JPH0676265A - 磁気記録媒体用結合剤 - Google Patents

磁気記録媒体用結合剤

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JPH0676265A
JPH0676265A JP5100980A JP10098093A JPH0676265A JP H0676265 A JPH0676265 A JP H0676265A JP 5100980 A JP5100980 A JP 5100980A JP 10098093 A JP10098093 A JP 10098093A JP H0676265 A JPH0676265 A JP H0676265A
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JP
Japan
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binder
recording medium
magnetic recording
polyurethane resin
magnetic
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JP5100980A
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English (en)
Inventor
Masanobu Fukuda
昌宣 福田
Shigeyoshi Kuroda
栄美 黒田
Kazuhiro Nishikawa
和宏 西川
Yoshio Matsumoto
美穂 松本
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 分岐鎖を有する多価アルコールを1種以上用
いたポリエステルジオールとジイソシアネートからな
り、分子量が8万以下で、ガラス転移点が10℃以下で
あるポリウレタン樹脂と、HIG1/16以下のニトロ
セルロース及びポリイソシアネートからなり、更に塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体をも含んでもよい磁気記録
媒体用結合剤。 【効果】 高度に微粉末化された磁性粉を使用しても分
散性が良く、磁性塗料粘度が低くて作業性、生産性が良
好であり、得られる磁気記録媒体の電磁変換特性も極め
て優れ、表面平滑性も向上する一方、耐加水分解性が良
好で、得られる磁気記録媒体の耐摩耗性も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体用結合剤
に関し、さらに詳しくは、磁性塗料の粘度が低く、磁性
粉分散性が良好で、かつ磁性塗料が安定であり、しかも
塗布された磁性層の硬度が高く耐湿熱耐久性に優れる磁
気記録媒体の結合剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオテープ用、家庭用VT
Rテ−プ用等の用途拡大に伴って、その要求性能も多岐
にわたっている。また8ミリビデオ、DAT、S−VH
S、等ハード面での技術の進歩も著しく、磁気記録媒体
への要求もきびしいものとなってきている。特に、記録
再生時における高画質及び高信頼性が求められている。
その具体例としては、鮮明な画像及び音を再生するため
の高記録密度化、かつ、高温高湿等の過酷な条件下で高
速長時間走行に耐え、磁性層より磁性粉の脱落が生じな
いことなどが挙げられる。
【0003】上記磁性層の特性及び物性を維持するの
が、結合剤の重要な機能であり、磁性粉の分散性に優
れ、高感度、高SN比、高CN比等、良好な電磁特性が
得られ、加えて耐摩耗性、耐湿熱性等の耐久性に優れる
ものが求められている。従来からこれらの諸物性を満足
させるべく種々の結合剤の研究が為されており、磁性層
に良好な耐摩耗性を付与し、磁気記録媒体の耐久性を向
上させる主たる結合剤としてポリウレタン樹脂が提案さ
れている。
【0004】しかしながら従来のウレタン樹脂単独で
は、凝集力が強いために充分に磁性粉を分散させること
ができず、さらに表面硬度、摩擦係数、スティフネス等
の磁気テープに要求される性能も不十分であった。そこ
で、磁性粉を分散させるため等の目的でニトロセルロー
スや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などがポリウレタ
ン樹脂と併用されてきた。
【0005】なかでも、ニトロセルロースは溶液粘度が
高いものが使用されている。これを用いて製造した磁性
塗料は安定性が良好でテープ製造の歩留まりがよく、塗
工された磁性層は表面硬度が高くて耐摩耗性に優れ、更
に生産時や磁気テープ焼却廃棄時に有害な塩素ガスが発
生しない等の利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、記録密度お
よび電磁変換特性を向上させるために高度に微粉末化し
た強磁性粉を使用した場合、従来のニトロセルースとウ
レタン樹脂の組み合わせでは、磁性粉を充分に分散させ
ることができないうえ、磁性塗料が高粘度となって作業
性、生産性が著しく低下する。本発明は、かかる従来技
術の問題点を改良し、しかも耐加水分解性、耐摩耗性等
に優れた磁気記録媒体用結合剤を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリウレタン
