JP3445009B2 - インデノキノキサリン化合物及びそれを含有する電子写真感光体 - Google Patents

インデノキノキサリン化合物及びそれを含有する電子写真感光体

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JP3445009B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクセプター性化合物で
あるインデノキノキサリン化合物に関し、さらに本発明
は該インデノキノキサリン化合物を含有する電子写真感
光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層として、
セレン、セレン−テルル合金、酸化亜鉛などの無機光導
電性物質が広く用いられてきたが、近年、有機光導電性
物質を用いた電子写真感光体に関する研究が進み、その
一部は実用化されている。ここで実用化に至った感光体
のほとんどは、電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離し
た感光層からなる積層型電子写真感光体であり、これに
より無機光導電性物質からなる感光体と比較して劣って
いた感度及び感光体寿命の点で改善され、低コストで安
全性や多様性など有機光導電性物質の長所を生かした電
子写真感光体の設計が活発に行われるようになった。こ
の種の積層型電子写真感光体は、一般には導電性支持体
上に顔料、染料などの電荷発生物質からなる電荷発生
層、ヒドラゾン、ピラゾリンなど電荷輸送物質からなる
電荷輸送層を順に形成したもので、電子供与性である電
荷輸送物質の性質上、正孔移動型となり、感光体表面に
負帯電したとき感度を有する。ところが負帯電では帯電
時に用いるコロナ放電が正帯電に比べて不安定であり、
正帯電時の10倍程度のオゾン、窒素酸化物などを発生
し、感光体表面に吸着などし、物理的劣化や化学的劣化
を引き起こしやすく、さらに環境を悪くするという問題
がある。さらに他の問題は負帯電用感光体の現像には正
極性のトナーが必要となるが正極性のトナーは強磁性体
キャリア粒子に対する摩擦帯電系列から見て製造が困難
であり、二成分高抵抗磁気ブラシ現像方式においては、
負帯電トナー/現像剤の方が安定であり、選択と使用条
件の自由度も大きく、この点でも正帯電型感光体に適用
範囲は広く有利である。
【0003】そこで有機光導電性物質を用いる感光体を
正帯電で使用することが提案されている。例えば電荷発
生層上に電荷輸送層を積層して感光体を形成する際、前
記電荷輸送層に電子輸送能の大きい、例えば2,4,7
−トリニトロ−9−フルオレノン等が使用されている
が、その物質は発癌性があることが指摘されており、労
働衛生上極めて不適当である等の問題がある。また、電
子輸送化合物としては特開昭60−69657にはフル
オレニデンメタン化合物が、特開昭61−233750
にはアントラキノジメタン及びアンロン誘導体が使用さ
れているが、これらはともに繰返し特性に問題があり、
特開平5−25136にはナフタレンジカルボン酸イミ
ド化合物が、特開平5−25174にはナフタレンテト
ラカルボン酸ジイミド化合物が使用されているが、これ
らはともに感度が不十分であり、また、バインダ樹脂と
の相溶性が悪い等、改善すべき問題点がある。さらに正
帯電感光体として米国特許3,615,414号には、
チアピリリウム塩(電荷発生物質)をポリカーボネート
(バインダ樹脂)と共晶錯体を形成するように含有させ
たものが示されている。しかしこの公知の感光体では、
メモリ現象が大きく、ゴーストも発生し易いという欠点
がある。
【0004】そこで光照射時、正孔及び電子を発生する
電荷発生物質を含有する電荷発生層を上層(表面層)と
し、正孔輸送能を有する電荷輸送物質を含む電荷輸送層
を下層とする積層構成の感光層を有する感光体を正帯電
用として使用可能と考えられる。しかしながら、前記正
帯電用感光体は電荷発生物質を含む層が表面層として形
成されるため、光照射時特に紫外線等の単波長光照射、
コロナ放電、湿度、機械的摩擦等の外部作用に脆弱な電
荷発生物質が前記表面層近傍に存在することになり、感
光体の保存中及び像形成の過程で電子写真性能が劣化
し、画質が低下するようになる。従来の電荷輸送層を表
面層とする負帯電用感光体においては、前記各種の外部
作用の影響は極めて少なく、むしろ前記電荷輸送層が下
層の電荷発生層を保護する作用を有している。そこで例
えば絶縁性かつ透明な樹脂からなる薄い保護層を設け、
前記電荷発生物質を含む層を外部作用から保護すること
が考えられるが、光照射時発生する電荷がその保護層で
ブロッキングされて光照射効果が失われてくるし、また
表面層となる保護層の膜厚が大きい場合には感度低下を
招くことになる。
【0005】このように正帯電用感光体を得るための試
みが種々行われているが、いずれも光感度、メモリ現象
または労働衛生等の点で改善すべき多くの問題点があ
る。又、このような電子写真感光体において導電性基板
上に直接感光層を設けた場合、導電性基板の欠陥、即ち
傷、不純物、腐食物といった表面欠陥が画像にそのまま
反映し、黒ポチや白抜けという異常画像の原因となる場
合が多い。特に機能分離型感光体におけるCGLは通常
数μm以下の薄膜にする必要があり、基板表面の欠陥を
拾いやすく、塗膜欠陥が生じやすく、生産性を低下させ
ている。また、導電性基板と感光層との接着性が悪い場
合も多くみられ、小さな感光層の傷から全体が剥がれて
しまう場合もある。
【0006】それらを防止する目的で、多くの感光体で
はバリヤー層、接着層として導電性基板と感光層との間
に下引層を設けている。下引層としては主に絶縁性高分
子材料がサブミクロンの膜厚の薄膜で設けられている
が、絶縁性であるため、感度の低下、残留電位の増加を
引き起こすという致命的な欠点を有している。これらを
防ぐ目的で種々の方法が提案されている。一つは下引層
