JP2014199447A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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【課題】感光体のフィルミングが発生せず、感光体摩耗量及びブレード摩耗量を低減して、長期に亘って高品質の画像を形成することができる画像形成装置を提供すること。【解決手段】像担持体と、帯電手段と、潜像形成手段と、現像手段と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、像担持体表面に当接して像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、トナーが外添剤として平均一次粒径の異なる無機微粒子を2種類以上有し、前記無機微粒子の遊離量がトナー1gに対して3mg以上であり、且つ前記クリーニングブレードは短冊形状の弾性体ブレードで構成され、前記弾性体ブレードの前記像担持体の表面に当接する当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むことを特徴とする画像形成装置。【選択図】なし

Description

本発明は画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式の画像形成方法は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体(以下感光体とも呼ぶ)に、現像剤に含まれるトナーが一旦付着し、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体にトナーが転写された後、定着工程において紙面に定着される。
現像剤としては、一成分系現像方式と二成分系現像方式に分けられ、磁性キャリアとトナーとから成る二成分系現像剤、及び、磁性キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
従来、トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂などのトナーバインダを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕して製造される、混練粉砕法の乾式トナーが用いられている。
しかし、近年、高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。
小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。
この樹脂で構成されたトナーは、体積平均粒径が10μm以下であり、搬送性・混合性を補うために流動性を付与する無機/有機微粒子が外添されていた。
無機微粒子等のトナー粒子への添加方法としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粒子をトナー粒子と共に乾式でミキサー等により混合・攪拌して付着させる方法が一般的である。
しかし、流動性を付与するためトナーに外添された無機微粒子は、使用中に接触する部材とのストレスによってすぐにトナー中に埋め込まれてしまい、流動性が損なわれトナー補給性、現像性、帯電性が劣化するおそれが高い。
また、十分に混合されないトナーでは、トナー粒子から外添剤が遊離して画像形成装置内に浮遊して装置内を汚染する、或いは、クリーニングブレードで遊離した外添剤を感光体にこすりつけ、いわゆるフィルミングが生じたり、感光体が外添剤にこすりつけられて摩耗するという問題がある。
さらに、省エネルギー化及び複写機等の装置の小型化の観点から、よりホットオフセット発生温度が高く、かつ定着温度が低い、耐ホットオフセット性と低温定着性とを両立するトナーが求められている。これに対し、装置の煩雑化、大型化防止の観点から、熱ロールに離型剤を添加するのではなく、トナーにワックスを添加し離型性を付与させる方法が取られている。しかしワックスを添加することで流動性が悪化してしまうため、流動性を向上させるため流動性補助剤として外添剤を添加し、先に挙げた外添剤のフィルミングや像担持体の摩耗が悪化してしまう。
以上のように、小粒径化、離型性、低温定着性、流動性、フィルミング、像担持体の摩耗、は完全なトレードオフの関係にあり、これらの改良のためには、トナーの改良だけでは困難な状況である。
小粒径、優れた流動性、優れた低温での離型性、フィルミング、像担持体の摩耗の発生が少なく、低温定着性をするトナーを用いた画像形成装置により、高画質な画像を維持し続けることが強く望まれているが、該方法は未だ提供されていないのが現状である。
特許文献1、2では、感光体のフィルミング、感光体摩耗低減のため、感光体中の電荷輸送物質、バインダー樹脂、トナーに添加する外添剤径を規定した画像形成装置の記載がある。しかしながら、低温定着性、フィルミング性の両立を有する画像形成装置としては十分ではない。
特許文献3では、トナー粒子に超音波振動を加えた時の、添加剤遊離量の規定が記載されているが、フィルミングの低減とクリーニング性の向上の両立を考慮すると必ずしも十分ではなかった。
特許文献4では、界面活性剤を入れた電解液中にトナーを添加した時の、添加剤遊離量が規定されているが、フィルミングの低減とクリーニング性の向上の両立を考慮すると必ずしも十分ではなかった。
特許文献5には、感光体表面5μmのフィラーの体積存在比率、外添剤の遊離量を記載した画像形成装置が開示されているが、トナーのワックス成分、樹脂成分から起こるフィルミングの防止であり、本発明の課題であるシリカフィルミングの低減とクリーニング性の向上の両立を考慮すると必ずしも十分ではなかった。
特許文献6には、マイクロクリスタリンワックスを含む、流動性補助剤を外添した重合トナーが記載されているが、トナー側からの改善だけでは、小粒径、優れた流動性、優れた低温での離型性、フィルミングの発生が少なく、低温定着性をするトナーを用いた画像形成装置としては十分ではなかった。
また、従来、電子写真式の画像形成装置では、被清掃部材たる感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの短冊形状の弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかしながら、ポリウレタンなどの弾性体ブレードからなるクリーニングブレードの当接圧を高めると、図6(a)に示すように、像担持体23とクリーニングブレード262との摩擦力が高まり、クリーニングブレード262が像担持体23の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれてしまう。
このめくれたクリーニングブレード262が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。さらに、クリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図6(b)に示すように、クリーニングブレード262の先端面262aの先端稜線部262cから数[μm]離れた場所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図6(c)に示すように、先端稜線部262cが欠落してしまう。先端稜線部262cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
そこで、前記クリーニングブレードの像担持体表面に当接する当接部(先端稜線部)の捲れを抑制するために、当接部を高硬度化して変形しにくくすることが試みられている。
例えば、クリーニングブレード又は弾性部材の当接部に紫外線硬化樹脂を含む表面層を設けて当接部を高硬度化させて、当接部の捲れや変形を防止することが提案されている(特許文献7〜9参照)。
しかし、これらの提案で用いられている紫外線硬化樹脂は架橋密度が大きいため、当接部に表面層を設けた場合に硬化時の硬化収縮が大きく、前記表面層の割れが生じたり、表面層が剥がれてしまうという問題がある。
さらに、重合トナーを用いた場合、上記のように搬送性・混合性を補うために流動性を付与する無機/有機微粒子が外添されており、クリーニングブレードが遊離した外添剤を感光体にこすりつけ、いわゆるフィルミングが生じたり、感光体が外添剤にこすりつけられて削られる。このため、以前よりも当接部の捲れや変形をより強固に防止する必要が生じていた。
