JP6712633B2 - ポリカーボネート樹脂、成形体、光学部材及びレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂、成形体、光学部材及びレンズに関する。
従来、カメラ、ビデオカメラあるいはカメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホンなどの撮像モジュールの光学部材にはガラス材料が用いられていた。ガラス材料は様々な光学特性を備えており、環境耐性に優れるため好ましく用いられてきたが、軽量化や小型化が容易ではなく、加工性や生産性が悪いという欠点を有していた。これに対し樹脂硬化物は、大量生産が可能であり、加工性にも優れているため、近年、様々な光学部材に用いられるようになってきている。
樹脂硬化物を用いた光学部材においては、特定構造を有する構成単位を含む樹脂の硬化物を用いることにより、様々な光学特性を発揮させることや、耐久性を高めることが検討されている。
例えば、特許文献1〜3には、フルオレン骨格を有する構成単位を含む樹脂及び樹脂硬化物が開示されている。特許文献1には、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンとビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィドで構成されたポリカーボネート樹脂が開示されている。特許文献2には、単環式芳香族ジカルボン酸成分及びフルオレン骨格を有するジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分と、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン骨格を有する化合物を含むジオール成分とを重合成分とするポリエステル樹脂が開示されている。また、特許文献3には、フルオレン骨格を有するポリカーボネート樹脂であって、負の屈折率異方性を有する構成単位と、正の屈折率異方性を有する構成単位を含む樹脂が開示されている。
特開2010−254806号公報 特開2013−64117号公報 特許第4010810号公報
近年、撮像モジュールの小型化に伴い、撮像モジュールに用いられる光学部材を小型化することが求められている。光学部材を小型化していくと、色収差の問題が生じるため、アッベ数を小さくして色収差の補正を行うことが検討されている。しかしながら、本発明者らが、上述したフルオレン骨格を有する構成単位を含む樹脂を光学部材として用いることを検討してみたところ、従来の樹脂硬化物においては、低アッベ数化が十分ではないことが明らかとなった。また、従来の樹脂硬化物においては、異常分散性も低い傾向にあることが明らかとなった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、十分に小さなアッベ数を有し、かつ高異常分散性を有する樹脂硬化物を成形し得る樹脂を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、特定の構造を有する構成単位を含むポリカーボネート樹脂を用いることにより、十分に小さなアッベ数を有する樹脂硬化物(以下、成形体ともいう)であって、高異常分散性を有する成形体が得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂;
一般式(1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、窒素原子又は炭素原子であり、Y1及びY2の少なくとも1つは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である;ZはY1−C=C−Y2とともに5〜7員環を形成する原子群であって、炭素原子及びヘテロ原子から選択される少なくとも1種を含む原子群を表す;
5〜R8はそれぞれ独立に置換基を表す;
a〜dはそれぞれ独立に0以上であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す;
Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す;
1及びL2はそれぞれ独立に、炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜20のアリーレン基、又は炭素数が6〜20のヘテロアリーレン基を表す;
1及びX2はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す;
n1及びn2はそれぞれ独立に0〜10の整数を表す;
Ar11及びAr12がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R5、R6、−X1−[L1−O]n1−及び−X2−[L2−O]n2−はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
[2] 一般式(1)において、Y1及びY2から選択される少なくとも一方が窒素原子である[1]に記載のポリカーボネート樹脂。
[3] 構成単位は、下記一般式(2)で表される構成単位である[1]又は[2]に記載のポリカーボネート樹脂;
一般式(2)中、R5〜R8はそれぞれ独立に置換基を表す;a〜dはそれぞれ独立に0以上であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す;
Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す;
1及びL2はそれぞれ独立に、炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜20のアリーレン基、又は炭素数が6〜20のヘテロアリーレン基を表す;
1及びX2はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す;
n1及びn2はそれぞれ独立に0〜10の整数を表す;
Ar11及びAr12がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R5、R6、−X1−[L1−O]n1−及び−X2−[L2−O]n2−はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
[4] 下記一般式(11)で表される構成単位をさらに含む[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂;
一般式(11)中、R11は炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜40のアリーレン基、及び炭素数が6〜40のヘテロアリーレン基から選択される少なくとも1種を含む基である。
[5] 一般式(11)で表される構成単位中のR11が、下記構造(12)及び下記構造(13)で表される基を含む[4]に記載のポリカーボネート樹脂;
