JP2004217882A - 樹脂、磁気記録媒体用結合剤およびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

樹脂、磁気記録媒体用結合剤およびそれを用いた磁気記録媒体 Download PDF

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博俊 木津本
Kuniyuki Doi
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Abstract

【課題】分散性、特に超微粒子合金粉末の分散性に優れ、充填性、配向性、かつ磁性層の耐久性、耐摩耗性、耐熱性、非磁性支持体との接着性等に優れた磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶媒中で測定した極限粘度値と2−ブタノン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)混合溶媒中で測定した極限粘度値の差が0.06dl/g以下であり、かつ分子中にハロゲン原子を有しない事を特徴とする樹脂とそれを結合剤として用いた磁気記録媒体に関する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録媒体に関し、更に詳しくは分散性、特に強磁性微粒子合金粉末の分散性に優れ、かつ平滑な塗膜表面と薄膜で均一な厚みを有する記録層が非支持体上に形成されている磁気テープ、磁気ディスクなどの磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
汎用的磁気記録媒体である磁気テープ、フレキシブルディスクは長軸1μm以下の針状磁性粒子を分散剤、潤滑剤、帯電防止剤などの添加剤とともに結合剤溶液に分散させて磁気塗料を作り、これをポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布して作られている。
【0003】
磁性層の結合剤に要求される特性としては、磁性粒子の分散性、分散安定性、充填性、配向性、かつ磁性層の耐久性、耐摩耗性、耐熱性、非磁性支持体との接着性等が挙げられ、結合剤は非常に重要な役割を果たしている。
【0004】
従来より用いられている結合剤としては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテート・ブチレート、エポキシ樹脂あるいはアクリル樹脂等が使用されている。
【0005】
これらの樹脂のうちポリウレタン樹脂はウレタン結合による分子間水素結合により他の樹脂と比べて強靭性、耐摩耗性の特性が優れている、しかし従来のポリウレタン樹脂は磁性粉末の分散性能が低く、これを改良するために種々の研究がなされている。例えば、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールを含有するポリエステルポリオールから誘導されるウレタン樹脂を用いたもの(例えば特許文献1参照)、分岐鎖を有する多価アルコールを用いたポリウレタン樹脂(例えば特許文献2参照)がある。
【0006】
近年ビデオテープでは画質向上のため、オーディオテープでは音質向上を目的とし、磁性粉末は以前採用されてきた酸化鉄系に代わり、より微粒子の合金粉末系の開発が主流となった。磁性粒子が微細化すればするほど、また抗磁力が高くなるほど従来の結合剤では分散が困難になり、結合剤に対してますます磁性粒子分散性能の高いことが求められる様になった。上記従来技術での結合剤の分散性は微粒子化された合金粉末に対しては必ずしも満足できるものではなかった。
【0007】
また、最近の磁気記録媒体ではS/N比(シグナル/ノイズ比)の向上、高記録密度化のためにより微細化した磁性粒子を磁性層中に高充填し高配向させ、さらに磁性層厚みを極めて薄く塗布厚みを均一化し、かつ表面をより平滑にすることがこれまで以上に強く要求されている。
【0008】
この様な要求に対し、従来の様に支持体上に直接磁性層を単層塗布した場合、支持体フィルムの凹凸が磁性層表面に反映する等で、十分な表面平滑性が得られない、塗布層の強度が不足する、或いは十分な量の潤滑剤を蓄えられない等の問題が生じてきた。
【0009】
そこで上記問題点解決のため、支持体と磁性層の間に非磁性顔料を分散させた中間層が設けられる様になった。この中間層は多くの場合、その上の磁性層と同時に支持体上に重層塗布される(例えば非特許文献1参照)。
【0010】
上記重層塗布方式により得られる最近の磁性層の膜厚は0.2μm以下であり、一方その下の中間層は約1〜2μmの厚みを有する。これら磁性層、及び中間層の厚みは更に薄膜化される傾向にある。
【0011】
また従来よりテープ走行性の改良や帯電防止の目的で支持体に対し磁性層とは反対側に施されるバックコート層の厚みも0.5μm以下と極めて薄い。
【0012】
近年大型コンピューター等のバックアップテープとして用いられ種々データ記録用テープでは記録容量、信頼性向上は目覚ましく、これらテープに採用される磁性粒子は高度に微細化かつ均一化され、更に抗磁力が大幅に向上される傾向にある。この様な要求に対しては従来主流であった長軸径1μm以上の合金粉末に代わり、現在ではより高い磁気エネルギーを有する長軸径1μm未満の超微粒子強磁性合金粉末が採用されつつある。
近年、コンピューター用バックアップテープは需要が急増している。この様なデータストレイジテープでは、より高密度記録を達成するために上記超微粒子合金粉末を用い、極めて平滑で均一厚みの薄層磁性塗膜を形成する必要がある。そのためには磁性塗料中において上記超微粒子合金粉末の高分散状態が安定に持続されなければならず、結合剤樹脂には従来以上に分散性能が求められる様になって来た。
【0013】
