範囲−50〜150℃で行った。サンプルは15×4mm、厚さ15μmのフィルム状サンプル片を用いた。貯蔵弾性率(E’)の屈折点において、屈折点以下のベースラインの延長線と屈折点以上における最大傾斜を示す接線との交点の温度を変曲点温度とし、これをガラス転移温度とした。
110Hzにおける動的粘弾性の温度依存性測定結果より求めた貯蔵弾性率(E’)の変曲点温度を、ガラス転移温度とした。測定はレオロジー(株)製FTレオスペクトラーDVE−VAにより、周波数110Hz、振幅10.0μm、昇温速度5℃/min、温度範囲−50〜150℃で行った。サンプルは15×4mm、厚さ15μmのフィルム状サンプル片を用いた。貯蔵弾性率(E’)の屈折点において、屈折点以下のベースラインの延長線と屈折点以上における最大傾斜を示す接線との交点の温度を変曲点温度とし、これをガラス転移温度とした。
スルホン酸金属塩基を有するポリエステルジオール(F)の合成例
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステルを888部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネートを1836部およびテトラブトキシチタン0.2部を仕込み240℃で5時間エステル交換した。温度を100℃まで低下させ、トルエン633部で希釈しポリエステルジオール(F)溶液(固形分濃度80%)を得た。得られたポリエステルジオール(F)の数平均分子量(未反応グリコール成分を除いて算出)は620であり、組成は5−ナトリウムスルホイソフタル酸/2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート=3/1(モル比)であった。
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステルを888部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネートを1836部およびテトラブトキシチタン0.2部を仕込み240℃で5時間エステル交換した。温度を100℃まで低下させ、トルエン633部で希釈しポリエステルジオール(F)溶液(固形分濃度80%)を得た。得られたポリエステルジオール(F)の数平均分子量(未反応グリコール成分を除いて算出)は620であり、組成は5−ナトリウムスルホイソフタル酸/2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート=3/1(モル比)であった。
[合成例1]
ポリカーボネートウレタン樹脂(a)の合成
UH−200(宇部興産(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)20部を2−ブタノン(以下MEKと略すことがある)110部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略すことがある)45部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK155部、N−メチルジエタノールアミン1.5部、KF−865(信越化学工業(株)製)10部を溶解し、75℃で約5分反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を75℃で約2時間行い、MEK147部を添加し、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(a)の特性を表1に示した。なお、表中の略号は以下の通りであり、表の組成比は重量比である。なお、UH−200はポリ(1,6−へキシレンカーボネート)ジオールから主としてなり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、KF−865は化学式(I)においてXが−R’NH2であるアミノ基を側鎖に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量5000g/molである。
ポリカーボネートウレタン樹脂(a)の合成
UH−200(宇部興産(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)20部を2−ブタノン(以下MEKと略すことがある)110部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略すことがある)45部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK155部、N−メチルジエタノールアミン1.5部、KF−865(信越化学工業(株)製)10部を溶解し、75℃で約5分反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を75℃で約2時間行い、MEK147部を添加し、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(a)の特性を表1に示した。なお、表中の略号は以下の通りであり、表の組成比は重量比である。なお、UH−200はポリ(1,6−へキシレンカーボネート)ジオールから主としてなり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、KF−865は化学式(I)においてXが−R’NH2であるアミノ基を側鎖に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量5000g/molである。
[合成例2]
ポリカーボネートウレタン樹脂(b)の合成
ポリカーボネートジオールUHC−50−200(宇部興産(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)30部を2−ブタノン130部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート65部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK183部、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール1.5部、KF−8012(信越化学工業(株)製)10部を添加、さらに50℃まで降温し、MEK174部、トリエタノールアミン(以下TEOAと略することがある)を2部添加、50℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を50℃で約2時間行い、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(b)の特性を表1に示した。なお、表中の略号は以下の通りであり、表の組成比は重量比である。なお、UHC−50−200はポリ(1,6―へキシレンカーボネート)ジオールとポリ(ε−カプロラクトン)の共重合体であり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、KF−8012は化学式(II)においてXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量2200g/molである。
