JPH0940738A - ポリウレタン樹脂 - Google Patents

ポリウレタン樹脂

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JPH0940738A
JPH0940738A JP7190391A JP19039195A JPH0940738A JP H0940738 A JPH0940738 A JP H0940738A JP 7190391 A JP7190391 A JP 7190391A JP 19039195 A JP19039195 A JP 19039195A JP H0940738 A JPH0940738 A JP H0940738A
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JP
Japan
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acid
polyurethane resin
molecular weight
polyol
diisocyanate
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JP7190391A
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Naoshi Nakajima
直士 中島
Tsuyoshi Hachitsuka
剛志 八塚
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記〜の条件を満足するポリエステ
ルポリオールを50重量%以上含んでなる高分子量ポリ
オールおよびジイソシアネート由来の部位を含有してな
ることを特徴とするポリウレタン樹脂。 ポリエステルポリオールを形成する酸成分の70モル
%以上が、テレフタル酸、或いはテレフタル酸およびナ
フタレンジカルボン酸である。 ポリエステルポリオールを形成するポリオール成分の
50モル%以上が2−メチル−1,3−プロパンジオー
ルである。 数平均分子量が500〜10,000である。 【効果】 本発明によれば、耐磨耗性が良好で、硬度、
ブロッキング性に優れ、かつ良好な伸度を有し、また汎
用溶剤に可溶であるポリウレタン樹脂を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン樹脂に関す
る。更に詳しくは、耐摩耗性が良好で、硬度、耐ブロッ
キング性に優れ、かつ良好な伸度を有し、また汎用溶剤
に可溶であり、コーティング剤、各種バインダー等とし
て有用なポリウレタン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】汎用的な
ポリウレタン樹脂は、アジピン酸系あるいはポリカプロ
ラクトン系等のポリエステルポリオールや、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のア
ルキレングリコールを長鎖ジオール成分とし、低分子量
グリコール、アミノアルコール、あるいはジアミン等を
鎖延長剤として用い、ジイソシアネートと反応すること
によって得られる。ポリウレタン樹脂は、ウレタン結合
による分子間水素結合により、他の樹脂、例えばアクリ
ル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、ポリエス
テル樹脂等に比べ、強靱性、耐磨耗性等において優れて
いる。しかし、従来のアジピン酸系あるいはカプロラク
トン系のポリエステルポリオールや、ポリアルキレング
リコール等を用いたポリウレタン樹脂は、耐磨耗性は良
好であるが、硬度、耐ブロッキング性、耐熱性等の特性
が劣っていた。そこで、硬度、耐ブロッキング性、耐熱
性改良のため、ポリウレタン樹脂と、ニトロセルロース
との、あるいは塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体との
混合系が、コーティング剤、各種バインダーとして用い
られている。しかしながら、高度な耐磨耗性や伸度が要
求される用途、たとえば磁気テープ、磁気ディスク等の
磁性粒子のバインダー、あるいはバックコート剤等に用
いる場合には、これら特性は未だ充分でない。また、硬
度改良のため塩ビ等の高ガラス転移温度(Tg)樹脂を
ブレンドする手段が用いられているが、耐磨耗性が低下
することは避けられなかった。また、近年では高Tgポ
リエステルポリオールを用いた高Tgポリウレタン樹脂
の開発も行われてきており、耐磨耗性、硬度の改良が行
われているが、伸度が低いために実用性に欠けるもので
あった。
【0003】本発明の目的は、耐磨耗性が良好で、硬
度、ブロッキング性に優れ、かつ良好な伸度を有し、ま
た汎用溶剤に可溶であるポリウレタン樹脂を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、ポリウレタン樹脂中
に、特定のグリコールとジカルボン酸とを用いて得られ
たポリエステルポリオール由来の部位を含有させること
によって、耐磨耗性、硬度、伸度のいずれにおいても良
好な特性を有するポリウレタン樹脂が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、次に示す通りである。 (1) 下記〜の条件を満足するポリエステルポリオー
ルを50重量%以上含んでなる高分子量ポリオールおよ
びジイソシアネート由来の部位を含有してなることを特
徴とするポリウレタン樹脂。 ポリエステルポリオールを形成する酸成分の70モル
%以上が、テレフタル酸、或いはテレフタル酸およびナ
フタレンジカルボン酸である。 ポリエステルポリオールを形成するポリオール成分の
50モル%以上が2−メチル−1,3−プロパンジオー
ルである。 数平均分子量が500〜10,000である。 (2) さらに活性水素を1分子中に2個以上有する低分子
量化合物由来の部位を含有してなる (1)記載のポリウレ
タン樹脂。
【0006】本発明のポリウレタン樹脂は、後述する高
分子量ポリオールおよびジイソシアネート由来の部位
を、また更に必要に応じて活性水素を1分子中に2個以
上有する低分子量化合物由来の部位を有してなる。即
ち、対応する高分子量ポリオールおよび低分子量化合物
と、対応するジイソシアネートとを反応させることによ
って、当該ポリウレタン樹脂が得られる。
【0007】本発明に用いられる高分子量ポリオール