本発明は、小粒径、低温定着、高い流動性を有するトナーを使用した場合においても、感光体のフィルミングが発生せず、感光体摩耗量及びブレード摩耗量を低減して、長期に亘って高品質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
現在主流となっている小粒径、高円形度、低温定着の重合トナーを使いこなす為、トナーには少なくとも大、小2種類の外添剤微粒子を添加する事で、流動性、帯電性、環境安定性、クリーニング性のバランスを取りやすくしている。また、その外添剤の量は増加傾向にあり、画像形成装置内での外添剤の遊離量も増大している。その弊害として、感光体にはトナーから遊離した外添剤が感光体に付着し、異常画像を発生させやすくなっている。
本発明者らはこのことに対し鋭意検討したところ、トナーから遊離した2種の外添剤が同じ場所(たとえばクリーニングブレード部)で滞留すると凝集体が形成され、やがて凝集体は固化し感光体に付着し、異常画像を生じさせることが判明した。そのことを防ぐには感光体のクリーニングブレードに、外添剤の滞留状態を妨げ凝集体の形成を阻害すること、及び、クリーニングブレードの捲れや変形を少なくして、凝集体を感光体にこすり付けないが有効であることを見出した。そのためには、弾性体ブレードの当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むことにより、分子構造に脂環構造を有しており、先端稜線部の硬度を大きく上昇させることができ、クリーニングブレードの捲れや変形を強固に抑制することが出来る。 本発明は下記(1)に記載する通りの画像形成装置に係るものである。
(1)像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して該像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
前記トナーが外添剤として平均一次粒径の異なる無機微粒子を2種類以上有し、前記無機微粒子の遊離量がトナー1gに対して3mg以上であり、
且つ前記クリーニングブレードは短冊形状の弾性体ブレードで構成され、
前記弾性体ブレードの前記像担持体の表面に当接する当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むことを特徴とする画像形成装置。
本発明の画像形成装置によれば、小粒径、低温定着、高い流動性を有するトナーを使用した場合においても、感光体のフィルミングが発生せず、感光体摩耗量及びブレード摩耗量を低減して、長期に亘って高品質の画像を形成することができる。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図。 トナーの円形度の測定方法の説明図である。 本実施形態に係るクリーニングブレードの基本的構成例(1)を示す斜視図である。 本実施形態に係るクリーニングブレードの断面図である 本実施形態における弾性体ブレードの摩耗断面積、先端面摩耗幅、下面摩耗幅の測定箇所を示した模式図である。 (a)はクリーニングブレード先端稜線部がめくれた状態を示す図であり、(b)クリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図であり、(c)クリーニングブレードの先端稜線部が欠落した状態を示す図である。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真プリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるプリンタの要部を示す概略構成図である。プリンタは、単一色の複写を行うものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行う。
図1では感光体は時計回りに回転しており、クリーニング工程の次に潤滑剤塗布工程が配置されている。潤滑剤塗布工程はなくても構わない。図には示していないがトナーには少なくとも2種の外添剤が保持されており、その遊離量はトナー1gに対して3mg以上であり、且つ前記クリーニングブレードの先端稜線部に少なくとも分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含む。
図1に示すように、プリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。
感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には帯電手段としての帯電装置4、潜像をトナー像化する現像手段である現像装置5、トナー像を記録媒体としての転写紙に転写する転写手段としての転写装置7、転写後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置6、感光体3上に滑剤を塗布する滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布装置10、感光体3を除電する除電ランプ(不図示)等が配置されている。14は転写ベルトである。
帯電装置4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電装置4によって一様帯電された感光体3は、図示しない潜像形成手段たる露光装置から画像データに基づいて光Lが照射され静電潜像が形成される。
帯電装置4には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の手段が用いられる。
これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
また、図示しない露光装置、除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。 これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像バイアスはDC、ACどちらも印加することが出来る。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の2本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、クリーニングブレード62を有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電装置4、現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置及び除電ランプなどにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電装置4によって所定の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応した光Lが感光体3上に照射され、光Lが照射された部分の感光体3上が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体3表面を摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。なお、本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体3上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から上レジストローラと下レジストローラとの対向部を経て、感光体3と転写装置7との間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は上レジストローラと下レジストローラとの対向部で画像先端と同期を取り供給される。また、転写紙への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は感光体3から分離され、図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。
一方、転写後の感光体3の表面は、クリーニング装置6で転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
また、本プリンタにおいては、感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などが枠体2に収められており、プロセスカートリッジ1として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ1としての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、少なくとも感光体3と、クリーニング装置6とを一体に支持し、後述するクリーニングブレードを所定の当接条件で感光体3に当接したものをプロセスカートリッジ1とする構成でもよい。