中に無機導電性フィラーを分散させる方法、また一つは
イオン導電性高分子を下引層中に含有させる方法、また
一つはアクセプター性の電子輸送物質を下引層中に含有
させる方法である。無機導電性フィラーとしては酸化チ
タンや酸化スズが用いられるが(特公昭63−1986
9号)、これらは下引層塗布液中に分散させる必要があ
り、その分散液の調整や、ポットライフに技術的な困難
を伴う。イオン導電性高分子としては、例えば可溶性ナ
イロン、ポリアミド等の高分子が用いられるが(特開昭
52−25638号、特開昭58−30757号)、導
電率が低いため問題点を解消するには至っていない。さ
らにこれらにアクセプター性の電子輸送物質を含有させ
るのが3番目の方法であり、例えばトリニトロフルオレ
ノン、テトラシアノキノジメタン等のアクセプター性化
合物が用いられるが、これらは安全性、安定性、相溶性
等に問題がある。このように下引層を設けた場合、感
度、耐久性の低下という重要な問題点が残されており、
これらを改良した高性能な電子写真用感光体の開発が当
該技術分野で強く要望されているのが実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は導電性
支持体とその上に形成された感光層を必須の構成要素と
し、高感度で耐久性がよく、又、画像欠陥の生じにくい
下引層を有する電子写真感光体を提供することである。
特にバインダ樹脂との相溶性のよい高性能なアクセプタ
ー性化合物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねてきた結果、特定の一群の
化合物を合成するにいたり、本発明を完成した。すなわ
ち、本願の発明は、次のとおりである。 (1)導電性支持体とその上に設けた感光層を必須の構
成要素とする電子写真感光体において、該感光層を少な
くとも電荷発生物質、電荷輸送物質を必須成分とする単
一の層で構成し、該電荷輸送物質として下記一般式
(I)で表わされるインデノキノキサリン化合物を少な
くとも一種を含有させたことを特徴とする電子写真感光
体。 (2)導電性基板上に電荷発生層(CGL)、正孔輸送
能を有するドナー性化合物を含有する電荷輸送層(CT
L)を順次積層して構成される機能分離型電子写真用感
光体において、該導電性基板と該CGLの間に下記一般
式(I)で表わされるインデノキノキサリン化合物を含
有する下引層を設けたことを特徴とする電子写真用感光
体。
【0009】
【化3】
【0010】ここで、式中、R1は同一又は異なる、ハ
ロゲン原子、ニトロ基又は置換又は無置換のアルキル基
を表わす。Xは下式(II)および(III)で表わされる
基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を表わ
す。 =N−R2 (II)
【0011】
【化4】
【0012】(前記(II)において、R2は置換又は無
置換のフェニル基、又は置換又は無置換のナフチル基を
表わす。前記(III)において、R3及びR4は同一又は
異なる、水素原子、シアノ基、置換又は無置換のアルコ
キシカルボニル基、置換又は無置換のフェノキシカルボ
ニル基、置換又は無置換のフェニル基を表わす。nは0
〜4の整数を表わす。)これら置換基について、を挙
げて説明する。
【0013】本発明の前記一般式(I)中、R1のアル
キル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、オクチル基等で、好ましくはメチル基を挙
げることができ、その置換基として、メトキシ基、エト
キシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子等のハロゲン原子等で、好ましくはフッ素原子を挙
げることができる。前記一般式(I)中、R3及びR4
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、プロピキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基、ペントキシカルボニル基、ヘキ
ソキシカルボニル基、ヘプトキシカルボニル基、オクト
キシカルボニル基等で、好ましくはブトキシカルボニル
基、ヘキソキシカルボニル基、オクトキシカルボニル基
等を挙げることができ、その置換基としてメトキシ基、
エトキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子等のハロゲン原子、ビニル基、フェニル基等を
挙げることができる。
【0014】前記一般式(I)中、R2,R3及びR4
フェニル基、又はフェノキシカルボニル基の置換基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基
等の置換アルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアル
コキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲ
ン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル
基、シアノ基、ニトロ基等で、好ましくはメチル基、イ
ソプロピル基、トリフルオロメチル基等を挙げることが
できる。本発明の一般式(I)で表わされるインデノキ
ノキサリン化合物の具体例を、表1〜3に示すが、これ
らに限定されるものではない。表1はXが=Oであるも
のであり、表2はXが=N−R2であるものであり、表
3はXが=C(R3)(R4)であるものである。
【0015】
【化5】
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】
【表7】
【0023】
【表8】
【0024】
【表9】
【0025】
【表10】
【0026】
【表11】
【0027】
【表12】