構造(12)及び(13)中、*は、一般式(11)で表される構成単位の主鎖中の連結部位を表す。
[6] ポリカーボネート樹脂の全構成単位に対して、一般式(1)で表される構成単位と一般式(11)で表される構成単位の総量が90モル%以上であり、一般式(1)で表される構成単位と一般式(11)で表される構成単位のモル比が40:60〜90:10である[4]又は[5]に記載のポリカーボネート樹脂。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の成形体。
[8] [7]に記載の成形体を含む光学部材。
[9] [7]に記載の成形体を含むレンズ。
本発明によれば、十分に小さなアッベ数を有し、かつ高異常分散性を有する成形体を得ることができる。本発明の樹脂から成形された成形体は上記特性を有しているため、光学部材やレンズ等に好ましく用いられる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
(ポリカーボネート樹脂)
本発明は、下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂に関する。
一般式(1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、窒素原子又は炭素原子であり、Y1及びY2の少なくとも1つは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である。ZはY1−C=C−Y2とともに5〜7員環を形成する原子群であって、炭素原子及びヘテロ原子から選択される少なくとも1種を含む原子群を表す。
5〜R8はそれぞれ独立に置換基を表す。
a〜dはそれぞれ独立に0以上であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す。
Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す。
1及びL2はそれぞれ独立に、炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜20のアリーレン基、又は炭素数が6〜20のヘテロアリーレン基を表す。
1及びX2はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
n1及びn2はそれぞれ独立に0〜10の整数を表す。
Ar11及びAr12がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R5、R6、−X1−[L1−O]n1−及び−X2−[L2−O]n2−はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
aが2〜4の整数である場合、複数のR5は同じであっても異なっていてもよく、複数のR5は互いに結合して環を形成してもよい。
bが2〜4の整数である場合、複数のR6は同じであっても異なっていてもよく、複数のR6は互いに結合して環を形成してもよい。
cが2〜4の整数である場合、複数のR7は同じであっても異なっていてもよく、複数のR7は互いに連結して環を形成してもよい。
dが2以上の整数である場合、複数のR8は同じであっても異なっていてもよく、複数のR8は互いに結合して環を形成してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂は上述した構成単位を含むポリカーボネート樹脂であるため、十分に小さなアッベ数を有し、かつ高異常分散性を有する成形体を形成することができる。また、本発明のポリカーボネート樹脂は、屈折率が十分に高い成形体を形成することができる。
さらに、本発明においてはポリカーボネート樹脂から成形体を成形する際、その成形性が良好であり、成形体の光学歪の発生を抑制できる。加えて、本発明のポリカーボネート樹脂は上記構成単位を含む樹脂であるため、溶媒溶解性が高く、かつ流動性にも優れている。
このように、本発明のポリカーボネート樹脂から成形される成形体は優れた光学特性を兼ね備えたものであり、光学部材としての品質が高い。また、樹脂の流動性にも優れているため成形性が良好である。
一般式(1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、窒素原子又は炭素原子であり、Y1及びY2の少なくとも1つは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である。Y1及びY2はそれぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子であることが好ましく、Y1及びY2から選択される少なくとも一方は窒素原子であることが好ましい。また、Y1及びY2の両方が窒素原子であることがより好ましい。
一般式(1)中、ZはY1−C=C−Y2とともに5〜7員環を形成する原子群であって、炭素原子及びヘテロ原子から選択される少なくとも1種を含む原子群を表す。ZはY1−C=C−Y2とともに5又は6員環を形成する原子群であることが好ましく、6員環を形成する原子群であることがより好ましい。また、Zは炭素原子及びヘテロ原子から選択される少なくとも1種を含む原子群であればよく、炭素原子を含む原子群であることが好ましく、炭素原子からなる原子群であることがより好ましい。
一般式(1)中、R5〜R8はそれぞれ独立に、置換基を表す。R5〜R8が表す置換基としては特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基、シアノ基などを挙げることができる。R5〜R8が表す置換基はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はシアノ基であることが好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基又はシアノ基であることがより好ましく、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、フェニル基又はシアノ基であることが特に好ましい。
5〜R7が表す置換基はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基またはフェニル基であることがより好ましく、メチル基又はメトキシ基であることが特に好ましい。
8はアルキル基、シリル基、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基、シリル基、炭素数1〜5のアルコキシ基またはフェニル基であることがより好ましく、メチル基、シリル基またはメトキシ基であることがさらに好ましい。また、複数のR8は置換する環と縮合環を形成する基であることがより好ましい。
