JPH0859520A - ベンズアンスロン誘導体及びそれを含有する電子写真感光体 - Google Patents

ベンズアンスロン誘導体及びそれを含有する電子写真感光体

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JPH0859520A
JPH0859520A JP21424894A JP21424894A JPH0859520A JP H0859520 A JPH0859520 A JP H0859520A JP 21424894 A JP21424894 A JP 21424894A JP 21424894 A JP21424894 A JP 21424894A JP H0859520 A JPH0859520 A JP H0859520A
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JP21424894A
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Emi Kawahara
恵美 河原
Akio Kojima
明夫 小島
Tetsuo Suzuki
哲郎 鈴木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質と
して有用な新規ベンズアンスロン誘導体、及びそれを用
いた高感度、高耐久性電子写真感光体を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるベンズアンスロ
ン誘導体。 【化1】 および該ベンズアンスロン誘導体を含有する電子写真感
光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に用い
られるアクセプター性化合物として有用な新規ベンズア
ンスロン誘導体、及び該ベンズアンスロン誘導体を含有
させた電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層として、
セレン、セレン−テルル合金、酸化亜鉛などの無機光導
電性物質が広く用いられてきたが、近年、有機光導電性
物質を用いた電子写真感光体に関する研究が進み、その
一部は実用化されている。ここで、実用化に至った感光
体のほとんどは、電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離
した感光層からなる積層型電子写真感光体であり、これ
により、無機光導電性物質からなる感光体と比較して劣
っていた感度及び感光体寿命の点で改善され、低コスト
で、安全性や多様性など有機光導電性物質の長所を生か
した電子写真感光体の設計が活発に行なわれるようにな
った。
【0003】この種の積層型電子写真感光体は、一般に
は、導電性支持体上に、顔料、染料などの電荷発生物質
からなる電荷発生層、ヒドラゾン、ピラゾリンなど電荷
輸送物質からなる電荷輸送層を順に形成したもので、電
子供与性である電荷輸送物質の性質上、正孔移動型とな
り、感光体表面に負帯電したとき感度を有する。ところ
が、負帯電では、帯電時に用いるコロナ放電が正帯電に
比べて不安定であり、正帯電時の約10倍程度のオゾ
ン、窒素酸化物などを発生し、感光体表面に吸着などの
物理的劣化や化学的劣化を引き起こしやすく、さらに、
環境を悪くするという問題がある。さらに他の問題は、
負帯電用感光体の現像には正極性のトナーが必要となる
が、正極性のトナーは強磁性体キャリア粒子に対する摩
擦帯電系列から見て製造が困難であり、2成分高抵抗磁
気ブラシ現像方式においては、負帯電トナー/現像剤の
方が安定であり、選択と使用条件の自由度も大きく、こ
の点でも正帯電型感光体に適用範囲は広く有利である。
【0004】そこで、有機光導電性物質を用いる感光体
を正帯電で使用することが提案されている。例えば、電
荷発生層上に電荷輸送層を積層して感光体を形成する
際、前記電荷輸送層に電子輸送能の大きい、例えば2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等が使用されて
いるが、その物質は発癌性があり、労働衛生上極めて不
適当である等の問題がある。
【0005】また、電荷輸送物質としては、特開昭60
−69657号公報にはフルオレニデンメタン化合物
が、特開昭61−233750号公報にはアントラキノ
ジメタン及びアンロン誘導体が使用されているが、これ
らはともに繰返し特性に問題があり、また特開平5−2
5136号公報にはナフタレンジカルボン酸イミド化合
物が、特開平5−25174号公報にはナフタレンテト
ラカルボン酸ジイミド化合物が使用されているが、これ
らはともに感度が不十分であり、しかも、バインダ樹脂
との相溶性が悪い等、改善すべき問題点がある。
【0006】さらに正帯電感光体として、米国特許3,
615,414号には、チアピリリウム塩(電荷発生物
質)をポリカーボネート(バインダ樹脂)と共晶錯体を
形成するように含有させたものが示されている。しか
し、この公知の感光体では、メモリ現象が大きく、ゴー
ストも発生し易いという欠点がある。
【0007】そこで光照射時、正孔及び電子を発生する
電荷発生物質を含有する電荷発生層を上層(表面層)と
し、正孔輸送能を有する電荷輸送物質を含む電荷輸送層
を下層とする積層構成の感光層を有する感光体を正帯電
用として使用する方法が考えられる。しかしながら、該
正帯電用感光体は電荷発生物質を含む層が表面層として
形成されるため、光照射時特に紫外線等の短波長光照
射、コロナ放電、湿度、機械的摩擦等の外部作用に脆弱
な電荷発生物質が前記表面層近傍に存在することにな
り、感光体の保存中及び画像形成の過程で電子写真性能
が劣化し、画像が低下するという問題が生じる。
【0008】従来の電荷輸送層を表面層とする負帯電用
感光体においては、前記各種の外部作用の影響は少な
く、むしろ前記電荷輸送層が下層の電荷発生層を保護す
る作用も有している。そこで、例えば絶縁性かつ透明な
樹脂からなる薄い保護層を設け、前記電荷発生物質を含
む層を外部作用から保護することが考えられるが、光照
射時に発生する電荷がその保護層でブロッキングされて
光感度が損われてくるし、また製造も容易ではない。こ
のように正帯電用感光体を得るための試みが種々行なわ
れているが、いずれも光感度、機械的強度、メモリ現象
または労働衛生等の点で改善すべき多くの問題点があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真感光体に用いられるアクセプター性化合物として有
用な新規ベンズアンスロン誘導体、及び導電性支持体上
に電荷発生物質、電荷輸送物質を含む感光層を設けた電
