JP6022279B2 - 帯電部材 - Google Patents
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Description
近年、帯電部材が組み込まれる画像形成装置等の装置の小型化が進んでいる。装置の小型化の一つの方策として、帯電部材に電圧を印加するための電源の小型化が検討されている。しかし、電源を小型化した場合、帯電部材に印加できる電圧の上限が低下するため、接触部周辺のギャップ部において十分な放電を確保することが難しくなる。そのため、従来の帯電部材をそのまま用い、潜像担持体等の被帯電体を十分に帯電させることは困難である。
マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有する表層を有しており、
上記表面改質ポリマーは、分子内にアミノ基を有する第1化合物に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基を有する第2化合物に基づく第2重合単位とを含むことを特徴とする帯電部材にある。
図1、図2に示すように、実施例に係る帯電部材Rは、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれるものである。帯電部材Rは、表層1を有している。本例の帯電部材Rは、具体的には、導電性を有する軸体2と、軸体2の外周面に沿って形成された導電性を有するゴム弾性体よりなる弾性層3とをさらに有している。但し、軸体2の両端部は、弾性層3の両端面から突出した状態とされている。そして、この弾性層3の外周面に沿って表層1が形成されている。
(実験例)
<表面改質ポリマーの準備>
表層のマトリックスポリマー中に含有させる各表面改質ポリマーを以下のようにして準備した。
・表面改質ポリマーA
200mLの反応フラスコに、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド((株)興人製)15g(96mmol)と、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(信越化学工業(株)製、「X−22−174DX」)0.92g(0.2mmol)と、メタクリル酸メチル(純正化学工業(株)製)0.38g(3.8mmol)と、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)(和光純薬工業(株)製、「VE−73」)1.24g(4mmol)と、メチルエチルケトン(MEK)26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、MEK51.8gを仕込み、固形分で30%の表面改質ポリマーAを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーAは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10.55g(67.6mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物7.46g(1.6mmol)、メタクリル酸メチル3.09g(30.8mmol)とした以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーBを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーBは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド0.28g(1.8mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物22.59g(4.9mmol)、メタクリル酸メチル9.34g(93.3mmol)とした以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーCを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーCは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド15.02g(96.2mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物0.88g(0.2mmol)、メタクリル酸メチル0.34g(3.4mmol)とした点、さらに、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(ダイキン工業(株)製、「R−1620」)0.08g(0.2mmol)を加えた点以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーDを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーDは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位と、分子内にフルオロアルキル基を有するモノマーに基づく重合単位を含む直鎖状の共重合体である。
300mLの反応フラスコに、トルエン87gを仕込み、撹拝しながら5分間窒素を流し込み、内液が還流するまで(およそ温度110℃)加熱した。
一方、別の200mLの反応フラスコに、上記ジメチルアミノプロピルアクリルアミド12g(76.79mmol)と、上記(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物0.74g(0.21mmol)と、エチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)、「1G」)3.96g(20mmol)と、上記メタクリル酸メチル0.31g(3mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)6.21g(20mmol)と、トルエン87gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込んで窒素置換を行い、氷浴にて0℃まで冷却を行った。
次いで、上記300mLの反応フラスコ中の還流してあるトルエン中に、滴下ポンプを用いて、上記200mLの反応フラスコ中の内容物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま1時間熟成させた。
次いで、この反応液をヘキサン/トルエン(質量比4:1)555gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、テトラヒドロフラン(THF)42gを用いて再溶解し、このポリマーのTHF溶液をヘキサン555gに添加してポリマーをスラリー状態で再沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である表面改質ポリマーE13.6gを得た。
上記表面改質ポリマーEは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含むハイパーブランチ構造の共重合体である。
200mLの反応フラスコに、上記(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物23g(5mmol)と、上記メタクリル酸メチル9.5g(95mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、MEK51.8gを仕込み、固形分で30%の表面改質ポリマーFを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーFは、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位を含んでいない。
200mLの反応フラスコに、上記ジメチルアミノプロピルアクリルアミド13.99g(89.6mmol)と、上記2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート0.23g(0.5mmol)と、上記メタクリル酸メチル0.99g(9.9mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、この反応液をヘキサン662gに添加してポリマーを沈殿させ、上澄み液をデカンテーションした後、その残渣をTHF54gに再溶解させた。
次いで、このポリマーのTHF溶液をヘキサン662gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である表面改質ポリマーG12.1gを得た。上記表面改質ポリマーGは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位を含んでいない。