は、下記〜の条件を満足するポリエステルポリオー
ルを50重量%以上含むことを特徴とする。 ポリエステルポリオールを形成する酸成分の70モル
%以上が、テレフタル酸、或いはテレフタル酸およびナ
フタレンジカルボン酸である。 ポリエステルポリオールを形成するポリオール成分の
50モル%以上が2−メチル−1,3−プロパンジオー
ルである。 数平均分子量が500〜10,000である。
【0008】該ポリエステルポリオールを形成する酸成
分は、その70モル%以上がテレフタル酸であるか、ま
たはテレフタル酸とナフタレンジカルボン酸である。好
ましくは75〜100モル%、より好ましくは80〜1
00モル%である。ナフタレンジカルボン酸としては、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレン
ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙
げられるが、分子の剛直性、直線性、コスト等の点か
ら、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。酸成
分中のテレフタル酸、またはテレフタル酸とナフタレン
ジカルボン酸が70モル%未満であると、機械的物性、
特に伸度が不充分となる。
【0009】テレフタル酸とナフタレンジカルボン酸の
割合は、分子の剛直性、ガラス転移温度、溶剤への溶解
性の点から、テレフタル酸1モルに対してナフタレンジ
カルボン酸が0〜9モルであることが好ましく、より好
ましくは0.5〜5モルである。
【0010】また、該ポリエステルポリオールを形成す
るポリオール成分は、その50モル%以上が2−メチル
−1,3−プロパンジオールである。好ましくは55〜
100モル%、より好ましくは60〜100モル%であ
る。ポリオール成分中の2−メチル−1,3−プロパン
ジオールが50モル%未満であると、機械的物性、特に
伸度が低下し、また汎用溶剤に対する溶解性が悪化す
る。
【0011】ポリエステルポリオールを形成する酸成分
として、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸以外
に、次に示すカルボン酸を、必要に応じて30モル%未
満の割合で用いてもよい。例えば、イソフタル酸、フタ
ル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−
ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
【0012】ポリエステルポリオールを形成するポリオ
ール成分として、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル以外に、次に示すポリオールを、必要に応じて50モ
ル%未満の割合で用いてもよい。例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ールヒドロキシピバレート、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加
物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラク
トン等の高分子量グリコールを用いてもよい。
【0013】また、上記以外の酸成分、ポリオール成分
として、次に示すものを用いてもよい。例えば、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソ
フタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸、3−ナトリ
ウムスルホ安息香酸、2−ナトリウムスルホ−1,4−
ブタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムス
ルホ−2,5−へキサンジオール等のスルホン酸金属塩
が挙げられる。スルホン酸金属塩基は酸化チタン・磁性
粉・研磨剤・カーボンブラック等の無機粒子の分散性を
著しく改善する効果がある。またp−オキシ安息香酸、
p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキ
シカルボン酸等が挙げられる。さらに無水トリメリット
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等の三官能以上の酸成分またはポリオール成
分を、ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶解性、塗布作業性
等の特性を損なわない範囲で使用してもよい。
【0014】本発明に用いられるポリエステルポリオー
ルは、上記酸成分とポリオール成分とを、自体既知の方
法で反応させて製造すればよく、例えば減圧下で縮合重
合する等の方法で製造される。
【0015】該ポリエステルポリオールを製造する際、
酸成分のカルボキシル基数とポリオール成分の水酸基数
の比率は、目的とするポリエステルポリオールの分子量
によって異なるが、通常1:1〜1:3が好ましく、
1:1.2〜1:2がより好ましい。
【0016】本発明に用いられるポリエステルポリオー
ルは、その数平均分子量が500〜10,000の範囲
である。好ましくは700〜5,000、より好ましく
は800〜4,000である。数平均分子量が500未
満であると、ポリウレタン樹脂中のウレタン結合の濃度
が高くなりすぎてもろくなり、10,000を超える
と、ポリウレタン樹脂特有の強靱性、耐摩耗性等の特性
が悪くなる。
【0017】本発明において、数平均分子量とは、TH
Fを溶媒とし、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、標
準ポリスチレン換算で測定したものである。
【0018】ポリエステルポリオールの数平均分子量
は、酸成分のカルボキシル基数とポリオールの水酸基数
の比率、反応条件等によって調整される。
【0019】本発明のポリウレタン樹脂は、ジイソシア
ネートと、上記ポリエステルポリオールを50重量%以
上含んでなる高分子量ポリオールと、必要に応じて鎖延
長剤とを反応させることによって得られる。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂を形成するイソ
シアネート成分としては、例えば2,4−トリレンジイ
ソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’
−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレン
ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビ
フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレン
ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェ
ニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシア
ネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネー
トメチルシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネート
シクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネートシクロへ
キシルメタン、イソホロンジイソシアネート等が挙げら
れる。中でも、反応性、剛直性の点から、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネートが好まし
い。
【0021】本発明のポリウレタン樹脂を形成する高分
子量ポリオール成分の50重量%以上は前記したポリエ
ステルポリオールであるが、上記ポリエステルポリオー
ル以外に、必要に応じて50重量%未満の割合で次に示
すポリオールを用いることができる。例えば、脂肪族系
のポリエステルポリオール、ポリエチレングリコールや
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等のポリエーテル類、ポリカプロラクトンジオー
ル、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
【0022】また、本発明のポリウレタン樹脂を形成す
る成分として、必要に応じ、次に示すような活性水素を
1分子中に2個以上有する低分子量化合物を用いてもよ
い。例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、1,6−へキサンジオール、シクロへキサ
ンジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物等の直鎖グリコール、プロ
ピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−ブチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール,2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチ
ルグリコールヒドロキシピバレート、ビスフェノールA
のプロピレンオキサイド付加物等の分岐グリコール、N
−メチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン等のアミノアルコール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール等のポリオールあるいはこれらポリ
オールのうちの一種へのε−カプロラクトン付加物等が
挙げられる。ここで、低分子量とは、分子量1,000
以下のものをいう。
【0023】該活性水素を1分子中に2個以上有する低
分子量化合物は、通常高分子量ポリオール100重量部
に対して100重量部以下の割合で用いることが好まし
く、0〜50重量部がより好ましい。活性水素を1分子
中に2個以上有する低分子量化合物の高分子量ポリオー
ル100重量部に対する割合が100重量部を越える
と、溶剤に不溶化する傾向がある。
【0024】本発明のポリウレタン樹脂は、上記イソシ
アネート成分と、上記高分子量ポリオールおよび必要に
応じて活性水素を1分子中に2個以上有する低分子量化
合物とを、自体既知の方法で反応させて製造すればよ
く、例えば溶融重合、溶液重合(溶媒は例えば、メチル
エチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン等)によっ
て製造される。
【0025】本発明のポリウレタン樹脂を製造する際、
ジイソシアネートのイソシアネート基数と、高分子量ポ
リオールおよび活性水素を有する低分子化合物の活性水
素数の比率は、通常1:0.85〜1:1.2の範囲で
あることが好ましく、より好ましくは1:1〜1:1.
15である。活性水素がイソシアネート基1に対して
0.85未満であると、イソシアネート基末端となるた
めに保存性が悪くなる傾向があり、また1.2を越える
と、ポリウレタン樹脂の分子量が低くなり、耐摩耗性に
劣る傾向がある。
【0026】重合時に反応触媒として、例えばオクチル
酸第一錫、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン
等を用いてもよい。
【0027】また、ポリウレタン樹脂の製造前、製造中
あるいは製造後に、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸
化防止剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
【0028】本発明のポリウレタン樹脂は、その数平均
分子量が5,000〜50,000の範囲であることが
好ましい。数平均分子量が5,000未満であると、ポ
リウレタン樹脂の機械的強度が低下する傾向があり、ま
た50,000を超えると、室温での溶液粘度が高くな
りすぎ、取扱上困難になることがある。
【0029】当該ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、
合成に用いるジイソシアネートのイソシアネート基と、
高分子量ポリオールおよび活性水素を有する低分子化合
物の活性水素との比率によって調整される。
【0030】
【作用】以上のように、本発明のポリウレタン樹脂に、
テレフタル酸、またはテレフタル酸とナフタレンジカル
ボン酸を用いることにより、当該ポリウレタン樹脂のT
gを高いレベルに保持することができ、高温での耐久性
を良好なものとしていると考えられる。また、テレフタ