子写真感光体であって、該電荷輸送物質として、特にバ
インダー樹脂との相溶性の良い高性能の前記ベンズアン
スロン誘導体を用いた、高感度で耐久性の良い電子写真
感光体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく従来より研究を重ねてきた結果、特定の
一群の化合物を見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち本発明によれば、下記一般式(I)で表されるベ
ンズアンスロン誘導体が提供され、
【化1】 {式中、R1、R2は、置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置
換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のア
リールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカル
バモイル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もし
くは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリ
ールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換も
しくは無置換のスルホン基、置換もしくは無置換のスル
ホンアミド基、シアノ基、チオシアノ基、ニトロ基、ま
たはハロゲン原子を表し、R1、R2は同一であっても異
なっていてもよい。Xは=O、=N−R3、=N−C
N、=C(A)(B)を表す。(ここでR3は、置換も
しくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香
族基を表す。またA、Bは水素原子、置換もしくは無置
換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換
もしくは無置換の複素環基、置換もしくは無置換のアル
コキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオ
キシカルボニル基、シアノ基を表し、A、Bは同一であ
っても、異なっていてもよい。)mは0〜4の整数を表
し、nは0〜6の整数を表す。} また、本発明によれば、導電性支持体とその上に形成さ
れた感光層を必須の構成要素とする電子写真感光体にお
いて、該感光層中に下記一般式(I)で表されるベンズ
アンスロン誘導体の少なくとも一種を含有させたことを
特徴とする電子写真感光体が提供され、
【化1】 (式中、R1、R2、X、m、nは前記記載のものと同
じ。) また、本発明によれば、前記感光層が、電荷発生層と電
荷輸送層の2層からなり、該電荷輸送層に前記一般式
(I)で表されるベンズアンスロン誘導体の少なくとも
一種を含有させたことを特徴とする前記電子写真感光体
が提供され、更にまた、本発明によれば、前記感光層
が、電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む単層からな
り、該電荷輸送物質として、前記一般式(I)で表され
るベンズアンスロン誘導体の少なくとも一種を含有させ
たことを特徴とする前記電子写真感光体が提供される。
【0011】本発明の前記一般式(I)で表されるベン
ズアンスロン誘導体において、式中、R1、R2、R3
びXのA、Bの具体例は次のとおりである。R1、R2
3及びA、Bにおける置換もしくは無置換のアルキル
基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オ
クチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル
基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基などのシクロアルキル基、トリフルオロメチル基、
クロロプロピル基、ブロモオクチル基などのハロゲン置
換アルキル基、2−メトキシエチル基、2,2−ジエト
キシエチル基などのアルコキシ置換のアルキル基、4−
ヘキシルオキシカルボニルヘキシル基、ブトキシカルボ
ニルメチル基などのアルコキシカルボニル基、ベンジル
基、シアノアルキル基、ニトロアルキル基などであり、
置換もしくは無置換の芳香族基としては、フェニル基、
ピレン基、フェナントレン基などの芳香族基、4−クロ
ロフェニル基、1−ブロモナフチル基、2−トリフルオ
ロメチルアントラセン基などのハロゲン置換芳香族基、
4−ブトキシフェニル基、2,6−ジヘキサオキシナフ
チル基などのアルコキシ置換芳香族基、3−メトキシカ
ルボニルフェニル基、4−ブトキシカルボニルナフチル
基などのアルコキシカルボニル置換芳香族基、4−アセ
チルフェニル基などのアシル置換芳香族基、ジフェニル
などのフェニル置換芳香族基などである。
【0012】また、R1、R2、A、Bの置換もしくは無
置換のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボ
ニル基、シクロヘキシオキシカルボニル基などである。
また、R1、R2、A、Bの置換もしくは無置換のアリー
ルオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル
基、ブロモフェノキシカルボニル基などである。
【0013】また、R1、R2における置換もしくは無置
換のカルバモイル基としては、N,N−ジヘキシルアミ
ド基、N−エチル−N−フェニルアミド基、N,N−ジ
ベンジルアミド基などであり、置換もしくは、無置換の
アシル基としては、アセチル基、オクチルカルボニル基
などであり、置換もしくは無置換のアルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシベンジルオキ
シ基などであり、置換もしくは無置換のアリールオキシ
基としては、フェノキシ基、P−メチルフェノキシ基、
m−クロロフェノキシ基であり、置換もしくは無置換の
アミノ基とはN,N−ジヘキシルアミノ基、N−(ブチ
ルカルボニル)アミノ基などであり、置換もしくは無置
換のスルホン基としては、ブチルスルホン基、n−ヘキ
シルスルホン基などであり、置換もしくは無置換のスル
ホンアミド基としては、N,N−ジヘキシルスルホンア
ミド基、などであり、また、ハロゲン原子としては、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などであ
る。
【0014】また本発明の前記一般式(I)のXのA、
Bにおいて、置換もしくは無置換の複素環基としては、
ベンズチアゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズセ
レナゾール基、フラン基などである。
【0015】本発明の一般式(I)のベンズアンスロン
誘導体の具体例を、下記一般式(I)との関連で表1に
示すが、これらに限定されるものではない。尚、表1
中、R1、R2が水素原子として表示されたものは、式中
m=0、n=0の場合を表す。
【0016】
【表1−(1)】
【0017】
【表1−(2)】
【0018】
【表1−(3)】
【0019】
【表1−(4)】
【0020】
【表1−(5)】
【0021】
【表1−(6)】
【0022】これら一般式(I)で表される化合物は以
下に示す種々の方法により得ることができる。 〈反応式(a)による方法〉一般式(I’)(一般式
(I)においてXが=Oの化合物)の化合物は、一般
に、まずR1置換ベンゾイルクロライド(1)とR2置換
ナフタレン(2)からフリーデルクラフト反応により、
1置換フェニルR2置換ナフチルケトン(3)を得、こ
れを更にショール縮合させて得ることができる。尚、R
1置換ベンゼンとR2置換ナフチルクロライドとを原料と
して用いても同様に製造することができる。フリーデル
クラフト反応によりR1置換フェニルR2置換ナフチルケ
トン(3)を合成する際に、触媒として、塩化アルミニ
ウム、塩化アンチモン(V)、塩化鉄(III)、塩化
鉄(II)、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、塩化ビス
マス(III)、塩化亜鉛、塩化水銀(II)などのル
イス酸や、フッ化水素、硫酸、ポリリン酸などを用いる
ことができる。また溶媒として、ニトロベンゼン、二硫
化炭素、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロ
ロエタンなどを用いることができる。またショール縮合
により、R1置換R2置換ベンズアンスロン(I’)を合
成する際に、触媒として、塩化アルミニウムを用いると
よく、更に、触媒の補助剤として塩化ナトリウムを加え
てもよい。また溶媒として、ニトロベンゼン、オルトジ
クロロベンゼン、モノクロロベンゼンなどを用いること
もできるが、無溶媒で行ってもよい。
【0023】〈反応式(b)による方法〉また、これら
一般式(I’)の化合物は、ベンズアンスロン(4)に
硝酸と酢酸もしくは硫酸などの酸を反応させることによ
ってニトロベンズアンスロン(5)を得、これを更に、
錫、塩酸などの存在下に還元させ、アミノベンズアンス
ロン(6)とした後に、シアン化銅、亜硝酸ナトリウ
ム、塩酸などを用いて、シアノ化して、シアノベンズア
ンスロン(7)とし、これを更に硫酸などを用いて、加
水分解させ、ベンズアンスロンカルボン酸(8)とした
後に、アルコールと酸などを用いてエステル化して、ア
ルコキシカルボニル置換ベンズアンスロン(9)を得る
ことができる。また、ベンズアンスロンカルボン酸
(8)に、アミンを用いて、アミド化して、カルバモイ
ル置換ベンズアンスロン(10)を得ることができる。
【0024】〈反応式(c)による方法〉また、これら
一般式(I’)(一般式(I)においてXがOの化合
物)の化合物は、一般に反応式(C)のようにしても得
ることができる。まず、ベンズアンスロン(4)とクロ
ロアセチルクロリドとを、二硫化炭素、ジクロロメタン
などの溶媒中、または無溶媒で、フリーデルクラフト反
応させることにより、クロロアセチルベンズアンスロン
(11)とし、更に、クロロアセチルベンズアンスロン
(11)に、次亜塩素酸ナトリウムなどを反応させ、ハ
ロホルム反応により、ベンズアンスロンカルボン酸
(8)を得ることができる。該ベンズアンスロンカルボ
ン酸から、反応式(b)で示した同様の方法によりアル
コキシカルボニル置換ベンズアンスロン(9)と、カル
バモイル置換ベンズアンスロン(10)を得ることがで
きる。
【0025】〈反応式(d)による方法〉次に、一般式
(I)の化合物は、以上のようにして得られた一般式
(I’)の化合物を、反応式(d)に示すようにメチレ
ン化合物(12)、あるいはビス(トリメチルシリル)
カルボジイミド(13)、あるいは下記アミン化合物
(14)と反応させることにより、夫々のベンズアンス
ロン誘導体を得ることができる。反応は必要に応じて酸
触媒、塩基触媒、或いは酸−塩基両触媒下で行なうこと
ができ、酸触媒として、例えば酢酸、パラトルエンスル
ホン酸等の有機酸、硫酸等の無機酸、塩化亜鉛、四塩化
チタン等のルイス酸を挙げることができ、塩基触媒とし
ては、例えばピリジン、ピペリジン、N−メチルピペリ
ジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、或いはトリ
エチルアミン等の有機塩基、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、或いは酢酸アンモニウム等の酢酸塩、苛性ソー
ダ、苛性カリウム、或いは炭酸カリウム等の無機塩基、
ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート或いはt
−ブトキシカリウム等の金属アルコラートを挙げること
ができる。反応は通常無溶媒か、ジクロロメタン、1,
2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、メタノール、
エタノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性
溶媒を使用することができる。
【0026】〈その他の方法〉一方、また、一般式
(I’)の化合物は、アントラキノン誘導体を還元し
て、アントラノール誘導体とした後、グリセリンと硫酸
を共して加熱し、縮合させて得ることもできる。
【0027】
【表2−(1)】
【0028】
【表2−(2)】
【0029】本発明のベンズアンスロン誘導体は、電子
写真感光体のアクセプター性化合物として有用であるば
かりでなく、太陽電池、有機EL素子等の電子デバイス
としてエレクトロニクス分野で好適に使用することがで
きる。
【0030】次に本発明の感光体の構成を図面によって
説明する。感光体としては、例えば図1に示すように、
支持体1(導電性支持体またはシート上に導電層を設け
たもの)上に電荷発生物質と必要に応じてバインダ樹脂
を含有する層(電荷発生層)2を下層とし、電荷輸送物
質と必要に応じてバインダ樹脂を含有する層(電荷輸送
層)3を上層とする積層構成の感光層4を設けたもの、
図2に示すように図1の感光層4の上に保護層5を設け
たもの、及び図3に示すように支持体上に電荷発生物質