この様な要求に対し、例えば特許文献3や特許文献4に記載の従来のSONa基を分子内に有するポリウレタン樹脂では磁気塗料の塗料粘度が高くなり、平滑な磁性塗膜面が形成出来なかった。また微細化された強磁性合金粉末の充填特性も不十分であった。
【0014】
次いで発案された特許文献5、特許文献6記載の結合剤樹脂では溶剤中での分子サイズの広がりにより、磁性粒子の再凝集が阻まれ、磁性塗料安定性が向上する。その結果、平滑な磁性塗膜面は得られやすくなった。しかし、より高記録密度化が進む最新コンピューター用バックアップテープに採用が検討されている上記超微粒子強磁性合金粉末に対しては尚、分散性が不十分で平滑で均一な薄層塗膜を形成する事が困難になりつつある。
【0015】
また、近年環境問題から磁気記録媒体からも塩化ビニル系共重合体等、ハロゲン原子を含有する構成成分を排除する試みがなされつつある。加えて上記バックアップテープでは記録時、及び読み取り時のヘッドに対する相対走行速度が益々スピードアップするなかで、ヘッド−磁性層界面で発生する摩擦熱が塩化ビニル系樹脂に脱塩酸反応を引き起こし、ヘッド腐食を引き起こす可能性も懸念されている。
【0016】
【特許文献1】
特開平2−240177号公報(問題点を解決するための手段)
【特許文献2】
特開平2−177020号(問題点を解決するための手段)
【特許文献3】
特開昭60−242516号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平4−356722号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】
特開2000−163736(段落番号[0011])
【特許文献6】
特開2000−163737(段落番号[0011]および[0012])
【非特許文献1】
塗装工学,Vol.26 No.10,日本塗装技術協会発行,1991年10月31日,p.465−472 山内恭久,飛沢誠一著
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は分散性、特に超微粒子合金粉末の分散性に優れ、充填性、配向性、かつ磁性層の耐久性、耐摩耗性、耐熱性、非磁性支持体との接着性等に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この様な背景の元で本発明の目的、すなわち高磁気エネルギーを有する微粒子化された磁性粒子を高度に分散安定化する事で表面平滑性に優れた磁性層を均一薄層塗布するための手段を鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の磁気記録媒体とそれに用いる結合剤である。
【0019】
第1の発明は、2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶媒中で測定した極限粘度値と2−ブタノン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)混合溶媒中で測定した極限粘度値の差が0.06dl/g以下であり、かつ分子中にハロゲン原子を有しない事を特徴とする樹脂である。
【0020】
第2の発明は、ポリ乳酸由来のエステル結合とさらにウレタン結合を分子内に併せ持つポリエステルウレタン樹脂である。
【0021】
第3の発明は、全酸成分を100モル%としたとき、酸成分の60モル%以上が炭素数1以上の側鎖を有する多価カルボン酸であるポリエステルジオールを分子内に含むポリウレタン樹脂である。
【0022】
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明に記載の樹脂を用いた磁気記録媒体用結合剤である。
【0023】
第5の発明は、磁性粉末を第4の発明に記載の結合剤中に分散させた磁性材料を非磁性支持体上に塗布した磁気記録媒体である。
【0024】
【発明の実施の形態】
極限粘度値がポリマーの分子量と相関性の有ることは古くから知られており、Houwick−Mark−桜田の粘度式は同族列のポリマーに関して極限粘度値([η]値)とポリマーの分子量(M)が下記式の様な関係にある事を示している。
[η]=KMν
[η]:極限粘度
K、ν:ポリマー、溶剤の種類及び温度によって変わるパラメーター
ここで同一ポリマーについて溶媒のみを変化させた時、得られる各溶剤における極限粘度([η])値はポリマーのその溶剤中における分子サイズを反映しており、極限粘度([η])値の相対的な大小関係と分子サイズの相対的大小関係が対応する。
磁気テープ、磁気ディスク等の磁性塗料用溶剤としては、一般にトルエン、2−ブタノン、シクロヘキサノンの内、2種混合或いは3種混合溶媒が用いられている。従来のポリウレタン、或いはポリエステル系結合剤樹脂では混合溶剤におけるシクロヘキサノンの混合比率を増加させると共に樹脂の極限粘度値は顕著に上昇する傾向にあった。このことは結合剤分子の溶媒中でのコンホメーション構造が溶剤組成により容易に変化する比較的不安定な構造を有していると考えられる。
【0025】
この3種類の溶媒の比率とその溶媒を用いた極限粘度値を比較することにより強磁性粉末分散性と深い相関があることを見出した。すなわち、本発明の結合剤樹脂では溶剤組成の変化に関わらず結合剤分子はほぼ一定の分子サイズを維持しており、上記従来型結合剤樹脂に比較してより安定なコンホメーション構造を有していると想像出来る。本発明の発明者らは、本発明の結合剤樹脂を用いて得られた磁性塗料が極めて優れた分散安定性を発揮する理由として、この様な安定なコンホメーション構造が一度分散された磁性粒子どうしの再凝集を効果的に抑制するためと考えた。
【0026】
