JPH1017542A - ジアリールスルホン類の製造方法 - Google Patents

ジアリールスルホン類の製造方法

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JPH1017542A
JPH1017542A JP8188758A JP18875896A JPH1017542A JP H1017542 A JPH1017542 A JP H1017542A JP 8188758 A JP8188758 A JP 8188758A JP 18875896 A JP18875896 A JP 18875896A JP H1017542 A JPH1017542 A JP H1017542A
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JP
Japan
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acid
reaction
aromatic compound
group
catalyst
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JP8188758A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Masami
博司 真見
Masahiro Takatake
正広 高岳
Akihiro Nishiuchi
昭浩 西内
Shigeo Takatsuji
重雄 高辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安価な芳香族化合物と硫酸又は芳香族スルホ
ン酸とを反応させ、効率よく短時間にジアリールスルホ
ン類を製造する工業的に有利な方法を提供する。 【解決手段】 芳香族化合物と硫酸又は芳香族スルホン
酸とから触媒の存在下、縮合反応して一般式3のジアリ
ールスルホン類を製造する際に、反応中に留出する芳香
族化合物及び/又は追加仕込みする芳香族化合物を別途
気化させ、気化物を反応液中へ仕込む。 〔Arはベンゼン環又はナフタレン環、X、Yは同一又
は異なってC1〜20のアルキル基、ニトロ基、アミノ
基、フェニル基、水酸基、C1〜4のアルコキシ基、一
般式aの基又はハロゲン基、m、nはそれぞれ0〜3の
整数を表す。〕 〔RはC1〜20のアルキル基、水酸基又はハロゲン
基、rは0〜2の整数を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアリールスルホ
ン類を製造する方法に関する。ジアリールスルホン類
は、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリスル
ホンなど各種樹脂の原料、改質剤又は原料中間体として
有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、ジアリールスルホン類を製造する
方法として、(1)芳香族化合物を無水硫酸と硫酸ジメ
チルの混合物と共に反応させる方法(特公昭37−11
817号)、(2)芳香族化合物と硫酸とから芳香族ス
ルホン酸を合成し、この芳香族スルホン酸と芳香族化合
物とを五酸化リンなどの脱水剤の存在下に反応させる方
法(特開昭60−92256号)が提案されている。
【0003】しかし、(1)の方法では、毒性の強い硫
酸ジメチルを大量に使用するため、作業衛生上及び廃油
処理の面で設備に特別の対応が必要になる。又、(2)
の方法は、収率を向上させるために高価な脱水剤を多量
に使用する必要があるなどの欠点を有している。
【0004】本発明者らは、上記の問題点を解消する方
法として、先に芳香族化合物と硫酸又は芳香族スルホン
酸とを反応してジアリールスルホン類を製造するに際
し、触媒としてタングステン酸、モリブデン酸又はそれ
らのヘテロポリ酸を使用することを提案した(特公平4
−76987号、特公平4−28259号)。この方法
を用いることにより容易に高収率でジアリールスルホン
類を生産することができるが、より工業的製造方法とし
ては、反応時間を短縮することが望ましい。反応時間
は、反応温度を高くすることにより短縮することが可能
ではあるが、反面、触媒が失活し易くなるなど、尚、改
善の余地が認められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価な芳香
族化合物と硫酸又は芳香族スルホン酸とを反応させ、効
率よく短時間にジアリールスルホン類を製造する工業的
に有利な方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、所定の芳
香族化合物と硫酸又は所定の芳香族スルホン酸とを所定
