JP6022279B2 - 帯電部材 - Google Patents

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Description

本発明は、帯電部材に関する。
従来、被帯電体を帯電させるために帯電部材が使用されている。例えば、帯電像を用いる電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置は、帯電させた潜像担持体への画像データ露光による潜像形成、現像、転写媒体への転写、定着等の工程を経て画像形成を行う。上記潜像形成工程では、感光体等の潜像担持体を帯電させるためにロール状の帯電部材が広く用いられている。この帯電部材を潜像担持体に押しつけ、両者の間に接触部(いわゆるニップ部)を形成した状態にて帯電部材に電圧を印加する。これにより、接触部周辺のギャップ部で放電が生じ、潜像担持体表面を帯電させることができる。
上記帯電部材としては、例えば、特許文献1に、導電性シリコーンゴムからなる弾性層の表層部に、イソシアネート化合物と、このイソシアネート化合物と反応するカップリング剤とを含む表面処理液を含浸させて形成した表面処理層を有する帯電ロールが開示されている。
特開2009−138190号公報
しかしながら、従来知られる帯電部材は、以下の点で問題がある。
近年、帯電部材が組み込まれる画像形成装置等の装置の小型化が進んでいる。装置の小型化の一つの方策として、帯電部材に電圧を印加するための電源の小型化が検討されている。しかし、電源を小型化した場合、帯電部材に印加できる電圧の上限が低下するため、接触部周辺のギャップ部において十分な放電を確保することが難しくなる。そのため、従来の帯電部材をそのまま用い、潜像担持体等の被帯電体を十分に帯電させることは困難である。
また、帯電部材は、トナーやトナー外添剤等、粉体の存在下で使用されることが多い。これら粉体は汚れとして帯電部材の表面に付着しやすい。当該付着部分は、その部分の帯電能力を低下させる原因になる。それ故、帯電部材は、粉体汚れに対する耐久性があることが望まれる。
また、帯電部材は、感光体等の被帯電体と長期間接触した状態で使用される。そのため、帯電部材の耐ヘタリ性が悪いと、帯電部材表面に被帯電体との接触による凹み跡が残りやすい。この凹み跡は、その部分の帯電能力を低下させる原因になる。それ故、帯電部材は、良好な耐ヘタリ性を有することが望まれる。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、被帯電体を帯電させる帯電能力を底上げすることができ、表面の粉体汚れに対する耐久性が高く、良好な耐ヘタリ性を有する帯電部材を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、被帯電体を帯電させるために用いられる帯電部材であって、
マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有する表層を有しており、
上記表面改質ポリマーは、分子内にアミノ基を有する第1化合物に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基を有する第2化合物に基づく第2重合単位とを含むことを特徴とする帯電部材にある。
上記帯電部材の表層は、マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有している。そのため、上記帯電部材は、被帯電体との接触部周辺のギャップにおける放電による通常の帯電だけでなく、接触部における摩擦によっても被帯電体を帯電させることができる。それ故、上記帯電部材は、その分、被帯電体を帯電させる帯電能力を底上げすることができる。また、上記摩擦による帯電は、放電現象による帯電ではないので、上記帯電部材は、電源の小型化等による印加電圧の高低による影響を受け難い。そのため、上記帯電部材は、従来の帯電部材に比べ、高い帯電能力を発揮しやすい。また、上記帯電部材は、上記表層を有しているので、トナーやトナー外添剤等の粉体が汚れとして付着し難く、粉体汚れに対する高い耐久性を有している。また、上記表層は良好な耐ヘタリ性を有しているので、上記帯電部材は、良好な耐ヘタリ性を発揮することができる。そのため、上記帯電部材は、その表面に被帯電体との接触による凹み跡が残り難く、これに起因する帯電能力の低下を抑制しやすい。
以上、本発明によれば、被帯電体を帯電させる帯電能力を底上げすることができ、表面の粉体汚れに対する耐久性が高く、良好な耐ヘタリ性を有する帯電部材を提供することができる。
実施例の帯電部材を模式的に示した図である。 図1におけるII−II断面を示した図である。
上記帯電部材は、当該部材表面である表層表面を、被帯電体の表面に圧接し、両者の間に接触部を形成した状態で好適に用いることができる。また、上記帯電部材は、トナーやトナー外添剤等の粉体の存在下で好適に用いることができる。これらの場合には、上記作用効果を十分に発揮させやすいからである。
上記被帯電体としては、具体的には、帯電像を用いる電子写真方式の画像形成装置における潜像担持体などを好適なものとして例示することができる。この場合は、良好な画像を長期にわたって形成するのに有利である。なお、電子写真方式の画像形成装置としては、具体的には、帯電像を用いる電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、POD(Print On Demand)装置等を例示することができる。
ここで、上記帯電部材は、マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有する表層を有している。
マトリックスポリマーは、表層の基本骨格を形づくるポリマー成分として重要な役割を果たす。マトリックスポリマーは、上記役割を果たすことができれば特に限定されるものではなく、各種の樹脂またはゴムを用いることができる。これらは1種または2種以上併用することができ、柔軟性、耐摩耗性などを考慮して、最適な材料を選択することができる。
