JP3280787B2 - フルオレン化合物およびそれを含有する電子写真感光体 - Google Patents

フルオレン化合物およびそれを含有する電子写真感光体

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフルオレン化合
物および該化合物を含有する電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層として、
セレン、セレン−テルル合金、酸化亜鉛などの無機光導
電性物質が広く用いられてきたが、近年、有機光導電性
物質を用いた電子写真感光体に関する研究が進みその一
部は実用化されている。ここで実用化に至った感光体の
ほとんどは、電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離した
感光層からなる積層型電子写真感光体であり、これによ
り無機光導電性物質からなる感光体と比較して劣ってい
た感度及び感光体寿命の点で改善され、低コストで安全
性や多様性など有機光導電性物質の長所を生かした電子
写真感光体の設計が活発に行なわれるようになった。こ
の種の積層型電子写真感光体は、一般には導電性支持体
上に顔料、染料などの電荷発生物質からなる電荷発生
層、ヒドラゾン、ピラゾリンなど電荷輸送物質からなる
電荷輸送層を順に形成したもので、電子供与性である電
荷輸送物質の性質上正孔移動型となり、感光体表面に負
帯電したとき感度を有する。ところが負帯電では帯電時
に用いるコロナ放電が正帯電に比べて不安定であり、正
帯電時の10倍程度のオゾン、窒素酸化物などを発生
し、感光体表面に吸着などの物理的劣化や化学的劣化を
引き起こしやすく、さらに環境を悪くするという問題が
ある。さらに他の問題は、負帯電用感光体の現像には正
極性のトナーが必要となるが正極性のトナーは強磁性体
キャリア粒子に対する摩擦帯電系列から見て製造が困難
であり、2成分高抵抗磁気ブラシ現像方式においては負
帯電トナー/現像剤の方が安定であり、選択と使用条件
の自由度も大きく、この点でも正帯電型感光体に適用範
囲は広く有利である。そこで、有機光導電性物質を用い
る感光体を正帯電で使用することが提案されている。例
えば、電荷発生層上に電荷輸送層を積層して感光体を形
成する際、前記電荷輸送層に電子輸送能の大きい、例え
ば2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等が使用
されているが、その物質は発癌性があり、労働衛生上極
めて不適当である等の問題がある。また、電子輸送化合
物としては、特開昭60−69657にはフルオレニデ
ンメタン化合物が、特開昭61−233750にはアン
トラキノジメタン及びアンロン誘導体が使用されている
が、これらはともに繰返し特性に問題がある。特開平5
−25136にはナフタレンジカルボン酸イミド化合物
が、特開平5−25174にはナフタレンテトラカルボ
ン酸ジイミド化合物が使用されているが、これらはとも
に感度が不十分であり、また、バインダ樹脂との相溶性
が悪い等、改善すべき問題がある。さらに正帯電感光体
として米国特許3,615,414号には、チアピリリ
ウム塩(電荷発生物質)をポリカーボネート(バインダ
樹脂)と共晶錯体を形成するように含有させたものが示
されている。しかしこの公知の感光体ではメモリ現象が
大きく、ゴーストも発生し易いと言う欠点がある。そこ
で光照射時、正孔及び電子を発生する電荷発生物質を含
有する電荷発生層を上層(表面層)とし、正孔輸送能を
有する電荷輸送物質を含む電荷輸送層を下層とする積層
構成の感光層を有する感光体を正帯電用として使用可能
と考えられる。しかしながら、前記正帯電用感光体は電
荷発生物質を含む層が表面層として形成されるため、光
照射時特に紫外線等の短波長光照射、コロナ放電、湿
度、機械的摩擦等の外部作用に脆弱な電荷発生物質が前
記表面層近傍に存在することになり、感光体の保存中及
び像形成の過程で電子写真性能が劣化し、画質が低下す
るようになる。従来の電荷輸送層を表面層とする負帯電
用感光体においては、前記各種の外部作用の影響は極め
て少なく、むしろ前記電荷輸送層が下層の電荷発生層を
保護する作用を有している。そこで、例えば絶縁性かつ
透明な樹脂からなる薄い保護層を設け、前記電荷発生物
質を含む層を外部作用から保護することが考えられる
が、光照射時発生する電荷がその保護層でブロッキング
されて光照射効果が失われてくるし、また表面層となる
保護層の膜厚が大きい場合には感度低下を招くことにな
る。このように正帯電用感光体を得るための試みが種々
行なわれているが、いずれも光感度、メモリ現象または
労働衛生等の点で改善すべき多くの問題点がある。
【0003】
【目的】本発明の目的は、新規なフルオレン化合物、お
よび該化合物を感光層に含有する電子写真感光体の提供
を目的とする。
【0004】
【構成】本発明の第1は、下記一般式(I)で表わされ
るフルオレン化合物の提供にある。
【化2】 (式中、R1、R2、R3は互いに独立して、水素原子、
置換または非置換アルキル基、アルコキシ基、置換又は
非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のア
シル基、置換又は非置換のスルホニル基、置換又は非置
換スルホンアミド基、置換又は非置換カルバモイル基、
ハロゲン原子、シアノ基およびニトロ基よりなる群から
選ばれたものである。R1は他の原子と結合して環を形
成していてもよい。l、m、nは1〜4の整数を表わ
す。Xは酸素、イオウまたはセレン原子を表わす。) 本発明の第2は、導電性支持体とその上に形成された感
光層を必須の構成要素とする電子写真感光体において、
感光層が前式(I)で表わされるフルオレン化合物を含
有することを特徴とする電子写真感光体にある。
【0005】前式(I)で表わされる本発明のフルオレ
ン化合物の具体例を下記の表1〜49に示す。ただし、
本発明のフルオレンは表1〜49に示すものに限定され