次に、発明の画像形成装置において用いるトナーについて説明する。
本プリンタに用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図2(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図2(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。
具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析する。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200
[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。
アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
また、高画質画像の要求が高まる中トナーの小粒径化が進み、小粒径のトナーはクリーニング性が困難になった。更に、省エネルギーの観点から低温定着性を有するトナーが求められてきた。
これに対し、粒径の異なる小粒径と大粒径の外添剤を用いることで、トナーのクリーニング性を向上できる。低温定着性を有するトナーは、トナーの流動性、耐熱保存性が課題であり、外添剤を多く添加し改善できる。
しかし、上記方法でクリーニング性、低温定着性に対する課題は改善するものの、外添剤の電子写真感光体への負荷は大きいものとなる。外添剤は、トナーを感光体に現像するとともに感光体上に移行し、感光体と強く摺擦するクリーニングブレードのエッジ部に蓄積する。蓄積した外添剤は、ブレードエッジ部で凝集され大きくなり、クリーニングブレードにより摺擦され感光体上に付着する。
感光体上に付着した外添剤の凝集体は、それ自体が外添剤を塞き止める起点となり、外添剤を次々に蓄積させ大きく成長していき外添剤のフィルミングを起こす。特に外添剤としてよく使用させるシリカのフィルミングでは、白抜け画像や高湿環境での画像ボケを引き起こすといった問題を起こす。
また、クリーニングブレードのエッジに蓄積した外添剤が感光体上で摺擦され感光体を削る。
本発明ではトナーに平均一次粒径が異なる2種類のシリカ等の無機微粒子を外添剤として用い、現像時のトナー1gに対するシリカ外添剤の遊離量3mg以上で、クリーニングブレードの先端稜線を含む一部は分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むことで問題を解決できる。
本発明で、上記問題を解決できる理由は、外添剤現像時のトナー1gに対する外添剤の遊離量を3mg以上とすることで、トナー母体に対してフリーに動ける外添剤を十分な量存在させ耐熱保存性、流動性を向上させ、クリーニング性も向上させることができる。また、粒子径の異なる外添剤、特にシリカ微粒子を2種類添加したトナーにより、耐熱保存性、流動性を向上させ、クリーニング性への余裕度を更に高めることができる。
このように外添剤を十分な量トナーに添加した場合では、感光体に対する負荷が増加してしまい外添剤、特にシリカフィルミングや感光体摩耗が発生しやすくなるが、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むので分子構造として非常に硬く、また割れや剥れが生じることもないので、ブレード当接部を非常に硬くすることできる。それによって、当接部の捲れや変形を抑制できるので、外添剤の凝集体が形成されにく、感光体への外添剤固着をなくすことが出来る。
以下、本発明の特徴であるトナー外添剤無機微粒子、クリーニングブレードを中心に説明する。
説明を加えない構成、要素については従来からのものが利用できる。
<トナー外添剤無機微粒子>
本発明のトナーに添加する外添剤無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この中でも、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物が好ましく、上記無機微粒子の中では、シリカ、アルミナ、チタニアが好適であり、特に、シリカが好適である。
本発明の無機微粒子は、平均一次粒径の異なる少なくとも2種類の無機微粒子を添加する。クリーニング性を向上させるための微粒子と流動性付与のための微粒子である。
クリーニング性を向上させるため微粒子は、平均一次粒径が80〜500nmの範囲の外添剤であり、少なくとも1種以上含ませる。平均一次粒径が80nm未満では、熱的又は機械的衝撃に弱く、また、500nmを超えると、トナー表面を他の部材と接触するのを阻害するために、定着性が低下する。また、トナーの流動性の低下が著しい。
流動性向上のための微粒子としては、平均一次粒径が10〜20nmの無機微粒子を少なくとも1種類以上含ませることが好ましい。平均一次粒径が10〜20nmの無機微粒子は、流動性付与の点から好ましく、平均一次粒径が10nm以上であることにより流動性は良好となり、現像プロセスにおけるストレスでのトナー母体への埋め込みが発生することがないため、トナー粒子の非静電的付着力が増加して感光体へのフィルミングが悪化するということがない。
また、平均一次粒径が20nm以下であることにより、トナー表面に付着し接触面積を低下させることで流動性を付与するという機能を十分に発揮することができる。
本発明における無機微粒子の粒径測定は以下のように行う。
無機微粒子を、TEM(透過型電子顕微鏡、日立製H−9000NAR)により観察し、無作為に100粒子を選択し、画像処理ソフト(ニコレ社画像解析装置 Luzex AP)により粒径を算出し、個数平均粒径を求める。
外添剤無機微粒子の添加量はトナー100質量部に対して、0.5〜5質量部の範囲が好適である。トナーに無機微粒子を外添させる方法はトナー粒子に対し無機微粒子を混合し、ヘンシェルミキサー等を用いて攪拌すればよい。無機微粒子は複数種を一度に添加し、混合することも出来るが、1種ずつ混合する方が、狙いの機能を発揮しやすい。
トナー粉体については公知のものが利用でき、粉砕トナー、重合トナーの何れであってもかまわない。低温定着、小粒径・高円形度による高画質を達成するためには重合トナーが好ましく、またこの場合、外添剤の添加量は増大する方向となるため、本発明の効果がより有効に発現される。
本発明に関わる無機微粒子の遊離量とは、〔現像前のトナー中のシリカ量〕から〔現像後にクリーニングブレード部で回収されるトナー中のシリカ量〕を差し引いたシリカ量を1gあたりのトナー量に換算して計算する。
現像前のトナーとは、画像形成装置に備え付けてあるトナーを蓄える容器中のトナーのことであり、例えばトナーボトル中のトナーである。
現像後にクリーニングブレード部で回収されるトナーとは、現像手段により感光体に現像されたトナーが、クリーニングブレード部でクリーニングされるトナーである。実際の画像形成装置内でのクリーニングブレードでクリーニングされるトナー中のシリカを測定するで、感光体への外添剤の付着等によるトナーからのシリカの減少を直接的にみることができる。
本発明のトナー中の無機微粒子量は蛍光X線分析装置(例えば株式会社リガク社製 蛍光X線分析装置ZSX 400など)で測定することができる。以下測定例を説明する。
まず、検量線を作成する。
検量線用サンプルは一定量の樹脂と所定量の無機微粒子を有機溶媒中に混合・分散し、蛍光X線分析装置で測定できるよう、所定の型に流し込みペレット状のサンプルを形成する。そのサンプルを蛍光X線により測定し、シリカのピーク強度から検量線を作成する。
実サンプルであるトナー中のシリカ量を測定するには、検量線作成時に作製したペレット状のサンプル量と同じ重さのトナーを所定の型に入れ、圧を加え成型し同じ大きさにした後、蛍光X線分析装置を用い先と同様に測定を行う。
<クリーニングブレード>
本発明のクリーニングブレードは、被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面に付着した残留物を除去する弾性部材を有してなり、支持部材、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記クリーニングブレードは、支持部材と、該支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなることが好ましい。前記クリーニングブレードは、前記弾性部材の自由端側の一端である当接部が前記被清掃部材表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
