JPH0644551A - 磁気記録媒体の結合剤及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の結合剤及び磁気記録媒体

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JPH0644551A
JPH0644551A JP19831592A JP19831592A JPH0644551A JP H0644551 A JPH0644551 A JP H0644551A JP 19831592 A JP19831592 A JP 19831592A JP 19831592 A JP19831592 A JP 19831592A JP H0644551 A JPH0644551 A JP H0644551A
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binder
magnetic recording
recording medium
quinone
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JP19831592A
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Inventor
Kazuhiro Nishikawa
和宏 西川
Masanobu Fukuda
昌宣 福田
Shigeyoshi Kuroda
栄美 黒田
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面平滑性と耐摩耗性に優れた磁気記録媒体を
得る。 【構成】ポリウレタン樹脂と、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体と、鉄−ニッケル合金磁性粉と下記構造のP−
ベンゾキノンとL−リシンとの反応生成物とを主成分と
して得た配合物にポリイソシアネート系架橋剤を加え
て、PETフィルムに塗布乾燥させる。 【化1】 【効果】表面平滑性と耐摩耗性に優れた磁気記録媒体が
得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の結合剤
に関する。さらに詳しくは、磁性層の磁性粉分散性及び
耐湿熱耐久性に優れる磁気記録媒体の結合剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオテープ用、家庭用VT
Rテ−プ用等の用途拡大に伴って、その要求性能も多岐
にわたっている。また8ミリビデオ、DAT、S−VH
S、等ハード面での技術の進歩も著しく、磁気記録媒体
への要求もきびしいものとなってきている。特に、記録
再生時における高画質及び高信頼性が求められている。
その具体例としては、鮮明な画像及び音を再生するため
の高記録密度化、かつ、高温高湿等の過酷な条件下で高
速長時間走行に耐え、磁性層より磁性粉の脱落が生じな
いことなどが挙げられる。
【0003】上記磁性層の特性及び物性を維持するの
が、結合剤の重要な機能であり、磁性粉の分散性に優
れ、高感度、高SN比、高CN比等、良好な電磁特性が
得られ、加えて耐摩耗性、耐湿熱性等の耐久性に優れる
ものが求められている。従来からこれらの諸物性を満足
させるべく種々の結合剤の研究が為されており、磁性層
に良好な耐摩耗性を付与し、磁気記録媒体の耐久性を向
上させる主たる結合剤としてポリウレタン樹脂が提案さ
れている。
【0004】しかしながら従来のポリウレタン樹脂は、
凝集力が強いために充分に磁性粉を分散させることがで
きなかった。そこで、磁性粉を分散させるためニトロセ
ルロースや塩ビ−酢ビ共重合体などがポリウレタン樹脂
と併用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、記録密度お
よび電磁変換特性を向上させるために高度に微粉末化し
た強磁性粉を使用した磁気記録媒体の場合、前述の結合
剤では、磁性粉を充分に分散させることができず、結果
的に光沢が低く表面平滑性の劣ったものとなる。
【0006】この結果、微粉末化した強磁性粉を使用し
たにも拘らず、得られた磁気記録媒体の電磁変換特性が
充分には改善されないばかりか、分散不良の磁性粉が磁
性層から一部脱落しドロップアウトの原因となることも
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に関し鋭意研究を重ねた結果、キノン化合物とポリアミ
ン化合物を含有する磁気記録媒体の結合剤を用いれば磁
気記録媒体の表面平滑性と耐摩耗性という課題が同時に
改善されることを見い出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0008】[構成]本発明の結合剤は、キノン化合物
