JP7063325B2 - カルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法 - Google Patents

カルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法に関し、さらに詳しくは、耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるカルボキシル基含有ニトリルゴムを製造する方法に関する。
従来から、ニトリルゴム(アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム)は、耐油性、機械的特性、耐薬品性等を活かして、ホースやチューブなどの自動車用ゴム部品の材料として使用されており、また、ニトリルゴムのポリマー主鎖中の炭素-炭素二重結合を水素化した水素化ニトリルゴム(水素化アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム)はさらに耐熱性に優れるため、シール、ベルト、ホース、ダイアフラム等のゴム部品に使用されている。その一方で、シール、ベルト、ロールなどの用途においては、圧縮永久歪みが一層小さいことが求められている。
たとえば、このような圧縮永久歪みを低減する試みとして、特許文献1では、ニトリルゴムにカルボキシル基を導入したカルボキシル基含有ニトリルゴムについての技術が提案されている。特許文献1の技術によれば、圧縮永久歪みが一定程度低減されたカルボキシル基含有ニトリルゴムの架橋物が得られるものの、圧縮永久歪の低減効果は必ずしも十分なものではなく、また、耐水性についても十分であるとはいえないものであった。そのため、耐水性が要求される用途、たとえば、水系冷媒をシールするためのシール材用途などとして適さない場合があった。
特開2004-285293号公報
本発明は、耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスから、カルボキシル基含有ニトリルゴムを凝固させるに際し、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを特定の割合にて混合して、カルボキシル基含有ニトリルゴムを凝固させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対して、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを、前記ラテックス中のゴム固形分100重量部に対して、前記1価の金属塩の配合量が3~25重量部、前記高分子凝集剤の配合量が0.01~10重量部、1価の金属塩/高分子凝集剤の重量比が10~500の範囲にて混合することにより、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分を凝固させる凝固工程を備えるカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法が提供される。
本発明の製造方法において、前記高分子凝集剤が、カチオン系の高分子凝集剤であることが好ましい。
本発明の製造方法において、前記高分子凝集剤が、下記(A)と、下記(B)および/または下記(C)とを共縮合してなる縮合物であることが好ましい。
・(A)アルキルアミン類およびアルカノールアミン類から選択される少なくとも1種、もしくは、アルキルアミン類およびアルカノールアミンから選択される少なくとも1種とアンモニアとの混合物
・(B)エピハロヒドリン
・(C)下記一般式(1)で表される化合物
Figure 0007063325000001
(上記一般式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4の低級アルキル基、またはベンジル基を示し、Aはハロゲン原子を示し、X1-は任意の陰イオンを示す。)
本発明の製造方法において、前記カルボキシル基含有ニトリルゴムが、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位を含有することが好ましい。
また、本発明によれば、上記製造方法により得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムに、架橋剤を配合する工程を備える架橋性ゴム組成物の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記製造方法により得られる架橋性ゴム組成物を架橋する工程を備えるゴム架橋物の製造方法が提供される。
本発明の製造方法によれば、耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるカルボキシル基含有ニトリルゴムを提供することができる。
<カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス>
まず、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスについて説明する。
本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを構成するカルボキシル基含有ニトリルゴムとしては、特に限定されず、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体、カルボキシル基含有単量体および必要に応じて加えられる共重合可能なその他の単量体を、乳化重合することにより得られ、エステル化等されていない無置換の(フリーの)カルボキシル基を含有するニトリルゴムであればよい。
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β-エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されず、たとえば、アクリロニトリル;α-クロロアクリロニトリル、α-ブロモアクリロニトリルなどのα-ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα-アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは10~60重量%、より好ましくは12~46重量%、さらに好ましくは14~38重量%である。α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、耐油性および耐寒性に優れたものとすることができる。
カルボキシル基含有単量体としては、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能であり、かつ、エステル化等されていない無置換の(フリーの)カルボキシル基を1個以上有する単量体であれば特に限定されない。カルボキシル基含有単量体を用いることにより、ニトリルゴムに、カルボキシル基を導入することができる。そして、これにより、得られるゴム架橋物を伸びなどの機械的特性を良好なものとしながら、耐圧縮永久歪み性に優れたものとすることができる。
カルボキシル基含有単量体としては、たとえば、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体、α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体、およびα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体などが挙げられる。また、カルボキシル基含有単量体には、これらの単量体のカルボキシル基がカルボン酸塩を形成している単量体も含まれる。さらに、α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸の無水物も、共重合後に酸無水物基を開裂させてカルボキシル基を形成するので、カルボキシル基含有単量体として用いることができる。
α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが挙げられる。
α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体としては、フマル酸やマレイン酸などのブテンジオン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アリルマロン酸、テラコン酸などが挙げられる。また、α,β-不飽和多価カルボン酸の無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。
α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn-ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル;マレイン酸モノメチルシクロペンチル、マレイン酸モノエチルシクロヘキシルなどのマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn-ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチルシクロペンチル、フマル酸モノエチルシクロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn-ブチルなどのシトラコン酸モノアルキルエステル;シトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、シトラコン酸モノシクロヘプチルなどのシトラコン酸モノシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチルシクロペンチル、シトラコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn-ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチルシクロペンチル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;などが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。これらの中でも、耐圧縮永久歪み性をより向上させることができるという観点より、α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体が好ましく、マレイン酸モノアルキルエステルおよびフマル酸モノアルキルエステルがより好ましく、マレイン酸モノアルキルエステルがさらに好ましく、マレイン酸モノn-ブチルが特に好ましい。なお、上記アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、2~8が好ましい。
カルボキシル基含有単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは0.1~20重量%、より好ましくは0.2~15重量%、さらに好ましくは0.5~10重量%である。カルボキシル基含有単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、架橋剤を配合した際における加工性の低下を適切に抑制しながら、得られるゴム架橋物の耐圧縮永久歪み性を適切に高めることができる。