と電荷輸送物質と必要に応じてバインダ樹脂を含有する
単層構成の感光層6を設けたもの等が挙げられるが、図
3の単層構成の感光層6の上層に保護層を設けてもよ
く、また支持体と感光層との間に中間層を設けてもよ
い。
【0031】本発明に使用する電荷発生物質としては、
可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、
無機物質及び有機物質のいずれをも用いることができ
る。例えば、無定形セレン、三方晶系セレン、セレン−
砒素合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、セレ
ン化カドミウム、硫セレン化カドミウム、酸化チタン、
酸化亜鉛、硫化亜鉛、アモルファスシリコン等の無機物
質、或いはビスアゾ系色素、ポリアゾ系色素、トリアリ
ールメタン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色
素、キサンテン系色素、シアニン系色素、スチリル系色
素、ピリリウム系色素、キナクリドン系色素、インジゴ
系色素、ペリレン系色素、多環キノン系色素、ビスベン
ズイミダゾール系色素、インダンスロン系色素、スクア
リリウム系色素、アントラキノン系色素、及びフタロシ
アニン系色素等の有機物質が挙げられる。
【0032】本発明において感光体層に使用可能なバイ
ンダ樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の
付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びに
これらの樹脂の繰返し単位のうち2つ以上を含む共重合
体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等の
絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の
高分子有機半導体が挙げられる。
【0033】次に前記感光体層を支持する導電性支持体
としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金属
ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、酸化イン
ジウムなどを蒸着したプラスチックフィルム或いは導電
性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルムまた
はドラムを使用することができる。
【0034】本発明に係る電子写真感光体の感光層を電
荷発生層と電荷輸送層の積層構成で形成する場合、すな
わち前記の図1及び図2の場合、本発明の電荷輸送層
は、電荷輸送物質を、適当な溶媒に単独もしくは適当な
バインダ樹脂とともに溶解もしくは分散せしめたものを
前記支持体上に設けた電気発生層(後記する)上に塗布
して乾燥させる方法により設ける。電荷輸送層に用いら
れる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミ
ド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、1,2
−ジクロルエタン、ジクロルメタン、1,1,1−トリ
クロルエタン、1,1,2−トリクロルエチレン、テト
ラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。
この電荷輸送層中、電荷輸送物質がバインダ樹脂に含有
される割合は、バインダ樹脂100重量部に対して電荷
輸送物質が20〜200重量部とするのが好ましい。電
荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜50μm、特に好ま
しくは5〜30μmである。
【0035】次に電荷発生層は、電荷発生物質を導電性
支持体上に真空蒸着するか、或いは、適当な溶媒に単独
もしくは適当なバインダ樹脂と共に溶解もしくは分散せ
しめたものを塗布、乾燥させて電荷輸送層と同様に形成
することができる。電荷発生層は、次の如き方法によっ
て設けること好ましい。すなわち、電荷発生物質はボー
ルミル、ホモミキサー等によって分散媒中で微細粒子と
し、バインダ樹脂を加えて混合分散して得られる分散液
を塗布する場合、超音波の作用下に粒子を分散させる
と、均一分散が可能である。
【0036】前記電荷発生物質を分散せしめて電荷発生
層を形成する場合、その電荷発生物質は2μm以下、好
ましくは1μm以下の平均粒径のものが好ましい。すな
わち、粒径があまりに大きいと層中への分散が悪くなる
と共に、粒子が表面に一部突出して表面の平滑性が悪く
なり、場合によっては粒子の突出部分で放電が生じたり
或いはそこにトナー粒子が付着してトナーフィルミング
現象が生じやすい。ただし、上記の粒径があまりに小さ
いと却って凝集しやすく、層の抵抗が上昇したり、結晶
欠陥が増えて感度及び繰返し特性が低下したり、或いは
微細化する上で限界があるから、平均粒径の下限を0.
01μmとするのが好ましい。また電荷発生層中、電荷
発生物質がバインダ樹脂に含有される割合は、バインダ
樹脂100重量部に対して20〜200重量部とするの
が好ましい。以上のようにして形成される電荷発生層の
膜厚は、好ましくは0.05〜10μm、特に好ましく
は0.1〜5μmである。
【0037】次に本発明の電子写真感光体の感光層を単
層構成で形成する場合、すなわち図3の場合、電荷発生
物質及び電荷輸送物質がバインダ樹脂に含有される割合
は、バインダ樹脂100重量部に対して電荷発生物質は
20〜200重量部、電荷輸送物質は20〜200重量
部とするのが好ましい。この単層構成の感光層の膜厚は
7〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmであ
る。
【0038】また、前記中間層は接着層またはバリヤ層
等として機能するもので、上記のバインダ樹脂のほか
に、例えばポリビニルアルコール、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体、カゼイン、N−アルコキシメチルナイロン等の
樹脂をそのまま、または酸化スズ或いはインジュウムな
どを分散させたもの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、或
いは酸化ケイ素などの蒸着膜等が用いられる。中間層の
膜厚は、1μm以下が望ましい。
【0039】更にまた、前記保護層に用いられる材料と
しては、前述の樹脂をそのまま使用するか、または酸化
スズや酸化インジュウムなどの低抵抗物質を分散させた
ものが適当である。また、有機プラズマ重合膜も使用で
