JP2001229523A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001229523A
JP2001229523A JP2000032227A JP2000032227A JP2001229523A JP 2001229523 A JP2001229523 A JP 2001229523A JP 2000032227 A JP2000032227 A JP 2000032227A JP 2000032227 A JP2000032227 A JP 2000032227A JP 2001229523 A JP2001229523 A JP 2001229523A
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acid
polyurethane resin
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glycol
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JP2000032227A
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Hirotoshi Kitsumoto
博俊 木津本
Tsuyoshi Hachitsuka
剛志 八塚
Junko Nakao
淳子 中尾
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平滑でかつ高充填、高耐久性を兼ね備えた磁
性層を有する磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性
材料を非磁性支持体上に塗布した磁気記録媒体において
この結合剤成分が、全酸成分中の50モル%以上が脂環
族系二塩基酸から成り、かつ全グリコール成分中の50
モル%以上が脂環族系グリコールからなるポリエステル
ジオールを主原料とするポリウレタン樹脂を含む事を特
徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、更に詳しくは分散性、特に充填性に優れ、かつ平滑
な塗膜表面を有し、耐久性、耐摩耗性にも優れた磁気テ
ープ、磁気ディスクなどの磁気記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】汎用的磁気記録媒体である磁気テープ、
フロッピィディスクは長軸1μm以下の針状磁性粒子を
分散剤、潤滑剤、帯電防止剤などの添加剤とともに結合
剤溶液に分散させて磁気塗料を作り、これをポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに塗布して作られている。
【0003】磁性層の結合剤に要求される特性として
は、磁性粒子の分散性、分散安定性、充填性、配向性、
かつ磁性層の耐久性、耐摩耗性、耐熱性、非磁性支持体
との接着性等が挙げられ、結合剤は非常に重要な役割を
果たしている。
【0004】従来より用いられている結合剤としては、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル・塩化ビ
ニリデン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ニトロセ
ルロース、セルロースアセテート・ブチレート、エポキ
シ樹脂あるいはアクリル樹脂等が使用されている。
【0005】これらの樹脂のうちポリウレタン樹脂はウ
レタン結合による分子間水素結合により他の樹脂と比べ
て強靭性、耐摩耗性の特性が優れているが、しかし従来
のポリウレタン樹脂は磁性粉末の分散性能が低く、これ
を改良するために種々の研究がなされている。例えば、
2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールを含有
するポリエステルポリオールから誘導されるウレタン樹
脂を用いたもの(特開平2ー240177号)、分岐鎖
を有する多価アルコールを用いたポリウレタン樹脂(特
開平2−177020号)がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ビデオテープでは画質
向上のために、またオーディオテープでは音質向上の
為、用いられる磁性粒子は高度に微細化かつ均一化さ
れ、更に抗磁力が大幅に向上される傾向にある。この様
な要求に対しては従来主流であった酸化鉄系の磁性粉末
に代わり、現在では金属微粒子系の開発が主流となって
いる。磁性粒子が微細化すればするほど、また抗磁力が
高くなるほど従来の結合剤では分散が困難になり、結合
剤に対してますます磁性粒子の分散性能が高いことが求
められている。特開平2−240177号公報、特開平
2−177020号公報での結合剤の分散性は改良が認
められるが必ずしも満足できるものではない。
【0007】また、最近の磁気記録媒体ではS/N比
(シグナル/ノイズ比)の向上、高記録密度化のために
より微細化した磁性粒子を磁性層中に高充填し高配向さ
せ、さらに磁性層の表面をより平滑にすることがこれま
で以上に強く要求されている。この様な要求に対し、特
開昭60−242516号公報,特開平4−35672
2号公報に記載の従来のSO3Na入りポリウレタン樹
脂では磁気塗料の塗料粘度が高くなり、平滑な磁性塗膜
面が形成出来なかった。また微細化された強磁性合金粉