樹脂、好ましくは分岐鎖を有する多価アルコールを1種
以上用いたポリエステルジオールとジイソシアネートか
ら得られるポリウレタン樹脂と、HIG1/16以下の
ニトロセルロース及びポリイソシアネート、更には塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体を含んでなる磁気記録媒体
用結合剤に関するものである。
【0008】
【構成】本発明におけるポリウレタン樹脂の原料には、
次のものが挙げられる。有機ジイソシアネ−トとして
は、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレ
ンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネー
ト、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、p−フ
ェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシア
ネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート等及びこ
れらの混合物が挙げられる。これらのうち、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート及びこれらの混合物
が好適である。
【0009】本発明でのポリウレタン樹脂を構成するア
ルコール成分としては、通常ポリエステルジオールが用
いられ、そのうち炭素の分岐鎖を有する(炭素が直鎖状
でない)多価アルコールを1種以上用いたポリエステル
ジオールが好ましい。
【0010】上記多価アルコールとしては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、ジ−1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブチレングリコール、1,5−ペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサングリコール等の炭素の分岐鎖をも
たない(炭素が直鎖状である)グリコール;1,2−プ
ロピレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレング
リコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3
−メチル−1、5−ペンタンジオール、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、3−オクチル−
1,5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1,5−
ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタン
ジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメ
チル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3
−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール、3−プロピル−
1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の
炭素の分岐鎖を有する(炭素が直鎖状でない)グリコー
ルの単独あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0011】また、ポリエステルジオールの酸成分とし
ては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル
酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒ
ドロイソフタル酸等の二塩基酸及びこれらの酸エステ
ル、酸ハライド等が挙げられる。
【0012】ポリエステルジオールは、上記多価アルコ
ールと上記酸成分とを重縮合することによって得られ
る。このうち、炭素の分岐鎖を有する多価アルコールを
併用するのが好ましく、ポリウレタン樹脂中に水酸基量
として1重量%含有されるようにもちいられる。
【0013】なお、本発明に於ける「炭素の分岐鎖を有
する多価アルコールの水酸基の量」とは、ポリエステル
ジオール中のエステル化した該分岐鎖を有する多価アル
コール残基に本来結合していた水酸基の量、及びポリエ
ステルポリオール末端となった場合の水酸基の量の合計
を表わす。
【0014】本発明のポリウレタン樹脂では、アルコー
ル成分として上記のものの他に、末端が水酸基の分子量
500〜5000のポリエ−テルジオール、炭素の分岐
鎖を持たないグリコールからなるポリエステルジオー
ル、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジ
オール、あるいはこれらの共重合ポリエステルジオール
等が使用できる。
【0015】上記ポリエーテルジオールとしては、例え
ばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0016】ポリカプロラクトンジオール類としては、
