JP2013205758A - 現像部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる現像部材Rは、表層1を有している。表層1は、マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有している。表面改質ポリマーは、分子内にアミノ基を有する第1化合物に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基を有する第2化合物に基づく第2重合単位とを含むことができる。第1化合物および第2化合物は、分子内に(メタ)アクリル基を有しているとよい。
【選択図】図1
Description
近年、現像部材の表層には、トナーの劣化を抑制するために柔軟性が求められている。しかし、表層を柔らかくすると、表層の変形が大きくなり、ブレード部材の押し当て力が弱くなる。そのため、表層表面とブレード部材との摩擦帯電によってトナーを荷電することが難しくなる。その結果、トナー荷電不足よるカブリ画像が発生しやすくなる。
マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有する表層を有することを特徴とする現像部材にある(請求項1)。
図1、図2に示すように、実施例に係る現像部材Rは、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれるものである。現像部材Rは、表層1を有している。本例の現像部材Rは、具体的には、導電性を有する軸体2と、軸体2の外周面に沿って形成された導電性を有するゴム弾性体よりなる弾性層3とをさらに有している。但し、軸体2の両端部は、弾性層3の両端面から突出した状態とされている。そして、この弾性層3の外周面に沿って表層1が形成されている。
(実験例)
<表面改質ポリマーの準備>
表層のマトリックスポリマー中に含有させる各表面改質ポリマーを以下のようにして準備した。
・表面改質ポリマーA
200mLの反応フラスコに、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド((株)興人製)15g(96mmol)と、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(信越化学工業(株)製、「X−22−174DX」)0.92g(0.2mmol)と、メタクリル酸メチル(純正化学工業(株)製)0.38g(3.8mmol)と、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)(和光純薬工業(株)製、「VE−73」)1.24g(4mmol)と、メチルエチルケトン(MEK)26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、MEK51.8gを仕込み、固形分で30%の表面改質ポリマーAを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーAは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10.55g(67.6mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物7.46g(1.6mmol)、メタクリル酸メチル3.09g(30.8mmol)とした以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーBを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーBは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド0.28g(1.8mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物22.59g(4.9mmol)、メタクリル酸メチル9.34g(93.3mmol)とした以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーCを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーCは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド15.02g(96.2mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物0.88g(0.2mmol)、メタクリル酸メチル0.34g(3.4mmol)とした点、さらに、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(ダイキン工業(株)製、「R−1620」)0.08g(0.2mmol)を加えた点以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーDを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーDは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位と、分子内にフルオロアルキル基を有するモノマーに基づく重合単位を含む直鎖状の共重合体である。
300mLの反応フラスコに、トルエン87gを仕込み、撹拝しながら5分間窒素を流し込み、内液が還流するまで(およそ温度110℃)加熱した。
一方、別の200mLの反応フラスコに、上記ジメチルアミノプロピルアクリルアミド12g(76.79mmol)と、上記(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物0.74g(0.21mmol)と、エチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)、「1G」)3.96g(20mmol)と、上記メタクリル酸メチル0.31g(3mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)6.21g(20mmol)と、トルエン87gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込んで窒素置換を行い、氷浴にて0℃まで冷却を行った。
次いで、上記300mLの反応フラスコ中の還流してあるトルエン中に、滴下ポンプを用いて、上記200mLの反応フラスコ中の内容物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま1時間熟成させた。
次いで、この反応液をヘキサン/トルエン(質量比4:1)555gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、テトラヒドロフラン(THF)42gを用いて再溶解し、このポリマーのTHF溶液をヘキサン555gに添加してポリマーをスラリー状態で再沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である表面改質ポリマーE13.6gを得た。
上記表面改質ポリマーEは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む高分岐構造(ハイパーブランチ構造)の共重合体である。
200mLの反応フラスコに、上記(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物23g(5mmol)と、上記メタクリル酸メチル9.5g(95mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、MEK51.8gを仕込み、固形分で30%の表面改質ポリマーFを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーFは、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位を含んでいない。