末の充填特性も不十分であった。
【0008】次いで発案された特開平10−32074
9号公報記載の結合剤樹脂では磁性塗料粘度が下がり、
平滑な磁性塗膜面は得られやすくなったものの、強磁性
合金粉末の充填特性は未だ改良が認められなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的、すなわち
微粒子化された高抗磁力を有する強磁性合金粉末を高度
に分散安定化し、高充填でかつ表面平滑性に優れ更に耐
久性にも優れた磁性層を形成するポリウレタン樹脂を鋭
意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明
は、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性材料を非磁
性支持体上に塗布した磁気記録媒体においてこの結合剤
成分が、全酸成分中の50モル%以上が脂環族系二塩基
酸から成り、かつ全グリコール成分中の50モル%以上
が脂環族系グリコールからなるポリエステルジオールを
主原料とするポリウレタン樹脂を含む事を特徴とする磁
気記録媒体を提供するものである。
【0010】本発明で使用するポリウレタン樹脂のポリ
エステルジオールのカルボン酸成分としては、1,2-シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2
-シクロヘキサンジカルボン酸、ビス(4-カルボキシシ
クロヘキシル)メタン、2,2ビス(4-カルボキシシクロ
ヘキシル)プロパン等の脂環族系二塩基酸が挙げられ
る。これらの中で、特に1,2-シクロヘキサンジカルボン
酸及び4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸が好
ましい。
【0011】これら脂環族系二塩基酸以外にはコハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸、ドデシニルコハク酸等の脂肪族系二塩基
酸あるいはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,2-ナフタレンジカ
ルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、5-ナトリウムスル
ホイソフタル酸、5-カリウムスルホイソフタル酸、ナ
トリウムスルホテレフタル酸等のスルホン酸金属塩含有
芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。これらの中
では特に、5-ナトリウムスルホイソフタル酸が好まし
い。これらスルホン酸金属塩基が無機顔料の分散性向上
のために極めて効果的である事は周知のとおりである
【0012】グリコール成分としては、1,3-ビス(ヒド
ロキシメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(ヒドロキシ
メチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(ヒドロキシエチ
ル)シクロヘキサン、1,4-ビス(ヒドロキシプロピル)
シクロヘキサン、1,4-ビス(ヒドロキシメトキシ)シク
ロヘキサン、1,4-ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘ
キサン、2,2ビス(4-ヒドロキシメトキシシクロヘキシ
ル)プロパン、2,2-ビス(4ヒドロキシエトキシシクロ
ヘキシル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシ
ル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパン、3(4),8(9)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
ジメタノール等の脂環族系グリコールが挙げられる。こ
れらの中では特に3(4),8(9)-トリシクロ[5.2.1.02,6
デカンジメタノールが好ましい。
【0013】上記脂環族系以外のグリコール成分として
はエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プ
ロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジ
オール、1,6-ヘキサンジオール、1,2ープロピレングリコ
ール、1,3ープロピレングリコール、1,3-ブチレングリコ
ール、2,3-ブチレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プ
ロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2
-ジメチル-3-ヒドロキシプロピル-2',2'-ジメチル-3-ヒ
ドロキシプロパネート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジ
オール等の脂肪族系グリコール、或いはまたポリエステ
ルジオールの原料の一部に無水トリメリット酸、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
等の三官能以上の化合物をポリエステル樹脂の有機溶剤
溶解性、塗布作業性等の特性を損なわない範囲で使用し
てもよい。
【0014】上記以外のポリエステルジオールのグリコ