ε−カプロラクトンなどのラクトンモノマーをグリコー
ルまたはポリエステルジオール、ポリエーテルジオール
等の存在下で開環付加重合したものが挙げられる。
【0017】又、ポリカーボネートジオールとしては、
ポリエチレンカーボネート、ポリブチレンカーボネー
ト、ポリヘキシレンカーボネート等が挙げられる。
【0018】本発明のポリウレタン樹脂においては鎖伸
長剤は必須ではないが、本発明の趣旨を損なわない範囲
に於て使用することは差し支えない。鎖伸長剤として
は、前記ポリエステル類の製造に際し使用されるグリコ
ール類の他、ビスフェノールA、ハイドロキノン等にエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイドを2〜4モル
付加したジオール類、分子量1000以下の低分子量エ
ステルグリコール等の単独及び混合物を用いることがで
きる。
【0019】本発明ではポリウレタン樹脂中に分散性を
向上させるための官能基を含有させることも許容され
る。官能基としては、スルホン酸基、硫酸基、燐酸基、
カルボン酸基、アミノ基、第3級水酸基等が挙げられ
る。導入量は特に制限はないがあまり多いと樹脂や磁気
テープの耐加水分解性を低下させたり、樹脂の溶剤溶解
性を低下させるので好ましくない。例えば、1000モ
ル以下/トン樹脂、好ましくは300モル以下/トン樹
脂である。
【0020】これらの官能基の導入方法としては、分子
鎖中に官能基を少なくとも1個以上含むポリオールを鎖
伸長剤として用いてもよく、又該ポリオールを開始剤と
する分子量500〜1000のポリカプロラクトンポリ
オール、またはポリエーテルポリオールの形で導入して
もよく、さらに官能基を含有するポリカルボン酸からポ
リエステルポリオールとしても良い。
【0021】なお、ポリウレタン樹脂中に水酸基を導入
する場合には、分子鎖中の水酸基は、第3級が必須であ
る。第1級及び第2級の水酸基は、第3級の水酸基と比
較してイソシアネートとの反応性が速く、ポリウレタン
樹脂の高分子化または網目状化を生じ、樹脂の合成が困
難となることによるものである。
【0022】以上の理由で本発明に於けるポリウレタン
樹脂に使用するアルコール成分としては3級水酸基を除
けばジオールに限定されるが、少量であれは、3官能以
上のポリオール、例えばトリメチロールプロパンのよう
な低分子量ポリオールに限らず、トリメチロールプロパ
ンを一部含むポリエステルまたはポリカーボネート、ト
リメチロールプロパンを開始剤とするポリカプロラクト
ンまたはポリエーテル等の多官能高分子量ポリオールで
も、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用することは差
し支えない。
【0023】本発明におけるポリウレタン樹脂は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより測定される
スチレン換算の重量平均分子量が好ましくは80,00
0以下、さらに好ましくは5,000〜60,000で
あることが望ましい。特に塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体を併用する場合には、70,000以下のものが好
ましい。かかる樹脂は上記重量平均分子量範囲である
と、磁性塗料の粘度が良好で作業性、生産性に優れると
ともに磁性粉の分散性もより向上する。
【0024】本発明におけるポリウレタン樹脂のガラス
転移点は、好ましくは10℃以下、更に好ましくは0℃
〜−40℃である。かかる樹脂のガラス転移点が上記の
範囲であると、塗布された磁気テープのカレンダー性が
高く表面平滑性が良好で、生産性もより向上する。ここ
においてガラス転移点とは、ポリウレタン樹脂のキャス
ティングフィルムをレオバイブロン測定器を用いて測定
した粘弾性挙動のE”がピークを示す温度で表わされ
る。
【0025】なお、本発明で用いるポリウレタン樹脂の
末端は、両末端がともにイソシアネ−ト基でもよいし水
酸基でもよく、また一方の末端がイソシアネートで他端
が水酸基でもよい。
【0026】本発明のポリウレタン樹脂の合成には、必
要であれば触媒を使用することができる。触媒として例
えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の第三
級アミン、モルホリン、N−メチルモルホリン等の窒素
化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属塩、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有
機金属化合物等が挙げられる。
【0027】なお、本発明でのポリウレタン樹脂を合成
する際の有機ジイソシアネートと多価アルコールのNC
O基/OH基のモル比は特に制限はないが、本発明で想
定されている分子量のポリウレタン樹脂を得るために
は、夫々の原料中の不純物(水分、酸、加水分解性塩素
等)をも考慮して好ましくは0.60/1.00〜1.
05/1.00、より好ましくは0.80/1.00〜
1.05/1.00である。
【0028】上記ポリウレタン樹脂を製造するにあたっ
ては、従来の公知の方法をとることができる。すなわ
ち、所望により触媒の存在下で反応原料を十分に混合し
