JP2015040196A - 芳香族ジハライド化合物、重合体、重合体組成物及び成形体 - Google Patents

芳香族ジハライド化合物、重合体、重合体組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率が高く、アッベ数及びTGの低い光学材料用重合体が得られる化合物の提供。【解決手段】式(1)で表わされる芳香族ジハライド化合物。[Xは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、R1は、(2)又は(3)で表される1価の有機基、aは1又は2、R2は、炭素数1〜12の1価の有機基、bは0〜7の整数、cは0又は1、R3は、炭素数1〜12の1価の有機基、dは、0〜4の整数]【選択図】図1

Description

本発明は、芳香族ジハライド化合物、重合体、重合体組成物及び成形体に関する。
近年、光学レンズ、光学フィルム等の光学材料の分野では、レンズ、フィルム等の薄膜化、高付加価値化などの観点から、樹脂成分として屈折率の高い重合体が多く用いられるようになっている。そのため、屈折率の高い重合体を求めて単量体成分の開発、それらを用いた重合体の設計等が幅広く行われ、上記単量体成分として新規なジベンゾフルオレン化合物が開発されている(特開2013−32547号公報参照)。
ここで、上記光学材料を設計する際、収差を補正するために屈折率及びアッベ数の異なる材料を組み合わせることが一般に行われる。そのため、光学設計のバリエーションを増やす観点から、様々な屈折率及びアッベ数を有する重合体が要求され、その1つとして屈折率が高く、アッベ数の低い重合体が求められるようにもなっている。また、これらの光学材料は通常金型を用いて重合体等の原材料を射出成形、押出成形等することで得られ、上記成形は重合体のガラス転移温度以上の高温で行われる。そのため、成形の容易化、重合体の劣化防止、製造コスト低減等の観点から、重合体のガラス転移温度を低くすることが求められるようにもなっている。しかし、一般に、重合体の屈折率を高めると、それに伴ってガラス転移温度も高くなってしまい、重合体の屈折率を高めつつ、ガラス転移温度を下げるには大きな困難を伴う。そのため、屈折率が高く、アッベ数が低くかつガラス転移温度の低い重合体としては、従来の光学材料用重合体は必ずしも満足のいくものではない。
特開2013−32547号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は屈折率が高く、アッベ数及びガラス転移温度の低い重合体を得ることができる新規な芳香族ジハライド化合物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、下記式(1)で表される芳香族ジハライド化合物である。
Figure 2015040196
上記式(1)中、Xは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。Rは、下記式(2)又は(3)で表される1価の有機基である。aは、1又は2である。aが2の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。
Figure 2015040196
上記式(2)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。bは、0〜7の整数である。bが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。cは、0又は1である。
上記式(3)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。dは、0〜4の整数である。dが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該芳香族ジハライド化合物と下記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物とを縮合反応させて得られる重合体である。
Figure 2015040196
上記式(8)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。f及びgは、それぞれ独立して、0〜6の整数である。fが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。gが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。R及びRは、それぞれ独立して、アルキレン基である。l及びmは、それぞれ独立して、0以上の整数である。Yは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基又はチオール基である。Zは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−又は2価の有機基である。kは、0又は1である。jは、0〜2の整数である。jが2の場合、複数のZは、同一でも異なっていてもよい。h及びiは、それぞれ独立して、0又は1である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該重合体、及び有機溶媒を含有する重合体組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該重合体から得られる成形体である。
ここで、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。
本発明の芳香族ジハライド化合物によれば、屈折率が高く、アッベ数が低くかつガラス転移温度の低い重合体を得ることができる。従って、当該芳香族ジハライド化合物は、重合用芳香族ジハライド化合物として有用であり、また光学材料分野で使用する重合体、上記重合体を含有する重合体組成物の原材料として好適に用いることができる。また、当該重合体から得られる成形体はフィルム、光学部品等として有用である。
実施例及び比較例の重合体のガラス転移温度(Tg)と屈折率(nD)との関係を示すグラフである。
<芳香族ジハライド化合物>
本発明は、下記式(1)で表される芳香族ジハライド化合物である。
Figure 2015040196
上記式(1)中、Xは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。Rは、下記式(2)又は(3)で表される1価の有機基である。aは、1又は2である。aが2の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。
Figure 2015040196
上記式(2)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。bは、0〜7の整数である。bが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。cは、0又は1である。
上記式(3)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。dは、0〜4の整数である。dが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。
当該芳香族ジハライド化合物を用いることで屈折率が高く、アッベ数及びガラス転移温度の低い重合体を得ることができる。上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように推察することができる。即ち、当該芳香族ジハライド化合物を用いること、即ち当該重合体の主鎖及び側鎖に分子屈折の高い芳香族成分を導入することで、当該重合体の屈折率を高めることができ、かつアッベ数を低くすることができる。さらに、主鎖構成ユニットの1つが芳香環の単核体で構成されることから、重合体を形成する柔軟な結合基ユニットの濃度を上げることができ、当該重合体のガラス転移温度を低くすることができる。以下、当該芳香族ジハライド化合物について説明する。
