JP2015045004A - 架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物 - Google Patents

架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的強度などの各種特性が良好で、かつ、圧縮永久ひずみの小さな架橋物を与える架橋性ゴム組成物、および、このゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物を提供すること。【解決手段】α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリルゴム100重量部に対し、アミノ基以外の極性基を有しない第一級モノアミン0.1〜20重量部、および、ポリアミン系架橋剤0.1〜20重量部を含有してなる架橋性ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、機械的強度などの各種特性が良好で、かつ、圧縮永久ひずみの小さな架橋物を与える架橋性ゴム組成物、および、このゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物に関する。
従来から、耐油性、耐熱性および耐オゾン性を有するゴムとして、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムが知られており、その架橋物はベルト、ホース、ガスケット、パッキン、オイルシールなど種々の自動車用ゴム製品の材料等に用いられている。最近では引張強さ、引張応力等の機械的強度の一層の向上が望まれ、特に繊維含浸体や金属複合体以外のバルクのゴム製品において、引張強さ等の機械的強度に加えて圧縮永久ひずみの改善も求められるようになっている。
かかる状況に対してα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル単位を含有するニトリル基含有高飽和共重合体ゴム、ポリアミン系架橋剤および塩基性架橋促進剤を含有する架橋性ゴム組成物が提案されている(特許文献1)。該組成物を架橋することにより、引張強さ、引張応力および圧縮永久ひずみの改善されたゴム架橋物が得られる。しかしながら、たとえば、O−リングのように空間部を抱える構造のゴム架橋物では、圧縮時にかかる力の影響により、圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、更なる圧縮永久ひずみの改善が求められていた。
また、耐熱老化性を良好に保ちながら、圧縮永久ひずみを向上させるために、たとえば、pHが8.5以上のシリカ系無機配合剤とビニルシラン系カップリング剤を配合する方法(特許文献2)、強塩基、強塩基と弱酸の塩、カルボジイミド、ポリカルボジイミドおよびそれらの混合物を包含する群から選択される添加剤を配合する方法(特許文献3)などが提案されている。しかしながら、これら特許文献2,3においても、圧縮永久ひずみの改善効果が十分でなく、同様に、更なる圧縮永久ひずみの改善が求められていた。
特開2001−55471号公報 特開昭62−240338号公報 特開平11−293039号公報
本発明の目的は、機械的強度などの各種特性を良好に保ちながら、圧縮永久ひずみが特に小さい架橋物を与えることのできる架橋性ゴム組成物、および、このゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者等は鋭意検討を行ったところ、特定のニトリルゴム、および架橋剤としてのポリアミン系架橋剤を含有する所定の架橋性ゴム組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の観点によれば、
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリルゴム(A1)100重量部に対し、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2)0.2〜10重量部、および、ポリアミン系架橋剤(A3)0.2〜20重量部を含有してなる架橋性ゴム組成物が提供される。
第1の観点において、好ましくは、前記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を形成する単量体が、α,β−エチレン性不飽和結合を形成する二つの炭素原子の各々にカルボキシル基を有するジカルボン酸のモノエステル単量体である。
第1の観点において、好ましくは、前記架橋性ゴム組成物のコンパウンドムーニー粘度ML1+4(100℃)が15〜200である。
第1の観点において、好ましくは、前記架橋性ゴム組成物が、25%圧縮した状態で150℃、504時間保持した後におけるO−リング圧縮永久ひずみが71%以下であるゴム架橋物を与えるものである。
あるいは、本発明の第2の観点によれば、
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリルゴム(B1)100重量部に対し、アミノ基以外の極性基を有しない第一級モノアミン(B2)0.1〜20重量部、および、ポリアミン系架橋剤(B3)0.1〜20重量部を含有してなる架橋性ゴム組成物が提供される。
第2の観点において、好ましくは、前記アミノ基以外の極性基を有しない第一級モノアミン(B2)が、脂肪族第一級モノアミンである。
あるいは、本発明の第3の観点によれば、
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(C1)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(C2)およびポリアミン系架橋剤(C3)を含有してなる架橋性ゴム組成物が提供される。
第3の観点において、好ましくは、前記ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(C1)が、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含有量が10〜60重量%でヨウ素価が100以下のニトリルゴムである。
あるいは、本発明の第4の観点によれば、
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有するニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(D1)およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有するアクリルゴム(D2)の合計100重量部に対して、ポリアミン系架橋剤(D3)0.2〜20重量部を含有してなる架橋性ゴム組成物が提供される。
第4の観点において、好ましくは、前記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を形成する単量体が、α,β−エチレン性不飽和結合を形成する二つの炭素原子の各々にカルボキシル基を有するジカルボン酸のモノエステル単量体であり、より好ましくは、アルコキシ基の炭素数が3〜8である単量体である。
第4の観点において、好ましくは、前記ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(D1)および前記アクリルゴム(D2)の重量比が5/95〜95/5である。
第4の観点において、好ましくは、前記架橋性ゴム組成物が、25%圧縮した状態で150℃、168時間保持した後におけるO−リング圧縮永久ひずみが40%以下のゴム架橋物を与えるものである。
第4の観点において、好ましくは、前記架橋性ゴム組成物が、さらに塩基性架橋促進剤(D4)0.5〜10重量部を含有してなるものである。
また、本発明によれば、上記第1〜第4の観点に係るいずれかの架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。本発明(第1〜第4の観点)に係るゴム架橋物は、好ましくは、シール材またはベルト材として用いられる。
本発明によれば、機械的強度などの各種特性を良好に保ちながら、圧縮永久ひずみが特に小さい架橋物を与えることのできる架橋性ゴム組成物、および、該ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物を提供することができる。
特に、本発明の第1の観点によれば、引張強さ、引張応力などの機械的強度と伸びとのバランスに優れ、かつ、圧縮永久ひずみが特に小さな架橋物を与える架橋性ゴム組成物、および、該ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物を提供することができる。
また、本発明の第2の観点によれば、圧縮永久ひずみが小さい架橋物を与えることができ、加工性が良く、スコーチ安定性に優れた架橋性ゴム組成物、および、該ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物を提供することができる。
本発明の第3の観点によれば、耐熱老化性に優れ、圧縮永久ひずみが特に小さな架橋物を与える架橋性ゴム組成物、および、該ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物を提供することができる。
さらに、本発明の第4の観点によれば、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを用いて、機械的強度および耐熱性に優れ、圧縮永久ひずみが顕著に小さい架橋物を与える架橋性ゴム組成物、および該ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物を提供することができる。
第1の観点(第1実施形態)
まず、本発明の第1の観点に係る実施形態である第1実施形態について、説明する。
本発明の第1の観点に係る架橋性ゴム組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリルゴム(A1)100重量部に対し、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2)0.2〜10重量部、および、ポリアミン系架橋剤(A3)0.2〜20重量部を含有してなるものである。
以下、第1の観点(第1実施形態)においては、上記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリルゴム(A1)を、「ニトリルゴム(A1)」と略記することがある。
ニトリルゴム(A1)
ニトリルゴム(A1)のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成する単量体(α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体)は、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば限定されない。このような化合物としては、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリルはこれらの複数種を併用してもよい。
ニトリルゴム(A1)におけるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜55重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると、得られるゴム架橋物の耐油性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると耐寒性が低下する可能性がある。
ニトリルゴム(A1)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位に加えて、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を含有する。ニトリルゴム(A1)を、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有する構成とすることにより、得られるゴム架橋物の引張強さが向上する傾向を示す。
ニトリルゴム(A1)に、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を含有させるための好ましい方法としては、上記α,β−エチレン性不飽和ニトリルにα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステルを共重合させる方法などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステルの、酸素原子を介してカルボニル基と結合する有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基およびアルキルシクロアルキル基が挙げられ、なかでもアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜10、より好ましくは2〜6である。シクロアルキル基の炭素数は好ましくは5〜12、より好ましくは6〜10である。アルキルシクロアルキル基の炭素数は好ましくは6〜12、より好ましくは7〜10である。有機基の炭素数が小さすぎると、得られるゴム組成物の加工安定性が低下するおそれがあり、逆に大きすぎると架橋速度が遅くなったり、架橋物の機械的強度が低下したりする可能性がある。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体の例としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn−ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル;マレイン酸モノメチルシクロペンチル、マレイン酸モノエチルシクロヘキシルなどのマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn−ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチルシクロペンチル、フマル酸モノエチルシクロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn−ブチルなどのシトラコン酸モノアルキルエステル;シトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、シトラコン酸モノシクロヘプチルなどのシトラコン酸モノシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチルシクロペンチル、シトラコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn−ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチルシクロペンチル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;などが挙げられる。