一般式(1)中、a〜dはそれぞれ独立に0以上であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す。a〜cはそれぞれ独立に、0〜4の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましく、0〜2の整数であることがさらに好ましく、0又は1であることがよりさらに好ましく、0であることが特に好ましい。dは0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましい。
aが2〜4の整数である場合、複数のR5は同じであっても異なっていてもよい。複数のR5は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR5は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
bが2〜4の整数である場合、複数のR6は同じであっても異なっていてもよい。複数のR6は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR6は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
cが2〜4の整数である場合、複数のR7は同じであっても異なっていてもよい。複数のR7は互いに結合して環を形成してもよいが、複数のR7は互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
dが2以上の整数である場合、複数のR8は同じであっても異なっていてもよく、複数のR8は互いに結合して環を形成してもよい。中でも、dが2以上の整数である場合、複数のR8は互いに結合して、置換する環と縮合環を形成する基であることが好ましい。縮合環はさらに置換基を有していてもよく、この場合、置換基としては、R8として挙げた置換基を好ましい置換基として例示できる。
複数のR8が互いに結合して、置換する環と縮合環を形成する基である場合、縮合環を形成する環数は4以下であることが好ましく、3以下であることが好ましく、2であることが好ましい。縮合環を形成する環数を上記範囲とすることにより、上記構成単位を含むポリカーボネート樹脂の着色を抑制し易くなる。
一般式(1)において、Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す。中でも、Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基であることが好ましい。Ar11及びAr12が表す破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基である場合は、炭素数6〜18のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜14のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜10のアリール基であることが特に好ましい。また、Ar11及びAr12が表す破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基である場合は、環員数9〜14のヘテロアリール基であることが好ましく、環員数9〜10のヘテロアリール基であることがより好ましい。Ar11及びAr12が表す置換基を有していてもよいヘテロアリール基を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。
Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環のみから構成されるアリール基であってもよく、破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環基であってもよい。なお、本明細書において、芳香族縮合環基の縮合環は縮合環全体として芳香族性を有するものである。
一般式(1)中、L1及びL2はそれぞれ独立に、炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜20のアリーレン基、又は炭素数が6〜20のヘテロアリーレン基を表す。L1及びL2はそれぞれ独立に、炭素数が2〜8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が2〜4のアルキレン基であることがより好ましい。
一般式(1)中、X1及びX2はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。中でも、X1及びX2は酸素原子であることが好ましい。
一般式(1)中、n1及びn2はそれぞれ独立に0〜10の整数であればよく、0〜4の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましい。
なお、一般式(1)において、Ar11及びAr12がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環基である場合は、R5、R6、−X1−[L1−O]n1−及び−X2−[L2−O]n2−はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
上記構成単位は、一般式(2)で表される構成単位であることが好ましい。
一般式(2)中、R5〜R8はそれぞれ独立に置換基を表す。a〜dはそれぞれ独立に0以上であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す。
Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す。
1及びL2はそれぞれ独立に、炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜20のアリーレン基、又は炭素数が6〜20のヘテロアリーレン基を表す。
1及びX2はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
n1及びn2はそれぞれ独立に0〜10の整数を表す。
Ar11及びAr12がそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族縮合環基である場合は、R5、R6、−X1−[L1−O]n1−及び−X2−[L2−O]n2−はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
aが2〜4の整数である場合、複数のR5は同じであっても異なっていてもよく、複数のR5は互いに結合して環を形成してもよい。
bが2〜4の整数である場合、複数のR6は同じであっても異なっていてもよく、複数のR6は互いに結合して環を形成してもよい。
cが2〜4の整数である場合、複数のR7は同じであっても異なっていてもよく、複数のR7は互いに連結して環を形成してもよい。