上記樹脂としては、例えば、各種の熱可塑性樹脂や、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合ポリマーなどを用いることができる。上記樹脂としては、具体的には、例えば、N-メトキシメチル化ナイロン等のポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ウレタンシリコーン樹脂、ウレタンフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アセタール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、カーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、澱粉およびこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび他のオレフィン系単量体との共重合樹脂等のオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のスチレン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂およびこれらの誘導体または変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリイソプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、およびこれらの誘導体、メラミン樹脂などを例示することができる。また、上記ゴム(エラストマー含む)としては、具体的には、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)、ポリウレタンエラストマーなどを例示することができる。これらのうち、好ましくは、表層の柔軟性向上による被帯電体の損傷抑制などの観点から、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ウレタンシリコーン樹脂などを用いることができる。
一方、マトリックスポリマー中に含まれる表面改質ポリマーは、表層表面を改質し、上記作用効果を発揮させるための成分として重要な役割を果たす。上記表面改質ポリマーは、分子内にアミノ基を有する第1化合物に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基を有する第2化合物に基づく第2重合単位とを含んでいる。具体的には、表面改質ポリマーは、上記第1重合単位と上記第2重合単位とを含む共重合体、好ましくはブロック共重合体から構成することができる。
上記帯電部材によれば、表面改質ポリマーの分子内に、上記第1重合単位によってアミノ基を、上記第2重合単位によってシリコーン基を導入することができる。そのため、各重合単位の割合を変えることにより、表面改質ポリマー中のアミノ基およびシリコーン基の量を調節しやすくなる。したがって、上記帯電部材によれば、帯電能力の底上げ、粉体汚れに対する耐久性向上および耐ヘタリ性のバランスをとりやすくなる利点がある。
なお、表面改質ポリマーは、1種または2種以上の異なる第1重合単位、1種または2種以上の異なる第2重合単位を含むことができる。また、上記第1化合物は、有機化合物であれば、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。好ましくは、重合時の反応性が良好であるなどの観点から、モノマーまたはオリゴマーであるとよく、特に好ましくは、モノマーであるとよい。上記第2化合物は、有機化合物であれば、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。好ましくは、重合時の反応性が良好であるなどの観点から、モノマーまたはオリゴマーであるとよく、特に好ましくは、オリゴマーであるとよい。
また、上記第1化合物および第2化合物は、分子内に不飽和結合を含むことができる。この場合には、表面改質ポリマーの作製時に共重合反応を行いやすいなどの利点がある。上記不飽和結合としては、例えば、(メタ)アクリル基、アリル基、ビニル基などに含まれるものを使用することができる。
また、上記第1化合物および第2化合物は、具体的には、分子内に(メタ)アクリル基をさらに有する構成(A)とすることができる。この場合には、表面改質ポリマーの作製時に共重合反応を行いやすいなどの利点がある。なお、本願において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリルの両方を含む意味である。
また、上述した構成(A)以外にも、上記第1化合物が分子内に(メタ)アクリル基をさらに有しており、上記第2化合物が分子内にアゾ基をさらに有している構成(B)とすることもできる。この場合にも、表面改質ポリマーの作製時に共重合反応を行いやすいなどの利点がある。
上記第1化合物としては、例えば、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルモノマー、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマーなどを例示することができる。
上記第1化合物としては、具体的には、例えば、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノヘキシル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノヘプチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノオクチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジフェニルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピルジメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアミノプロピルジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアミノメチル(メタ)アクリルアミド、トリアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどを例示することができる。