これらのなかでも、架橋性ゴム組成物のコンパウンドムーニー粘度ML1+4(100℃)の低下作用を有するという点より、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸などの、α,β−エチレン性不飽和結合を形成する二つの炭素原子の各々にカルボキシル基を有するジカルボン酸のモノエステル(モノアルキルエステル、モノシクロアルキルエステルおよびモノアルキルシクロアルキルエステル)が好ましく、マレイン酸およびフマル酸のモノエステルが特に好ましい。
ニトリルゴム(A1)におけるα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量は、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは1.5〜10重量%である。ニトリルゴム(A1)のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が少なすぎると架橋性ゴム組成物の架橋が不十分となるおそれがある。一方、多すぎると架橋後に残留するカルボキシル基により、得られる架橋物の疲労性が低下する可能性がある。
ニトリルゴム(A1)は、上記のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の他に、得られるゴム架橋物を、ゴム弾性を保有する構成とするために、通常、ジエン系単量体単位および/またはα−オレフィン系単量体単位をも有する。
ジエン系単量体単位を形成するジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの炭素数が4以上の共役ジエン;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの炭素数が好ましくは5〜12の非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中では、共役ジエンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
α−オレフィン単量体単位を形成するα−オレフィン単量体としては、好ましくは炭素数が2〜12のα−オレフィンであり、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが例示される。
ニトリルゴム(A1)におけるジエン系単量体単位またはα−オレフィン単量体単位の含有量は、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは25〜85重量%、より好ましくは35〜80重量%、特に好ましくは45〜75重量%である。これらの単位が少なすぎると、得られる架橋物のゴム弾性が低下するおそれがあり、多すぎると耐熱性や耐化学的安定性が損なわれる可能性がある。
ニトリルゴム(A1)は、上記各単量体単位を形成する単量体、すなわち、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、および、ジエン系単量体またはα−オレフィン単量体、と共重合可能なその他の単量体の単位を含有していても良い。その他の単量体としては、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル以外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル、芳香族ビニル、フッ素含有ビニル、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物、共重合性老化防止剤などが例示される。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル以外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルであって、アルキル基の炭素数が1〜18のもの;アクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸メトキシエチルなどの、アクリル酸アルコキシアルキルエステルおよびメタクリル酸アルコキシアルキルエステルであって、アルコキシアルキル基の炭素数が2〜12のもの;アクリル酸α−シアノエチル、アクリル酸β−シアノエチル、メタクリル酸シアノブチルなどの、アクリル酸シアノアルキルエステルおよびメタクリル酸シアノアルキルエステルであって、シアノアルキル基の炭素数が2〜12のもの;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルおよびメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであって、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜12のもの;アクリル酸フルオロベンジル、メタクリル酸フルオロベンジルなどの、フッ素置換ベンジル基含有アクリル酸エステルおよびフッ素置換ベンジル基含有メタクリル酸エステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどの、フルオロアルキル基含有アクリル酸エステルおよびフルオロアルキル基含有メタクリル酸エステル;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどの、不飽和多価カルボン酸ポリアルキルエステル;アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルなどの、アミノ基含有α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル;などが挙げられる。
芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
フッ素含有ビニルとしては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸などが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
これらの共重合可能な他の単量体は、複数種類を併用してもよい。ニトリルゴム(A1)中における、これらの他の単量体単位の含有量は、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは80重量%以下、より好ましくは50重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
第1の観点で使用するニトリルゴム(A1)におけるカルボキシル基の含有量、すなわち、ニトリルゴム(A1)100g当たりのカルボキシル基数(モル数)は、好ましくは5×10−4〜5×10−1ephr、より好ましくは1×10−3〜1×10−1ephr、特に好ましくは5×10−3〜6×10−2ephrである。ニトリルゴム(A1)のカルボキシル基含有量が少なすぎると、架橋性ゴム組成物の架橋が不十分となるおそれがあり、多すぎると得られるゴム架橋物の疲労性が低下する可能性がある。
ニトリルゴム(A1)は、そのヨウ素価が120以下、好ましくは100以下、より好ましくは80以下、さらに好ましくは25以下、特に好ましくは15以下のものである。
ニトリルゴム(A1)のヨウ素価が高すぎると、得られるゴム架橋物の耐オゾン性が低下するおそれがある。
また、ニトリルゴム(A1)のムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、好ましくは15〜200、より好ましくは30〜150、特に好ましくは45〜120である。ニトリルゴム(A1)のムーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の機械的強度が低下するおそれがあり、逆に、高すぎると、得られる架橋性ゴム組成物の加工性が低下する可能性がある。
上記ニトリルゴム(A1)の製造方法は特に限定されない。一般的には、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、ジエン系単量体またはα−オレフィン単量体、および必要に応じて加えられるこれらと共重合可能なその他の単量体を共重合する方法が便利で好ましい。重合法としては、公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法および溶液重合法のいずれをも用いることができるが、重合反応の制御の容易性等から乳化重合法が好ましい。
共重合して得られた共重合体のヨウ素価が上記の範囲より高い場合は、共重合体の水素化(水素添加反応)を行うと良い。水素化の方法は特に限定されず、公知の方法を採用すればよい。
芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2)
第1の観点に係る架橋性ゴム組成物は、上記ニトリルゴム(A1)に加えて、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2)を含有する。
芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2)は、分子内に芳香族二級アミンを有する老化防止剤であれば特に限定されないが、炭素数が100以下のものが好ましく、50以下のものが特に好ましい。その具体例としては、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(「p.p’−ジクミルジフェニルアミン」とも言う。)、p.p’−ジオクチルジフェニルアミン等のオクチル化ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミンなどのジアリール第二級モノアミン系老化防止剤;ジフェニル−p−フェニレンジアミン、混合ジアリール−p−フェニレンジアミン、ジナフチル−p−フェニレンジアミンなどのジアリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(メタクリロイル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのアルキルアリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤;などが挙げられる。
第1の観点に係る架橋性ゴム組成物における芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2)の含有量は、ニトリルゴム(A1)100重量部に対して、0.2〜10重量部、好ましくは0.3〜8重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。架橋性ゴム組成物における(A2)成分の含有量が少な過ぎると、本発明(第1の観点に係る発明)の効果が得られにくくなり、逆に、多すぎると機械的強度が低下する可能性がある。
ポリアミン系架橋剤(A3)
第1の観点に係る架橋性ゴム組成物は、上記ニトリルゴム(A1)のカルボキシル基を架橋するために架橋剤として、ポリアミン系架橋剤(A3)をさらに含有する。ポリアミン系架橋剤(A3)は、(1)2つ以上のアミノ基を有する化合物、または、(2)架橋時に2つ以上のアミノ基を有する化合物の形態になるもの、であれば特に限定されないが、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素が、アミノ基またはヒドラジド構造(「−CONHNH」で表される構造、COはカルボニル基を表す。)で置換された化合物が好ましい。ポリアミン系架橋剤(A3)の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物、ヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩などの脂肪族多価アミン類;2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)などの芳香族多価アミン類;イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどのヒドラジド構造を2つ以上有する化合物;などが挙げられる。このれらのなかでも、脂肪族多価アミン類が好ましく、ヘキサメチレンジアミンカルバメートが特に好ましい。