dが2以上の整数である場合、複数のR8は同じであっても異なっていてもよく、複数のR8は互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(2)におけるR5〜R8の好ましい範囲は、一般式(1)におけるR5〜R8の好ましい範囲と同様である。
一般式(2)におけるAr11及びAr12の好ましい範囲は、一般式(1)におけるAr11及びAr12の好ましい範囲と同様である。
一般式(2)におけるL1及びL2の好ましい範囲は、一般式(1)におけるL1及びL2の好ましい範囲と同様である。
一般式(2)におけるX1及びX2の好ましい範囲は、一般式(1)におけるX1及びX2の好ましい範囲と同様である。
一般式(2)におけるa〜cの好ましい範囲は、一般式(1)におけるa〜cの好ましい範囲と同様である。
一般式(2)におけるn1及びn2の好ましい範囲は、一般式(1)におけるn1及びn2の好ましい範囲と同様である。
一般式(2)におけるdは、0〜2の整数であればよい。dが2の整数である場合、複数のR8は同じであっても異なっていてもよく、複数のR8は互いに結合して環を形成していることが好ましい。縮合環はさらに置換基を有していてもよく、この場合、置換基としては、R8として挙げた置換基を好ましい置換基として例示できる。
以下において、一般式(1)で表される構成単位の具体例を列挙するが、本発明は以下の構成単位に限定されるものではない。
一般式(1)で表される構成単位の入手方法については特に制限はなく、前駆体となる化合物を商業的に入手してもよく、合成により製造してもよい。前駆体となる化合物を合成により製造する場合は、公知の方法及び実施例に記載の方法で合成することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、一般式(11)で表される構成単位をさらに含むものであることが好ましい。ポリカーボネート樹脂が一般式(11)で表される構成単位をさらに含有することにより、ポリカーボネート樹脂を成形する際の成形性をより高めることができ、成形体に光学歪が発生することを効果的に抑制できる。
一般式(11)中、R11は炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜40のアリーレン基、及び炭素数が6〜40のヘテロアリーレン基から選択される少なくとも1種を含む基である。
上述したアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基は置換基を有するものであることが好ましく、上述したアルキレン基とシクロアルキレン基の炭素原子はO原子又はS原子で置換されていてもよい。
11は上記の基を含む連結基であればよく、上記の基からなる連結基であってもよく、上記の基を2種以上組み合わせた構造を有する連結基であってもよい。また、R11は、上記の基の間にエーテル結合及びチオエーテル結合から選択される少なくとも1種を含む連結基であってもよい。この場合、エーテル結合及びチオエーテル結合から選択される少なくとも1種は、同種の基の間に存在していてもよく、異種の基の間に存在していてもよい。
なお、R11は−O−C(=O)−O−を含まない基である。
中でも、R11は、炭素数が2〜8のアルキレン基及び炭素数が6〜40のアリーレン基から選択される少なくとも1種を含む基であることが好ましく、炭素数が2〜8のアルキレン基、又は、炭素数が2〜8のアルキレン基と炭素数が6〜40のアリーレン基を組み合わせた構造を有する基であることがより好ましい。
以下において、一般式(11)で表される構成単位のR11の具体例を列挙するが、R11の構造は下記構造に限定されるものではない。なお、下記具体例において、*は、一般式(11)で表される構成単位の主鎖中の連結部位を表す。
中でも、一般式(11)で表される構成単位中のR11は、下記構造(12)及び下記構造(13)で表される基であることが好ましい。
構造(12)及び(13)中、*は、一般式(11)で表される構成単位の主鎖中の連結部位を表す。
一般式(11)で表される構成単位の入手方法については特に制限はなく、前駆体となる化合物を商業的に入手してもよく、合成により製造してもよい。前駆体となる化合物を合成により製造する場合は、公知の方法及び実施例に記載の方法で合成することができる。
本発明では、ポリカーボネート樹脂の全構成単位に対して、一般式(1)で表される構成単位が40モル%以上含まれていることが好ましく、50モル%以上含まれていることがより好ましく、70モル%以上含まれていることがさらに好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂が一般式(11)で表される構成単位を含む場合は、ポリカーボネート樹脂の全構成単位に対して、一般式(11)で表される構成単位は60モル%以下含まれていることが好ましく、50モル%以下含まれていることがより好ましく、45モル%以下含まれていることがさらに好ましく、40モル%以下含まれていることが特に好ましい。ポリカーボネート樹脂に含まれる構成単位の割合を上記範囲内とすることにより、成形体のアッベ数をより効果的に低下させることができる。
ポリカーボネート樹脂が一般式(11)で表される構成単位を含む場合は、ポリカーボネート樹脂の全構成単位に対して、一般式(1)で表される構成単位と一般式(11)で表される構成単位の総量が90モル%以上であることがさらに好ましい。中でも、一般式(1)で表される構成単位と一般式(11)で表される構成単位のモル比が40:60〜90:10であることが好ましい。ポリカーボネート樹脂中の構成単位比を上記範囲内とすることにより、成形体を低アッベ数化することができ、かつ成形体の耐久性をより高めることができる。
下記に、本発明のポリカーボネート樹脂に含まれる構成単位及び構成単位のモル比を例示するが、ポリカーボネート樹脂の構成は下記に限定されるものではない。
本発明のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましく、13000以上であることがさらに好ましい。また、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましい。
ここで、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、ポリカーボネート樹脂を塩化メチレン100mlに溶解し、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)から下記式を用いて算出するものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c (但し、[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4 0.83
c=0.7
(ポリカーボネート樹脂の重合方法)