200mLの反応フラスコに、上記ジメチルアミノプロピルアクリルアミド13.99g(89.6mmol)と、上記2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート0.23g(0.5mmol)と、上記メタクリル酸メチル0.99g(9.9mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、この反応液をヘキサン662gに添加してポリマーを沈殿させ、上澄み液をデカンテーションした後、その残渣をTHF54gに再溶解させた。
次いで、このポリマーのTHF溶液をヘキサン662gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である直表面改質ポリマーG12.1gを得た。上記表面改質ポリマーGは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位を含んでいない。
100mLの反応フラスコに、上記2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート12.97g(30mmol)と、上記メタクリル酸メチル7g(70mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、この反応液をヘキサン662gに添加してポリマーを沈殿させ、上澄み液をデカンテーションした後、その残渣をTHF54gに再溶解させた。
次いで、このポリマーのTHF溶液をヘキサン662gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である直表面改質ポリマーH6.0gを得た。上記表面改質ポリマーHは、分子内にフルオロアルキル基を有するモノマーに基づく重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位、および、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位の双方を含んでいない。
後述の表2に示すように、熱可塑性ポリウレタン(日本ポリウレタン工業(株)製、「ニッポラン5199」)10質量部と、ポリエーテルジオール(3官能ポリプロピレングリコール)((株)ADEKA製、「アデカポリエーテルP−1000」)60質量部と、ポリイソシアネート(HDI型ブロックイソシアヌレート)(日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL」)30質量部と、電子導電剤(カーボンブラック)(ライオン(株)製、「ケッチェンEC300J」)3質量部と、表2に示す所定の種類かつ所定の配合量の各表面改質ポリマーとを、濃度20質量%となるようにMEKに溶解し、三本ロールを用いて十分に混合、分散させた。これにより、現像ロール試料1〜11の作製に用いる各表層形成用材料を調製した。
導電性シリコーンゴム[信越化学工業(株)製、「X−34−264A/B、混合質量比A/B=1/1」]をスタティックミキサーにて混合することにより、弾性層形成用材料を調製した。
−トナー荷電量Q/M−
各現像ロール試料を、市販のカラープリンター(日本ヒューレット・パッカード(株)製、「Color Laser Jet4700dn」)に組み込み、25℃×50%RHの環境下にてベタ画像を出力した。この出力時の初期段階において、現像ロール試料の表層表面のトナー(スチレン−アクリル系トナー)を金属円筒管と円筒フィルターを用いて吸引収集し、その際、金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた荷電量の絶対値Q(μC)、吸引収集したトナーの全質量M(g)を測定した。そして、単位質量あたりのトナー荷電量Q/M(μC/g)を算出した。
トナーの荷電不足により発生するカブリ画像を抑制しやすい観点から、トナー荷電量Q/Mが18(μC/g)以上であった場合を、トナー荷電性に優れるとして「A」とした。また、トナーの荷電不足により発生するカブリ画像をほぼ抑制できる観点から、トナー荷電量Q/Mが12(μC/g)以上〜18(μC/g)未満であった場合を、トナー荷電性が良好であるとして「B」とした。トナーの荷電不足によりカブリ画像が発生しやすくなる観点から、トナー荷電量Q/Mが12(μC/g)未満であった場合を、トナー荷電性に劣るとして「C」とした。
なお、吸引した面積A(m2)も併せて測定し、単位面積あたりのトナー搬送量M/A(g/m2)も算出したところ、いずれの現像ロール試料もトナー搬送量M/Aは12(g/m2)程度であった。したがって、いずれも現像ロールとして機能するのに問題ないトナー搬送性を備えているといえる。
静・動摩擦係数測定器(協和界面科学(株)製、「Triboster500」)のステージ上に固定した現像ロール試料の表面(つまり、表層表面)に、接触子(直径3mmの鋼球製)による垂直荷重W50gを加え、この状態でステージを移動速度7.5mm/秒で水平方向に1cm移動させた。これにより現像ロール試料と接触子との間に生じた摩擦力Fから、現像ロール試料の表層表面における初期の動摩擦係数μk(F/W)を算出した。
上記動摩擦係数μkが0.2以下であった場合を、表層表面の低摩擦性に優れており、フィルミング現象を抑制しやすいとして「A」とした。上記動摩擦係数μkが0.2超〜0.7以下であった場合を、表層表面が低摩擦化されており、フィルミング現象を抑制できるとして「B」とした。上記動摩擦係数μkが0.7超であった場合を、表層表面の摩擦力が大きく、フィルミング現象が発生しやすいとして「C」とした。
すなわち、試料8の現像ロールは、表層のマトリックスポリマー中に表面改質ポリマーを全く含有していない。そのため、表層表面はマトリックスポリマーのみからなっており、トナーを負に荷電するトナー荷電性に劣る。したがって、カブリ画像が発生しやすいといえる。また、本実験例では、表層のマトリックスポリマーに熱可塑性ポリウレタンを含ませているため、表層が柔軟化されている。試料8の現像ロールは、上記のとおり、表層のマトリックスポリマー中に表面改質ポリマーを全く含有していないので、上記表層の柔軟化に対応することができず、表層表面の動摩擦係数が極めて大きい。したがって、表層表面とトナーとの接触面積の増大によりトナーストレスが増大しやすく、フィルミング現象が発生しやすいといえる。
1 表層
2 軸体
3 弾性層
Claims (7)
- 電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる現像部材であって、
マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有する表層を有することを特徴とする現像部材。 - 請求項1に記載の現像部材であって、
上記表面改質ポリマーは、分子内にアミノ基を有する第1化合物に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基を有する第2化合物に基づく第2重合単位とを含むことを特徴とする現像部材。 - 請求項2に記載の現像部材であって、
上記第1化合物および第2化合物は、分子内に不飽和結合を含むことを特徴とする現像部材。 - 請求項2または3に記載の現像部材であって、
上記第1化合物および第2化合物は、分子内に(メタ)アクリル基を有していることを特徴とする現像部材。 - 請求項2〜4のいずれか1項に記載の現像部材であって、
上記表面改質ポリマーは、上記第1重合単位を1〜98mol%、上記第2重合単位を0.1〜10mol%含むことを特徴とする現像部材。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像部材であって、
上記マトリックスポリマー100質量部に対し、上記表面改質ポリマーを0.5〜20質量部含有することを特徴とする現像部材。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像部材であって、
上記表面改質ポリマーは、高分岐構造を有することを特徴とする現像部材。
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