JPH07258236A - α−シアノスチルベン化合物及びそれを含有する電子写真感光体 - Google Patents

α−シアノスチルベン化合物及びそれを含有する電子写真感光体

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JPH07258236A
JPH07258236A JP5042794A JP5042794A JPH07258236A JP H07258236 A JPH07258236 A JP H07258236A JP 5042794 A JP5042794 A JP 5042794A JP 5042794 A JP5042794 A JP 5042794A JP H07258236 A JPH07258236 A JP H07258236A
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JP
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Application number
JP5042794A
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English (en)
Inventor
Kaoru Teramura
薫 寺村
Masayuki Shiyoji
正幸 所司
Akio Kojima
明夫 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アクセプター性化合物として電子写真感光体
に用いられる新規化合物を提供する。 【構成】 下記式(I)で表わされるα−シアノスチル
ベン化合物、及びこれを感光層に含む電子写真感光体。 (式中、Rは水素原子、置換又は無置換アルキル基、
アルコキシ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル
基、置換又は無置換のアシル基、置換又は無置換のスル
ホニル基、置換又は無置換のスルホンアミド基、置換又
は無置換のカルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、
ニトロ基を表わし、またRは環を形成しても良い。X
は0又はS原子を表わす。Rは置換又は無置換のフェ
ニル基、置換又は無置換の多環芳香族基、あるいは置換
又は無置換の複素環基を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なα−シアノスチル
ベン化合物に関するものであり、本発明の化合物は新規
なアクセプター性化合物として複写機、プリンター等の
電子写真感光体に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層として、
セレン、セレン−テルル合金、酸化亜鉛などの無機光導
電性物質が広く用いられてきたが、近年、有機光導電性
物質を用いた電子写真感光体に関する研究が進み、その
一部は実用化されている。ここで実用化に至った感光体
のほとんどは、電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離し
た感光層からなる積層型電子写真感光体であり、これに
より無機光導電性物質からなる感光体と比較して劣って
いた感度及び感光体寿命の点で改善され、低コストで安
全性や多様性など有機光導電性物質の長所を生かした電
子写真感光体の設計が活発に行われるようになった。こ
の種の積層型電子写真感光体は、一般には導電性支持体
上に顔料、染料などの電荷発生物質からなる電荷発生
層、ヒドラゾン、ピラゾリンなど電荷輸送物質からなる
電荷輸送層を順に形成したもので、電子供与性である電
荷輸送物質の性質上、正孔移動型となり、感光体表面に
負帯電したとき感度を有する。ところが負帯電では帯電
時に用いるコロナ放電が正帯電に比べて不安定であり、
正帯電時の10倍程度のオゾン、窒素酸化物などを発生
し、感光体表面に吸着などの物理的劣化や化学的劣化を
引き起こしやすく、さらに環境を悪くするという問題が
ある。さらに他の問題は負帯電用感光体の現像には正極
性のトナーが必要となるが正極性のトナーは強磁性体キ
ャリア粒子に対する摩擦帯電系列から見て製造が困難で
あり、二成分高抵抗磁気ブラシ現像方式においては、負
帯電トナー/現像剤の方が安定であり、選択と使用条件
の自由度も大きく、この点でも正帯電型感光体に適用範
囲は広く有利である。
【0003】そこで有機光導電性物質を用いる感光体を
正帯電で使用することが提案されている。例えば電荷発
生層上に電荷輸送層を積層して感光体を形成する際、前
記電荷輸送層に電子輸送能の大きい、例えば2,4,7
−トリニトロ−9−フルオレノン等が使用されている
が、その物質は発癌性があることが指摘されており、労