本発明のポリカーボネート樹脂は、公知の反応手段を用いて重合することができる。例えば、(a)二価フェノール及び二価フェノールの誘導体から選択される少なくとも1種にホスゲンを反応させる縮合方法や、(b)二価フェノール及び二価フェノールの誘導体から選択される少なくとも1種を炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を用いてエステル交換する方法などが挙げられる。なお、以下では、二価フェノール及び二価フェノールの誘導体から選択される少なくとも1種を単に、二価フェノールということもある。
二価フェノールとしては、上述した一般式(1)で表される構成単位となり得る化合物を用いることが好ましい。また、二価フェノールの誘導体としては、一般式(1)で表される構成単位となり得るクロロ炭酸化合物等を用いることが好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂の構成単位として一般式(11)で表される構成単位が含まれる場合は、二価フェノールや二価フェノールの誘導体として、一般式(11)で表される構成単位となり得る化合物や、一般式(11)で表される構成単位となり得るクロロ炭酸化合物を用いることができる。
なお、ポリカーボネート樹脂を重合させる場合は、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤、熱安定化剤等を使用してもよい。
(a)のホスゲンを反応させる縮合方法を用いた反応は、二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤及び有機溶媒の存在下で行う。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物又はピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃ 、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
(b)のエステル交換する方法を用いた反応は、二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃ の範囲である。反応後期には系を1.3×103〜1.3×10Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、中でもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、(b)のエステル交換する方法を用いた反応においては重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、1×10-8〜1×10-3当量とすることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、その重合反応において、末端停止剤として通常使用される単官能フェノール類を使用することができる。例えば、ホスゲンを使用する反応の場合、単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封止されているので、熱安定性に優れる。
(成形体の製造方法)
上述したポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物から成形体を製造することができる。成形体の成形方法としては、加熱加圧成形を挙げることができ、例えば、圧縮成形、射出成形、押出成形、ブロー成形、エンボス成形等を採用することができる。中でも、本発明の成形体を成形する際には、射出成形を採用することが好ましい。
ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物には、トリフェニルホスファイトや、トリス(2,4−di−tert−ブチルフェニル)ホスファイトといった酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤の添加量は、樹脂組成物の全質量に対し、0.00001〜0.0001質量%であることが好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物には、帯電防止剤として、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、界面活性剤混合物等を添加することが好ましい。帯電防止剤としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリドを挙げることができる。帯電防止剤の添加量は、樹脂組成物の全質量に対し、0.01〜0.1質量%であることが好ましい。
射出成形を行う前には、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物をペレット化してもよい。ポリカーボネート樹脂をペレット化することにより、射出成形をする際の樹脂のハンドリング性を高めることができる。樹脂組成物をペレット化する際には、例えば、ベント式単軸押出機等を用いることができる。
射出成形を行う場合、射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。射出成形機では、ポリカーボネート溶融樹脂をシリンダーの先端にため込み、その後、金型の中にポリカーボネート溶融樹脂を注入して成形する。射出成形機としては一般的に使用されているものを用いることができる。シリンダーはポリカーボネート樹脂の付着性が低く、かつ耐蝕性、耐摩耗性を示す材料から構成されたものであることが好ましい。射出成形機としては、例えば、株式会社メイホー社製のMicro−1を例示することができる。
射出成形を行う際のシリンダー温度は200〜450℃であることが好ましく、250〜390℃であることがより好ましい。また、金型の温度は50〜300℃であることが好ましく、100〜250℃であることがより好ましい。
成形工程を行う環境は、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように成形することが好ましい。
(成形体)
本発明は、上述したポリカーボネート樹脂の成形体に関するものでもある。ポリカーボネート樹脂の成形体には、ポリカーボネート樹脂に加えて、酸化防止剤や帯電防止剤、熱安定化剤等の添加剤が含まれていてもよい。なお、成形体が各種添加剤を含む場合は、成形体の全質量に対して、添加剤の含有量が5質量%以下であることが好ましい。
本発明の成形体は、後述するように光学部材の用途に用いられることが好ましく、中でも、レンズとして用いられることが好ましい。このような観点から、成形体の屈折率は高いことが好ましい。本発明の成形体は、波長589nmにおける屈折率nDが1.45以上であることが好ましく、1.58以上であることがより好ましく、1.60以上であることがさらに好ましく、1.64以上であることが特に好ましい。