ポリカーボネートウレタン樹脂(b)の合成
ポリカーボネートジオールUHC−50−200(宇部興産(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)30部を2−ブタノン130部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート65部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK183部、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール1.5部、KF−8012(信越化学工業(株)製)10部を添加、さらに50℃まで降温し、MEK174部、トリエタノールアミン(以下TEOAと略することがある)を2部添加、50℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応を50℃で約2時間行い、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(b)の特性を表1に示した。なお、表中の略号は以下の通りであり、表の組成比は重量比である。なお、UHC−50−200はポリ(1,6―へキシレンカーボネート)ジオールとポリ(ε−カプロラクトン)の共重合体であり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、KF−8012は化学式(II)においてXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量2200g/molである。
[合成例3]
ポリカーボネートウレタン樹脂(c)の合成
T−5651(旭化成ケミカルズ(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)10部、を2−ブタノン107部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート50部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK154部、N−メチルジエタノールアミン2部、KF−8008(信越化学工業(株)製)、トリメチロールプロパン(以下TMPと略すことがある)3.5部を溶解し、75℃で約0.5時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部添加、反応を75℃で約2時間行った。そしてMEK145部を添加し、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(c)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、T−5651は、1,6−へキサンジオールと1,5−ペンタンジオールの1:1混合ポリカーボネートジオールであり、数平均分子量は1000、水酸基価は110mgKOH/gである。また、KF−8008は化学式(II)においてXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量5700g/molである。
ポリカーボネートウレタン樹脂(c)の合成
T−5651(旭化成ケミカルズ(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)10部、を2−ブタノン107部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート50部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK154部、N−メチルジエタノールアミン2部、KF−8008(信越化学工業(株)製)、トリメチロールプロパン(以下TMPと略すことがある)3.5部を溶解し、75℃で約0.5時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部添加、反応を75℃で約2時間行った。そしてMEK145部を添加し、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(c)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、T−5651は、1,6−へキサンジオールと1,5−ペンタンジオールの1:1混合ポリカーボネートジオールであり、数平均分子量は1000、水酸基価は110mgKOH/gである。また、KF−8008は化学式(II)においてXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量5700g/molである。
[合成例4]
ポリカーボネートウレタン樹脂(d)の合成
T−5652(旭化成ケミカルズ(株)製)100部を2−ブタノン(以下MEKと略す)49部に溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート15部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK161部、N−メチルジエタノールアミン3部、X−22−1660B−3(信越化学工業(株)製)20部を溶解し、75℃で約1時間反応させた後、トリメチロールプロパン(以下TMPと略することがある)2部を溶解し、75℃で約0.5時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部添加、反応を75℃で約2時間行った。そしてMEK116部を添加し、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(d)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、T−5652は、1,6−へキサンジオールと1,5−ペンタンジオールのモル比1:1混合ポリカーボネートジオールであり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、X−22−1660B−3は化学式(II)においてメチル基の一部がフェニル基でありXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量2200g/molである。
ポリカーボネートウレタン樹脂(d)の合成