働衛生上極めて不適当である等の問題がある。また、電
子輸送化合物としては、特開昭60−69657にはフ
ルオレニデンメタン化合物が特開昭61−233750
にはアントラキノジメタン及びアントロン誘導体が使用
されているが、これらはともに繰返し特性に問題があ
り、特開平5−25136にはナフタレンジカルボン酸
イミド化合物が、特開平5−25174にはナフタレン
テトラカルボン酸ジイミド化合物が使用されているが、
これらはともに感度が不十分であり、また、バインダ樹
脂との相溶性が悪い等、改善すべき問題点がある。さら
に正帯電感光体として、米国特許3,615,414号
には、チアピリリウム塩(電荷発生物質)をポリカーボ
ネート(バインダ樹脂)と共晶錯体を形成するように含
有させたものが示されている。しかしこの公知の感光体
ではメモリ現象が大きく、ゴーストも発生し易いという
欠点がある。
【0004】そこで光照射時、正孔及び電子を発生する
電荷発生物質を含有する電荷発生層を上層(表面層)と
し、正孔輸送能を有する電荷輸送物質を含む電荷輸送層
を下層とする積層構成の感光層を有する感光体を正帯電
用として使用可能と考えられる。しかしながら、前記正
帯電用感光体は電荷発生物質を含む層が表面層として形
成されるため、光照射時特に紫外線等の単波長光照射、
コロナ放電、湿度、機械的摩擦等の外部作用に脆弱な電
荷発生物質が前記表面層近傍に存在することになり、感
光体の保存中及び像形成の過程で電子写真性能が劣化
し、画質が低下するようになる。従来の電荷輸送層を表
面層とする負帯電用感光体においては、前記各種の外部
作用の影響は極めて少なく、むしろ前記電荷輸送層が下
層の電荷発生層を保護する作用を有している。そこで例
えば絶縁性かつ透明な樹脂からなる薄い保護層を設け、
前記電荷発生物質を含む層を外部作用から保護すること
が考えられるが、光照射時発生する電荷がその保護層で
ブロッキングされて光照射効果が失われてくるし、また
表面層となる保護層の膜厚が大きい場合には感度低下を
招くことになる。このように正帯電用感光体を得るため
の試みが種々行われているが、いずれも光感度、メモリ
現象または労働衛生等の点で改善すべき多くの問題点が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は導電性
支持体とその上に形成された感光層を必須の構成要素と
し、高感度で耐久性のよい電子写真感光体を提供するこ
とである。特にバインダ樹脂との相溶性のよい高性能な
アクセプター性化合物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねてきた結果、特定の一群の
化合物を合成するにいたり、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本願の第一の発明は、一般式(I)で表
わされるα−シアノスチルベン化合物である。
【0007】
【化3】
【0008】又、本願の第二の発明は、導電性支持体と
その上に形成された感光層を必須の構成要素とし、該感
光層中に上記一般式(I)で表わされるα−シアノスチ
ルベン化合物を含む電子写真感光体である。ここで、式
中、R1は水素原子、置換又は無置換アルキル基、アル
コキシ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、
置換又は無置換のアシル基、置換又は無置換のスルホニ
ル基、置換又は無置換のスルホンアミド基、置換又は無
置換のカルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニト
ロ基を表わし、またR1は環を形成しても良い。Xは0
又はS原子を表わす。R2は置換又は無置換のフェニル
基、置換又は無置換の多環芳香族基、あるいは置換又は
無置換の複素環基を表わす。これら置換基R1及びR2
ついて、例示を挙げて説明する。
【0009】本発明の前記一般式(I)中、R1は水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、あるいはt−ブチル基、n−ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基等のアルキル基、トリフルオロメチル
基、クロロメチル基、ブロモエチル基、フルオロプロピ
ル基等の置換アルキル基、メトキシメチル基、エトキシ
メチル基等のアルコキシアルキル基、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基な
どのアルコキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカ
ルボニル、2−エトキシエトキシカルボニル等のアルコ
キシ置換アルコキシカルボニル基、メトキシ基、エトキ