とポリアミン化合物の反応生成物(以後キノン=アミン
化合物と略記する)を含有していることを特徴とする。
【0009】このキノン=アミン化合物は、キノン化合
物の1位及び4位が、ポリアミン化合物のアミノ基と反
応することにより得られるものである。本発明で用いら
れるキノン=アミン化合物としては、例えば次の一般式
(I)の構造を有するものが挙げられる。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Rは2価の連結基であり、nは1
以上の整数である。)本発明におけるキノン=アミン化
合物の原料として、キノン化合物成分としては、例えば
p−ベンゾキノン、o−ベンゾキノン、ジフェノキノン
、2,5−ジフェニルキノン、2−フェニルキノンな
どが用いられる。
【0012】又、ポリアミン成分としては、ジエチレン
トリアミン、トリエチルテトラアミンテトラアミノベナ
ゼン、ジアミノベンジジン、テトラアミノピリミジン、
ジェファーミン、1,4ジアミノシクロヘキサン、1,
2ジアミノシクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、t−ブチル
トルエンジアミン、ベンジジン、1,2−ジアニリノー
ルエタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(p
−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、4,4’−メチ
レン−ビス−o−エチルアニリン、ビス(3−アミノプ
ロピル)テトラメチルジシロキサン、2−メチルペンタ
メチレンジアミン、アミノアルキルシリコン液、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジニトロジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノ−1,1’−バイナフチル、
4,4’−スルフォニルジアニリン、3,3’−スルフ
ォニルジアニリン、3,3,4,4’−テトラアミノベ
ンゾフェノン、2,4,6−トリアミノピリジン、2,
4,5,6−テトラアミンピリミジン、4,5−ジメチ
ル−1,2−フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジ
アミン、m−アミノフェニル−(4,4’−オキシアニ
リン)エーテル、1,12−ジアミノドデカン、1,1
0−ジアミノデカン、1,8−ジアミノオクタン、1,
5−ジアミノペンタン、3,3’,4,4−テトラアミ
ンジフェニル、2,4−ジアミノ−6−メルカプトピリ
ジンヘミサルフェート、3,5−ジアミノトリアゾー
ル、1,8−ジアミノナフタレンなどが挙げられる。
【0013】キノン=アミン化合物は、上記したのを出
発原料として、例えば後記の方法によって製造される。
ポリアミン化合物をエタノール、アセトン等水溶性溶媒
に溶解し、p−ベンゾキノンのようなキノン化合物をエ
タノール等適当な溶媒に溶解する。そして仕込み比はモ
ル比にして1:10から10:1好ましくはポリアミン
化合物:キノン化合物=1〜2:3のモル比で混合し攪
拌しながら3〜8時間反応させる。さらに溶媒を真空除
去し反応生成物を水洗浄後真空乾燥することにより目的
とする化合物が得られる。本発明に使用されるキノン=
アミン化合物は、通常重量平均分子量で1万〜20万好
ましくは15万以下であり、磁性粉100重量部当たり
少なくとも 0.1重量部好ましくは1〜10重量部添
加することにより、磁性粉に対し高い親和性を示し、高
度に微粉末化された磁性粉を使用しても分散性が良好で
あり、得られる磁気記録媒体の電磁変換特性も極めて優
れ、表面平滑性も向上する。
【0014】キノン=アミン化合物は、通常後述するポ
リウレタン樹脂に混合して用いればよいが、キノン=ア
ミン化合物骨格が導入されたポリウレタン樹脂を用いた
り、キノン=アミン化合物の存在下でポリオールとポリ
イソシアネートとを反応せしめたポリウレタン樹脂を用
いてもよい。
【0015】本発明で使用されるポリウレタン樹脂の原
料には、次のものが挙げられる。有機ジイソシアネ−ト
としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシア
ネート、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、p
−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソ
シアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート等及
びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート及びこれらの混
合物が好適である。
【0016】分子鎖中にSO3M基を含むポリエーテル
ポリオールは、開始剤として例えば、2−スルホナトリ
ウム−1,4−ブタンジオール、1−スルホナトリウム
−1,4−ブタンジオール、3−スルホナトリウム−
2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、
2,5−ジスルホカリウム−3,4−ヘキサンジオー
ル、3−スルホカリウム−1,5−ペンタンジオール、
タウリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)タウリン等
の単量体もしくは混合物が挙げられ、これら開始剤にア
ルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド等を好ましくは2〜30モル程度付加
反応することにより得られる。このポリエーテルポリオ
ールの数平均分子量は、好ましくは2000以下、特に
1500以下である。
【0017】開始剤のSO3M基含有ジオールは、亜硫
酸ナトリウム又はカリウムを公知の方法で対応する不飽
和ジオールと反応させることによって得られる。またタ
ウリンは天然物として得られるし、タウリンのヒドロキ
シエチル化(またはヒドロキシアルキル化)物は、タウ
リンに対応するクロルヒドロキシアルカンを反応させる
ことにより得られる。
【0018】ポリウレタン樹脂一分子中のSO3M基数
は、樹脂1トン当り1000個(以下この量を1000
モル/トンと称する)以下、好ましくは4〜1000モ
ル/トンである。SO3M基が上記範囲内であると、親
水性の増大によって有機溶剤に対する溶解性が低下する
こともなく、しかも耐加水分解性が極端に悪化する心配
もないので好ましい。また、SO3M基のMは、例えば
アルカリ金属原子またはアンモニウム基、水素原子であ
り、アルカリ金属原子としては、Na、K等がある。
【0019】本発明では上記SO3M基含有ジオールを
開始剤とするポリエーテルポリオールのほか、一般的に
用いられるポリオール類を通常併用する。その比率は、
重量比で、好ましくは該ポリエーテルポリオール/その
他のポリオール=1/10〜1/5である。
【0020】その他のポリオールとしては、末端が水酸
基の分子量500〜5000のポリエ−テルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリ
オール、ポリカーボネートポリオール等であり、ポリエ
ーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等が挙げられる。
【0021】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、2,3
−ブチレングリコール、1,4ブチレングリコール、
2,2−ジメチル1,3−プロパンジオール、ジエチレ
ングリコール、3−メチル−1、5−ペンタンジオー
ル、1,5ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサ
メチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のグリコ
ール単独あるいはこれらの混合物とコハク酸、マレイン
酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の二塩
基酸及びこれらの酸エステル、酸ハライドと重縮合する
ことによって得られるものが挙げられる。
【0022】さらにポリカプロラクトンジオール類とし
ては、ε−カプロラクトンなどのラクトンモノマーをグ
リコールまたはポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール等の存在下で開環付加重合したものが挙げら
れる。
【0023】又、ポリカーボネートポリオールとして
は、ポリエチレンカーボネート、ポリブチレンカーボネ
ート、ポリヘキシレンカーボネート等が挙げられる。こ
の他に鎖伸長剤としての低分子量グリコールとしては、
前記ポリエステル類の製造に際し使用されるグリコール
類、ビスフェノールA、ハイドロキノン等にエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイドを2〜4モル付加した
ジオール類、及びヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ
ルコール等の分子量1000以下の低分子量エステルグ