図3は、本発明に係る画像形成装置に用いるクリーニングブレードの基本的構成例を示す斜視図である。図3(a)はクリーニングブレード62の全体図、図3(b)は弾性体ブレード622の拡大図である。また、図4は、本発明に係る画像形成装置の実施形態の構成を示す拡大断面図である。
クリーニングブレード62は、図3(a)、図4に示すように、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、長手方向が被清掃部材である感光体3の移動方向(回転方向)に直交する方向の長さ(幅)方向となり該感光体3の幅に対応する長さをもつ短冊形状の弾性体基材である弾性体ブレード622と、弾性体ブレード622の感光体3と当接する端部側の先端稜線部(先端コーナー部ともいう)62cを構成する先端面62aと感光体3に対向する主面であるブレード下面62bのそれぞれの一部に所定の膜厚で形成され、弾性体ブレード622よりも硬い硬化層623と、で構成されている。また、弾性体ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
<被清掃部材>
前記被清掃部材としては、その材質、形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。前記被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
前記被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体、などが挙げられる。
<残留物>
前記残留物としては、被清掃部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物、などが挙げられる。
<支持部材>
前記支持部材としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記支持部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
<弾性部材>
前記弾性部材としては、その形状、材質、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記弾性部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記弾性部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマー、などが好適である。
前記弾性部材は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてポリウレタンプレポリマーを調製し、該ポリウレタンプレポリマーに硬化剤、及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させたものを遠心成型によりシート状に成型後、常温放置、熟成したものを所定の寸法にて、平板状に裁断することにより、製造される。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、などが挙げられる。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフエニルメタン、4,4’−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコール;1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価又はそれ以上の多価アルコール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、などが挙げられる。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜0.5質量%が好ましく、0.05質量%〜0.3質量%がより好ましい。
前記弾性部材のJIS−A硬度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60度以上が好ましく、65度〜80度がより好ましい。前記JIS−A硬度が、60度未満であると、ブレード線圧が得られにくく、像担持体との当接部面積が拡大し易いため、クリーニング不良が発生することがある。
前記弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、JIS−A硬度の異なる2種類以上のゴムを一体成型した積層物を用いることが、耐摩耗性と追随性を両立できる点で好ましい。
ここで、前記弾性部材のJIS−A硬度は、例えば、高分子計器株式会社製 マイクロゴム硬度計 MD−1などを用いて測定することができる。
前記弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すうことができるが、23℃で、35%以下が好ましく、20%〜30%がより好ましい。前記反発弾性係数が、35%を超えると、クリーニングブレードの弾性部材にタック性が生じて、クリーニング不良が生じてしまうことがある。
ここで、前記弾性部材の反発弾性係数は、例えば、JIS K6255規格に準拠し、23℃において、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用いて測定することができる。
前記弾性部材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜3.0mmが好ましい。
前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部は、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含んでいる。
前記「当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含む」とは、前記当接部の表面だけでなく内部に含まれてもよく、前記当接部に表面層を形成した場合には、前記当接部の内部に含まれており、かつ当接部に表面層を形成している場合、なども含まれる。
また、前記弾性部材の少なくとも当接部に紫外線硬化性組成物の硬化物が含まれていれば、前記弾性部材の当接部以外の部位にも紫外線硬化性組成物の硬化物が含まれていてもかまわない。
<<紫外線硬化性組成物>>
前記紫外線硬化性組成物は、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物−
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しているので、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物を用いることができるので、前記弾性部材の当接部に含浸されやすく、前記当接部の硬度を効率よく向上させることができる。また、当接部に表面層を設けた場合には表面層の割れや剥がれを防止できる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の脂環構造の炭素数は、6〜12が好ましく、8〜10がより好ましい。前記炭素数が、6未満であると、当接部の硬度が弱くなることがあり、12を超えると、立体障害が起きる可能性がある。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数は、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。前記官能基数が、2未満であると、当接部の硬度が弱くなることがあり、6を超えると、立体障害が起きる可能性がある。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量は、500以下であることが好ましい。前記分子量が500を超えると、分子サイズが大きくなるため弾性部材に含浸しにくくなり、高硬度化が困難となることがある。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、官能基が少なくても特殊な環状構造により架橋点の不足を補うことができる点から、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、などが挙げられる。