JP3489838B2 - ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム、それを含む耐熱性ゴム組成物およびゴムと繊維との複合体 - Google Patents

ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム、それを含む耐熱性ゴム組成物およびゴムと繊維との複合体

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JP3489838B2
JP3489838B2 JP53513397A JP53513397A JP3489838B2 JP 3489838 B2 JP3489838 B2 JP 3489838B2 JP 53513397 A JP53513397 A JP 53513397A JP 53513397 A JP53513397 A JP 53513397A JP 3489838 B2 JP3489838 B2 JP 3489838B2
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義徳 藤井
篤美 池田
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに高剪断
力を付与することによってそのムーニー粘度を低下せし
めた加工性のよいニトリル基含有高飽和共重合体ゴム、
該低ムーニーニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと耐熱
性ゴムとの混合物、および該ニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムと繊維との複合体に関する。
背景技術 ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム、すなわち、不飽
和ニトリル−共役ジエン共重合体の水素化物は耐熱性、
耐油性および耐候性に優れたゴムとして知られている。
このゴムの加硫物に高い強度特性を付与するために補強
繊維と一体化せしめた加硫物も知られている。この繊維
補強加硫物が十分高い強度を示すためには、ゴムが繊維
中の間隙に十分ゆき亘り充満するようにゴムが良好な流
動性ないし加工性をもたねばならない。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに良好な加工性を
付与するために、高剪断力によってそのムーニー粘度を
低下させる方法が提案されている(特開平3−122103
号)。この提案された方法は、酸素または過酸化物のよ
うな酸素供与体とラジカル転移剤の存在下に、ムーニー
粘度55〜100の水素化ニトリルゴムを高剪断強度で剪断
することによって熱酸化分解して、ムーニー粘度を30〜
50に低下することからなる。
この提案された方法は、熱酸化分解時に発生する遊離
ラジカルを酸素供与体で安定化するものであるが、高剪
断処理後に存在する過酸化物、カルボキシル基、カルボ
ニル基などがゲル化の原因となるため、高剪断処理後に
通常の老化防止剤を配合しても、ゴムの保存中にムーニ
ー粘度が上昇することが判明した。
発明の開示 本発明の目的は、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム
に高剪断力を付与してムーニー粘度を低下せしめた加工
性のよいゴムであって、剪断処理後の保存中における粘
度上昇が抑制された安定性のよいゴム、加工性が改良さ
れた耐熱性ゴム混合物、およびそのような加工性のよい
ゴムと繊維との複合体を提供することにある。
本発明によれば、老化防止剤の存在下に高剪断力を付
与することによってそのムーニー粘度を15ポイント以上
低下させたニトリル基含有高飽和共重合体ゴムであっ
て、ムーニー粘度が5〜135であり、重量平均分子量Mw/
数平均分子量Mn比が3〜5であり、かつ、ムーニー粘度
を低下させた後、室温の空気中に30日間放置せる間のム
ーニー粘度の上昇が10ポイント以下であるニトリル基含
有高飽和共重合体ゴムが提供される。
本発明によれば、さらに、上記の低ムーニー・ニトリ
ル基含有高飽和ゴム共重合体ゴムと耐熱性ゴムとの混合
物であって、該低ムーニー・ニトリル基含有高飽和共重
合ゴムを少なくとも5重量%以上含有することを特徴と
する耐熱性ゴム組成物が提供される。
本発明によれば、さらに、上記の低ムーニー・ニトリ
ル基含有高飽和共重合ゴムと繊維とからなるゴムと繊維
との複合体が提供される。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明について詳述する。
(ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム) 本発明で高剪断処理されるニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
α−クロロアクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニ
トリルと、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの共役ジ
エンとの共重合体、または、上記の二重の単量体および
これと共重合可能な単量体、例えば、スチレンなどのビ
ニル芳香族化合物、(メタ)アクリル酸、アルキル(メ
タ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリ
レート、シアノアルキル(メタ)アクリレートなどの少
なくとも1種との多元共重合体であるニトリル基含有不
飽和共重合体ゴムの炭素−炭素二重結合を水素化したゴ
ムである。
このニトリル基含有高飽和共重合体ゴムは、エチレン
性不飽和ニトリル単量体単位を通常10〜60重量%、好ま
しくは30〜50重量%、共役ジエンを通常40〜90重量%、
任意成分である共重合可能な単量体を0〜50重量%の割
合で含むニトリル基含有不飽和共重合体ゴムの炭素−炭
素二重結合の含有量を70%以上、好ましくは90%以上を
水素化したものである。共重合体ゴム中のエチレン性不
飽和ニトリル単量体単位の含有量が10重量%未満では耐
油性が十分ではなく、逆に、60重量%を越えると弾性が
低下するので好ましくない。水素化されていない炭素−
炭素二重結合の含有量が30重量%を越えると、強度特性
が低下する。このニトリル基含有高飽和共重合体ゴムは
一般に良好な耐油性、耐熱性および耐候性を有する。
このニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの具体例とし
ては、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ム、水素化アクリロニトリル−イソプレン共重合体ゴ
ム、水素化アクリロニトリル−ブタジエン−アクリレー
ト共重合体ゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエン
−アクリレート−メタクリル酸共重合体ゴムなどが挙げ
られる。
この高剪断処理前のニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
ム(以下、「高ムーニー・ニトリル基含有高飽和共重合
体ゴム」ということがある)のムーニー粘度[ML1-4(1
00℃)」は通常60〜150の範囲、好ましくは80〜100の範
囲である。また、そのヨウ素価は120以下、好ましくは6
0以下、より好ましくは30以下である。
(老化防止剤) 本発明の加工性のよい低ムーニー・ニトリル基含有高
飽和共重合体ゴムは、上記の高ムーニー・ニトリル基含
有高飽和共重合体ゴムに老化防止剤の存在下に高剪断力
を付与してそのムーニー粘度ML4を低下させて得られ
る。
使用する老化防止剤は、ゴム技術の分野において、ゴ
ムの酸化反応などにより生成するゴムラジカルやゴムヒ
ドロペルオキシラジカルを酸化連鎖反応機構に関与しな
い型にしたり、ヒドロペルオキシドを安定なアルコール
型に変化させてしまうような機能を有するものであり、
ゴムの老化を防ぎ、その寿命を長くする目的で使用され
る有機化合物である。
使用する老化防止剤は、通常、芳香族二級アミン系、
アミン・ケトン系、メルカプトベンゾイミダゾール系、
ビスフェノール系、モノフェノール系、チオビスフェノ
ール系、ヒドロキノン系、ニッケル塩系、チオウレア
系、チオエーテル系およびリン系の各老化防止剤の中か
ら選ばれる。これらの中でも、芳香族二級アミン塩系、
アミン・ケトン系、メルカプトベンゾイミダゾール系お
よびビスフェノール系の老化防止剤が好ましい。
芳香族二級アミン系老化防止剤は窒素原子に芳香族環
が結合した二級アミンであり、その具体例としては、オ
クチル化ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミ
ン、4,4′−ビス(ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、フェニル−α−ナフチルアミンなどのジアリールア
ミン系老化防止剤、ジフェニル−p−フェニレンジアミ
ン、ジナフチル−p−フェニレンジアミンなどのジアリ
ール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、およびN
−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジア
ミン、N−1,3−ジメチルブチル−N′−フェニル−p
−フェニレンジアミン、N−(3−メタクリロイルオキ
シ−2−ヒドロキシプロピル)−N′−フェニル−p−
フェニレンジアミン、N−(メタアクリロイル)−N′
−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのアルキル・
アリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤が挙げ
られる。
アミン・ケトン系老化防止剤は芳香族アミンとケトン
との縮合生成物であって、その具体例としては、アニリ
ン・アセトン縮合生成物、p−フェネジン・アセトン縮
合物、ジフェニルアミン・アセトン縮合物などが挙げら
れる。
メルカプトベンゾイミダゾール系老化防止剤の具体例
としては、メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜
鉛塩、メルカプトメチルベンゾイミダゾールおよびその
亜鉛塩などが挙げられる。
ビスフェノール系老化防止剤の具体例としては、2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−
t−ブチルフェノール)などのビスフェノール・アルカ
ン;および4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)などのビスフェノール・スルフィドが
挙げられる。
モノフェノール系老化防止剤の具体例としては、スチ
レン化フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ
ール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ジ
メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)フェノー
ル、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒド
ロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルア
クリレート、2−〔1−(2−ヒドロ−3,5−ジ−t−
ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチル
フェニルアクリレートなどが挙げられる。
チオビスフェノール系老化防止剤の具体例としては、
4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4′−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)フルフィド、4,4′−チオビス(6−
t−ブチル−o−クレゾール)などが挙げられる。
ヒドロキノン系老化防止剤の具体例としては、2,5−
ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒ
ドロキノンなどが挙げられる。
ニッケル塩系老化防止剤の具体例としては、ニッケル
ジメチルジチオカーバメート、ニッケルジエチルジチオ
カーバメート、ニッケルジブチルジチオカーバメート、
ニッケルイソプロピルキサントゲン酸塩などが挙げられ
る。
チオウレア系老化防止剤の具体例としては、1,3−ビ
ス(ジメチルアミノプロピル)チオウレア、トリブチル
チオウレアなどが挙げられる。
チオエーテル系老化防止剤の具体例としては、ジラウ
リル−3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3
−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラ
キス(3−ラウリルチオプロピオネート)などが挙げら
れる。
リン系老化防止剤の具体例としては、トリス(ノニル
化フェニル)フォスファイトなどが挙げられる。
老化防止剤の使用量は、高ムーニー・ニトリル基含有
高飽和共重合体ゴム100重量部に対し、通常1〜10重量
部、好ましくは2〜5重量部である。
老化防止剤は単独で用いても、または二以上を組合せ
用いてもよい。また、高剪断力を付与するニトリル基含
有高飽和共重合体ゴムに一度に添加しても、または分割
添加してもよい。二種以上の老化防止剤を用いる場合、
例えば、最初にアミン・ケトン系老化防止剤を添加し、
押出機から押出し、後にメルカプトベンゾイミダゾール
系老化防止剤を添加することもできる。
(高剪断力付与処理) 高剪断力付与処理によって、高ムーニー・ニトリル基
含有高飽和共重合体ゴムのムーニー粘度ML4は60〜150の
範囲から15ポイント以上、好ましくは30ポイント以上低
下し、ムーニー粘度が5〜135、好ましくは20〜90の範
囲となる。この処理は、通常、酸素、過酸化物、硝酸塩
などのような酸素供与体の実質的不存在下に剪断速度50
0〜5,000S-1、好ましくは800〜5,000S-1および温度180
〜380℃、好ましくは250〜350℃において行われる。高
い生産性をもって処理を行うには剪断速度は2,000〜5,0
00S-1であることが望ましい。ここで、酸素供与体の実
質的不存在下とは、特開平3−122103号に記載されてい
るように、上記酸素供与体を共存させる態様を含まない
ことを意味し、必ずしも窒素などの不活性ガス雰囲気下
での処理に限定されるものではない。
高剪断力付与処理によってムーニー粘度が上記の所定
の範囲まで低減されたニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
ムは、そのようにムーニー粘度を低下させた後、室温の
空気中に30日間放置せる間のムーニー粘度の上昇が最大
でも10ポイント以下、好ましくは5ポイント以下であ
り、その分子量分布が重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)として通常3以上、5以下
の範囲であり、好ましくは3.5以上、4.5以下の範囲であ
り、実質的にゲルを含有しないゴムである。ここで、平
均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー)測定により標準ポリスチレンに換算したものであ
る。また、ゲル量は80メッシュ金網を用いてメチルエチ
ルケトン中に48時間浸漬後に測定される値を指す。
剪断力を付与するのに適当な装置としては、単軸また
は多軸スクリューを具えた押出機が挙げられ、特に二軸
スクリュー押出機が好ましく用いられる。二軸スクリュ
ー押出機の中でも、特に好ましくは完全かみ合い型でス
クリューが同方向に回転する二軸押出機を挙げることが
できる。スクリューの形状は、二条以上のスクリューを
用いることが剪断力を与えるうえで好ましく、特に二条
スクリューまたは三条スクリューがさらに好ましい。具
体的な態様は以下のとおりである。
押出機のL/D(長さ/直径)比は好ましくは少なくと
も30であり、より好ましくは30〜50である。30より小さ
いと、冷却ゾーンが充分に確保できず、そのため押出機
の出口でゴムが充分に冷却されず、ゴムがうまく引取れ
なかったり、高温で押出されるため、ゴムの劣化あるい
はゲル化が起こり易い。つまり、ゴムは粘度が高いため
高剪断下では発熱が非常に大きくゴムが簡単に高温に達
する。そのため、ゴムは、押出機から押出される前に充
分冷却されることが必要であり、押出機の冷却ゾーンを
必要なだけ設けることが望ましい。押出機の出口のゴム
温度は好ましくは360℃以下、より好ましくは330℃以下
である。
一般に、直列に連なる複数のバレルから構成される押
出機であって、原料投入用ホッパーに続く押出機の最初
の1/3の帯域では原料を溶融させるとともに、老化防止
剤をゴムに均一分散させた、本質的な均一なブレンドが
形成される。この帯域におけるスクリュー構成は、基本
的に送りの搬送セクションで構成され、材料を徐々に圧
縮する構成が用いられる。また、設定温度も溶融混練が
適当に行われる様な設定が好ましく、実際には、250℃
まで数段階に上昇させることが好ましい。
続く1/3の帯域では、混練セクションで構成されるス
クリューが用いられ、スクリューの剪断力を利用して、
所定の高温度でゴムに剪断力を付与される。この時の温