の触媒の存在下に縮合反応してジアリールスルホン類を
製造する方法において、触媒を失活させることなく反応
時間を大幅に短縮する方法を鋭意検討した結果、反応中
に反応系から留出する芳香族化合物や追加仕込みする芳
香族化合物を別途設置されている外部の蒸発器を用いて
気化させ、得られた気化物を反応液中へ仕込むことによ
り、本目的が達成できることを見い出し、かかる知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明に係るジアリールスルホン類
の製造方法は、一般式(1)で表される芳香族化合物と
硫酸又は一般式(2)で表される芳香族スルホン酸とか
ら、触媒の存在下、縮合反応して一般式(3)で表され
るジアリールスルホン類を製造するに際し、反応中に留
出する芳香族化合物及び/又は追加仕込みする芳香族化
合物を別途気化させ、得られた気化物を反応液中へ仕込
むことを特徴とする。
【0008】 (X)m−Ar−(Y)n (1) [式中、Arはベンゼン環又はナフタレン環を表す。
X、Yは同一又は異なって、炭素数1〜20のアルキル
基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、ヒドロキシル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、式aで表される基又
はハロゲン基を表す。m、nはそれぞれ0〜3の整数を
表す。]
【0009】
【化4】 [式中、Ar、X、Y、m、nは、それぞれ一般式
(1)と同義である。]
【0010】
【化5】 [式中、Ar、X、Y、m、nは、それぞれ一般式
(1)と同義である。]
【0011】
【化6】 [式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシ
ル基又はハロゲン基を表す。rは0〜2の整数を表
す。]
【0012】一般式(1)で表される芳香族化合物とし
ては、ベンゼン、ナフタレン及びそれらの所定の各置換
体が挙げられる。このとき、当該化合物における各種置
換基(即ち、X、Y)の位置は問わない。具体的には、
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼ
ン、ブチルベンゼン、ドデシルベンゼン、クロルベンゼ
ン、ブロムベンゼン、ヨードベンゼン、フルオロベンゼ
ン、フェノール、アニソール、ビフェニルエーテル、キ
シレン、ジクロルベンゼン、ジブロムベンゼン、クロル
トルエン、ブロムトルエン、ニトロトルエン、ニトロフ
ェノール、トルイジン、カテコール、レゾルシン、ハイ
ドロキノン、クロルフェノール、ブロムフェノール、ト
リメチルベンゼン、キシレノール、ナフタレン、メチル
ナフタレン、ナフトール、メチルビフェニルエーテル、
エチルビフェニルエーテル、イソプロピルビフェニルエ
ーテル、クロルビフェニルエーテル及びヒドロキシビフ
ェニルエーテルが例示される。
【0013】一般式(2)で表される芳香族スルホン酸
としては、上記芳香族化合物を硫酸などに例示されるス
ルホン化剤によりスルホン化して得られるモノスルホン
化物であって、具体的には、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピル
ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ヒ
ドロキシベンゼンスルホン酸、フェニルベンゼンスルホ
ン酸、クロルベンゼンスルホン酸、ブロムベンゼンスル
ホン酸、フルオロベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼン
スルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、フェノキシ
ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ジクロルベ
ンゼンスルホン酸、ジブロムベンゼンスルホン酸、トリ
メチルベンゼンスルホン酸が例示される。このとき、そ
れぞれの化合物において、置換基の位置は問わない。
【0014】一般式(3)で表されるジアリ−ルスルホ
ン類としては、ジフェニルスルホン、ジメチルジフェニ
ルスルホン、ジエチルジフェニルスルホン、ジプロピル
ジフェニルスルホン、ジブチルジフェニルスルホン、ジ
ドデシルジフェニルスルホン、ジクロルジフェニルスル
ホン、ジブロムジフェニルスルホン、ジヨ−ドジフェニ
ルスルホン、ジフルオロジフェニルスルホン、ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、ジメトキシジフェニルスルホ
ン、ジフェノキシジフェニルスルホン、テトラメチルジ
フェニルスルホン、テトラクロルジフェニルスルホン、