シ基等のアルコキシ基、メチルカルボニル基、エチルカ
ルボニル基、ヘキシルカルボニル基、トリルカルボニル
基等の置換又は無置換のアシル基、置換又は無置換のス
ルホニル基、置換又は無置換のスルホンアミド基、N,
N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジヘキシルカル
バモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジト
リルカルバモイル基等の置換又は無置換のカルバモイル
基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基を表わし、またR1は環を形成
しても良い。これらの中で水素原子、メチル基、ニトロ
基、t−ブチル基、ブトキシカルボニル基、塩素原子が
好ましい。
【0010】又、前記一般式(I)中、R2はフェニー
ル基の他、多環芳香族基としては、ナフチル基、アント
ラセニル基、フェナンスレニル基、あるいはピレニル基
を、複素環基としては、ピリジル基、フラニル基、チオ
フェニル基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェニル基あ
るいはキノリル基などを挙げることができる。R2にお
けるフェニール基、多環芳香族基、あるいは複素環基の
置換基としては、メトキシ基、あるいはエトキシ基など
のアルコキシ基、メチル基、プロピル基、ブチル基、あ
るいはt−ブチル基などのアルキル基、フッ素原子、塩
素原子、あるいは臭素原子などのハロゲン原子、トリフ
ルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、あるいはブトキ
シカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、シアノ
基、ニトロ基などを挙げることができる。本発明の一般
式(I)のα−シアノスチルベン化合物の具体例を、表
1に示すが、これらに限定されるものではない。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【表5】
【0016】
【表6】
【0017】
【表7】
【0018】
【表8】
【0019】
【表9】
【0020】
【表10】
【0021】
【表11】
【0022】
【表12】
【0023】
【表13】
【0024】
【表14】
【0025】
【表15】
【0026】
【表16】
【0027】
【表17】
【0028】
【表18】
【0029】
【表19】
【0030】
【表20】
【0031】
【表21】
【0032】
【表22】
【0033】
【表23】
【0034】次に本発明の一般式(I)で示されるα−
シアノスチルベン化合物の代表的な製造法を説明する。
これら一般式Iの化合物は一般に下記アセトニトリル誘
導体(II)と下記アルデヒド類(III)とを塩基性触媒
の存在下で反応することによって得ることができる。
【0035】
【化4】
【0036】上記の反応に使用される触媒としては、例
えばピリジン、ピペリジン或いはトリエチルアミン等の
有機塩基、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム或いは酢酸ア
ンモニウム等の酢酸塩、苛性ソーダ、苛性カリウム、炭
酸ナトリウム或いは炭酸カリウム等の無機塩基などを挙
げることができる。反応は通常無溶媒か、メタノール、
エタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
或いはN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒中で
行うことができる。反応温度は室温〜150℃、好まし
くは室温〜100℃で行われる。なお、上記のアセトニ
トリル誘導体(II)は、例えばChem.ZVeSti
30(2)186〜194(1976)に示されるよう
に、対応するアミノ化合物と酸塩素化合物より下記(I
V)式の様にして合成される。
【0037】
【化5】
【0038】次に本発明の感光体の構成を図面によって
説明する。感光体としては例えば図1に示すように支持
体1(導電性支持体又はシート上に導電層を設けたも
の)上に電荷発生物質と必要に応じてバインダ樹脂を含
有する層(電荷発生層)2を下層とし、電荷輸送物質と
必要に応じてバインダ樹脂を含有する層(電荷輸送層)
3を上層とする積層構成の感光体層4を設けたもの、図
2に示すように図1の感光体層4の上に保護層5を設け
たもの、及び図3に示すように支持体上に電荷発生物質
と電荷輸送物質と必要に応じてバインダ樹脂を含有する
単層構成の感光体層6を設けたもの、等が挙げられるが
図3の単層構成の感光体層6の上層に保護層が設けられ
てもよく、また支持体と感光体層の間に中間層が設けら