度設定は、好ましくは240〜320℃であり、より好ましく
は260から300℃である。高温であればあるほど、ムーニ
ー粘度の低下率は大きくなるが、ゴム温度の上昇をきた
し、ゴムが充分冷却されないうちに押出され、その結
果、上記のごとくゴムの劣化、ゲル化を惹き起こし好ま
しくない。また、240℃より低いと、ゴムのムーニー粘
度の低下量が小さい。しかし、剪断発熱でゴム温度を上
昇させるという手段も考えられるが、押出機での安定生
産性にかけるため、上記のような温度の設定が好まし
い。
続く最後の1/3の帯域では高温に加熱したゴムを冷却
する帯域であり、さらに脱気用ベントが設けられ減圧下
に水分や揮発性の副生成物が除去され、最後に押出しヘ
ッドを具えた押出し帯域からムーニー粘度が低下された
ゴムが押出される。この帯域におけるスクリュー構成は
基本的に剪断力の小さい送りの搬送セクションを用いて
構成されることが好ましい。つまり、ゴムがこの帯域を
通過する間に充分冷却される必要があり、その通過に要
する時間は、スクリューのピッチで制御することができ
る。この時の温度設定は180〜250℃である。脱気帯域は
10〜750mmHg、好ましくは700〜750mmHgの減圧状態に保
持されるが、常圧に保持しても差し支えない。
所望により、剪断力付与処理を行うに際し、例えば、
2−ベンゾアミドチオフェノールの亜鉛塩のような素練
り促進剤を添加してもよい。
ムーニー粘度の低下度合いは、主に剪断速度を変えて
制御することができる。ムーニー粘度の低下に必要な剪
断速度は通常500〜5,000S-1の範囲である。ムーニー粘
度の低下度合いは、剪断速度のほか温度および時間など
の要因に依存しても変わるので、適切な剪断速度は、こ
れらの要因を考慮して所望する低ムーニー粘度が得られ
るように選定されるべきであり、最適の剪断速度は実験
によって容易に求めることができる。
上記方法により製造される低減されたムーニー粘度を
有するニトリル基含有高飽和共重合体ゴムには、その用
途に応じて、種々の成分が添加される。一般に、加硫
剤、他のゴム成分や樹脂成分を添加することができる。
その他、ゴム分野において使用される通常の配合剤、例
えば、補強剤(カーボンブラック、シリカ、タルクな
ど)、充填剤(炭酸カルシウム、クレーなど)、加工助
剤、プロセス油、他の酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、
シランカップリング剤、着色剤などを配合することがで
きる。とくに加硫剤として、硫黄系加硫剤または有機過
酸化物系加硫剤を配合することにより、良好な加硫性組
成物を得ることができる。
使用する硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、硫黄華、
沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄な
どの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスル
フィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N′−
ジチオービス(ヘキサヒドロ−2H−アゼビノン−2)、
含りんポリスルフィド、高分子多硫化物などの硫黄化合
物;さらに、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメ
チルジチオカルバミン酸セレン、2−(4′−モルホリ
ノジチオ)ベンゾチアゾールなどの硫黄を含む加硫促進
剤を挙げることができる。
さらに、これらの硫黄系加硫剤に加えて、亜鉛華、ス
テアリン酸などの加硫促進剤;グアニジン系、アルデヒ
ド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール
系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、ザンテート系な
どの他の加硫促進剤を使用することができる。硫黄系加
硫促進剤の使用量は特に限定されないが、通常、ニトリ
ル基含有高飽和共重合体ゴム100重量部当り、0.1〜10重
量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
また、有機過酸化物系加硫剤としては、例えば、t−
ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペ
ルオキシド、2,5−ジメチル−t−ブチルペルオキシヘ
キサン、2,5−ジメチル−t−ブチルペルオキシヘキシ
ン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)
ベンゼン、p−クロロベンゾイルペルオキシド、t−ブ
チルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイ
ソプロピルカルボナート、t−ブチルベンゾエートなど
が挙げられる。有機過酸化物系加硫剤の使用量は、通常
ゴム100重量部当り、0.01〜30重量部、好ましくは、0.1
〜10重量部である。
また、他の併用可能な加硫剤としてはトルメチロール
プロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、エチ
レンジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートな
どの多官能性化合物が挙げられる。さらに、金属せっけ
ん/硫黄系、トリアジン/ジチオカルバミン酸塩系、ポ
リカルボン酸/オニウム塩系、ポリアミン系(ヘキサメ
チレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチ
レンジアミンカルバメート、エチレンジアミンカルバメ
ート、トリエチレンアミンなど)、安息香酸アンモニウ
ム塩系などの加硫剤も必要に応じて併用できる。
高剪断処理された低ムーニー・ニトリル基含有高飽和
共重合体ゴムは、良好な加工性を示し、しかも、ムーニ
ー粘度を低下させた後室温の空気中に30日間放置せる間
のムーニー粘度の上昇は最大でも10ポイント以下、好ま
しくは5ポイント以下であり、実質的にムーニー粘度の
大きな変化はなく、保存安定性に優れたものである。
(耐熱性ゴム組成物) 本発明の低ムーニー・ニトリル基含有高飽和共重合体
ゴムは単独で加硫剤、充填剤などを配合した加硫性ゴム
組成物として使用することができるが、これと他の耐熱
性ゴムと組み合わせることにより、加工性が改良された
耐熱性ゴム組成物を得ることができる。本発明により高
剪断処理された低ムーニー・ニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムの耐熱性ゴム組成物中の割合は特に限定されな
いが、通常少なくとも該ゴム組成物全体の5重量%以
上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量
%以上であり、最大95重量%以下である。
ここで、耐熱性ゴムとは、ゴム業界において通常耐熱
性を有するゴムとして知られるゴムであって、天然ゴム
などが汎用ゴムと呼ばれるのに対して、特殊ゴムと呼ば
れているゴムである。具体的には、ニトリル基含有不飽
和共重合体ゴムまたはその水素化ゴム、エチレン系飽和
型共重合体ゴム、ポリアクリル酸エステル系重合体ゴ
ム、ポリエーテルゴム、フッ素ゴムなどである。耐熱性
ゴムは2種以上の異なるゴムを併用して用いることもで
きる。使用される耐熱性ゴムのムーニー粘度[ML1-4(1
00℃)]は、ゴムの種類に依存して変わるが、通常10〜
180、好ましくは40〜90である。
耐熱性ゴムとしてのニトリル基含有不飽和共重合体ゴ
ムまたはその水素化ゴムの具体例としては、本発明の低
ムーニー・ニトリル基含有不飽和共重合体ゴムの製造に
用いる前述したものと同じものが挙げられる。
エチレン系飽和型共重合体ゴムは、エチレンとα−オ
レフィンと非共役ジエンとの共重合体であって実質的に
飽和型の共重合体ゴムである。その代表例は、エチレン
−プロピレン−非共役ジエン三元または多元重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−1−ブテン−非共役ジエン
共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン多
元重合体ゴムなどのエチレンと炭素数3〜14のα−オレ
フィンを主成分とする結晶化度20%以下、好ましくは10
%以下の低結晶性または非晶質のエラストマーまたはそ
れらの混合物である。中でも好ましいものはエチレン−
プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴムである。こ