上記式(1)におけるXのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、重合時の縮合反応がより容易となる観点からフッ素原子、塩素原子が好ましい。
2個のXは、本発明の効果を損なわない限り、芳香環中の任意の位置に結合してよいが、重合反応性の観点から一方のXに対して他方のXはメタ位又はパラ位に結合することが好ましい。
aとしては、1が好ましい。
上記式(2)におけるbとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
cとしては、1が好ましい。
で表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、上記炭素数1〜12の1価の炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基(a)、上記炭素数1〜12の1価の炭化水素基及び基(a)が有する水素原子の一部又は全部をヘテロ原子を有する置換基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜12の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
炭素数6〜12の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
ヘテロ原子含有基に含まれるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、珪素原子、ハロゲン原子等が挙げられる。ヘテロ原子含有基はヘテロ原子を1個有していてもよく2個以上有していてもよい。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば、
−O−、−S−等の1個のヘテロ原子からなる基;
−SO−、−SO−、−SO−等の2個以上のヘテロ原子を組み合わせた基;
−CO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−OCOO−、−OCOS−、−OCONH−、−SCONH−、−SCSNH−、−SCSS−等の炭素原子とヘテロ原子とを組み合わせた基などが挙げられる。これらの中で、−O−、−SO−、−COO−が好ましい。
上記ヘテロ原子を有する置換基としては、例えば、カルボキシ基、ケト基(=O)、チオケト基(=S)、ピリジル基等が挙げられる。
複数のRは任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよいが、上記
環構造としては、例えば、脂環構造、脂肪族複素環構造等が挙げられる。
脂環構造としては、例えば、
シクロプロペン構造、シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、シクロオクテン構造等の単環の脂環式炭化水素構造;
ノルボルネン構造、アダマンテン構造等の多環の脂環式炭化水素構造等が挙げられる。
脂肪族複素環構造としては、例えば、上記脂環構造における炭素−炭素間に−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCOO−、−O−、−NR−(Rは、水素原子又は1価の炭化水素基である。)、−CS−、−S−、−SO−、−SO−等が導入された構造等が挙げられる。
としては、これらの中で、重合体の自由度をより高める観点から、1価の炭化水素基が好ましく、1価の鎖状炭化水素基がより好ましい。
の炭素数としては、1〜6が好ましく、1又は2がより好ましい。
は、本発明の効果を損なわない限り、芳香環中の任意の位置に結合してよい。
上記式(2)で表される1価の有機基としては、例えば、下記式(2−1)〜(2−8)で表される基等が挙げられる。
Figure 2015040196
上記式(2−1)〜(2−8)中、それぞれの*は結合手である。
上記式(2)で表される1価の有機基は、当該重合体の屈折率をより高める観点から下記式(4)で表されることが好ましい。
Figure 2015040196
上記式(4)中、Rは、炭素数1〜6の1価の有機基である。eは、0〜7の整数である。eが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。
上記式(4)におけるRとしては、例えば、上記式(2)における上記Rとして例示した炭素数1〜12の1価の有機基のうち、炭素数1〜6のもの等が挙げられる。これらの中で、当該重合体の自由度をより高める観点から、1価の炭化水素基が好ましく、鎖状炭化水素基がより好ましい。
の炭素数としては、1又は2が好ましい。
複数のRは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の組み合わせにより結合して上記Rと同様の環構造の一部を形成してもよい。
は、本発明の効果を損なわない限り、芳香環中の任意の位置に結合してよい。
eとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式(2)で表される1価の有機基としては、これらの中で、当該重合体の屈折率をより高める観点から上記式(2−1)又は(2−2)で表される基が好ましい。
で表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、上記Rの炭素数1〜12の1価の有機基として例示した基等が挙げられる。これらの中で、当該重合体の自由度をより高める観点から1価の炭化水素基が好ましく、1価の鎖状炭化水素基がより好ましい。
の炭素数としては、1〜6が好ましく、1又は2がより好ましい。
複数のRは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の組み合わせにより結合して上記Rと同様の環構造の一部を形成してもよい。
は、本発明の効果を損なわない限り、芳香環中の任意の位置に結合してよい。
dとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
より具体的には、式(3)で表される1価の有機基としては、例えば、下記式(3−1)〜(3−8)で表される基等が挙げられる。
Figure 2015040196
上記式(3−1)〜(3−8)中、それぞれの*は結合手である。
式(3)で表される1価の有機基としては、これらの中で、屈折率をより高める観点から上記式(3−1)で表される基がより好ましい。
基−SO−Rは、本発明の効果を損なわない限り、芳香環中の任意の位置に結合してよいが、重合反応性を高める観点からいずれかのXのオルト位又はパラ位に結合することが好ましい。
ここで、より具体的には、当該芳香族ジハライド化合物としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−40)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015040196
Figure 2015040196
Figure 2015040196
当該芳香族ジハライド化合物としては、重合反応性や当該重合体の可視光透過率を高める観点から下記式(5)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015040196
上記式(5)中、Xは、上記式(1)と同義である。
当該芳香族ジハライド化合物としては、重合反応性をさらに高める観点から下記式(6)又は(7)で表される化合物がさらに好ましい。
Figure 2015040196
上記式(6)及び(7)中、Xは、上記式(1)と同義である。