ル酸とナフタレンジカルボン酸は外から応力を加えると
配向しやすいために、応力を滑り方向の力に変換しやす
く、このため該ポリウレタン樹脂は高い伸度を有するも
のと考えられる。一方、2−メチル−1,3−プロパン
ジオールを用いることにより、側鎖のメチル基のため
に、汎用溶剤への溶解性を高め、かつ結晶性を押さえる
ことができる。また、上記割合で用いることにより、ポ
リマーとしてのある程度の規則性を持たせることがで
き、該ポリウレタン樹脂の伸度を良好にしていると考え
られる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、
各測定方法を以下に示す。
【0032】〔組成分析〕ポリエステルポリオールの組
成分析はNMRを用いて測定した。
【0033】〔数平均分子量〕数平均分子量は、THF
を溶媒とし、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、標準
ポリスチレン換算で測定した。
【0034】〔伸度・強度・弾性率〕伸度は、巾15m
m、長さ30mm、厚さ30μmの試料を用い、テンシ
ロン(東洋ボールドウィン製)を用い、23℃×60%
RH、引張速度200mm/minで測定した。
【0035】〔耐ブロッキング性〕二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの片面上にポリウレタン樹脂
層を設けたものを試験片とし、この塗布面と非塗布面を
重ね合わせ、1kg/cm 2 の加圧下、50℃×60%
RH、1日放置後の耐ブロッキング性を観察した。評価
は次の通りである。 ○:剥離時に何ら抵抗なく剥がれる。 ×:剥離時に力を必要する。
【0036】〔ガラス転移温度〕FTレオスペクトラー
(レオロジー社製)を用い、保存弾性率E’を測定し、
その屈曲点をガラス転移温度とした。
【0037】〔耐摩耗性〕こすり試験機(大平理化工業
(株)製)を用いて500g荷重で10回こすった後の
表面状態を目視にて観察した。 ○:摩耗なし。 ×:摩耗あり。
【0038】また、用いた原料化合物の略号は次の通り
である。 TPA:テレフタル酸 IPA:イソフタル酸 SA:セバシン酸 2MG:2−メチル−1,3−プロパンジオール EG:エチレングリコール NPG:ネオペンチルグリコール DMH:2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジ
オール MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート IPDI:イソホロンジイソシアネート HPN:ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート
【0039】製造例1〜12 表1および表2に、後記実施例および比較例に用いるポ
リエステルポリオールを形成する酸成分とポリオール成
分の組成、およびポリエステルポリオールの数平均分子
量を示す。各ポリエステルポリオールは、テトラブチル
チタネートを触媒として、260℃、0.1mmHgの
真空下で、6時間反応させることによって得た。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】実施例1 充分に乾燥させた製造例1で得られたポリエステルポリ
オール100部(0.048モル)とHPN14.0部
(0.069モル)とをトルエン108部およびMEK
108部の混合溶媒に溶解し、MDI29.8部(0.
12モル)を加え、80℃、8時間反応させた。これ
に、トルエン60部、MEK60部を加えて希釈しポリ
ウレタン樹脂溶液を得た。表3に原料組成を示す。
【0043】実施例2〜12 それぞれ対応する製造例で得られたポリエステルポリオ
ールを用い、表3に示した原料組成で、実施例1と同様
にしてポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0044】
【表3】
【0045】比較例1〜8 それぞれ対応する製造例で得られたポリエステルポリオ
ールを用い、表4に示した原料組成で、実施例1と同様
にしてポリウレタン樹脂溶液を合成した。
【0046】
【表4】
【0047】上記実施例1〜12および比較例1〜8で
得られたポリウレタン樹脂溶液を、厚さ50μmの二軸
延伸ポリプロピレンフィルム上に、乾燥後の厚みが30
μmになるように塗布し、熱風乾燥機で乾燥後、塗膜を
フィルムより剥離して乾燥塗膜を得、伸度、強度および
弾性率測定に用いた。
【0048】また、得られたポリウレタン樹脂溶液を、
厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムの片面上に、乾燥後の厚みが30μmになるよ
うに塗布し、熱風乾燥機で乾燥して塗膜を得、耐ブロッ
キング性測定に用いた。
【0049】実施例1〜12および比較例1〜8で得ら
れたポリウレタン樹脂の数平均分子量、伸度、強度、弾
性率、耐ブロッキング性、Tg、耐摩耗性を表5および
表6に示す。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、耐磨耗性が良好で、硬
度、ブロッキング性に優れ、かつ良好な伸度を有し、ま
た汎用溶剤に可溶であるポリウレタン樹脂を提供するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〜の条件を満足するポリエステ
    ルポリオールを50重量%以上含んでなる高分子量ポリ
    オールおよびジイソシアネート由来の部位を含有してな
    ることを特徴とするポリウレタン樹脂。 ポリエステルポリオールを形成する酸成分の70モル
    %以上が、テレフタル酸、或いはテレフタル酸およびナ
    フタレンジカルボン酸である。 ポリエステルポリオールを形成するポリオール成分の
    50モル%以上が2−メチル−1,3−プロパンジオー
    ルである。 数平均分子量が500〜10,000である。
  2. 【請求項2】 さらに活性水素を1分子中に2個以上有
    する低分子量化合物由来の部位を含有してなる請求項1
    記載のポリウレタン樹脂。
JP7190391A 1995-07-26 1995-07-26 ポリウレタン樹脂 Pending JPH0940738A (ja)

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