き、その有機プラズマ重合膜は、必要に応じて適宜酸
素、窒素、ハロゲン、周期率表の第III族、第V族原
子を含んでもよい。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
れにより本発明の実施例の態様が限定されるものではな
い。なお、各実施例中、「部」は特に断らない限り「重
量部」を意味する。
【0041】合成例1 化合物No.2の10−メチルベンズアンスロンの合成 (1)4−メチルフェニルナフチルケトンの合成 四口フラスコに、ナフタレン25.63g(0.2mo
l)、二硫化炭素400mlをいれ、機械撹拌しなが
ら、塩化アルミニウム26.66g(0.2mol)を
入れた。これに、更にp−メチルベンゾイルクロライド
30.92g(0.2mol)を加えて、室温で4時間
撹拌した。これを水にいれ、更にクロロホルムを加え
て、分液ロートを用いて振り混ぜ、分液し、クロロホル
ム層を取り出した。これに硫酸マグネシウム40gを加
え、1晩放置し、ガラスフィルターで濾過をして濾液を
採った。エバボレータにて抽出溶媒を留去し、生成物を
得た。この生成物をシリカゲルカラムにて、展開溶媒を
トルエンとして展開し、目的の化合物を分離抽出し、エ
バボレータにて展開溶媒を留去した。更に、この化合物
をジイソプロピルエーエルで1回、再結晶することによ
って精製した。目的物は11.28g得られ(収率2
3.0%)、融点は80.0〜82.0℃であった。 (2)10−メチルベンズアンスロンの合成 四口フラスコに、(1)で得られた4−メチルフェニル
ナフチルケトン4.92g(0.02mol)を入れ、
撹拌しながら油浴でおよそ90℃に温めて溶解し、これ
に塩化アルミニウム13.33g(0.1mol)を徐
々に加え、140℃で2.5時間撹拌した。十分冷めて
から、これを水に入れ、更にクロロホルムを加えて、分
液ロートを用いて振り混ぜ、分液し、クロロホルム相を
取り出した。これに硫酸マグネシウム40gを加え、1
晩放置し、G5のガラスフィルターで濾過をして濾液を
採った。エバボレータにて抽出溶媒を留去し、生成物を
得た。この生成物をシリカゲルカラムにて、展開溶媒を
トルエンとして展開し、目的の化合物を分離抽出し、エ
バボレータにて展開溶媒を留去した。更に、この化合物
をジイソプロピルエーテルで1回、再結晶することによ
って精製した。目的物は0.7g得られ(収率14.3
%)、融点は157.5〜159.5℃であった。ま
た、この化合物の赤外線吸収スペクトル図を図4に示
す。
【0042】合成例2 化合物No.7の3−ニトロベンズアンスロンの合成 四口フラスコに、市販のベンズアンスロン14.92g
(0.065mol)、酢酸10mlをいれ、これを撹
拌しながら、氷冷下、発煙硝酸25ml(0.6mo
l)滴下して加えた。室温で3時間撹拌し、更に、80
℃で0.5時間撹拌した。これを水に入れ、更にクロロ
ホルムを加えて、混ぜ、不溶物を取り出し、更にこれ
を、水とクロロホルムで、洗浄し、最後に10ccのエ
タノールで洗浄した。これを減圧乾燥した後、モノクロ
ルベンゼンで1回、再結晶することによって精製した。
目的物は10.19g得られ(収率57.2%)、融点
は248.0〜249.5℃であった。また、この化合
物の赤外線吸収スペクトル図を図5に示す。
【0043】合成例3 化合物No.34の3,4−ジブトキシカルボニルベン
ズアンスロンの合成 (1)アセナフチルフェニルケトンの合成 四口フラスコに、アセナフテン7.71g(0.05m
ol)、二硫化炭素100mlをいれ、機械撹拌しなが
ら、塩化アルミニウム13.33g(0.10mol)
を入れた。これに、更に塩化ベンゾイル7.03g
(0.05mol)を加えて、室温で1時間撹拌した。
これを水に入れ、更にクロロホルムを加えて、分液ロー
トを用いて振り混ぜ、分液し、クロロホルム相を取り出
した。これに硫酸マグネシウム40gを加え、1晩放置
し、ガラスフィルターで濾過をして濾液を採った。エバ
ボレータにて抽出溶媒を留去し、生成物を得た。この生
成物をシリカゲルカラムにて、展開溶媒をトルエンとし
て展開し、目的の化合物を分離抽出し、エバボレータに
て展開溶媒を留去した。更に、この化合物をエタノール
で1回、再結晶することによって精製した。目的物は
8.04g得られ(収率62.3%)、融点は98.0
〜99.5℃であった。 (2)3,4−エチレンベンズアンスロンの合成 四口フラスコに、(1)で得られたアセナフチルフェニ
ルケトン25.8g(0.1mol)を入れ、撹拌しな
がら油浴でおよそ90℃に温めて溶解し、ここに塩化ア
ルミニウム39.99g(0.3mol)を徐々に加
え、140℃で2.5時間撹拌した。十分冷めてから、
これを水にいれ、更にクロロホルムを加えて、分液ロー
トを用いて振り混ぜ、分液し、クロロホルム相を取り出
した。これに硫酸マグネシウム40gを加え、1晩放置
し、G5のガラスフィルターで濾過をして濾液を採っ
た。エバボレータにて抽出溶媒を留去し、生成物を得
た。この生成物をシリカゲルカラムにて、展開溶媒を
1,2−ジクロロエタンとして展開し、目的の化合物を
分離抽出し、エバボレータにて展開溶媒を留去した。更
に、この化合物をメトキシエタノールで1回、再結晶す
ることによって精製した。目的物は3.25g得られ
(収率12.7%)、融点は240℃であった。 (3)3,4−ベンズアンスロン ジカルボキシリック
アンヒドライド合成 四口フラスコに、(2)で得られた3,4−エチレンベ
ンズアンスロン2.56g(0.01mol)、酢酸3
2ccを入れ、撹拌しながら、重クロム酸カリウム1
1.9gを少量づつ、添加し、100℃で3時間反応さ
せた。これを、氷水に入れ、塩酸酸性にし、ガラスフィ
ルターを用いて濾過し、固体をとった。これを、水酸化
ナトリウム塩基性溶液にいれ、十分撹拌した後、ガラス
フィルターを用いて濾過し、濾液を取った。この濾液を
塩酸酸性にし、ガラスフィルターを用いて濾過し、固体
をとった。これを減圧乾燥した後、モノクロルベンゼン
で1回、再結晶することによって精製した。目的物は
1.1g得られ(収率36.7%)、融点は270℃以
上であった。 (4)3,4−ジブトキシカルボニルベンズアンスロン
の合成 四口フラスコに、(3)で得られた3,4−ベンズアン
スロン ジカルボキシリック アンヒドライド0.90
g(0.003mol)、ジメチル硫酸0.76g
(0.06mol)、無水ブタノール200mlを入
れ、撹拌しながら2時間還流させた後、炭酸カリウム
0.46g(0.003mol)を加え、更に2時間還
流させた。その後、更に、炭酸カリウム0.10g
(0.001mol)、ジメチル硫酸0.19g(0.