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:A−DCP(新中村化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレート、などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:X−DA(出光興産株式会社製)、商品名:X−A−201(出光興産株式会社製)、商品名:ADTM(三菱ガス化学株式会社製)、などが挙げられる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記紫外線硬化性組成物に対して、20質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、特殊な環状構造による高硬度化が損なわれてしまうことがある。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物(特に、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物又はアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。)が、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部に含まれていることは、例えば、赤外顕微鏡、又は液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
前記紫外線硬化性組成物は、前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物以外にも、分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物を含有することができる。
前記分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物が好ましい。
前記官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、重合禁止剤、希釈剤、などが挙げられる。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合を開始させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、などが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合開始剤が特に好ましい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物、などが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、イルガキュア 651、イルガキュア 184、DAROCUR 1173、イルガキュア 2959、イルガキュア 127、イルガキュア 907、イルガキュア 369、イルガキュア 379、DAROCUR TPO、イルガキュア 819、イルガキュア 784、イルガキュア OXE 01、イルガキュア OXE 02、イルガキュア 754(以上、チバ・スペシャリティーケミカルズ社製);Speedcure TPO(Lambson社製);KAYACURE DETX−S(日本化薬株式会社製);Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記紫外線硬化性組成物に対して、1質量%〜20質量%が好ましい。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物;p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジ−ブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物;フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸等のニトロ化合物;キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物;フェノチアジン等の硫黄化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−希釈剤−
前記希釈剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アセトン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;エタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性部材の当接部に、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含ませる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に記載する方法を挙げることができる。
(1)前記弾性部材の当接部に、前記紫外線硬化性組成物をハケ塗り、ディップ塗工等で含浸させた後、紫外線を照射して硬化させる方法
(2)前記弾性部材の当接部に紫外線硬化性組成物をハケ塗り、ディップ塗工等で含浸させた後、当接部に紫外線硬化性組成物をスプレー塗工して表面層を形成し、紫外線を照射し硬化させる方法
(3)前記弾性部材の当接部に紫外線硬化性組成物をハケ塗り、ディップ塗工等で含浸させた後、紫外線を照射し硬化させ、その後、当接部に紫外線硬化性組成物をスプレー塗工して表面層を形成する方法
これらの中でも、前記(1)の方法が好ましい。
前記紫外線の照射条件については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500mJ/cm〜5,000mJ/cmが好ましい。
本発明におけるクリーニングブレートは、クリーニングブレードの当接面及びカット面表面から厚み方向内側に100μmまでの領域に、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物、好ましくはアクリレート重合体が含浸している。
アクリレート重合体がクリーニングブレードの当接面及びカット面に含浸している深さが100μmより大きいと、クリーニングブレード全体の柔軟性が低下するため、クリーニング性が低下するとともに、クリーニングブレードの欠けも生じやすくなる。
クリーニングブレード母体(弾性体ブレード)の当接面及びカット面にアクリレート重合体を積層する(アクリレート重合体を含む硬化層を積層する)際には、アクリレートモノマーをクリーニングブレード母体にスプレー、ディッピング等の方法により含浸させ、しかる後にUV光、電子線等のエネルギー線を照射することで、クリーニングブレード母体の当接面及びカット面表面に硬化層が積層されると共に、クリーニングブレード母体中にアクリレート重合体を含浸させることができる。
エネルギー線を照射する際のクリーニングブレード付近の酸素濃度は、2%以下、好ましくは1%以下であることが好ましい。クリーニングブレード付近の酸素濃度が2%より高くなると、クリーニングブレード内部のアクリレートモノマーは、未反応あるいはオリゴマーにしかならないので、内部でのクリーニングブレードの強度を低下させてしまい、クリーニングブレードの欠けが生じやすく、好ましくない。
アクリレートモノマーや、必要によりアクリレートモノマーの粘度を下げる溶剤には、溶存酸素を通常含んでいるため、ヘリウムやアルゴン、窒素等の不活性ガスをバブリングしたり、減圧脱気を行うことにより、溶存酸素を除去していることが好ましい。
本発明に係わる画像形成装置においては上述したトナー外添剤無機微粒子、クリーニングブレード以外の構成部材は従来から公知のものが利用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて質量部を表わす。
<2成分現像剤の作製>
2成分系現像剤で画像を評価するに際しては、以下のようにして作製した、シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径35μmのフェライトキャリアを用いた。そして、キャリア100部に対し各色トナー7部を容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
(キャリアの製造)
・芯材 Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm) 5000部
・コート材
トルエン 450部
シリコーン樹脂SR2400 450部
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%)