また、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを構成するカルボキシル基含有ニトリルゴムは、得られるゴム架橋物がゴム弾性を有するものとするために、共役ジエン単量体単位をも含有することが好ましい
共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、クロロプレンなどの炭素数4~6の共役ジエン単量体が好ましく、1,3-ブタジエンおよびイソプレンがより好ましく、1,3-ブタジエンが特に好ましい。共役ジエン単量体は一種単独でも、複数種を併用してもよい。
共役ジエン単量体単位(水素化されている部分も含む)の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは20~89.9重量%、より好ましくは25~75重量%、さらに好ましくは30~65重量%、特に好ましくは30~60重量%である。共役ジエン単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、耐熱性や耐化学的安定性を良好なものとしながら、ゴム弾性がより適切に高められたものとすることができる。
また、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを構成するカルボキシル基含有ニトリルゴムは、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体、カルボキシル基含有単量体、および共役ジエン単量体とともに、これらと共重合可能なその他の単量体を共重合したものであってもよい。このようなその他の単量体としては、エチレン、α-オレフィン単量体、芳香族ビニル単量体、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体(上述の「カルボキシル基含有単量体」に該当するものを除く)、フッ素含有ビニル単量体、共重合性老化防止剤などが挙げられる。上記のこれらのその他の単量体の中でも、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体を共重合することにより、特に耐寒性が向上する。
α-オレフィン単量体としては、炭素数が3~12のものが好ましく、たとえば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、たとえば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
また、上記のとおり、本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを構成するカルボキシル基含有ニトリルゴムは、その他の単量体として、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体(上述の「カルボキシル基含有単量体」に該当するものを除く)を共重合したものであることも好ましく、これによって、カルボキシル基含有ニトリルゴムの耐寒性を高めることができる。α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体(上述の「カルボキシル基含有単量体」に該当するものを除く)としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸n-ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの炭素数1~18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(「メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル」の略記。以下同様。);アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチルなどの炭素数2~12のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸α-シアノエチル、メタクリル酸α-シアノエチル、メタクリル酸α-シアノブチルなどの炭素数2~12のシアノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルなどの炭素数1~12のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどの炭素数1~12のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどのα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル;ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートなどのジアルキルアミノ基含有α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル;などが挙げられる。これらのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体の中でも、炭素数1~18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、特にアクリル酸n-ブチルを共重合することにより特に耐寒性が向上する。
フッ素含有ビニル単量体としては、たとえば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o-トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、たとえば、N-(4-アニリノフェニル)アクリルアミド、N-(4-アニリノフェニル)メタクリルアミド、N-(4-アニリノフェニル)シンナムアミド、N-(4-アニリノフェニル)クロトンアミド、N-フェニル-4-(3-ビニルベンジルオキシ)アニリン、N-フェニル-4-(4-ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
これらの共重合可能なその他の単量体は、複数種類を併用してもよい。その他の単量体の単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムがα,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位を含有する場合、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、好ましくは1~50重量%であり、より好ましくは10~40重量%である。
本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを構成するカルボキシル基含有ニトリルゴムのヨウ素価は、好ましくは120以下であり、より好ましくは60以下、さらに好ましくは40以下、特に好ましくは30以下である。ヨウ素価を120以下とすることにより、得られるゴム架橋物の耐熱性および耐オゾン性を向上させることができる。
本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを構成するカルボキシル基含有ニトリルゴムは、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕が、好ましくは15~200、より好ましくは30~100、さらに好ましくは45~90である。
本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを構成するカルボキシル基含有ニトリルゴムにおけるカルボキシル基の含有量、すなわち、カルボキシル基含有ニトリルゴム100g当たりのカルボキシル基のモル数は、好ましくは5×10-4~5×10-1ephr、より好ましくは1×10-3~1×10-1ephr、特に好ましくは5×10-3~6×10-2ephrである。カルボキシル基含有ニトリルゴムのカルボキシル基含有量が少なすぎると得られるゴム架橋物の機械的強度が低下するおそれがあり、多すぎると耐寒性が低下する可能性がある。
本発明で用いるカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスは、たとえば重合タンク等を用いて、乳化重合法により、上記した各単量体を共重合することにより調製することができる。
乳化重合法による重合においては、通常の方法を用いればよく、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤等の通常用いられる重合副資材を使用することができる。
乳化剤としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性乳化剤;ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸及びリノレン酸等の脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩とホルマリンとの重縮合物、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤;α,β-不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β-不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性乳化剤;などが挙げられる。乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部である。
重合開始剤としては、ラジカル開始剤であれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤としては、無機または有機の過酸化物が好ましい。重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートとエチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウムなどの還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。更に、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム四水塩などのキレート剤、炭酸ナトリウムや硫酸ナトリウムなどのビルダーを併用することもできる。重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.01~2重量部である。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;α-メチルスチレンダイマー;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、メルカプタン類が好ましく、t-ドデシルメルカプタンがより好ましい。分子量調整剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1~0.8重量部である。