当該芳香族ジハライド化合物としては、当該重合体のガラス転移温度をさらに低くする観点から、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−9)、(1−32)、(1−33)、(1−34)、(1−40)で表される化合物が特に好ましい。
<芳香族ジハライド化合物の製造方法>
式(1)で表される化合物は、例えば、
下記式(a)で表される化合物と下記式(b)で表される化合物とを塩化鉄(III)や塩化アルミニウム等の触媒存在下で反応させる工程
を備える製造方法により簡便かつ収率よく製造することができる。
Figure 2015040196
上記式(a)、(b)及び(1)中、Xは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。Rは、上記式(2)又は(3)で表される1価の有機基である。aは、1又は2である。aが2の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。Aは、ハロゲン原子である。
一例を挙げれば、式(a)で表される化合物と式(b)で表される化合物とを塩化鉄(III)の存在下で反応させることにより式(1)で表される化合物が生成する。次いで反応液をセライトによる金属除去処理を行い、カラムクロマトグラフィ等で適切に処理することにより式(1)で表される化合物を単離することができる。
Aのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、収率向上の観点から塩素原子が好ましい。
また、式(1)で表される化合物は、
下記式(c)で表される化合物と下記式(d)で表される化合物とを塩化鉄(III)や塩化アルミニウム等の触媒存在下で反応させる工程
を備える製造方法によっても簡便かつ収率よく製造することができる。
Figure 2015040196
上記式(c)、(d)及び(1)中、Xは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。Rは、上記式(2)又は(3)で表される1価の有機基である。aは、1又は2である。aが2の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。Bは、ハロゲン原子である。
一例を挙げれば、式(c)で表される化合物と式(d)で表される化合物とを塩化鉄(III)の存在下で反応させることにより式(1)で表される化合物が生成する。次いで反応液をセライトによる金属除去処理を行い、カラムクロマトグラフィ等で適切に処理することにより式(1)で表される化合物を単離することができる。
Bのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、収率向上の観点から塩素原子が好ましい。
下記式(a)〜(d)で表される化合物は、本発明の効果を損なわない限り、副生成物低減の観点から保護基で水素原子が置換されていてもよい。
<重合体>
本発明に係る重合体(以下、[A]重合体ともいう)は、当該芳香族ジハライド化合物と下記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物とを縮合反応させて得られる重合体である。
Figure 2015040196
上記式(8)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。f及びgは、それぞれ独立して、0〜6の整数である。fが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。gが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。R及びRは、それぞれ独立して、アルキレン基である。l及びmは、それぞれ独立して、0以上の整数である。Yは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基又はチオール基である。Zは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−又は2価の有機基である。kは、0又は1である。jは、0〜2の整数である。jが2の場合、複数のZは、同一でも異なっていてもよい。h及びiは、それぞれ独立して、0又は1である。
原料単量体として当該芳香族ジハライド化合物を用いているため、[A]重合体は屈折率が高く、アッベ数及びガラス転移温度の低い重合体である。そのため、[A]重合体を用いて光学材料を成形する際の射出成形、押出成形等において高温を必要としない。よって、[A]重合体から得られる成形体は有用であり、フィルム、光学部品としてより有用である。具体的には、[A]重合体は光学レンズ、光学フィルム、光学シート、ピックアップレンズ、ホログラム、液晶用フィルム、有機EL(エレクトロルミネッセンス)用フィルム等のフィルムや光学部品を得るための光学材料用重合体としてより有用である。
[A]重合体を得るために、本発明の効果を損なわない範囲で、当該芳香族ジハライド化合物及び上記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物以外のその他の化合物を用いてもよい。また、当該芳香族ジハライド化合物及びヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物、その他の化合物はそれぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
当該芳香族ジハライド化合物に由来する構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、通常30mol%以上であり、40mol%以上が好ましく、48mol%以上がより好ましい。
上記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物に由来する構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、通常30mol%以上であり、40mol%以上が好ましく、48mol%以上がより好ましい。
その他の化合物に由来する構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、通常20mol%以下であり、10mol%以下が好ましい。なお、当該芳香族ジハライド化合物に由来する構造単位、上記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物に由来する構造単位及びその他の化合物に由来する構造単位の合計含有割合は100mol%である。
[ヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物]
以下、式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物について説明する。上記式(8)におけるR及びRで表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、上記Rの炭素数1〜12の1価の有機基として例示した基等が挙げられる。これらの中で、当該重合体の自由度をより高める観点から、1価の炭化水素基が好ましく、1価の鎖状炭化水素基がより好ましい。
及びRの炭素数としては、1〜6が好ましく、1又は2がより好ましい。
複数のRは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の組み合わせにより結合して上記Rと同様の環構造の一部を形成してもよい。
複数のRは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の組み合わせにより結合して上記Rと同様の環構造の一部を形成してもよい。
