JP2016102882A - 導電性部材 - Google Patents

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Kosuke Minematsu
浩介 峰松
利彦 荒田
Toshihiko Arata
利彦 荒田
健太郎 今井
Kentaro Imai
健太郎 今井
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Abstract

【課題】高温高湿環境下において、被荷電対象に対する荷電性を向上させることが可能な導電性部材を提供する。【解決手段】導電性部材Rは、電子写真方式の画像形成装置に用いられる。導電性部材Rは、ポリオールとポリイソシアネートとを含む組成物の硬化物からなる表層1を有している。上記組成物におけるNCOインデックスは150〜1200の範囲内にある。上記組成物は、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含むことができる。導電性部材Rは、現像部材または帯電部材として用いることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性部材に関する。
従来、電子写真方式の複写機、プリンター、複合機等の画像形成装置が知られている。これら画像形成装置は、帯電した感光体への画像データの露光による潜像の形成、現像、転写媒体への転写、定着等の工程を経て画像形成を行う。そのため、画像形成装置内には、これら工程を実現するために各種の導電性部材が組み込まれている。
例えば、現像工程では、ロール状の導電性部材が現像部材として用いられている。また潜像形成工程では、ロール状の導電性部材が帯電部材として用いられている。
より具体的には、例えば、特許文献1には、マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有する表層を有する現像部材が開示されている。
特開2013−205758号公報
しかしながら、従来の構成を有する導電性部材は、32.5℃×85%RHの高温高湿環境下において、被荷電対象に対して負の電荷を持たせる荷電性が十分でないという問題がある。そのため、感光体を負に帯電させる方式の画像形成装置において、従来の導電性部材を現像部材として用いた場合には、高温高湿環境下において、被荷電対象であるトナーに対する荷電性が低い。トナーの荷電量が少なくなると、形成される画像にカブリ不具合が生じやすくなる。また、従来の導電性部材を帯電部材として用いた場合には、高温高湿環境下において、被荷電対象である感光体に対する荷電性が低い。感光体の荷電量が少なくなると、形成される画像の画質が低下しやすくなる。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、高温高湿環境下において、被荷電対象に対する荷電性を向上させることが可能な導電性部材を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる導電性部材であって、
ポリオールとポリイソシアネートとを含む組成物の硬化物からなる表層を有しており、
上記組成物におけるNCOインデックスが150〜1200の範囲内にあることを特徴とする導電性部材にある。
上記導電性部材は、表層を形成するための組成物におけるNCOインデックスが150〜1200の範囲内にある。そのため、上記導電性部材は、32.5℃×85%RHの高温高湿環境下において、トナー等の被荷電対象に対する荷電性を向上させることができる。
これは、表層を形成するための組成物におけるNCOインデックスが150〜1200の範囲内にあることにより、表層内のマイナスの静電ポテンシャルが強まり、表層から被荷電対象に対して電子を放出しやすくなるためであると推察される。
実施例1の導電性部材を模式的に示した図である。 図1におけるII−II断面を示した図である。
上記導電性部材は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる部材である。電子写真方式の画像形成装置としては、具体的には、帯電像を用いる電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、オンデマンド印刷機等の画像形成装置を例示することができる。
上記導電性部材は、具体的には、現像部材、または、帯電部材とすることができる。上記導電性部材が現像部材として用いられる場合には、トナーを負に荷電させるトナー荷電性に優れた現像部材が得られる。一方、上記導電性部材が帯電部材として用いられる場合には、感光体を負に荷電させる感光体荷電性に優れた帯電部材が得られる。
ここで、上記導電性部材は、表層が、ポリオールとポリイソシアネートとを含む組成物の硬化物からなる。表層は、具体的には、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを含む液状組成物の熱硬化物からなる構成とすることができる。
上記ポリオールとしては、具体的には、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。上記ポリオールは、電荷減衰性等の観点から、好ましくは、ポリエーテルポリオールであるとよい。上記ポリオールとしては、より具体的には、例えば、エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを1種または2種以上を付加重合させて得られるポリエーテルポリオール、テトラヒドロフランを開環重合させて得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
上記ポリイソシアネートは、イソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体のいずれの構造を有していてもよい。また、上記ポリイソシアネートは、1種または2種以上併用することができる。