た後、反応混合物を平板もしくは平らな面上へ流して加
熱し、次いで冷却後破砕する方法、反応混合物を押出機
へ注入する方法、及びジメチルホルムアミド、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン、ジオキサン、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢
酸エチル、酢酸ブチル等の単一または混合溶剤系の有機
溶媒中で反応させる溶液反応法等の製造法を用いること
ができる。前記溶剤のうち磁性塗料用として好適である
ものは、固形ポリウレタン樹脂の溶解及び希釈用も含め
て、水との親和性、溶解性の低いトルエン、キシレン、
ベンゼン等、溶解性に優れるシクロヘキサノン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、
酢酸ブチル等がある。
【0029】本発明の磁気記録媒体用結合剤には、HI
G1/16以下のニトロセルロースが含有される。かか
るニトロセルロースとしては、JIS K6703に規
定されたHIG1/16以下のグレード又はそれに相当
するものが使用される。HIG1/16を越えるグレー
ドのものであると、磁性塗料の粘度が高くなりすぎて作
業性、生産性が悪化するとともに磁性粉分散性も低下す
る。なお、該HIGは、一定の濃度のニトロセルロース
のイソプロピルアルコール溶液についての落球速度に基
づくもので、ニトロセルロースの分子量の指標の一つで
ある。
【0030】本発明におけるポリウレタン樹脂とニトロ
セルロースの配合割合(重量比)は、特に制限されない
が、20/80〜80/20が好ましい。
【0031】本発明で使用されるポリイソシアネートと
しては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレン
ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、
トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、p−フェニ
レンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ポリメリッ
クのジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソ
シアネートフェニル)チオホスフェート、ジイソシアネ
ートの3量化体、ポリオール(エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロパンジオール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール)のジイソシアネー
ト付加物等が挙げられる。
【0032】市販品としてはバーノックD−750、バ
ーノックDN−950、クリスボンNX(以上大日本イ
ンキ化学工業(株)製品)、コロネートL(日本ポリウ
レタン社製品)、タケネートD−102(武田薬品社製
品)、デスモデュールL、デスモデュールR、デスモジ
ュールRF(以上住友バイエル社製品)等がある。
【0033】前記ポリウレタン樹脂とニトロセルロース
をあわせたものとポリイソシアネートの比率は、特に限
定されるものではないが、好ましくは固形分比で前記ポ
リウレタン樹脂とニトロセルロースの合計量100重量
部に対して上記ポリイソシアネートを3〜40重量部加
えて硬化させることによって硬化後のウレタン樹脂の機
械的強度、耐摩耗性、耐湿熱性、耐溶剤性及び基材との
密着性を大巾に向上させることができる。
【0034】本発明の組成物には、記録密度及び電磁変
換特性を向上させるために高度に微粉末化した強磁性粉
を使用することがあるが、その場合に磁性塗料が高粘度
となり、磁性粉を充分に分散できないことを解消するた
めに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を添加すること
ができる。
【0035】上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を併
用する場合には、ポリウレタンとニトロセルロースと塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体の配合比は特に制限はな
いが、好ましい範囲としては、合計が100重量部にな
る範囲に於いて、おのおの(10〜80重量部)/(1
0〜80重量部)/(10〜80重量部)が挙げられ
る。
【0036】なお、上記磁気記録媒体の結合剤に必要な
らば本発明の趣旨を損なわない範囲で通常用いられてい
る他の熱可塑性ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール系
樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、塩化ビニル−プロピ
オン酸ビニル系共重合樹脂、エポキシ樹脂及びフェノキ
シ樹脂等を併用することは差し支えない。
【0037】本発明により得られる磁気記録媒体用結合
剤と組み合わせて用いられる磁性粉としては、γ−フェ
ライト、コバルトγ−フェライト、バリウム−フェライ
ト、金属鉄及びその合金類(いわゆるメタル粉)等が挙
げられる。かかる磁性粉としては、BET値が20〜6