及びRは、本発明の効果を損なわない限り、芳香環中の任意の位置に結合してよい。
f及びgとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
及びRで表されるアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。これらの中で、当該重合体の自由度をより高めることができる観点から、エチレン基が好ましい。
l及びmとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
Yとしては、可視光透過率向上の観点からヒドロキシ基が好ましい。
kとしては、1が好ましい。
jとしては、0又は1が好ましい。
h及びiとしては、0が好ましい。
Zの2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、上記炭素数1〜12の2価の炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基(b)、上記炭素数1〜12の2価の炭化水素基及び基(b)が有する水素原子の一部又は全部をヘテロ原子を有する置換基で置換した基等が挙げられる。
上記2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜12の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば、
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基などが挙げられる。
炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の単環のシクロアルカンジイル基;
シクロプロペンジイル基、シクロブテンジイル基等の単環のシクロアルケンジイル基;
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基等の多環のシクロアルカンジイル基;
ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基等の多環のシクロアルケンジイル基などが挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基に含まれるヘテロ原子としては、例えば、上記Rのヘテロ原子として例示した原子等が挙げられる。これらの中で、当該重合体の屈折率をより高める観点から酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましい。ヘテロ原子含有基はヘテロ原子を1個有していてもよく2個以上有していてもよい。
ヘテロ原子含有基としては、例えば、上記Rのヘテロ原子含有基として例示した基等が挙げられる。これらの中で、当該重合体の屈折率をより高める観点からカルボニル基が好ましい。
ヘテロ原子を有する置換基としては、例えば、カルボキシ基、ケト基(=O)、チオケト基(=S)、ピリジル基等が挙げられる。
より具体的には、Zの2価の有機基としては、例えば、下記式(Z−1)〜(Z−7)で表される2価の基等が挙げられる。
Figure 2015040196
上記式(Z−1)〜(Z−7)中、それぞれの*は結合手である。
上記式(8)におけるZは、下記式(9)で表されることが好ましい。
Figure 2015040196
上記式(9)中、R及びR10は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。p及びqは、それぞれ独立して、0〜6の整数である。pが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。qが2以上の場合、複数のR10は、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。n及びoは、それぞれ独立して、0又は1である。
上記式(9)におけるR及びR10の炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、上記Rの炭素数1〜12の1価の有機基として例示した基等が挙げられる。これらの中で、当該重合体の自由度をより高める観点から、1価の炭化水素基が好ましく、1価の鎖状炭化水素基がより好ましい。
及びR10の炭素数としては、1〜6が好ましく、1又は2がより好ましい。
複数のRは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の組み合わせにより結合して上記Rと同様の環構造の一部を形成してもよい。
複数のR10は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の組み合わせにより結合して上記Rと同様の環構造の一部を形成してもよい。
及びR10は、本発明の効果を損なわない限り、芳香環中の任意の位置に結合してよい。
p及びqとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
上記式(9)におけるn及びoとしては、0が好ましい。
より具体的には、上記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物としては、例えば、下記式(8−1)〜(8−26)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015040196
Figure 2015040196
Figure 2015040196
上記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物は、主鎖構成ユニットが芳香環の単核体でより多く構成される観点から下記式(10)で表されることが好ましい。
Figure 2015040196
上記式(10)中、Y及びZは、上記式(8)と同義である。R11及びR12は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。r及びsは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。rが2以上の場合、複数のR11は、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。sが2以上の場合、複数のR12は、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。tは、0〜2の整数である。
上記式(10)におけるR11及びR12の炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、上記Rの炭素数1〜12の1価の有機基として例示した基等が挙げられる。これらの中で、当該重合体のガラス転移温度をより低くする観点から、1価の炭化水素基が好ましく、1価の鎖状炭化水素基がより好ましい。
11及びR12の炭素数としては、1〜6が好ましく、1又は2がより好ましい。
複数のR11は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の組み合わせにより結合して上記Rと同様の環構造の一部を形成してもよい。
複数のR12は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の組み合わせにより結合して上記Rと同様の環構造の一部を形成してもよい。
11及びR12は、本発明の効果を損なわない限り、芳香環中の任意の位置に結合してよい。
r及びsとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
tとしては、0又は1が好ましい。