ール成分としては、2-ナトリウムスルホ-1,4ーブタンジ
オール、2-ナトリウムスルホ-1,6-ヘキサンジオール等
のスルホン酸金属塩を含有するものが挙げられる。
【0015】本発明で用いるポリウレタン樹脂の主原料
であるポリエステルジオールの酸成分、及びグリコール
成分共にそれぞれ50モル%以上が上記脂環族系原料化
合物から構成される。酸成分、グリコール成分いずれの
場合においても脂環族成分が50モル%未満になると本
発明の主目的である顔料、特に強磁性金属微粒子粉末の
高充填特性を満足させる事が出来ない。
【0016】本発明で用いるポリウレタン樹脂のポリイ
ソシアナート成分としては2,4-トリレンジイソシアネー
ト、2,6-トリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイ
ソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、m-フェニレンジイソシアネート、3,3'-ジメトキシ-
4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、2,6-ナフタレン
ジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレン
ジイソシアネート、4,4'-ジフェニレンジイソシアネー
ト、4,4'-ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5-
ナフタレンジイソシアネート、m-キシレンジイソシアネ
ート、等の芳香族系のポリイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、等の脂肪族ポリイソシアナート、1,3-ジイソシアネ
ートメチルシクロヘキサン、1,4-ジイソシアネートメチ
ルシクロヘキサン、4,4'-ジイソシアネートシクロヘキ
シルメタン、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系
ポリイソシアネートが挙げられる。これらのうち、2,4-
トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネ
ート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートが好ま
しい。
【0017】本発明で用いるポリウレタン樹脂には必要
に応じて、イソシアネート基と反応する官能基を1分子
中に2個以上有する化合物を共重合しても良い。例え
ば、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコ
ール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコー
ル、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル1,5ーペ
ンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオ
ール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-
3-ヒドロキシプロピル-2',2'-ジメチル-3-ヒドロキシプ
ロパネート、2-ノルマルブチル-2-エチル-1,3-プロパン
ジオール、3-エチル-1,5-ペンタンジオール、3-プロピ
ル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパン
ジオール、3-オクチル-1,5-ペンタンジオール、3-フェ
ニル-1,5-ペンタンジオール、2,5-ジメチル-3-ナトリウ
ムスルホ-2,5-ヘキサンジオール等のジオール類や種々
ジアミン化合物、アミノアルコール等が挙げられる。
【0018】また、上記以外の化合物として、イソシア
ネートと反応する官能基を1分子中3個以上有する分岐
状化合物は汎用硬化剤との反応性の向上に有効である。
具体的な化合物としては、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスルトール等のポリオールあるいはこ
れらポリオールのうち一種へのε-カプロラクトン付加
物等が挙げられる。
【0019】本発明で用いるポリウレタン樹脂の分子量
は5000から80000、望ましくは10000から
40000のものを用いる。分子量が5000未満では
機械的強度が不足で、走行耐久性が劣る。分子量が80
000を超えると溶液粘度が大きくなり、作業性、磁性
粉・研磨剤・カーボンブラック等の分散性が悪化する。
反応方法は原料を溶融状態で行う方法、溶液中で溶解し
て行う方法のどちらで行っても構わない。
【0020】反応触媒としてオクチル酸第一錫、ジブチ
ル錫ジラウリレート、トリエチルアミン等を用いてもよ
い。また紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤な
どをポリウレタン樹脂の製造前、製造中あるいは製造後
に添加してもよい。
【0021】本発明においては、本発明で用いるポリウ
レタン樹脂以外に、可撓性の調節、耐寒性、耐久性向上
などの目的のために、他の樹脂を添加するか、及び/ま
たはポリウレタン樹脂と反応して架橋する化合物を混合
することが望ましい。他の樹脂としては塩化ビニル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、アクリ