乳化重合の媒体には、通常、水が使用される。水の量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは80~500重量部である。
また、共重合して得られた共重合体について、必要に応じて、共重合体の水素化(水素添加反応)を行ってもよい。この場合における、水素化の方法は特に限定されず、公知の方法を採用すればよい。
<カルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法>
次いで、本発明のカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法について、説明する。
本発明のカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法は、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対して、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを、ラテックス中のゴム固形分100重量部に対して、1価の金属塩の配合量が3~25重量部、前記高分子凝集剤の配合量が0.01~10重量部、1価の金属塩/高分子凝集剤の重量比が10~500の範囲にて混合することにより、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分を凝固させる凝固工程を備えるものである。
本発明の製造方法によれば、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対して、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを上記所定の割合で混合し、これにより、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分の凝固を行うものであり、これにより、得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムを、耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えるものとすることができるものである。
本発明者等はその検討により以下の知見を見いだした。すなわち、耐水性を向上させるためには、最終的に得られるゴム架橋物中の金属量の低減が有効である一方で、凝固性の高い2価以上の金属塩を使用すると、比較的少ない使用量にて凝固を行うことが可能であるものの、得られるゴム架橋物の耐圧縮永久歪み性が不十分となってしまうという不具合がある。一方、凝固剤として1価の金属塩を用いた場合には、1価の金属塩の使用に伴う耐圧縮永久歪み性の低下は起こらないものの、十分な凝固を行うためには、比較的多くの量を使用する必要があり、結果として、最終的に得られるゴム架橋物中における金属量も多くなってしまい、耐水性に劣るものとなってしまう。
これに対し、本発明者等がさらなる検討を行ったところ、凝固剤として、1価の金属塩に加えて、高分子凝集剤を併用することで、1価の金属塩の使用量が比較的少ない場合でも、良好に凝固を行うことができ、これにより得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムを用いて得られるゴム架橋物を耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れたものとすることができることを見出したものである。
1価の金属塩としては、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどの1価の金属のハロゲン化物;硫酸ナトリウム 硫酸カリウムなどの1価の金属の硫酸塩;炭酸カリウム 炭酸ナトリウムなどの1価の金属の炭酸塩などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
1価の金属塩の使用量としては、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス中に含まれるゴム固形分100重量部に対して3~25重量部であり、好ましくは4~17重量部、より好ましくは5~15重量部であり、さらに好ましくは5~12重量部である。1価の金属塩の使用量が少なすぎると、凝固が不十分となり、一方、多すぎると、得られるゴム架橋物の耐水性が低下してしまう。
高分子凝集剤としては、親水基と疎水基とを有する高分子化合物であればよく特に限定されず、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれの高分子凝集剤であってもよいが、本発明の作用効果をより高めることができるという点より、カチオン系の高分子凝集剤が好ましい。
カチオン系の高分子凝集剤としては、分子内にカチオン性基を有する高分子凝集剤、すなわち水に溶解させた際にカチオン性を示す高分子凝集剤、たとえば、ポリアミン類、ポリジシアンジアミド類、カチオン化デンプン、カチオン系ポリ(メタ)アクリルアミド、水溶性アニリン樹脂、ポリチオ尿素、ポリエチレンイミン、第4級アンモニウム塩類、ポリビニルピリジン類、キトサン等であればよいが、本発明の作用効果をより高めることができるという点より、下記(A)と、下記(B)および/または下記(C)とを共縮合してなる縮合物を好適に用いることができる。
・(A)アルキルアミン類およびアルカノールアミン類から選択される少なくとも1種、もしくは、アルキルアミン類およびアルカノールアミンから選択される少なくとも1種とアンモニアとの混合物
・(B)エピハロヒドリン
・(C)下記一般式(1)で表される化合物
Figure 0007063325000002
(上記一般式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4の低級アルキル基、またはベンジル基を示し、Aはハロゲン原子を示し、X1-は任意の陰イオンを示す。)
カチオン系の高分子凝集剤としては、本発明の作用効果のさらなる向上という点より、上記(A)と、上記(B)とを共縮合してなる縮合物が好ましい。上記(A)と、上記(B)とを共縮合してなる縮合物の具体例としては、ジメチルアミン-エピクロルヒドリン縮合物、ジエチルアミン-エピクロルヒドリン縮合物、エチレンジアミン-エピクロルヒドリン縮合物、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン-エピクロルヒドリン-クロロヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド縮合物、ジエチルアミン-エチルアミノエタノール-エピクロルヒドリン縮合物、ジメチルアミン-エピブロモヒドリン縮合物、ジエチルアミン-エピブロモヒドリン縮合物、ジエチルアミン-イソプロピルアミン-エピブロモヒドリン縮合物、ジメチルアミン-エチルアミノエタノール-エピクロルヒドリン等を挙げることができる。これらの中でも、ジエチルアミンとエピクロルヒドリンとを構造単位として含む縮合物がより好ましく、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物が特に好ましい。
また、カチオン系の高分子凝集剤としては、上記(A)と、上記(B)および/または上記(C)とを共縮合してなる縮合物以外の化合物を使用することもでき、たとえば、ジシアンジアミド-ジエチレントリアミン重縮合物およびジシアンジアミド-ホルムアルデヒド重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド-アクリルアミド共重合物、ジアリルアミン塩酸塩-アクリルアミド共重合物、メタクリル酸トリメチルアミノエチルメチル硫酸塩重合物、メタクリル酸ジメチルアミノエチル硫酸塩重合物、ジアリルアミン塩酸塩-アクリル酸-アクリルアミド共重合物なども用いることができ、これらの中でも、本発明の作用効果をより高めることができるという点より、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物が好ましい。
高分子凝集剤の分子量としては、特に限定されないが、重量平均分子量(Mw)が1,000~1,000,000の範囲のものが好ましく、2,000~500,000の範囲のものがより好ましく、2,000~100,000の範囲のものがさらに好ましい。
高分子凝集剤の使用量としては、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.01~10重量部であり、好ましくは0.03~5重量部、より好ましくは0.05~1重量部である。高分子凝集剤の使用量が少なすぎると、凝固が不十分となり、一方、多すぎると、得られるゴム架橋物の耐水性が低下してしまう。
また、本発明の製造方法において、1価の金属塩の使用量と、高分子凝集剤の使用量との比率は、「1価の金属塩/高分子凝集剤」の重量比で、10~500であり、好ましくは13~300、より好ましくは15~150である。高分子凝集剤の使用量と、1価の金属塩の使用量との比率が、上記範囲外であると、凝固が不十分となったり、あるいは、凝固が十分にできても、得られるゴム架橋物が耐水性に劣るものとなったりしてしまう。
また、凝固前の油層や水層に老化防止剤を加えることもできる。老化防止剤としては特に限定されないが、2,6-ジ-t-ブチル-4-クレゾール(アンテージBHT、川口化学工業社製)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)(サンダント 2246、三新化学工業社製)、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド(サンダント 103、三新化学工業社製)、ペンタエリスリトールテトラキス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(イルガノックス1010、BASFジャパン社製)、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1076、BASFジャパン社製)、イソオクチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1135、BASFジャパン社製)、ヘキサメチレンビス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(イルガノックス259、BASFジャパン社製)、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール(イルガノックス1520L、BASFジャパン社製)などを用いることができる。