ポリアミン系架橋剤(A3)に代えて、他の架橋剤である多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、アジリジン化合物、塩基性金属酸化物、有機金属ハロゲン化物、および有機過酸化物などを用いた場合には、本発明(第1の観点に係る発明)の効果が得難くなる。
第1の観点に係る架橋性ゴム組成物におけるポリアミン系架橋剤(A3)の含有量は、ニトリルゴム(A1)100重量部に対して、0.2〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは1.5〜10重量部である。架橋性ゴム組成物における(A3)成分の含有量が少なすぎると、本発明(第1の観点に係る発明)の効果が得られにくくなり、逆に、多すぎると疲労性が低下する可能性がある。
その他の配合剤、架橋性ゴム組成物の架橋反応等
第1の観点に係る架橋性ゴム組成物には、上記ニトリルゴム(A1)、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2)およびポリアミン系架橋剤(A3)以外に、ゴム加工分野において通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラックやシリカなどの補強性充填材、炭酸カルシウムやクレーなどの非補強性充填材、酸化防止剤、光安定剤、一級アミンなどのスコーチ防止剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、硫黄架橋剤、有機過酸化物架橋剤、架橋促進剤、架橋助剤、架橋遅延剤などを配合することができる。これらの配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を適宜配合することができる。
また、第1の観点に係る架橋性ゴム組成物には、本発明(第1の観点に係る発明)の目的や効果を阻害しない範囲であればニトリルゴム(A1)以外のゴムを配合してもよい。第1の観点に係る架橋性ゴム組成物中の、ニトリルゴム(A1)以外のゴムの含有量は、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
第1の観点に係る架橋性ゴム組成物は、上記各成分を、通常は非水系で混合して調製される。第1の観点に係る架橋性ゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、架橋剤および熱に不安定な架橋助剤などを除いた成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で一次混練した後、ロールなどに移して架橋剤等を加えて二次混練する。
調製された架橋性ゴム組成物を架橋して、第1の観点に係るゴム架橋物を得るには、所望の形状に対応した成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、架橋反応によりゴム架橋物としての形状を固定化する。予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。
また、架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
第1の観点に係るゴム架橋物は、耐油性、耐熱性および耐オゾン性に優れるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの特性に加えて、引張強さ、引張応力などの機械的強度と伸びとのバランスに優れ、かつ、圧縮永久ひずみが特に小さいという特徴を有する。なお、第1の観点においては、圧縮永久ひずみは、後述の実施例における「(8)O−リングセット試験」で測定した「O−リング圧縮永久ひずみ」の値(25%圧縮した状態で150℃、504時間保持した後のO−リング圧縮永久ひずみの値)で、好ましくは71%以下となる。
そのため、このような第1の観点に係るゴム架橋物は、上記特性を生かし、O−リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、ベアリングシール、フレオンシールなどの各種シール;コンベアーベルト、Vベルト、タイミングベルト、歯付ベルトなどの各種ベルト;バルブおよびバブルシート、BOP(Blow Out Preventar)、プラターなどの油田用シールゴム部品;クッション材、防振材などの減衰材ゴム部品;燃料ホース、オイルホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース、チューブ;印刷用ロール、工業用ロール、事務機用ロールなどの各種ロールおよびロールカバー;などの激しい剪断応力を繰り返し受ける用途をはじめ、インテークマニホールドガスケット、ロッカーカバーガスケット、オイルパンガスケットなどの各種ガスケット;ブーツ;ケーブル被覆;ダストカバー、自動車内装部材、靴底、など幅広い用途に使用することができるが、シール、ベルト、ホース、チューブ、ロールカバー、ガスケット、ブーツおよびケーブル被覆用途に好適に用いられ、シールまたはベルトとして特に好適に用いられる。
特に、第1の観点によれば、繊維含浸体や金属複合体以外のバルクのゴム製品において、引張強さ、引張応力などの機械的強度と伸びとのバランスに優れ、圧縮永久ひずみが小さいという効果が活かされる。
第2の観点(第2実施形態)
次に、本発明の第2の観点に係る実施形態である第2実施形態について、説明する。
本発明の第2の観点に係る架橋性ゴム組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリルゴム(B1)100重量部に対し、アミノ基以外の極性基を有しない第一級モノアミン(B2)0.1〜20重量部、および、ポリアミン系架橋剤(B3)0.1〜20重量部を含有してなるものである。
以下、第2の観点(第2実施形態)においては、上記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリルゴム(B1)を、「ニトリルゴム(B1)」と略記することがある。
ニトリルゴム(B1)
ニトリルゴム(B1)としては、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様のものを使用することができる。
アミノ基以外の極性基を有しない第一級モノアミン(B2)
第2の観点に係る架橋性ゴム組成物に含有される、アミノ基以外の極性基を有しない第一級モノアミン(B2)〔以下、単に「第一級モノアミン(B2)」と記すことがある。〕は、一つの炭化水素残基と二つの水素原子とが窒素原子に結合してなるモノアミン化合物であって、該炭化水素残基が、たとえば、他のアミノ基、イミノ基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、エステル基、カルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、ニトリル基、ハロゲン基などの極性基を有しないものである。炭化水素残基がアミノ基を二以上有したり、アミノ基以外の極性基を持つと本発明(第2の観点に係る発明)の効果が得難くなる。
第一級モノアミン(B2)における炭化水素残基は、脂肪族系、芳香族系のいずれでもよいが、脂肪族系が好ましい。すなわち、第一級モノアミン(B2)としては、脂肪族第一級モノアミンが好ましく、より具体的には、その炭素数が好ましくは6〜50、より好ましくは8〜30、特に好ましくは8〜20である脂肪族第一級モノアミンが好ましい。第一級モノアミン(B2)の炭化水素残基の炭素数が小さすぎると揮発するおそれがあり、逆に、大きすぎると得られるゴム架橋物の機械的強度が低下する可能性がある。 第一級モノアミン(B2)の好適な具体例としては、ノナデシルアミン、オクタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、トリデシルアミン、デシルアミン、オクチルアミンなどが挙げられるが、オクタデシルアミンが特に好ましい。
第2の観点に係る架橋性ゴム組成物における第一級モノアミン(B2)の含有量は、ニトリルゴム(B1)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部である。架橋性ゴム組成物における第一級モノアミン(B2)成分の含有量が少な過ぎると、加工性およびスコーチ安定性が悪化するおそれがあり、逆に、多すぎると得られるゴム架橋物の機械的強度が低下する可能性がある。
ポリアミン系架橋剤(B3)
ポリアミン系架橋剤(B3)としては、上述の第1の観点におけるポリアミン系架橋剤(A3)と同様のものを使用することができる。
第2の観点においては、ポリアミン系架橋剤(B3)の含有量は、ニトリルゴム(B1)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。架橋性ゴム組成物における(B3)成分の含有量が少なすぎると、得られるゴム架橋物の圧縮永久ひずみが増加する傾向にある。逆に、多すぎると得られるゴム架橋物の耐疲労性が低下する可能性がある。
その他の配合剤、架橋性ゴム組成物の架橋反応等
第2の観点に係る架橋性ゴム組成物には、上記ニトリルゴム(B1)、第一級モノアミン(B2)およびポリアミン系架橋剤(B3)以外に、ゴム加工分野において、通常使用される配合剤を適宜配合することができる。このような配合剤としては、上述の第1の観点と同様なものが使用できる。また、同様に、第2の観点に係る架橋性ゴム組成物には、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であればニトリルゴム(B1)以外のゴムを配合してもよい。この場合の配合量も上述の第1の観点と同様とすれば良い。
第2の観点に係る架橋性ゴム組成物は、上述の第1の観点と同様に、上記各成分を、非水系で混合して調製される。そして、調製された架橋性ゴム組成物を成形、架橋し、必要に応じて二次架橋を行うことにより、第2の観点に係るゴム架橋物を得る。
第2の観点に係るゴム架橋物は、耐油性、耐熱性および耐オゾン性に優れるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの特性に加えて、十分な引張強さ、引張応力などの機械的強度と伸びを有し、かつ、圧縮永久ひずみが特に小さいという特徴を有する。なお、第2の観点においては、圧縮永久ひずみは、後述の実施例における「(11)O−リングセット試験」で測定した「O−リング圧縮永久ひずみ」の値(25%圧縮した状態で150℃、168時間保持した後のO−リング圧縮永久ひずみの値)で、70%以下となることが好ましく、60%以下となることがより好ましい。
そのため、このような第2の観点に係るゴム架橋物は、上記特性を生かし、種々の用途、たとえば、上述の第1の観点と同様な用途に好適に用いることができる。
特に、第2の観点によれば、繊維含浸体や金属複合体以外のバルクのゴム製品において、十分な引張強さ、引張応力などの機械的強度と伸びを有し、圧縮永久ひずみが小さい効果が活かされる。
第3の観点(第3実施形態)
次に、本発明の第3の観点に係る実施形態である第3実施形態について、説明する。
本発明の第3の観点に係る架橋性ゴム組成物は、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(C1)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(C2)およびポリアミン系架橋剤(C3)を含有してなるものである。
以下、第3の観点(第3実施形態)においては、上記ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(C1)を、「高飽和ニトリルゴム(C1)」と略記することがある。
高飽和ニトリルゴム(C1)
高飽和ニトリルゴム(C1)のニトリル基を形成するための好ましい態様としては、該ゴムがα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を有する態様である。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成する単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば限定されないが、たとえば、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様なものが使用できる。また、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量も、上述の第1の観点と同様とすれば良い。
高飽和ニトリルゴム(C1)には、架橋物がゴム弾性を保有するために、通常、ジエン系単量体単位またはα−オレフィン単量体単位を含有させる。
ジエン系単量体単位およびα−オレフィン単量体単位を形成するジエン系単量体およびα−オレフィン単量体としては、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様なものが使用できる。また、これらの単量体単位の含有量も、上述の第1の観点と同様とすれば良い。
高飽和ニトリルゴム(C1)は、カルボキシル基を含有していることが好ましい。高飽和ニトリルゴム(C1)を、カルボキシル基を含有する構成とすることにより、得られるゴム架橋物の引張強さが向上する傾向を示す。
高飽和ニトリルゴム(C1)に、カルボキシル基を含有させるための好ましい態様としては、該ゴムの分子構造がα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位またはα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体単位を有する態様であり、より好ましくは、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有する態様である。