ロニトリル・ブタジエン共重合体等が挙げられる。
【0022】一方、ポリウレタン樹脂と架橋する化合物
としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、尿素樹脂等があり、特にこれらの中でポ
リイソシアネート化合物が好ましい。
【0023】本発明の磁気記録媒体には必要に応じてジ
ブチルフタレート、トリフェニルホスフェートの様な可
塑剤、ジオクチルスルホナトリウムサクシネート、t-
ブチルフェノール・ポリエチレンエーテル、エチルナフ
タレン・スルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネート、
ステアリン酸亜鉛、大豆油レシチン、シリコーンオイル
その他、長鎖脂肪族酸やそのエステル化合物のような潤
滑剤や種々の帯電防止剤を添加することもできる。
【0024】本発明のポリウレタン樹脂は磁性層用結合
剤樹脂としてのみならずバックコート用結合剤として用
いた場合にも種々の効果が期待される。例えば樹脂自身
のガラス転移温度が高いことからテープ裏面と磁性層表
面の耐ブロッキング性が向上する。或いは平滑な塗膜を
形成するため、巻き取り時にバックコート層の凹凸が磁
性層表面に転写されない等である。
【0025】同様に最近の重層構造のテープにおいて、
磁性層の下に非磁性顔料を分散させた層の結合剤樹脂と
しても有効である。ガラス転移温度が高く顔料の充填性
が極めて高いため、テープの機械的強度が向上する。或
いは平滑な塗膜を形成する事から、その上に重ね塗りさ
れる磁性層表面も平滑になりやすい等の利点が得られ
る。
【0026】本発明の磁気記録媒体のバックコート層に
使用される無機微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化クロム、二酸
化ケイ素、酸化チタン等の無機滑剤、カーボンブラッ
ク、酸化錫等の帯電防止剤等が挙げられる。
【0027】
【作用】本発明のポリウレタン樹脂は主原料であるポリ
エステルジオールの酸/グリコール両成分が各々80モ
ル%以上の脂環族系化合物で構成される事により、無機
顔料の高充填性を発揮すると共に、ポリウレタン樹脂の
ガラス転移温度を高く維持したまま、かつ溶剤に対し高
い溶解性が発揮される。溶剤に対する溶解性が高い故
に、塗料粘度が低く、平滑な塗膜表面が形成されやす
い。同時に高ガラス転移温度を有し、かつ磁性粒子が高
度に充填されているため磁性層の耐久性にも優れる。
【0028】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に例示す
る。実施例中単に部とあるのは重量部を示す。尚、以下
のポリエステポリオール、及びポリウレタン樹脂の合成
例、比較合成例で得られたポリエステルポリオール及び
ポリウレタン樹脂の組成、その他特性を表1,2に示し
た。表中の略号は以下の通りである。
【0029】TPA:テレフタル酸 IPA:イソフタ
ル酸 OPA:オルソフタル酸 AA:アジピン酸 HOPA:1,2-シクロヘキサンジカルボン酸 CHDA:1,4-シクロヘキサンジカルボン酸 SIPA:5-スルホイソフタル酸 TCD:3(4),8(9)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジ
メタノール NPG:2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール HD:1,6-ヘキサンジオール 2MG:2-メチル-1,3-プロパンジオール ND:1,9-ノナンジオール DMH:2-ブチル-2-エチル1,3-プロパンジオール HPN:2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピル-2',2'-ジ
メチル-3-ヒドロキシプロパネート CHDM:1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ
ン EG:エチレングリコール MDI:4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナート
【0030】ポリエステルジオールの水酸基価は以下の
様にして求めた。すなわち、ポリエステルポリオール:
50gをトルエン:60g、MEK:60gの混合溶剤
に溶解し、MDI:70gを加え、80℃で2時間反応
させた。ついで、反応液中の残存イソシアネート基濃度
を滴定により定量し、水酸基価を求めた。
【0031】ポリエステルジオール組成比はCDCl3
溶液の1H-NMR分析により定量した。また、ポリエス
テルジオール酸価はクロロホルム溶液をフェノールフタ
レイン指示薬を用いて0.1規定NaOHエタノール溶
液で滴定して求めた。
【0032】ポリウレタン樹脂の数平均分子量はテトラ
ヒドロフランを溶剤としてゲル浸透クロマトグラフィー
により、標準ポリスチレン換算の値を測定した。ガラス
転移温度は動的粘弾性の温度依存性測定結果より、保存
弾性率(E’)の屈折点における温度をTgとした。測
定はレオロジー(株)製FTレオスペクトラーDVE−
VAにより、周波数110Hz、振幅10.0μm温度範
囲−50〜150℃で行った。サンプルは15×4m
m、厚さ25μmのフィルム状サンプル片を用いた。
【0033】調製した磁性塗料の塗料粘度はE型粘度計
(東機産業(株)製:RE-80型)を用い、回転数0.