本発明の製造方法によれば、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを併用することで、得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムを、耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えるものとすることができるものであるが、これに加えて、凝固により塩析するクラムの平均クラム径を、重量平均粒径で、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下と比較的小さなものとすることができるものであるため、これにより、凝固後における乾燥時間の短縮をも可能とするものである。そして、その結果として、本発明の製造方法によれば、カルボキシル基含有ニトリルゴムの生産効率を向上させることができるものである。また、本発明の製造方法によれば、1価の金属塩の使用量を上記したように比較的少ないものとするため、凝固後の塩析水中に含まれる、1価の金属塩の割合を低減することができ、これにより、凝固により生じる排水の処理に係る処理負担を軽減することができる。そして、その結果として、凝固により生じる排水からの金属塩の回収を容易なものとすることができ、金属塩の回収に係る処理負担を軽減することが可能となる。
本発明の製造方法において、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスと、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを混合する方法としては、特に限定されないが、たとえば、混合タンクなどの混合設備に、1価の金属塩および高分子凝集剤を予め入れておき、撹拌下において、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを添加していく方法や、混合タンクなどの混合設備に、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを予め入れておき、撹拌下において、1価の金属塩および高分子凝集剤を添加していく方法などが挙げられる。あるいは、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスと、1価の金属塩および高分子凝集剤とを、押出機や破砕機能付きのポンプなどの凝固設備に連続的に供給することで、これらを混合させ、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分を凝固させる方法などであってもよい。クラム状のゴムが容易に得られるという観点では、混合タンクなどの混合設備に、1価の金属塩および高分子凝集剤を予め入れておき、撹拌下において、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを添加していく方法が好ましい。
また、本発明の製造方法においては、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスと、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを混合した後、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分の凝固を促進させるために、これらの混合液について撹拌を行うことが好ましい。なお、混合液の撹拌は、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスと、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを混合させる際に用いた混合設備や凝固設備を用いて行ってもよいし、あるいは、混合設備や凝固設備とは別の撹拌設備(たとえば、撹拌タンク等)を用いて行ってもよい。撹拌時間は、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分の凝固の進行速度に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは1~20分であり、より好ましくは1~10分であり、さらに好ましくは1~5分である。撹拌時間を上記範囲とすることにより、生産性を良好なものとしながら、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分の凝固を適切に行うことできる。
本発明の製造方法において、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分の凝固を行う際の温度、すなわち、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスと、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを混合する際の混合温度は、特に限定されないが、好ましくは0~100℃の範囲であり、より好ましくは50~90℃の範囲である。生産性を良好なものとしながら、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分の凝固を適切に行うことできる。
そして、本発明の製造方法においては、このような凝固工程を経て得られる凝固後のカルボキシル基含有ニトリルゴムは、通常、クラム状のカルボキシル基含有ニトリルゴムを含むクラムスラリーの形態で得られることとなる。
次いで、本発明の製造方法においては、このようにして得られたクラムスラリーについて、必要に応じて水などを用いて洗浄を行った後、水分と、クラム状のカルボキシル基含有ニトリルゴムとを分離することで、含水状態のクラムを得る。そして、このようにして得られた含水状態のクラムについて、遠心分離機、金網などのスクリーン、スクイザーなどを用いて含水状態のクラムの脱水を行い、バンドドライヤーなどにより、好ましくは50~120℃、より好ましくは70~100℃にて、好ましくは10分~2時間、より好ましくは30分~1時間の条件にて加熱乾燥を行うことで、実質的に水分をほとんど含まない状態のクラム状のカルボキシル基含有ニトリルゴムを得ることができる。また、乾燥条件は、適宜に選択することが可能であり、40~80℃で、1~15時間真空乾燥してもよいし、排気機能を有する乾燥機を用いて、好ましくは50~120℃、より好ましくは70~100℃にて、好ましくは10分~2時間、より好ましくは30分~1時間の条件にて加熱乾燥を行ってもよい。特に、本発明の製造方法によれば、上述したように、凝固により得られるクラムの平均クラム径を比較的小さくすることができるため、このように比較的短時間の乾燥でも、実質的に水分をほとんど含まない状態のクラム状のカルボキシル基含有ニトリルゴムを得ることができるものである。
そして、このようにして得られたクラム状のカルボキシル基含有ニトリルゴムは、たとえば、ベーラーに導入されて圧縮され、適当な大きさとされて製品(ベール)化される。
本発明の製造方法により得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムにおける、全ての金属の含有量および2価以上の金属の含有量は、特に限定されないが、得られるゴム架橋物を耐水性および耐圧縮永久歪み性により優れたものとするという観点より、全ての金属の含有量が、好ましくは5000重量ppm以下、より好ましくは2500重量ppm以下、さらに好ましくは1000重量ppm以下であり、また、2価以上の金属の含有量が、好ましくは400重量ppm以下、より好ましくは300重量ppm以下、さらに好ましくは200重量ppm以下である。なお、全ての金属の含有量の下限は特に限定されないが、好ましくは10重量ppm以上であり、同様に、2価以上の金属の含有量の下限も特に限定されないが、好ましくは10重量ppm以上である。
<架橋性ゴム組成物>
本発明の架橋性ゴム組成物は、上述した本発明の製造方法により得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムに、架橋剤を配合することにより得られる組成物である。架橋剤としては、特に限定されず、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、ポリアミン系架橋剤などを用いることもできるが、得られるゴム架橋物の耐圧縮永久歪み性をより高めることができるという観点より、ポリアミン系架橋剤が好ましい。
ポリアミン系架橋剤としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物、または、架橋時に2つ以上のアミノ基を有する化合物の形態になるもの、であれば特に限定されないが、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素原子が、アミノ基またはヒドラジド構造(-CONHNHで表される構造、COはカルボニル基を表す。)で置換された化合物および架橋時にその化合物の形態になるものが好ましい。
ポリアミン系架橋剤の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミンシンナムアルデヒド付加物などの脂肪族多価アミン類;4,4-メチレンジアニリン、m-フェニレンジアミン、4,4-ジアミノジフェニルエーテル、3,4-ジアミノジフェニルエーテル、4,4-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4-ジアミノベンズアニリド、4,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,3,5-ベンゼントリアミンなどの芳香族多価アミン類;イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、ナフタレン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタミン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ブラッシル酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、アセトンジカルボン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、トリメリット酸ジヒドラジド、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸ジヒドラジド、アコニット酸ジヒドラジド、ピロメリット酸ジヒドラジドなどの多価ヒドラジド類;が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより一層顕著なものとすることができるという点より、脂肪族多価アミン類および芳香族多価アミン類が好ましく、ヘキサメチレンジアミンカルバメートおよび2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンがより好ましく、ヘキサメチレンジアミンカルバメートが特に好ましい。
本発明の架橋性ゴム組成物中における、架橋剤の含有量は特に限定されないが、カルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.2~5重量部である。