上記ポリイソシアネートとしては、具体的には、例えば、脂肪族、脂環族または芳香族のポリイソシアネートあるいはこれらポリイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体などを例示することができる。より具体的には、脂肪族、脂環族または芳香族のジイソシアネートあるいはこれらジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体などを例示することができる。
上記ポリイソシアネートとしては、より具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)系、キシレンジイソシアネート(XDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)系、水添キシレンジイソシアネート(H6XDI)、水添キシレンジイソシアネート(H6XDI)系、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)系、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)系、これらのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体等を例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。なお、上記にいう「系」は、ベースとなるポリイソシアネートが同じであるポリイソシアネート、そのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体を包括的に含む意味である。つまり、例えば、「ヘキサメチレンジイソシアネート系」の場合であれば、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースにした各種のポリイソシアネート、そのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体が含まれる。他についても同様である。また、上記ポリイソシアネ−トは、変性されていてもよい。
上記ポリイソシアネ−トは、イソシアネ−ト基がブロック剤にてブロックされたブロック型ポリイソシアネ−トであってもよい。ブロック型ポリイソシアネ−トは、イソシアネート基がブロック剤により保護されているため、常温での反応性が非ブロック型ポリイソシアネ−トに比べて低くなっている。そのため、ブロック型ポリイソシアネ−トは、導電性部材の製造環境における湿気や製造時間の長さによる劣化などが起こり難く、好適に使用することができる。なお、ブロック剤は、表層を形成するための組成物を硬化させる際に加えられる熱によって解離し、活性なイソシアネート基を再生させることができる。また、ブロック剤としては、例えば、アルコ−ル系、フェノ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾ−ル系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系化合物、ピリジン系化合物などを例示することができる。
上記導電性部材において、表層を形成するための上記組成物におけるNCOインデックスは、150〜1200の範囲内にある。
上記組成物におけるNCOインデックスが150未満になると、高温高湿環境下において、トナー等の被荷電対象に対する荷電性の向上効果が認められなくなる。高温高湿環境下における被荷電対象に対する荷電性の向上効果が得やすくなる観点から、NCOインデックスは、好ましくは200以上、より好ましくは250以上、さらに好ましくは300以上、さらにより好ましくは350以上、さらにより一層好ましくは400以上とすることができる。とりわけ、上記NCOインデックスが300以上という範囲は、ポリウレタン系の表層では表層硬度の上昇が懸念されるとされて採用され難い範囲である。しかしながら、上記NCOインデックスが300以上とされる場合には、特に、高温高湿環境下における被荷電対象に対する荷電性の向上効果が得やすくなる利点がある。
上記NCOインデックスが1200超になると、表層硬度が過度に上昇し、被荷電対象であるトナーや感光体にストレスを与え、トナー劣化や感光体表面の損傷等を招きやすくなるおそれがある。表面硬度の過度な上昇を抑制する観点から、上記NCOインデックスは、好ましくは1100以下、より好ましくは1000以下、さらに好ましくは900以下とすることができる。
なお、上記NCOインデックスは、下式により算出される。
NCOインデックス={(組成物におけるNCO数[mol])/(組成物におけるOH数[mol])}×100
但し、
・(組成物におけるNCO数[mol])=(組成物に配合されるポリイソシアネートの配合量[質量部])×(基準NCO数[mol/g])
・(基準NCO数[mol/g])=(組成物に配合されるポリイソシアネートを固形分換算したときのNCO%)/(NCOの分子量[g/mol])
以下、「組成物に配合されるポリイソシアネートを固形分換算したときのNCO%」を、「NCO%<固形分>」と略記する。
・(NCO%<固形分>)={(組成物に配合される液状のポリイソシアネートのNCO%)/(NV値)}
以下、「組成物に配合される液状のポリイソシアネートのNCO%」を、「NCO%<液>」と略記する。
・(NCO%<液>)は、JIS K 1603-1:2007に準拠して測定される値である。
・(NV値)={(組成物に配合される液状のポリイソシアネートの加熱後質量[g])/(組成物に配合される液状のポリイソシアネートの加熱前質量[g])}
上記NV値は、JIS K5601−1−2:2008に準拠して測定される値である。