アミノシランSH6020 8部
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)
カーボンブラック 10部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調整し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。
得られた塗布物を電気炉で180℃、2時間焼成し上記キャリアを得た。
(トナーの作製)
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、メタクリル酸166部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
加熱して、系内温度75℃まで昇温し3時間反応させた。
さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、70℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、75nmであった。
[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
該樹脂分のTgは60℃であり、重量平均分子量は11万であった。
〜水相の調製〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。
これを[水相1]とする。
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネートの質量%は、1.53%であった。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。
[ケチミン化合物1]のアミン価は417mgKOH/gであった。
〜マスターバッチ(MB)の合成〜
水600部、Pigment Blue 15:3 含水ケーキ(固形分50%)、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で45分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
〜油相の作成〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。
次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。
次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜乳化⇒脱溶剤〜
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
〜洗浄⇒乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。
その後、下記構造式のフッ素化合物を1wt%濃度で分散させた水溶媒槽中で、トナー母体に対してフッ素化合物が0.1wtになるように混合し、フッ素化合物を付着(結合)させた後、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥させた後、さらに30℃で10時間棚段にて乾燥させた。
その後目開き75μmメッシュで篩い[トナー母体粒子1]を得た。
Figure 2014199447
〜トナー母体への外添剤の添加〜
[トナー母体粒子1]100部に平均一次粒径19nmのシリカ1.0部(H−2000:クラリアント(株)製)を入れヘンシェルミキサー(三井鉱山社製 FM20C)にて混合し、次に平均一次粒径120nmのシリカを1.5部(X−24:信越化学工業製)を入れ同様に混合し、最後に平均一次粒径15nmのチタン0.7部(テイカ(株)製)入れ同様に混合し、トナーを得た。
混合条件は、周速30m/secで、30秒回転、60秒回転停止、のセットを3回繰り返して混合した。
上記のシアントナーと同様にして、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色トナーを作製した。
後述する画像形成試験ではこれらの4色のトナーをフルカラーが像形成装置に搭載した。
〜検量線の作成〜
遊離量測定のための検量線は、エチルセルロース100部に対して、平均一次粒径120nmのシリカを1部、2部、4部、6部、10部添加したサンプルをそれぞれ混合し、
圧を加えペレット状のサンプルを作成し、蛍光X線分析装置(例えば株式会社リガク社製 蛍光X線分析装置ZSX 400)で測定し、測定で得られるシリカのピーク強度に対するシリカ量のシリカ用検量線を作成した。
次にエチルセルロース100部に対して、平均一次粒子径が15nmのチタンを1部、2部、4部、6部、10部添加したサンプルをそれぞれ混合し、先と同様に測定を行い、チタン用検量線を作成した。
<クリーニングブレードの作製>
[弾性体ブレード]
弾性体ブレード(622)としては、25[℃]における物性が以下の物性となっているウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム:硬度68度、反発弾性率30[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴムの硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した。
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚さ4[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
(製造例1)
−弾性部材1の作製−
特開2011−141449号公報の参考例に記載のクリーニングブレードの作製方法を参照して、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材1とした。
得られた弾性部材1のJIS−A硬度は68度、反発弾性率は30%であった。
(製造例2)
−弾性部材2の作製−
特開2011−141449号公報の実施例1に記載のクリーニングブレードの作製方法を参照して、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの大きさの平板状の2層構造の弾性部材2を作製した。
得られた2層構造の弾性部材2の当接面側のJIS−A硬度は80度、反当接面側のJIS−A硬度は75度、反発弾性率は25%であった。
(調製例1)
−紫外線硬化性組成物1の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物1を調製した。
・下記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート・・50部
(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−DCP、官能基数2、分子量304)
Figure 2014199447
・重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55部
(調製例2)
−紫外線硬化性組成物2の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物2を調製した。
・下記構造式で表されるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物1(出光興産株式会社製、X−DA、官能基数2、分子量276〜304、1,3−アダマンタンジオールとアクリル酸との反応生成物)・・・・・・・・・・・・・50部

Figure 2014199447
ただし、式中、Rは水素原子、又はメチル基を表す。
・重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・55部
(調製例3)
−紫外線硬化性組成物3の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物3を調製した。
・下記構造式で表されるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物2(1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、出光興産株式会社製、X−A−201、官能基数2、分子量304)・・・・・・・・・・・・・・・・50部
Figure 2014199447