そして、高飽和ニトリルゴム(C1)に、上述のより好ましい態様としてのα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を含有させるための好ましい方法としては、上記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体にα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体を共重合させる方法などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体のエステル構造の、酸素原子を介してカルボニル基と結合する有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基およびアルキルシクロアルキル基が挙げられ、なかでもアルキル基が好ましい。アルキル基、ひいてはアルコキシ基の炭素数は、好ましくは3〜8、より好ましくは4〜6である。炭素数が小さすぎると架橋性ゴム組成物の加工安定性が低下するおそれがあり、逆に、大きすぎると架橋速度が遅くなったり、得られるゴム架橋物の機械的強度が低下したりする可能性がある。
上記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、たとえば、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様なものが使用できる。また、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量も、上述の第1の観点と同様とすれば良い。
高飽和ニトリルゴム(C1)は、上記各単量体単位を形成する単量体、すなわち、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、ジエン系単量体またはα−オレフィン単量体、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、と共重合可能なその他の単量体の単位を含有していても良い。その他の単量体としては、たとえば、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様なものが使用できる。また、共重合可能なその他の単量体の単位の含有量も、上述の第1の観点と同様とすれば良い。
高飽和ニトリルゴム(C1)のカルボキシ含有量、ヨウ素価およびムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様の範囲であることが好ましい。また、高飽和ニトリルゴム(C1)は、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様にして製造すれば良い。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(C2)
第3の観点に係る架橋性ゴム組成物には、上述の高飽和ニトリルゴム(C1)に加えて、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(C2)が含有される。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(C2)は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基を含有するリン酸モノエステル、ジエステルもしくはトリエステルであり、これらの混合物であっても良い。
これらの中でも、耐熱老化性の改善および圧縮永久ひずみ減少の観点から、下記一般式(1)で示される化学構造を有するものが好ましい。
Figure 2015045004
ここで、Rは炭素数1〜30のアルキル基;RおよびRはそれぞれ独立に水素または炭素数1〜10のアルキル基;qはアルキレンオキシドの付加モル数で2〜50の自然数;rはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基の数で1、2または3;をそれぞれ表す。qおよびrは、上記範囲の異なる値の混合であっても良い。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(C2)は、上記一般式(1)において、アルキル基Rの炭素数が8〜22のものが好ましく、より好ましくは10〜20である。また、RおよびRはそれぞれ独立に水素または炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に水素またはメチル基であることがより好ましく、共に水素であることが特に好ましい。アルキレンオキシドの付加モル数qは、8〜30であることが好ましく、より好ましくは10〜20である。
第3の観点に係る架橋性ゴム組成物におけるポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(C2)の含有量は、高飽和ニトリルゴム(C1)100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.3〜5重量部である。上記範囲とすることで、耐熱老化性の改善および圧縮永久ひずみの低減効果がより一層顕著になる。
ポリアミン系架橋剤(C3)
第3の観点に係る架橋性ゴム組成物は、架橋物を形成するための架橋剤として、ポリアミン系架橋剤(C3)を含有することが好ましい。
ポリアミン系架橋剤(C3)としては、上述の第1の観点におけるポリアミン系架橋剤(A3)と同様のものが使用できる。また、ポリアミン系架橋剤(C3)の含有量は、高飽和ニトリルゴム(C1)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.2〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部である。ポリアミン系架橋剤(C3)が少なすぎると、得られるゴム架橋物の架橋が不足して機械的強度の低下や圧縮永久ひずみの増大が起きるおそれがあり、逆に、多すぎると伸びが低下する可能性がある。
なお、第3の観点においては、架橋剤として、ポリアミン系架橋剤(C3)を用いることが好ましいが、このポリアミン系架橋剤(C3)の代わりに、有機過酸化物、硫黄系架橋剤、樹脂架橋剤、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、多価アルコール化合物、アジリジン化合物、塩基性金属酸化物、有機金属ハロゲン化物などの他の架橋剤を用いても良い。
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類などが挙げられる。
ジアルキルパーオキシド類としては、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。ジアシルパーオキシド類としては、ベンゾイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシドなどが挙げられる。パーオキシエステル類としては、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物などの有機硫黄化合物;などが挙げられる。
樹脂架橋剤としては、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、トリアジン−ホルムアルデヒド縮合物、オクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂などが挙げられる。
多価エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、クレゾール型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールF型エポキシ化合物、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物などのグリシジルエーテル型エポキシ化合物;脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、イソシアヌレート型エポキシ化合物などの多価エポキシ化合物;などの分子内に2以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上併せて使用することができる。
多価イソシアナート化合物としては、炭素数6〜24の、ジイソシアナート類およびトリイソシアナート類が好ましい。
ジイソシアナート類の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアナート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアナート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、m−フェニレンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナートなどが挙げられる。また、トリイソシアナート類の具体例としては、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,6,11−ウンデカントリイソシアナート、ビシクロヘプタントリイソシアナートなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上併せて使用することができる。
多価アルコール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールヘキサン、ビスフェノールA等の低分子量ポリオール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等の低分子量ポリオールにアルキレンオキシドを付加重合させたポリオール;トリエタノールアミン、エチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量アミンにアルキレンオキシドを付加重合させたポリオール;アルビトール、ソルビトール、ソルビタン、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フラクトース、ソルビタンプロピルエステル等の多糖類;ポリグリセリンエステル、ポリビニルアルコール、水酸基を複数有するポリオレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体等の分子内に水酸基を複数有する重合体;末端に水酸基を有するスピログリコール、末端に水酸基を有するジオキサングリコール、末端に水酸基を有するトリシクロデカン−ジメタノール、末端に水酸基を有しポリスチレンを側鎖に持つマクロモノマー等の水酸基を複数有する環状化合物;等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上併せて使用することができる。
アジリジン化合物としては、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)アジリジニル〕ホスフィノキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)アジリジニル〕トリホスファトリアジンなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上併せて使用することができる。
塩基性金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられ、これらを1種単独で、または2種以上併せて使用することができる。
有機金属ハロゲン化物としては、ジシクロペンタジエニル金属ジハロゲン化物が例示される。該金属としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどがある。
これらポリアミン系架橋剤(C3)以外の架橋剤を使用する場合における、架橋性ゴム組成物中の含有量は、ポリアミン系架橋剤(C3)を使用する場合と同様とすれば良い。
その他の配合剤、架橋性ゴム組成物の架橋反応等
第3の観点に係る架橋性ゴム組成物には、上記した各成分以外に、ゴム加工分野において、通常使用される配合剤を適宜配合することができる。このような配合剤としては、上述の第1の観点と同様なものが使用できる。また、同様に、第3の観点に係る架橋性ゴム組成物には、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば高飽和ニトリルゴム(C1)以外のゴムを配合してもよい。この場合の配合量も上述の第1の観点と同様とすれば良い。
第3の観点に係る架橋性ゴム組成物は、上述の第1の観点と同様に、上記各成分を、非水系で混合して調製される。そして、調製された架橋性ゴム組成物を成形、架橋し、必要に応じて二次架橋を行うことにより、第3の観点に係るゴム架橋物を得る。
第3の観点に係るゴム架橋物は、耐油性および耐オゾン性に優れるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの特性に加えて、耐熱老化性に優れ、圧縮永久ひずみが顕著に小さいという特徴を有する。
そのため、このような第3の観点に係るゴム架橋物は、上記特性を生かし、種々の用途、たとえば、上述の第1の観点と同様な用途に好適に用いることができる。
特に、第3の観点によれば、繊維含浸体や金属複合体以外のバルクのゴム製品において、引張強さ、引張応力などの機械的強度に優れ、かつ、圧縮永久ひずみが小さい効果が活かされる。
第4の観点(第4実施形態)
次に、本発明の第4の観点に係る実施形態である第4実施形態について、説明する。