第1の発明は2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶媒中、及び2−ブタノン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)混合溶媒中各々で測定された極限粘度値の差が0.06dl/g以下の樹脂である。好ましくは0.05dl/g以下、さらに好ましくは0.04dl/g以下、次に好ましくは0.03dl/g以下、最も好ましくは0.02dl/g以下である。下限は限定されず0.00dl/gが最も好ましい。なお、2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶媒中、及び2−ブタノン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)混合溶媒中各々で測定された極限粘度値の差が0.06dl/g以下を示せば良く、具体的には両結果の差が−0.06〜+0.06dl/gの範囲にあれば良いとの意味である。
【0027】
このような結合剤樹脂としては、例えば不斉炭素原子を有するモノマー化合物を不斉重合する事により、或いは光学不活性なモノマー又は、アキラルなモノマーと光学活性なモノマーとを共重合する事により、得られる様なラセン高分子やこの様な構造単位を分子鎖中に有したポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。或いはポリペプチドや、デンプンの構成成分であるアミロースの様な天然に存在するある種の生体関連高分子は同様のラセン構造を有しており、これら構造単位を分子中に有したポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂も同様の効果が期待出来る。
【0028】
これらの内、特に第2の発明であるポリ乳酸構造単位を分子中に有するポリウレタン樹脂が好ましい。ポリ乳酸樹脂は光学活性を有するラクチド環状モノマーを開環重合して得られる。開始剤としては種々ジオール化合物を挙げる事が出来るが、好ましくは分子中にスルホン酸金属塩基を有しているジオール化合物が好ましい。例えば、5−ナトリウムイソフタル酸へのエチレングリコールの1:2モル縮合付加物或いは5−ナトリウムイソフタル酸へのヒドロキシネオペンチルピバレートの1:2縮合付加物が特に好ましい。分子中にスルホン酸金属塩基を導入しておく事は磁性粒子等の無機粒子の分散性能を付与する目的から効果的な手段である。
【0029】
また、得られた結合剤樹脂の硬化反応性を向上させる目的から開始剤成分として、3官能以上の水酸基を有する多官能ポリオール化合物を開始剤成分とする事も得られる磁気記録媒体の耐久性向上のため、有効な手段である。上記多官能ポリオール化合物としては、トリメタノールプロパン、グリセリン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセリン等が挙げられるがこれらのうち、ポリグリセリンが好ましい。
【0030】
また、本発明の結合剤樹脂としては、上記ラクチド環状モノマーを同様に開環重合する事で得られた分子量数千のポリ乳酸ジオールをポリイソシアネート化合物及び必要により分子中にイソシアネート基と反応性を有する反応性基を少なくとも2個有する分子量500以下の化合物を鎖長延長剤として反応させる事で、ポリ乳酸骨格セグメントを分子中に有するポリウレタン樹脂を得る事が出来る。
【0031】
上記ポリウレタン樹脂に用いられるポリイソシアネート化合物としては2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添加物等の脂肪族、脂環族系ポリイソシアネートが挙げられる。これらの内、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートは汎用性と得られるポリウレタン樹脂の溶剤溶解性を悪化させないといった点で好ましい。
【0032】
上記ポリウレタン樹脂に用いられる分子中にイソシアネート基と反応性を有する反応性基を少なくとも2個有する分子量500以下の化合物とは1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−nブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族系ジオール類や1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等の脂環族系グリコール類が挙げられる。或いは種々ジアミン化合物、アミノアルコール等も使用しても良い。これらの中では特にネオペンチルグリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−nブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールは高濃度で共重合した際にもポリウレタン樹脂の溶剤溶解性を損なわず、結果として磁性粉等の無機顔料の分散性を低下させないといった理由から好ましい。
【0033】
また、得られるポリウレタン樹脂の硬化反応性向上を目的に以下化合物により、ポリウレタン分子の側鎖に水酸基を導入する事は極めて有効な手段となる。すなわちN,N’−ビス(2ヒドロキシエチル)−m−キシレンジアミン、N,N’−ビス(2ヒドロキシプロピル)−m−キシレンジアミン等の1分子中に2個の2級アミノ基と2個の水酸基を有する化合物をこの2級アミノ基とほぼ当モル量のイソシアネート基濃度を有する末端イソシアネート基プレポリマーと反応させる事により、直鎖状分子の側鎖に水酸基が垂れ下がった構造のポリウレタン−ウレア樹脂が得られる。
【0034】