また、上記第1化合物としては、具体的には、下式1で表される化合物を例示することができる。
Figure 0006022279
但し、式1中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Rは、炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す。R、Rは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、フェニル基、水素原子またはヒドロキシル基を表す。
上記第2化合物としては、例えば、分子内に(メタ)アクリル基を有するシリコーン化合物、分子内にアゾ基を有するシリコーン化合物などを例示することができる。
上記分子内に(メタ)アクリル基を有するシリコーン化合物としては、具体的には、反応性、粉体汚れに対する耐久性向上、耐ヘタリ性などの観点から、(メタ)アクリル変性シリコーン化合物を好適なものとして例示することができる。特に好ましくは、下記式2にて表されるシリコーン化合物(シリコーンオイル等)とすることができる。
Figure 0006022279
但し、式2中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表す。好ましくはメチル基を表す。R、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、好ましくはメチル基を表す。Xは、(メタ)アクリル基を表す。nは、粉体汚れに対する耐久性向上、耐ヘタリ性などの観点から、好ましくは1〜135(数平均分子量170〜1万程度)、より好ましくは10〜50(数平均分子量1000〜4000程度)の正数を表す。
また、上記分子内にアゾ基を有するシリコーン化合物としては、具体的には、重合時の反応性が良好である、粉体汚れに対する耐久性向上、耐ヘタリ性などの観点から、下記式3にて表されるシリコーン化合物とすることができる。
Figure 0006022279
但し、式3中、X、Xは、互いに同じまたは異なるシロキサン結合を含む化合物に基づく単位を表す。
上記表面改質ポリマーは、上記第1化合物に基づく第1重合単位を1〜98mol%、上記第2化合物に基づく第2重合単位を0.1〜10mol%含むことができる。この場合には、上記作用効果を確実なものとすることができる。また、表面改質ポリマーの各重合単位の割合を上記範囲内で調節することにより、帯電能力の底上げ、粉体汚れに対する耐久性向上および耐ヘタリ性のバランスを制御することができる。なお、上記第1重合単位、第2重合単位の割合は、第1重合単位、第2重合単位、さらに後述する他の化合物に基づく重合単位がある場合にはその重合単位を含めた合計の割合が100mol%となるように選択することができる。但し、重合開始剤は除く。
上記第1重合単位の割合は、帯電能力の底上げ効果を十分に得る観点から、好ましくは1.2mol%以上、より好ましくは1.4mol%以上、さらに好ましくは1.6mol%以上とすることができる。また、上記第1重合単位の割合は、粉体汚れに対する耐久性向上および耐ヘタリ性を確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは97.5mol%以下、より好ましくは97mol%以下、さらに好ましくは96.5mol%以下とすることができる。一方、上記第2重合単位の割合は、粉体汚れに対する耐久性向上および耐ヘタリ性を確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは0.13mol%以上、より好ましくは0.15mol%以上、さらに好ましくは0.18mol%以上とすることができる。また、上記第2重合単位の割合は、反応制御性などの観点から、好ましくは8mol%以下、より好ましくは7mol%以下、さらに好ましくは6mol%以下とすることができる。なお、上記重合単位の割合は、熱分解GC/MS分析、NMR分析などにより測定することができる。
上記表面改質ポリマーは、上記第1重合単位、第2重合単位以外にも、重合成分として他の化合物に基づく重合単位を1種または2種以上含むことができる。
なお、上記他の化合物は、有機化合物であれば、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。好ましくは、重合時の反応性が良好であるなどの観点から、モノマーまたはオリゴマーであるとよく、特に好ましくは、モノマーであるとよい。
上記他の化合物としては、例えば、分子内にフッ素含有基を有するモノマーなどを例示することができる。好ましくは、重合反応性などの観点から、分子内にさらに(メタ)アクリル基を有しているとよい。なお、上記「フッ素含有基」とは、フッ素原子を含有する基(−F含む)をいう。これを用いた場合には、表面改質ポリマーの分子内にアミノ基およびシリコーン基以外の官能基としてさらにフッ素含有基を有することが可能となる。そのため、表層表面のおけるトナー等の粉体の離型性を向上させることができる。
上記フッ素含有基としては、具体的には、例えば、フルオロアルキル基、フルオロアルキルアルキレンオキシド基、フルオロアルケニル基、フッ素基(−F)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。これらのうち、上記フッ素含有基としては、フルオロアルキル基(好ましくは、炭素数4〜12程度)を好適に用いることができる。モノマーの分子内に導入しやすいなどの利点があるからである。上記フルオロアルキル基は、アルキル基の全ての水素原子がフッ素化されていてもよいし(全フッ素化)、一部にフッ素化されていない箇所を含んでいてもよい(部分フッ素化)。特に好ましくは、上記フルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基であるとよい。ポリマー中のフッ素原子量を増加させることができ、トナー等の粉体の離型性を向上させやすくなるなどの利点があるからである。