【0028】
【表13】
【0029】
【表14】
【0030】次に一般式(I)で表わされるインデノキ
ノキサリン化合物の一般的な製造方法について説明す
る。これらインデノキノキサリン化合物を製造するため
の反応式を図1に示す。まず、構造式(IV)のニンヒド
リンと、一般式(V)のo−フェニレンジアミン化合物
(式中のR1、nは前記と同義を有する)を加熱反応す
ることによって一般式(I’)のインデノキノキサリン
化合物を得ることができる。反応は通常無溶媒かメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢
酸、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、あるい
はN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒、あるい
はベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、あるいは
キシレン等の芳香族溶媒中で行うことができる。反応温
度は室温〜150℃、好ましく室温〜100℃で行われ
る。
【0031】次に一般式(I’)のインデノキノキサリ
ン化合物と一般式(VI)のアミン化合物(式中のR2
前記と同義を有する)とを酸性触媒下で反応することに
よって、一般式(I’)のインデノキノキサリン化合物
を得ることができる。使用される酸性触媒としては、酢
酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、硫酸等の無機
酸、塩化亜鉛、四塩化チタン等のルイス酸を挙げること
ができる。反応は通常無溶媒かジクロロメタン、クロロ
ホルム、あるいは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン
系溶媒、二硫化炭素、あるいはクロロベンゼンあるいは
ニトロベンゼン等の芳香族溶媒中で行うことができる。
反応温度は室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃
で行われる。
【0032】また、一般式(I’)のインデノキノキサ
リン化合物と一般式(VII)のメチレン化合物(式中の
3,R4は前記の意味を有する)とを酸性、塩基性の両
触媒下で反応することによって、一般式(I''')のイ
ンデノキノキサリン化合物を得ることができる。使用さ
れる酸性触媒としては、酢酸、p−トルエンスルホン酸
等の有機酸、硫酸等の無機酸、塩化亜鉛、四塩化チタン
等のルイス酸を挙げることができる。塩基性触媒として
は、ピリジン、ピペリジン、N−メチルモルホリン、あ
るいはトリエチルアミン等の有機塩基、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、あるいは酢酸アンモニウム等の酢酸
塩、苛性ソーダ、あるいは苛性カリウム、あるいは炭酸
カリウム等の無機塩基、ナトリウムメチラート、ナトリ
ウムエチラート、あるいはt−ブトキシカリウム等の金
属アルコラートを挙げることができる。反応は通常無溶
媒かジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロ
ゲン系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメ
チルホルムアミド等の極性溶媒で行うことができる。ま
た本発明のインデノキノキサリン化合物は、電子写真感
光体に使用できるばかりでなく、太陽電池、有機EL素
子などの電子デバイスとしてエレクトロニクス分野で好
適に使用することができる。次に本発明の電子写真感光
体の構成を図面によって説明する。
【0033】電子写真感光体としては例えば図2に示す
ように支持体1(導電性支持体またはシート上に導電層
を設けたもの)上に電荷発生物質と必要に応じてバイン
ダ樹脂を含有する層(電荷発生層)2を下層とし、電荷
輸送物質と必要に応じてバインダ樹脂を含有する層(電
荷輸送層)3を上層とする積層構成の感光層4を設けた
もの、図3に示すように図2の感光体層4の上に保護層
5を設けたもの、及び図4に示すように支持体上に電荷
発生物質と電荷輸送物質と必要に応じてバインダ樹脂を
含有する単層構成の感光体層6を設けたもの、等が挙げ
られるが、図4の単層構成の感光体6の上層に保護層が
設けられてもよく、また支持体と感光層の間に中間層が
設けられてもよい。
【0034】本発明に使用する電荷発生物質としては、
可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、
無機物質及び有機物質のいずれをも用いることができ
る。例えば無定形セレン、三方晶系セレン、セレン−砒
素合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、セレン
化カドミウム、硫セレン化カドミウム、硫化水銀、酸化
鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機物質、或い
はビスアゾ系色素、ポリアゾ系色素、トリアリールメタ
ン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キサン
テン系色素、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリ
ウム系色素、キナクリドン系色素、インジゴ系色素、ペ
リレン系色素、多環キノン系色素、ビスベンズイミダゾ
ール系色素、インダンスロン系色素、スクアリリウム系
色素、アントラキノン系色素、及びフタロシアニン系色
素等の有機物質が挙げられる。本発明において感光層に
使用可能なバインダ樹脂としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、
塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ピリエステル樹脂、ア
ルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、
メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮
合型樹脂、並びにこれらの樹脂の繰返し単位のうち2つ
以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニル
カルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0035】次に前記感光体層を支持する導電性支持体
としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金属
ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、酸化イン
ジウムなどを蒸着したプラスチックフィルム或いは導電
性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルムまた
はドラムを使用することができる。本発明に係る感光体
を電荷発生層と電荷輸送層の積層構成で形成する場合、
即ち、前述の図2及び図3の場合、本発明の電荷輸送物
質は、適当な溶媒に単独もしくは適当なバインダ樹脂と
ともに溶解もしくは分散せしめたものを塗布して乾燥さ
せる方法により設ける。電荷輸送層に用いられる溶媒と
しては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、トルエ
ン、キシレン、モノクロルベンゼン、1,2−ジクロル
エタン、ジクロルメタン、1,1,1−トリクロルエタ
ン、1,1,2−トリクロルエタン、トリクロロエチレ
ン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることが
できる。この電荷輸送層中、電荷輸送物質がバインダ樹
脂に含有される割合は、バインダ樹脂100重量部に対
して電荷輸送物質が20〜200重量部とされる。この
時の電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜50μm、特
に好ましくは5〜30μmである。
【0036】電荷発生層は電荷発生物質を導電性支持体
上に真空蒸着するか、或いは適当な溶媒に単独もしくは
適当なバインダ樹脂と共に溶解もしくは分散せしめたも
のを導電性支持体上に塗布、乾燥して電荷輸送物質と同
様に形成することができる。上記電荷発生物質を分散せ
しめて電荷発生層を形成する場合、その電荷発生物質は
2μm以下、好ましくは1μm以下の平均粒径の粉粒体
とするのが好ましい。すなわち、粒径があまりに大きい
と層中への分散が悪くなると共に、粒子が表面に一部突
出して表面の平滑性が悪くなり、場合によっては粒子の
突出部分で放電が生じたり或いはそこにトナー粒子が付
着してトナーフィルミング現象が生じやすい。ただし、
前記の粒径があまりに小さいと却って凝集しやすく、層
の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度及び繰返し
特性が低下したり、或いは微細化する上で限界があるか
ら、平均粒径の下限を0.01μmとするのが好まし
い。電荷発生層は次の如き方法によって設けることがで
きる。すなわち、電荷発生物質はボールミル、ホモミキ
サー等によって分散媒中で微細粒子とし、バインダ樹脂
を加えて混合分散して得られる分散液を塗布する方法で
ある。この方法において超音波の作用下に粒子を分散さ
せると、均一分散が可能である。また電荷発生層中、電
荷発生物質がバインダ樹脂に含有される割合は、バイン
ダ樹脂100重量部に対して20〜200重量部とされ
る。以上のようにして形成される電荷発生層の膜厚は、
好ましくは0.01〜10μm、特に好ましくは0.1
〜5μmである。
【0037】次に本発明の感光体を単層構成で形成する
場合、即ち図3の場合、電荷発生物質及び電荷輸送物質
がバインダー樹脂に含有される割合は、バインダ樹脂1
00重量部に対して電荷発生物質は20〜200重量
部、電荷輸送物質は20〜200重量部とされる。この
単層構成の感光体の膜厚は7〜50μm、さらに好まし
くは10〜30μmである。また、前記中間層は接着層
またはバリヤ層等として機能するもので、上記のバイン
ダ樹脂のほかに、例えばポリビニルアルコール、エチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水
マレイン酸共重合体、カゼイン、N−アルコキシメチル
ナイロン等の樹脂をそのまま、または酸化スズあるいは
インジウムなどを分散させたもの、酸化アルミニウム、
酸化亜鉛、或いは酸化ケイ素などの蒸着膜等が用いられ
る。中間層の膜厚は1μm以下が望ましい。また、前記
保護層に用いられる材料としては、前述の樹脂をそのま
ま使用するか、または酸化スズや酸化インジウムなどの
低抵抗物質を分散させたものが適当である。また、有機
プラズマ重合膜も使用でき、その有機プラズマ重合膜は
必要に応じて適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期率表の第
III族、第V族原子を含んでもよい。
【0038】一般式(I)で表わされるインデノキノキ
サリン化合物を電子写真感光体の下引層として用いる場
合には、図5及び図6に示されるように、導電層1と電
荷発生層2との間に下引層7を設ける。以下、下引層と
して用いる場合を説明する。前記一般式(I)で示され
るインデノキノキサリン化合物は電子輸送能を有し、多
くの溶剤に可溶である。このような溶剤としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の
