JP5487541B2 - ニトリルゴム、ニトリルゴム組成物および架橋物 - Google Patents

ニトリルゴム、ニトリルゴム組成物および架橋物 Download PDF

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Description

本発明は、圧縮永久ひずみ及び動的発熱の小さな架橋物を与える、加工性に優れたニトリルゴム及びニトリルゴム組成物に関する。
従来から、ニトリル基含有共重合体ゴム(ニトリルゴム)の1種である、炭素−炭素不飽和結合の含有量が少ないニトリル基含有高飽和共重合体ゴム(高飽和ニトリルゴム)は、耐油性、耐熱老化性及び耐オゾン性を有するゴムとして知られている。その架橋物はベルト、ロール、ホース、シール(ガスケット及びパッキンを含む。)など種々の工業用、自動車用等のゴム製品の材料として用いられている。その一方で、さらに具備すべき特性として耐久性、高温環境下での使用性などが要求されている。具体的には、シール、ベルト、ロールなどの用途では圧縮永久ひずみが一層小さいことが求められており、運動シール、ベルトやロールなどの用途では動的発熱が小さいことが要求されている。また、広範な用途において、混練時のロール巻き付き性や、非粘着性などの加工性の向上も望まれている。
高飽和ニトリルゴム架橋物の圧縮永久ひずみを低減する試みとしては、エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位含有高飽和ニトリルゴムに、ポリアミン系架橋剤及び塩基性架橋促進剤を配合する方法(特許文献1)、重合反応に用いた乳化剤のゴム中残留量が1重量%以下であるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴムを用いる方法(特許文献2)などが挙げられる。
しかしながら、これらにより架橋物の圧縮永久ひずみは改善されるものの、その改善効果は十分とは言えず、さらに動的発熱の低減やゴム組成物の加工性の向上までをも望むことはできない。そのため、高飽和ニトリルゴム組成物の加工性の向上と、架橋物の圧縮永久ひずみ及び動的発熱の低減と、を同時に達成する技術の開発が望まれている。
特開2001−55471号公報 特開2004−285293号公報
本発明の目的は、圧縮永久ひずみ及び動的発熱の小さな架橋物を与える、加工性に優れたニトリルゴム及びニトリルゴム組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、カルボキシル基を有するニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックスを、凝固剤水溶液により凝固して得た、特定金属の含有量の少ないゴムを用いて調製したニトリルゴム及びニトリルゴム組成物により、上記の目的が達成されることを見出して本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、共重合体ゴムのラテックスを凝固剤水溶液により凝固する工程を経て得られ、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が10〜60重量%でヨウ素価が120以下であり、かつ、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの合計含有量が2,000重量ppm以下であるカルボキシル基含有ニトリルゴム(A)が提供される。
また、本発明によれば、前記カルボキシル基含有ニトリルゴム(A)と、
架橋剤(B)と、
を含有してなるニトリルゴム組成物が提供される。
本発明のニトリルゴム(A)およびニトリルゴム組成物において好ましくは、前記ニトリルゴム(A)のカルボキシル基含有量が、5×10−4〜5×10−1ephrである。
好ましくは、カルボキシル基が、前記ニトリルゴム(A)の構成単位であるエチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体に由来するものである。
好ましくは、前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位が、アクリロニトリル単位及び/又はメタクリロニトリル単位である。
好ましくは、前記ニトリルゴム(A)は、ジエン単量体単位及び/又はα−オレフィン単量体単位をさらに有する。
好ましくは、前記ジエン単量体単位が、1,3−ブタジエン単位である。
好ましくは、前記ニトリルゴム(A)中における、前記ジエン単量体単位及び/又はα−オレフィン単量体単位の含有量が、25〜85重量%である。
本発明のニトリルゴム組成物において、好ましくは、前記ニトリルゴム組成物全体に対する、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの合計含有量が2,000重量ppm以下である。
好ましくは、前記架橋剤(B)が、多価アミン化合物、多価ヒドラジド化合物及び有機過酸化物から選択される少なくとも1種である。
好ましくは、前記架橋剤(B)の含有量が、前記カルボキシル基含有ニトリルゴム(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部である。
また、本発明によれば、上記いずれかに記載のニトリルゴム組成物を架橋してなる架橋物が提供される。
本発明によれば、圧縮永久ひずみ及び動的発熱の小さな架橋物を与える、加工性に優れたニトリルゴム及びニトリルゴム組成物、並びに該組成物を架橋してなる架橋物が提供される。
本発明のカルボキシル基含有ニトリルゴム(A)は、共重合体ゴムのラテックスを凝固剤水溶液により凝固する工程を経て得られ、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が10〜60重量%でヨウ素価が120以下であり、かつ、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの合計含有量が2,000重量ppm以下である。
また、本発明のニトリルゴム組成物は、前記カルボキシル基含有ニトリルゴム(A)と、架橋剤(B)と、を含有してなるものである。
カルボキシル基含有ニトリルゴム(A)
カルボキシル基含有ニトリルゴム(A)(以下、「ニトリルゴム(A)」と記すことがある。)中のマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの合計含有量は、これらの金属元素換算で、ニトリルゴム(A)全体に対して、2,000重量ppm以下であり、好ましくは1,000重量ppm以下、より好ましくは500重量ppm以下、さらに好ましくは100重量ppm以下、特に好ましくは50重量ppm以下である。マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの合計含有量が多過ぎると、架橋物の圧縮永久ひずみ及び動的発熱が大きくなる。