・(組成物におけるOH数[mol])=(組成物に配合されるポリオールの配合量[質量部])×(基準OH数[mol/g])
・(基準OH数[mol/g])={(組成物に配合されるポリオールの水酸基価[mgKOH/g])/(KOHの分子量[mg/m mol])}/1000
上記組成物に配合されるポリオールの水酸基価は、JIS K 0070:1992に準拠して測定される値である。
なお、上記導電性部材において、上記組成物に含まれるポリオール、ポリイソシアネートは、上記NCOインデックスを満たすように両者の質量比を適宜調整することができる。
上記導電性部材において、上記組成物は、ポリオール、ポリイソシアネート以外にも、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含んでいることが好ましい。
この場合には、分子内のシリコーン基により表面改質ポリマーが表層の表面近傍に存在しやすくなる。特に、上記表面改質ポリマーは、ポリイソシアネートとなじみが悪いため、NCOインデックスが上述した特定の範囲とされることにより、表層の表面近傍により一層存在しやすくなる。それ故、この場合には、表面改質ポリマーにおける分子内のアミノ基がトナー等の被荷電対象に作用しやすくなり、被荷電対象から正電荷を引き抜きやすくなる。したがって、この場合には、上述した特定のNCOインデックスの範囲を選択することとの相乗効果により、トナー等の被荷電対象をより一層負に荷電させやすくなる。
表面改質ポリマーは、具体的には、分子内にアミノ基を有する第1化合物に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基を有する第2化合物に基づく第2重合単位とを含むことができる。より具体的には、表面改質ポリマーは、上記第1重合単位と上記第2重合単位とを含む共重合体、好ましくはブロック共重合体から構成することができる。
この場合には、表面改質ポリマーの分子内に、上記第1重合単位によってアミノ基を、上記第2重合単位によってシリコーン基を導入することができる。そのため、各重合単位の割合を変えることにより、表面改質ポリマー中のアミノ基およびシリコーン基の量を調節しやすくなる。したがって、表層の表面近傍に表面改質ポリマーを確実に存在させ、アミノ基を被荷電対象に作用させることにより、被荷電対象における負の荷電量を増大させやすくなる利点がある。
なお、表面改質ポリマーは、1種または2種以上の異なる第1重合単位、1種または2種以上の異なる第2重合単位を含むことができる。また、上記第1化合物は、有機化合物であれば、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。好ましくは、重合時の反応性が良好であるなどの観点から、モノマーまたはオリゴマーであるとよく、特に好ましくは、モノマーであるとよい。上記第2化合物は、有機化合物であれば、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。好ましくは、重合時の反応性が良好である、低摩擦化を図りやすいなどの観点から、モノマーまたはオリゴマーであるとよく、特に好ましくは、オリゴマーであるとよい。
また、上記第1化合物および第2化合物は、分子内に不飽和結合を含むことができる。この場合には、表面改質ポリマーの作製時に共重合反応を行いやすいなどの利点がある。上記不飽和結合としては、例えば、(メタ)アクリル基、アリル基、ビニル基などに含まれるものを使用することができる。
また、上記第1化合物および第2化合物は、具体的には、分子内に(メタ)アクリル基をさらに有する構成(A)とすることができる。この場合には、表面改質ポリマーの作製時に共重合反応を行いやすいなどの利点がある。なお、本願において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリルの両方を含む意味である。
また、上述した構成(A)以外にも、上記第1化合物が分子内に(メタ)アクリル基をさらに有しており、上記第2化合物が分子内にアゾ基をさらに有している構成(B)とすることもできる。この場合にも、表面改質ポリマーの作製時に共重合反応を行いやすいなどの利点がある。
上記第1化合物としては、例えば、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルモノマー、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマーなどを例示することができる。このうち、上記第1化合物として、例えば、上記(メタ)アクリルアミドモノマー等の塩基性化合物を選択した場合には、エステル系トナーに対して優れたトナー荷電性を発揮することができる利点がある。
上記第1化合物としては、具体的には、例えば、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノヘキシル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノヘプチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノオクチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジフェニルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピルジメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアミノプロピルジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアミノメチル(メタ)アクリルアミド、トリアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどを例示することができる。