上記分子内にフッ素含有基を有するモノマーとしては、具体的には、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどを例示することができる。
上記他の化合物としては、他にも例えば、(メタ)アクリル基またはビニル基のいずれか一方を少なくとも1つ有する化合物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどを例示することができる。これらを用いた場合には、表面改質ポリマーの分子量を制御しやすくなるなどの利点がある。
上記他の化合物としては、他にも例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルコキシチタントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ウンデシレノキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、ビス[2−(メタ)アクリロイルチオエチル]スルフィド、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどを例示することができる。これらを用いた場合には、分岐状のポリマー構造としやすくなる。そのため、表層表面へ表面改質ポリマーを偏在させやすくなり、表面改質効果が大きくなりやすいなどの利点がある。
なお、上記表面改質ポリマーは、重合開始剤の全部または一部を含んでいてもよい。上記重合開始剤としては、例えば、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)等のアゾ基を有するポリマーなどを例示することができる。
上記表面改質ポリマーのポリマー構造は、特に限定されるものではない。上記表面改質ポリマーは、例えば、直鎖状、分岐状等のポリマー構造とすることができる。上記表面改質ポリマーは、好ましくは、ハイパーブランチ構造を有しているとよい。
この場合は、ポリマー構造が直鎖状である場合と比較して、さらなる帯電能力の底上げ、粉体汚れに対する耐久性向上および耐ヘタリ性の発揮に有利である。これは、表面改質ポリマーのハイパーブランチ構造により、表層表面にアミノ基およびシリコーン基を効果的に存在させることが可能となり、上述した表層表面の改質効果が増大するためである。なお、「ハイパーブランチ構造」とは、直鎖状(線状あるいは紐状等)のポリマー構造とは異なり、分子構造中に積極的に多数の分岐が導入されたポリマー構造のことである
上記表層は、上記マトリックスポリマー100質量部に対し、上記表面改質ポリマーを0.5〜20質量部含有することができる。この場合には、上述した作用効果を確実なものとすることができる。
上記表面改質ポリマーの含有量は、添加による十分な効果を得るなどの観点から、好ましくは0.75質量部以上、より好ましくは1質量部以上とすることができる。また、上記表面改質ポリマーの含有量は、マトリックスポリマーとの相溶性、マトリックスポリマーからのブリード抑制、コストなどの観点から、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは8質量部以下とすることができる。なお、上記表面改質ポリマーの含有量は、溶剤による抽出後、抽出物を熱分解GC/MS分析、NMR分析して上記表面改質ポリマーの構造を特定した後、材料全体を熱分解GC/MS分析することなどによって測定することができる。
上記表層は、マトリックスポリマー中に、他にも、導電剤を含有することができる。上記導電剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系導電材料、チタン酸バリウム、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は導電性を意味する。)等の導電性の金属酸化物や金属ナノ粒子などといった電子導電剤、第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、過塩素酸塩、イオン液体などといったイオン導電剤などを例示することができる。
上記表層は、マトリックスポリマー中に、他にも、必要に応じて、反応触媒、フィラー、カップリング剤、分散剤、レべリング剤、架橋剤、架橋助剤などの各種添加剤を含有することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
なお、上記表層の体積抵抗率は、帯電能力の向上、帯電バラツキ抑制などの観点から、好ましくは、1×10〜1×1011Ω・cm程度、より好ましくは、1×10〜1×1010Ω・cm程度とすることができる。また、上記表層の厚みは、帯電部材表面の損傷抑制、被帯電体の損傷抑制などの観点から、好ましくは1〜100μm程度、より好ましくは1〜30μm程度、さらに好ましくは3〜15μm程度とすることができる。
上記帯電部材において、表層よりも下方の構成は特に限定されるものではない。もっとも、画像形成装置への適用のしやすさを考慮すると、上記帯電部材は、ロール状に構成されていることが好ましい。この場合、上記帯電部材は、具体的には、例えば、軸体と、軸体の外周面に沿って形成された導電性を有するゴム弾性体よりなる弾性層と、弾性層の外周面に沿って形成された上記表層とを有する構成とすることができる。なお、弾性層は、1層または2層以上から構成することができる。
上記軸体としては、具体的には、例えば、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属(合金含む)からなる中実体(芯金)や中空体、導電性または非導電性のプラスチックからなる中実体や中空体、導電性または非導電性のプラスチックからなる中実体や中空体に金属めっきを施したものなどを例示することができる。