ニトリルゴム(A)分子のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成する単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば限定されず、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリルなどが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましい。ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物はこれらの複数種を併用してもよい。
ニトリルゴム(A)におけるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位100重量%に対して、10〜60重量%であり、好ましくは15〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると、得られる架橋物の耐油性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると耐寒性が低下する可能性がある。
ニトリルゴム(A)は、得られる架橋物がゴム弾性を有するものとするために、通常、ジエン単量体単位及び/又はα−オレフィン単量体単位をも有する。
ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの炭素数が4以上の共役ジエン単量体;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの好ましくは炭素数が4〜12の非共役ジエン単量体;等が挙げられる。これらの中では共役ジエン単量体が好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
α−オレフィン単量体としては、炭素数が2〜12のものが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが例示される。
ニトリルゴム(A)におけるジエン単量体単位及び/又はα−オレフィン単量体単位の含有量は、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは25〜85重量%、より好ましくは35〜80重量%、特に好ましくは45〜75重量%である。これら単量体の単位が少なすぎると、得られる架橋物のゴム弾性が低下するおそれがあり、多すぎると耐油性が低下する可能性がある。
ニトリルゴム(A)にカルボキシル基を含有させる方法としては、例えば、(I)前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、ジエン単量体単位及び/又はα−オレフィン単量体単位と、を有する共重合体に変性反応によりカルボキシル基を導入する方法、(II)α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と、ジエン単量体及び/又はα−オレフィン単量体と、カルボキシル基含有単量体と、を共重合する方法、(III)α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と、ジエン単量体及び/又はα−オレフィン単量体と、アルコキシカルボニル基含有単量体と、を共重合した後、アルコキシカルボニル基を加水分解する方法、などが挙げられる。これらのカルボキシル基を含有させる方法の中では、(II)の共重合法が好ましい。
前記共重合法で用いられるカルボキシル基含有単量体としては、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸などが挙げられる。これらカルボキシル基含有単量体には、これらの単量体のカルボキシル基がカルボン酸塩を形成している単量体も含まれる。また、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物も共重合後に酸無水物基を開裂させてカルボキシル基を形成し得るため、カルボキシル基含有単量体として用いることができる。これらのカルボキシル基含有単量体の中でもα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステルが好ましく、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステルがより好ましく、総炭素数が6〜20のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステルが特に好ましい。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステルとしては、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn−ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn−ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn−ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル;などが挙げられる。
これらのなかでも、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノn−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノn−ブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル及びマレイン酸モノn−ブチルが好ましく、フマル酸モノn−ブチルおよびマレイン酸モノn−ブチルが特に好ましい。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸としては、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸などが挙げられる。
また、ニトリルゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、ジエン単量体及び/又はα−オレフィン単量体、並びにカルボキシル基含有単量体と共重合可能なその他の単量体の単位を含有していても良い。共重合可能なその他の単量体としては、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル以外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル、芳香族ビニル化合物、フッ素含有ビニル化合物、共重合性老化防止剤などが例示される。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル以外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸メトキシエチルなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステル及びメタクリル酸アルコキシエステル;アクリル酸α−シアノエチル、アクリル酸β−シアノエチル、メタクリル酸シアノブチルなどのアクリル酸シアノアルキルエステル及びメタクリル酸シアノアルキルエステル;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどのフルオロアルキル基含有アクリル酸エステル及びフルオロアルキル基含有メタクリル酸エステル;アクリル酸フルオロベンジル、メタクリル酸フルオロベンジルなどのフッ素置換ベンジル基含有アクリル酸エステル及びフッ素置換ベンジル基含有メタクリル酸エステル;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和多価カルボン酸ポリアルキルエステル;などが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
フッ素含有ビニル化合物としては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、 N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
これらの共重合可能な他の単量体は複数併用してもよい。ニトリルゴム(A)中における、これらの他の単量体単位の含有量は、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
ニトリルゴム(A)は、たとえば、次の方法により製造することができる。すなわち、先ず、上記したα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、ジエン単量体及び/又はα−オレフィン単量体、並びにカルボキシル基含有単量体、さらには、必要に応じて加えられるこれらと共重合可能なその他の単量体を、乳化重合法により共重合して共重合体ゴムのラテックスを得る。
次いで、(α)乳化重合後の、又は乳化重合に続いて水素添加反応を行った後の共重合体ゴムのラテックスを、凝固剤水溶液により、pHが1〜6、好ましくは2〜5の条件下で凝固し(以下、「凝固工程」と略す。)、濾過し、水を加えて繰り返し洗浄し、遠心脱水機で脱水後に乾燥してニトリルゴム(A)を得る方法、及び(β)乳化重合後、共重合体ゴムのラテックスを凝固剤水溶液によりpHが1〜6、好ましくは2〜5の条件下で凝固し、濾過、繰り返し洗浄し、遠心脱水機で脱水後に乾燥して得た固体の共重合ゴムを溶剤に溶解し、水素添加反応を行ってニトリルゴム(A)を得る方法、等により製造することができる。
凝固工程に用いる凝固剤水溶液は、硫酸マグネシウム等の中性凝固剤の水溶液に、塩酸(水溶液)、硝酸(水溶液)及び硫酸(水溶液)等の酸を加え、pHを1〜6、好ましくは2〜5に調整したものを用いることが好ましい。凝固剤として、酢酸、蟻酸及び硫酸などの酸性凝固剤のみを、水に溶解させて用いた場合には、凝固が十分に進まず未凝固のラテックスが増加してしまう。なお、凝固工程に用いる凝固剤の量は、共重合体ゴムに対して、好ましくは1〜80重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。
また、凝固剤として、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムを全く含まないもの(例えば塩化ナトリウム)を用いた場合であっても、凝固工程のpHを上記範囲に設定しないと、製造プロセスで使う水及び各種原料中の微量不純物等に由来するマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムがポリマー中に濃縮されて除去しにくくなるため、これら金属元素の含有量が増加し易くなる。
また、共重合体ゴムのラテックスをアルコールなどの水溶性有機液体により凝固する方法は、その凝固操作後に回収するための液体の処理をしなければならないので工程が煩雑となる。また、得られるニトリルゴムが加工性の悪いゴム及びゴム組成物を与えるので、本発明においては、水溶性有機液体による凝固法は好ましくない。
上記乳化重合法としては、公知の方法を採用すれば良く、総単量体100重量部に対して、水媒体を好ましくは100〜400重量部、より好ましくは150〜300重量部使用する。また、界面活性剤、好ましくはアニオン界面活性剤を、総単量体100重量部に対して、好ましくは0.5〜6重量部、より好ましくは1〜4重量部用い、ラジカル重合開始剤の存在下で、撹拌しながら、好ましくは1〜80℃、より好ましくは4〜50℃で重合させる。
凝固剤水溶液に含有される凝固剤としては、ラテックス中の共重合体ゴム粒子に対する分散破壊作用を有する水溶性の電解質であって、凝固が十分進行し、かつマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムのポリマー中への濃縮を低減できることから中性凝固剤が好ましく、本発明の効果がより一層顕著に現れることから、硫酸アルミニウム等のアルミニウム含有凝固剤;硫酸マグネシウム及び塩化マグネシウム等のマグネシウム含有凝固剤;及び、塩化カルシウム及び硫酸カルシウム等のカルシウム含有凝固剤;がより好ましく、マグネシウム含有凝固剤及びカルシウム含有凝固剤がさらに好ましく、マグネシウム含有凝固剤が特に好ましい。凝固剤は1種単独で、又は2種類以上併せて使用することができる。
なお、凝固工程後の濾過及び乾燥の方法は公知の方法が適用される。
ニトリルゴム(A)におけるカルボキシル基の含有量、すなわち、ニトリルゴム(A)100g当たりのカルボキシル基のモル数は、好ましくは5×10−4〜5×10−1ephrであり、より好ましくは1×10−3〜1×10−1ephr、特に好ましくは5×10−3〜6×10−2ephrである。ニトリルゴム(A)のカルボキシル基含有量が少なすぎると、得られる架橋物の機械的強度が低下するおそれがあり、多すぎると架橋物の耐寒性が低下する可能性がある。