また、架橋剤として、ポリアミン系架橋剤を用いる場合には、塩基性架橋促進剤をさらに含有させることが好ましい。
塩基性架橋促進剤の具体例としては、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(以下「DBU」と略す場合がある)、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン-5(以下「DBN」と略す場合がある)、1-メチルイミダゾール、1-エチルイミダゾール、1-フェニルイミダゾール、1-ベンジルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-エチル-2-メチルイミダゾール、1-メトキシエチルイミダゾール、1-フェニル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-メチル-2-フェニルイミダゾール、1-メチル-2-ベンジルイミダゾール、1,4-ジメチルイミダゾール、1,5-ジメチルイミダゾール、1,2,4-トリメチルイミダゾール、1,4-ジメチル-2-エチルイミダゾール、1-メチル-2-メトキシイミダゾール、1-メチル-2-エトキシイミダゾール、1-メチル-4-メトキシイミダゾール、1-メチル-2-メトキシイミダゾール、1-エトキシメチル-2-メチルイミダゾール、1-メチル-4-ニトロイミダゾール、1,2-ジメチル-5-ニトロイミダゾール、1,2-ジメチル-5-アミノイミダゾール、1-メチル-4-(2-アミノエチル)イミダゾール、1-メチルベンゾイミダゾール、1-メチル-2-ベンジルベンゾイミダゾール、1-メチル-5-ニトロベンゾイミダゾール、1-メチルイミダゾリン、1,2-ジメチルイミダゾリン、1,2,4-トリメチルイミダゾリン、1,4-ジメチル-2-エチルイミダゾリン、1-メチル-フェニルイミダゾリン、1-メチル-2-ベンジルイミダゾリン、1-メチル-2-エトキシイミダゾリン、1-メチル-2-ヘプチルイミダゾリン、1-メチル-2-ウンデシルイミダゾリン、1-メチル-2-ヘプタデシルイミダゾリン、1-メチル-2-エトキシメチルイミダゾリン、1-エトキシメチル-2-メチルイミダゾリンなどの環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤;テトラメチルグアニジン、テトラエチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-オルト-トリルグアニジン、オルトトリルビグアニドなどのグアニジン系塩基性架橋促進剤;n-ブチルアルデヒドアニリン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミン系塩基性架橋促進剤;ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘプチルアミンなどのジシクロアルキルアミン;N-メチルシクロペンチルアミン、N-ブチルシクロペンチルアミン、N-ヘプチルシクロペンチルアミン、N-オクチルシクロペンチルアミン、N-エチルシクロヘキシルアミン、N-ブチルシクロヘキシルアミン、N-ヘプチルシクロヘキシルアミン、N-オクチルシクロオクチルアミン、N-ヒドロキシメチルシクロペンチルアミン、N-ヒドロキシブチルシクロヘキシルアミン、N-メトキシエチルシクロペンチルアミン、N-エトキシブチルシクロヘキシルアミン、N-メトキシカルボニルブチルシクロペンチルアミン、N-メトキシカルボニルヘプチルシクロヘキシルアミン、N-アミノプロピルシクロペンチルアミン、N-アミノヘプチルシクロヘキシルアミン、ジ(2-クロロシクロペンチル)アミン、ジ(3-クロロシクロペンチル)アミンなどの二級アミン系塩基性架橋促進剤;などが挙げられる。これらのなかでも、グアニジン系塩基性架橋促進剤、二級アミン系塩基性架橋促進剤および環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤が好ましく、環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤がより好ましく、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7および1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン-5がさらに好ましく、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7が特に好ましい。なお、上記環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤は、有機カルボン酸やアルキルリン酸などと塩を形成していてもよい。また、上記二級アミン系塩基性架橋促進剤は、アルキレングリコールや炭素数5~20のアルキルアルコールなどのアルコール類が混合されたものであってもよく、さらに無機酸および/または有機酸を含んでいてもよい。そして、当該二級アミン系塩基性架橋促進剤と前記無機酸および/または有機酸とが塩を形成しさらに前記アルキレングリコールと複合体を形成していてもよい。
塩基性架橋促進剤を配合する場合における、本発明の架橋性ゴム組成物中の配合量は、カルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.1~20重量部であり、より好ましくは0.2~15重量部、さらに好ましくは0.5~10重量部である。
また、本発明の架橋性ゴム組成物には、ゴム加工分野において通常使用されるその他の配合剤を配合してもよい。このような配合剤としては、たとえば、補強剤、充填材、光安定剤、スコーチ防止剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、受酸剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、シランカップリング剤、架橋助剤、共架橋剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、発泡剤などが挙げられる。これらの配合剤の配合量は、配合目的に応じた量を適宜採用することができる。
可塑剤は、特に限定されないが、トリメリット酸系可塑剤やエーテルエステル系可塑剤などを用いることができる。具体例としては、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル、トリメリット酸イソノニルエステル、アジピン酸ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル]、ジヘプタノエート、ジ-2-エチルヘキサノエート、ジデカノエートなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、本発明の架橋性ゴム組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述したカルボキシル基含有ニトリルゴム以外のゴムを配合してもよい。
このようなゴムとしては、アクリルゴム、エチレン-アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン-プロピレン共重合体ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、天然ゴムおよびポリイソプレンゴムなどが挙げられる。
カルボキシル基含有ニトリルゴム以外のゴムを配合する場合における、架橋性ゴム組成物中の配合量は、カルボキシル基含有ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
また、本発明の架橋性ゴム組成物は、上記各成分を好ましくは非水系で混合することで調製される。本発明の架橋性ゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、架橋剤および熱に不安定な共架橋剤などを除いた成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で一次混練した後、オープンロールなどに移して架橋剤や熱に不安定な架橋促進剤などを加えて二次混練することにより調製できる。なお、一次混練は、通常、10~200℃、好ましくは30~180℃の温度で、1分間~1時間、好ましくは1分間~30分間行い、二次混練は、通常、10~90℃、好ましくは20~60℃の温度で、1分間~1時間、好ましくは1分間~30分間行う。
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性ゴム組成物を用い、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10~200℃、好ましくは25~120℃である。架橋温度は、通常、100~200℃、好ましくは130~190℃であり、架橋時間は、通常、1分~24時間、好ましくは2分~1時間である。
また、架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。二次架橋を行う場合、温度は、通常、10~200℃、好ましくは25~120℃である。時間は通常、1分~24時間、好ましくは2分~10時間である。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の製造方法により得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムを含有する架橋性ゴム組成物を架橋して得られるものであり、耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れるものである。