テトラブロムジフェニルスルホン、ジクロルジメチルジ
フェニルスルホン、ジブロムジメチルジフェニルスルホ
ン、ジメチルジニトロジフェニルスルホン、ジヒドロキ
シジニトロジフェニルスルホン、ジアミノジメチルジフ
ェニルスルホン、テトラヒドロキシジフェニルスルホ
ン、ジヒドロキシジクロルジフェニルスルホン、ジブロ
ムジヒドロキシジフェニルスルホン、ヘキサメチルジフ
ェニルスルホン、ジヒドロキシテトラメチルジフェニル
スルホン、ジナフチルスルホン、ジメチルジナフチルス
ルホン、ジヒドロキシジナフチルスルホンが例示され
る。このとき、それぞれの化合物において、置換基の位
置は問わない。
【0015】本発明に係る触媒としては、タングステン
酸、モリブデン酸或いはこれらのヘテロポリ酸が挙げら
れ、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いられ
る。
【0016】ここにいうヘテロポリ酸とは、2種以上の
酸素酸からなる縮合酸であり、ポリ酸原子としては、タ
ングステン及びモリブデンであり、ヘテロ原子としては
以下に示す各種のものが使用できる。
【0017】タングステン酸のヘテロポリ酸におけるヘ
テロ原子としては、P、As、Si、Ti、Co、F
e、B、V、Be、I、Ni、Gaなどが例示され、タ
ングステン酸のヘテロポリ酸の具体例としては、H
3[PW1240]、H3[AsW1240]、H4[SiW
1240]、H4[TiW1240]、H5[CoW
1240]、H5[FeW1240]、H5[BW1240]、
3[VW1240]、H6[BeW931]、H6[TeW
624]、H5[IW624]、H4[NiW6246]、
3[GaW6246]、H6[P21862]、H6[A
21862]、H7[PW1133]が挙げられる。
【0018】モリブデン酸のヘテロポリ酸におけるヘテ
ロ原子としては、P、As、Si、Ge、Ti、Ce、
Th、Mn、Ni、Te、I、Co、Cr、Fe、Ga
などが例示され、モリブデン酸のヘテロポリ酸の具体例
としては、H3[PMo124 0]、H3[AsMo
1240]、H4[SiMo1240]、H4[TiMo12
40]、H4[GeMo1240]、H8[CeMo
1242]、H8[ThMo1242]、H7[PMo
1139]、H7[AsMo1139]、H8[GeMo11
39]、H6[MnMo932]、H6[NiMo932]、
6[TeMo624]、H5[IMo62 4]、H3[C
oMo6246]、H3[CrMo6246]、H3[F
eMo62 46]、H3[GaMo6246]、H4[N
iMo6246]、H6[P2Mo1862]、H6[As2
Mo1862]が挙げられる。
【0019】更に、各々の原子を2種以上配位させた混
合配位ヘテロポリ酸、例えば、H4[PMoW
1140]、H4[PReW1140]、H4[PVMo11
40]、H5[PV2Mo1040]も使用可能である。
【0020】上記に例示したこれらヘテロポリ酸はいず
れも公知のものである。合成の容易さ又は入手の容易さ
からは、ヘテロ原子としてP又はSiを含有するヘテロ
ポリ酸が好ましく、特に、12−タングストリン酸(H
3[PW1240])、12−タングストケイ酸(H4[S
iW1240])、12−モリブドリン酸(H3[PMo
1240])などがより好ましい。
【0021】又、上記触媒として用いるタングステン
酸、モリブデン酸又はこれらのヘテロポリ酸は、水和物
であってもよく、更に、反応系内で上記のタングステン
酸、モリブデン酸又はこれらのヘテロポリ酸を生成し得
る化合物の形態であっても良い。このような化合物とし
ては、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属塩、コ
バルト、ニッケル、マンガン、銅などの重金属塩、アン
モニウム(NH4)塩などの塩類が挙げられ、更にタン
グステン酸及びモリブデン酸に関しては、MO3、MC
6及びMS3(M=W又はMo)で表される酸化物、塩
化物及び硫化物の形態であっても良い。
【0022】更に、触媒としてヘテロポリ酸を適用する
場合には、反応中、ヘテロポリ酸が分解し、リン酸や珪
酸が分離するのを防止するため、オルトリン酸を併用し
ても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る製造方法は、一般に
次の如くして行われる。即ち、芳香族化合物の全部又は
一部(好ましくは所定量の20〜80重量%)、硫酸又
は芳香族スルホン酸及び触媒を反応器に仕込み、生成す
る水を芳香族化合物と共沸させ、相分離して除去しなが
ら60〜280℃で縮合反応を行う。反応中、留出する
芳香族化合物や連続的に又は間欠的に追加仕込みする芳
香族化合物を別途設置した蒸発器を用いて気化させ、気