芳香族系溶剤、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸エチル等のエステル系溶
剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン系溶剤、ジエチルエ−テル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、及
びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルホキシド等が挙げられる。
【0039】本発明の電子写真用感光体は導電性基板上
に好ましくは前記一般式(I)で示されるインデノキノ
キサリン化合物を結着樹脂中に含有させた下引層を設
け、次いで電荷発生層、電荷輸送層を順次積層すること
により作製される。本発明の下引層に使用される結着樹
脂は、特に限定されることはなく、例えばポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、弗
化ビニリデン樹脂、シリコーン樹脂、繊維素系樹脂、シ
アノエチルプルラン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等の付加重合型樹脂、重
付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの繰返し単位
のうち2つ以上を含む共重合体樹脂等が挙げられ、単独
もしくは2種以上のものを混合して用いることができ
る。
【0040】下引層に用いられる場合の、一般式(I)
で示される化合物の使用量はこれらの結着樹脂に対して
1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%である。1
重量%以下であると効果が少なく、また50重量%以上
だと帯電性が悪くなる。下引層の膜厚は0.1〜2.0
μmが好ましい。本発明の電荷発生層は電荷発生物質を
結着樹脂に分散し塗布するか、蒸着することにより設け
ることができる。電荷発生物質としては、ビスアゾ色
素、トリスアゾ色素、フタロシアニン色素、キナクリド
ン色素、ペリレン色素、多環キノン色素、インジゴ色
素、シアニン色素、ピリリウム色素、ビスベンズイミダ
ゾール色素、インダンスロン色素、トリアリールメタン
色素、チアジン色素、オキソジン色素、スクアリリウム
色素、アントラキノン色素、キサンテン色素等の有機色
素、セレン、セレン合金、硫化カドミウム、硫セレン化
カドミウム、アモルファスシリコン等の無機化合物が挙
げられ、結着樹脂とともに用いる場合は、電荷発生物質
100重量部に対して結着樹脂は10〜400重量部、
好ましくは25〜100重量部である。また、電荷発生
層の膜厚は0.05〜10μm、好ましくは0.1〜2
μmである。
【0041】本発明の電荷輸送層は少なくとも正孔輸送
物質、及び結着樹脂とからなり、必要に応じ、添加剤を
加えることができる。正孔輸送物質としては、分子中に
トリフェニルアミン部位を有する化合物、ヒドラゾン化
合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化合物、
オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、カルバ
ゾール基を含む化合物、スチリル化合物、ブタジエン化
合物、ポリシラン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ピレン−ホルマリン縮合物等のドナー性化合物を単
独もしくは複数で使用することができる。電荷輸送層の
構成は、結着樹脂100重量部に対して、正孔輸送物質
は25〜400重量部、好ましくは50〜200重量部
である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜60μm、好ま
しくは10〜30μmである。また、必要に応じて用い
られる添加剤としては、消泡剤、酸化防止剤、接着補助
剤、可塑剤等を挙げることができる。
【0042】電荷発生層及び電荷輸送層の結着樹脂は下
引層で使用される樹脂を使用することができる。本発明
の電子写真用感光体は公知の塗布方法、例えばディッピ
ングコーター、カレンダーコーター、キスコーター、グ
ラビアコーター、ブレードコーター、スプレーコータ
ー、スピンコーター等で作製することができる。
【0043】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、これ
により本発明の実施の態様が限定されるものではない。
なお、本発明のインデノキノキサリン化合物の実施例は
「合成例」とし、電子写真感光体の「実施例」とは区別
した。 合成例1〔一般式(I’)の化合物の合成、化合物No.
I’−4〕 市販のニンヒドリン17.81gをブタノール600m
lに溶解し、撹拌しながら市販の4,5−ジクロロ−
1,2−フェニレンジアミン17.70gを加え、3時
間加熱還流した後、室温まで放冷した。析出した結晶を
濾別し、得られた粗製の目的物をモノクロロベンゼンに
より再結晶して純粋な目的物27.03gを得た。融点
272.1〜273.2℃。また、この化合物の赤外線
吸収スペクトル図を図5に示す。
【0044】合成例2〔一般式(I'')の化合物の合
成、化合物No.I''−43〕 合成例1で得られた化合物No.I’−4を9.03g
と、市販のo−イソプロピルアニリン8.11gとを、
ジクロロメタン260mlに溶解し、氷冷撹拌下で四塩
化チタン11.38gを10分を要して滴下し、更に室
温で4時間撹拌した。反応後、氷水中に注ぎクロロホル
ムで抽出し、更にクロロホルム層は中性になるまで水洗
した。クロロホルム層は硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去し、次いで残渣に対しクロロホルムを展
開溶媒としたカラムクロマトグラフィー処理を行い、得