こで、非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、
1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが
用いられ、これらのうち、ジシクロペンタジエンおよび
5−エチリデン−2−ノルボルネンを第三成分とする共
重合体が好ましい。これらのエチレン・α−オレフィン
系共重合ゴムのヨウ素価は好ましくは20以下である。こ
れらのエチレン系飽和型共重合体ゴムでは、エチレン単
位/α−オレフィン単位は50/50〜90/10、好ましくは60
/40〜84/16(モル比)の割合であり、(エチレン+α−
オレフィン)単位/非共役ジエン単位(三元あるいは多
元共重合体の場合)は通常98/2〜90/10、好ましくは97/
3〜94/6(モル比)である。
使用されるポリアクリル酸エステル系重合体は、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリ
レートなどの炭素数8以下のアルキル基を有するアルキ
ルアクリレート単位および/またはメトキシメチルアク
リレートなどの炭素数8以下のアルコキシアルキル基を
有するアルコキシアルキルアクリレート単位を少くとも
80モル%以上含む共重合体ゴムである。
共重合される単量体としては、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル系単量
体;フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピル
ビニルエーテル、トリフルオロメチルビニルエーテル、
トリフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロ
ピルビニルエーテル、パーフルオロヘキシルビニルエー
テルなどのフルオロアルキルビニルエーテル、o−また
はp−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安
息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレンなどのフッ素含有ビニル系単量体;アクリル酸、
メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸;イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸お
よびそれらの無水物;ならびにポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレートエポキシ(メタ)アクリレート、ウレ
タン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
さらに、通常ポリアクリル酸エステル系重合体ゴムの
架橋性単量体として使用される単量体を共重合すること
もできる。使用できる単量体としては、2−クロロエチ
ルビニルエーテル、ビニルクロロアセテート、アリルク
ロロアセテート、ビニルベンジルクロライド、2−クロ
ロエチルビニルエーテル、クロロメチルビニルケトン、
5−クロロメチル−2−ノルポルネンなどの活性塩素含
有不飽和単量体、2−クロロエチルビニルエーテルなど
の非活性塩素含有不飽和単量体、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル、ビニルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有
不飽和単量体などが挙げられる。その他、カルボキシル
基含有不飽和単量体も使用することができる。これらの
単量体のなかでも活性塩基含有不飽和単量体が好まし
い。
上記のポリアクリル酸エステル系重合体ゴムの中で
も、特に、エチルアクリレート90モル%以上、好ましく
は95モル%以上と、これと共重合可能な単量体10モル%
以下、好ましくは5モル%以下とを構成単位とし、実質
的に炭素−炭素不飽和結合を含有しない共重合体が望ま
しい。このようなエチルアクリレート共重合体を用いる
と、高い耐熱性を有し、かつ長期間保存しても硬化劣化
をほとんど生じないゴム組成物を得ることができる。そ
のようなエチルアクリレート共重合体を得るために、エ
チルアクリレートと共重合される単量体としてはエチル
アクリレートとの共重合に関与する炭素−炭素二重結合
の他には実質的に炭素−炭素二重結合(ただしベンゼン
環を除く)をもたない単量体が用いられる。
一般に、アクリルゴムの架橋用成分としてアクリレー
トとの共重合に関与する炭素−炭素二重結合の他に炭素
−炭素二重結合を有する不飽和化合物(例えば、ブタジ
エン、2−ブテニルアクリレート、テトラヒドロベンジ
ルアクリレート、アリルアクリレート、トリアリルイソ
シアヌレート、ジビニルベンゼンなど)も用いられてい
るが、このような炭素−炭素不飽和結合を有する不飽和
化合物は硬化型劣化を促進するので高い耐熱性が要求さ
れる用途においてはできるかぎり用いないことが好まし
い。
本発明で耐熱性ゴムとして使用されるポリエーテル系
ゴムは、エピクロルヒドリンおよび炭素数2〜10を有す
るアルキルオキシランからなる群から選ばれた少なくと
も1種類以上のモノマーの重合体または共重合体、およ
び、これらのモノマーと共重合可能な不飽和結合含有エ
ポキシ化合物が最大10モル%(該モノマーと該不飽和結
合含有エポキシ化合物との共重合組成は100モル%であ
る)共重合された共重合体である。
炭素数2〜10を有するアルキルオキシランの具体例と
しては、オキシラン、メチルオキシラン、エチルオキシ
ラン、プロピルオキシラン、ブチルオキシラン、ヘキシ
ルオキシラン、オクチルオキシランなどが挙げられる。
なかでも、オキシラン(エチレンオキサイド)、メチル
オキシラン(プロピレンオキサイド)が好ましく、とく
にメチルオキシランが好ましい。
これらのモノマーと共重合可能な不飽和結合含有エポ
キシ化合物としては、アリルグリシジルエーテル、ビニ
ルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルイタコネートなどが
挙げられる。なかでも、アリルグリシジルエーテルが好
ましい。
ポリエーテルゴムの具体例としては、ポリエピクロル
ヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイ
ド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイ
ド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エピクロル
ヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド
共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド
−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共
重合ゴム、プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエ
ーテル共重合ゴムなどが挙げられる。
本発明において耐熱性ゴムとして使用されるフッ素ゴ
ムは、以下の含フッ素モノマーの組み合わせから導かれ
る共重合体ゴムが挙げられる。
含フッ素モノマーとしては、ビニリデンフルオライ
ド、ヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペ
ン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、ビニルフルオライド、パ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ
(プロピルビニリデン)などを用い、さらにこれらと共
重合可能なモノマーとして、アクリル酸エステルなどの
ビニル化合物、プロピレンなどのオレフィン化合物ある
いはジエン化合物、塩素、臭素、ヨウ素を含有する含ハ
ロゲンビニル化合物などを共重合したゴムを挙げること
ができる。
このようなフッ素ゴムの具体例としては、フッ化ビニ
リデン−トリフルオロクロロエチレン共重合体、フッ化
ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニ
リデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共
重合体、四フッ化エチレン−プロピレン共重合体、四フ
ッ化エチレン−フッ化ビニリデン−プロピレン三元共重
合体などが挙げられる。
このフッ素ゴムの具体例としては、有機過酸化物と架
橋助剤の組み合わせて架橋し、ポリオール系架橋剤また
はアミン系架橋剤で架橋しないタイプ、例えばJSRアフ
ラス150P(日本合成ゴム製)、有機過酸化物では架橋し