また、第1の発明の他の例としては、全酸成分を100モル%としたとき、酸成分の60モル%以上が炭素数1以上の側鎖を有する多価カルボン酸であるポリエステルジオールを分子内に含むポリウレタン樹脂が挙げられる(以下第3の発明と言う)。炭素数1以上の側鎖を有する多価カルボン酸とは、側鎖基としてアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、或いは脂環族構造を有する脂肪族二塩基酸化合物、例えばドデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、イタコン酸、ダイマー酸、これら二塩基酸無水物やジアルキルエステル化合物等が挙げられる。これらの内、樹脂中単位重量当たりの側鎖基濃度が高くなるドデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、これらの無水物、ジアルキルエステル化合物が一度分散された磁性粒子どうしの再凝集を効果的に抑制するので好ましい。炭素数1以上の側鎖を有するジカルボン酸の好ましい下限は80モル%、好ましい上限は98モル%である。
【0035】
上記側鎖を有する多価カルボン酸の代わりに例えばフマル酸、マレイン酸を酸成分とするポリエステルジオールを主原料とするポリウレタン樹脂を重合した後で、ポリウレタン主鎖中に組み込まれた不飽和結合に対し、付加反応により、側鎖基を導入する事も有効な手段である。また、上記イタコン酸を酸成分とするポリエステルジオールを用いてポリウレタン樹脂を重合した後で、イタコン酸骨格の不飽和結合に対し、同様の付加反応により、更に側鎖を延長させる事も可能である。
【0036】
上記測鎖を有する多価カルボン酸化合物と共重合して用いられるその他の多価カルボン酸成分としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族系二塩基酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸又はその無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸又はその無水物等の脂環族系化合物、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル酸、1,5−ナフタル酸等の芳香族系二塩基酸が挙げられるが、生成した樹脂中の単位重量当たり側鎖基濃度が高くなるコハク酸、グルタル酸、アジピン酸が好ましい。
【0037】
また上記以外の多価カルボン酸化合物として、5−スルホイソフタル酸金属塩化合物、4−スルホテレフタル酸金属塩化合物等のスルホン酸金属塩基を有する化合物を共重合する事は磁気記録媒体結合剤として重要な要求性能である磁性粒子分散性能を付与する目的で極めて有効な手段である。更にトリメリット酸、ピロメリット酸の様な3官能以上の多価カルボン酸化合物を得られるポリウレタン樹脂がゲル化しない範囲で少量共重合する事で、得られるポリウレタン樹脂の硬化剤反応性を向上させる事が出来る。
【0038】
第3の発明のポリエステルジオール原料に用いられるグリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−nブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族系ジオール類や1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等の脂環族系グリコール類が挙げられる。これらの内、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールが最終生成物であるポリウレタン樹脂中での単位重量当たりの側鎖基濃度を高く出来るため好ましく、これらの内1,2−プロピレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールを用いるとさらにその効果が高められる。
【0039】
第3の発明に用いるポリエステルジオールの分子量は200〜5000が好ましく、更に好ましくは200〜3000、最も好ましくは200〜2000である。分子量が5000を越えると得られるポリウレタン樹脂中のウレタン結合濃度が低下し、樹脂の強靱性が不足することがある。一方200未満では得られるポリウレタン樹脂中のウレタン結合基濃度が高すぎるため、汎用溶剤に対する溶解性が低下し、磁性粒子分散性能が悪化するおそれがある。
【0040】
上記ポリウレタン樹脂に用いられるポリイソシアネート化合物としては2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添加物等の脂肪族、脂環族系ポリイソシアネートが挙げられる。これらの内、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートは汎用性と得られるポリウレタン樹脂の溶剤溶解性を悪化させないといった点で好ましい。
【0041】
第3の発明に記載のポリウレタン樹脂には必要に応じて、イソシアネート基と反応性を有する官能基を2個以上有する分子量500未満の化合物を鎖長延長剤として用いる事が出来る。イソシアネート基と反応性を有する官能基を2個以上有する分子量500未満の化合物とは例えば上記ポリエステルジオール原料のグリコール成分の例として挙げた化合物の他、種々ジアミン化合物、アミノアルコール等も使用しても良い。或いは得られるポリウレタン樹脂の硬化反応性向上を目的にイソシアネート基と反応性を有する官能基を3個以上有する化合物を得られるポリウレタンがゲル化しない範囲で用いる事が出来る。イソシアネート基と反応性を有する官能基を3個以上有する化合物としては例えばトリメタノールプロパン、グリセリン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0042】
また、同様の目的で以下化合物により、ポリウレタン分子の側鎖に水酸基を多量に導入する事は極めて有効な手段となる。すなわちN,N’−ビス(2ヒドロキシエチル)−m−キシレンジアミン、N,N’−ビス(2ヒドロキシプロピル)−m−キシレンジアミン等の1分子中に2個の2級アミノ基と2個の水酸基を有する化合物をこの2級アミノ基とほぼ当モル量のイソシアネート基濃度を有する末端イソシアネート基プレポリマーと反応させる事により、直鎖状分子の側鎖に水酸基が垂れ下がった構造のポリウレタン−ウレア樹脂が得られる。