001mol)を加えて、40時間還流させた。十分冷
めてから、これを水にいれ、更にトルエンを加えて、分
液ロートを用いて振り混ぜ、分液し、トルエン相を取り
出した。これに硫酸マグネシウム40gを加え、1晩放
置し、G5のガラスフィルターで濾過をして濾液を採っ
た。エバボレータにて抽出溶媒を留去し、生成物を得
た。この生成物をシリカゲルカラムにて、展開溶媒を
1,2−ジクロロエタンとして展開し、目的の化合物を
分離抽出し、エバボレータにて展開溶媒を留去した。更
に、この化合物をエタノールで1回、再結晶することに
よって精製した。目的物は0.52g得られ(収率5
0.0%)、融点は93.0〜94.5℃であった。ま
た、この化合物の赤外線吸収スペクトル図を図6に示
す。
【0044】合成例4 化合物No.55のベンズアンスロニリデン−n−ブチ
ルシアノアセテートの合成 四口フラスコに、市販のベンズアンスロン11.51g
(0.05mol)、乾燥ジクロロメタン200ml、
シアノ酢酸−n−ブチル14.12g(0.1mol)
を入れ、氷冷下機械撹拌し、均一な溶液とした後、四塩
化チタン19.0g(0.1mol)を、徐々に加え
た。次に、N−メチルモルホリン71.0g(0.7m
ol)を、同様に徐々に加えた。室温で、8.5時間撹
拌した後、これを水にいれ、更に1,2−ジクロロエタ
ンを加えて、分液ロートを用いて振り混ぜ、分液し、
1,2−ジクロロエタン相を取り出した。これに硫酸マ
グネシウム40gを加え、1晩放置し、ガラスフィルタ
ーで濾過をして濾液を採った。エバボレータにて抽出溶
媒を留去し、生成物を得た。この生成物をシリカゲルカ
ラムにて、展開溶媒を1,2−ジクロロエタンとして展
開し、目的の化合物をエタノールで1回、再結晶するこ
とによって精製した。オレンジ色の結晶が7.49g得
られ(収率42.4%)、融点は107.5〜109.
0℃であった。また、この化合物の赤外線吸収スペクト
ル図を図7に示す。
【0045】合成例5 化合物No.73のベンズアンスロニリデンマロノニト
リルの合成 四口フラスコに、市販のベンズアンスロン1.84g
(0.008mol)、乾燥クロロホルム80mlを入
れ、撹拌しながら、これに四塩化チタン3.6mlを加
えた。次に、マロノニトリル10.56g(0.16m
ol)を加え、更にピリジン26mlを加え、15時間
還流させた。これを水に入れ、更に1,2−クロロホル
ムを加えて、分液ロートを用いて振り混ぜ、分液し、ク
ロロホルム相を取り出した。これに硫酸マグネシウム4
0gを加え、1晩放置し、ガラスフィルターで濾過をし
て濾液を採った。エバボレータにて抽出溶媒を留去し、
生成物を得た。この生成物をシリカゲルカラムにて、展
開溶媒をトルエンとして展開し、目的の化合物を分離抽
出し、エバボレータにて展開溶媒を留去した。更に、こ
の化合物をアセトニトリルで1回、再結晶することによ
って精製した。オレンジ色の結晶が0.52g得られ
(収率23.4%)、融点は257℃であった。また、
この化合物の赤外線吸収スペクトル図を図8に示す。
【0046】実施例1 X型無金属フタロシアニン5部、ポリビニルブチラール
樹脂(エスレックスBLS;積水化学製)2.5部、テ
トラヒドロフラン90部をボールミルにて12時間分散
させ、次にテトラヒドロフランを2重量%の分散液濃度
になるように、加え、再分散させて塗布液を調整した。
このように調整した塗布液をアルミニウムを約1000
Åの厚さに蒸着した100μm厚のポリエステルフィル
ム上にドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚
が0.5μmの電荷発生層を形成した。このようにして
得られた電荷発生層上に、表1の化合物No.32のベ
ンズアンスロン誘導体6部、及びポリカーボネート樹脂
(パンライトK−1300;帝人化成製)10部、テト
ラヒドロフラン94gからなる処方の塗布液を調整し、
ドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が2
0.0μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極/
電荷発生層/電荷輸送層で形成される積層型電子写真感
光体No.1を作製した。
【0047】実施例2 実施例1で用いたベンズアンスロン誘導体の代わりに、
表1の化合物No.34のベンズアンスロン誘導体を用
いること以外は実施例1と同様にして積層型電子感光体
No.2を作製した。
【0048】比較例1 実施例1で用いたベンズアンスロン誘導体の代わりに、
2,4,7−トリニトロフルオレノンを用いること以外
は実施例1と同様にして、感光体を作製した。
【0049】実施例3 下記構造式で表されるビスアゾ色素5部、ブチラール樹
脂(デンカブチラール樹脂#3000−2;電気化学工
業製)2.5g及びテトラヒドロフラン92.5部をボ
ールミルにて12時間分散させ、次にテトラヒドロフラ
ンを2重量%の分散液濃度になるように加え、再分散さ
せて塗布液を調整した。調整した分散液をアルミニウム
を蒸着した100μm厚のポリエステルフィルム上にド
クターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が1.0
μmの電荷発生層を形成した。
【化2】 このようにして得られた電荷発生層上に、表1の化合物
No.32のベンズアンスロン誘導体6部、及びポリカ
ーボネート樹脂(K−1300;帝人化成製)10部、
メチルフェニールシリコン(KF50 100CPS;
信越化学製)0.002部、テトラヒドロフラン94部
からなる処方の塗布液を調整し、ドクターブレードにて
流延塗布し、乾燥後の膜厚が20.0μmの電荷輸送層
を形成し、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層
で構成される積層型電子写真感光体No.3を作製し
た。
【0050】実施例4 実施例3で用いたベンズアンスロン誘導体の代わりに、
表1の化合物No.34のベンズアンスロン誘導体を用
いること以外は実施例3と同様にして積層型電子写真感
光体No.4を作製した。
【0051】比較例2 実施例3で用いたベンズアンスロン誘導体の代わりに、
3,5−ジメチル−3’,5’−ジ−t−ブチル−ジフ
ェノキノンを用いること以外は、実施例3と同様にして
感光体を作製した。
【0052】実施例5 実施例3で用いたビスアゾ色素の代わりに、下記構造式
で表されるトリスアゾ色素6部を用いること以外は実施
例3と同様にして電荷発生層を形成した。