上記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物としては、当該重合体のガラス転移温度をさらに低くすることができる観点から、上記式(8−1)、(8−3)、(8−8)、(8−9)、及び(8−22)〜(8−26)で表される化合物が好ましい。
[その他の化合物]
[A]重合体を得るために、本発明の効果を損なわない範囲で、当該芳香族ジハライド化合物及び上記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物以外のその他の化合物を少量用いてもよい。
その他の化合物としては、例えば、上記式(8)で表される化合物以外のヒドロキシ基又はチオール基を2個有する化合物、上記式(1)で表される化合物以外のジハライド化合物等が挙げられる。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体の合成は、公知の方法により行うことができる。[A]重合体は、例えば、上記式(8)で表される化合物と上記式(1)で表される芳香族ジハライド化合物とを有機溶媒中、アルカリ金属化合物の存在下で反応させることで合成することができる。なお、上記化合物は全ての種類を同時に反応させてもよく、上記化合物のうち、ヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物とアルカリ金属化合物を反応させて、アルカリ金属塩を得た後、得られたアルカリ金属塩と、残りの芳香族ジハライド化合物等とを反応させることもできる。なお、反応には、上述の化合物をそれぞれ1種用いても2種以上用いてもよい。
上記アルカリ金属化合物としては、例えば、
リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;
水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属;
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;
炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。これらの中で、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
上記アルカリ金属化合物の使用量としては、反応に用いる化合物のヒドロキシ基又はチオール基に対し、アルカリ金属化合物中の金属原子が、通常1〜3倍当量、好ましくは1.1倍当量〜2倍当量、より好ましくは1.2倍当量〜1.5倍当量となる量である。
上記有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)等が挙げられる。これらの中で、誘電率の高い極性溶媒であることから、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシドが好ましい。
さらに、上記反応の際には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等の水と共沸する溶媒をさらに用いることもできる。
反応温度としては、60℃〜250℃が好ましく、80℃〜200℃がより好ましい。反応時間としては、15分〜100時間が好ましく、1時間〜24時間がより好ましい。
<重合体の物性>
[重量平均分子量]
[A]重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)としては、通常5,000〜400,000であり、10,000〜300,000が好ましく、20,000〜200,000がより好ましい。
[ガラス転移温度]
[A]重合体のガラス転移温度(Tg)としては、通常120℃〜210℃であり、130℃〜200℃が好ましく、140℃〜190℃がより好ましい。Tgは、示差走査熱量分析(DSC)により、昇温速度20℃/分の条件において測定される値である。
[屈折率]
[A]重合体の屈折率(nD)としては、通常1.63以上であり、1.64以上が好ましく、1.65以上がより好ましい。
[アッベ数]
[A]重合体のアッベ数(νD)としては、通常15〜27であり、17〜25が好ましく、19〜23がより好ましい。
<重合体組成物>
本発明に係る重合体組成物は、[A]重合体及び有機溶媒(以下、「[B]有機溶媒」ともいう)を含有する。また、当該重合体組成物は、好適成分として金属酸化物粒子(以下、「[C]金属酸化物粒子」ともいう)を含有してもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意の成分を含有してもよい。
当該重合体組成物は、当該芳香族ジハライド化合物を用いているため、フィルム用重合体組成物として特に有用である。上記フィルムとしては、例えば各種照明の光取出し効率向上用フィルム、ディスプレイ向け絶縁フィルム等が挙げられる。
[[B]有機溶媒]
[B]有機溶媒としては、[A]重合体を溶解可能な溶媒であれば特に限定されない。[B]有機溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒等が挙げられる。[B]有機溶媒としては、1種又は2種以上を用いてもよい。
[B]有機溶媒を用いることで、[A]重合体が適切に溶解された重合体組成物を得ることができる。この重合体組成物によれば、濡れ性、耐熱性及び密着性に優れたフィルムを形成できる。また、当該重合体組成物によれば、[B]有機溶媒を含有することで、人体や環境への負荷が少なく、当該重合体組成物を用いて成膜する際の溶媒の分解によるフィルムの膜質低下を抑制できる。
エーテル系溶媒は、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びアミド系溶媒と比較して、溶媒の分解が少ないため、エーテル系溶媒を含有する重合体組成物は、より優れた膜質を有するフィルムの形成に好適である。
エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のモノ若しくはジアルキルエーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、アニソール等の芳香族エーテル類などが挙げられる。これらの中で、炭素数3以上10以下のエーテル類が好ましく、炭素数3以上7以下のエーテル類がより好ましく、これらの中で、アニソール、テトラヒドロフランがさらに好ましい。
ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−sec−ブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン等のジアルキルケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類などが挙げられる。これらの中で、炭素数4以上10以下のケトン類が好ましく、沸点及びコスト等の点から、炭素数4以上6以下のケトン類がより好ましく、これらの中で、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンがさらに好ましく、シクロヘキサノンが特に好ましい。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸ブチル等のアルキルエステル類;1−メトキシ−2−プロピルアセテート等のアルコキシアルキルエステル類;β−プロピオラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類などが挙げられる。これらの中で、炭素数3以上10以下のエステル類が好ましく、炭素数3以上6以下のエステル類がより好ましい。これらの中で、γ−ブチロラクトンがさらに好ましい。
アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジペンチルアセトアミド、N,N−ジ−tert−ブチルアセトアミド等のアルキルアミド類;N,N−ジメトキシプロピルアセトアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアルコキシアルキルアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類などが挙げられる。これらの中で、炭素数3以上10以下のアミド類が好ましく、炭素数3以上6以下のアミド類がより好ましい。これらの中で、塗工性、経済性の観点から、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドンが好ましい。[B]有機溶媒として、上記アミド系溶媒を単独で使用する場合、溶媒の回収再利用や回収に関わる設備を簡素化できるメリットがある。
[B]有機溶媒としては、成膜時のはじきを低減し密着性を向上させる等の観点から、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒と、アミド系溶媒とを含む混合溶媒が好ましく、環状ケトン類とアミド系溶媒との混合溶媒、エーテル系溶媒とアミド系溶媒との混合溶媒がより好ましい。
[B]有機溶媒として混合溶媒を用いる場合、[B]有機溶媒100質量部に対するアミド系溶媒の含有量は、5〜95質量部が好ましく、10〜90質量部がより好ましく、30〜70質量部がさらに好ましい。アミド系溶媒の含有量を上記範囲とすることで、得られるフィルムの均質性(平滑性)を高めることができる。
[B]有機溶媒として混合溶媒を用いる場合、[B]有機溶媒100質量部に対して、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒の合計含有量は、5〜95質量部が好ましく、10〜90質量部がより好ましく、30〜70質量部がさらに好ましい。
当該重合体組成物中の[B]有機溶媒の含有量は、固形分100質量部に対して、通常100質量部以上2000質量部以下であり、150質量部以上900質量部以下が好ましい。
[[C]金属酸化物粒子]
当該重合体組成物は、[C]金属酸化物粒子をさらに含有することで当該重合体の屈折率をより高めることができる。
[C]金属酸化物粒子としては、例えば、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモン、セリウム等の金属の酸化物粒子が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[C]金属酸化物粒子としては、これらの中で、当該重合体の屈折率をさらに高める観点から、ジルコニウム、チタニウムの酸化物粒子が好ましい。
<重合体組成物の調製方法>
当該重合体組成物は、例えば、[A]重合体を[B]有機溶媒に溶解させ、必要に応じて[C]金属酸化物粒子及びその他の成分を溶解、分散等させることで得ることができる。[A]重合体は、合成に使用された有機溶媒を含んだ混合物として得られることがあるため、その場合には[A]重合体を固形分として単離(精製)した後、[B]有機溶媒に再溶解させることで調製することが好ましい。なお、上記方法で、[A]重合体の合成に使用した有機溶媒として[B]有機溶媒と同じ種類のものを用いた場合には、上記方法で得られた[A]重合体の合成に使用した有機溶媒との混合物から副生した塩を除いて得られる溶液を当該重合体組成物としてもよい。
当該重合体組成物の粘度としては、目的とするフィルムの膜厚や[A]重合体の分子量や濃度にもよるが、通常100mPa・s〜100,000mPa・sであり、1,000mPa・s〜50,000mPa・sが好ましい。当該重合体組成物の粘度を上記範囲とすることで、成膜中の当該重合体組成物の滞留性に優れ、フィルムの厚みの調整が容易となる。
<製膜方法及びフィルム>
当該製膜方法としては、
当該重合体組成物を基板に塗布する工程(以下、「塗布工程」ともいう)、及び
有機溶媒を除去する工程(以下、「有機溶媒除去工程」ともいう)
を備えることが好ましい。
上記製膜方法は、原材料として当該重合体組成物を用いるため、高屈折率を有する光学部品を製造することができる。
[塗布工程]
塗布工程は、当該重合体組成物を基板に塗布することで行われ、これにより塗膜を形成できる。
当該重合体組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ドクターブレード法等が挙げられる。
具体的には、塗布工程をスピンコート法により行う場合、ディスペンサーから基板上に所定量の当該重合体組成物を吐出した後、基板を回転させることで基板上に塗膜を形成する。
[有機溶媒除去工程]
有機溶媒除去工程では、上記塗布工程で形成した塗膜から有機溶媒を除去することで塗膜をフィルムとする。塗膜から有機溶媒を除去する方法としては、例えば、塗膜を加熱する方法、塗膜を減圧下に置く方法、加熱と減圧とを併用する方法等が挙げられる。これらの中で、塗膜を加熱する方法が好ましい。
上記加熱の条件としては、有機溶媒が蒸発すればよく、基板や[A]重合体に応じて適宜選択することができる。例えば、加熱の温度としては、30℃〜300℃が好ましく、40℃〜250℃がより好ましく、50℃〜230℃がさらに好ましい。加熱の時間としては、10分〜5時間が好ましい。
なお上記加熱は2段階以上で行ってもよい。具体的には、30℃〜80℃で10分〜2時間加熱後、100℃〜250℃で10分〜2時間さらに加熱する方法等が挙げられる。
上記加熱時の雰囲気としては、特に限定されないが、大気下又は不活性ガス雰囲気下が好ましく、不活性ガス雰囲気下がより好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスが好ましく、窒素ガスがより好ましい。
フィルムの厚みとしては、用途に応じて適宜選択されるが、通常0.05μm〜250μmであり、2μm〜150μmが好ましく、10μm〜125μmがより好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。物性値の測定方法を以下に示す。
<測定方法>
H−NMR分析]
H−NMR分析は、JEOL RESONANCE社の「JNM−ECA400」を使用し測定した。
<芳香族ジハライド化合物の合成>
[実施例1]芳香族ジハライド化合物1の合成
撹拌子を入れた200mL四つ口ナス型フラスコに、三方コック及び冷却管を取り付けた後、容器内を窒素置換した。2,4−ジフルオロベンゼンスルホニルクロリド22.62g(130mmol)、ナフタレン13.64g(130mmol)、及び塩化鉄(III)3.45g(21mmol)を窒素雰囲気下にて量り入れた。冷却管の排気先にアルカリ性水溶液のトラップを接続した後、マグネチックスターラーにて撹拌しながら120℃加熱条件下にてナフタレンを融解させ、無溶媒中で1時間反応させた。その後、145℃まで昇温して3時間反応させた。次いで、得られた反応混合物をトルエン50mLに溶解させた後、内容液をセライトを用いて濾過することにより、金属除去を行った。濾液からトルエンを留去して粗生成物を回収し、これを酢酸エチル/シクロヘキサン混合溶媒中にて再結晶により精製し、2.63g(8.64mmol)の芳香族ジハライド化合物1(1−((2,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)ナフタレン)の結晶を得た。
芳香族ジハライド化合物1
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.76(dd,1H),7.10 (dd,1H),7.54−7.57(m,2H),7.66(dd,1H),7.93(dd,1H),8.14(d,1H),8.35(dd,1H),8.47(d,1H),8.59(d,1H)
[実施例2]芳香族ジハライド化合物2の合成