【0043】
本発明の結合剤樹脂の数平均分子量は5000以上、40000未満が好ましい。さらに好ましい下限は7000以上、より好ましくは10000以上、最も好ましくは15000以上である。一方さらに好ましい上限は35000未満、最も好ましい上限は30000未満である。5000以下では結合剤樹脂の機械的強度が低下し、得られる磁気記録層の耐久性が不足する虞がある。一方、40000以上では磁気塗料粘度が高くなり、塗膜表面が平滑で均一な塗布厚を有した磁性記録層が得られないことがある。また作業性、磁性粉・研磨剤・カーボンブラック等の分散性も悪化する場合がある。
【0044】
本発明においては、本発明で用いる結合剤樹脂以外に、可撓性の調節、耐寒性、耐久性向上などの目的のために、他の樹脂を添加するか、及び/または反応して架橋する化合物を混合することが望ましい。他の樹脂としては、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体等が挙げられる。
【0045】
一方、本発明の結合剤樹脂と架橋による硬化反応を起こす化合物としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等があり、特にこれらの中でポリイソシアネート化合物が好ましい。
【0046】
本発明の磁気記録媒体には必要に応じてジブチルフタレート、トリフェニルホスフェートのような可塑剤、ジオクチルスルホナトリウムサクシネート、t−ブチルフェノール・ポリエチレンエーテル、エチルナフタレン・スルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネート、ステアリン酸亜鉛、大豆油レシチン、シリコーンオイルその他、長鎖脂肪族酸やそのエステル化合物のような潤滑剤や種々の帯電防止剤を添加することもできる。
【0047】
本発明に用いられる結合剤樹脂は、2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶媒中で測定した極限粘度値と2−ブタノン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)混合溶媒中で測定した極限粘度値の差が0.06dl/g以下である事を特徴とする。すなわち溶剤組成の影響をほとんど受けることの無い安定なコンホメーション構造を有しており、この事が微粒子化された強磁性粒子の分散安定化に効果的な作用を発揮する。加えて、環境汚染の原因と言われているハロゲン成分も含有しないことも特徴である。
【0048】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に例示する。実施例中単に部とあるのは重量部を示す。
尚、以下合成例、比較合成例で得られた結合剤樹脂の組成、その他特性を表1、2、3に示した。
【0049】
以下の記載および表中の略号は以下の通りである。
DSA:ドデセニル無水コハク酸
OSA:オクタデセニル無水コハク酸
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
AA:アジピン酸
SIPA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
NPG:ネオペンチルグリコール
HPN:2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート
EG:エチレングリコール
2MG:2−メチル−1,3−プロピレングリコール
HD:1,6−ヘキサンジオール
CHDM:シクロヘキサノンジメタノール
TMP:トリメチロールプロパン
MXDA−2PO:N,N’−ビス(2ヒドロキシプロピル)−m−キシレンジアミン
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
HDI:1,6−n−ヘキサンジイソシアネート
PCL−2000:分子量2000のポリカプロラクトンジオール
MEK:2−ブタノン
【0050】
[結合剤樹脂の極限粘度([η]値)の測定]
ウベローデ型粘度管を用い、2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)と2−ブタノン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の2種溶剤組成において、それぞれポリマー濃度0.2g/dl、0.4g/dl、0.6g/dl、0.8g/dl、1.0g/dlで30.0℃における溶液落下秒数を測定し、以下計算式により還元粘度(ηsp/c)を測定した。
【0051】
【数1】
Figure 2004217882
:溶液の落下秒数
:溶剤のみの落下秒数
C:溶液濃度(g/dl)
得られた還元粘度値のHugginsプロットの外挿値から極限粘度値([η]値)を求めた。
【0052】
[ポリ乳酸ジオール、ポリエステルジオールの水酸基価]
ジオール:50gをトルエン:60g、2−ブタノン:60gの混合溶剤に溶解し、MDI:50gを加え、80℃で2時間反応させた。ついで、反応液中の残存イソシアネート基濃度を滴定により定量し、水酸基価を求めた。水酸基価の値は樹脂固形分1tonあたりの当量数で表した。
【0053】
[ポリ乳酸ジオール、ポリエステルジオールの酸価]
樹脂0.2gを20mlのクロロホルムに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。酸価の値は上記水酸基価同様、樹脂固形分1tonあたりの当量数で表した。
【0054】
[結合剤樹脂の数平均分子量]
テトラヒドロフランを溶離液としたウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150cを用いて、カラム温度35℃、流量1ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただしカラムは昭和電工(株)shodex KF−802、804、806を用いた。