上記弾性層を構成するゴム材料としては、例えば、ヒドリンゴム(ECO、CO)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)などを例示することができる。
上記ゴム材料には、上述した導電剤、滑剤、充填剤、増量剤、補強材、加工助剤、硬化剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、シリコーンオイル、助剤、界面活性剤などの各種添加剤を適宜添加することができる。
なお、弾性層の体積抵抗率は、帯電能力の向上、通電による材料破壊抑制などの観点から、好ましくは、1×10〜1×1010Ω・cm程度、より好ましくは、1×10〜1×10Ω・cm程度とすることができる。また、弾性層の厚みは、被帯電体との接触による変形に対する回復性向上、通電による材料破壊抑制などの観点から、好ましくは0.2〜20mm程度、より好ましく0.5〜10mm程度、さらに好ましくは1〜5mm程度とすることができる。
実施例に係る帯電部材について、図面を用いて具体的に説明する。
図1、図2に示すように、実施例に係る帯電部材Rは、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれるものである。帯電部材Rは、表層1を有している。本例の帯電部材Rは、具体的には、導電性を有する軸体2と、軸体2の外周面に沿って形成された導電性を有するゴム弾性体よりなる弾性層3とをさらに有している。但し、軸体2の両端部は、弾性層3の両端面から突出した状態とされている。そして、この弾性層3の外周面に沿って表層1が形成されている。
表層1は、マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有している。
表面改質ポリマーは、具体的には、分子内にアミノ基および(メタ)アクリル基を有するモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基および(メタ)アクリル基を有する化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む共重合体よりなる。表面改質ポリマー中における第1重合単位は1〜98mol%の範囲内、第2重合単位は0.1〜10mol%の範囲内とされている。表面改質ポリマーは、100質量部のマトリックスポリマーに対して0.5〜20質量部の範囲内で含有されている。表面改質ポリマーは、直鎖状またはハイパーブランチ構造を有している。なお、表層1には、導電性を付与するために導電剤が添加されている。
以下、実施例に従う帯電部材としての帯電ロール試料と、比較例の帯電ロール試料とを作製し、評価を行った。その実験例について説明する。
(実験例)
<表面改質ポリマーの準備>
表層のマトリックスポリマー中に含有させる各表面改質ポリマーを以下のようにして準備した。
・表面改質ポリマーA
200mLの反応フラスコに、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド((株)興人製)15g(96mmol)と、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(信越化学工業(株)製、「X−22−174DX」)0.92g(0.2mmol)と、メタクリル酸メチル(純正化学工業(株)製)0.38g(3.8mmol)と、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)(和光純薬工業(株)製、「VE−73」)1.24g(4mmol)と、メチルエチルケトン(MEK)26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、MEK51.8gを仕込み、固形分で30%の表面改質ポリマーAを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーAは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
・表面改質ポリマーB
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド10.55g(67.6mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物7.46g(1.6mmol)、メタクリル酸メチル3.09g(30.8mmol)とした以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーBを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーBは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
・表面改質ポリマーC
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド0.28g(1.8mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物22.59g(4.9mmol)、メタクリル酸メチル9.34g(93.3mmol)とした以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーCを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーCは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含む直鎖状の共重合体である。
・表面改質ポリマーD