リコール等の単独及び混合物を用いることができる。
【0024】本発明ではポリウレタン樹脂中に第3級水
酸基を導入することも許容される。導入量は1000モ
ル/トン以下、好ましくは10〜1000モル/トンで
ある。第3級水酸基量が上記範囲内であれば、ポリウレ
タン樹脂の合成中に架橋反応を起こし難く合成が容易で
好ましい。
【0025】第3級水酸基の導入方法としては、分子鎖
中に第3級水酸基を少なくとも1個以上含むポリオール
を鎖伸長剤として用いてもよく、又該ポリオールを開始
剤とする分子量500〜1000のポリカプロラクトン
ポリオール、またはポリエーテルポリオールの形で導入
してもよい。分子鎖中に第3級水酸基を少なくとも1個
以上含むポリオールには、例えば1,2,3−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン、1,2,3−ヒドロキシ−2
−エチルプロパン、1,2,4−ヒドロキシ−2−メチ
ルブタン、1,2,5−ヒドロキシ−2−メチルペンタ
ン、1,3,5−ヒドロキシ−3−メチルペンタン、
1,3,6−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン等の単量
体もしくは混合物が挙げられる。これらのポリオールの
両末端以外の分子鎖中の水酸基は、第3級であることが
極めて好ましい。
【0026】第1級及び第2級の水酸基は、第3級の水
酸基と比較してイソシアネートとの反応性が速く、ポリ
ウレタン樹脂の高分子化または網目状化を生じ易く、樹
脂の合成が比較的難しいことによるものである。
【0027】本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、
通常重量平均分子量が2万〜20万、さらに好ましくは
2万〜10万である。この範囲内であれば、ポリウレタ
ン樹脂の機械的性質、耐摩耗性、耐湿熱性を損なうこと
なく、しかもポリウレタン樹脂の溶液安定性や他樹脂と
の相溶性が良好となるとともに顔料分散性にも優れてい
る。
【0028】なお、本発明で用いるポリウレタン樹脂の
末端は、両末端がともにイソシアネ−ト基でもよいし水
酸基でもよく、また一方の末端がイソシアネートで他端
が水酸基でもよい。
【0029】本発明のポリウレタン樹脂の合成には、必
要であれば触媒を使用することができる。触媒として例
えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の第三
級アミン、モルホリン、N−メチルモルホリン等の窒素
化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属塩、
ジブチル錫ジラウレート、ヂブチル錫オキサイド等の有
機金属化合物等が挙げられる。
【0030】なお、ポリオールと有機ジイソシアネート
のNCO/OHモル比は特に制限はないが、本発明で想
定されている分子量のポリウレタン樹脂を得るために
は、夫々の原料中の不純物(水分、酸、加水分解性塩素
等)をも考慮して0.85/1.00〜1.15/1.
00好ましくは0.95/1.00〜1.15/1.0
0が適当である。
【0031】上記ポリウレタン樹脂を製造するにあたっ
ては、従来の公知の方法をとることができる。すなわ
ち、例えば所望により触媒の存在下で反応原料を十分に
混合後、反応混合物を平板もしくは平らな面上へ流して
加熱し、次いで冷却後破砕する方法、反応混合物を押出
機へ注入する方法、及びジメチルホルムアミド、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン、ジオキサン、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢
酸エチル、酢酸ブチル等の単一または混合溶剤系の有機
溶媒中で反応させる溶液反応法等の製造法を用いること
ができる。前記溶剤のうち磁性塗料用として好適である
ものは、固形ポリウレタン樹脂の溶解及び希釈用も含め
て、水との親和性、溶解性の低いトルエン、キシレン、
ベンゼン等、溶解性に優れるシクロヘキサノン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、
酢酸ブチル等がある。
【0032】なお、上記結合剤に必要ならば通常用いら
れている熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、繊維素系樹脂、塩化ビニル重合体、ポリビ
ニルブチラール系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、塩
化ビニル−プロピオン酸ビニル系共重合体、エポキシ樹