本発明の第4の観点に係る架橋性ゴム組成物は、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有するニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(D1)およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有するアクリルゴム(D2)の合計100重量部に対して、ポリアミン系架橋剤(D3)0.2〜20重量部を含有してなるものである。
以下、第4の観点(第4実施形態)において上記ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(D1)を、「ニトリルゴム(D1)」と、また、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有するアクリルゴム(D2)を、「アクリルゴム(D2)」と、それぞれ略記することがある。
ニトリルゴム(D1)
ニトリルゴム(D1)のニトリル基を形成するための好ましい態様としては、該ゴムがα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を有する態様である。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成する単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば限定されないが、たとえば、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様なものが使用できる。また、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量も、上述の第1の観点と同様とすれば良い。
ニトリルゴム(D1)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位に加えて、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を含有する。ニトリルゴム(D1)を、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有する構成とすることにより、得られるゴム架橋物の引張強さが向上する傾向を示す。
ニトリルゴム(D1)に、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を含有させるための好ましい方法としては、上記α,β−エチレン性不飽和ニトリルにα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステルを共重合させる方法などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体のエステル構造の、酸素原子を介してカルボニル基と結合する有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基およびアルキルシクロアルキル基が挙げられ、なかでもアルキル基が好ましい。アルキル基、ひいてはアルコキシ基の炭素数は、好ましくは3〜8、より好ましくは4〜6である。炭素数が小さすぎると架橋性ゴム組成物の加工安定性が低下するおそれがあり、逆に、大きすぎると架橋速度が遅くなったり、得られるゴム架橋物の機械的強度が低下したりする可能性がある。
上記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、たとえば、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様なものが使用できる。また、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量も、上述の第1の観点と同様とすれば良い。
ニトリルゴム(D1)には、架橋物がゴム弾性を保有するために、通常、ジエン系単量体単位および/またはα−オレフィン単量体単位を含有させる。
ジエン系単量体単位、α−オレフィン単量体単位を形成するジエン系単量体、α−オレフィン単量体としては、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様なものが使用できる。また、これらの単量体単位の含有量も、上述の第1の観点と同様とすれば良い。
ニトリルゴム(D1)は、上記各単量体単位を形成する単量体、すなわち、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、および、ジエン系単量体またはα−オレフィン単量体、と共重合可能なその他の単量体の単位を含有していても良い。その他の単量体としては、たとえば、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様なものが使用できる。また、共重合可能なその他の単量体の単位の含有量も、上述の第1の観点と同様とすれば良い。
ニトリルゴム(D1)のカルボキシル基の含有量、ヨウ素価およびムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様の範囲であることが好ましい。また、ニトリルゴム(D1)は、上述の第1の観点におけるニトリルゴム(A1)と同様にして製造すれば良い。
アクリルゴム(D2)
第4の観点で用いるα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有するアクリルゴム(D2)は、主構成単位であるアクリル酸エステル単量体単位と、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位と、を含有するゴムである。
アクリルゴム(D2)中のアクリル酸エステル単量体単位とα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位との総量は、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
また、アクリルゴム(D2)中のアクリル酸エステル単量体単位とα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位との総量を100重量%とした場合に、アクリル酸エステル単量体単位の割合は、好ましくは90〜99.5重量%、より好ましくは95〜99重量%である。
一方、アクリルゴム(D2)中、アクリル酸エステル単量体単位とα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位との総量を100重量%とした場合に、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の割合は、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
アクリル酸エステル単量体単位の割合が大きすぎると、本発明(第4の観点に係る発明)の効果が得られなくなるおそれがあり、逆に、アクリル酸エステル単量体単位の割合が小さすぎると、得られるゴム架橋物の機械的強度や伸びが低下する可能性がある。
第4の観点で用いるアクリルゴム(D2)におけるカルボキシル基の含有量、すなわち、アクリルゴム(D2)100g当たりのカルボキシル基数(モル数)は、好ましくは5×10−4〜5×10−1ephr、より好ましくは1×10−3〜1×10−1ephr、特に好ましくは5×10−3〜6×10−2ephrである。アクリルゴム(D2)のカルボキシル基含有量が少なすぎると、得られるゴム架橋物の機械的強度が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると架橋後に残留するカルボキシル基により、得られるゴム架橋物の疲労性が悪化することがある。
第4の観点においては、アクリルゴム(D2)は、
(i)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位のみを主構成単位として用いたアクリルゴム、または、
(ii)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位と、アルキル基およびアルコキシ基の炭素数の和が1〜8のアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位と、を主構成単位として併用したアクリルゴム、
であることが好ましい。
上記炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位を形成する単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜4であるアクリル酸アルキルエステル単量体が好ましく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチルなどが挙げられる。
上記アルキル基およびアルコキシ基の炭素数の和が1〜8のアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位を形成する単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜4、かつ、アルコキシ基の炭素数が1〜4であるアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体が好ましく、例えば、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチルなどが挙げられる。
アクリルゴム(D2)を構成するα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を形成する単量体としては、上述のニトリルゴム(D1)を形成する単量体として用いられるα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体と同様なものを用いれば良い。
アクリルゴム(D2)は、主構成単位であるアクリル酸エステル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位に加えて、これらと共重合可能な架橋性単量体の単位を、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下含有していても良い。
このような架橋性単量体としては、たとえば、活性塩素基含有不飽和単量体、エポキシ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、ジエン系単量体などが挙げられる。
活性塩素基含有不飽和単量体としては、クロロ酢酸ビニル、ビニルベンジルクロライド、クロロ酢酸アリル、クロロ酪酸ビニル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸3−クロロプロピル、アクリル酸4−クロロブチル、メタアクリル酸2−クロロエチル、2−クロロエチルビニルエーテル、クロロメチルブテニルケトン、アクリル酸1−クロロ−2−ブテニル、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、5−クロロアセトキシメチル−2−ノルボルネン、5−(α,β−ジクロロプロピオニルメチル)−2−ノルボルネンが挙げられる。
エポキシ基含有単量体としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、ブテントリカルボン酸トリグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジルなどの不飽和グルシジルエステル;ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテル;などが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−ノルボルネン−5−カルボン酸、無水マレイン酸、などの、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体以外の不飽和カルボン酸単量体が挙げられる。
ジエン系単量体としては、上述のニトリルゴム(D1)を形成するためのジエン系単量体と同様のものが挙げられる。
さらに、アクリルゴム(D2)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、アクリル酸エステル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体および架橋性単量体以外の、これらと共重合可能なその他の単量体の単位を含有してもよい。その他の単量体としては、上記のアクリル酸エステル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体および架橋性単量体に含まれないエチレン性不飽和単量体が例示される。
このようなエチレン性不飽和単量体の具体例としては、エチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ポリアルキレングリコールアクリル酸エステル、メタクリロニトリルなどがある。アクリルゴム(D2)中のその他の単量体の単位含有量は、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
アクリルゴム(D2)のムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、好ましくは10〜100、より好ましくは15〜80、特に好ましくは20〜60である。アクリルゴム(D2)のムーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の強度特性が低下するおそれがあり、逆に、高すぎると架橋性ゴム組成物の加工性が低下する可能性がある。