上記表面改質ポリマーAの合成において、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド15.02g(96.2mmol)、(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物0.88g(0.2mmol)、メタクリル酸メチル0.34g(3.4mmol)とした点、さらに、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(ダイキン工業(株)製、「R−1620」)0.08g(0.2mmol)を加えた点以外は同様にして、固形分で30%の表面改質ポリマーDを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーDは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位と、分子内にフルオロアルキル基を有するモノマーに基づく重合単位を含む直鎖状の共重合体である。
・表面改質ポリマーE
300mLの反応フラスコに、トルエン87gを仕込み、撹拝しながら5分間窒素を流し込み、内液が還流するまで(およそ温度110℃)加熱した。
一方、別の200mLの反応フラスコに、上記ジメチルアミノプロピルアクリルアミド12g(76.79mmol)と、上記(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物0.74g(0.21mmol)と、エチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)、「1G」)3.96g(20mmol)と、上記メタクリル酸メチル0.31g(3mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)6.21g(20mmol)と、トルエン87gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込んで窒素置換を行い、氷浴にて0℃まで冷却を行った。
次いで、上記300mLの反応フラスコ中の還流してあるトルエン中に、滴下ポンプを用いて、上記200mLの反応フラスコ中の内容物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま1時間熟成させた。
次いで、この反応液をヘキサン/トルエン(質量比4:1)555gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、テトラヒドロフラン(THF)42gを用いて再溶解し、このポリマーのTHF溶液をヘキサン555gに添加してポリマーをスラリー状態で再沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である表面改質ポリマーE13.6gを得た。
上記表面改質ポリマーEは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位と、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位とを含むハイパーブランチ構造の共重合体である。
・表面改質ポリマーF
200mLの反応フラスコに、上記(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物23g(5mmol)と、上記メタクリル酸メチル9.5g(95mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、MEK51.8gを仕込み、固形分で30%の表面改質ポリマーFを含有する溶液を得た。上記表面改質ポリマーFは、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位を含んでいない。
・表面改質ポリマーG
200mLの反応フラスコに、上記ジメチルアミノプロピルアクリルアミド13.99g(89.6mmol)と、上記2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート0.23g(0.5mmol)と、上記メタクリル酸メチル0.99g(9.9mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、この反応液をヘキサン662gに添加してポリマーを沈殿させ、上澄み液をデカンテーションした後、その残渣をTHF54gに再溶解させた。
次いで、このポリマーのTHF溶液をヘキサン662gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である表面改質ポリマーG12.1gを得た。上記表面改質ポリマーGは、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位を含んでいない。
・表面改質ポリマーH
100mLの反応フラスコに、上記2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート12.97g(30mmol)と、上記メタクリル酸メチル7g(70mmol)と、上記ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.24g(4mmol)と、MEK26.9gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。
次いで、この反応液をヘキサン662gに添加してポリマーを沈殿させ、上澄み液をデカンテーションした後、その残渣をTHF54gに再溶解させた。
次いで、このポリマーのTHF溶液をヘキサン662gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。
次いで、このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物である表面改質ポリマーH6.0gを得た。上記表面改質ポリマーHは、分子内にフルオロアルキル基を有するモノマーに基づく重合単位を含む直鎖状の共重合体であり、分子内にアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー(第1化合物)に基づく第1重合単位、および、分子内に(メタ)アクリレート変性シリコーン化合物(第2化合物)に基づく第2重合単位の双方を含んでいない。
以下、上記表面改質ポリマーの配合一覧を表1に示す。
Figure 0006022279
<表層形成用材料の調製>