ニトリルゴム(A)のヨウ素価は、120以下であり、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、特に好ましくは20以下である。ニトリルゴム(A)のヨウ素価が高すぎると、架橋物の耐オゾン性が低下し、圧縮永久ひずみが増大するおそれがある。
共重合して得られた共重合体ゴムのヨウ素価が、前記の範囲より高くなる場合には、重合後、水素化(水素添加反応)を行うと良い。水素化の方法は特に限定されず、公知の方法が採用される。
また、ニトリルゴム(A)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは15〜200、より好ましくは30〜100、特に好ましくは45〜90である。ニトリルゴム(A)のムーニー粘度が低すぎると、得られる架橋物の強度特性が低下するおそれがあり、ムーニー粘度が高すぎるとニトリルゴム組成物の加工性が低下するおそれがある。
架橋剤(B)
本発明のニトリルゴム組成物は、上記ニトリルゴム(A)と、架橋物を形成するための架橋剤(B)と、を含有してなるものである。架橋剤(B)としては、有機過酸化物、硫黄系架橋剤、樹脂架橋剤、多価アミン化合物、多価ヒドラジド化合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、多価アルコール化合物、アジリジン化合物、塩基性金属酸化物、有機金属ハロゲン化物などが挙げられる。また、これらの架橋剤を複数併用してもよい。
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが挙げられる。ジアルキルパーオキサイドとしては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。ジアシルパーオキサイドとしては、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどが挙げられる。パーオキシエステルとしては、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物など有機硫黄化合物;などが挙げられる。
樹脂架橋剤としては、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、トリアジン−ホルムアルデヒド縮合物、オクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂などが挙げられる。
多価アミン化合物としては、炭素数4〜30の多価アミン化合物が好ましい。なお、多価アミン化合物は、(1)2つ以上のアミノ基を有する化合物、又は(2)架橋時に2つ以上のアミノ基を有する化合物の形態になるもの、である。かかる多価アミン化合物の例としては、脂肪族多価アミン化合物、芳香族多価アミン化合物が好ましく、グアニジン化合物のように非共役の窒素−炭素二重結合を有するものは含まれない。脂肪族多価アミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。芳香族多価アミン化合物としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミンなどが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて使用することができる。
多価ヒドラジド化合物は、ヒドラジド基を少なくとも2個有する化合物であり、炭素数4〜30のものが好ましい。多価ヒドラジド化合物の例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、ナフタル酸ジヒドラジド、アセトンジカルボン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、トリメリット酸ジヒドラジド、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸ジヒドラジド、ピロメリット酸ジヒドラジド、アコニット酸ジヒドラジドなどが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて使用することができる。
多価エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、クレゾール型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールF型エポキシ化合物、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物などのグリシジルエーテル型エポキシ化合物;脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、イソシアヌレート型エポキシ化合物などの多価エポキシ化合物;などの分子内に2以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて使用することができる。
多価イソシアナート化合物としては、炭素数6〜24の、ジイソシアナート類及びトリイソシアナート類が好ましい。ジイソシアナート類の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアナート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアナート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、m−フェニレンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナートなどが挙げられる。また、トリイソシアナート類の具体例としては、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,6,11−ウンデカントリイソシアナート、ビシクロヘプタントリイソシアナートなどが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて使用することができる。