このため、本発明のゴム架橋物は、このような特性を活かし、O-リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、ウェルヘッドシール、ショックアブソーバシール、ロングライフクーラント(LLC)など冷却液の密封用シールであるクーラントシールやオイルクーラントシール、空気圧機器用シール、エアコンディショナの冷却装置や空調装置の冷凍機用コンプレッサに使用されるフロン若しくはフルオロ炭化水素または二酸化炭素の密封用シール、精密洗浄の洗浄媒体に使用される超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の密封用シール、転動装置(転がり軸受、自動車用ハブユニット、自動車用ウォーターポンプ、リニアガイド装置およびボールねじ等)用のシール、バルブおよびバルブシート、BOP(Blow Out Preventer)、プラターなどの各種シール材;インテークマニホールドとシリンダヘッドとの連接部に装着されるインテークマニホールドガスケット、シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;印刷用ロール、製鉄用ロール、製紙用ロール、工業用ロール、事務機用ロールなどの各種ロール;平ベルト(フィルムコア平ベルト、コード平ベルト、積層式平ベルト、単体式平ベルト等)、Vベルト(ラップドVベルト、ローエッジVベルト等)、Vリブドベルト(シングルVリブドベルト、ダブルVリブドベルト、ラップドVリブドベルト、背面ゴムVリブドベルト、上コグVリブドベルト等)、CVT用ベルト、タイミングベルト、歯付ベルト、コンベアーベルト、などの各種ベルト;燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジェターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ、等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;クッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材、クラッチフェーシング材などの減衰材ゴム部品;ダストカバー、自動車内装部材、摩擦材、タイヤ、被覆ケーブル、靴底、電磁波シールド、フレキシブルプリント基板用接着剤等の接着剤、燃料電池セパレーターの他、エレクトロニクス分野など幅広い用途に使用することができる。これらのなかでも、本発明のゴム架橋物は、耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れるものであるため、水系冷媒をシールするためのシール材用途として、特に好適である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。
[カルボキシル基含有ニトリルゴムの組成]
カルボキシル基含有ニトリルゴムを構成する各単量体単位の含有割合は、以下の方法により測定した。
すなわち、マレイン酸モノn-ブチル単位の含有割合は、2mm角のカルボキシル基含有ニトリルゴム0.2gに、2-ブタノン100mlを加えて4時間攪拌した後、エタノール20mlおよび水10mlを加え、攪拌しながら水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、カルボキシル基含有ニトリルゴム100gに対するカルボキシル基のモル数を求め、求めたモル数をマレイン酸モノn-ブチル単位の量に換算することにより算出した。
アクリロニトリル単位の含有割合は、JIS K6384に従い、ケルダール法により、カルボキシル基含有ニトリルゴム中の窒素含量を測定することにより算出した。
1,3-ブタジエン単位および飽和化ブタジエン単位の含有割合は、上記各単量体単位に対する残り成分として算出した。
カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-11)および(a-12)については、まず、1,3-ブタジエン単位および飽和化ブタジエン単位の含有割合を、水素添加反応前と水素添加反応後のヨウ素価(JIS K6235による)を測定することにより算出した。
次にアクリル酸n-ブチル単位の含有割合を、上記で求めたマレイン酸モノn-ブチル単位、1,3-ブタジエン単位、飽和化ブタジエン単位、および、アクリロニトリル単位の含有割合から、計算により求めた。
[ヨウ素価]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのヨウ素価は、JIS K6235に準じて測定した。
[カルボキシル基含有ニトリルゴム中の金属含有量]
カルボキシル基含有ニトリルゴム中の金属の含有量は、カルボキシル基含有ニトリルゴムに硫酸、硝酸を添加して加熱し、湿式分解し、次いで、これを適宜希釈して、ICP-AES(SPS-5000:セイコーインスツルメント社製)を使用して、内標準検量線法で測定した。なお、本実施例では、検出可能な全ての金属の含有量(全金属含有量)と、2価以上の金属の含有量(2価以上金属含有量)とを測定した。
[耐水性]
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形した後、170℃で4時間二次架橋を行うことでシート状のゴム架橋物を得た。そして、得られたシート状のゴム架橋物を、温度80℃としたLLC(Long Life Coolant)溶液中に、168時間浸漬させた。そして、下記式にしたがって、LLC溶液浸漬後の膨潤度を求めた。LLC溶液浸漬後の膨潤率が低いほど、耐水性、さらには耐LLC性に優れているといえる。
LLC溶液浸漬後の膨潤度(%)=(LLC溶液浸漬後のゴム架橋物の重量-LLC溶液浸漬前のゴム架橋物の重量)÷LLC溶液浸漬前のゴム架橋物の重量×100
[圧縮永久歪み(O-リング圧縮永久歪み)]
内径30mm、リング径3mmの金型を用いて、架橋性ゴム組成物を170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋した後、170℃で4時間二次架橋を行うことにより、O-リング状の試験片を得た。そして、得られたO-リング状の試験片を用いて、O-リング状の試験片を挟んだ二つの平面間の距離をリング厚み方向に25%圧縮した状態で150℃にて168時間保持する条件で、JIS K6262に従って、圧縮永久ひずみを測定した。この値が小さいほど、耐圧縮永久歪み性に優れる。
[平均クラム径]
水洗および回収後のクラム状のゴムを、分級篩を用いて分級を行った。その後、60℃で12時間真空乾燥し、乾燥後の乾燥クラムについて、重量測定を行うことで、重量平均粒径を求め、これを平均クラム径とした。
[合成例1]
(カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスの製造)
金属製ボトルに、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、濃度10%のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩5部、アクリロニトリル37部、マレイン酸モノn-ブチル4部、t-ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3-ブタジエン59部を仕込んだ。金属製ボトルを5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部、還元剤、キレート剤、およびビルダーを仕込み、金属製ボトルを回転させながら16時間重合反応を行った。その後、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止し、引き続いて、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去することで、共重合体ゴムのラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
次に、上記にて得られたラテックスに含有されるゴムの乾燥重量に対するパラジウム含有量が1000重量ppmになるように、オートクレーブ中に、上記にて得られたラテックスおよびパラジウム触媒(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、次いで、ラテックス中の重合体100部に対して、0.1部の4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール(イルガノックス1520L、BASFジャパン社製、老化防止剤)およびアクチサイドMBS(ソー・ジャパン社製、防腐剤)を0.3部添加した。これに、硫酸水溶液を適量加えることにより、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度:12.5重量%)を得た。
[実施例1]
(カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスの凝固)
攪拌機を備えた混合容器に、水1200部、塩化ナトリウム(1価の金属塩)5部、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物(商品名「パピオゲン P-271」、センカ社製、重量平均分子量(Mw):2,000-3,000、カチオン系高分子凝集剤)0.3部を添加し、攪拌した後に、混合物の温度を80℃に昇温した。次いで、混合容器に、合成例1で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス800部(カルボキシル基含有ニトリルゴム換算で100部)を添加し、添加を終了した後、温度を80℃以上に保ちながら3分間攪拌を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴムを凝固させ、クラム状のカルボキシル基含有ニトリルゴムを含有するクラムスラリーを得た。
次いで、上記にて得られたクラムスラリー100部に対し、水1900部を使用した水洗を1回行い、水洗後の含水クラムに対し、水洗を1回行い、ろ別した後、60℃で12時間真空乾燥することにより、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)を得た。
得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)の組成は、アクリロニトリル単位34重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)62.5重量%、マレイン酸モノn-ブチル単位3.5重量%であり、ヨウ素価は15であった。また、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)の全金属含有量は400重量ppm、2価以上金属含有量は10重量ppmであった。
また、真空乾燥に代えて、排気機能のある乾燥機を用いて、100℃1時間の加熱乾燥をすることによっても、十分に乾燥されたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)を得ることができた。
(架橋性ゴム組成物の調製)