脂及びフェノキシ樹脂等の市販品をそのまま併用するこ
とによって顔料の分散性を維持しつつ、樹脂の硬さの調
整等に使用することができる。
【0033】さらに、本発明の磁気記録媒体の結合剤
は、硬化剤と硬化反応させてもよい。使用される硬化剤
としては、例えば下記の市販品のごとき低分子量ポリイ
ソシアネートが挙げられる。
【0034】バーノックD−750、バーノックDN−
950、クリスボンNX(以上大日本インキ化学工業
(株)製品)、コロネートL(日本ポリウレタン社製
品)、タケネートD−102(武田薬品社製品)、デス
モデュールL、デスモデュールR、デスモジュールRF
(以上住友バイエル社製品)等である。
【0035】前記結合剤と低分子量ポリイソシアネート
の比率は、特に限定されるものではないが、好ましくは
固形分比で前記結合剤100重量部に対して上記低分子
量ポリイソシアネートを3〜40重量部加えて硬化させ
ることによって硬化後のウレタン樹脂の機械的強度、耐
摩耗性、耐湿熱性、耐溶剤性及び基材との密着性を大巾
に向上させることができる。
【0036】本発明により得られる磁気記録媒体用結合
剤と組み合わせて用いられる磁性粉としては、γ−フェ
ライト、コバルトγ−フェライト、バリウム−フェライ
ト、金属鉄及びその合金類(いわゆるメタル粉)等が挙
げられる。
【0037】本発明により得られるポリウレタン樹脂は
その優れた顔料分散性、耐湿熱性、耐摩耗性、流動性、
永久伸び等の諸物性に優れているため磁気記録媒体の結
合剤以外の用途にも用いることができる。例えば、各種
印刷インキ、磁性ゴム、各種塗料、導電性樹脂、接着剤
が挙げられる。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、こ
れはあくまで一態様でしかなく、本発明は実施例のみに
限定されるものではない。また、文中の「部」は断わり
のない場合、重量基準を示すものとする。 キノン=アミン化合物の製造例 L−リシンの0.1モルをエタノール50mlに溶解す
る。この溶液を還流冷却器を備え付けた丸底フラスコに
仕込み、これにエタノール50mlに溶解したp−ベン
ゾキノン0.3モルを徐々に滴下し反応させる。3時間
還流した後、エタノールを蒸発装置で除去する。残った
沈澱物をアセトンに溶解し水で洗浄後真空乾燥しキノン
=アミン化合物を得た。このキノン=アミン化合物は次
の構造を有していた。
【0039】
【化3】
【0040】(nは約120である。) キノン=アミン化合物の製造例 アミン化合物にジェファーミンD−400を0.04モ
ル、キノン化合物にp−ベンゾキノンを0.06モル用
いた以外は上記キノン=アミン化合物の製造例と同じ
方法でキノン=アミン化合物を得た。このキノン=アミ
ン化合物は次の構造を有していた。
【0041】
【化4】
【0042】(mは約6.3であり、nは約80であ
る。) 実施例 <ポリウレタン樹脂の合成 >コンデンサー、温度計お
よび攪拌装置が装着された5リットルステンレススチー
ル製反応容器に、表2に示すポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオー
ルと低分子量ポリオール等を仕込み80℃に加温し、上
記ポリオールと有機ジイソシアネートを合計した仕込量
の1.5倍重量のシクロヘキサノンを加え、均一に混合
攪拌する。さらに、シクロヘキサノンを基準にして10
0ppmのジブチル錫ジラウレートを加え均一化した
後、有機ジイソシアネートを加え、90℃にて反応させ
る。ポリウレタン樹脂溶液の粘度が目標値に達したとこ
ろで、未反応イソシアネート基と等モル量のメタノー
ル、およびシクロヘキサノンと同量のメチルエチルケト
ンを加え、ウレタン樹脂濃度が25重量パーセントの溶
液を得た。
【0043】合成結果と得られたポリウレタン樹脂物性
等を表1及び表2に示した。
【0044】
【表1】 *1:テレフタル酸、イソフタル酸、アシ゛ヒ゜ン酸、エチレンク゛リコール、1,4フ゛チ
レンク゛リコール、ネオヘ゜ンチルク゛リコールよりなるホ゜リエステル *2:3-メチル1,5ヘ゜ンタンシ゛オールにε−カフ゜ロラクトンを付加させたホ゜
リエステル
【0045】
【表2】 ポリウレタン樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフによりポリスチレン分子量換算の重量平均
分子量で求められた。
【0046】<溶液安定性評価方法>不揮発分25%の
シクロヘキサノン/メチルエチルケトン溶液を0℃、1
週間靜置し、溶液の状態を観察した。
【0047】○:透明でなめらかに流動する。 △:透明でゼリー状を示すが室温に戻すとやがて正常な
流動状態を回復する。 ×:濁り・沈澱を生じ、室温に戻しても透明とならな