アクリルゴム(D2)の製造方法は限定されず、一般的なアクリルゴム製造法で製造すればよい。たとえば、上記の各単量体を、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;などのラジカル開始剤を用いる乳化重合、懸濁重合、溶液重合および塊状重合などの重合方法で重合することにより、アクリルゴム(D2)を製造することができる。重合は回分重合で行っても良いし、また、1種類以上の単量体成分を重合中に連続的あるいは断続的に加えることにより行っても良い。重合温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは2〜80℃である。
第4の観点において、架橋性ゴム組成物における、ニトリルゴム(D1)とアクリルゴム(D2)の重量比は、好ましくは5/95〜95/5、より好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20、特に好ましくは30/70〜70/30である。アクリルゴム(D2)の比率が小さすぎると、得られるゴム架橋物の耐熱性が不十分になったり、ゴム架橋物(特に、空間部を抱える架橋物)の圧縮永久ひずみが十分に小さくならなかったりするおそれがある。逆に、大きすぎると、得られるゴム架橋物の機械的強度が低下する可能性がある。
ポリアミン系架橋剤(D3)
ポリアミン系架橋剤(D3)としては、上述の第1の観点におけるポリアミン系架橋剤(A3)と同様のものを使用することができる。
第4の観点においては、ポリアミン系架橋剤(D3)の含有量は、ニトリルゴム(D1)およびアクリルゴム(D2)の合計100重量部に対して、0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部である。架橋性ゴム組成物
における(D3)成分の含有量が少なすぎると、本発明(第4の観点に係る発明)の効果が十分に得られないおそれがある。逆に、多すぎると架橋性ゴム組成物の貯蔵安定性が低下したり、架橋密度が高すぎて、得られるゴム架橋物が脆くなったりする可能性がある。
塩基性架橋促進剤(D4)
第4の観点に係る架橋性ゴム組成物は、塩基性架橋促進剤(D4)をさらに含有することが好ましい。塩基性架橋促進剤(D4)としては、テトラメチルグアニジン、テトラエチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、o−トリルビグアニド、ジカテコールホウ酸のジ−o−トリルグアニジン塩などのグアニジン系架橋促進剤;n−ブチルアルデヒドアニリン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミン系架橋促進剤;などが挙げられる。これらの中でも、グアニジン系架橋促進剤が好ましい。
塩基性架橋促進剤(D4)の配合量は、ニトリルゴム(D1)およびアクリルゴム(D2)の合計100重量部に対して、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜7.5重量部、特に好ましくは1.5〜5重量部である。塩基性架橋促進剤(D4)の配合量が少なすぎると、架橋性ゴム組成物の架橋速度が遅くなり、架橋密度が低下するおそれがある。逆に、多すぎると架橋速度が速くなり過ぎて、スコーチを起し、貯蔵安定性を損なう可能性がある。
その他の配合剤、架橋性ゴム組成物の架橋反応等
第4の観点に係る架橋性ゴム組成物には、上記した各成分以外に、ゴム加工分野において、通常使用される配合剤を適宜配合することができる。このような配合剤としては、上述の第1の観点と同様なもの〔ただし、上記(D4)成分に相当するものを除く〕が使用できる。また、同様に、第4の観点に係る架橋性ゴム組成物には、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であればニトリルゴム(D1)およびアクリルゴム(D2)以外のゴムを配合してもよい。この場合の配合量も上述の第1の観点と同様とすれば良い。
第4の観点に係る架橋性ゴム組成物は、上述の第1の観点と同様に、上記各成分を、非水系で混合して調製される。そして、調製された架橋性ゴム組成物を成形、架橋し、必要に応じて二次架橋を行うことにより、第4の観点に係るゴム架橋物を得る。
第4の観点に係るゴム架橋物は、機械的強度および耐熱性に優れる上、圧縮永久ひずみが顕著に小さいという特徴を有する。なお、第4の観点に係るゴム架橋物の圧縮永久ひずみは、後述の実施例における「(11)O−リングセット試験」で測定した「O−リング圧縮永久ひずみ」の値(25%圧縮した状態で150℃、168時間保持した後のO−リング圧縮永久ひずみの値)で、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下である。
そのため、このような第4の観点に係るゴム架橋物は、上記特性を生かし、種々の用途、たとえば、上述の第1の観点と同様な用途に好適に用いることができる。
特に、第4の観点によれば、シール材として用いた場合に機械的強度および耐熱性に優れ、かつ、圧縮永久ひずみが顕著に小さい効果が活かされる。
以下に製造例、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記述において「部」は、特に断わりのない限り重量基準である。
第1の観点に係る実施例、比較例
まず、第1の観点に係る製造例(製造例1−1、1−2)、実施例(実施例1−1〜1−5)および比較例(比較例1−1〜1−7)について説明する。なお、第1の観点に係る実施例、比較例においては、下記の(1)〜(8)の各試験、評価を行った。
(1)カルボキシル基含有量
ニトリルゴムのカルボキシル基含有量は、水酸化カリウムの含水エタノール溶液(0.02N)を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、ゴム100グラムに対するカルボキシル基の数(モル数、単位はephr)を求めた。
(2)ヨウ素価
ヨウ素価はJIS K6235に従って測定した。
(3)ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕
ニトリルゴムのムーニー粘度(ポリマームーニー)および架橋性ゴム組成物のムーニー粘度(コンパウンドムーニー)は、JIS K6300に従って測定した。
(4)常態物性(引張強さ、伸び)
架橋性ゴム組成物を170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋し、プレス架橋試験片を作製し、このプレス架橋試験片を用いて、JIS K6251に従い、架橋物の引張強さ、および伸びを測定した。
(5)常態物性(100%引張応力)
上記(4)と同様の条件で、JIS K6251に従い、架橋物の100%引張応力を測定した。
(6)二次架橋後の常態物性(引張強さ、伸び)
架橋性ゴム組成物を170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋し、次いでギヤー式オーブンにて170℃で4時間二次架橋を行う試験片を作製し、この試験片を用いて、JIS K6251に従い、二次架橋後のゴム架橋物の引張強さ、100%引張応力および伸びを測定した。
(7)二次架橋後の常態物性(100%引張応力)
上記(6)と同様の条件で、JIS K6251に従い、二次架橋後のゴム架橋物の100%引張応力を測定した。
(8)O−リングセット試験(150℃、504時間)
内径30mm、リング径3mmの金型を用いて、架橋性ゴム組成物を170℃でプレス圧10MPaにて20分間架橋した後、170℃で4時間二次架橋を行ってO−リングセット試験用の試験片を得た。そして、O−リング圧縮永久ひずみを、O−リングを挟んだ二つの平面の距離をリング厚み方向に25%圧縮した状態で150℃にて504時間保持する条件でJIS K6262に従って測定した。
製造例1−1
金属製ボトルに、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(乳化剤)水溶液25部、アクリロニトリル37部、フマル酸モノn−ブチル8部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン55部を仕込んだ。金属製ボトルを5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合触媒)0.1部を仕込み、次いで、金属製ボトルを回転させながら16時間重合反応を行った。そして、濃度10重量%のハイドロキノン(重合停止剤)水溶液0.1部を加えて重合反応を停止した後、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去し、アクリロニトリル単位34重量%、ブタジエン単位59重量%、フマル酸モノn−ブチル単位7重量%のアクリロニトリル−ブタジエン−α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル共重合体ゴムのラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
得られたラテックスに含有されるゴムの乾燥重量に対するパラジウム含有量が1000ppmになるように、オートクレーブ中に、上記にて製造したラテックスおよびパラジウム触媒(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液に等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスを得た。
得られたニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスに2倍容量のメタノールを加えて、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを凝固した後、60℃で12時間真空乾燥してニトリルゴム(A1−1)を得た。ニトリルゴム(A1−1)のヨウ素価は10、カルボキシル基含有量は4.2×10−2ephr、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は48であった。
製造例1−2
製造例1−1において、フマル酸モノn−ブチルを用いず、アクリロニトリルを37部、ブタジエンを63部とする以外は製造例1−1と同様な操作を行って、アクリロニトリル単位37重量%、ブタジエン単位63重量%のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムのラテックスを得た。そして、得られたゴムについて、製造例1−1と同様に水素添加反応を行い、ニトリルゴム(A1’−2)を調製した。ニトリルゴム(A1’−2)のヨウ素価は10、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は65であった。
実施例1−1
バンバリーミキサを用いてニトリルゴム(A1−1)100部に、ステアリン酸1部、FEFカーボンブラック(旭60、旭カーボン社製)40部、可塑剤(アデカサイザーC−8、旭電化社製)5部およびN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(ノクラック810NA、大内新興化学工業社製、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2−1))2部を添加して混合した。次いで、得られた混合物をロールに移して3−ジ−o−トリルグアニジン(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)2部およびヘキサメチレンジアミンカルバメート(Diak#1、デュポン・ダウエラストマー社製、ポリアミン系架橋剤(A3−1))3.4部を添加して混練し、コンパウンドムーニー粘度96である架橋性ゴム組成物を調製した。
上記にて調製した架橋性ゴム組成物を架橋して得たゴム架橋物について常態物性、二次架橋後の物性およびO−リングセット試験(150℃、504時間)の各試験、評価を行った。結果を表1に記す。
実施例1−2〜1−4
実施例1−1において、表1に示すように、老化防止剤としてのN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(A2−1)に代えて、表1に示す各老化防止剤を使用した以外は、実施例1−1と同様に行って、それぞれ架橋性ゴム組成物を調製した。
すなわち、実施例1−2においては、オクチル化ジフェニルアミン〔ノクラックAD−F、大内新興化学工業社製、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2−2)成分〕を、 実施例1−3においては、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン〔ノクラックCD,大内新興化学工業社製、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2−3)成分〕を、 実施例1−4においては、スチレン化ジフェニルアミン〔ノンフレックスLAS、精工化学社製、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2−4)成分〕を、
それぞれ使用した。
実施例1−5
実施例1−1において、表1に示すように、架橋剤としてのヘキサメチレンジアミンカルバメート(A3−1)に代えて、架橋剤としての2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン〔BAPP、和歌山精化工業社製、ポリアミン系架橋剤(A3−2)成分〕8.6部を使用した以外は、実施例1−1と同様に行って架橋性ゴム組成物を調製した。
比較例1−1
実施例1−1において、老化防止剤としてのN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(A2−1)を使用しなかった以外は、実施例1−1と同様に行って架橋性ゴム組成物を調製した。