られた粗製の目的物をブタノールから再結晶して純粋な
目的物7.45gを得た。融点187.1〜188.0
℃。また、この化合物の赤外線吸収スペクトル図を図6
に示す。
【0045】合成例3〔一般式(I''')の化合物の合
成、化合物No.I'''−82〕 合成例1で得られた化合物No.I’−4を3.01g
と、市販のシアノ酢酸−n−ブチル2.82gとを、ジ
クロロメタン100mlに溶解し、氷冷撹拌下で四塩化
チタン3.79gを10分を要して滴下し、更に市販の
N−メチルモルホリン2.02gを10分を要して滴下
した。さらに室温で4時間撹拌反応後、氷水中に注ぎ、
クロロホルムで抽出し、更にクロロホルム層は中性にな
るまで水洗した。クロロホルム層は硫酸マグネシウムで
乾燥した後、溶媒を留去し、次いで残渣に対しクロロホ
ルムを展開溶媒としたカラムクロマトグラフィー処理を
行い、得られた粗製の目的物をブタノールから再結晶し
て純粋な目的物3.18gを得た。融点181.0〜1
89.5℃。また、この化合物の赤外線吸収スペクトル
図を図7に示す。 合成例4〔一般式(I''')の化合物の合成〕 合成例3と同様の方法で、種々の一般式(I''')の純
粋な化合物を得た。以上のようにして得られた化合物の
融点及び元素分析結果を表4に示す。
【0046】
【表15】
【0047】参考例1 下記化学式(P−1)で表わされるビスアゾ色素5部、
ブチラール樹脂(デンカブチラール樹脂#3000−
2:電気化学工業(株)製)2.5部、及びテトラヒド
ロフラン92.5部をボールミルにて12時間分散さ
せ、次にテトラヒドロフランを2重量%の分散液濃度に
なるように加え、再分散させて塗布液を調整した。調整
した分散液をアルミニウムを蒸着した100μm厚のポ
リエステルフィルム上にドクターブレードにて流延塗布
し、乾燥後の膜厚が1.0μmの電荷発生層を形成し
た。
【0048】
【化6】
【0049】このようにして得られた電荷発生層上に、
例示化合物(化合物No.I’−43)6部、ポリカーボ
ネート樹脂〔K−1300:帝人化成(株)製〕10
部、メチルフェニールシリコン〔KF50−100cp
s:信越化学工業(株)製〕0.002部、及びテトラ
ヒドロフラン94部からなる処方の塗布液を調整し、ド
クダーブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が20.
0μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極/電荷
発生層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光体
(感光体No.1)を作成した。
【0050】参考例2〜5参考例 1の例示化合物(化合物No.I’−43)の代わ
りに、例示化合物中の化合物No.I'''−11、化合物
No.I'''−57、化合物No.I'''−74、化合物No.
I'''−82を用いること以外は参考例1と同様の方法
で感光体No.2、感光体No.3、感光体No.4、感光体
No.5を作成した。参考例 6 化学式(P−1)で表わされるビスアゾ色素5部の代り
に、下記化学式(P−2)で表わされるトリスアゾ色素
6部を用いること以外は参考例1と同様の方法で電荷発
生層を作成した。
【0051】
【化7】
【0052】このようにして得られた電荷発生層上に、
例示化合物(化合物No.I''−43)6部、ポリカーボ
ネート樹脂〔K−1300:帝人化成(株)製〕10
部、メチルフェニールシリコン〔KF50−100cp
s:信越化学工業(株)製〕0.002部、及びテトラ
ヒドロフラン94部からなる塗布液を調整し、実施例1
と同様の方法で乾燥後の膜厚が20.0μmの電荷輸送
層を形成し、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送
層で構成される積層型電子写真感光体(感光体No.6)
を作成した。
【0053】参考例7〜10参考例 6の例示化合物(化合物No.I''−43)の代わ
りに、例示化合物中の化合物No.I'''−11、化合物
No.I'''−57、化合物No.I'''−74、化合物No.
I'''−82を用いること以外は参考例6と同様の方法
で感光体No.7、感光体No.8、感光体No.9、感光体
No.10を作成した。
【0054】参考例11 X型無金属フタロシアニン(P−3)5部、ポリビニル
ブチラール樹脂(エスレックスBLS:積水化学製)5
部、及びテトラヒドロフラン90部をボールミルにて1
2時間分散させ、次にテトラヒドロフランを2重量%の
分散液濃度になるように加え、正分散させた塗布液を調
整した。このように調整した塗布液をアルミニウムを蒸
着した100μm厚のポリエステルフィルム上にドクタ
ーブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が0.5μm
の電荷発生層を形成した。このようにして得られた電荷
発生層上に、例示化合物(化合物No.I''−43)6
部、ポリカーボネート樹脂〔K−1300:帝人化成
(株)製〕10部、及びテトラヒドロフラン94部から
なる処方の塗布液を調整し、ドクターブレードにて流延
塗布し、乾燥後の膜厚が20.0μmの電荷輸送層を形
成し、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層で構
成される積層型電子写真感光体を形成した。
【0055】参考例12〜15,23〜26参考例 11(例示化合物No.I''−43)の代わりに、
例示化合物中の化合物No.I'''−11、化合物No.
I'''−57、化合物No.I'''−74、化合物No.
I'''−82、I'''−89、I'''−91、I'''−8
3、I'''−84を用いること以外は実施例11と同様
の方法で感光体No.12、感光体No.13、感光体No.