0m2/gのものが好ましい。
【0038】本発明により得られる結合剤は、その優れ
た顔料分散性、流動性、耐湿熱性、耐摩耗性、永久伸び
等の諸物性に優れているため磁気記録媒体の結合剤以外
の用途にも用いることができる。例えば、各種印刷イン
キ、磁性ゴム、各種塗料、導電性樹脂、接着剤が挙げら
れる。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、こ
れはあくまで一態様でしかなく、本発明は実施例のみに
限定されるものではない。また、文中の「部」は断わり
のない場合、重量基準を示すものとする。
【0040】<ポリウレタン樹脂の合成 >ポリウレタ
ン合成例1〜11 コンデンサー、温度計および攪拌装置が装着された5リ
ットルのステンレススチール製反応容器に、表1および
2に示すポリエステルポリオールと表3および4に示す
低分子量ポリオールを仕込み80℃に加温し、上記ポリ
オールと後で添加する有機ジイソシアネートとを合計し
た仕込量の1.5倍重量のシクロヘキサノンを加え、均
一に混合攪拌した。さらに、シクロヘキサノンを基準に
して100ppmのジブチル錫ジラウレートを加え均一
化した後、表3および4に示す有機ジイソシアネートを
加え、90℃にて反応させた。ポリウレタン樹脂溶液の
粘度が目標値に達したところで、未反応イソシアネート
基と等モル量のメタノールおよびシクロヘキサノンと同
量のメチルエチルケトンを加え、ウレタン樹脂濃度が2
5重量パーセントの溶液を得た。合成結果を表5および
6に示した。
【0041】表1〜4における記号は次の通りである。 BG:ブチレングリコール H:ヘキサンジオール C/H=5
/5モル比 N:ネオペンチルグリコール H/N=5
/5モル比 C,CHDM:シクロヘキサンジメタノール MPD:3-メチル−1,5-ペンタンジオール AA:アジピン酸 P/A=5
/5モル比 P:フタル酸 P/DMS
=99/1 モル比 DMS:5-ソジウムスルホ−1,3-ジメチルイソフタル酸
【0042】
【表1】ポリエステルポリオール配合例(1):数字は
配合モル比を示す
【0043】表1中の下記のものは次の通り。 CHDMポリカーボネート:シクロヘキサンジメタノー
ルとCOCL2とから得られるもの HDポリカーボネート:ヘキサンジオールとCOCL2
とから得られるもの 水酸基含有ポリカプロラクトン:3-メチル 1,5-ヘ゜ンタンシ゛オール
に ε-カフ゜ロラクトンを付加させて得られたポリオール、分
子量1000
【0044】
【表2】ポリエステルポリオール配合例(2):数字は
配合モル比を示す
【0045】
【表3】ポリウレタンの合成例(配合比はモル比を示
す)
【0046】
【表4】ポリウレタンの合成例(配合比はモル比を示
す) ポリウレタン樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフによりポリスチレン分子量換算の重量平均
分子量で求められた。またガラス転移点は、ポリウレタ
ン樹脂のキャスティングフィルムをレオバイブロン測定
器を用いて測定した粘弾性挙動のE”がピークを示す温
度で求められた。
【0047】
【表5】ポリウレタン樹脂の合成結果(1)
【0048】
【表6】ポリウレタン樹脂の合成結果(2)
【0049】<実施例1〜13、比較例1〜4>表7お
よび8に示された磁気記録媒体用結合剤組成物に、以下
の配合物を加え、ボールミル中で48時間練肉した後、
硬化剤としてバーノックD−750(大日本インキ化学
工業株式会社製、低分子量ポリイソシアネート)を20
部添加し、さらに一時間練肉し厚さ10ミクロンのポリ
エチレンテレフタレート基体フィルム上に乾燥後の厚み
が5ミクロンとなるように塗布乾燥しカレンダ−処理
後、所定の幅に裁断して磁気記録テ−プを作成した。但
し比較例4においては、バーノックD−750は配合し
なかった。
【0050】 シクロヘキサノン/メチルエチルケトン=1/1 215部 (ポリウレタン、ニトロセルロースに含有されるものを含む) Co-γ-フェライト磁性粉(BET値36m2/g) 100部 カ−ボンブラック 4部 潤滑剤 2部
【0051】<磁性塗料の粘度>BM型粘度計にてN
o.3又はNo.4ローターを用い、12回転で測定。
【0052】<磁気テ−プの光沢試験>カレンダ−処理
前の各磁気テ−プの磁性面をデジタル変角光沢計を用い
て入射角45度、反射角45度で測定した。
【0053】<磁気テ−プの角型比(Br/Bm)>得
られた各磁気テ−プの角型比をVSM(Vibrati
ng SampleMagnetmeter)を用いて
測定した。
【0054】<磁気テープのカレンダー性の評価>塗布
した磁気テープをスチールロール/樹脂ロール2段式ス
ーパーカレンダーにて20kg/cm×5回鏡面処理した
後の光沢を測定した。
【0055】<磁気テ−プの耐湿熱耐久性試験>カレン
ダー後の各磁気テ−プを70℃、相対湿度95%で2週
間保存し、更に常温で24時間放置したのち、ビデオテ
ープレコーダーで走行テストを行ない評価した。
【0056】○:繰り返し走行に問題のないもの △:わずかに走行ムラのあるもの ×:テープの粘着が激しく走行停止するもの
【0057】<磁気テ−プの耐摩耗性試験>カレンダー
後の磁気テ−プの磁性面をテーバー式摩耗試験機を用い
て、磁性層が脱落するまでの回数を測定した。
【0058】各例の塗料粘度、磁気テープの光沢、角型