多価アルコール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールヘキサン、トリメチロールオクタン、トリメチロールドデカン、ビスフェノールA等の低分子量ポリオール;ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等の低分子量ポリオールにアルキレンオキシドを付加重合させたポリオール;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量アミンにアルキレンオキシドを付加重合させたポリオール;アルビトール、ソルビトール、ソルビタン、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フラクトース、パラチノース、マルトトリオース、マレジトース、ソルビタンプロピルエステル等の多糖類;ポリグリセリンエステル、ポリビニルアルコール、水酸基を複数有するポリオレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体等の分子内に水酸基を複数有する重合体;末端に水酸基を有するスピログリコール、末端に水酸基を有するジオキサングリコール、末端に水酸基を有するトリシクロデカン−ジメタノール、末端に水酸基を有しポリスチレンを側鎖に持つマクロモノマー等の水酸基を複数有する環状化合物;等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて使用することができる。
アジリジン化合物としては、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)アジリジニル〕ホスフィノキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)アジリジニル〕トリホスファトリアジンなどが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて使用することができる。
塩基性金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて使用することができる。
有機金属ハロゲン化物としては、ジシクロペンタジエニル金属ジハロゲン化物が例示される。該金属としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどがある。
これらの架橋剤の中でも、多価アミン化合物、多価ヒドラジド化合物及び有機過酸化物が好ましく、多価アミン化合物及び多価ヒドラジド化合物がより好ましい。多価アミン化合物の中ではヘキサメチレンジアミンカルバメート及び2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンがより好ましく、多価ヒドラジド化合物の中ではアジピン酸ジヒドラジド及びイソフタル酸ジヒドラジドがより好ましい。
本発明のニトリルゴム組成物における架橋剤(B)の含有量は、ニトリルゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.2〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部である。架橋剤(B)の含有量が少なすぎるとニトリルゴム組成物の架橋が不足して架橋物の機械的強度の低下や圧縮永久ひずみの増大が起きるおそれがあり、逆に多すぎると伸びが低下する可能性がある。
本発明のニトリルゴム組成物には、その他必要に応じて架橋促進剤、架橋助剤、架橋遅延剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤を配合してもよい。
架橋促進剤に限定はないが、架橋剤として多価アミン化合物又は多価ヒドラジド化合物を使用する場合、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、多価第三級アミン化合物、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが好ましい。グアニジン化合物としては、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジンなどが挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。第四級オニウム塩としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ−n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7などが挙げられる。第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。弱酸のアルカリ金属塩としては、リン酸、炭酸など無機弱酸のナトリウムもしくはカリウム塩やステアリン酸、ラウリン酸など有機弱酸のナトリウムもしくはカリウム塩が挙げられる。
架橋遅延剤としては、モノ第一アミン化合物が好ましく挙げられる。
有機過酸化物を架橋剤として使用する場合は、共架橋剤として多官能性化合物を添加することが好ましい。多官能性化合物としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクレート、ジアリルフタレート、1,2−ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンジマレイミドなどが挙げられる。
老化防止剤としては、フェノール系、アミン系、ベンズイミダゾール系、リン酸系などの老化防止剤を使用することができる。フェノール系では、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)などが、アミン系では、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどが、ベンズイミダゾール系では2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて使用することができる。
充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー等を使用することができる。これらにはシラン系カップリング剤などを配合することもできる。
また、本発明のニトリルゴム組成物には、ニトリルゴム(A)以外のゴムを配合してもよい。ニトリルゴム(A)以外のゴムには特に限定がない。一般的なアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムのように、不飽和度の高いニトリル基含有共重合体ゴムを配合する場合には、ニトリルゴム(A)100重量部当たり30重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下とする。不飽和度の高いニトリル基含有共重合体ゴムの配合量が多すぎると、本発明の架橋物が有する後述の特性が発揮されないおそれがある。