体状態で反応液中へ吹き込む。
【0024】芳香族化合物を蒸気で系内に仕込むことに
より反応系内に十分な熱量の供給が可能になり、その結
果、反応器の外部加熱のみで系内温度を上昇させる従来
方法と比較して以下の利点が生ずる。即ち、
【0025】(1)芳香族化合物が速やかに留出するこ
とにより、芳香族化合物と共沸して生成する水の除去が
促進され、その結果、反応時間を大幅に短縮される(例
えば、実機テストによれば、2〜20時間の短縮も可能
である。)。
【0026】(2)反応器の器壁部分における反応液の
局部的な温度上昇を回避して芳香族化合物の蒸発量を確
保できることにより、触媒の失活化を抑制することがで
きる。
【0027】ここで、蒸発器とは、一般に管や板から成
る伝熱壁の一方の側から、直火、ヒ−タ−、熱媒、加圧
水蒸気などによって潜熱を供給し、他の側にある液体を
蒸発させる装置をいい、コイル、シェル&チュ−ブなど
熱伝達方式は特に問わない。
【0028】このとき、気化させる条件は、対象となる
芳香族化合物が気化する条件で有れば足り、特に限定さ
れるものではない。反応は常圧、減圧、加圧の何れでも
実施できるが、芳香族化合物が280℃以下で気化でき
るように圧力を調整する必要がある。280℃を超える
温度では芳香族化合物の分解が起こり易く、経済的に不
利である。
【0029】反応により生成する水を除去するには、上
述したように芳香族化合物と共に共沸する水を相分離し
て除去する方法や窒素ガスなどのキャリヤーガスを反応
液に導入し除去する方法などが使用できる。
【0030】芳香族化合物の使用量は、硫酸及び芳香族
スルホン酸に対して過剰量が好ましく、通常、硫酸に対
して2〜10倍モル量、芳香族スルホン酸に対して1〜
10倍モル量が好適である。芳香族化合物が対硫酸2倍
モル未満、対芳香族スルホン酸1倍モル未満の場合には
ジアリールスルホン類の収率が低く、10倍モルを越え
る場合には特に利点は認められず不経済である。
【0031】触媒の使用量は、触媒活性が発揮されるの
に有効な量である限り広い範囲から適宜選択される。し
かし、反応速度及び経済性の観点からは、硫酸又は芳香
族スルホン酸に対し0.01〜50重量%程度、好まし
くは1〜20%程度が有利である。
【0032】オルトリン酸の使用量としては、通常、ヘ
テロポリ酸100重量部に対して1〜200重量部が挙
げられ、特に3〜100重量部が推奨される。
【0033】反応温度は、芳香族化合物の種類、所望す
る反応時間などにより適宜選択できるが、通常、60〜
280℃の範囲、好ましくは100〜230℃の範囲が
有利である。反応温度が60℃未満では実用的な反応速
度が得られにくく、280℃を超える温度では重合など
の副反応が起こり易く、ジアリールスルホン類の収率が
低下する傾向が認められる。
【0034】このようにして得られた反応液を必要に応
じて当該原料である芳香族化合物で希釈し、水洗して触
媒及び未反応中間体(芳香族スルホン酸)を回収した
後、有機相を冷却して晶析させるか或いは有機相から希
釈媒体を留去してジアリールスルホン類を得る。回収し
た触媒、反応中間体及び希釈媒体などは、そのまま再使
用が可能である。
【0035】触媒の回収は、水洗に限らず、活性炭、シ
リカゲルなどの吸着剤を用いて濾過することによっても
可能である。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明す
る。尚、目的物の純度は、ガスクロマトグラフィーによ
り測定した。
【0037】実施例1 ガス導入管、冷却器、攪拌機及び温度計を備えた内容積
1Lのフラスコに、濃硫酸100g(1.0モル)、o
−キシレン130g(1.2モル)、12−タングスト
リン酸(H3PW1240・水和物)10g及びオルトリ
ン酸0.5gを仕込み、攪拌しながら反応温度を蒸発温
度まで昇温し、生成する水をo−キシレンと共沸させて
冷却後相分離し、o−キシレンのみをポンプで蒸発器へ
送り、蒸発させてガス導入管より反応液に吹き込みなが
ら反応した。反応温度を160℃に維持しながら、更
に、o−キシレン130g(1.2モル)を同様に蒸発
させてガス導入管より仕込んだ。8時間の反応で理論量
に相当する水が留出した。次に、この反応液にo−キシ
レン260gを加えて希釈し、95〜100℃で水洗し
て、触媒及び未反応中間体(o−キシレンスルホン酸)
を回収した。次いで、o−キシレン溶液を冷却して析出
物を濾過し、乾燥して3,3',4,4'−テトラメチルジフェ
ニルスルホン263g(収率96%、純度98.8%)
を得た。
【0038】比較例1 実施例1のガス導入管をデカンター付き還流冷却器に取
り替え、冷却器を滴下ロートに取り替えた。蒸発するo
−キシレンは共沸する水を冷却相分離した後、o−キシ