【0055】
[結合剤樹脂のガラス転移温度]
セイコーインスツルメンツ(株)製、示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、昇温速度20℃/分にて測定することにより求めた。
【0056】
[樹脂の組成]
重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、H−NMR分析を行なって決定した。
【0057】
[合成例−1 結合剤樹脂Aの重合]
ドデセニルコハク酸無水物253部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル15部と2−メチル−1,3−プロピレングリコール180部を攪拌機、リービッヒ冷却管、温度計を具備した4つ口フラスコに入れ、触媒としてTBTを0.1部添加し、Nガス注入下240℃で約6時間攪拌反応させた。生成する水/メタノール混合物を溜去させ、ポリエステルジオールaを得た。水酸基価、酸価、樹脂組成を測定し結果を表1及び以下に示した。
水酸基価:4500eq/ton
酸価:16eq/ton
組成:DSA/SIPA//2MG=95/5//188
次いで4つ口フラスコに上記得られたポリエステルジオールa100部をMEK100部に溶解させ、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート55部を加え、75℃で2時間反応後MEKを132部加えて希釈し、更に3時間反応を継続させて終了し、結合剤樹脂Aを得た。得られた樹脂の分子量、ガラス転移温度を表2に示した。
【0058】
[合成例−2 結合剤樹脂Bの重合]
合成例−1で用いたポリエステルジオールa200部を2−ブタノン/トルエン/シクロヘキサノン=30/30/40(重量比)混合溶媒340部に溶解し、次いで140部の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを添加して、70℃で2時間反応させ、イソシアネート末端プレポリマーを得た。更に上記混合溶媒453部を追加し、溶液温度を室温まで下げた。この溶液に同様の混合溶媒に30wt%濃度で溶解したN,N’−ビス(2ヒドロキシプロピル)−m−キシレンジアミン溶液96部を室温の条件で加え、30分間室温で攪拌した。次いで60℃で1時間攪拌しつつ加温し、目標の結合剤樹脂−Bを得た。得られた樹脂の特性を表2に示した。
【0059】
[合成例−3 結合剤樹脂Cの重合]
オクタデセニルコハク酸無水物332部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム15部と2−メチル−1,3−プロピレングリコール180部を攪拌機、リービッヒ冷却管、温度計を具備した4つ口フラスコに入れ、触媒としてTBTを0.1部添加し、Nガス注入下240℃で約6時間攪拌反応させた。生成する水/メタノール混合物を溜去させ、ポリエステルジオールbを得た。水酸基価、酸価、樹脂組成を測定し結果を表1及び以下に示した。
水酸基価:3850eq/ton
酸価:12eq/ton
組成:DSA/SIPA//2MG=95/5//191
次いで4つ口フラスコに上記得られたポリエステルジオールb、100部をMEK100部に溶解させ、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート46部を加え、75℃で2時間反応後MEKを120部加えて希釈し、更に3時間反応を継続させて終了し、結合剤樹脂Cを得た。得られた樹脂の分子量、ガラス転移温度を表2に示した。
【0060】
[合成例−4 結合剤樹脂Dの重合]
合成例−3で用いたポリエステルジオールb200部を2−ブタノン310部に溶解し、次いで110部の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを添加して、70℃で2時間反応させ、イソシアネート末端プレポリマーを得た。更に2−ブタノン170部を追加、次いでトリメチロールプロパン10部を加え、70℃で90分間攪拌し、目標の結合剤樹脂−Dを得た。得られた樹脂の特性を表2に示した。
【0061】
[合成例−5 結合剤樹脂Eの重合]
L−ラクチド700部、DL−ラクチド300部、及びSIPAとHPNの1:3(モル比)縮合生成物75部を4つ口フラスコに加え、ラクチド開環触媒としてオクチル酸スズ0.2部存在下、窒素雰囲気下で180℃に加熱攪拌し、3時間開環重合反応を進行させた。その後、未反応ラクチドモノマーを減圧下に溜去させ、結合剤樹脂Eを得た。得られた樹脂の特性を表2に示した。
【0062】
[合成例−6 結合剤樹脂Fの重合]
L−ラクチド700部、DL−ラクチド300部、及び重合度が10のポリグリセリン(ダイセル化学工業(株)製;水酸基価850KOHmg/g)10重量部、ラクチド開環触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート1部を4つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下で180℃に加熱攪拌し、3時間開環重合反応を進行させた。その後、未反応ラクチドモノマーを減圧下に溜去させ、結合剤樹脂Fを得た。得られた樹脂の特性を表2に示した。
【0063】
[合成例−7 結合剤樹脂Gの重合]
L−ラクチド700部、DL−ラクチド300部、及びDEIS(田岡化学製;SIPAとEGの1:2モル比縮合生成物)30部、ラクチド開環触媒としてオクチル酸スズ0.2部を4つ口フラスコに仕込み180℃で3時間、ラクチド開環反応を進行させた。次いで未反応ラクチドモノマーを減圧下に溜去し、以下のポリ乳酸ジオールcを得た。