また、上記第1化合物としては、具体的には、下式1で表される化合物を例示することができる。
Figure 2016102882
但し、式1中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Rは、炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す。R、Rは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、フェニル基、水素原子またはヒドロキシル基を表す。
上記第2化合物としては、例えば、分子内に(メタ)アクリル基を有するシリコーン化合物、分子内にアゾ基を有するシリコーン化合物などを例示することができる。
上記分子内に(メタ)アクリル基を有するシリコーン化合物としては、具体的には、反応性、表面改質ポリマーを表層表面に存在させやすくなる、表層表面の低摩擦化などの観点から、(メタ)アクリル変性シリコーン化合物を好適なものとして例示することができる。特に好ましくは、下記式2にて表されるシリコーン化合物(シリコーンオイル等)とすることができる。
Figure 2016102882
但し、式2中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表す。好ましくはメチル基を表す。R、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、好ましくはメチル基を表す。Xは、(メタ)アクリル基を表す。nは、低摩擦性向上の観点から好ましくは1〜135(数平均分子量170〜1万程度)、より好ましくは10〜50(数平均分子量1000〜4000程度)の正数を表す。
また、上記分子内にアゾ基を有するシリコーン化合物としては、具体的には、重合時の反応性が良好である、低摩擦化を図りやすいなどの観点から、下記式3にて表されるシリコーン化合物とすることができる。
Figure 2016102882
但し、式3中、X、Xは、互いに同じまたは異なるシロキサン結合を含む化合物に基づく単位を表す。
上記表面改質ポリマーは、上記第1化合物に基づく第1重合単位を1〜98mol%、上記第2化合物に基づく第2重合単位を0.1〜10mol%含むことができる。この場合には、上述した特定のNCOインデックスの範囲を選択することとの相乗効果により、高温高湿環境下におけるトナー等の被荷電対象をより一層負に荷電させやすくなる。なお、上記第1重合単位、第2重合単位の割合は、第1重合単位、第2重合単位、さらに後述する他の化合物に基づく重合単位がある場合にはその重合単位を含めた合計の割合が100mol%となるように選択することができる。但し、重合開始剤は除く。
上記第1重合単位の割合は、上述した特定のNCOインデックスの範囲を選択することとの相乗効果により、高温高湿環境下におけるトナー等の被荷電対象をより一層負に荷電させやすくなるなどの観点から、好ましくは1.2mol%以上、より好ましくは1.4mol%以上、さらに好ましくは1.6mol%以上とすることができる。また、上記第1重合単位の割合は、表層表面近傍に表面改質ポリマーを存在させやすくする、表層表面の摩擦係数を低くするなどの観点から、好ましくは97.5mol%以下、より好ましくは97mol%以下、さらに好ましくは96.5mol%以下とすることができる。一方、上記第2重合単位の割合は、表層表面近傍に表面改質ポリマーを存在させやすくする、表層表面の摩擦係数を低くする観点から、好ましくは0.13mol%以上、より好ましくは0.15mol%以上、さらに好ましくは0.18mol%以上とすることができる。また、上記第2重合単位の割合は、反応制御性などの観点から、好ましくは8mol%以下、より好ましくは7mol%以下、さらに好ましくは6mol%以下とすることができる。なお、上記重合単位の割合は、熱分解GC/MS分析、NMR分析などにより測定することができる。
上記表面改質ポリマーは、上記第1重合単位、第2重合単位以外にも、重合成分として他の化合物に基づく重合単位を1種または2種以上含むことができる。
なお、上記他の化合物は、有機化合物であれば、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。好ましくは、重合時の反応性が良好であるなどの観点から、モノマーまたはオリゴマーであるとよく、特に好ましくは、モノマーであるとよい。
上記他の化合物としては、例えば、分子内にフッ素含有基を有するモノマーなどを例示することができる。好ましくは、重合反応性などの観点から、分子内にさらに(メタ)アクリル基を有しているとよい。なお、上記「フッ素含有基」とは、フッ素原子を含有する基をいい、−Fを含む。これを用いた場合には、表面改質ポリマーの分子内にアミノ基およびシリコーン基以外の官能基としてさらにフッ素含有基を有することが可能となる。そのため、表層表面にトナー離型性を付与することができる。
上記フッ素含有基としては、具体的には、例えば、フルオロアルキル基、フルオロアルキルアルキレンオキシド基、フルオロアルケニル基、−Fなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。これらのうち、上記フッ素含有基としては、フルオロアルキル基、好ましくは、炭素数4〜12程度のフルオロアルキル基を好適に用いることができる。モノマーの分子内に導入しやすいなどの利点があるからである。上記フルオロアルキル基は、アルキル基の全ての水素原子がフッ素化されていてもよいし、一部にフッ素化されていない箇所を含んでいてもよい。前者は、全フッ素化であり、後者は、部分フッ素化である。特に好ましくは、上記フルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基であるとよい。パーフルオロアルキル基は構造的な安定性が高いので、トナーを寄せ付けたままとし難く、表層表面のトナー離型性を向上させやすいからである。