難く、ポリオールまたはアミンで架橋するタイプ、例え
ばバイトンA、同B、同E60C(デュポン社製)、テクノ
フロンP710(モンテエジソン社製)などが挙げられる。
さらに、耐熱性ゴムとして、ニトリル基含有高飽和共
重合体ゴムにエチレン性不飽和カルボン酸金属塩を配合
してなる高強度エラストマー組成物(例えば、特開平1
−306443号公報)を用いることにより、さらに高強度な
耐熱性ゴム混合物を得ることができる。
使用されるエチレン性不飽和カルボン酸金属塩として
は、1または2以上のカルボキシル基を有する炭素数5
以下のエチレン性不飽和カルボン酸と金属とがイオン結
合した構造を持つものであればよい。
エチレン性不飽和カルボン酸の例としては、アクリル
酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸;マレイン酸
モノメチル、イタコン酸モノエチルなどの不飽和カルボ
ン酸の炭素数1〜8のアルキル基を有するモノエステル
化合物などが挙げられる。
金属としては、上記エチレン性不飽和カルボン酸と塩
を形成するものであれば特に制限されないが、通常、亜
鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、ク
ロム、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銀、鉛
などを使用でき、これらの中でも強度特性の点から、亜
鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムが適して
おり、とくに亜鉛が好ましい。
上記のエチレン性不飽和カルボン酸と金属とのモル比
は、1/0.5〜1/3の範囲内が好ましい。
これらのエチレン性不飽和カルボン酸金属塩は、他の
成分と配合、混練してエラストマー組成物を製造する時
に、金属塩の形でエラストマーに配合してもよく、また
前記のエチレン性不飽和カルボン酸と前記金属の酸化
物、水酸化物、または炭酸塩とを添加して混練等の操作
中にこれらを反応させて生成させてもよい。
エチレン性不飽和カルボン酸金属塩の使用量は特に制
限されないが、通常、エラストマー100重量部あたり3
〜120重量部、好ましくは5〜100重量部、とくに好まし
くは10〜60重量部の範囲で使用される。使用量が過度に
少いとき、または、過度に多いときはエラストマー製品
の強度特性が劣るので好ましくない。
耐熱性ゴム混合物には、必要に応じて、前述したよう
に、ゴム分野において使用される通常の他の配合剤、例
えば、補強剤(カーボンブラック、シリカ、タルクな
ど)、充填剤(炭酸カルシウム、クレーなど)、加工助
剤、プロセス油、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、加硫
助剤、着色助剤などを配合することができる。
耐熱性ゴム混合物の製造方法は特に限定されないが、
通常は、押出機やロール、バンバリーミキサーなどの混
合機により、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム、耐熱
性ゴムおよび加硫剤その他の配合剤とを混練・混合する
ことによって該ゴム混合物を製造する。
(ゴムと繊維との複合体) 高剪断処理されることによって得られる本発明のニト
リル基含有高飽和共重合体ゴムは、良好な加工性を示
し、ナイロンなどの各種繊維との接着性が改良されるこ
とから、該ゴムと繊維との複合体からは、加硫接着によ
って接着強度および機械的強度に優れた製品が得られ
る。この複合体は、ベルト、ホースなどに有用である。
使用される繊維には木綿のような天然繊維、レーヨンの
ような再生繊維、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、
芳香族ポリアミド繊維のような合成繊維、スチル繊維、
ガラス繊維、カーボン繊維などが含まれる。これらの繊
維は単独でも、または、二種以上組合せて用いてもよ
い。これらの繊維はステープル、フイラメントまたはコ
ード状、ロープ状、帆布、すだれ状などの織布の形態で
抗張体としてニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに埋設
して用いられるが、繊維の種類および形態は目的とする
ベルトその他の種類(用途)に応じて適宜決定すること
ができる。
繊維は共重合体ゴムと複合化するに先立って、それぞ
れの繊維に通常実施されている方法で接着前処理を行な
うが、特別な処理は必要としない。例えば、レーヨン、
ナイロンの場合は通常レゾルシン−ホルマリンの初期縮
合物の水溶液(以下、RFと略記する)とゴムラテックス
との混合物(以下、RFLと略記する)によって接着処理
が施される。
一方、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの繊維で
は分子構造上ゴムとの接着性が劣るため、前記RFLによ
る接着処理では充分な接着力が得られず、そのため、RF
L処理に先立ってイソシアネート類、エチレンチオ尿素
類、エポキシ類などの化合物またはこれらの化合物を適
当に組合せた処理液で繊維を処理した後、熱処理し、次
にRFL処理が行なわれる。ガラス繊維はRFL処理に先立っ
てエポキシシラン、アミノシラン(例、アミノプロピル
トリエトキシシランなどのシランカップリング剤)によ
る処理が一般的に有効である。
RFL処理で使用されるゴムラテックスは特に限定され
ることなく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン−メ
タアクリル酸共重合体ラテックス、アクリロニトリル−
ブタジエン−アクリル酸共重合体ラテックス、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−ビニルピリジン酸共重合体ラテ
ックスおよびこれらの共重合体のブタジエン部分を水素
化したものなどのニトリル系共重合体ラテックス;エピ
クロロヒドリン重合体、エピクロロヒドリンと一種以上
の他のエポキシドまたはオキセタンとの共重合体、クロ
ロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化
ポリエチレン、架橋用モノマーとして塩素含有モノマー
を共重合した塩素含有アクリルゴム、臭素化ブチルゴ
ム、ポリ塩化ビニリデン;塩素化または臭素化ジエン系
ゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ス
チレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム
など)、塩素化または臭素化エチレン−プロピレン−ジ
エンモノマー三元共重合体ゴムなどのハロゲン化重合体
などのハロゲン含有重合体ラテックスが例示される。RF
L処理に使用されるラテックスとして、前記ニトリル基
含有高飽和共重合体ゴムの水性エマルジョンを用いた場
合にはゴム配合物と繊維との接着力をさらに強固なもの
にすることができるので好ましい。これらのゴムラテッ
クスは単独であるいは混合して使用することができる。
該ゴムラテックスは乳化重合で製造されるものはその
重合体ラテックスとしてそのまま使用でき、固形の重合
体として入手できるものは通常の転相法によりラテック
ス化して使用できるが、本発明においてはラテックスの
製造方法は特に制限されない。
繊維を処理するためのRFL液は前記のゴムラテックス
とRFとの混合液であり、該混合液の構成割合は特に限定
されないが、通常該ラテックス対RFはそれぞれの固形分
重量割合で10:1〜2:1の範囲にあることが望ましい。ま
た、RF液におけるレゾルシン対ホルマリンのモル比も特
に限定されないが、通常1:3〜3:1の割合であることが望
ましい。さらに望ましくは1:1〜1.5:1の範囲である。ま
た、RF液はゴム配合物と繊維の加硫接着用に常用されて
いる該混合液が使用でき、特に制限されない。
かかるRFL処理液による繊維の処理方法は本発明にお
いては特に限定されないが、浸漬法に従って前記繊維を
浸漬し、しかる後、熱処理を行なうのが一般的である。
熱処理の条件も本発明においては特に限定されるもので
はなく、繊維の種類に従って多くの変動はあるが、浸漬
により付着したRFLを反応定着するに十分な湿度と時間
であり、通常140〜210℃位で数分間行なわれる。なお、
通常、繊維の種類によっては前記熱処理液への浸漬に先
立って繊維を予めイソシアネート溶液、エポキシ溶液ま
たはそれらの混合液に浸漬、乾燥処理しておくことも可
能である。この場合、乾燥湿度は、後続の熱処理温度以
下が望ましい。
上述のようなRFL処理を行なった繊維をニトリル基含
有高飽和共重合体ゴム配合物と加硫接着させるが、該繊
維はニトリル基含有高飽和共重合体ゴム配合物に混合さ
れ、または該ゴム配合物と積層されるなどした後、該ゴ
ム配合物の通常の加硫条件に従って加硫が行なわれる。