5rpm、温度25℃での粘度値を測定した。
【0034】磁気テープの磁性層の光沢は45度光沢を
測定した。磁性層角形比は振動試量型磁力計を使用し、
垂直方向の角形比を測定した。塗膜表面の平滑性は触針
計により測定した。
【0035】磁性層耐久性は、市販のS−VHSビデオ
デッキにかけ、走行時の温度40℃で100回走行後の
回転ヘットの汚染状態を観察し、その程度を以下の3段
階で評価した。 ○:ほとんど汚染しないなし △:やや汚染が認められる ×:汚染が顕著に認められる
【0036】磁性層の充填性は以下の手法により磁性層
の空隙率を測定し、充填度の指標とした。すなわちPE
Tフィルムに塗布した磁性塗膜サンプルから4cm×10
cmの試験片を切り取り精秤(この時の重量:W1)した
後、低粘度シリコーンオイル(東芝シリコーン(株)
製:371H)に約15分間浸漬する。次いでサンプル
片の表面に付着したシリコーンオイルを拭き取り、再度
精秤(この時の重量:W2)する。更にサンプル片から
磁性塗膜を拭き取り、PETフィルムのみの重量を精秤
(この時の重量:W3)する。以下の計算により空隙率
を算出し、充填性の指標とした。 空隙率(%)=W2−W3/(W1−W3)× 100
【0037】ポリエステルジオール(a)の合成例 温度計、攪拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器
に1,2-シクロヘキサンジカルボン酸425部、5-ナトリウ
ムスルホイソフタル酸 64部及び3(4),8(9)-トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカンジメタノール1176部を投入し、触
媒としてテトラブトキシチタネート0.3部を添加した。
2気流下250℃で約4.5時間反応させ、生成する
水を溜去した。内容物の酸価が10eq/ton以下である事
を確認し、反応を終了した。得られたポリエステルジオ
ール(a)の組成・特性を表1に示した。
【0038】ポリエステルジオール(b,c)の合成例 ポリエステルジオール(a)の合成例と同様の手法によ
り合成し、得られたポリエステルジオール(b),
(c)の組成・特性を表1に示した。
【0039】ポリエステルジオール(d)の合成例 温度計、攪拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器
に1,2-シクロヘキサンジカルボン酸448部、5-ナトリウ
ムスルホイソフタル酸 24部及び3(4),8(9)-トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカンジメタノール529部、2-メチルプ
ロパンジオール297部を投入し、触媒としてテトラブト
キシチタネート0.3部を添加した。常圧下240℃で約
5時間反応させ、生成する水を溜去した。次いで減圧下
に255℃で70分間重合し、反応を終えた。得られた
ポリエステルジオール(d)の組成・特性を表1に示し
た。
【0040】ポリエステルジオール(e,f)の合成例 ポリエステルジオール(d)の合成例と同様の手法によ
り合成し、得られたポリエステルジオール(e),
(f)の組成・特性を表−1に示した。
【0041】ポリエステルジオール(g,h,i)の比
較合成例 ポリエステルジオール(a)の合成例と同様の手法によ
り合成し、得られたポリエステルジオール(g),
(h),(i)の組成特性を表−1に示した。各々ポリ
エステルジオール(g)は酸成分組成/グリコール成分
組成いずれもが本発明の請求範囲から外れる例、(h)
は酸成分組成のみが請求範囲から外れる例、(i)はグ
リコール成分組成のみが請求範囲から外れる例である。
【0042】ポリエステルジオール(j,k)の比較合
成例 ポリエステルジオール(d)の合成例と同様の手法によ
り合成し、得られたポリエステルジオール(j),
(k)の組成特性を表1に示した。ポリエステルジオー
ル(g)同様、酸成分組成/グリコール成分組成共に請
求範囲から外れる例である。
【0043】
【表1】
【0044】ポリウレタン樹脂(A)の合成例 ポリエステルジオール(a):100部をシクロヘキサ
ノン:147部に溶解し、MDI:47部を加え、80
℃で1.5時間反応させた。ついで、シクロヘキサノ