2,4−ジフルオロベンゼンスルホニルクロリド25.45g(120mmol)、ナフタレン22.33g(174mmol)、及び塩化鉄(III)3.73g(23mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にセライトによる金属除去までの操作を行った。次いで、得られた濾液からトルエンを留去して粗生成物を回収し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、30.31g(99.6mmol)の芳香族ジハライド化合物2(1−((2,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)ナフタレンと2−((2,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)ナフタレンの異性体比が7:5の混合物)の粉末を得た。
芳香族ジハライド化合物2
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.74−6.86(m,1.7H),7.04−7.12(m,1.7H),7.54−7.68(m,4.4H),7.89−8.02(m,3.1H),8.01(d,0.7H),8.13―8.21(m,1.7H),8.35(dd,1H),8.47(dd,1H),8.58−8.62(m,1.7H)
[実施例3]芳香族ジハライド化合物3及び4の合成
2,4−ジフルオロベンゼンスルホニルクロリドに代えて2,6−ジフルオロベンゼンスルホニルクロリド25.45g(120mmol)、ナフタレン15.26g(120mmol)、及び塩化鉄(III)3.54g(22mmol)を用いた以外は、実施例2と同様に操作し粗生成物を回収した。この粗生成物にトルエン50mLを加え、沈殿物を濾過により回収することで9.08g(29.8mmol)の芳香族ジハライド化合物3(1−((2,6−ジフルオロフェニル)スルホニル)ナフタレン)の粉末を得た。また濾液からトルエンを留去して粗生成物を回収し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、4.32g(14.2mmol)の芳香族ジハライド化合物4(1−((2,6−ジフルオロフェニル)スルホニル)ナフタレンと2−((2,6−ジフルオロフェニル)スルホニル)ナフタレンの異性体比が3:7の混合物)の粉末を得た。
芳香族ジハライド化合物3
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.90−6.96(dd,2H),7.44−7.67(m,4H),7.93(d,1H),8.13(d,1H),8.57(d,1H),8.68(d,1H)
芳香族ジハライド化合物4
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:6.92−6.99(m,6.7H),7.46−7.68(m,11H),7.90−8.03(m,10H),8.14(d,1H),8.57(d,1H),8.67−8.69(m,3.3H)
<重合体の合成>
[実施例4](重合体1の合成)
攪拌子を入れた100mLの3つ口フラスコに、窒素導入管、Dean−Stark管、及び冷却管を取り付け、実施例2にて得られた芳香族ジハライド化合物2(3.642g、12.0mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(Bis−A、2.740g、12.0mmol)、炭酸カリウム(3.308g、23.9mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)12mL、及びトルエン2mLを仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後に130℃で加熱撹拌し、生成する水をDean−Stark管により随時除去しながら7.5時間反応させた。室温まで冷却した後、生成した塩を濾紙で除去した。ろ液にイオン交換樹脂(三菱化学社の「ダイヤイオンRCP160M」及び「ダイヤイオンWA21J」)を適量投入し、ミックスローターで2時間攪拌した。イオン交換樹脂を濾紙にて取り除いた後、ろ液をメタノールに投入して固体を析出させた。析出した固体を80℃で真空乾燥して、重合体1の粉末を得た(4.5g、収率76%)。
[実施例5](重合体2の合成)
反応物として、芳香族ジハライド化合物2(3.115g、10.2mmol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPFL、3.597g、10.3mmol)、炭酸カリウム(2.850g、20.6mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)15mL、及びトルエン3mLを使用した以外は、実施例4と同様に操作し、重合体2の粉末を得た(5.9g、収率93%)。
[実施例6](重合体3の合成)
反応物として、芳香族ジハライド化合物1(2.631g、8.6mmol)、レゾルシノール(RES、0.950g、8.6mmol)、炭酸カリウム(2.346g、17.0mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)4mL、及びトルエン0.5mLを使用した以外は、実施例4と同様の操作を行い、重合体3の粉末を得た(1.4g、収率45%)。
[実施例7](重合体4の合成)
反応物として、芳香族ジハライド化合物3(3.404g、11.2mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(Bis−A、2.554g、11.2mmol)、炭酸カリウム(3.520g、25.5mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)12mL、及びトルエン3mLを使用した以外は、実施例4と同様の操作を行い、重合体4の粉末を得た(4.9g、収率90%)。
[実施例8](重合体5の合成)
反応物として、芳香族ジハライド化合物4(3.347g、11.0mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(Bis−A、2.506g、11.0mmol)、炭酸カリウム(6.081g、44.0mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)22mL、及びトルエン6mLを使用した以外は、実施例4と同様の操作を行い、重合体5の粉末を得た(4.8g、収率89%)。
[比較例1](重合体6の合成)
芳香族ジハライド化合物2に代えて、2,6−ジフルオロベンゾニトリル(DFBN、1.433g、10.3mmol)を用いた以外は、実施例4と同様に操作を行い、重合体6の粉末を得た(4.3g、収率93%)。
[比較例2](重合体7の合成)
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(3.597g、10.3mmol)に代えて、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(1.799g、5.1mmol)及びレゾルシノール(0.562g、5.1mmol)を用いた以外は、比較例1と同様に操作を行い、重合体7の粉体を得た(3.1g、収率90%)。
[比較例3](重合体8の合成)
レゾルシノールに代えて、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(Bis−S、1.289g、5.1mmol)を用いた以外は、比較例2と同様に操作を行い、重合体8の粉体を得た(3.7g、収率90%)。
表1に、上記合成した重合体の合成の際に用いた各化合物の化合物量(mmol)について示す。表1中の「−」は、該当する化合物を用いなかったことを示す。
Figure 2015040196