レンのみを還流させると共に、追加仕込みするo−キシ
レンは所定の反応温度を保持しながら、徐々に滴下仕込
みする方法で実施例1と同様の反応条件で縮合した。そ
の結果、理論量の水が留出するのに11時間を要した。
反応液を実施例1と同様に処理して3,3',4,4'−テトラ
メチルジフェニルスルホン258g(収率95%、純度
98.7%)を得た。即ち、上記従来方法では、本発明
方法(実施例1)と比較して長時間の反応を必要とす
る。
【0039】実施例2 触媒として実施例1で得た回収触媒水を使用した以外は
実施例1と全く同様の操作を行った。反応9時間で理論
量の水が留出し、反応液を実施例1と同様に処理して3,
3',4,4'−テトラメチルジフェニルスルホン260g
(収率95%、純度99.0%)を得た。
【0040】比較例2 触媒として比較例1で得た回収触媒水を使用した以外は
実施例1と全く同様の操作を行った。理論量の水が留出
するのに18時間を要した。反応液を実施例1と同様に
処理して3,3',4,4'−テトラメチルジフェニルスルホン
249g(収率91%、純度99.1%)を得た。即
ち、本比較例においては、実施例2と比較して長期の反
応時間を必要とし、収率も低下していることから、本比
較例で用いた触媒は、実施例2において用いた触媒に比
較してその活性が低下しているものといえる。
【0041】実施例3 実施例1と同一の反応器にp−トルエンスルホン酸・一
水和物190g(1.0モル)、トルエン46g(0.5
モル)及び12−タングストケイ酸(H4[SiW12
40]・水和物)10gを仕込み、150℃で反応し、ト
ルエン74g(0.8モル)をガス導入管より蒸気で追
加仕込みした他は実施例1と同様に反応した。反応13
時間で理論量の水が留出した。反応液をトルエン250
gで希釈して触媒を水洗回収し、トルエン溶液を冷却、
晶析した後、得られた結晶を濾過、乾燥して4,4'−ジメ
チルジフェニルスルホン226g(収率92%、純度9
4.3%)を得た。
【0042】比較例3 比較例1と同一の反応器にp−トルエンスルホン酸・一
水和物190g(1.0モル)、トルエン46g(0.5
モル)及び12−タングストケイ酸(H4[SiW12
40]・水和物)10gを仕込み、実施例3と同様の条件
で縮合反応しながらトルエン74g(0.8モル)を滴
下ロートより追加仕込みした。その結果、理論量の水が
留出するのに22時間を要した。反応液を同様に処理
し、4,4'−ジメチルジフェニルスルホン216g(収率
88%、純度94.8%)を得た。即ち、上記従来方法
では、本発明方法(実施例3)と比較して長時間の反応
を必要とする。
【0043】実施例4 触媒として実施例3で得た回収触媒水を使用した以外は
実施例3と全く同様に反応した。反応15時間で理論量
の水が留出し、反応液を処理して4,4'−ジメチルジフェ
ニルスルホン220g(収率90%、純度95.1%)
を得た。
【0044】比較例4 触媒として比較例3で得た回収触媒水を使用した以外は
実施例3と全く同様の操作を行った。理論量の水が留出
するのに28時間を要した。反応液を処理して4,4'−ジ
メチルジフェニルスルホン219g(収率89%、純度
94.6%)を得た。実施例4と比較して長期の反応時
間を必要とし、収率も低下していることから、本比較例
で用いた触媒は、実施例2において用いた触媒に比較し
てその活性が低下しているものといえる。
【0045】実施例5 実施例1と同一の反応器に、濃硫酸100g(1.0モ
ル)、ベンゼン94g(1.2モル)、12−モリブド
リン酸(H3PMo1240・水和物)10g及びオルト
リン酸0.5gを仕込み、実施例1と同様に140℃で
反応し、更に、ベンゼン94g(1.2モル)を蒸発器
で蒸発させてガス導入管より反応液に仕込んだ。11時
間の反応で理論量に相当する水が留出した。次に、この
反応液にベンゼン250gを加えて希釈し、70〜75
℃で水洗して、触媒及び未反応中間体(ベンゼンスルホ
ン酸)を回収した。ベンゼン溶液からベンゼンを減圧下
に留去し、残渣固体を乾燥してジフェニルスルホン20
8g(収率95%、純度99.1%)を得た。
【0046】比較例5 比較例1と同一の反応器を用い、蒸発するベンゼンは共
沸する水を冷却相分離した後、ベンゼンのみを還流さ
せ、追加仕込みするベンゼンは反応温度を保持しなが
ら、徐々に滴下仕込みする方法で実施例5と同様の反応
条件で縮合した。その結果、理論量の水が留出するのに
16時間を要した。反応液を処理してジフェニルスルホ
ン203g(収率93%、純度98.9%)を得た。即
ち、上記従来方法では、本発明方法(実施例5)と比較
して長時間の反応を必要とする。
【0047】実施例6 実施例1と同一の反応器にp−クロルベンゼンスルホン
酸・一水和物211g(1.0モル)、クロルベンゼン