T−5652(旭化成ケミカルズ(株)製)100部を2−ブタノン(以下MEKと略す)49部に溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート15部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK161部、N−メチルジエタノールアミン3部、X−22−1660B−3(信越化学工業(株)製)20部を溶解し、75℃で約1時間反応させた後、トリメチロールプロパン(以下TMPと略することがある)2部を溶解し、75℃で約0.5時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部添加、反応を75℃で約2時間行った。そしてMEK116部を添加し、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(d)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、T−5652は、1,6−へキサンジオールと1,5−ペンタンジオールのモル比1:1混合ポリカーボネートジオールであり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、X−22−1660B−3は化学式(II)においてメチル基の一部がフェニル基でありXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量2200g/molである。
[合成例5]
ポリカーボネートウレタン樹脂(e)の合成
T−5652(旭化成ケミカルズ(株)製)100部とポリエステルジオール溶液(F)37.5部を2−ブタノン(以下MEKと略す)99部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート29部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK147部、KF−8012(信越化学工業(株)製)10部を溶解し、75℃で約0.5時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレートを添加し、75℃で約2時間行った。そしてMEK141部を添加し、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(e)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、ポリカーボネートジオールT−5652は、1,6−へキサンジオールと1,5−ペンタンジオールの1:1混合ポリカーボネートジオールであり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、KF−8012はまた、KF8012は化学式(II)においてXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量2200g/molである。
ポリカーボネートウレタン樹脂(e)の合成
T−5652(旭化成ケミカルズ(株)製)100部とポリエステルジオール溶液(F)37.5部を2−ブタノン(以下MEKと略す)99部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート29部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK147部、KF−8012(信越化学工業(株)製)10部を溶解し、75℃で約0.5時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレートを添加し、75℃で約2時間行った。そしてMEK141部を添加し、固形分濃度30%のポリカーボネートウレタン樹脂を得た。得られたポリカーボネートウレタン樹脂(e)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、ポリカーボネートジオールT−5652は、1,6−へキサンジオールと1,5−ペンタンジオールの1:1混合ポリカーボネートジオールであり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、KF−8012はまた、KF8012は化学式(II)においてXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量2200g/molである。
[合成例6]
ポリエステルウレタン樹脂(f)の合成
ODX688(大日本インキ化学工業(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)10部とポリエステルジオール(F)溶液12.5部を2−ブタノン100部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート33部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK145部、KF−8012(信越化学工業(株)製)10部を溶解し、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部添加し、反応を75℃で約2時間行い、MEK136部を添加し、固形分濃度30%のポリエステルウレタン樹脂を得た。得られたポリエステルウレタン樹脂(f)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、ポリエステルジオールODX688は、アジペート系のポリエステルジオールであり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、KF−8012は化学式(II)においてXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量2200g/molである。
ポリエステルウレタン樹脂(f)の合成
ODX688(大日本インキ化学工業(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)10部とポリエステルジオール(F)溶液12.5部を2−ブタノン100部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート33部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK145部、KF−8012(信越化学工業(株)製)10部を溶解し、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部添加し、反応を75℃で約2時間行い、MEK136部を添加し、固形分濃度30%のポリエステルウレタン樹脂を得た。得られたポリエステルウレタン樹脂(f)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、ポリエステルジオールODX688は、アジペート系のポリエステルジオールであり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。また、KF−8012は化学式(II)においてXが−R’NH2であるアミノ基を両末端に有するアミノ変性ポリシロキサン化合物であり、アミノ基当量2200g/molである。
[合成例7]
ポリエステルウレタン樹脂(g)の合成