比較例1−2〜1−5
実施例1−1において、表1に示すように、老化防止剤としてのN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(A2−1)に代えて、表1に示す各老化防止剤を使用した以外は、実施例1−1と同様に行って、それぞれ架橋性ゴム組成物を調製した。
すなわち、比較例1−2においては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン〔ノクラック224、大内新興化学工業社製(A2’−5)成分〕を、
比較例1−3においては、2−メルカプトベンゾイミダゾール〔ノクラックMB、大内新興化学工業社製(A2’−6)成分〕を、
比較例1−4においては、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト〔ノクラックTNP、大内新興化学工業社製(A2’−7)成分〕を、
比較例1−5においては、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)〔ノクラック300、大内新興化学工業社製(A2’−8)成分〕を、
それぞれ使用した。
比較例1−6
実施例1−1において、架橋剤としてのヘキサメチレンジアミンカルバメート(A3−1)に代えて、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン〔Vulcup40KE、ハーキュレス社製(A3’−3)成分〕8部を添加し、3−ジ−o−トリルグアニジンを添加しない他は実施例1−1と同様に行って、架橋性ゴム組成物を調製した。
比較例1−7
実施例1−1において、ニトリルゴム(A1−1)に代えて、上記にて製造したニトリルゴム(A1’−2)を用いた他は実施例1−1と同様に行って架橋性ゴム組成物を調製した。
Figure 2015045004
(注)
(A2−1):N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(ノクラック810NA、大内新興化学工業社製)
(A2−2):オクチル化ジフェニルアミン(ノクラックAD−F、大内新興化学工業社製)
(A2−3):4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(ノクラックCD、大内新興化学工業社製)
(A2−4):スチレン化ジフェニルアミン(ノンフレックスLAS、精工化学社製)
(A2’−5):2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン(ノクラック224、大内新興化学工業社製)
(A2’−6):2−メルカプトベンゾイミダゾール(ノクラックMB、大内新興化学工業社製)
(A2’−7):トリス(ノニルフェニル)ホスファイト(ノクラックTNP、大内新興化学工業社製)
(A2’−8):4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(ノクラック300、大内新興化学工業社製)
(A3−1):ヘキサメチレンジアミンカルバメート(Diak#1、デュポン・ダウエラストマー社製)
(A3−2):2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン(BAPP、和歌山精化工業社製)
(A3’−3):1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(Vulcup40KE、ハーキュレス社製)
第1の観点に係る実施例、比較例の評価
表1に示すように、アクリロニトリル単量体単位およびフマル酸モノn−ブチル単量体単位を有し、ヨウ素価10であるニトリルゴム(A1−1)に、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2−1)〜(A2−4)のいずれかと、ポリアミン系架橋剤(A3−1)および(A3−2)のいずれかと、を含有してなる架橋性ゴム組成物は、いずれもコンパウンドムーニー粘度が120以下と低くて扱い易く、引張強さ、引張応力などの機械的強度と伸びのバランスに優れ、かつ、O−リング圧縮永久ひずみが特に小さい(70%以下)ゴム架橋物を与えた(実施例1−1〜1−5)。
一方、(i)ニトリルゴム(A1−1)に対して老化防止剤を添加せずに、または、キノリン誘導体系(A2’−5)、硫黄化合物系(A2’−6)、リン化合物系(A2’−7)、もしくはポリフェノール誘導体系(A2’−8)の老化防止剤を添加して、ポリアミン系架橋剤(A3−1)で架橋した場合(比較例1−1〜1−5)、および、
(ii)ニトリルゴム(A1−1)に対して老化防止剤として芳香族第二級アミン系(A2−1)を用い、有機過酸化物系(A3’−3)の架橋剤を使用した場合(比較例1−6)、
においては、得られるゴム架橋物はいずれも大きなO−リング圧縮永久ひずみ(76%以上)を示し、圧縮永久ひずみが悪化した。
また、機械的強度は優れているものの伸びとのバランスが悪い場合(比較例1−2、1−4および1−5)や、100%引張応力が極端に低下する場合(比較例6)があった。比較例1−1,1−3は、機械的強度と伸びのバランスは優れるものの、圧縮永久ひずみが一段と悪化していた。
さらに、本発明におけるニトリルゴム(A1)の要件を満たさないニトリルゴム(A1’−2)を使用した場合には、芳香族第二級アミン系老化防止剤(A2−1)およびポリアミン系架橋剤(A3−1)を用いても、得られるゴム組成物は架橋させることはできなかった(比較例1−7)。
第2の観点に係る実施例、比較例
次に、第2の観点に係る実施例(実施例2−1〜2−2)および比較例(比較例2−1〜2−4)について説明する。なお、第2の観点に係る実施例、比較例においては、上記第1の観点における(1)〜(4)の各試験、評価、および下記の(9)〜(11)の各試験、評価を行った。
(9)ムーニースコーチ試験
L形ロータを用いて、温度125℃にて、JIS K6300−1に準じて測定し、この測定結果よりムーニースコーチ時間t5(分)およびムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕の最低値Vminを求めた。t5(分)の値が大きいほどスコーチ安定性に優れる。また。Vminが低いほど成形時の加工性に優れると判断される。
(10)常態物性(硬さ)
架橋性ゴム組成物を170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋し、プレス架橋試験片を作製し、170℃で4時間二次架橋を行った後、JIS K6253に従い、デュロメータ硬さ試験機タイプAを用いてゴム架橋物の硬さを測定した。
(11)O−リングセット試験(150℃、168時間)
内径30mm、リング径3mmの金型を用いて、架橋性ゴム組成物を170℃でプレス圧10MPaにて20分間架橋した後、170℃で4時間二次架橋を行ってO−リングセット試験用の試験片を得た。そして、O−リング圧縮永久ひずみを、O−リングを挟んだ二つの平面の距離をリング厚み方向に25%圧縮した状態で150℃にて168時間保持する条件でJIS K6262に従って測定した。
実施例2−1
まず、上記製造例1−1における、ニトリルゴム(A1−1)と同様の方法により製造されたニトリルゴム(B1−1)を準備した。
次いで、バンバリーミキサを用いてニトリルゴム(B1−1)100部に、ステアリン酸1部、カーボンブラック(N550、東海カーボン社製)40部、オクタデシルアミン(ファーミン80、花王社製、アミノ基以外の極性基を有しない第一級モノアミン)0.5部、トリメリット酸エステル(アデカサイザーC−8、旭電化社製,可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(ナウガード445、ユニロイヤル社製、老化防止剤)1.5部および2−メルカプトベンズイミダゾール(ノクラックMB、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部を添加して混合した。次いで、得られた混合物をロールに移して1,3−ジ−o−トリルグアニジン(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)2部およびヘキサメチレンジアミンカルバメート(Diak#1、デュポン・ダウエラストマー社製、ポリアミン系架橋剤)3部を添加して混練し、コンパウンドムーニー粘度92である架橋性ゴム組成物を調製した。
上記にて調製した架橋性ゴム組成物のムーニースコーチ試験、ならびに、該組成物を架橋して得たゴム架橋物の常態物性およびO−リングセット試験(150℃、168時間)の各試験、評価を行った。結果を表2に記す。
実施例2−2、比較例2−1
実施例2−1において、オクタデシルアミン0.5部を1部(実施例2−2)または無添加(比較例2−1)に変更した他は実施例2−1と同様に行って、それぞれ架橋性ゴム組成物を調製し、実施例2−1と同様の試験、評価を行った。結果を表2に記す。
比較例2−2,2−3
実施例2−1において、オクタデシルアミン0.5部に代えてジアルキルアミン(アーミン2C、ライオン・アクゾ社製、アルキル基の炭素数8〜18)2部(比較例2−2)、または、n−ブチルアルデヒドアニリン1部(比較例2−3)に変更した他は実施例2−1と同様に行って、それぞれ架橋性ゴム組成物を調製し、実施例2−1と同様の試験、評価を行った。結果を表2に記す。
比較例2−4
まず、上記製造例1−2における、ニトリルゴム(A1’−2)と同様の方法により製造されたニトリルゴム(B1’−2)を準備した。
そして、実施例2−1において、ニトリルゴム(B1−1)100部に代えてニトリルゴム(B1’−2)100部を用い、さらに、カルボキシル基間の架橋に代えて過酸化物架橋を行うために、ヘキサメチレンジアミンカルバメート3部に代えて1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(バッカップ40KE、ハーキュレス社製、濃度40重量%)12部を、架橋促進剤として1,3−ジ−o−トリルグアニジン2部に代えてN,N−m−フェニレンジマレイミド(HVA−2、デュポン・ダウエラストマー社製)4部を用いた他は実施例2−1と同様に行って架橋性ゴム組成物を調製し、実施例2−1と同様の試験、評価を行った。結果を表2に記す。
Figure 2015045004
第2の観点に係る実施例、比較例の評価
表2に示すように、アクリロニトリル単位およびフマル酸モノn−ブチル単位を有し、ヨウ素価10であるニトリルゴム(B1−1)、本発明(第2の観点に係る発明)所定の第一級モノアミン(B2)およびポリアミン系架橋剤(B3)を含有してなる架橋性ゴム組成物は、いずれもコンパウンドムーニー粘度が100以下と低く、スコーチタイムt5は十分に長く、かつ、Vminは低くて扱い易く、しかも十分な引張強さと伸びを有し、O−リング圧縮永久ひずみが60%以下と小さいゴム架橋物を与えた(実施例2−1,2−2)。
一方、本発明(第2の観点に係る発明)所定の第一級モノアミン(B2)を含有しない架橋性ゴム組成物、本発明(第2の観点に係る発明)所定の第一級モノアミン(B2)に代えてジアルキルアミンまたは極性基を有するモノアミンを含有する架橋性ゴム組成物は、コンパウンドムーニーやVminの粘度が高く、スコーチタイムt5も短かく、加工性に劣る結果となった(比較例2−1〜2−3)。本発明(第2の観点に係る発明)所定の第一級モノアミン(B2)およびポリアミン系架橋剤(B3)を配合しても、カルボキシル基を持たないニトリルゴムに対して架橋剤として過酸化物を用いると、得られるゴム架橋物は、O−リング圧縮永久ひずみが大きくなる結果となった(比較例2−4)。
第3の観点に係る実施例、比較例
次に、第3の観点に係る製造例(製造例3−1)、実施例(実施例3−1〜3−2)および比較例(比較例3−1〜3−4)について説明する。なお、第3の観点に係る実施例、比較例においては、上記第1の観点における(1)〜(3)、(6)の各試験、評価、および下記の(12)〜(15)の各試験、評価を行った。
(12)ロール粘着性
ロール粘着性は、ロール混練作業での状況から下記の二水準の間に1〜4の段階を加えた6水準で評価した。
0:ロール粘着性が激しく混練が不可能
5:ロール粘着性がなく容易に混練が可能
(13)二次架橋後の常態物性(硬さ)
架橋性ゴム組成物を縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋し、次いでギヤー式オーブンにて170℃で4時間二次架橋を行って試験片を作製し、JIS K6253に従い、デュロメータ硬さ試験機タイプAを用いて二次架橋後のゴム架橋物の硬さを測定した。
(14)O−リングセット試験(170℃、70時間)
内径30mm、リング径3mm、深さ3mmの金型を用いて、架橋性ゴム組成物を170℃でプレス圧10MPaにて20分間架橋した後、170℃で4時間二次架橋を行ってO−リングセット試験用の試験片を得た。そして、O−リング圧縮永久ひずみを、O−リングを挟んだ二つの平面の距離をリング厚み方向に25%圧縮した状態で170℃にて70時間保持する条件でJIS K6262に従って測定した。
(15)耐熱老化試験(170℃、168時間)
上記(13)と同様に一次および二次架橋して作成した試験片をJIS K6257(ノーマルオーブン法)に従い、170℃において168時間後の引張強さおよびその変化率(%)ならびに伸びおよびその変化率(%)を求めた。
製造例3−1
製造例1−1において、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)の添加量を0.5部から0.7部に変更し、クメンハイドロパーオキシド(重合触媒)の添加量を0.1部から0.06部に変更した以外は、製造例1−1と同様にして、アクリロニトリル単位35重量%、ブタジエン単位57.8重量%、フマル酸モノn−ブチル単位7.2重量%のアクリロニトリル−ブタジエン−α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル共重合体ゴムのラテックス(固形分濃度約25重量%)を得た。