14、感光体No.15、感光体No.25、感光体No.2
6、感光体No.27、感光体No.28を作成した。以上
のようにして得られた電子写真感光体について、静電複
写紙試験装置(SP−42:川口電気製作所)を用いて
+6KVのコロナ帯電を施して、正帯電した後、20秒
間暗所に放置し、その時の表面電位Voを測定し、次い
でタングステンランプを用いて表面の照度が40ルック
スになるように光照射し、半減露光量E1/2(lux・
sec)を測定した。その結果を表5に示す。
【0056】
【表16】
【0057】参考例16 前記化合物(P−1)0.09g、ポリカーボネート樹
脂(PC−Z:帝人化成製)の10wt%テトラヒドロ
フラン溶液15g、下記に示すドナー性化合物(D−
1)0.9g、例示化合物(化合物No.I'''−11)
0.6g、シリコンオイル(KF50:信越化学製)の
1wt%テトラヒドロフラン溶液0.3g、ボールミル
ポットに計り取り、24時間ボールミリングし、塗布液
を作成した。作成した塗布液を、アルミニウムを蒸着し
た100μm厚のポリエステルフィルム上にドクターブ
レードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が約20μmの単
層型電子写真感光体(感光体No.16)を作製した。
【0058】
【化8】
【0059】参考例17〜18参考例 16の例示化合物(化合物No.I'''−11)の
代わりに、例示化合物中の化合物No.I'''−57、化
合物No.I'''−74を用いること以外は参考例16と
同様の方法で感光体No.17、感光体No.18を作成し
た。
【0060】比較例1 本発明のアクセプター性化合物を加えないこと以外は
考例16と同様にして単層型電子写真感光体(感光体N
o.19)を作成した。以上のようにして得られた電子写
真感光体について、静電複写紙試験装置(川口電気製作
所:SP−428)を用いて、+6KVのコロナ放電を
施して、正帯電した後、20秒間暗所に放置し、その時
の表面電位Voを測定し、次いでタングステンランプを
用いて表面の照度が40luxになるように光照射し、
半減露光量E1/2(lux・sec)、及び光照射30
秒後の表面電位Vrを測定した。次に5000回上記の
操作を繰り返した後のVO,E1/2,Vrを測定し、その
結果を表6に示す。
【0061】
【表17】
【0062】実施例1 X型無金属フタロシアニン0.5gをポリカーボネート
Z(PC−Z、帝人化成社製)溶液10g(テトラヒド
ロフラン中に10重量%の濃度になるように溶解したも
の)、テトラヒドロフラン9gとともにボールミリング
した後、顔料組成2重量%、PC−Z組成が50重量
%、インデノキノキサリン例示化合物(化合物No.
I'''−11)が20重量%、ドナー性化合物(D−
1)が28%となるように10重量%のポリカーボネー
トZ溶液、インデノキノキサリン化合物、ドナー性化合
物(D−1)を加え、十分に撹拌し、感光層形成液を調
整した。このようにして調製した塗布液をアルミニウム
を1000Åの厚さに蒸着した75μm厚のポリエステ
ルフィルム上にドクターブレードにて塗布し、乾燥後の
膜厚が15μmの感光層を有する単層型電子写真用感光
体(感光体No.20)を作製した。実施例2〜4 実施例1 においてインデノキノキサリン化合物を化合物
No.I'''−83,I’−2,I''−3の化合物に代え
た以外は実施例1と同様の条件で感光体No.21,感光
体No.22及び感光体No.23を作製した。
【0063】比較例2 実施例19においてインデノキノキサリン化合物を除い
た以外は実施例19と同様の条件で感光体(感光体No.
24)を作製した。以上のようにして作製した電子写真
用感光体を川口電機(株)製の静電複写紙試験装置(S
P−484)を用い、+6KVのコロナ放電を20秒間
行って帯電せしめた後の表面電位Vs(V)、次いで2
0秒間暗減衰させ、その時の表面電位Vo(V)、及
び、その時点から感光体表面の照度が20ルックスにな
るようにしてタングステン光を照射し、Voが1/2に
なるのに要する露光量E1/2(ルックス・秒)、光照射
30秒後の表面電位Vr(V)を測定した。測定結果を
表7に示す。
【0064】
【表18】
【0065】表7より本発明の電子写真用感光体は単層
型で用いても感度、帯電性に優れた特性を示すことがわ
かる。
【0066】実施例5 前記例示化合物No.I'''−11 1g、ナイロン樹脂
〔CM8000 東レ(株)製〕5gをエチルアルコー
ル94gに溶解し、アルミニウムを1000Åの厚さに
蒸着した75μm厚のポリエステルフィルム上にドクタ
ーブレードにて塗布し、乾燥後の膜厚が0.5μmの下
引層を設けた。次に下記構造式(P−4)のビスアゾ顔
料1gをブチラール樹脂〔エスレックBL−S積水化学
(株)製〕の5重量%テトラヒドロフラン溶液10g及
びテトラヒドロフラン9gとともにボールミリングし、
ミリング後テトラヒドロフランを加え2重量%に希釈
し、下引層上にドクターブレードにて塗布し、乾燥後の
膜厚が1.0μmの電荷発生層を設けた。次に下記構造
式(D−1)の正孔輸送物質であるトリフェニルアミン
系化合物6g、ポリカーボネートZ〔帝人化成(株)
製〕9g、シリコンオイル〔KF50 信越化学(株)
製〕0.009gをテトラヒドロフラン85gに溶解
し、電荷発生層上に塗布し、乾燥後の膜厚が20μmの
電荷輸送層を設け、導電性基板上に下引層、電荷発生
層、電荷輸送層を順次積層した電子写真用感光体を作製
した。
【0067】
【化9】
【0068】実施例6 下引層に含有させる化合物である前記例示化合物No.