本発明のニトリルゴム組成物は、カルボキシル基含有ニトリルゴム(A)及び架橋剤(B)に、必要に応じて添加される上記の任意成分を加えて構成される。ニトリルゴム組成物のマグネシウム、カルシウム及びアルミニウム(これら金属の単体、塩及びイオンのいずれの型も含まれる。)の合計含有量を、これらの金属元素換算で、組成物全体に対して、2,000重量ppm以下とすることが好ましく、1,000重量ppm以下とすることがより好ましく、500重量ppm以下であることがより好ましく、100重量ppm以下であることが特に好ましい。ニトリルゴム組成物中のマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの合計含有量が多すぎると、架橋物圧縮永久ひずみ及び動的発熱が大きくなるおそれがある。
本発明のニトリルゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、架橋剤および熱に不安定な架橋助剤などを除いた成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で一次混練した後、ロールなどに移して架橋剤等を加えて二次混練する。
本発明のニトリルゴム及びニトリルゴム組成物は、加工性が良いという特徴を有する。上記のようにして調製された本発明のニトリルゴム組成物を架橋して、本発明の架橋物を得るには、所望の形状に対応した成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、架橋反応により架橋物として形状を固定化する。この際に、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜5時間である。
また、架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
本発明の架橋物は、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの特性である耐油性及び耐オゾン性に優れることに加えて、加工性に優れ、圧縮永久ひずみ及び動的発熱が小さいという特徴を有する。そのため、本発明の架橋物は、動力平ベルト、コンベアーベルト、Vベルト、タイミングベルト、歯付ベルトなどの各種ベルト;印刷用ロール、製鉄用ロール、製紙用ロール、工業用ロール、事務機用ロールなどの各種ロール;燃料ホース、オイルホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;クッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材などの減衰材ゴム部品、バルブおよびバルブシート、自動車内装部材、被覆ケーブル、靴底、チューブなどの他、殊にシール用途(ガスケット及びパッキンを含む)に好適に使用できる。
シールとしては、回転用、揺動用、往復運動用などの運動用シールと固定用シールが挙げられる。運動用シールとしては、オイルシール、ピストンシール、メカニカルシール、プラター、BOPなどの油田用シール、CVJブーツ、プロペラシャフトブーツなどの各種ブーツ、ダストカバー、ダイアフラムなどが挙げられる。固定用シールとしては、O−リング、インテークマニホールドガスケットなどの各種ガスケット、各種パッキンなどが挙げられる。
以下に製造例、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下の配合において、〔部〕は、特に断わりのない限り重量基準である。試験、評価は下記によった。
(1)カルボキシル基含有量
ニトリルゴムのカルボキシル基含有量の測定は、水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温にて、チモールフタレインを指示薬とする滴定により、ゴム100グラムに対するカルボキシル基のモル数を求めることにより行った。単位はephrである。
(2)ムーニー粘度
ニトリルゴムのムーニー粘度は、JIS K 6300に従って測定した。
(3)ニトリルゴム組成物中の金属(マグネシウム、カルシウム及びアルミニウム)含有量
ニトリルゴム組成物中の金属(マグネシウム、カルシウム及びアルミニウム)含有量は、ニトリルゴム組成物試料に硫酸、硝酸を添加して加熱し、湿式分解し、次いで、これを適宜希釈して、ICP−AES(SPS−5000:セイコーインスツルメント社製)を使用して、内標準検量線法で測定した。
(4)常態物性(引張強さ、伸び)
ニトリルゴム組成物を縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、加圧しながら170℃で20分間プレス成形した後、170℃のオーブンに4時間置いて、シート状ゴム架橋物を得た。得られたシート状ゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜き、試験片を作製した。そして、これらの試験片を用いて、JIS K 6251に従い、架橋物の引張強さ及び伸びを測定した。
(5)常態物性(硬さ)
上記(4)と同様にして得たシート状ゴム架橋物の試験片について、JIS K 6253に従い、デュロメータ硬さ試験機タイプAを用いて架橋物の硬さを測定した。
(6)空気加熱老化試験(耐熱性)
上記(4)と同様にて得たシート状ゴム架橋物の試験片について、JIS K 6257(ノーマルオーブン法)に従い、150℃、168時間後の伸びの変化率(%)及び硬さの差(ポイント)を求めた。
(7)圧縮永久ひずみ試験
ニトリルゴム組成物を内径29mm、深さ12.5mmの円柱状金型に入れ、170℃で20分間、10MPaの圧力でプレスして架橋した後、170℃で4時間二次架橋を行い、圧縮永久ひずみ試験用試験片を得た。圧縮永久ひずみは、これらの試験片を用いて150℃、25%圧縮状態で168時間保持した後、JIS K6262に従って測定した。
(8)フレクソメータ試験(動的発熱性)
動的発熱性は、ASTM D 623−78で規定されるフレクソメータ試験で評価した。先ず、直径17.8±0.1mm、高さ25±0.15mmの円柱状のゴム片を、170℃で20分間架橋した後、さらに170℃で4時間二次架橋を行うことにより、フレクソメータ試験用試験片を得た。試験は、グッドリッチフレクソメータを用いて、試験温度100℃、初期荷重25ポンド(11.34kg)、動的変位4.45mmの条件で25分間動的変位を加えて行い、HBU(発熱量:測定された試験片の温度と雰囲気温度100℃との差を発熱温度とした。)を測定した。HBUは小さいほど動的発熱が小さく、動的発熱性が優れている。