57g(0.5モル)、12−モリブドリン酸(H3PM
1240・水和物)15g及びオルトリン酸1gを仕込
み、実施例3と同様に150℃で反応し、更に、クロル
ベンゼン90g(0.8モル)を蒸発器で蒸発させてガ
ス導入管より反応液に仕込んだ。反応14時間で理論量
の水が留出した。反応液をクロルベンゼン300gで希
釈して触媒を水洗回収し、クロルベンゼン溶液を冷却、
晶析した後、得られた結晶を濾過、乾燥して4,4'-ジク
ロルジフェニルスルホン270g(収率94%、純度9
6.3%)を得た。
【0048】比較例6 比較例1と同一の反応器にp−クロルベンゼンスルホン
酸・一水和物211g(1.0モル)、クロルベンゼン
57g(0.5モル)、12−モリブドリン酸(H3PM
1240・水和物)15g及びオルトリン酸1gを仕込
み、実施例6と同様の反応条件で縮合しながらクロルベ
ンゼン90g(0.8モル)を滴下ロ−トより追加仕込
みした。その結果、理論量の水が留出するのに20時間
を要した。反応液を同様に処理し、4,4'−ジクロルジフ
ェニルスルホン262g(収率91%、純度95.7
%)を得た。実施例6と比較して長期の反応時間を必要
とし、収率も低下していることから、本比較例で用いた
触媒は、実施例6において用いた触媒に比較してその活
性が低下しているものといえる。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法を適用することにより、工
業的に有利な条件下で目的とするジアリールスルホン類
を高純度、高収率で短時間で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 高辻 重雄 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新 日本理化株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される芳香族化合物と
    硫酸又は一般式(2)で表される芳香族スルホン酸とか
    ら、触媒の存在下、縮合反応して一般式(3)で表され
    るジアリールスルホン類を製造するに際し、反応中に留
    出する芳香族化合物及び/又は追加仕込みする芳香族化
    合物を別途気化させ、得られた気化物を反応液中へ仕込
    むことを特徴とするジアリールスルホン類の製造方法。 (X)m−Ar−(Y)n (1) [式中、Arはベンゼン環又はナフタレン環を表す。
    X、Yは同一又は異なって、炭素数1〜20のアルキル
    基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、ヒドロキシル
    基、炭素数1〜4のアルコキシ基、式aで表される基又
    はハロゲン基を表す。m、nはそれぞれ0〜3の整数を
    表す。] 【化1】 [式中、Ar、X、Y、m、nは、それぞれ一般式
    (1)と同義である。] 【化2】 [式中、Ar、X、Y、m、nは、それぞれ一般式
    (1)と同義である。] 【化3】 [式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシ
    ル基又はハロゲン基を表す。rは0〜2の整数を表
    す。]
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015040196A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 Jsr株式会社 芳香族ジハライド化合物、重合体、重合体組成物及び成形体
US10745348B2 (en) 2015-06-09 2020-08-18 Vertellus Holdings Llc Process for making diaryl sulfones

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015040196A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 Jsr株式会社 芳香族ジハライド化合物、重合体、重合体組成物及び成形体
US10745348B2 (en) 2015-06-09 2020-08-18 Vertellus Holdings Llc Process for making diaryl sulfones
JP2021042221A (ja) * 2015-06-09 2021-03-18 ヴァーテラス ホールディングス エルエルシー ジアリールスルホンを製造するための改良された方法

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