本発明の成形体は、光学部材用途の中でもレンズなどに用いるときに色収差を低減する観点から、アッベ数が低いことが好ましい。本発明の成形体は、アッベ数が25以下であることが好ましく、24以下であることがより好ましく、22以下であることがさらに好ましく、21以下であることがよりさらに好ましく、20以下であることが特に好ましい。また、本発明の成形体のアッベ数は13以上であることが好ましい。
本明細書中、アッベ数(νD)は、アッベ屈折計(カルニュー光学工業株式会社製)を用いて、波長589nm、486nm、656nmにおけるそれぞれの屈折率nD、nF、nCを測定し、下記式により算出される。
νD=(nD−1)/(nF−nC)
ここで、nDは波長589nmにおける屈折率、nFは波長486nmにおける屈折率、nCは波長656nmにおける屈折率を表す。
本発明の成形体においては、異常分散性が高いことが好ましい。本発明の成形体の異常分散性は、0.50より大きいことが好ましく、0.55以上であることがより好ましく、0.60以上であることがさらに好ましい。
本明細書中、異常分散性(θgF)は、アッベ屈折計(カルニュー光学工業株式会社製)を用いて、波長589nm、486nm、656nm、435.8nmにおけるそれぞれの屈折率nD、nF、nC、ngを測定し、下記式により算出される。
θgF=(ng−nF)/(nF−nC)
ここで、nDは波長589nmにおける屈折率、nFは波長486nmにおける屈折率、nCは波長656nmにおける屈折率、ngは波長435.8nmでの屈折率を表す。
本発明の成形体は、最大厚みが0.1〜10mmであることが好ましい。最大厚みは、より好ましくは0.1〜5mmであり、特に好ましくは0.15〜3mmである。本発明の成形体、最大直径が1〜1000mmであることが好ましい。最大直径は、より好ましくは2〜200mmであり、特に好ましくは2.5〜100mmである。このようなサイズの成形体は、高屈折率の光学部材用途として特に有用である。
(光学部材)
本発明は、上述した成形体を含む光学部材に関するものでもある。本発明の成形体は、光学特性に優れた成形体であるため、光学部材に好ましく用いられる。本発明の光学部材の種類は、特に制限されないが、成形体の優れた光学特性を利用した光学部材、特に光を透過する光学部材(いわゆるパッシブ光学部材)として好適に利用することができる。このような光学部材を備えた光学機能装置としては、例えば、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP(Overhead projector)、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等が例示される。
また、光学機能装置に用いられるパッシブ光学部材としては、例えば、レンズ、プリズム、プリズムシート、パネル(板状成形体)、フィルム、光導波路(フィルム状やファイバー状等)、光ディスク、LED(Light emitting diode)の封止剤等が例示される。このようなパッシブ光学部材には、必要に応じて任意の被覆層、例えば摩擦や摩耗といった塗布面の機械的損傷を防止する保護層、無機粒子や基材等の劣化原因となる望ましくない波長の光線を吸収する光線吸収層、水分や酸素ガス等の反応性低分子の透過を抑制あるいは防止する透過遮蔽層、防眩層、反射防止層、低屈折率層等や、任意の付加機能層が設けられてもよい。任意の被覆層の具体例としては、無機酸化物コーティング層からなる透明導電膜やガスバリア膜、有機物コーティング層からなるガスバリア膜やハードコート膜等が挙げられる。コーティング法としては真空蒸着法、CVD(Chemical vapor deposition)法、スパッタリング法、ディップコート法、スピンコート法等公知のコーティング法を用いることができる。
(応用例)
本発明の成形体を用いた光学部材は、特にレンズ基材に好ましく用いられる。本発明のポリカーボネート樹脂を用いて製造されたレンズ基材は低アッベ数を有し、好ましくは、高屈折性、光線透過性、軽量性を併せ持ち、光学特性に優れている。
なお、本明細書中において「レンズ基材」とは、レンズ機能を発揮することができる単一部材を意味する。レンズ基材の表面や周囲には、レンズの使用環境や用途に応じて膜や部材を設けることができる。例えば、レンズ基材の表面には、保護膜、反射防止膜、ハードコート膜等を形成することができる。また、ガラスレンズ基材や、プラスチックレンズ基材に積層させた複合レンズにすることができる。さらにレンズ基材の周囲を基材保持枠などに嵌入して固定することもできる。ただし、これらの膜や枠などは、レンズ基材に付加される部材であり、本明細書中でいうレンズ基材そのものとは区別される。
レンズ基材をレンズとして利用するに際しては、レンズ基材そのものを単独でレンズとして用いてもよいし、上述した膜や枠、その他レンズ基材などを付加してレンズとして用いてもよい。レンズ基材を用いたレンズの種類や形状は、特に制限されない。
レンズ基材は低アッベ数であることから色収差補正レンズに好ましく用いることができ、色収差補正レンズとしては例えば、携帯やデジタルカメラ等の撮像用レンズやテレビ、ビデオカメラ等の撮映レンズ、さらには車載、内視鏡レンズに使用されることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
<A−1の合成>
o−フェニレンジアミン21.6g(0.2mol)及びニンヒドリン35.6g(0.2mol)に対して、エタノール50mL、酢酸10mLを加えて70℃で3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却したのち、析出した結晶を濾取し、エタノールで洗浄、乾燥することで、化合物(A−1−1)を40.9g(0.18mol)得た。
化合物(A−1−1)20g(86mmol)と、2,6−ジメチルフェノール41.5g(340mmol)をメタンスルホン酸30mLに溶解させた。反応溶液を加温し、100℃に保ちつつ、3−メルカプトプロピオン酸0.3mLを滴下した。3時間攪拌後、反応溶液にトルエンを70mL滴下し、30分攪拌後、さらに140mLのトルエンを滴下した。反応溶液を室温に戻し、析出した結晶を濾取し、化合物(A−1)を33g(72mmol)得た。化合物(A−1)の1H−NMRデータは下記の通りであった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ2.10ppm(s、12H)、6.70ppm(bs,2H)、6.80ppm(s,4H)、7.55−7.70ppm(m,3H)、7.75−7.90ppm(m,2H)、8.00−8.10ppm(d,1H)、8.12−8.22ppm(m,2H)
<P−1の合成>