・重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55部
(調製例4)
−紫外線硬化性組成物4の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物4を調製した。
・下記構造式で表されるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物3(三菱ガス化学株式会社製、ダイヤピュレストADTM、官能基数3、分子量388)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50部
Figure 2014199447
・重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・55部
(調製例5)
−紫外線硬化性組成物5の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物5を調製した。
・前記調製例1で用いたトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、A−DCP、官能基数2、分子量304)・・・・・・25部
・下記構造式で表されるペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセルサイテック社製、PETIA、官能基数3、分子量298)・・・・・・・・・・25部
Figure 2014199447
・重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・55部
(調製例6)
−紫外線硬化性組成物6の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物6を調製した。
・前記調製例3で用いたアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物2(1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、出光興産株式会社製、X−A−201、官能基数2、分子量304)・・・・・・・・・・・・・・・25質量部
・前記調製例5で用いたペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセルサイテック社製、PETIA、官能基数3、分子量298)・・・・・・・・・・・25部
・重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55部
(調製例7)
−紫外線硬化性組成物7の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物7を調製した。
・前記調製例5で用いたペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセルサイテック社製、PETIA、官能基数3、分子量298)・・・・・・・・・・・50部
・重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55部
(調製例8)
−紫外線硬化性組成物8の調製−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物8を調製した。
・下記構造式で表されるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセルサイテック社製、DPHA、官能基数6、分子量578)・・・・・・・・・59部
Figure 2014199447
・重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55部
(実施例1〜11、比較例1〜10)
<クリーニングブレード1の作製>
前記紫外線硬化性組成物1の固形分濃度が50質量%となるように希釈剤(シクロヘキサノン)で希釈した液中に、前記弾性部材1の像担持体と当接する側の先端から2mmの部分を2時間浸漬した後、3分間風乾した。風乾後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、UVC−2534/1MNLC3)を用いて紫外線照射(140W/cm×5m/min×5パス)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
次に、表面硬化処理後の弾性部材1を支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、クリーニングブレード1を作製した。
次に、前記作製したクリーニングブレード1と上記2成分現像剤を、カラー複合機(imagio MP C5001、株式会社リコー製)に、所定の先端食い込み量(線圧)と取り付け角度にて取り付けた。なお、線圧と取り付け角度は、クリーニングブレードのサンプル種によって異なる。また、潤滑剤塗布装置は取り除いた。
前記カラー複合機(imagio MP C5001、株式会社リコー製)に、前記トナーを搭載して、21℃で65%RHの環境下、各色(Y,M,C,K)の画像濃度5%の画像(合計画像濃度20%)のチャート(A4サイズ横)を100P/Jで、10,000枚の出力を行った。その後、外添剤の遊離量[mg/g]、感光体のフィルミング、感光体の走行距離1km当たりの摩耗量[μm/km]、ブレード摩耗量[μm]、画像品質を評価して、実施例1とした。評価方法を下記に示す。
また表1の通りに外添剤、クリーニングブレードを変更して、実施例2〜11、比較例1〜10とした。
<遊離量の測定>外添剤遊離量測定のため、評価機内のクリーニングブレードに蓄積したトナーを回収した。回収したトナーを3g秤量し、ペレット状のサンプルを作製し、蛍光X線分析装置(株式会社リガク社製 蛍光X線分析装置ZSX 400)で測定した。実施例1では、実機評価前と評価後の差分から得られた外添剤のシリカの遊離量はトナー1gに対して3.0mg、チタンの遊離量は、トナー1gに対して0.5mg、外添剤の遊離量としては3000枚試験をした何れの装置も同様で、トナー1gに対して3.5mgであるトナーであった。その他は表1に示す。
<感光体のフィルミング観察>
10,000枚印刷終了後、キーエンス社製レーザマイクロスコープVK−9510で感光体の表面を観察し、フィルミングの発生有無を確認した。
<感光体摩耗量測定>
10,000枚印刷終了後、フィッシャー渦電流式膜厚測定機を用いて、感光体の摩耗量を測定した。感光体の摩耗は走行距離当たりの摩耗量[μm/km]で算出した。
<クリーニングブレード当接部の摩耗量>
前記10,000枚の出力を行った後、弾性部材の当接部の摩耗量を、図5に示すように弾性部材の先端面側から見た摩耗幅を、キーエンス社製レーザマイクロスコープVK−9510により測定した。
<画像品質>
各色の白紙画像、ベタ画像、中間調画像をプリントし、スジ状画像、汚れ画像、ムラ、ザラツキ等の異常画像の有無を確認し、異常画像の無いものを良好とした。
Figure 2014199447
表1の実施例1と比較例1、2とを対比すると、いずれも外添剤の遊離量がトナー1gに対して3mg以上である。
ところで、実施例1のクリーニングブレードは、クリーニングブレードの先端稜線部に分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むため感光体のフィルミングが発生していない。これに対し、比較例1、2のクリーニングブレードは、クリーニングブレートの先端稜線部が前記紫外線硬化組成物で処理されていないため感光体のフィルミングが早期に発生している。
この理由として、未処理のクリーニングブレードでは先端稜線部が柔らかいため、外添剤がクリーニングブレードに突入するときに、ブレードで感光体にこすりつけられフィルミングとなるが、先端稜線部を分子構造として環状構造を有している非常に硬いトリシクロデカンアクリレートを含む紫外線硬化樹脂で架橋構造を形成することで、先端稜線部が捲れず、外添剤がブレードに突入してもこすりつけずにフィルミングとならない。
次に、実施例2〜6と比較例3、4とを対比する。
実施例2〜6のクリーニングブレードは紫外線硬化組成物が環状構造を有するトリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有しているため、先端稜線部が非常に硬くなっており、実施例1と同様にフィルミングを大きく抑制させることが出来る。
これに対し、比較例3、4のクリーニングブレードは紫外線硬化組成物が環状構造を有しないためにフィルミングが発生している。