水酸基価:800eq/ton
酸価:16eq/ton
上記ポリ乳酸ジオールc200部をMEK/トルエン/シクロヘキサノン:30/30/40(wt比)混合溶媒240部に溶解し、次いで40gの4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを添加し、70℃で2時間反応させ、イソシアネート末端プレポリマーを得た。更に上記混合溶媒320gを追加し、溶液温度を室温まで下げた。この溶液に同様の混合溶媒に30重量%濃度で溶解したN,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−m−キシレンジアミン溶液70gを室温の条件で加え、30分間加熱せずに攪拌した。次いで60℃で1時間攪拌し、目標の結合剤樹脂Gを得た。得られた樹脂の特性を表2に示した。
【0064】
[比較合成例−1 結合剤樹脂H(ポリウレタン)の重合]
攪拌機、リービッヒ冷却管、温度計を具備した4つ口フラスコにセバシン酸192部、5−スルホイソフタル酸ジメチル15部、ネオペンチルグリコール218部を仕込み、テトラブチルチタネートを0.1部添加し、Nガス注入下250℃で約8時間攪拌反応させた。生成する水/メタノール混合物を溜去させ、ポリエステルジオールdを得た。水酸基価、酸価、樹脂組成を測定し結果を表1及び以下に示した。
水酸基価:5300eq/ton
酸価:9eq/ton
組成:SA/SIPA//NPG=95/5//195
次いで4つ口フラスコに上記得られたポリエステルジオールd100部をMEK160部に溶解させ、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート63部を加え、75℃で2時間反応後MEKを83部加えて希釈し、更に3時間反応を継続させて終了し、結合剤樹脂Hを得た。得られた樹脂の分子量、ガラス転移温度を表3に示した。
【0065】
[比較合成例−2 結合剤樹脂I(ポリウレタン)の重合]
同様の四つ口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸91部、5−スルホイソフタル酸ジメチル9部、ネオペンチルグリコール73部、及びエチレングリコール81部を仕込み、テトラブチルチタネートを0.1部添加し、180℃でエステル交換反応を開始した。3時間で反応系温度を230℃まで上昇させ、約64部のメタノール溜出確認後、反応系を減圧下に250℃まで昇温し、縮合反応により生成したエチレングリコールを溜去しつつ約25分間反応進行させ終了した。得られたポリエステルジオールeの特性を表−1及び以下に示した。
水酸基価 :1000eq/ton
酸価:8eq/ton
組成:TPA/IPA/SIPA//NPG/EG=50/47/3//45/55
上記ポリエステルジオール200部、ネオペンチルグリコール10部を2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶液250部に均一溶解し、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート48部及び反応触媒としてジブチルチンジラウレート0.05部添加し、70℃×1時間攪拌後2−ブタノン/トルエン=50/50混合溶媒350部追加し、更に70℃×3時間攪拌後、反応を終了した。得られた結合剤樹脂−Iの特性を表3に示した。
【0066】
[比較合成例−3 結合剤樹脂J(ポリウレタン)の重合]
比較合成例−2で用いたポリエステルジオールe200部を2−ブタノン/トルエン/シクロヘキサノン=30/30/40(重量比)混合溶媒280部に溶解し、次いで46部の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを添加して、70℃で2時間反応させ、イソシアネート末端プレポリマーを得た。更に上記混合溶媒294部を追加し、溶液温度を室温まで下げた。この溶液に同様の混合溶媒に30wt%濃度で溶解したN,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−m−キシレンジアミン溶液33部を室温の条件で加え、30分間室温で攪拌した。次いで60℃で1時間攪拌しつつ加温し、目標の結合剤樹脂−Jを得た。得られた樹脂の特性を表3に示した。
【0067】
[比較合成例−4 結合剤樹脂K(ポリウレタン)の重合]
比較合成例−1と同様のフラスコにアジピン酸283部、5−スルホイソフタル酸ジメチル18部、ネオペンチルグリコール172部、1,6−ヘキサンジオール159部及びテトラメチルチタネート0.2部添加し、170℃でエステル交換反応を開始した。3時間で反応系温度を230℃まで上昇させ、約70部の水溜出確認後、反応系を減圧下に240℃まで昇温し、縮合反応により生成したグリコールを溜去しつつ約25分間反応を進行させ、終了した。得られたポリエステルジオールfの特性を表1及び以下に示した。
水酸基価 :940eq/ton
酸価:3eq/ton
組成:AA/SIPA//NPG/HD=97/3//50/50
上記ポリエステルジオールf、100部、ネオペンチルグリコール5部、及び1,6−ヘキサンジオール3部を2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶液128部に均一溶解し、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート20部及び反応触媒としてジブチルチンジラウレート0.02部添加し、70℃で1時間攪拌後2−ブタノン/トルエン=50/50混合溶媒170部追加し、更に70℃で3時間攪拌後、反応を終了した。得られた結合剤樹脂−Kの特性を表3に示した。
【0068】
[比較合成例−5 結合剤樹脂L(ポリウレタン)の重合]