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に25%水酸化ナトリウム水溶液103.05g及びイオン交換水309.15gを仕込み、これに上記化合物(A−1)98.3g(214.4mmol)を溶解させ、少量のハイドロサルファイトを加えた。次にこれにイオン交換水20.64g、48%水酸化ナトリウム水溶液14.17g及び塩化メチレン237.23gを加え、20℃でホスゲン27.63g(279mmol)を約60分かけて吹き込んだ。この溶液に、さらに、p−tert−ブチルフェノール1.13gを塩化メチレン3gに溶解させた溶液及び25%水酸化ナトリウム水溶液17.17gを加えて乳化させ、その後、トリエチルアミン0.12gを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後、塩化メチレンを加えて希釈し水洗した後、有機相分取し、塩化メチレンを蒸発させて構成単位として(a−1)を含むポリカーボネート樹脂(P−1)を得た。
(実施例2)
<A−8の合成>
2,6−ジメチルフェノールをフェノールに代えた以外は、化合物(A−1)の合成と同様にして、化合物(A−8)を合成した。1H−NMRデータは下記の通りであった。
1H−NMR(300MHz,DMSO(Dimethyl sulfoxide)−d6):δ6.60−6.70ppm(d,4H)、6.95−7.05ppm(d,4H)、7.55−7.70ppm(m,3H)、7.75−7.90ppm(m,2H)、8.00−8.10ppm(d,1H)、8.12−8.22ppm(m,2H)、9.40ppm(bs,2H)
<P−2の合成>
(A−1)を(A−8)に代えた以外は、実施例1の<a−1の合成>と同様にして、構成単位として(a−8)を含むポリカーボネート樹脂(P−2)を得た。
(実施例3)
<A−6の合成>
Journal of Heterocyclic Chemistry,1972,vol.9,p.1399に記載の方法で、化合物(A−6−1)を合成した。
化合物(A−6−1)60.9g(647mmol)と、フェノール30.0g(129mmol)を、トルエン21mLと、メタンスルホン酸12mLに溶解させた。反応溶液を加温し、100℃に保ちつつ、3−メルカプトプロピオン酸0.48mLを滴下した。3時間攪拌後、反応溶液にトルエンを30mLおよび炭酸ジメチル10mL滴下した。反応溶液を室温に戻し、析出した結晶を濾取し、トルエン150mLにて煮沸洗浄を行った。ろ過することで化合物(A−6)を37g(92mmol)得た。化合物(A−6)の1H−NMRデータは下記の通りであった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ4.00−4.10ppm(m,4H)、4.30−4.40ppm(m,4H)、5.85−5.95ppm(m、1H)、6.15−6.25ppm(m、1H)、6.30−6.40ppm(m、1H)、6.80−6.90ppm(d,4H)、7.00−7.10ppm(d,4H)、7.60−7.80ppm(m,3H)、8.20ppm(d,1H)
<P−3の合成>
(A−1)を(A−6)に代えた以外は、実施例1の<P−1の合成>と同様にして、構成単位として(a−6)を含むポリカーボネート樹脂(P−3)を得た。
(実施例4)
<A―2の合成>
化合物(A−1−1)10.0g(43mmol)と、2−フェノキシエタノール30.0g(215mmol)を、トルエン15mlと、メタンスルホン酸12mlに溶解させた。反応溶液を加温し、120℃に保ちつつ、3−メルカプトプロピオン酸0.16mLを滴下した。反応溶液を加温し、150℃にて2時間攪拌後、反応溶液を室温に戻した。二相分離した有機層の上層を除去し、酢酸エチル200mlおよび水を加えて攪拌した。析出した結晶を濾取し、酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒にて再結晶を行った。ろ過することで化合物(A−2)を12g(25mmol)得た。化合物(A−2)の1H−NMRデータは下記の通りであった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ3.66ppm(tt、4H)、3.92ppm(t,4H)、4.84ppm(t,2H)、6.85ppm(d,4H)、7.11ppm(t,4H)、7.57−7.70ppm(m,3H)、7.76―7.89ppm(m,2H)、8.04−8.10ppm(m,1H)、8.15−8.25ppm(m,2H)
<P―4の合成>
(A−1)を(A−2)に代えた以外は、実施例1の<P−1の合成>と同様にして、構成単位として(a−2)を含むポリカーボネート樹脂(P−4)を得た。
(実施例5)
<A―11の合成>
2−フェノキシエタノールを3−メルカプトフェニルプロパノールに代えた以外は、実施例4の<A−2の合成>と同様にして、化合物(A−11)を合成した。
<P―5の合成>
(A−1)を(A−11)に代えた以外は、実施例1の<P−1の合成>と同様にして、構成単位として(a−11)を含むポリカーボネート樹脂(P−5)を得た。
(実施例6)
<P―6の合成>
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を仕込み、これに化合物(A−1)と、化合物(B−7)としてビスフェノールA(BPA)を70対30のモル比で溶解させ、少量のハイドロサルファイトと加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p−tert−ブチルフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後、有機相分取し、塩化メチレンを蒸発させて構成単位として(a−1)及び(b―7)を含むポリカーボネート樹脂(共重合体)(P−6)を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。
(実施例7)
<P―7の合成>
(B−7)を(B−19)に代えた以外は、実施例6の<P−6の合成>と同様にして、構成単位として(a−1)及び(b−19)を含むポリカーボネート樹脂(共重合体)(P−7)を得た。
(実施例8)
<P―8の合成>
(B−7)を(B−17)に代えた以外は、実施例6の<P−6の合成>と同様にして、構成単位として(a−1)及び(b−17)を含むポリカーボネート樹脂(共重合体)(P−8)を得た。
(比較例1)
特開2010−254806号公報の実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。特開2010−254806号公報の実施例1で用いた9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCF(B−18))及びビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド(HMPS(B−16))の構造は下記の通りである。
(比較例2)