ポリエステルジオールODX688(大日本インキ化学工業(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)20部を2−ブタノン111部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート46部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK141部、N−メチルジエタノールアミン2部を溶解し、75℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部添加し、反応を75℃で約2時間行い、MEK140部を添加し、固形分濃度30%のポリエステルウレタン樹脂を得た。得られたポリエステルウレタン樹脂(g)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、ポリエステルジオールODX688は、アジペート系のポリエステルジオールであり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。
ポリエステルウレタン樹脂(g)の合成
ポリエステルジオールODX688(大日本インキ化学工業(株)製)100部とブチルエチルプロパンジオール(以下DMHと略すことがある)20部を2−ブタノン111部に溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート46部を溶解し、75℃で約2時間反応させた。次に、MEK141部、N−メチルジエタノールアミン2部を溶解し、75℃で約1時間反応させた後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部添加し、反応を75℃で約2時間行い、MEK140部を添加し、固形分濃度30%のポリエステルウレタン樹脂を得た。得られたポリエステルウレタン樹脂(g)の特性を表1に示した。なお、表の組成比は重量比である。なお、ポリエステルジオールODX688は、アジペート系のポリエステルジオールであり、数平均分子量は2000、水酸基価は56mgKOH/gである。
[実施例1]
上記ポリカーボネートウレタン樹脂(a)100部にデンカブラックHS−100(カーボンブラック、電気化学工業(株)製)10部を分散させた後、ポリカーボネートウレタン樹脂の固形分に対して10%のコロネートL(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、日本ポリウレタン工業(株)製)を添加し、コーティング液を調整した。このコーティング液を乾燥後の厚みが約10μmとなるよう、表面層として塗布乾燥することにより、導電性ロールを作製した。
上記ポリカーボネートウレタン樹脂(a)100部にデンカブラックHS−100(カーボンブラック、電気化学工業(株)製)10部を分散させた後、ポリカーボネートウレタン樹脂の固形分に対して10%のコロネートL(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、日本ポリウレタン工業(株)製)を添加し、コーティング液を調整した。このコーティング液を乾燥後の厚みが約10μmとなるよう、表面層として塗布乾燥することにより、導電性ロールを作製した。
このようにして得られた導電性ロールを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った結果は表2のとおりであった。表2の結果から、ポリカーボネートウレタン樹脂(a)を用いたコーティング液は塗布性に問題なく、この導電性ロールは、摩擦係数が低く、トナーフィルミングが発生せず、耐久複写画質、環境に関係なく画質濃度安定性に優れた評価を示していることが分かる。
塗布性
上記ポリカーボネートウレタン樹脂を用いたコーティング液を導電性ロールの最外層として塗布乾燥した際に、塗膜に皺やムラが発生したものを×、ごくわずかに発生したものを○、発生しなかったものを◎とした。
上記ポリカーボネートウレタン樹脂を用いたコーティング液を導電性ロールの最外層として塗布乾燥した際に、塗膜に皺やムラが発生したものを×、ごくわずかに発生したものを○、発生しなかったものを◎とした。
摩擦係数
上記ポリカーボネートウレタン樹脂を用いたコーティング液を塗布乾燥して塗膜を作製し、静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて、移動速度0.3cm/秒、荷重100gの条件下で、剛球(ステンレス製、直径3mm)に対する摩擦係数を測定した。
上記ポリカーボネートウレタン樹脂を用いたコーティング液を塗布乾燥して塗膜を作製し、静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて、移動速度0.3cm/秒、荷重100gの条件下で、剛球(ステンレス製、直径3mm)に対する摩擦係数を測定した。
トナーフィルミング性−1
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、1万枚複写した後、複写機を分解し、現像ロールを取り出し、トナーフィルミングを確認した。現像ロール上に付着したトナーの厚みが1μm以上であったものをトナーフィルミングが発生したものとした。そして、トナーフィルミングが発生したものを×、発生しなかったものを○とした。
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、1万枚複写した後、複写機を分解し、現像ロールを取り出し、トナーフィルミングを確認した。現像ロール上に付着したトナーの厚みが1μm以上であったものをトナーフィルミングが発生したものとした。そして、トナーフィルミングが発生したものを×、発生しなかったものを○とした。
トナーフィルミング性−2
上記導電性ロールを40℃×85%の環境下で30日間放置後、現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、1万枚複写した後、複写機を分解し、現像ロールを取り出し、トナーフィルミングを確認した。現像ロール上に付着したトナーの厚みが1μm以上であったものをトナーフィルミングが発生したものとした。そして、トナーフィルミングが発生したものを×、発生しなかったものを○とした。
上記導電性ロールを40℃×85%の環境下で30日間放置後、現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、1万枚複写した後、複写機を分解し、現像ロールを取り出し、トナーフィルミングを確認した。現像ロール上に付着したトナーの厚みが1μm以上であったものをトナーフィルミングが発生したものとした。そして、トナーフィルミングが発生したものを×、発生しなかったものを○とした。
耐久複写画質−1
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの環境下において1万枚複写した後、べた黒画像において画像ムラや白斑点ぬけのないものを◎、ごくわずかに発生したものを○、顕著に発生したものを×とした。
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの環境下において1万枚複写した後、べた黒画像において画像ムラや白斑点ぬけのないものを◎、ごくわずかに発生したものを○、顕著に発生したものを×とした。
耐久複写画質−2
上記導電性ロールを40℃×85%の環境下で30日間放置後、現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの条件下において1万枚複写した後、べた黒画像において画像ムラや白斑点ぬけのないものを◎、ごくわずかに発生したものを○、顕著に発生したものを×とした。