れてもよい。本発明に使用する電荷発生物質としては、
可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、
無機物質及び有機物質のいずれをも用いることができ
る。例えば無定形セレン、三方晶系セレン、セレン−砒
素合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、セレン
化カドミウム、硫セレン化カドミウム、硫化水銀、酸化
鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機物質、或い
はビスアゾ系色素、ポリアゾ系色素、トリアリールメタ
ン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キサン
テン系色素、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリ
ウム系色素、キナクリドン系色素、インジゴ系色素、ペ
リレン系色素、多環キノン系色素、ビスベンズイミダゾ
ール系色素、インダンスロン系色素、スクアリリウム系
色素、アントラキノン系色素、及びフタロシアニン系色
素等の有機物質が挙げられる。
【0039】また、本発明で使用することができる電荷
輸送物質としては、キノン系化合物、キノン系化合物の
ビニリデンジニトリル化合物、フルオレノン系化合物、
フルオレノン系化合物のビニリデンジニトリル化合物、
カルボン酸エステル基を有するπ電子系化合物、シアノ
基を有するπ電子系化合物、ニトロ基を有するπ電子系
化合物等の電子輸送物質、分子中にトリフェニルアミン
部位を有する化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化
合物、トリフェニルメタン化合物、ヒドラゾン化合物、
オキサジアゾール化合物、オキサゾール化合物、カルバ
ゾール基を含む化合物、スチリル化合物、ブタジエン化
合物、ポリシラン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ピレン−ホルマリン縮合物等の正孔輸送物質が挙げ
られる。本発明によるα−シアノスチルベン化合物は上
記のように電子感光体に用いられる他に酸化防止剤のよ
うな添加剤としても使用可能である。
【0040】本発明において感光体層に使用可能なバイ
ンダ樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ピリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の
付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びに
これらの樹脂の繰返し単位のうち2つ以上を含む共重合
体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等の
絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の
高分子有機半導体が挙げられる。次に前記感光体層を支
持する導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル
などの金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウ
ム、酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチッ
クフィルム或いは導電性物質を塗布した紙、プラスチッ
クなどのフィルムまたはドラムを使用することができ
る。
【0041】本発明に係る感光体を電荷発生層と電荷輸
送層の積層構成で形成する場合、すなわち前述の図1及
び図2の場合、本発明の電荷輸送物質は、適当な溶媒に
単独もしくは適当なバインダ樹脂とともに溶解もしくは
分散せしめたものを塗布して乾燥させる方法により設け
る。電荷輸送層に用いられる溶媒としては、例えばN,
N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、モノ
クロルベンゼン、1,2−ジクロルエタン、ジクロルメ
タン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2−ト
リクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル等
を挙げることができる。この電荷輸送層中、電荷輸送物
質がバインダ樹脂に含有される割合は、バインダ樹脂1
00重量部に対して電荷輸送物質が20〜200重量部
とされる。この時の電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5