後述の表2に示すように、N−メトキシメチル化ナイロン(ナガセケムテックス(製)製、「トレジンEF30T」)100質量部と、トリメチロールメラミン(架橋剤)(住友化学(株)製、「スミカフレックスM3」)30質量部と、電子導電剤(カーボンブラック)(ケッチェンブラックインターナショナル社製、「ケッチェンブラックEC」)15質量部と、表2に示す所定の種類かつ所定の配合量の各表面改質ポリマーとを配合し、これをメタノール−トルエン混合溶液(メタノール:トルエン=7:3)500質量部に加えて混合撹拌した。これにより、帯電ロール試料1〜11の作製に用いる各表層形成用材料を調製した。
<帯電ロール試料の作製>
エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体(日本ゼオン(株)製、「HYDRIN T3106」)100質量部と、トリオクタデシルアンモニウムパークロレート1質量部と、酸化亜鉛(三井金属鉱業(株)製)5質量部と、ステアリン酸(花王(株)製、「ルナックS−30」)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーDM」)0.5質量部と、硫黄(鶴見化学工業(株)製、「サルファックスPTC」)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTT」)0.5質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTRA」)0.5質量部とを配合し、ロールを用いて混練りすることにより、弾性層形成用材料を調製した。
軸体として、直径6mmの中実円柱状の鉄棒を準備し、外周面に接着剤を塗布した。この軸体をロール成形用金型の中空空間にセットした後、上記調製した弾性層形成用材料を中空空間内に注入し、170℃で50分間加硫して、脱型した。これにより、軸体の外周面に沿ってロール状の弾性層(厚み1.75mm)を形成した。
次いで、上記弾性層の外周面に、ディップコート法により、上記調製した各表層形成用材料を塗工した後、150℃で50分間熱処理して、表層(厚み15μm)を形成した。これにより、上記弾性層の外周面に沿って表層を有し、かつ、表層は、マトリックスポリマー中に、表2に示す各表面改質ポリマーを含有する二層構造の帯電ロール試料1〜11を作製した。
<評価>
−帯電能力−
作製した帯電ロール試料をカラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSIO SP C310」)のカートリッジに組み込み、23℃×53%RH環境下にて、感光体と帯電ロール試料とを接触させた状態で感光体、帯電ロール試料ともに60rpmで回転させながら、帯電ロール試料にDC−1200Vの電圧を印加した。そして、帯電ロール試料の位置から感光体の周方向に90度回った位置であって感光体から2mm離れた位置に表面電位計(トレックジャパン(株)製、「MODEL−370」)のプローブを配置し、暗所で感光体中央部の表面電位(帯電量)を測定した。測定した2周目の波形の平均値が、−550Vを超える場合を帯電能力に優れるとして「A」、−520V以上−550V以下の場合を帯電能力が良好であるとして「B」、−520V未満の場合を帯電能力が十分でないとして「C」とした。
−粉体汚れに対する耐久性−
帯電ロール試料をカラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSIO SP C310」)に取り付け、15℃×10%RH環境下にて10000枚の印字テストを行った。なお、印字テストではシアントナーを使用し、印字率は5%チャートであった。印字テストの後、上記プリンターから帯電ロール試料を取り外し、帯電ロール試料の中央付近における所定部位(軸方向幅:30mm×周方向長さ:全周の1/3)に付着しているトナーおよびトナー外添剤を拭き取った。その後、この帯電ロール試料を再び上記プリンターに取り付け、所定の画像(600dpiドットパターン:ハーフトーン画像)を出力した。その後、出力された画像を目視で観察した。そして、トナーおよびトナー外添剤の付着部に対応する画像と、拭き取り部に対応する画像との間に、画像ムラが存在しない場合を、トナーおよびトナー外添剤が汚れとして付着し難く、粉体汚れに対する耐久性に優れるとして「A」とした。トナーおよびトナー外添剤の付着部に対応する画像と拭き取り部に対応する画像との間に、僅かに画像ムラが存在するが許容範囲内である場合を、トナーおよびトナー外添剤が汚れとして付着することがあるが許容範囲内であり、粉体汚れに対する耐久性が良好であるとして「B」とした。トナーおよびトナー外添剤の付着部に対応する画像と拭き取り部に対応する画像との間に、明確な画像ムラが存在する場合を、トナーおよびトナー外添剤が汚れとして付着しやすく、粉体汚れに対する耐久性に劣るとして「C」とした。
−耐ヘタリ性−
作製した帯電ロール試料を金属ドラム(直径:24mm)上に載置し、帯電ロール試料の両端の軸体上にそれぞれ700gの荷重をかけ、その状態を保持したまま、温度40℃、湿度95%の雰囲気下に4週間放置した。その後、上記雰囲気中より帯電ロール試料を取り出し、室内にて30分間放置した後、帯電ロール試料をカラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSIO
SP C310」)に取り付け、所定の画像(600dpiドットパターン:ハーフトーン画像)を出力した。その後、出力された画像を目視で観察し、帯電ロール試料の凹み(ヘタリ)に起因する画像中の白スジ(画像スジ)の程度によって画像評価を行った。画像中に、帯電ロール試料の凹みに起因する画像スジが存在しなかった場合を、耐ヘタリ性に優れるとして「A」とした。画像中に、帯電ロール試料の凹みに起因する画像スジが薄く出たものの、許容範囲内であった場合を、耐ヘタリ性が良好であるとして「B」とした。画像中に、帯電ロール試料の凹みに起因する画像スジが明確に出た場合を、耐ヘタリ性に劣るとして「C」とした。
以下、各帯電ロール試料の詳細な構成と評価結果をまとめて表2に示す。