い。 実施例1〜4 各合成例a〜bにより 得られたポリウレタン樹脂溶液(不揮発分25%) 112部 MR−110(日本ゼオン製、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体) 42部 シクロヘキサノン 320部 メチルエチルケトン 700部 Fe−Ni合金磁性粉 350部 カ−ボンブラック 12部 潤滑剤 5部 前記各製造例のキノン=アミン化合物 17部 上記混合物をボールミル中で48時間練肉した後、バー
ノックD−750(大日本インキ化学工業株式会社製、
低分子量ポリイソシアネート)を20部添加し、さらに
一時間練肉し厚さ10ミクロンのポリエチレンテレフタ
レート基体フィルム上に乾燥後の厚みが8ミクロンとな
るように塗布乾燥しカレンダ−処理後、所定の幅に裁断
して磁気記録テ−プを作成した。
【0048】<磁気テ−プの光沢試験>カレンダ−処理
前の各磁気テ−プの磁性面をデジタル変角光沢計を用い
て入射角60度、反射角60度で測定した(光沢は磁性
粉分散性の尺度である。)。
【0049】<磁気テ−プの角型比>得られた各磁気テ
−プの角型比をVSM(Vibrating Samp
leMagnetmeter)を用いて測定した。
【0050】<磁気テ−プの耐湿熱耐久性試験>得られ
た各磁気テ−プを70℃、相対湿度95%で2週間保存
し、更に常温で24時間放置したのち、ビデオテープレ
コーダーで走行テストを行ない、評価した。
【0051】○:繰り返し走行に問題のないもの △:わずかに走行ムラのあるもの ×:テープの粘着が激しく走行停止するもの <磁気テ−プの耐摩耗性試験>得られた磁気テ−プの磁
性面をテーバー式摩耗試験機を用いて、磁性層が脱落す
るまでの回数を測定した。
【0052】各磁気テ−プの光沢、角型比、耐湿熱耐久
性、及び耐摩耗性の測定結果を表3に示した。 比較例1〜2 製造例及びの各キノン=アミン化合物17部をMR
−110の17部に置換した以外は、実施例1及び2と
同様の操作を行い、結合剤を得、磁気記録媒体を作製し
て、実施例と同様な評価を行った。測定結果を表3に示
した。
【0053】
【表3】 表3の結果から明らかなように、キノン化合物とポリア
ミン化合物の反応生成物を含有する結合剤から得られた
磁気記録媒体は、光沢試験結果からわかる様に、高度に
微粉末化された磁性粉における分散性が良好で表面平滑
性に優れているとともに、耐摩耗性にも優れていること
がわかる。さらにこの磁気記録媒体は、従来通りの優れ
た電磁変換特性を有していることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、結合剤として
キノン化合物とポリアミン化合物の反応生成物を含有す
る結合剤を用いるので、それから得られた磁気記録媒体
は、表面平滑性に優れ、しかも耐摩耗性に優れたものと
なるという格別顕著な効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キノン化合物とポリアミン化合物の反応生
    成物(A)を含有する磁気記録媒体結合剤。
  2. 【請求項2】反応生成物(A)が、下記一般式(I)で
    示されたものである請求項1記載の結合剤。 【化1】 (式中、Rは2価の連結基であり、nは1以上の整数で
    ある。)
  3. 【請求項3】反応生成物(A)と、繊維素系樹脂及び/
    又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を併用する請求項
    1記載の結合剤。
  4. 【請求項4】基体フィルム上に、キノン化合物とポリア
    ミン化合物の反応生成物(A)及びポリウレタン樹脂で
    結合された磁性粉層が設けられた磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5935703A (en) * 1994-12-09 1999-08-10 Victor Company Of Japan, Ltd. Magnetic recording medium and binder for use with magnetic coating in the magnetic recording medium
JP2018536080A (ja) * 2015-10-08 2018-12-06 ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシーRohm and Haas Electronic Materials LLC アミン及びキノンの反応生成物の化合物を含有する銅電気めっき浴

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