【化3】 このようにして得られた電荷発生層上に、表1の化合物
No.32のベンズアンスロン誘導体6部、ポリカーボ
ネート樹脂(ベンライトK−1300;帝人化成製)1
0部、メチルフェニールシリコン(KF50 100C
PS;信越化学製)0.002部、テトラヒドロフラン
94部からなる塗布液を調整し、実施例1と同様の方法
で乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、アル
ミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層で構成される積
層型電子写真感光体No.5を作製した。
【0053】実施例6 実施例5で用いたベンズアンスロン誘導体の代わりに、
表1の化合物No.34のベンズアンスロン誘導体を用
いること以外は実施例5と同様にして積層型電子写真感
光体No.6を作製した。
【0054】比較例3 実施例5で用いたベンズアンスロン誘導体の代わりに、
2−ブトキシカルボニルアントラキノンを用いること以
外は実施例5と同様にして感光体を作製した。
【0055】実施例7 実施例5で用いたトリスアゾ色素6部の体の代わりに、
下記構造式で表されるビスアゾ色素5部を用いること以
外は実施例5と同様にして電荷発生層を形成した。
【化4】 このようにして得られた電荷発生層上に、表1の化合物
No.32のベンズアンスロン誘導体6部、ポリカーボ
ネート樹脂(パンライトK−1300;帝人化成製)1
0部、メチルフェニールシリコン(KF50 100C
PS;信越化学製)0.002部、テトラヒドロフラン
94部からなる塗布液を調製し、実施例1と同様の方法
で、乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、ア
ルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層で構成される
積層型電子写真感光体No.7を作製した。
【0056】実施例8〜17 実施例7において用いた化合物No.32のベンズアン
スロン誘導体の代わりに、表1の化合物No.1、化合
物No.2、化合物No.7、化合物No.13、化合
物No.34、化合物No.55、化合物No.57、
化合物No.59、化合物No.70、化合物No.7
3の各ベンズアンスロン誘導体を用いること以外は実施
例7と同様の方法で積層型電子写真感光体No.8、感
光体No.9、感光体No.10、感光体No.11、
感光体No.12、感光体No.13、感光体No.1
4、感光体No.15、感光体No.16、感光体N
o.17を作製した。
【0057】比較例4 実施例7で用いた化合物No.32のベンズアンスロン
誘導体の代わりに、4−ブトキシカルボニルフルオレニ
リデンマロニトリルを用いること以外は、実施例7と同
様の方法で感光体を作製した。
【0058】実施例18 X型無金属フタロシアニン0.5gをポリカーボネート
Zの10wt%テトラヒドロフラン溶液10g、テトラ
ヒドロフラン9gとともにボールミリングした後、顔料
組成2wt%、ポリカーボネートZ組成が50wt%、
表1の化合物No.32のベンズアンスロン誘導体が1
8wt%、下記化学式で表わされる正孔移動物質が30
wt%となるように10wt%のポリカーボネートZ溶
液、ベンズアンスロン誘導体正孔移動物質を加え、十分
に撹拌し、感光体塗布液を調整した。このようにして調
整した塗布液をアルミニウムを1000Åの厚さに蒸着
した75μm厚のポリエステルフィルム上にドクターブ
レードにて塗布し、乾燥後の膜厚が15μmの感光層を
有する単層型電子写真用感光体を作製した。
【化5】
【0059】実施例19 実施例18で用いた化合物No.32のベンズアンスロ
ン誘導体の代わりに、表1の化合物No.34のベンズ
アンスロン誘導体を用いること以外は実施例18と同様
にして単層型電子写真感光体No.19を作製した。
【0060】比較例5 実施例18においてベンズアンスロン誘導体を除いた以
外は実施例18と同様にして感光体を作製した。
【0061】実施例20 実施例3で用いたビスアゾ化合物0.5gをポリカーボ
ネートZの10wt%テトラヒドロフラン溶液10g、
テトラヒドロフラン9gとともにボールミリングした
後、顔料組成4wt%、ポリカーボネートZ組成が50
wt%、表1の化合物No.32のベンズアンスロン誘
導体が16wt%、前記実施例18で用いた正孔移動物
質が30wt%となるように10wt%のポリカーボネ
ートZ溶液、ベンズアンスロン誘導体、正孔移動物質を
加え、十分に撹拌し、感光体塗布液を調整した。このよ
うにして調整した塗布液をアルミニウムを1000Åの
厚さに蒸着した75μm厚のポリエステルフィルム上に
ドクターブレードにて塗布し、乾燥後の膜厚が15μm
の感光層を有する単層型電子写真用感光体を作製した。
【0062】実施例21〜30 実施例20で用いた化合物No.32のベンズアンスロ
ンの誘導体の代わりに、表1の化合物No.1、化合物
No.2、化合物No.7、化合物No.13、化合物
No.34、化合物No.55、化合物No.57、化
合物No.59、化合物No.70、化合物No.73
の各ベンズアンスロン誘導体を用いること以外は実施例
20と同様の方法で単層電子写真感光体No.21、感
光体No.22、感光体No.23、感光体No.2
4、感光体No.25、感光体No.26、感光体N
o.27、感光体No.28、感光体No.29、感光
体No.30を作製した。
【0063】比較例6 実施例20において、ベンズアンスロン誘導体を除いた
以外は実施例20と同様にして感光体を作製した。
【0064】以上のようにして作製した各電子写真用感
光体を川口電機(株)製の静電複写紙試験装置(SP−
484)を用い、+6KVのコロナ放電を20秒間行な
って帯電せしめた後の表面電位Vs(V)、次いで20
秒間暗減衰させ、その時の表面電位Vo(V)、及び、
その時点から感光体表面の照度が20ルックスになるよ
うにしてタングステン光を照射し、Voが1/2になる
のに要する露光量E1/2(ルックス・秒)、光照射30
秒後の表面電位V30(V)を測定した。測定結果を表
3〜8に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】
【表7】
【0070】
【表8】
【0071】
【発明の効果】本発明に係る、電荷輸送物質として有用
なベンズアンスロン誘導体は、比較的簡単な方法で効率
の良く製造することができ、しかもバインダー樹脂中で
優れた溶解性または分散性を有する。また、該ベンズア