上記分子内にフッ素含有基を有するモノマーとしては、具体的には、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどを例示することができる。
上記他の化合物としては、他にも例えば、(メタ)アクリル基またはビニル基のいずれか一方を少なくとも1つ有する化合物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどを例示することができる。これらを用いた場合には、表面改質ポリマーの分子量を制御しやすくなるなどの利点がある。
上記他の化合物としては、他にも例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルコキシチタントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ウンデシレノキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、ビス[2−(メタ)アクリロイルチオエチル]スルフィド、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどを例示することができる。
上記組成物が表面改質ポリマーを含む場合、表面改質ポリマーは、添加効果を確実に得るなどの観点から、ポリオール、ポリイソシアネート、および、バインダーポリマー(後述する)等、組成物に含まれる有機成分(但し、表面改質ポリマーは除く)100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.75質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上、さらにより好ましくは1.5質量部以上とすることができる。また、表面改質ポリマーは、表面改質ポリマーのブリード抑制、コスト等の観点から、上記組成物に含まれる有機成分100質量部に対し、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、さらにより好ましくは8質量部以下とすることができる。
上記導電性部材において、上記組成物は、他にも、バインダーポリマーを含むことができる。バインダーポリマーとしては、具体的には、例えば、熱可塑性ポリウレタン、ウレタンシリコーン樹脂、ウレタンフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルシリコーン樹脂、(メタ)アクリルフッ素樹脂、フッ素樹脂、アセタール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、カーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、澱粉およびこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび他のオレフィン系単量体との共重合樹脂等のオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のスチレン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂およびこれらの誘導体または変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリイソプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、およびこれらの誘導体、メラミン樹脂などを例示することができる。バインダーポリマーとしては、相溶性などの観点から、熱可塑性ポリウレタンを好適に用いることができる。なお、バインダーポリマーは、−OH基や−COOH基、−NH基等の各種の官能基を有することができる。
上記組成物がバインダーポリマーを含む場合、バインダーポリマーは、組成物に含まれるポリオールとポリイソシアネートとバインダーポリマーとの合計含有量が100質量部となるように、その含有量を適宜調節することができる。例えば、組成物に含まれるポリオールとポリイソシアネートとの合計含有量を、85〜95質量部の範囲内とした場合、組成物に含まれるバインダーポリマーの含有量を、85〜5質量部の範囲内などとすることができる。
上記導電性部材において、上記組成物は、他にも、導電剤を含有することができる。導電剤は、電子導電剤、イオン導電剤のいずれであってもよい。また、これらは1種または2種以上併用することができる。電子導電剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系導電材料、チタン酸バリウム、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は導電性を意味する。)等の導電性の金属酸化物、金属ナノ粒子などを例示することができる。イオン導電剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、過塩素酸塩、イオン液体などを例示することができる。なお、表層は、必ずしも導電性を有していなくてもよい。後述する弾性層等によって必要な導電性を確保しうるからである。
上記導電性部材において、上記組成物は、他にも、必要に応じて、フィラー、粗さ形成用粒子などの各種添加剤を含有することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。フィラーとしては、具体的には、シリカ、炭酸カルシウムなどを例示することができる。また、粗さ形成用粒子としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ポリアミド樹脂粒子などを例示することができる。