加硫の条件はとくに限定されないが、通常は0.5〜10MPa
の加圧下、130〜200℃で1〜120分間である。ニトリル
基含有高飽和共重合体ゴム配合物は該ゴムとゴム工業で
常用されている各種配合剤とを通常の混合液を用いて混
合して配合ゴム組成物とされる。配合剤の種類および使
用量はゴム−繊維複合体の使用目的(用途)に従って決
められ、本発明においては特に限定されない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例中の部および%は特に断
りのないかぎり重量基準である。
実施例および比較例において、使用した老化防止剤は
以下のとおりである。
(1)ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン)(RD、TMDQ:アミン・ケトン系“ノクラック224") (2)アルキル化ジフェニルアミン(ODA;芳香族二級ア
ミン系“ナウガード445") (3)2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)(2246、MBMBP:ビスフェノール系“ノ
クラックNS6") (4)2−メチルカプトベンゾイミダゾール(MB、MBI;
メルカプトベンゾイミダゾール系“ノクラックMB") ゴムの評価方法は以下のとおりである。
(1)高速加硫性評価試験 所定の配合処方によって調製した未加硫ゴム組成物10
グラムを用いて、日本ゴム協会規格SRIS 3102に従い、
キュラストメーターによって、170℃におけるスコーチ
時間(T5およびT95)(単位:分)、最大トルク
(Vmex)および最小トルク(Vmin)(単位:kgf・cm)を
測定した。T5の値は小さいほど加硫速度が速い。また、
Vmexの値は大きいほど架橋効率が高い。
(2)加硫物性評価試験 日本工業規格JIS K6301に従い、所定の配合処方によ
って調製した未加硫ゴム組成物を170℃×20分の条件で
加硫して得られた厚さ2mmとシートを、3号形ダンベル
を用いて打ち抜いて試験片を作成し、引張強さ(単位:k
gf/cm2)、100%、200%または300%伸長時引張り応力
(単位:kgf/cm2)および伸び(単位:%)を測定した。
圧縮永久歪(歪み率%)は荷重除去後150℃で70時間保
持した後、測定した。また、硬さはJISスプリング式A
形硬さ試験機を用いて測定した。さらに、反発弾性はJI
S K6301に従って測定した(単位:%)。なお、耐油性
試験については、JIS K6301に従い、潤滑油No.3(動粘
度31.9〜34.1、アニリン点69.5±1℃、引火点162.7
℃)中にゴム試験片を浸漬し、体積変化率(単位:%)
を測定した。
(3)結合ニトリル量 日本工業規格JIS K6383に従い、ケルダール法によっ
て共重合体中の窒素含量を測定し、計算により結合ニト
リル量を求めた(単位:%)。
(4)ムーニー粘度[ML1-4] 日本工業規格JIS K6384に従い、共重合体約40グラム
を用いて100℃に測定した。
(5)分子量、分子量分布 ゲルパーミエーション(溶媒:テトラヒドロフラン)
により、標準ポリスチレンに換算した数平均分子量(M
n)および重量平均分子量(Mw)を測定した(単位:
万)。また、MwとMnとの比を計算により求めた。
(6)加工性(ガーベダイ押出試験) ATSM D−2230−77に従い、ガーベダイを用いて、所
定の配合組成を有する未加硫ゴム組成物を押出し、ダイ
スエル(%)および押出量(g/分)を求めるとともに、
押出物の形状ないし状態を、膨油度・多孔度ならびにエ
ッジ、表面およびコーナー部について評価し、それぞれ
4等級で表示した。各評価項目とも4が最良、1が最悪
である。
(7)加工性(バンバリー、ロール混練試験) (イ)バンバリー混練時の電力消費量 堺重工株式会社製、1.7リットルバンバリーを用い、
回転数100rpm、ローターの回転数比1.12でゴムとカーボ
ンブラックの混練を行った。その際、まずゴムを投入し
1分間、ゴムの素練りを行い、その後カーボンブラック
を一括で投入し3分間混練を行なった。この時、いった
んバンバリーを停止し、投入口のまわりに付着したカー
ボンをはけで掻き落とした。その後、再び1分間混練を
行い、取り出した。この時、電力消費量は、このバンバ
リーでの一連の混練工程でかかった電力量を、キロワッ
トで表した。
(ロ)ロール加工性 バンバリーから取り出したゴムのカーボンマスターバ
ッチに、その他の配合剤を投入する際、とくに混練性に
優れるものをA、通常の混練で問題なく混練できるもの
をB、バギングが発生し混練に手間取ったものをC、バ
ギングの発生がひどく、混練が著しく困難であったもの
をDで表現した。
(ハ)ロールバギング限界の間隙 ロールにて配合剤の混練が終わった後、ロールの間隙
を2mmから0.5mmづつ開けて行き、ゴムのバギングが始ま
ったロール間隙であらわした。すなわち、ロール間隙の
広い方がロール混練性に優れる。
(8)フィラーゲル(重量%) フィラーゲルは、ゴムとカーボンブラックなどの配合
剤とを混練後、80メッシュ金網を用いてメチルエチルケ
トン中に48時間浸漬後に測定した値である。
実施例1〜4、比較例1、2 水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(水素化NBR、水素化率90%、ヨウ素価28、結合アクリ
ロニトリル含有量36%、ムーニー粘度ML478)100重量部
と老化防止剤3重量部とを二軸押出機に供給し下記条件
下に高剪断力付与処理を行った(実施例1〜4)。
二軸押出機:プラスチック工学研究所製、スクリュー
径38mm、スクリュー長1600cm、L/D 42、7バレル構
成、スクリュー回転数400rpm、処理速度7kg/時間 設定温度:バレル1(投入ゾーン)100℃ 設定温度:バレル2(溶融ゾーン)250℃ バレル3〜6(混練、剪断ゾーン)250〜2
90℃ バレル7(混練、脱気ゾーン)200〜250
℃、720mmHg 剪断速度:3,200S-1 バレル1〜7中滞留時間:120〜180秒 剪断処理後のゴムを常温で大気中に保存し、押出直後
および1、5、8、15、22、29および61日経過後にムー
ニー粘度を測定した。
さらに、比較例として、老化防止剤を配合せずに水素
化NBRの剪断力付与処理を行った場合(比較例1)、お
よび、同様に老化防止剤を配合せずに水素化NBRの剪断
力付与処理を行い、その後に老化防止剤を配合した場合
(比較例2)のゴムのムーニー粘度の変化について測定
した。
また、押出直後および29日経過後に分子量分布(Mw/M
n)を求めた。結果を表1に示す。
さらに、高剪断力付与処理後29日経過した各ゴムにつ
いて、下記配合処方に従ってゴム組成物を調製し、ガー
ベダイ押出試験を行った。結果を表1に示す。
配合組成 ゴム 100重量部 亜鉛華 5重量部 ステアリン酸 0.5重量部 SRFカーボン#60 40重量部 老化防止剤 1.5重量部 パーオキサイド 6重量部 表1にみられるとおり、老化防止剤を加えないで高剪
断力処理をした場合には、高剪断力処理によってムーニ
ー粘度はかなり低下するものの、保存中にそのムーニー
粘度はかなり上昇する。(比較例1)。さらに、その後
老化防止剤を配合した場合は保存中のムーニー粘度の上
昇がやや緩和されるが、保存安定性の改良効果は小さい
(比較例2)。本発明で用いる老化防止剤の存在下に高
剪断力処理を行うとムーニー粘度は、老化防止剤を用い
ない場合と比較してより大きく低下し、そして保存中に
そのムーニー粘度は少し上昇するに過ぎない(実施例1
〜4)。特に老化防止剤としてアミン・ケトン系および
メルカプトベンゾイミダゾール系の老化防止剤を用いた
場合には保存中における粘度上昇は微かである(実施例
1、4)。
また、ガーベダイ押出試験の結果から、本発明に従っ
て、老化防止剤の存在下に高剪断力付与処理を行った場
合には、押出特性が大幅に改良されることがわかる。
実施例5、6、7、8、比較例3 ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(水素化NBR、水
素化率90%、ヨウ素価28、結合アクリロニトリル含有量
36%、ムーニー粘度78(実施例5、6、7および比較例
3)または140(実施例8))を、ペレット造粒装置
(森山製作所社製)を用いて、該ゴムをペレット状に造
粒した。該ゴムのペレット100重量部と老化防止剤(ア
ミン−ケトン系、ノクラック224、大内新興社製)3重
量部と老化防止剤(ベンゾイミダゾール系、ノクラック
MB:大内新興社製)1重量部とを定量フィーダーを用
い、二軸押出機に投入し、下記条件下に高温で高剪断力
処理を行った。結果を表2に示す。
二軸押出機:プラスチック工学研究所社製、スクリュ
ー径38mm、スクリュー長さ1600cm、L/D 42、7バレル