(9)ロール混練試験(加工性)
ニトリルゴム(架橋剤及び他の配合剤を添加しない状態)について、表面温度50℃のロール混練機で混練作業を行うことにより、加工性を評価した。ロール表面に粘着する場合は加工性が悪いと評価し(表1中、記号:×で示した。)、粘着しない場合は加工性が良いと評価した(表1中、記号:○で示した。)。
製造例1
金属製ボトルに、イオン交換水225部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、アクリロニトリル37部、フマル酸モノn−ブチル4部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、ブタジエン59部を仕込んだ。金属製ボトルを5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、金属製ボトルを回転させながら16時間重合反応を行った。そして、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した後、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去し、アクリロニトリル単量体単位34重量%、ブタジエン単量体単位62.5重量%およびフマル酸モノ−n−ブチル単量体単位3.5重量%を有するアクリロニトリル−ブタジエン−α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル共重合体ゴムのラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
そして、得られたラテックスに含有される乾燥ゴム重量に対して、パラジウム含有量が1,000重量ppmになるように、オートクレーブにパラジウム触媒溶液(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液に、等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックスa(pHは6)を得た。
製造例2,3
製造例1において、フマル酸モノ−n−ブチルに代えてマレイン酸モノ−n−ブチル(製造例2)又はフマル酸モノシクロヘキシル(製造例3)をそれぞれ使用した他は、製造例1と同様に重合及び水素添加を行って、それぞれニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックスb(製造例2:pHは6)及びラテックスc(製造例3:pHは6)を得た。
製造例4
製造例1において、フマル酸モノn−ブチルに代えてフマル酸モノメチルを使用して同様に重合を行った後、水素添加を行わずに、ニトリル基含有共重合体ゴムのラテックスd(pHは6)を得た。
実施例1
製造例1で得たニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックスa100部に、硫酸マグネシウム5重量%水溶液(硫酸マグネシウムの量が、共重合体ゴムに対して30重量%となる量であり、微量の硫酸を加えることにより、pHを4に調整した。)を加えて、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを凝固した後、得られたゴムを濾過し、水を加えて洗浄した。この濾過及び洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水機にかけてゴム中に含まれる硫酸マグネシウム水溶液を除去した。次いで、60℃で12時間真空乾燥してニトリルゴム(1)を得た。ニトリルゴム(1)のアクリロニトリル単量体単位の含有量は34重量%、ヨウ素価は9、カルボキシル基含有量は2×10−2ephr、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は85であった。
次いで、バンバリーミキサを用いてニトリルゴム(1)100部に、カーボンブラック(製品名「N550」、東海カーボン社製、充填剤)40部、トリメリット酸エステル(製品名「アデカサイザーC−8」、旭電化工業社製、可塑剤)5部、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(製品名「ノクラックCD」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部、及び、2−メルカプトベンゾイミダゾール(製品名「ノクラックMB」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部を添加して混合した。次いで、混合物をロールに移して1,3−ジ−o−トリルグアニジン(製品名「ノクセラーDT」、大内新興化学社製、架橋促進剤)2部、及び、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(製品名「Diak#1」、デュポン・ダウエラストマー社製、架橋剤)1.5部を添加して混練し、ニトリルゴム組成物を調製した。ニトリルゴム(1)のロール混練試験、ニトリルゴム組成物の金属含有量、並びに、該組成物を架橋して得た架橋物についての常態物性、空気加熱老化試験(耐熱老化性)、圧縮永久ひずみ試験及びフレクソメータ試験につき試験、評価した結果を表1に記す。
実施例2
実施例1において、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックスaに代えてラテックスbを使用した他は、実施例1と同様に行ってニトリルゴム(2)を得た。ニトリルゴム(2)のアクリロニトリル単量体単位の含有量は34重量%、ヨウ素価は9、カルボキシル基含有量は1×10−2ephr、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕 は80であった。
ニトリルゴム(2)につき実施例1と同様にしてニトリルゴム組成物を調製し、実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に記す。
実施例3
実施例1において、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックスaに代えてラテックスcを使用した他は、実施例1と同様に行ってニトリルゴム(3)を得た。ニトリルゴム(3)のアクリロニトリル単量体単位の含有量は34重量%、ヨウ素価は9、カルボキシル基含有量は2×10−2ephr、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は85であった。