<評価>
上記重合体について、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、屈折率(nD)及びアッベ数(νD)を下記方法に従い評価した。その結果を表2に示す。
[重量平均分子量(Mw)]
重合体のMwは、GPC装置(東ソー社の「HLC−8220型」)を使用し、カラム:SuperH2000及びSuperH4000と、ガードカラム:SuperH−Lとを連結して用い、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用い、単分散ポリスチレンを標準として測定した。
[ガラス転移温度(Tg、(℃))]
重合体のガラス転移温度は、DSC装置(Rigaku社の「Thermo Plus DSC8230」)を用い、窒素下、20℃/分の昇温速度の条件で測定した。
[屈折率(nD)及びアッベ数(νD)]
重合体を適量の塩化メチレンに溶解させたものをガラス板上にキャスト製膜し、常温常圧下にて一晩乾燥させた。次いで真空乾燥機にて残存塩化メチレンを除去し、重合体のフィルムを得た。本フィルムの屈折率を、Metricon社の「プリズムカプラ モデル2010」にて測定した。408nm、633nm、828nmの3波長にて測定し、Cauchyの式を用いてD線(589nm)での屈折率(nD)を求めた。F線(486nm)及びC線(656nm)の屈折率についても同様にして求め、アッベ数(νD)を算出した。
表2に実施例及び比較例についての重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、屈折率(nD)及びアッベ数(νD)を示し、図1に実施例及び比較例についての屈折率(nD)及びアッベ数(νD)を示す。
Figure 2015040196
表2及び図1の結果から明らかなように、実施例では屈折率が高く、アッベ数が低くかつガラス転移温度の低い重合体を得ることができる。これに対し、比較例ではこれらの性能は不十分なものがあった。
本発明の芳香族ジハライド化合物によれば、屈折率が高く、アッベ数が低くかつガラス転移温度の低い重合体を得ることができる。従って、当該芳香族ジハライド化合物は、重合用芳香族ジハライド化合物として有用であり、また光学材料分野で使用する重合体、上記重合体を含有する重合体組成物の原材料として好適に用いることができる。また、当該重合体から得られる成形体はフィルム、光学部品等として有用である。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される芳香族ジハライド化合物。
    Figure 2015040196
    (式(1)中、Xは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。Rは、下記式(2)又は(3)で表される1価の有機基である。aは、1又は2である。aが2の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2015040196
    (式(2)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。bは、0〜7の整数である。bが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。cは、0又は1である。
    式(3)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。dは、0〜4の整数である。dが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。)
  2. 上記式(2)で表される1価の有機基が下記式(4)で表される請求項1に記載の芳香族ジハライド化合物。
    Figure 2015040196
    (式(4)中、Rは、炭素数1〜6の1価の有機基である。eは、0〜7の整数である。eが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。)
  3. 下記式(5)で表される請求項2に記載の芳香族ジハライド化合物。
    Figure 2015040196
    (式(5)中、Xは、上記式(1)と同義である。)
  4. 下記式(6)又は(7)で表される請求項3に記載の芳香族ジハライド化合物。
    Figure 2015040196
    (式(6)及び(7)中、Xは、上記式(1)と同義である。)
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の芳香族ジハライド化合物と下記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物とを縮合反応させて得られる重合体。
    Figure 2015040196
    (式(8)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。f及びgは、それぞれ独立して、0〜6の整数である。fが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。gが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。R及びRは、それぞれ独立して、アルキレン基である。l及びmは、それぞれ独立して、0以上の整数である。Yは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基又はチオール基である。Zは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−又は2価の有機基である。kは、0又は1である。jは、0〜2の整数である。jが2の場合、複数のZは、同一でも異なっていてもよい。h及びiは、それぞれ独立して、0又は1である。)
  6. 上記式(8)におけるZが、下記式(9)で表される請求項5に記載の重合体。
    Figure 2015040196
    (式(9)中、R及びR10は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。p及びqは、それぞれ独立して、0〜6の整数である。pが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。qが2以上の場合、複数のR10は、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。n及びoは、それぞれ独立して、0又は1である。)
  7. 上記式(8)で表されるヒドロキシ基又はチオール基を有する化合物が下記式(10)で表される請求項5又は請求項6に記載の重合体。
    Figure 2015040196
    (式(10)中、Y及びZは、上記式(8)と同義である。R11及びR12は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。r及びsは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。rが2以上の場合、複数のR11は、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。sが2以上の場合、複数のR12は、同一でも異なっていてもよく、任意の組み合わせにより結合して環構造の一部を形成してもよい。tは、0〜2の整数である。)
  8. 請求項5、請求項6又は請求項7に記載の重合体、及び
    有機溶媒
    を含有する重合体組成物。
  9. 請求項5、請求項6又は請求項7に記載の重合体から得られる成形体。
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