特開2010−254806号公報の比較例3と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。特開2010−254806号公報の比較例3で用いたビスフェノールA(BPA(B−7))と9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPFL(B−17))の構造は下記の通りである。
(比較例3)
特許第401081号公報の実施例2と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。
(比較例4)
ビスフェノールA(BPA)を用いなかった以外は比較例2と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。
(成形体の作製)
実施例及び比較例で得たポリカーボネート樹脂を100℃で24時間乾燥した後、トリス(2,4−di−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.0025質量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.05質量%となるように添加し、均一に混合した。その後、ベント式単軸押出機を用いてペレット化した後、射出成形機((株)メイホー社製、Micro−1)を用いて射出成形した。射出成形では、シリンダー温度を360℃、金型温度を表2に示す温度として、厚さ1.0mm、幅10mm、長さ20mmの成形体を評価用成形体として成形した。
(評価)
<屈折率、アッベ数及び異常分散性>
評価用成形体の屈折率、アッベ数(νD)及び異常分散性(θgF)を、アッベ屈折計(カルニュー光学工業株式会社製)を用いて測定した。
νD=(nD−1)/(nF−nC)
θgF=(ng−nF)/(nF−nC)
ここで、nDは波長589nmにおける屈折率、nFは波長486nmにおける屈折率、nCは波長656nmにおける屈折率、ngは波長435.8nmでの屈折率を表す。表2の屈折率の欄には波長589nmにおける屈折率を示した。
なお、異常分散性(θgF)については、下記の基準で評価した。
L:θgF≦0.500
M:0.500<θgF<0.600
H:0.600≦θgF
<成形性(光学歪)>
評価用成形体を2枚の偏光板の間に挟み、直行ニコル法を用いて後ろからの光漏れを目視することで評価した。
A:光漏れがない
B:僅かに光漏れが認められる
C:光漏れが顕著である
表2より、本発明のポリカーボネート樹脂から成形された成形体のアッベ数は低く、かつ、高い異常分散性を示すことがわかる。さらに実施例のポリカーボネート樹脂から成形された成形体の屈折率は高く、光学歪の発生が少ないものであった。
一方、比較例のポリカーボネート樹脂から成形された成形体のアッベ数は高く、異常分散性も低下していた。また、比較例のポリカーボネート樹脂から成形された成形体の屈折率は低い傾向であった。
(複合レンズの作製)
実施例で得たポリカーボネート樹脂を100℃で24時間乾燥した後、トリス(2,4−di−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.0025質量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.05質量%となるように添加し、均一に混合した。その後、ベント式単軸押出機を用いてペレット化した後、表面が窒化クロム処理された成形金型に実施例で得られたポリカーボネート樹脂を射出し、樹脂の成形金型と接していない側のすべての表面上を覆うように透明なガラスレンズ(硝材=BK7、直径33mm、中心厚み3mm、樹脂と接する面の曲率半径=44.3mm、樹脂と接しない面の曲率半径=330.9mmである凸レンズ)を被せて、樹脂の直径が30mmとなるように押し広げた。その後、冷却した後、成形体と金型を引き離すことにより、複合レンズを作製した。

Claims (7)

  1. 下記一般式(2)で表される構成単位を含むポリカーボネート樹脂;
    一般式(2)中、R5〜R8はそれぞれ独立に置換基を表す;
    a〜dはそれぞれ独立に0以上であり、各環に置換可能な最大数以下の整数を表す;
    但し、dが2以上の整数である場合、複数のR8は同じであっても異なっていてもよく、複数のR8は互いに結合して環を形成してもよい;
    Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環を含むアリール基又は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含むヘテロアリール基を表す;
    1及びL2はそれぞれ独立に、炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜20のアリーレン基、又は炭素数が6〜20のヘテロアリーレン基を表す;
    1及びX2はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す;
    n1及びn2はそれぞれ独立に0〜10の整数を表す;
    Ar11及びAr12がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環基である場合は、R5、R6、−X1−[L1−O]n1−及び−X2−[L2−O]n2−はそれぞれ独立に、破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の縮合環に置換していてもよい。
  2. 下記一般式(11)で表される構成単位をさらに含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂;
    一般式(11)中、R11は炭素数が2〜8のアルキレン基、炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、炭素数が6〜40のアリーレン基、及び炭素数が6〜40のヘテロアリーレン基から選択される少なくとも1種を含む基である。
  3. 前記一般式(11)で表される構成単位中のR11が、下記構造(12)及び下記構造(13)から選択される少なくとも1種を含む請求項2に記載のポリカーボネート樹脂;
    構造(12)及び(13)中、*は、前記一般式(11)で表される構成単位の主鎖中の連結部位を表す。
  4. 前記ポリカーボネート樹脂の全構成単位に対して、一般式(2)で表される構成単位と一般式(11)で表される構成単位の総量が90モル%以上であり、
    一般式(2)で表される構成単位と一般式(11)で表される構成単位のモル比が40:60〜90:10である請求項2又は3に記載のポリカーボネート樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の成形体。
  6. 請求項5に記載の成形体を含む光学部材。
  7. 請求項5に記載の成形体を含むレンズ。
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