ン:96部で溶液を希釈し、触媒としてジブチルチンジ
ラウレート:0.03部添加し、同温度で3時間反応させ、
ポリウレタン樹脂(A)を得た。ポリウレタン樹脂
(A)の組成・特性を表−2に示した。
【0045】ポリウレタン樹脂(B,C,D,E,F)
の合成例 ポリウレタン樹脂(A)の合成例と同様の方法によりポ
リウレタン樹脂(B),(C),(D),(E),
(F)を合成し、それらの組成・特性を表2に示した。
【0046】ポリウレタン樹脂(G,H,I,J,K)
の比較合成例 ポリエステルジオール組成が先に明示したとおり、本発
明請求範囲から外れるポリエステルジオール(g),
(h),(i),(j),(k)を用い、ポリウレタン
樹脂Aの合成例と同様の手法により、ポリウレタン樹脂
(G),(H),(I),(J),(K)を合成し、得
られた樹脂の組成・特性を表2に示した。
【0047】
【表2】
【0048】実施例−1 下記混合物をペイントシェーカーで10時間分散し、得
られた塗料粘度を測定した。PETフィルム上に乾燥後
厚みが8μmになるように塗布し、塗布直後に2000
ガウスの磁場で磁場配向処理を施した後、70℃で10
分間塗膜を熱風乾燥させた。 ポリウレタン樹脂(A) 2.4部 強磁性合金粉末(粒径:0.18μm/Hc:1600Oe) 12 部 トルエン 15 部 MEK 15 部 シクロヘキサノン 15 部 粒径2mmガラスビーズ 40 部 得られた塗布サンプルの表面粗さ、光沢値、空隙率を測
定した。結果を表3に示した。
【0049】同時に下記混合物をペイントシェーカーで
10時間分散し、硬化剤としてコロネート−L(日本ポ
リウレタン工業(株)製を)0.72部添加し、15分間
再分散した。ついでPETフィルム上に乾燥後厚みが8
μmになる様に塗布し、磁場配向処理、70℃×10分
間乾燥後60℃で24時間塗布サンプルを保持した。 ポリウレタン樹脂(A) 1.2部 MR110(日本ゼオン(株)製塩ヒ゛系共重合樹脂) 1.2部 強磁性合金粉末(粒径:0.18μm/Hc:1600Oe) 12 部 トルエン 15 部 MEK 15 部 シクロヘキサノン 15 部 粒径2mmガラスビーズ 40 部 硬化塗膜を用いて耐久性(ヘッド汚染性)評価を実施し
た。結果を表3に示した。
【0050】実施例−2〜6 ポリウレタン樹脂B〜Fを用い、実施例−1と同様に実
験を行い、結果を表3に示した。
【0051】比較例−1〜5 ポリウレタン樹脂G〜Kを用い、実施例−1と同様に実
験を行い、結果を表3に示した。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】本発明のポリウレタン樹脂は平滑かつ高
充填な磁性層を形成する。磁性層の充填性が極めて高
く、かつ樹脂自身のガラス転移温度も高い事から、磁性
層の耐久性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 CA02 CA03 CA04 CA05 CA13 CA15 CB03 CB04 CB05 CB07 CB08 CC03 CC12 CC62 CC65 CD01 CD06 CD09 CD18 DA01 DB03 DB07 DD02 DD12 DF16 DF20 DF21 DF22 DF33 DF36 HA01 HA07 HB11 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 KA01 KB02 KC17 KD02 KD12 KE02 RA16 4J038 DG001 DG111 KA20 NA11 NA22 PB11 5D006 BA15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性
    材料を非磁性支持体上に塗布した磁気記録媒体におい
    て、この結合剤成分が、全酸成分中の50モル%以上が
    脂環族系二塩基酸から成り、かつ全グリコール成分中の
    50モル%以上が脂環族系グリコールからなるポリエス
    テルジオールを主原料とするポリウレタン樹脂を含む事
    を特徴とする磁気記録媒体。
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