〜50μm、特に好ましくは5〜30μmである。
【0042】電荷発生層は電荷発生物質を導電性支持体
上に真空蒸着するか、或いは適当な溶媒に単独もしくは
適当なバインダ樹脂と共に溶解もしくは分散せしめたも
のを塗布、乾燥して電荷輸送層と同様に形成することが
できる。上記電荷発生物質を分散せしめて電荷発生層を
形成する場合、その電荷発生物質は2μm以下、好まし
くは1μm以下の平均粒径の粉粒体とされるのが好まし
い。すなわち、粒径があまり大きいと層中への分散が悪
くなると共に、粒子が表面に一部突出して表面の平滑性
が悪くなり、場合によっては粒子の突出部分で放電が生
じたり或いはそこにトナー粒子が付着してトナーフィル
ミング現象が生じやすい。ただし、上記の粒径があまり
に小さいと却って凝集しやすく、層の抵抗が上昇した
り、結晶欠陥が増えて感度及び繰返し特性が低下した
り、或いは微細化する上で限界があるから、平均粒径の
下限を0.01μmとするのが好ましい。
【0043】電荷発生層は次の如き方法によって設ける
ことができる。すなわち、電荷発生物質はボールミル、
ホモミキサー等によって分散媒中で微細粒子とし、バイ
ンダ樹脂を加えて混合分散して得られる分散液を塗布す
る方法である。この方法において超音波の作用下に粒子
を分散させると、均一分散が可能である。また電荷発生
層中、電荷発生物質がバインダ樹脂に含有される割合
は、バインダ樹脂100重量部に対して20〜200重
量部とされる。以上の様にして形成される電荷発生層の
膜厚は、好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは
0.5〜5μmである。次に本発明の感光体を単層構成
で形成する場合、すなわち図3の場合、電荷発生物質及
び電荷輸送物質がバインダ樹脂に含有される割合は、バ
インダ樹脂100重量部に対して電荷発生物質は20〜
200重量部、電荷輸送物質は20〜200重量部とさ
れる。この単層構成の感光体の膜厚は7〜50μm、さ
らに好ましくは10〜30μmである。
【0044】また、前記中間層は接着層またはバリヤ層
等として機能するもので、上記のバインダ樹脂のほか
に、例えばポリビニルアルコール、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体、カゼイン、N−アルコキシメチルナイロン等の
樹脂をそのまま、または酸化スズあるいはインジウムな
どを分散させたもの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、或
いは酸化ケイ素などの蒸着膜等が用いられる。中間層の
膜厚は1μm以下が望ましい。また、前記保護層に用い
られる材料としては、前述の樹脂をそのまま使用する
か、または酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗物質
を分散させたものが適当である。また、有機プラズマ重
合膜も使用でき、その有機プラズマ重合膜は必要に応じ
て適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期率表の第III族、第
V族原子を含んでもよい。
【0045】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、これ
により本発明の実施の態様が限定されるものではない。
なお、本発明のα−シアノスチルベン化合物の実施例は
「合成例」とし、電子写真感光体の「実施例」とは区別
した。 合成例1(化合物No.3) 市販ベンゾチアゾール−2−イルアセトニトリル4.2
g、市販の4−トリフルオロメチルベンズアルデヒド
3.5g及びピペリジン0.4mlをエタノール150
ml中で還流下、6時間撹拌反応を行う。反応後、室温
まで放冷し、反応混合物を水中に注ぎトルエン300m
lを加えてよく撹拌し、分離したトルエン層を中性にな
るまで水洗した。トルエン層は無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、トルエンを留去し、次いで残渣に対し、ト
ルエンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー処理を行い、得られた粗製の目的物をエタノール
から再結晶して純粋な目的物2gを得た。又、このもの
の赤外線吸収スペクトル図を図4に示す。
【0046】合成例2〜4(化合物No.1,2,11) 合成例1と同じ方法で純粋な目的物(化合物No.1,
2、及び11)を得た。以上のようにして得られた化合
物の融点及び元素分析の結果を表2に示す。
【0047】
【表24】
【0048】実施例1 下記化学式(A)で表わされるビスアゾ色素5部、ブチ
ラール樹脂(デンカブチラール樹脂#3000−2:電
気化学工業製)2.5部及びテトラヒドロフラン92.