上記表層の厚みは、特に限定されるものではなく、耐摩耗性、柔軟性、トナー搬送性(現像部材として適用する場合)などを考慮して最適な厚みとすることができる。上記表層の厚みは、例えば、1〜100μm程度とすることができる。
上記導電性部材において、表層よりも下方の構成は特に限定されるものではない。もっとも、画像形成装置への適用のしやすさを考慮すると、上記導電性部材は、ロール状に構成されていることが好ましい。この場合、上記導電性部材は、具体的には、例えば、軸体と、軸体の外周面に沿って形成された導電性を有するゴム弾性体よりなる弾性層と、弾性層の外周面に沿って形成された上記表層とを有する構成とすることができる。なお、弾性層は、1層または2層以上から構成することができる。
上記軸体としては、具体的には、例えば、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属(合金含む)からなる中実体(芯金)や中空体、導電性または非導電性のプラスチックからなる中実体や中空体、導電性または非導電性のプラスチックからなる中実体や中空体に金属めっきを施したものなどを例示することができる。
上記弾性層を構成するゴム材料としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ヒドリンゴム、ニトリルゴムなどを例示することができる。上記ゴム材料には、上述した導電剤、充填剤、増量剤、補強材、加工助剤、硬化剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、シリコーンオイル、助剤、界面活性剤などの各種添加剤を適宜添加することができる。弾性層の厚みは、例えば、0.1〜10mm程度、好ましくは1〜5mm程度とすることができる。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の導電性部材について、図面を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1の導電性部材について、図1を用いて説明する。図1に示されるように、本例の導電性部材Rは、電子写真方式の画像形成装置に用いられるものである。本例では、導電性部材Rは、具体的には、電子写真方式の画像形成装置に現像部材として組み込まれる。
導電性部材Rは、表層1を有している。本例では、具体的には、導電性部材Rは、芯金よりなる軸体2と、軸体2の外周面に沿って形成された導電性を有するゴム弾性体よりなる弾性層3とをさらに有している。但し、軸体2の両端部は、弾性層3の両端面から突出した状態とされている。そして、この弾性層3の外周面に沿って表層1が形成されている。
ここで、表層1は、ポリオールとポリイソシアネートとを含む組成物の硬化物からなる。本例では、具体的には、ポリオールは、ポリエーテルジオールであり、ポリイソシアネートは、ジイソシアネートである。また、上記組成物は、ポリオール、ポリイソシアネート以外にも、表面改質ポリマーを含んでいる。表面改質ポリマーは、具体的には、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなっている。
また、上記組成物は、表層1に導電性を付与するため、導電剤を含んでいる。導電剤は、電子導電剤である。また、上記組成物は、バインダーポリマーを含んでいる。バインダーポリマーは、熱可塑性ポリウレタンである。
導電性部材Rは、上記組成物におけるNCOインデックスが150〜1200の範囲内とされている。
(実施例2)
実施例2の導電性部材は、電子写真方式の画像形成装置に帯電部材として組み込まれる点以外は、実施例1の導電性部材Rと同様の構成を有している。
<実験例>
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
<弾性層形成用材料の調製>
導電性シリコーンゴム(信越化学工業社製、「X−34−264A/B、混合質量比A/B=1/1」)をスタティックミキサーにて混合することにより、弾性層形成用材料を調製した。
<表層形成用の組成物の調製>
表1に示されるように、ポリオール(ポリエーテルジオール)(ADEKA社製、「アデカポリエーテルP−1000」、2官能ポリプロピレングリコール):所定質量部と、所定のポリイソシアネート:所定質量部と、バインダーポリマー(熱可塑性ポリウレタン)(東ソー社製、「ニッポランN5199」):10質量部と、表面改質ポリマー:所定質量部と、電子導電剤(カーボンブラック)(ライオン社製、「ケッチェンEC300J」):3質量部とを、濃度20質量%となるようにMEKに溶解し、三本ロールを用いて十分に混合、分散させた。これにより、各導電性部材の表層の形成に用いるための各組成物を調製した。
なお、ポリイソシアネートには、下記の材料を用いた。
・非ブロック型HDIのイソシアヌレート体(東ソー社製、「コロネートHX」)
・ブロック型変性TDI(DIC社製、「バーノックD−500」)
・非ブロック型HDIのビウレット体(旭化成ケミカルズ社製、「デュラネート24A−100」)
・ブロック型XDI(三井化学社製、「タケネートB842」)
・ブロック型変性IPDI(三井化学社製、「タケネート874」)
・ブロック型C(Crude)−MDI(東ソー社製、「コロネート2521」)
・ブロック型P(Pure)−MDI(三井化学社製、「タケネートPW2400」)
また、表面改質ポリマーは、以下のように準備した。