I'''−11を例示化合物No.I'''−83に代えた以外
実施例5と同様の条件で電子写真用感光体を作製し
た。実施例7〜9 下引層に含有させる化合物である前記例示化合物No.
I'''−11を例示化合物No.I'''−88、I’−2、
I''−3に代え、電荷発生物質としてX型無金属フタロ
シアニン〔Fastogen Blue 8120BS
大日本インキ(株)製〕を用いた以外は実施例5と同様
の条件で電子写真用感光体を作製した。
【0069】比較例3 下引層を設けない以外は実施例27と同様の条件で電子
写真用感光体を作製した。このようにして作製した電子
写真用感光体を川口電機(株)製の静電複写紙試験装置
(SP−428)を用い、−6KVでコロナ放電を20
秒間行って帯電し、さらに20秒間暗減衰させ、その後
感光体表面の照度が20ルックスになるようにタングス
テン光を30秒間照射した。以上の条件で連続500回
の測定を行い、20秒間帯電後の表面電位Vs(V)、
20秒間暗減衰後の表面電位Vo(V)、Voが1/10
になるのに要する露光量E1/10(ルックス・秒)及び3
0秒間露光後の表面電位V30(V)を測定した。測定結
果を表8に示す。
【0070】
【表19】
【0071】
【発明の効果】本発明に係るインデノキノキサリン化合
物は、比較的簡単で効率の良い方法により製造すること
ができ、バインダ樹脂中で優れた溶解性または分散性を
有する。また、該インデノキノキサリン化合物を含有す
る電子写真感光体は、高感度、高耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物の合成経路を示す図である。
【図2】本発明に係る感光体の断面図である。
【図3】本発明に係る別の感光体の断面図である。
【図4】本発明に更に係る別の感光体の断面図である。
【図5】本発明に係る別の感光体の断面図である。
【図6】本発明に係る別の感光体の断面図である。
【図7】合成例1で得られたインデノキノキサリン化合
物(化合物No.I−4)の赤外線吸収スペクトル図であ
る。
【図8】合成例2で得られたインデノキノキサリン化合
物(化合物No.I''−43)の赤外線吸収スペクトル図
である。
【図9】合成例1で得られたインデノキノキサリン化合
物(化合物No.I'''−82)の赤外線吸収スペクトル
図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 感光層(積層構成) 5 保護層 6 感光層(単層構成) 7 下引層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−198423 (32)優先日 平成6年8月23日(1994.8.23) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 小島 明夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−146049(JP,A) 特開 平6−298744(JP,A) 特開 昭54−39635(JP,A) 特開 昭52−109938(JP,A) 特開 昭52−52638(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 241/36 C09B 57/00 G03G 5/05 104 G03G 5/06 315 G03G 5/14 101 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体とその上に設けた感光層を
    必須の構成要素とする電子写真感光体において、該感光
    層を少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質を必須成分
    とする単一の層で構成し、該電荷輸送物質として下記一
    般式(I)で表わされるインデノキノキサリン化合物を
    少なくとも一種を含有させたことを特徴とする電子写真
    感光体。 【化1】 〔式中、R1は同一又は異なる、ハロゲン原子、ニトロ
    基又は置換又は無置換のアルキル基を表わす。Xは下式
    (II)および(III)で表わされる基よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の基を表わす。=N−R2 (II) 【化2】 (前記(II)において、R2は置換又は無置換のフェニ
    ル基、又は置換又は無置換のナフチル基を表わす。前記
    (III)において、R3及びR4は同一又は異なる、水素
    原子、シアノ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニ
    ル基、置換又は無置換のフェノキシカルボニル基、置換
    又は無置換のフェニル基を表わす。nは0〜4の整数を
    表わす。)
  2. 【請求項2】 導電性基板上に電荷発生層(CGL)、
    正孔輸送能を有するドナー性化合物を含有する電荷輸送
    層(CTL)を順次積層して構成される機能分離型電子
    写真用感光体において、該導電性基板と該CGLの間に
    請求項1記載の一般式(I)で表わされるインデノキノ
    キサリン化合物を含有する下引層を設けたことを特徴と
    する電子写真用感光体。
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