構成、処理速度10kg/時間 なお、二軸押出機の温度条件は以下のとおりである。
設定温度:バレル1(投入ゾーン) 30℃ バレル2(溶融ゾーン) 150℃ バレル3 250℃ バレル4(混練ゾーン) 280℃ バレル5 260℃ バレル6(冷却ゾーン) 200℃ バレル7 200℃ ダイヘッド 200℃ 表2の結果から、高剪断力付与処理を250℃〜300℃に
おいて行うことにより、ムーニー粘度低下後30日間放置
している間のムーニー粘度の上昇が5ポイント以下であ
って、実質的にゲルフリーのゴムを製造できることが分
かる。
実施例9、10、比較例4、5 ムーニー粘度142の水素化NBR(ゼットポール2020H、
結合アクリロニトリル含有量36%、ヨウ素価28、日本ゼ
オン株式会社製)を、二軸押出機を使用して、下記の条
件下にそのムーニー粘度を低下させたものについて、加
工性および硫黄系加硫剤を配合したときの加硫物性につ
いて評価した。結果を表3に示す。
ペレット造粒装置:実施例5で使用した装置と同じ 老化防止剤:種類、使用量とも実施例5と同じ 比較例4では、比較例1で調製した水素化NBR、比較
例5では、ムーニー粘度56の水素化NBR(ゼットポール2
020L、結合アクリロニトリル含有量36%、ヨウ素価28、
日本ゼオン株式会社製)を使用した。
実施例11、12、13、比較例6、7 ムーニー粘度113の水素化NBR(ゼットポール2020H、
結合アクリロニトリル含有量36%、ヨウ素価11、日本ゼ
オン株式会社製)を、二軸押出機を使用して、下記条件
下にそのムーニー粘度を低下させたものについて、加工
性および有機過酸化物系加硫剤を配合したときの加硫物
性について評価した。結果を表4に示す。
ペレット造粒装置:実施例5で使用したものと同じ 老化防止剤:種類、量とも実施例5と同じ なお、比較例6では、比較例1で調製した水素化NB
R、比較例7では、ムーニー粘度65の水素化NBR(ゼット
ポール2010L、結合アクリロニトリル量36%、ヨウ素価1
1、日本ゼオン株式会社製)を使用した。結果を表4に
示す。
表3および表4から、高剪断力処理によって得られた
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを使用する
ことにより、加工性に特に優れ、バンバリーの電力消費
量も低く、混練工程での電力消費の削減、混練時間の短
縮につながるゴム組成物が得られることが判る。ガーベ
ダイ押出し試験の結果も特に優れ、チューブやホースな
どに有用な組成物として提供できる。また、同程度のム
ーニー粘度を有するゴムおよびムーニー低下処理後30日
放置した間のムーニー粘度の上昇が10ポイント以上の水
素化NBRの比較すると、二軸押出機で低ムーニー化処理
した本発明のゴムは加工性に優れることが判る。
二軸押出機で低ムーニー化したものは、フィラーゲル
が多く、カーボンの分散性が向上したことを示してい
る。それに伴い、加硫物物性の強度が向上する。また、
耐摩耗性の改善、耐油性の改善も期待できる。
通常ムーニー粘度が低くなると、強度の低下など物性
的には低下の傾向があるが、低ムーニー化品は、加工性
の大幅な改善に併せ、物性の改善をも達成したゴム組成
物であることが見出された。
実施例14、15、16、17、18、比較例8、9、11、12 実施例11、12、13で調製した高剪断力処理ゴム100部
に対してカーボンブラックを150部配合したもの(実施
例14、15、16)および実施例12、13で調製した高剪断力
処理したゴム100部にカーボンブラックを200部配合した
もの(実施例17、18)について、加工性および有機過酸
化物系加硫剤を配合したときの加硫物性について評価し
た。結果を表5および6に示す。
なお、比較例8および10では、比較例1で調製した水
素化NBR、比較例9および11では、ムーニー粘度65の水
素化NBR(ゼットポール2010L、結合アクリロニトリル含
有量36%、ヨウ素価11、日本ゼオン株式会社製)をそれ
ぞれ使用した。
表5および6より、高剪断力処理によって得られた本
発明のゴムは、カーボンブラックの高充填配合において
も良好な加工性を示し、加硫物性も良好である。
実施例19、20、21、比較例12、13 実施例5で調製した水素化NBR(LZP−2)、実施例6
で調製した水素化NBR(LZP−3)を市販の水素化NBR
(ゼットポール2020、結合アクリロニトリル含有量36
%、ヨウ素価28、ムーニー粘度78;ZP2020L、結合アクリ
ロニトリル含有量36%、ヨウ素価28、ムーニー粘度78、
日本ゼオン株式会社社製)と混合したゴム混合物につい
て、加工性および硫黄系加硫剤を配合したときの加硫物
性について評価した。比較のために、比較例3で調製し
た水素化NBR(LZP−1)と市販と水素化NBR(ゼットポ
ール2020、ゼットポール2020L)とを混合したものにつ
いても同様に評価した。結果を表7に示す。
表7の結果より、高剪断力処理によって得られた本発
明のゴムは、市販の水素化NBRと混合することにより、
その加工性を改良できることが分かる。
実施例22、23、24、25、26、27、比較例14、15、16 実施例12で調製した水素化NBR(LZP−4、ムーニー粘
度57)および実施例13で調製した水素化NBR(LZP−5、
ムーニー粘度26)を市販のエチレン系飽和型共重合体ゴ
ム(EPDMケルタン4778F、ヨウ素価18、ムーニー粘度6
4、出光石油化学株式会社製)と混合したゴム混合物に
ついて、加工性および有機過酸化物系加硫剤を配合した
ときの加硫物性について評価した。
ただし、LZP−5については、さらに水素化NBR(ゼッ
トポール2010、結合アクリロニトリル含有量36%、ヨウ
素価11、日本ゼオン株式会社製)も混合した。また、 比較として、比較例3で調製した水素化NBR(LZP−
1、ムーニー粘度54)を使用した場合も同様に評価し
た。結果を表8および表9に示す。
表8および表9の結果より、高剪断力処理によって得
られた本発明のゴムは、市販のエチレン系飽和型共重合
体ゴムと混合することにより、その加工性を改良できる
ことが分かる。
実施例28、29、30、比較例17、18、19 実施例5で調製した水素化NBR(LZP−2、ムーニー粘
度41)を市販のポリアクリル酸エステル共重合体ゴム
(AR71 ムーニー粘度50、日本ゼオン株式会社製)と混
合したゴム混合物について、加工性および有機過酸化物
系加硫剤を配合したときの加硫物性について評価した。
加硫は170℃で20分間行った。比較として、比較例3で
調製した水素化NBR(LZP−1、ムーニー粘度54)を使用
した場合も同様に評価した。結果を表10に示す。
表10の結果より、高剪断力処理によって得られた本発
明のゴムは、市販のポリアクリル酸エステル共重合ゴム
と混合することにより、その加工性を改良できることが
分かる。
実施例31、32、比較例20、21、22 実施例9で調製した水素化NBR(LZP−6)または実施
例10で調製した水素化NBR(LZP−7)を市販のフッ素ゴ
ム(テクノフロンP710、ムーニー粘度50、日本ゼオン株
式会社製)と混合したゴム混合物について、加工性およ
び加硫物性を評価した。比較として、比較例3で調製し
た水素化NBR(LZP−1、ムーニー粘度54)または市販の
水素化NBR(ゼットポール2010、アクリロニトリル36
%、ヨウ素価11、ムーニー粘度85、日本ゼオン株式会社
製)を使用した場合も同様に評価した。結果を表11に示
す。
なお、フッ素ゴムの配合(配合A)およびニトリル基
含有高飽和共重合ゴム(HNBR)の配合(配合B)は以下
のとおりである。
配合A テクノフロンP710 100部 サーマックスMT 30部 亜鉛華#1 3部 TAIC 3部 パーヘキサ25B−40 3部 配合B HNBR 100部 SRFカーボンブラック 50部 ノクラックMBZ 1.5部 ナウガード445 1.5部 バルカップ40KE 6部 注:サーマックスMT:カーボンブラック TAIC:トリアリルイソシアヌレート パーヘキサ25B−40:有機過酸化物加硫剤 バルカップ40KE:有機過酸化物加硫剤 実施例33、34、35比較例23、24、25、26 実施例10で調製した水素化NBR(LZR−8)を市販のポ
リエーテルゴム(ゼクロン2000、ムーニー粘度96、日本
ゼオン株式会社製)および水素化NBRにジメタクリル酸
亜鉛を配合してなる高強度エラストマー組成物(ZSC229
5、ムーニー粘度85、日本ゼオン株式会社製)と混合し
たゴム混合物について、加工性および加硫物性を評価し
た。比較として、比較例3で調製した水素化NBR(LZP−
1、ムーニー粘度54)を使用した場合も同様に評価し
た。結果を表12に示す。
また、ポリエーテルゴム(ゼクロン2000)の配合(配
合C)の配合およびニトリル基含有高飽和共重合ゴム
(HNBR)の配合(配合D)は以下のとおりである。LZP
−8とZSC2295との混合物については、LZP−8、35部、