200mLの反応フラスコに、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(興人社製)15g(96mmol)と、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(信越化学工業社製、「X−22−174DX」)0.92g(0.2mmol)と、メタクリル酸メチル(純正化学工業社製)0.38g(3.8mmol)と、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)(和光純薬工業社製、「VE−73」)1.24g(4mmol)と、メチルエチルケトン(MEK)26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、MEK51.8gを仕込み、固形分で30%の表面改質ポリマーを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
<導電性部材の作製>
軸体として、直径6mmの中実円柱状の鉄棒を準備し、外周面に接着剤を塗布した。この軸体をロール成形用金型の中空空間にセットした後、上記調製した弾性層形成用材料を中空空間内に注入し、190℃で30分間加熱して硬化させ、脱型した。これにより、軸体の外周面に沿って導電性シリコーンゴムよりなるロール状の弾性層(厚み2.75mm)を形成した。
次いで、上記弾性層の外周面に、ロールコート法により、上記調製した表層形成用の各組成物を塗工した後、120℃で60分間加熱して硬化させ、表層(厚み10μm)を形成した。これにより、上記各組成物の硬化物からなる各表層を有する試料1〜試料20、試料1C〜試料8Cの導電性部材を作製した。
<評価>
(トナーに対する荷電量Q/M)
各導電性部材を現像部材として市販のカラープリンター(日本ヒューレット・パッカード社製、「HP Color LaserJet 1215」)に組み込み、32.5℃×85%RHの高温高湿環境下にてベタ画像を出力した。出力終了後、導電性部材の表層表面のトナーを金属円筒管と円筒フィルターを用いて吸引収集し、その際、金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた荷電量Q(−μC)、吸引収集したトナーの全質量M(g)を測定した。そして、単位質量あたりのトナーに対する荷電量Q/M(−μC/g)を算出した。なお、上記試験では、各導電性部材が現像部材として電子写真方式の画像形成装置に組み込まれている。そのため、被荷電対象はトナーであり、ここではトナーに対する荷電量が測定されている。
試料のQ/M値が14以上であった場合を、高温高湿環境下におけるトナー荷電性に優れるとして「A+」とした。試料のQ/M値が10以上14未満であった場合を、高温高湿環境下におけるトナーに対する荷電性が良好であるとして「A」とした。試料のQ/M値が7以上10未満であった場合を、高温高湿環境下におけるトナーに対する荷電性に対して効果があるとして「B」とした。試料のQ/M値が7未満であった場合を、高温高湿環境下におけるトナーに対する荷電性に対して効果がないとして「C」とした。なお、各試料におけるNCOインデックスは、上述した方法により算出した。
以下、各導電性部材の詳細な構成と評価結果をまとめて表1〜表6に示す。なお、本例において、各表中に示されるNV値は、全て、加熱温度125℃、加熱時間60分で測定した。但し、JIS K5601−1−2:2008に示されるように、沸点の高い溶剤を含むイソシアネートを使用した場合は、加熱温度を変えてもよい。
Figure 2016102882
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表1〜表6によれば、以下のことがわかる。すなわち、試料1C〜試料8Cの導電性部材は、表層を形成するための組成物におけるNCOインデックスが150未満である。そのため、試料1C〜8Cの導電性部材は、高温高湿環境下において、被荷電対象であるトナーに対する荷電性の向上効果が認められなかった。
これらに対し、試料1〜試料20の導電性部材は、表層を形成するための組成物におけるNCOインデックスが150〜1200の範囲内にある。そのため、試料1〜試料20の導電性部材は、高温高湿環境下において、被荷電対象であるトナーに対する荷電性の向上に有効であることが確認された。
また、試料1〜試料20の導電性部材の評価結果を比較すると、特に、上記組成物におけるNCOインデックスが300〜1200の範囲内にある場合には、荷電性の向上効果がより大きくなることがわかる。
また、試料1〜試料4の導電性部材と試料5〜試料8の導電性部材とを比較すると、上記組成物が、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含んでいる場合には、荷電性の向上効果がきわめて大きくなることがわかる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記実験例では、導電性部材を現像部材として用い、被荷電対象をトナーとしてトナーを負に荷電させる場合について説明した。これ以外にも、導電性部材を帯電部材として用い、被荷電対象を感光体として感光体を負に帯電させる場合についても、感光体に対する荷電性を向上させることが可能である。
R 導電性部材
1 表層
2 軸体
3 弾性層

Claims (4)

  1. 電子写真方式の画像形成装置に用いられる導電性部材であって、
    ポリオールとポリイソシアネートとを含む組成物の硬化物からなる表層を有しており、
    上記組成物におけるNCOインデックスが150〜1200の範囲内にあることを特徴とする導電性部材。
  2. 上記組成物におけるNCOインデックスが300〜1200の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材。
  3. 上記組成物は、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性部材。
  4. 現像部材または帯電部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性部材。
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