5部をボールミルにて12時間分散させ、次にテトラヒ
ドロフランを2重量%の分散液濃度になるように加え、
再分散させて塗布液を調整した。調整した分散液をアル
ミニウムを蒸着した100μm厚のポリエステルフィル
ム上にドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚
が1.0μmの電荷発生層を形成した。
【0049】
【化6】
【0050】このようにして得られた電荷発生層上に、
合成例1の化合物(化合物No.3)6部、及びポリカー
ボネート樹脂(K−1300:帝人化成製)10部、メ
チルフェニル−シリコン(KF50 100CPS:信
越化学製)0.002部、テトラヒドロフラン94部か
らなる処方の塗布液を調整し、ドクターブレードにて流
延塗布し、乾燥後の膜厚が20.0μmの電荷輸送層を
形成し、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層で
構成される積層型電子写真感光体(感光体No.1)を作
製した。
【0051】実施例2 前記化学式(A)で表わされるビスアゾ色素5部の代わ
りに、下記化学式(B)で表わされるトリスアゾ色素6
部を用いること以外は実施例1と同様の方法で電荷発生
層を作製した。
【0052】
【化7】
【0053】このようにして得られた電荷発生層上に、
合成例1の化合物(化合物No.3)6部、ポリカーボネ
ート樹脂(K−1300:帝人化成製)10部、メチル
フェニル−シリコン(KF50 100CPS:信越化
学製)0.002部、テトラヒドロフラン94部からな
る塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、乾燥後の
膜厚が20.0μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウ
ム電極/電荷発生層/電荷輸送層で構成される積層型電
子写真感光体(感光体No.2)を作製した。
【0054】実施例3 前記化学式(A)で表わされるビスアゾ色素5部の代わ
りに、下記化学式(C)で表わされるビスアゾ色素6部
を用いること以外は実施例1と同様の方法で電荷発生層
を作製した。
【0055】
【化8】
【0056】このようにして得られた電荷発生層上に、
合成例1の化合物(化合物No.3)6部、ポリカーボネ
ート樹脂(K−1300:帝人化成製)10部、メチル
フェニル−シリコン(KF50 100CPS:信越化
学製)0.002部、テトラヒドロフラン94部からな
る塗布液を調製し、実施例1と同様の方法で、乾燥後の
膜厚が20.0μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウ
ム電極/電荷発生層/電荷輸送層で構成される積層型電
子写真感光体(感光体No.3)を作製した。
【0057】実施例4 前記化学式(A)で表わされるビスアゾ色素5部の代わ
りに、X型無金属フタロシアニン6部を用いること以外
は実施例1と同様の方法で電荷発生層を作製した。この
ようにして得られた電荷発生層上に、合成例1の化合物
(化合物No.3)6部、ポリカーボネート樹脂(K−1
300:帝人化成製)10部、メチルフェニル−シリコ
ン(KF50 100CPS:信越化学製)0.002
部、テトラヒドロフラン94部からなる塗布液を調製
し、実施例1と同様の方法で、乾燥後の膜厚が20.0
μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極/電荷発
生層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光体
(感光体No.4)を作製した。
【0058】実施例5 X型無金属フタロシアニン1g、ポリカーボネート−Z
(PC−Z)の10wt%THF溶液10g、THF9
gをボールミルポット中にいれ1晩ミリングした。更に
PC−Zの10wt%THF溶液20gを加えた後1晩
ミリングした(これを10%分散液とする)。この10
%分散液24g、PC−Zの10wt%THF溶液13
2g、下記の正孔移動物質を9g、THFを26.6
g、シリコン樹脂〔信越化学工業(株)製KF50〕の
1wt%THF溶液3gを、フラスコに入れて撹拌し、
分散液を調整した。この分散液5.4g、例示化合物
(化合物No.3)0.15gをサンプル瓶に入れて撹拌
し、感光層塗布液を調整した。この液をアルミニウム基
板上に塗布し、乾燥して20μmの単層型感光体を作製
した(感光体No.5)。
【0059】
【化9】
【0060】実施例6 X型無金属フタロシアニンの代わりに前記化学式(A)
のビスアゾ色素を用いること以外は実施例5と同様にし
て単層型感光体(感光体No.6)を作製した。 比較例1 α−シアノスチルベン化合物を用いないこと以外は実施
例5と同様にして感光体No.7を作製した。
【0061】比較例2 α−シアノスチルベン化合物を用いないこと以外は実施
例6と同様にして感光体No.8を作製した。以上のよう
にして得られた感光体について、静電複写紙測定装置
(川口電機製SP−428)を使用して、+6KVの放
電電位で20秒間帯電した(表面電位Vs)後、20秒