Figure 0006022279
表2によれば、以下のことがわかる。
すなわち、試料8の帯電ロールは、表層のマトリックスポリマー中に表面改質ポリマーを全く含有していない。そのため、試料8の帯電ロールは、帯電能力、表面の粉体汚れに対する耐久性、耐ヘタリ性のいずれにも劣っていることがわかる。
試料9の帯電ロールは、分子内にアミノ基を有しておらず、シリコーン基を有する表面改質ポリマーFを用いている。そのため、試料9の帯電ロールは、表面の粉体汚れに対する耐久性を有するものの、帯電能力、耐ヘタリ性に劣っていることがわかる。
試料10の帯電ロールは、分子内にアミノ基を有しているが、シリコーン基を有していない表面改質ポリマーGを用いている。そのため、試料10の帯電ロールは、試料8の帯電ロールに比べて、帯電能力、耐ヘタリ性に改善が見られるのの、表面の粉体汚れに対する耐久性に劣っていることがわかる。
試料11の帯電ロールは、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有しておらず、分子内にフルオロアルキル基を有する表面改質ポリマーHを用いている。しかしながら、上述したように、フルオロアルキル基だけでは、帯電能力、表面の粉体汚れに対する耐久性、耐ヘタリ性を同時に満たすことができないことがわかる。
これらに対し、試料1〜試料7の帯電ロールは、いずれも表層のマトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有する特定の表面改質ポリマーを含有している。そのため、試料1〜試料7の帯電ロールは、表層表面が改質され、表層表面にアミノ基およびシリコーン基を存在させることができる。
上記試料1〜試料7の帯電ロールは、感光体との接触部周辺のギャップにおける放電による通常の帯電だけでなく、接触部における摩擦によっても感光体を帯電させることができる。そのため、試料1〜試料7の帯電ロールは、その分、感光体を帯電させる帯電能力を底上げすることができ、高い帯電能力を有していることがわかる。なお、上記摩擦による帯電は、放電現象による帯電ではないので、電源の小型化等による印加電圧の高低による影響を受け難い。そのため、試料1〜試料7の帯電ロールは、高い帯電能力を発揮しやすいといえる。また、試料1〜試料7の帯電ロールは、上記所定の表層を有しているので、トナーやトナー外添剤等の粉体が汚れとして付着し難く、粉体汚れに対する高い耐久性を有していることがわかる。また、試料1〜試料7の帯電ロールは、上記表層が良好な耐ヘタリ性を有しているので、良好な耐ヘタリ性を発揮することができる。そのため、試料1〜試料7の帯電ロールは、その表面に感光体との接触による凹み跡が残り難く、これに起因する帯電能力の低下が抑制され、良好な画像を形成可能なことがわかる。なお、マトリックスポリマーの種類に応じ、マトリックスポリマーを溶解可能な溶媒を用いて表層表面を洗浄するなどして、表層表面のマトリックスポリマーを選択的に除去した場合には、表層表面へ表面改質ポリマーが露出しやすくなるため、上記効果をより一層確実なものとすることができる。
また、試料1〜試料6の帯電ロールの結果を比較すると、マトリックスポリマーに対する表面改質ポリマーの含有量を調節したり、表面改質ポリマーにおける上記重合単位の割合を変えたりすることによって、各特性を両立したまま、これらのバランスを制御できることがわかる。
また、試料3〜試料7の帯電ロールの結果を比較すると、表面改質ポリマーのポリマー構造をハイパーブランチ構造とすることにより、各特性をさらに向上させることが可能なことがわかる。これは、表層表面にアミノ基およびシリコーン基を効果的に存在させることが可能となり、表層表面の改質効果が大きくなるためである。
また、試料1〜試料7の帯電ロールは、表面改質ポリマーの重合反応に用いる化合物として、分子内に上記官能基以外に(メタ)アクリル基を有する化合物を用いている。そのため、表面改質ポリマーの作製時に共重合反応を行いやすい利点がある。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
R 帯電ロール
1 表層
2 軸体
3 弾性層

Claims (7)

  1. 被帯電体を帯電させるために用いられる帯電部材であって、
    マトリックスポリマー中に、分子内にアミノ基およびシリコーン基を有するポリマーからなる表面改質ポリマーを含有する表層を有しており、
    上記表面改質ポリマーは、分子内にアミノ基を有する第1化合物に基づく第1重合単位と、分子内にシリコーン基を有する第2化合物に基づく第2重合単位とを含むことを特徴とする帯電部材。
  2. 請求項に記載の帯電部材であって、
    上記第1化合物および第2化合物は、分子内に不飽和結合を含むことを特徴とする帯電部材。
  3. 請求項またはに記載の帯電部材であって、
    上記第1化合物および第2化合物は、分子内に(メタ)アクリル基を有していることを特徴とする帯電部材。
  4. 請求項のいずれか1項に記載の帯電部材であって、
    上記表面改質ポリマーは、上記第1重合単位を1〜98mol%、上記第2重合単位を0.1〜10mol%含むことを特徴とする帯電部材。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材であって、
    上記マトリックスポリマー100質量部に対し、上記表面改質ポリマーを0.5〜20質量部含有することを特徴とする帯電部材。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材であって、
    上記表面改質ポリマーは、ハイパーブランチ構造を有することを特徴とする帯電部材。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材であって、
    上記被帯電体は、帯電像を用いる電子写真方式の画像形成装置における潜像担持体であ
    ることを特徴とする帯電部材。
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