ンスロン誘導体は電荷発生物質より発生された電荷を、
受入れそして輸送する優れた能力を有し、電荷輸送物質
として、該ベンズアンスロン誘導体を含有する電子写真
感光体は、高い暗減衰率および高い感度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型電子写真感光体の断面図で
ある。
【図2】本発明に係る保護層を設けた積層型電子写真感
光体の断面図である。
【図3】本発明に係る単層型電子写真感光体の断面図で
ある。
【図4】合成例1で得られた本発明のベンズアンスロン
誘導体の赤外線吸収スペクトル図である。
【図5】合成例2で得られた本発明のベンズアンスロン
誘導体の赤外線吸収スペクトル図である。
【図6】合成例3で得られた本発明のベンズアンスロン
誘導体の赤外線吸収スペクトル図である。
【図7】合成例4で得られた本発明のベンズアンスロン
誘導体の赤外線吸収スペクトル図である。
【図8】合成例5で得られた本発明のベンズアンスロン
誘導体の赤外線吸収スペクトル図である。
【符号の説明】
1・・・支持体 2・・・電荷発生層 3・・・電荷輸送層 4・・・感光層(積層構成) 5・・・保護層 6・・・感光層(単層構成)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 49/643 49/693 49/755 69/616 69/76 A 9546−4H 205/11 205/45 211/61 245/10 251/24 255/49 261/04 9451−4H 317/14 317/22 317/32 C07D 263/56 277/64 G03G 5/06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるベンズアン
    スロン誘導体。 【化1】 {式中、R1、R2は、置換もしくは無置換のアルキル
    基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換もしくは無置
    換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のア
    リールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカル
    バモイル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もし
    くは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリ
    ールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換も
    しくは無置換のスルホン基、置換もしくは無置換のスル
    ホンアミド基、シアノ基、チオシアノ基、ニトロ基、ま
    たはハロゲン原子を表し、R1、R2は同一であっても異
    なっていてもよい。Xは=O、=N−R3、=N−C
    N、=C(A)(B)を表す。(ここでR3は、置換も
    しくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香
    族基を表す。またA、Bは水素原子、置換もしくは無置
    換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族基、置換
    もしくは無置換の複素環基、置換もしくは無置換のアル
    コキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオ
    キシカルボニル基、シアノ基を表し、A、Bは同一であ
    っても、異なっていてもよい。) mは0〜4の整数を表し、nは0〜6の整数を表す。}
  2. 【請求項2】 導電性支持体とその上に形成された感光
    層を必須の構成要素とする電子写真感光体において、下
    記一般式(I)で表されるベンズアンスロン誘導体を含
    有させたことを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1、R2、X、m、nは請求項1記載のものと
    同じ。)
  3. 【請求項3】 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層
    の2層からなり、該電荷輸送層に前記一般式(I)で表
    されるベンズアンスロン誘導体の少なくとも一種を含有
    させたことを特徴とする請求項2記載の電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 前記感光層が、電荷発生物質及び電荷輸
    送物質を含む単層からなり、該電荷輸送物質として、前
    記一般式(I)で表されるベンズアンスロン誘導体の少
    なくとも一種を含有させたことを特徴とする請求項2記
    載の電子写真感光体。
JP21424894A 1994-06-17 1994-08-16 ベンズアンスロン誘導体及びそれを含有する電子写真感光体 Pending JPH0859520A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09319104A (ja) * 1996-05-24 1997-12-12 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
WO1998018764A1 (de) * 1996-10-28 1998-05-07 Merck Patent Gmbh Dihydrobenzoanthracenone, -pyrimidinone oder dihydronaphthochinolinone

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JPH09319104A (ja) * 1996-05-24 1997-12-12 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
WO1998018764A1 (de) * 1996-10-28 1998-05-07 Merck Patent Gmbh Dihydrobenzoanthracenone, -pyrimidinone oder dihydronaphthochinolinone

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