間暗所に放置し、そのときの表面電位Voを測定し、次
いで白色タングステンランプを用いて表面の照度が20
ルックスになるようにして30秒間光照射し、そのとき
oが1/2になるのに要した露光量E1/2(lux・s
ec)、及び30秒露光後の表面電位V30を測定した。
結果を表3に示す。表3より明らかなように、本発明の
α−シアノスチルベン化合物を含む電子写真感光体は高
い暗減衰率および高い感度を示す。
【0062】
【表25】
【0063】
【発明の効果】本発明に係るα−シアノスチルベン化合
物は、新規な化合物であり、比較的簡単で効率の良い方
法により製造することができ、バインダ樹脂中で優れた
溶解性または分散性を有する。また、α−シアノスチル
ベン化合物は電荷輸送性アクセプター性化合物として優
れた性質を有し、このα−シアノスチルベン化合物を含
有する電子写真感光体を作成した場合、高い暗減衰率お
よび高い感度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる感光体の断面図。
【図2】本発明に係わる他の感光体の断面図。
【図3】本発明に係わる他の感光体の断面図。
【図4】合成例1の化合物(化合物No.3)のIRスペ
クトル。
【符号の説明】
1 支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 感光体層(積層構成) 5 保護層 6 感光体層(単層構成)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 417/06 213 215 307 G03G 5/06 318 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされるα−シア
    ノスチルベン化合物。一般式(I): 【化1】 (式中、R1は水素原子、置換又は無置換アルキル基、
    アルコキシ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル
    基、置換又は無置換のアシル基、置換又は無置換のスル
    ホニル基、置換又は無置換のスルホンアミド基、置換又
    は無置換のカルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、
    ニトロ基を表わし、またR1は環を形成しても良い。X
    は0又はS原子を表わす。R2は置換又は無置換のフェ
    ニル基、置換又は無置換の多環芳香族基、あるいは置換
    又は無置換の複素環基を表わす。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体とその上に形成された感光
    層を必須の構成要素とし、該感光層中に一般式(I)で
    表わされるα−シアノスチルベン化合物を含む電子写真
    感光体。一般式(I): 【化2】 (式中、R1は水素原子、置換又は無置換アルキル基、
    アルコキシ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル
    基、置換又は無置換のアシル基、置換又は無置換のスル
    ホニル基、置換又は無置換のスルホンアミド基、置換又
    は無置換のカルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、
    ニトロ基を表わし、またR1は環を形成しても良い。X
    は0又はS原子を表わす。R2は置換又は無置換のフェ
    ニル基、置換又は無置換の多環芳香族基、あるいは置換
    又は無置換の複素環基を表わす。)
  3. 【請求項3】 感光層が電荷発生層と電荷輸送層の2層
    からなり、少なくとも電荷輸送層は前記一般式(I)で
    表わされるα−シアノスチルベン化合物を含有する請求
    項2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 感光層が電荷発生物質及び電荷輸送物質
    を含む単層型電子写真感光体において、該感光層は、前
    記一般式(I)で表わされるα−シアノスチルベン化合
    物の少なくとも一種を含有する請求項2に記載の電子写
    真感光体。
JP5042794A 1994-03-22 1994-03-22 α−シアノスチルベン化合物及びそれを含有する電子写真感光体 Pending JPH07258236A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100449954B1 (ko) * 2002-06-29 2004-09-24 동우 화인켐 주식회사 새로운 가지형 α-시아노스틸벤계 유기 발광체

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KR100449954B1 (ko) * 2002-06-29 2004-09-24 동우 화인켐 주식회사 새로운 가지형 α-시아노스틸벤계 유기 발광체

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