次いで、得られたゴムについて、製造例1−1と同様に水素添加反応を行い、高飽和ニトリルゴム(C1−1)を得た。高飽和ニトリルゴム(C1−1)のヨウ素価は7、カルボキシル基含有量は4.2×10−2ephr、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は50であった。
実施例3−1
バンバリーミキサを用いて高飽和ニトリルゴム(C1−1)100部に、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(製品名「フォスファノールRL―210」、東邦化学工業社製;モノエステル41.6重量%、ジエステル38.4重量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル約20重量%混入)1部、4,4’−ジ−(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(ナウガード445、ユニロイヤル社製、老化防止剤)1.5部およびFEFカーボンブラック(旭60、旭カーボン社製、補強性充填剤)40部を添加して混合した。次いで、得られた混合物をロールに移して3−ジ−o−トリルグアニジン(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)2部およびヘキサメチ
レンジアミンカルバメート〔Diak#1、デュポン・ダウエラストマー社製、ポリアミン系架橋剤〕3.4部を添加し、混練して架橋性ゴム組成物を調製した。
上記にて調製した架橋性ゴム組成物の調製時のロール粘着性、架橋性ゴム組成物を架橋して得たゴム架橋物の常態物性、O−リングセット試験(170℃、70時間)および耐熱老化性(170℃、168時間)の各試験、評価を行った。結果を表3に記す。
実施例3−2
実施例3−1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル1部に代えて、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテルリン酸エステル(製品名「VAMFRE
VAM」、R.T.Vanderbilt社製)1部を用いた他は実施例3−1と同様に操作して架橋性ゴム組成物を調製し、実施例3−1と同様の試験、評価を行った。結果を表3に記す。
比較例3−1
実施例3−1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルを添加しなかった他は実施例3−1と同様に操作して架橋性ゴム組成物を調製し、実施例3−1と同様の試験、評価を行った。結果を表3に記す。
比較例3−2〜3−4
実施例3−1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル1部に代えて、ステアリン酸(比較例3−2)、脂肪酸エステル(比較例3−3)またはリン酸トリ(2−エチルヘキシル)エステル(比較例3−4)各1部を用いた他は実施例3−1と同様に操作してそれぞれ架橋性ゴム組成物を調製した。なお、脂肪酸エステル(比較例3−3)としてはストラクトール社製の製品名「ストラクトールWB222」を、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)エステル(比較例3−4)としては大八化学社製の製品名「TOP」を、それぞれ使用した。
それぞれにつき実施例3−1と同様の試験、評価を行った。結果を表3に記す。
Figure 2015045004
第3の観点に係る実施例、比較例の評価
表3に示すように、本発明(第3の観点に係る発明)所定の架橋性ゴム組成物は、いずれもロール粘着性が小さくて扱い易く、ゴム架橋物の引張強さ、伸びおよび硬さが良好であり、O−リング圧縮永久ひずみが35%以下と顕著に小さく、しかも、耐熱老化性に優れるゴム架橋物を与えた(実施例3−1,3−2)。
一方、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルを添加しない場合、または、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルに代えてステアリン酸、脂肪酸エステルもしくはリン酸トリ(2−エチルヘキシル)エステル各1部をそれぞれ使用した場合には、架橋性ゴム組成物はいずれもロール粘着性が強くなり、混練作業性が悪く、また、得られるゴム架橋物はいずれもO−リング圧縮永久ひずみが大きく、耐熱老化性に劣る結果となった(比較例3−1〜3−4)。
第4の観点に係る実施例、比較例
次に、第4の観点に係る製造例(製造例4−1〜4−2)、実施例(実施例4−1〜4−3)および比較例(比較例4−1〜4−3)について説明する。なお、第4の観点に係る実施例、比較例においては、上記第1の観点における(1)〜(3)、(6)、上記第2の観点における(11)の各試験、評価、および下記の(16)の試験、評価を行った。
(16)耐熱老化試験(150℃、504時間)
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋し、次いでギヤー式オーブンにて170℃で4時間二次架橋を行って試験片を作製し、作製した試験片をJIS K6257(ノーマルオーブン法)に従い、150℃において504時間後の引張強さおよびその変化率(%)ならびに伸びおよびその変化率(%)を求めた。
製造例4−1
温度計、攪拌装置を備えた重合反応器に、イオン交換水200部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)3部、アクリル酸エチル70部、アクリル酸n−ブチル28部およびマレイン酸モノメチル2部を仕込み、減圧脱気および窒素置換を2度行って酸素を十分除去した後、クメンハイドロパーオキサイド0.005部およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.002部を加えて常圧下、温度30℃で乳化重合を開始し、重合転化率が95%に達するまで反応させた。得られた乳化重合液を塩化カルシウム水溶液で凝固し、脱水、水洗、乾燥してアクリルゴム(D2−1)を得た。
アクリルゴム(D2−1)の組成は、アクリル酸エチル単位70重量%、アクリル酸n−ブチル単位28重量%およびマレイン酸モノメチル単位2重量%(カルボキシル基含有量1.3×10−2ephr)であり、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は45であった。
製造例4−2
製造例4−1において、重合反応器に仕込むアクリル酸エチルの量を70部から30部に、アクリル酸n−ブチルの量を28部から35部に、マレイン酸モノメチル2部をアクリル酸2−メトキシエチル33部およびメタクリル酸2部にそれぞれ変更する他は製造例4−1と同様に行って、アクリルゴム(D2’−2)を得た。
アクリルゴム(D2’−2)の組成は、アクリル酸エチル30重量%、アクリル酸n−ブチル35重量%、アクリル酸2−メトキシエチル33重量%およびメタクリル酸2重量%であり、ムーニー粘度〔ML1+4、(100℃)〕は35であった。
実施例4−1
まず、上記製造例1−1における、ニトリルゴム(A1−1)と同様の方法により製造されたニトリルゴム(D1−1)を準備した。
次いで、バンバリーミキサを用いてニトリルゴム(D1−1)75部および上記にて製造したアクリルゴム(D2−1)25部に、ステアリン酸1部、FEFカーボンブラック(旭60、旭カーボン社製)40部、可塑剤(アデカサイザーC−8、旭電化社製)5部、有機酸樹脂複合系滑剤(モールドウイズ21G、巴工業社製)0.5部、エステル系ワックス(グレッグG−8205、大日本インキ化学工業社製)1部、アミン系老化防止剤(ナウガード445、ユニロイヤル社製)1.5部および2−メルカプトベンゾイミダゾール(ノクラックMB,大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部を添加して混合した。次いで、得られた混合物をロールに移して1,3−ジ−o−トリルグアニジン(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製、塩基性架橋促進剤)2部およびヘキサメチレンジアミンカルバメート(Diak#1、デュポン・ダウエラストマー社製、ポリアミン系架橋剤)2.7部を添加して混練し、コンパウンドムーニー粘度72である架橋性ゴム組成物を調製した。
上記にて調製した架橋性ゴム組成物を架橋して得たゴム架橋物について二次架橋後の物性、熱老化試験(150℃、504時間)およびO−リングセット試験(150℃、168時間)の各試験、評価を行った。結果を表4に記す。
実施例4−2,4−3、比較例4−1
実施例4−1において、表4に示すようにニトリルゴム(D1−1)およびアクリルゴム(D2−1)の配合比およびヘキサメチレンジアミンカルバメートの量を変えた他は、実施例4−1と同様に行って架橋性ゴム組成物を調製し、実施例4−1と同様の試験、評価を行った。結果を表4に記す。
比較例4−2
実施例4−1において、ニトリルゴム(D1−1)の添加量を75部から50部に変更し、アクリルゴム(D2−1)25部に代えてアクリルゴム(D2’−2)50部を用い、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量2.7部を2.1部に変更した他は、実施例4−1と同様に行って架橋性ゴム組成物を調製し、実施例4−1と同様の試験、評価を行った。結果を表4に記す。
比較例4−3
実施例4−1において、ニトリルゴム(D1−1)およびアクリルゴム(D2−1)を共に50部に変え、1,3−ジ−o−トリルグアニジンおよびヘキサメチレンジアミンカルバメートに代えて1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(バルカップ40KE、GEO Specialty Chemicals Inc製、有機過酸化物)8部(有機過酸化物純分で3.2部)を用いた他は、実施例4−1と同様に行って架橋性ゴム組成物を調製し、実施例4−1と同様の試験、評価を行った。結果を表4に記す。
Figure 2015045004
第4の観点に係る実施例、比較例の評価
表4に示すように、本発明(第4の観点に係る発明)所定の架橋性ゴム組成物は、いずれもコンパウンドムーニー粘度が80以下と低くて扱い易く、引張強さは10MPa以上あって十分大きく、熱老化試験では伸びの低下が見られるくらいで特に異常はなく、O−リング圧縮永久ひずみが40%以下と顕著に小さいゴム架橋物を与えた(実施例4−1〜4−3)。
一方、ゴムとしてニトリルゴム(D1−1)単独を使用すると、熱老化試験での伸びの低下や、圧縮永久ひずみの増大が見られた(比較例4−1)。また、ニトリルゴム(D1−1)およびアクリルゴム(D2−1)を50部/50部で混合しても、架橋剤として有機過酸化物を用いたゴム組成物は、O−リング圧縮永久ひずみが70%以上と大きくなる結果となった(比較例4−3)。
また、アクリルゴムとして、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体単位は有するものの、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有しないアクリルゴム(D2’−2)を用いたゴム組成物は、O−リング圧縮永久ひずみが70%と大きくなる結果となった(比較例4−2)。

Claims (9)

  1. α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリルゴム100重量部に対し、アミノ基以外の極性基を有しない脂肪族第一級モノアミン0.1〜20重量部、および、ポリアミン系架橋剤0.1〜20重量部を含有してなる架橋性ゴム組成物。
  2. 前記ニトリルゴムにおける前記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が、全単量体単位100重量%に対して0.5〜20重量%である請求項1に記載の架橋性ゴム組成物。
  3. α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有し、ヨウ素価が120以下であるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を有するアクリルゴムの合計100重量部に対して、ポリアミン系架橋剤0.2〜20重量部を含有してなる架橋性ゴム組成物。
  4. 前記ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムにおける前記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が、全単量体単位100重量%に対して0.5〜20重量%である請求項3に記載の架橋性ゴム組成物。
  5. 前記ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび前記アクリルゴムの重量比が5/95〜95/5である請求項3または4に記載の架橋性ゴム組成物。
  6. さらに塩基性架橋促進剤0.5〜10重量部を含有してなる請求項3〜5のいずれかに記載の架橋性ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  8. シール材である請求項7に記載のゴム架橋物。
  9. ベルト材である請求項8に記載のゴム架橋物。
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