HNBR65部、バルカップ40KE(有機過酸化物系加硫剤)を
配合した。
配合C ゼクロン2000 100部 カープレックス1120 40部 酸化マグネシウム#150 10部 グレッグG−8208 1部 ナウガード445 1.5部 ノクラック224 1.5部 ジスネットF 0.9部 配合D HNBR 100部 カープレックス1120 40部 酸化マグネシウム#150 10部 グレッグG−8208 1部 ナウガード445 1.5部 ノクラック224 1.5部 バルカップ40KE 7部 注:カープレックス1120:カーボンブラック 表11および表12の結果より、高剪断力処理によって得
られた本発明のゴムは、市販のポリエーテルゴム、フッ
素ゴムおよび水素化NBRにジメタクリル酸亜鉛を配合し
てなる高強度エラストマー組成物とそれぞれ混合するこ
とにより、それらの加工性を改良できることが分かる。
実施例36、比較例27 実施例5で調製した水素化NBR(LZP−2、ムーニー粘
度41)または比較例3で調製した水素化NBR(LZP−1、
ムーニー粘度54)と各種繊維との複合体についてゴムと
繊維との接着性を評価した。結果を表14に示す。本発明
によるゴムLZP−2は、LZP−2が100重量部について実
施例19の配合剤を配合し、ロール上で混練の後、約2.5m
m厚のゴム配合物シートを調製した。各種繊維は、水素
化NBRのラテックス(ヨウ素価15、平均粒径0.10μm、
固形分40重量%、pH10.5)を用いたRFL液からなる接着
組成物で処理した後、ゴム配合物シートと加硫接着した
ゴムと繊維との複合体を調製した。RFL液からなる接着
剤組成物の調製は表13の処方に従い配合した。
接着剤組成物を用いて試験用シングルコードディップ
マシーンで各繊維を浸漬処理して処理コードを調製し
た。なお、使用した繊維の種類および処理方法は以下の
通りである。
ナイロンコード(6−ナイロン、構造1260D/2)およ
びレーヨンコード(3−Super、構造1650D/2)は、それ
ぞれRFL混合物で接着前処理を行ない抗張体用コードを
作成した。
ポリエステルコード(ポリエチレンテレフタレート、
構造1500 D/3)は、前記RFL液600部と2,6−ビス(2,4
−ジヒドロキシフェニルメチル−4−クロロフェノール
組成物400部とを配合した混合液に浸漬し、245℃で1分
間熱処理した後RFL液に浸漬し、230℃で1分間熱処理を
して抗張体用コードを作成した。
アラミド繊維(デュポン社製 ケプラー、構造1500D/
2127T/m)は、下記の前処理液に浸漬し220℃で2分間加
熱処理をした後、RFL液に浸漬し、230℃で1分間熱処理
して抗張体用コードを得た。
前処理液組成 グリセリンのジグリシジルエーテル 2.22重量部 10%NaOH水溶液 0.28重量部 5%“AEROSOL"OT(75%固形分)* 0.56重量部 水 96.94重量部 合計 100.00重量部 * 日本アエロジル社製品 ガラス繊維コード(ECG150 3/10 20S構造)はα−
アミノプロピルトリエトキシシランの5%の水分散液に
浸漬後150℃で3分間加熱処理した後、RFL液に浸漬し、
さらに200℃で1分間熱処理して抗張体用コードを得
た。
このようにして得られた処理コードを、被着体ゴム配
合物に埋め込み長さ8mmで埋め込み、プレス圧5MPa.150
℃で30分間加硫して繊維とゴムとの複合体を得た。
得られた複合体についてASTM D2138−72などに準拠
してコード引抜き試験を行なって初期接着力を測定し
た。同様にして得られた複合体を120℃で168時間空気オ
ーブン中で耐熱処理したあとのコード引抜き試験を行な
って耐熱接着力を測定した。その結果を表14に示す。
表14から、本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
ムと繊維との複合体は接着強度が改善されていることが
わかる。
産業上の利用可能性 本発明に従って、老化防止剤の存在下に高剪断付与処
理を行うことによって調製された低ムーニー・二トリル
基含有高飽和共重合体ゴムは、加工性がよく、その粘度
の経時変化が小さく、保存安定性に優れている。
上記の加工性の改良されたニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムは、各種の繊維と複合体を形成することができ
る。ゴムを補強用繊維と組合せて、例えば、Vベルトや
歯付ベルトのような伝導ベルトとして用いると、ゴムが
繊維間隙に十分に侵入し、充満するので、強度特性に選
れた繊維補強ゴム構造体が得られる。この複合体は高温
の空気中または油中で繰返し屈曲変形が加わる環境下で
使用されるベルトに最適である。このようなベルトとし
ては、例えば、タイミングベルトなどの動力伝達ベル
ト、コンベアベルトなどがある。
さらに、上記のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを
各種の耐熱性ゴムと混合することにより、加工性が改良
された耐熱性ゴム混合物を得ることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 13/00 - 13/10 C08J 5/00 - 5/24 C08K 5/00 - 5/59 C08L 9/00 - 21/02 WPI/L(QUESTEL)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】老化防止剤の存在下に高剪断力を付与する
    ことによってそのムーニー粘度を15ポイント以上低下さ
    せたニトリル基含有高飽和共重合体ゴムであって、ムー
    ニー粘度が5〜135であり、重量平均分子量Mw/数平均分
    子量Mn比が3〜5であり、かつ、ムーニー粘度を低下さ
    せた後、室温の空気中に30日間放置せる間のムーニー粘
    度の上昇が10ポイント以下であるニトリル基含有高飽和
    共重合体ゴム。
  2. 【請求項2】ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムが、エ
    チレン性不飽和ニトリル単量体、ジエン系単量体および
    任意成分である共重合可能な単量体との共重合体の水素
    化物であって、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を
    10〜60重量%含み、且つ、ヨウ素価が120以下である請
    求の範囲第1項記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
    ム。
  3. 【請求項3】ムーニー粘度が20〜90である請求の範囲第
    1項または第2項記載のニトリル基含有高飽和共重合体
    ゴム。
  4. 【請求項4】ムーニー粘度を低下させた後、室温の空気
    中に30日間放置せる間のムーニー粘度の上昇が5ポイン
    ト以下である請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記
    載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴム。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記
    載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと耐熱性ゴムと
    の混合物であって、該ニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
    ムを少なくとも5重量%以上含有することを特徴とする
    耐熱性ゴム組成物。
  6. 【請求項6】耐熱性ゴムがニトリル基含有不飽和共重合
    体ゴムおよびその水素化物、エチレン系飽和型共重合体
    ゴム、ポリアクリル酸エステル系重合体ゴム、ポリエー
    テルゴムおよびフッ素ゴムの中から選ばれる少なくとも
    一種である請求の範囲第5項に記載の耐熱性ゴム組成
    物。
  7. 【請求項7】請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記
    載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと繊維とからな
    るゴムと繊維との複合体。
  8. 【請求項8】レゾルシン−ホルマリン初期縮合物の水溶
    液とゴムラテックスとの混合物で処理した繊維をニトリ
    ル基含有高飽和共重合体ゴムと加硫接着せしめてなる請
    求の範囲第7項に記載の複合体。
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