ニトリルゴム(3)につき実施例1と同様にしてニトリルゴム組成物を調製し、実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に記す。
比較例1
実施例1において、ラテックスa100部に対する凝固剤として、硫酸マグネシウム5重量%水溶液に代えて、塩化カルシウム2重量%の水溶液(塩化カルシウムの量が、共重合体ゴムに対して12重量%となる量)を使用し、凝固剤水溶液のpHを7にした他は、実施例1と同様に行ってニトリルゴム(4)を得た。ニトリルゴム(4)のアクリロニトリル単量体単位の含有量は34重量%、ヨウ素価は9、カルボキシル基含有量は2×10−2ephr、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は90であった。
ニトリルゴム(4)につき実施例1と同様にしてニトリルゴム組成物を調製し、実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に記す。
比較例2
実施例1において、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックスaに代えてラテックスdを使用した他は、実施例1と同様に行ってニトリルゴム(5)を得た。ニトリルゴム(5)のアクリロニトリル単量体単位の含有量は34重量%、ヨウ素価は200以上、カルボキシル基含有量は2×10−2ephr、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は40であった。
ニトリルゴム(5)につき実施例1と同様にしてニトリルゴム組成物を調製し、実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に記す。
比較例3
製造例1で得たニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックスaに、その2倍容量のメタノールを加えてニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを凝固した後、60℃で12時間真空乾燥し、ニトリルゴム(6)を得た。ニトリルゴム(6)のアクリロニトリル単量体単位含有量は34重量%、ヨウ素価は9、カルボキシル基含有量は2×10−2ephr、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は85であった。
Figure 0005487541
表1が示すように、本発明のニトリルゴム組成物を架橋することにより得られる架橋物は、常態物性及び耐熱性(空気加熱老化試験)が十分に良好であることに加えて、圧縮永久ひずみが27%以下と小さく、動的発熱の少ないことが確認できる。(実施例1〜3)。なお、これらの本発明のニトリルゴム組成物はいずれも加工性が良好であった。
一方、実施例1と同じ原料ラテックスを用いても、ニトリルゴム組成物のマグネシウム、カルシウム及びアルミニウム合計含有量(金属含有量)が2,000重量ppmを越す場合は、その架橋物は圧縮永久ひずみ及び動的発熱が大きかった(比較例1)。なお、この比較例1では、ニトリルゴム(1)に代えて、ニトリルゴム(4)を用いた以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調整していることから、ニトリルゴム(4)中の金属含有量が2,000重量ppmを超えていたため、その結果、このニトリルゴム(4)を用いて得られたゴム組成物の金属含有量も2,000重量ppmを超える結果となったと言える。
また、ラテックスdを水素添加せずに用いた場合には、ニトリルゴム組成物を調製する際に、実施例1と同様に凝固させても、ニトリルゴムのヨウ素価が高すぎるため、これにより、架橋物は耐熱性に劣り、また、圧縮永久ひずみが大きくなる結果となった(比較例2)。
さらに、実施例1と同じ原料ラテックスを用いても、メタノールで凝固すると、得られるニトリルゴムは加工性の悪いものであった(比較例3)。

Claims (8)

  1. 共重合体ゴムのラテックスを、水溶性の電解質である凝固剤水溶液により凝固する工程を経て得られ、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が10〜60重量%であり、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を含有し、ヨウ素価が120以下であり、かつ、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの合計含有量が2,000重量ppm以下であるカルボキシル基含有ニトリルゴム、および多価アミン化合物を含有してなるシール用ニトリルゴム組成物。
  2. 前記凝固剤が、アルミニウム含有凝固剤、マグネシウム含有凝固剤、又は、カルシウム含有凝固剤である請求項1に記載のシール用ニトリルゴム組成物。
  3. 前記凝固工程に用いる凝固剤が、硫酸マグネシウムである請求項に記載のシール用ニトリルゴム組成物。
  4. 前記カルボキシル基含有ニトリルゴムが、凝固工程のpHを1〜6に設定して得られたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール用ニトリルゴム組成物。
  5. 前記凝固工程に用いる凝固剤水溶液が、中性凝固剤の水溶液に酸を加え、pHを1〜6に調製したものである請求項に記載のシール用ニトリルゴム組成物。
  6. 前記カルボキシル基含有ニトリルゴムが、ジエン単量体単位及び/又はα−オレフィン単量体単位をさらに有し、
    前記カルボキシル基含有ニトリルゴム中における、前記ジエン単量体単位及び/又はα−オレフィン単量体単位の含有量が、25〜85重量%である請求項1〜のいずれか1項に記載のシール用ニトリルゴム組成物。
  7. 前記α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位が、フマル酸モノ−n−ブチル、又は、マレイン酸モノ−n−ブチルである請求項1
    のいずれか1項に記載のシール用ニトリルゴム組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のシール用ニトリルゴム組成物を架橋してなるシール用架橋物。
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