上記導電性ロールを40℃×85%の環境下で30日間放置後、現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、20℃×50%RHの条件下において1万枚複写した後、べた黒画像において画像ムラや白斑点ぬけのないものを◎、ごくわずかに発生したものを○、顕著に発生したものを×とした。
環境に対する画質濃度安定性
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、15℃×10%RHの環境下において1万枚複写した後の画像と、40℃×85%RHの環境下において1万枚複写した後の画像を比較し、環境に対する画質濃度安定性の評価を行った。評価はべた黒画像を印刷し、マクベス濃度計で変化が0.1以下の時を○、0.1を越えるときを×とした。
上記導電性ロールを現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、15℃×10%RHの環境下において1万枚複写した後の画像と、40℃×85%RHの環境下において1万枚複写した後の画像を比較し、環境に対する画質濃度安定性の評価を行った。評価はべた黒画像を印刷し、マクベス濃度計で変化が0.1以下の時を○、0.1を越えるときを×とした。
[実施例2〜3]
ポリカーボネートウレタン樹脂(b)、(c)を使用して、実施例1と同様の方法により、評価を行った結果は表2のとおりであった。表2の結果から、ポリウレタン樹脂(b)〜(c)を用いたコーティング液は塗布性に問題なく、実施例2〜3の導電性ロールは、摩擦係数が低く、トナーフィルミングが発生せず、耐久複写画質、環境に関係なく画質濃度安定性に優れた評価を示していることが分かる。
ポリカーボネートウレタン樹脂(b)、(c)を使用して、実施例1と同様の方法により、評価を行った結果は表2のとおりであった。表2の結果から、ポリウレタン樹脂(b)〜(c)を用いたコーティング液は塗布性に問題なく、実施例2〜3の導電性ロールは、摩擦係数が低く、トナーフィルミングが発生せず、耐久複写画質、環境に関係なく画質濃度安定性に優れた評価を示していることが分かる。
[実施例4]
上記ポリカーボネートウレタン樹脂(d)100部にデンカブラックHS−100(カーボンブラック、電気化学工業(株)製)30部を分散させた後、ポリカーボネートウレタン樹脂の固形分に対して10%のコロネートL(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、日本ポリウレタン工業(株)製)を添加し、コーティング液を調整した。このコーティング液を乾燥後の厚みが約10μmとなるよう、最外層として塗布乾燥することにより、導電性ロールを作製し、評価を行った結果は表2のとおりであった。表2の結果から、ポリウレタン樹脂(d)を用いたコーティング液は塗布性に問題なく、実施例4の導電性ロールは、摩擦係数が低く、トナーフィルミングが発生せず、耐久複写画質、環境に関係なく画質濃度安定性に優れた評価を示していることが分かる。
上記ポリカーボネートウレタン樹脂(d)100部にデンカブラックHS−100(カーボンブラック、電気化学工業(株)製)30部を分散させた後、ポリカーボネートウレタン樹脂の固形分に対して10%のコロネートL(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、日本ポリウレタン工業(株)製)を添加し、コーティング液を調整した。このコーティング液を乾燥後の厚みが約10μmとなるよう、最外層として塗布乾燥することにより、導電性ロールを作製し、評価を行った結果は表2のとおりであった。表2の結果から、ポリウレタン樹脂(d)を用いたコーティング液は塗布性に問題なく、実施例4の導電性ロールは、摩擦係数が低く、トナーフィルミングが発生せず、耐久複写画質、環境に関係なく画質濃度安定性に優れた評価を示していることが分かる。
[比較例1〜3]
ポリカーボネートウレタン樹脂(e)、ポリエステルウレタン樹脂(f)、(g)を使用して、実施例1と同様の方法により、評価を行った結果は表2のとおりであった。表2の結果から、ポリシロキサン化合物を含まないポリエステルウレタン樹脂(g)を用いた比較例3の導電性ロールは、摩擦係数が高く、トナーフィルミングが顕著に発生し、耐久複写画質、画質濃度安定性の評価は不可能であった。また、スルホン酸金属塩基を含むポリエステルウレタン樹脂(f)およびポリカーボネートウレタン樹脂(e)を用いた比較例1、2の導電性ロールは、長期間高湿高温環境に放置するとトナーフィルミングが顕著に発生し、耐久複写画質に劣り、また環境によって画質濃度が変化し、安定性が不良であることが分かる。
ポリカーボネートウレタン樹脂(e)、ポリエステルウレタン樹脂(f)、(g)を使用して、実施例1と同様の方法により、評価を行った結果は表2のとおりであった。表2の結果から、ポリシロキサン化合物を含まないポリエステルウレタン樹脂(g)を用いた比較例3の導電性ロールは、摩擦係数が高く、トナーフィルミングが顕著に発生し、耐久複写画質、画質濃度安定性の評価は不可能であった。また、スルホン酸金属塩基を含むポリエステルウレタン樹脂(f)およびポリカーボネートウレタン樹脂(e)を用いた比較例1、2の導電性ロールは、長期間高湿高温環境に放置するとトナーフィルミングが顕著に発生し、耐久複写画質に劣り、また環境によって画質濃度が変化し、安定性が不良であることが分かる。
本発明のポリカーボネートウレタン樹脂は基材密着性及び機械的強度に優れており、また実施例等に示したとおり、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置の導電性ロールに用いた場合、導電性ロールの摩擦係数が低下し、トナーフィルミングの発生を防止することができ、耐久複写画質の向上を図ることができ、高温高湿環境下でも耐久複写画質の劣化がなく、画質濃度も環境の影響を受けることがないので、電子写真装置の高画質化や高速化、高温高湿環境における耐久性、画質安定性の向上要求に対応でき、産業上、有用である。
Claims (5)
- ポリカーボネートジオール(A)、ジイソシアネート化合物(B)、イソシアネートと反応する官能基と三級アミノ基を有する化合物(C)、ポリシロキサン化合物(D)を反応させて得られるポリウレタン樹脂。
- 更に、鎖延長剤(E)を加えて反応させて得られる請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
- 請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂を表面層に有する導電性ロール。
- 請求項4に記載の導電性ロールを用いた電子写真装置。
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-
2007
- 2007-11-30 JP JP2007310524A patent/JP2009132815A/ja active Pending
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