実施例7は弾性体ブレードとして2層構造を有する弾性部材2を用いたものであるが、実施例1のクリーニングブレードと同様にフィルミングが発生していない。
実施例8〜10及び比較例5、6は、外添剤量を変えたときのフィルミングの発生の有無を確認したものである。
実施例8、9は、外添剤量が多く外添剤が多量に遊離した状態においてもフィルミングを発生させないことを示している。
実施例10は外添剤の遊離量が3mg/gの場合においてもフィルミングが発生しないことを示している。
一方、比較例5、6は外添剤量が少なく、外添剤の遊離量が3mg/gを下まわるもおんであるが、この場合には、フィルミングの発生がないが、トナーの流動性が悪くなり、画像がざらつくようになっている。
実施例11と比較例7とを対比する。
実施例11と比較例7はいずれも2種類の外添剤を用いたものである。
実施例11のクリーニングブレードは、クリーニングブレードの先端稜線部に分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むため感光体のフィルミングが発生していない。これに対し、比較例7のクリーニングブレードは、クリーニングブレートの先端稜線部が前記紫外線硬化組成物で処理されていないため感光体のフィルミングが早期に発生している。
比較例8〜10は一種類の外添剤を用いたものであるが、初期から画像濃度が出ないため、感光体のフィルミング等の評価を継続しても意味がないため評価を行わなかった。
以上より、本発明の画像形成装置を用いることで、小粒径、低温定着、高い流動性を有するトナーを使用しても、耐シリカフィルミング性、耐シリカ凝集体固着性に優れ、長期に渡り高画質の画像を提供することが出来る。
また、本発明は下記の(1)の電子写真用トナーに係るものであるが、次の(2)〜(8)をも実施の形態として含む。
(1)像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して該像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
前記トナーが外添剤として平均一次粒径の異なる無機微粒子を2種類以上有し、前記無機微粒子の遊離量がトナー1gに対して3mg以上であり、
且つ前記クリーニングブレードは短冊形状の弾性体ブレードで構成され、
前記弾性体ブレードの前記像担持体の表面に当接する当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記無機微粒子として少なくともシリカを有することを特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数が2〜6であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量が500以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジメタクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする上記(5)に記載の画像形成装置。
(7)前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、及び1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする上記(5)に記載の画像形成装置。
(8)前記紫外線硬化性組成物が、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート構造を有する(メタ)アクリレート化合物を更に含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
(9)上記弾性体ブレードはJIS−A硬度の異なる2種類以上のゴムが一体成型によって積層されたものであることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して該像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において用いられる、少なくとも、前記現像装置と前記像担持体と前記クリーニング手段とが一体化されたプロセスカートリッジであって、
前記トナーが外添剤として平均一次粒径の異なる無機微粒子を2種類以上有し、前記無機微粒子の遊離量がトナー1gに対して3mg以上であり、
且つ前記クリーニングブレードは短冊形状の弾性体ブレードで構成され、前記弾性体ブレードの前記像担持体の表面に当接する当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。
1 プロセスカートリッジ
2 枠体
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
8 帯電クリーニングローラ
10 潤滑剤塗布装置
14 転写ベルト
23 像担持体
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
62 クリーニングブレード
62a 先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
262 クリーニングブレード
262a 先端面
262b ブレード下面
262c 先端稜線部
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 硬化層
特開2002−244314号公報 特開2002−351129号公報 特許第3129074号公報 特願2004−210093号公報 特開2006−215532号公報 特開2011−145458号公報 特開2012−83729号公報 特許第4722680号公報 特開2004−233818号公報

Claims (10)

  1. 像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して該像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記トナーが外添剤として平均一次粒径の異なる無機微粒子を2種類以上有し、前記無機微粒子の遊離量がトナー1gに対して3mg以上であり、
    且つ前記クリーニングブレードは短冊形状の弾性体ブレードで構成され、
    前記弾性体ブレードの前記像担持体の表面に当接する当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含む
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記無機微粒子として少なくともシリカを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数が2〜6であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量が500以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジメタクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、及び1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記紫外線硬化性組成物が、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート構造を有する(メタ)アクリレート化合物を更に含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記弾性体ブレードはJIS−A硬度の異なる2種類以上のゴムが一体成型によって積層されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して該像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において用いられる、少なくとも、前記現像装置と前記像担持体と前記クリーニング手段とが一体化されたプロセスカートリッジであって、
    前記トナーが外添剤として平均一次粒径の異なる無機微粒子を2種類以上有し、前記無機微粒子の遊離量がトナー1gに対して3mg以上であり、
    且つ前記クリーニングブレードは短冊形状の弾性体ブレードで構成され、前記弾性体ブレードの前記像担持体の表面に当接する当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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