比、カレンダー性、耐湿熱耐久性、及び耐摩耗性の測定
結果を表7および8に示した。
【0059】<実施例14>表8に示された磁気記録媒
体用結合剤組成物に、以下の配合物を加え、ボールミル
中で48時間練肉した後、硬化剤としてバーノックD−
750(大日本インキ化学工業株式会社製、低分子量ポ
リイソシアネート)を20部添加し、さらに一時間練肉
し厚さ10ミクロンのポリエチレンテレフタレート基体
フィルム上に乾燥後の厚みが5ミクロンとなるように塗
布乾燥しカレンダ−処理後、所定の幅に裁断して磁気記
録テ−プを作成した。以下、実施例1と同様にして各種
のテストを行った。その結果を表8に示す。
【0060】 シクロヘキサノン/メチルエチルケトン=1/1 215部 (ポリウレタン、ニトロセルロースに含有されるものを含む) Co-γ-フェライト磁性粉(BET値54m2/g) 100部 カ−ボンブラック 4部 潤滑剤 2部
【0061】
【表7】配合比率は固形分重量を示す
【0062】
【表8】配合比率は固形分重量を示す
【0063】表7および8の次のものは以下の通りであ
る。 ニトロセルロース 1/16,1/2 : 旭化成工業
製 UCARMAG 527 : UCC製 塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合樹脂 EPOCLON 1050 : 大日本インキ化学工
業製 エポキシ樹脂 実施例10〜13および比較例1〜3には硬化剤(バー
ノックD−750:ポリイソシアネート)が20部添
加。比較例4は無添加。
【0064】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体用結合剤を用いた
磁性塗料は高度に微粉末化された磁性粉を使用しても分
散性が良く、塗料粘度が低くて作業性、生産性が良好で
あり、得られる磁気記録媒体の電磁変換特性も極めて優
れ、表面平滑性も向上する一方、耐加水分解性が良好
で、得られる磁気記録媒体の耐摩耗性も向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHP 8620−4J C09J 175/04 JFB 8620−4J

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタン樹脂、HIG1/16以下の
    ニトロセルロース及びポリイソシアネートを含んでなる
    ことを特徴とする磁気記録媒体用結合剤。
  2. 【請求項2】ポリウレタン樹脂、HIG1/16以下の
    ニトロセルロース、ポリイソシアネート及び塩化ビニル
    −酢酸ビニル共重合体を含んでなることを特徴とする磁
    気記録媒体用結合剤。
  3. 【請求項3】ポリウレタン樹脂が分岐鎖を有する多価ア
    ルコールを1種以上用いたポリエステルジオールとジイ
    ソシアネートから得られることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の磁気記録媒体用結合剤。
  4. 【請求項4】ポリウレタン樹脂が重量平均分子量80,
    000以下のものであることを特徴とする請求項1、2
    または3記載の磁気記録媒体用結合剤。
  5. 【請求項5】ポリウレタン樹脂がガラス転移点10℃以
    下のものであることを特徴とする請求項1、2、3また
    は4記載の磁気記録媒体用結合剤。
  6. 【請求項6】分岐鎖を有する多価アルコールの水酸基が
    ポリウレタン樹脂中に1重量%以上含有されることを特
    徴とする請求項3記載の磁気記録媒体用結合剤。
  7. 【請求項7】ポリウレタン樹脂とニトロセルロースとが
    重量比で20/80〜80/20であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の磁気記録媒体用結合剤。
  8. 【請求項8】ポリウレタン樹脂とニトロセルロースとの
    100重量部に対して、ポリイソシアネートを3〜40
    重量部含んでなることを特徴とする請求項1または2記
    載の磁気記録媒体用結合剤。
  9. 【請求項9】ガラス転移点が10℃以下であり、かつ重
    量平均分子量が70,000以下のポリウレタン樹脂、
    HIG 1/16以下のニトロセルロース、塩化ビニル
    −酢酸ビニル共重合体及びポリイソシアネートを含んで
    なることを特徴とする磁気記録媒体用結合剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1053753A (ja) * 1996-05-22 1998-02-24 Hb Fuller Licensing & Financing Inc 改良型イソシアネート系積層接着剤
US5747157A (en) * 1995-08-30 1998-05-05 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording medium
JP2015178587A (ja) * 2014-02-25 2015-10-08 三洋化成工業株式会社 印刷インキ用バインダー及びこれを用いた印刷インキ

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