比較合成例−1と同様のフラスコに無水フタル酸281部、5−スルホイソフタル酸ジメチル27部、ネオペンチルグリコール270部、1,6−ヘキサンジオール142部、シクロへキサンジメタノール115部及びテトラブチルチタネート0.2部添加し、190℃でエステル交換反応を開始した。3時間で反応系温度を230℃まで上昇させ、約40部の水/メタノールの溜出確認後、反応系を減圧下に240℃まで昇温し、縮合反応により生成したエチレングリコールを溜去しつつ約25分間反応進行させ終了した。得られたポリエステルジオールgの特性を表1及び以下に示した。
水酸基価:3330eq/ton
酸価:6eq/ton
組成:OPA/SIPA//NPG/HD/CHDM=95.5/4.5//60/26/14
上記ポリエステルジオールg100部と2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート15部を2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶液170部に均一溶解し、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート59部及び反応触媒としてジブチルチンジラウレート0.06部添加し、70℃、1時間攪拌後2−ブタノン/トルエン=50/50混合溶媒236部追加し、更に70℃×3時間攪拌後、反応を終了した。得られた結合剤樹脂−Lの特性を表3に示した。
【0069】
[比較合成例−6 結合剤樹脂M(ポリウレタン)の重合]
比較合成例5で用いたポリエステルジオールg100部、分子量2000のポリカプロラクトンジオール80部(ダイセル化学工業(株)製プラクセルP−220)及び2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート25部を2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶液300部に均一溶解し、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート81部及び反応触媒としてジブチルチンジラウレート0.06部添加し、70℃、1時間攪拌後2−ブタノン/トルエン=50/50混合溶媒367部追加し、更に70℃で3時間攪拌後、反応を終了した。得られた結合剤樹脂−Mの特性を表3に示した。
【0070】
【表1】
Figure 2004217882
【0071】
【表2】
Figure 2004217882
【0072】
【表3】
Figure 2004217882
【0073】
[実施例−1]
下記配合組成物を、ガラスビーズを用いてペイントシェーカーで6時間分散させ次いでコロネートL(日本ポリウレタン工業社製硬化剤)を1.2部追加して更に15分間分散させた。
配合組成
結合剤樹脂A : 3部
メタル粉※ : 12部
2−ブタノン : 18部
トルエン : 12部
シクロヘキサノン : 8部
ガラスビーズ(2mm) : 40部
コロネート−L : 1.2部(後添加)
※メタル粉・・・・長軸径:1.0μm、BET:58m/g
【0074】
分散終了直後に得られた磁気塗料を50μm厚PETフィルム上に乾燥後塗布厚みが10μmになるよう塗布し、100℃×10分間熱風乾燥機で溶剤を乾燥除去させ、磁性塗膜表面のGloss値及び塗膜表面平滑性の評価を実施した。磁性塗膜のGloss値は60度光沢計を用い測定した。塗膜表面の平滑性は触針計により測定した。
上記磁性塗料調製してから3時間後に再度測定用サンプル作成を実施し、同様な評価を行った。その測定結果を表4に示した。上記、分散直後と分散後3時間の測定結果を比較する事で磁気塗料分散安定性の評価指標とした。
【0075】
[実施例−2〜7]
上記実施例−1と同様条件で、結合剤樹脂−Aのみを結合剤樹脂−B〜Gに置き換え、各々実施例−2〜7として同様の評価を実施した。得られた結果を表4に示した。
【0076】
[比較例−1〜6]
上記実施例−1と同様条件で、結合剤樹脂−Aのみを結合剤樹脂−H〜Mに換え、各々比較例−1〜6として同様の評価を実施した。得られた結果を表4に示した。
【0077】
【表4】
Figure 2004217882
【0078】
表4より実施例1〜7は比較例1〜6に比べて、分散液の安定性に優れていることがわかる。
【0079】
【発明の効果】
本発明の樹脂は2−ブタノン、トルエン、シクロヘキサノンの混合溶剤の組成比によらず安定した一定の分子サイズを有している事が極限粘度値([η]値)の測定結果から示唆される。この事が一度分散された強磁性金属微粒子の再凝集を妨げるため、磁性塗料の分散安定性が保持されるものと考えられる。このように本発明の結合剤を用いた磁性塗料は、従来知られた結合剤では達成し得なかった強磁性超微粒子の分散性に優れ、かつ塗膜表面性にも優れた磁性層を形成することが可能である。

Claims (5)

  1. 2−ブタノン/トルエン=50/50(重量比)混合溶媒中で測定した極限粘度値と2−ブタノン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)混合溶媒中で測定した極限粘度値の差が0.06dl/g以下であり、かつ分子中にハロゲン原子を有しない事を特徴とする樹脂。
  2. ポリ乳酸由来のエステル結合とさらにウレタン結合を分子内に併せ持つポリエステルウレタン樹脂。
  3. 全酸成分を100モル%としたとき、酸成分の60モル%以上が炭素数1以上の側鎖を有する多価カルボン酸であるポリエステルジオールを分子内に含むポリウレタン樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂を用いた磁気記録媒体用結合剤。
  5. 磁性粉末を請求項4記載の結合剤中に分散させた磁性材料を非磁性支持体上に塗布した磁気記録媒体。
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