100mLの反応フラスコに、上記2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート12.97g(30mmol)と、上記メタクリル酸メチル7g(70mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、この反応液をヘキサン662gに添加してポリマーを沈殿させ、上澄み液をデカンテーションした後、その残渣をTHF54gに再溶解させた。
次いで、このポリマーのTHF溶液をヘキサン662gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である表面改質ポリマーH6.0gを得た。上記表面改質ポリマーHは、分子内にフルオロアルキル基を有するモノマーに基づく重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位、および、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位の双方を含んでいない。
後述の表2に示すように、N−メトキシメチル化ナイロン(ナガセケムテックス(製)製、「トレジンEF30T」)100質量部と、トリメチロールメラミン(架橋剤)(住友化学(株)製、「スミカフレックスM3」)30質量部と、電子導電剤(カーボンブラック)(ケッチェンブラックインターナショナル社製、「ケッチェンブラックEC」)15質量部と、表2に示す所定の種類かつ所定の配合量の各表面改質ポリマーとを配合し、これをメタノール−トルエン混合溶液(メタノール:トルエン=7:3)500質量部に加えて混合撹拌した。これにより、帯電ロール試料1〜11の作製に用いる各表層形成用材料を調製した。
エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体(日本ゼオン(株)製、「HYDRIN T3106」)100質量部と、トリオクタデシルアンモニウムパークロレート1質量部と、酸化亜鉛(三井金属鉱業(株)製)5質量部と、ステアリン酸(花王(株)製、「ルナックS−30」)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーDM」)0.5質量部と、硫黄(鶴見化学工業(株)製、「サルファックスPTC」)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTT」)0.5質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTRA」)0.5質量部とを配合し、ロールを用いて混練りすることにより、弾性層形成用材料を調製した。
−帯電能力−
作製した帯電ロール試料をカラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSIO SP C310」)のカートリッジに組み込み、23℃×53%RH環境下にて、感光体と帯電ロール試料とを接触させた状態で感光体、帯電ロール試料ともに60rpmで回転させながら、帯電ロール試料にDC−1200Vの電圧を印加した。そして、帯電ロール試料の位置から感光体の周方向に90度回った位置であって感光体から2mm離れた位置に表面電位計(トレックジャパン(株)製、「MODEL−370」)のプローブを配置し、暗所で感光体中央部の表面電位(帯電量)を測定した。測定した2周目の波形の平均値が、−550Vを超える場合を帯電能力に優れるとして「A」、−520V以上−550V以下の場合を帯電能力が良好であるとして「B」、−520V未満の場合を帯電能力が十分でないとして「C」とした。
帯電ロール試料をカラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSIO SP C310」)に取り付け、15℃×10%RH環境下にて10000枚の印字テストを行った。なお、印字テストではシアントナーを使用し、印字率は5%チャートであった。印字テストの後、上記プリンターから帯電ロール試料を取り外し、帯電ロール試料の中央付近における所定部位(軸方向幅:30mm×周方向長さ:全周の1/3)に付着しているトナーおよびトナー外添剤を拭き取った。その後、この帯電ロール試料を再び上記プリンターに取り付け、所定の画像(600dpiドットパターン:ハーフトーン画像)を出力した。その後、出力された画像を目視で観察した。そして、トナーおよびトナー外添剤の付着部に対応する画像と、拭き取り部に対応する画像との間に、画像ムラが存在しない場合を、トナーおよびトナー外添剤が汚れとして付着し難く、粉体汚れに対する耐久性に優れるとして「A」とした。トナーおよびトナー外添剤の付着部に対応する画像と拭き取り部に対応する画像との間に、僅かに画像ムラが存在するが許容範囲内である場合を、トナーおよびトナー外添剤が汚れとして付着することがあるが許容範囲内であり、粉体汚れに対する耐久性が良好であるとして「B」とした。トナーおよびトナー外添剤の付着部に対応する画像と拭き取り部に対応する画像との間に、明確な画像ムラが存在する場合を、トナーおよびトナー外添剤が汚れとして付着しやすく、粉体汚れに対する耐久性に劣るとして「C」とした。
作製した帯電ロール試料を金属ドラム(直径:24mm)上に載置し、帯電ロール試料の両端の軸体上にそれぞれ700gの荷重をかけ、その状態を保持したまま、温度40℃、湿度95%の雰囲気下に4週間放置した。その後、上記雰囲気中より帯電ロール試料を取り出し、室内にて30分間放置した後、帯電ロール試料をカラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSIO
SP C310」)に取り付け、所定の画像(600dpiドットパターン:ハーフトーン画像)を出力した。その後、出力された画像を目視で観察し、帯電ロール試料の凹み(ヘタリ)に起因する画像中の白スジ(画像スジ)の程度によって画像評価を行った。画像中に、帯電ロール試料の凹みに起因する画像スジが存在しなかった場合を、耐ヘタリ性に優れるとして「A」とした。画像中に、帯電ロール試料の凹みに起因する画像スジが薄く出たものの、許容範囲内であった場合を、耐ヘタリ性が良好であるとして「B」とした。画像中に、帯電ロール試料の凹みに起因する画像スジが明確に出た場合を、耐ヘタリ性に劣るとして「C」とした。
すなわち、試料8の帯電ロールは、表層のマトリックスポリマー中に表面改質ポリマーを全く含有していない。そのため、試料8の帯電ロールは、帯電能力、表面の粉体汚れに対する耐久性、耐ヘタリ性のいずれにも劣っていることがわかる。
1 表層
2 軸体
3 弾性層
Claims (7)
- 被帯電体を帯電させるために用いられる帯電部材であって、
マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有する表層を有しており、
上記表面改質ポリマーは、分子内にアミノ基を有する第1化合物に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基を有する第2化合物に基づく第2重合単位とを含むことを特徴とする帯電部材。 - 請求項1に記載の帯電部材であって、
上記第1化合物および第2化合物は、分子内に不飽和結合を含むことを特徴とする帯電部材。 - 請求項1または2に記載の帯電部材であって、
上記第1化合物および第2化合物は、分子内に(メタ)アクリル基を有していることを特徴とする帯電部材。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電部材であって、
上記表面改質ポリマーは、上記第1重合単位を1〜98mol%、上記第2重合単位を0.1〜10mol%含むことを特徴とする帯電部材。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電部材であって、
上記マトリックスポリマー100質量部に対し、上記表面改質ポリマーを0.5〜20質量部含有することを特徴とする帯電部材。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材であって、
上記表面改質ポリマーは、ハイパーブランチ構造を有することを特徴とする帯電部材。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電部材であって、
上記被帯電体は、帯電像を用いる電子写真方式の画像形成装置における潜像担持体であ
ることを特徴とする帯電部材。
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