バンバリーミキサを用いて、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)100部に、FEFカーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製)40部、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(商品名「アデカサイザーC-8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’-ジ-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部、ステアリン酸1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名「フォスファノールRL210」、東邦化学工業社製、加工助剤)1部を添加して、50℃で5分間混合した。次いで、得られた混合物を50℃のロールに移して、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(デュポンダウエラストマー社製、商品名「Diak#1」、脂肪族多価アミン類に属するポリアミン架橋剤)2.4部、および1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-ウンデセン-7(DBU)(商品名「RHENOGRAN XLA-60(GE2014)」、RheinChemie社製、DBU60%(ジンクジアルキルジフォスフェイト塩になっている部分も含む)、塩基性架橋促進剤)4部を配合して、混練することにより、架橋性ゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性ゴム組成物を用いて、上述した方法により、耐水性および圧縮永久歪み(O-リング圧縮永久歪み)の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際における、塩化ナトリウムの使用量を5部から10部に変更するとともに、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物の使用量を0.3部から0.2部に変更した以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-2)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-2)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
また、真空乾燥に代えて、排気機能のある乾燥機を用いて、100℃1時間の加熱乾燥をすることによっても、十分に乾燥されたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-2)を得ることができた。
[実施例3]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際における、塩化ナトリウムの使用量を5部から15部に変更するとともに、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物の使用量を0.3部から0.1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-3)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-3)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
また、真空乾燥に代えて、排気機能のある乾燥機を用いて、100℃1時間の加熱乾燥をすることによっても、十分に乾燥されたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-3)を得ることができた。
[実施例4]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際に、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物(商品名「パピオゲン P-271」)0.3部に代えて、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物(商品名「ユニセンス KHE 100L」、センカ社製、重量平均分子量(Mw):10,000-100,000、カチオン系高分子凝集剤)0.4部を使用した以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-4)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-4)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-4)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
また、真空乾燥に代えて、排気機能のある乾燥機を用いて、100℃1時間の加熱乾燥をすることによっても、十分に乾燥されたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-4)を得ることができた。
[実施例5]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際に、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物(商品名「パピオゲン P-271」)0.3部に代えて、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物(「ユニセンス FPA 100L」、センカ社製、重量平均分子量(Mw):10,000-100,000、カチオン系高分子凝集剤)0.5部を使用した以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-5)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-5)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-5)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
また、真空乾燥に代えて、排気機能のある乾燥機を用いて、100℃1時間の加熱乾燥をすることによっても、十分に乾燥されたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-5)を得ることができた。
[比較例1]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際における、塩化ナトリウムの使用量を5部から15部に変更するとともに、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、凝固操作を行ったところ、凝固が進行せず、凝固物を得ることができなかった。
[比較例2]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際における、塩化ナトリウムの使用量を5部から75部に変更するとともに、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-6)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-6)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。なお、比較例2における、塩化ナトリウムの使用量は75部としているが、凝固を良好に進行させるためには75部配合する必要があったため、75部とした。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-6)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際に、塩化ナトリウム5部に代えて、塩化カルシウム5部を使用し、かつ、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-7)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-7)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。なお、比較例3における、塩化カルシウムの使用量は5部としているが、凝固を良好に進行させるためには5部配合する必要があったため、5部とした。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-7)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際に、塩化ナトリウムを使用せず、かつ、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物の使用量を0.3部から5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-8)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-8)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-8)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際における、塩化ナトリウムの使用量を5部から15部に変更するとともに、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物の使用量を0.3部から5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-9)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-9)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-9)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例6]
カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対し凝固を行う際における、塩化ナトリウムの使用量を5部から40部に変更するとともに、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物の使用量を0.3部から0.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-10)を得た。得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-10)の全金属含有量、および2価以上金属含有量は表1に示す通りであった。
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-10)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[合成例2]
(カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスの製造)
金属製ボトルに、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、濃度10%のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩5部、アクリロニトリル20部、マレイン酸モノn-ブチル5部、アクリル酸n-ブチル35部、t-ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3-ブタジエン40部を仕込んだ。金属製ボトルを5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部、還元剤、キレート剤、およびビルダーを仕込み、金属製ボトルを回転させながら16時間重合反応を行った。その後、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止し、引き続いて、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去することで、共重合体ゴムのラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
次に、上記にて得られたラテックスに含有されるゴムの乾燥重量に対するパラジウム含有量が1000重量ppmになるように、オートクレーブ中に、上記にて得られたラテックスおよびパラジウム触媒(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、次いで、ラテックス中の重合体100部に対して、0.1部の4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール(イルガノックス1520L、BASFジャパン社製、老化防止剤)およびアクチサイドMBS(ソー・ジャパン社製、防腐剤)を0.3部添加した。これに、硫酸水溶液を適量加えることにより、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度:12.5重量%)を得た。
[実施例6]
(カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスの凝固)
攪拌機を備えた混合容器に、水1200部、塩化ナトリウム(1価の金属塩)10部、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物(商品名「パピオゲン P-271」、センカ社製、重量平均分子量(Mw):2,000-3,000、カチオン系高分子凝集剤)0.2部を添加し、攪拌した後に、混合物の温度を80℃に昇温した。次いで、混合容器に、合成例2で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス800部(カルボキシル基含有ニトリルゴム換算で100部)を添加し、添加を終了した後、温度を80℃以上に保ちながら3分間攪拌を行うことで、カルボキシル基含有ニトリルゴムを凝固させ、クラム状のカルボキシル基含有ニトリルゴムを含有するクラムスラリーを得た。
次いで、上記にて得られたクラムスラリー100部に対し、水1900部を使用した水洗を1回行い、水洗後の含水クラムに対し、水洗を1回行い、ろ別した後、60℃で12時間真空乾燥することにより、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-11)を得た。
得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-11)の組成は、アクリロニトリル単位20重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)46.5重量%、アクリル酸n-ブチル単位30重量%、マレイン酸モノn-ブチル単位3.5重量%であり、ヨウ素価は13であった。また、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-11)の全金属含有量は630重量ppm、2価以上金属含有量は12重量ppmであった。
また、真空乾燥に代えて、排気機能のある乾燥機を用いて、100℃1時間の加熱乾燥をすることによっても、十分に乾燥されたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-11)を得ることができた。
(架橋性ゴム組成物の調製)
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-11)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[合成例3]
(カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスの製造)
アクリロニトリルの仕込み量を15部、アクリル酸n-ブチルの仕込み量を40部に変更した以外は、合成例2と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度:12.5重量%)を得た。
[実施例7]
(カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスの凝固)
合成例2で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに代えて、合成例3で得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスを使用した以外は、実施例6と同様にして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-12)を得た。
得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-12)の組成は、アクリロニトリル単位15重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)46.5重量%、アクリル酸n-ブチル単位35重量%、マレイン酸モノn-ブチル単位3.5重量%であり、ヨウ素価は13であった。また、得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-12)の全金属含有量は650重量ppm、2価以上金属含有量は11重量ppmであった。
また、真空乾燥に代えて、排気機能のある乾燥機を用いて、100℃1時間の加熱乾燥をすることによっても、十分に乾燥されたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-12)を得ることができた。
(架橋性ゴム組成物の調製)
そして、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシル基含有ニトリルゴム(a-12)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007063325000003
表1中、金属塩(すなわち、塩化ナトリウム、塩化カルシウム)および高分子凝集剤(すなわち、ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物)の使用量は、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス中のカルボキシル基含有ニトリルゴム100部に対する量。
表1に示すように、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対して、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを、ラテックス中のゴム固形分100重量部に対して、1価の金属塩の配合量が3~25重量部、高分子凝集剤の配合量が0.01~10重量部、1価の金属塩/高分子凝集剤の重量比が10~500の範囲にて混合することによって凝固を行うことにより得られたカルボキシル基含有ニトリルゴムは、耐水性および耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を与えることのできるものであった(実施例1~7)。
一方、凝固剤として、1価の金属塩のみを使用した場合には、その配合量が少なすぎると、凝固を行うことができず(比較例1)、また、凝固を良好にできる量まで、その配合量を増やすと、得られるゴム架橋物は、耐水性に劣るものとなった(比較例2)。
また、凝固剤として、2価の金属塩としての塩化カルシウムを使用した場合や、高分子凝集剤のみを使用した場合には、得られるゴム架橋物は、耐圧縮永久歪み性に劣るものとなった(比較例3,4)。
さらに、凝固剤として、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを使用した場合であっても、1価の金属塩/高分子凝集剤の重量比が小さすぎたり、1価の金属塩の配合量が多すぎたりすると、得られるゴム架橋物は、耐水性および耐圧縮永久歪み性に劣るものとなった(比較例5,6)。

Claims (5)

  1. カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックスに対して、1価の金属塩と、高分子凝集剤とを、前記ラテックス中のゴム固形分100重量部に対して、前記1価の金属塩の配合量が3~25重量部、前記高分子凝集剤の配合量が0.01~10重量部、1価の金属塩/高分子凝集剤の重量比が10~500の範囲にて混合することにより、カルボキシル基含有ニトリルゴム成分を凝固させる凝固工程を備えるカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法であって、
    前記高分子凝集剤が、
    下記(A)と、下記(B)および/または下記(C)とを共縮合してなる縮合物、
    ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、
    ジメチルジアリルアンモニウムクロライド-アクリルアミド共重合物、
    ジアリルアミン塩酸塩-アクリルアミド共重合物、ならびに、
    ジアリルアミン塩酸塩-アクリル酸-アクリルアミド共重合物から選択される少なくとも一種であるカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法
    ・(A)アルキルアミン類およびアルカノールアミン類から選択される少なくとも1種、もしくは、アルキルアミン類およびアルカノールアミンから選択される少なくとも1種とアンモニアとの混合物
    ・(B)エピハロヒドリン
    ・(C)下記一般式(1)で表される化合物
    Figure 0007063325000004
    (上記一般式(1)中、R 、R およびR は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4の低級アルキル基、またはベンジル基を示し、Aはハロゲン原子を示し、X 1- は任意の陰イオンを示す。)
  2. 前記高分子凝集剤が、カチオン系の高分子凝集剤である請求項1に記載のカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法。
  3. 前記カルボキシル基含有ニトリルゴムが、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位を含有する請求項1または2に記載のカルボキシル基含有ニトリルゴムの製造方法。
  4. 請求項1~のいずれかに記載の製造方法により得られるカルボキシル基含有ニトリルゴムに、架橋剤を配合する工程を備える架橋性ゴム組成物の製造方法。
  5. 請求項に記載の製造方法により得られる架橋性ゴム組成物を架橋する工程を備えるゴム架橋物の製造方法。
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