るものではない。前式(I)のフルオレン化合物は、例
えば下記の反応式(II)に従って、相当するフルオレノ
ン化合物(A)、アセトニトリル誘導体(B)とを、酸
性触媒、塩基性触媒の存在下で反応することによって得
ることができる。反応に使用される酸性触媒としては、
例えば四塩化チタン、塩化亜鉛あるいは三フッ化ホウ素
などがあげられ、塩基性触媒としては、N−メチルモル
フォリン、N−メチルピペリジン、ピリジン、ピペリジ
ン、あるいはトリエチルアミンなどの有機塩基、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム或は酢酸アンモニウムなどの酢
酸塩、炭酸ナトリウム、或は炭酸カリウムなどの無機塩
基などを挙げることができる。反応は、通常無溶媒かジ
クロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、
テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、あるいはベ
ンゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒中で行うことがで
きる。反応温度は0℃から150℃、好ましくは0℃か
ら100℃で行われる。
【化3】 (式中、R1、R2、R3、m、nおよびlは上記に同
じ) 前式(I)で表わされるフルオレン化合物を製造するた
めの出発原料として使用される上記の式Bで表わされる
アセトニトリル誘導体は、下記の反応式(III)に示す
ように、例えば式(C)で表わされるアミノ化合物と式
(D)で表わされる酸クロライドとを反応させることに
よって製造することができる〔Chem.Zvest
i,30(2),186〜194(1976)参照〕
【化4】
【0006】次に本発明の電子写真感光体の構成を図面
によって具体的に説明する。感光体としては例えば図1
に示すように支持体1(導電性支持体またはシート上に
導電層を設けたもの)上に電荷発生物質と必要に応じて
バインダ樹脂を含有する層(電荷発生層)2を下層と
し、電荷輸送物質と必要に応じてバインダ樹脂を含有す
る層(電荷輸送層)3を上層とする積層構成の感光体層
4を設けたもの、図2に示すように図1の感光体層4の
上に保護層5を設けたもの、及び図3に示すように支持
体上に電荷発生物質と電荷輸送物質と必要に応じてバイ
ンダ樹脂を含有する単層構成の感光体層6を設けたもの
等が挙げられるが、図3の単層構成の感光体層6の上層
に保護層が設けられてもよく、また図4に示すように支
持体と感光体層の間に中間層が設けられてもよい。中間
層としては接着層またはバリヤ層等として機能するもの
等が挙げられる。
【0007】本発明に使用する電荷発生物質としては、
可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、
無機物質及び有機物質のいずれをも用いることができ
る。例えば、無定形セレン、三方晶系セレン、セレン−
砒素合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、セレ
ン化カドミウム、硫セレン化カドミウム、硫化水銀、酸
化鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機物質、或
いはビスアゾ系色素、ポリアゾ系色素、トリアリールメ
タン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キサ
ンテン系色素、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリ
リウム系色素、キナクリドン系色素、インジゴ系色素、
ペリレン系色素、多環キノン系色素、ビスベンズイミダ
ゾール系色素、インダンスロン系色素、スクアリリウム
系色素、アントラキノン系色素、及びフタロシアニン系
色素等の有機物質があげられる。
【0008】本発明において感光体層に使用可能なバイ
ンダ樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹
脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、
並びにこれらの樹脂の繰返し単位のうち2つ以上を含む
共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体
樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0009】次に前記感光体層を支持する導電性支持体
としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金属
ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、酸化イン
ジウムなどを蒸着したプラスチックフィルム或いは導電
性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルムまた
はドラムを使用することができる。
【0010】本発明に係る感光体を電荷発生層と電荷輸
送層の積層構成で形成する場合、すなわち前述の図1及
び図2の場合、本発明の電荷輸送物質層は、適当な溶媒
に単独もしくは適当なバインダ樹脂とともに溶解もしく
は分散せしめたものを塗布して乾燥させる方法により設
けることができる。電荷輸送層に用いられる溶媒として
は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、
キシレン、モノクロルベンゼン、1,2−ジクロルエタ
ン、ジクロルメタン、1,1,1−トリクロルエタン、
1,1,2−トリクロルエチレン、テトラヒドロフラ
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等を挙げることができる。この電荷輸送
層中、電荷輸送物質がバインダ樹脂に含有される割合
は、バインダ樹脂100重量部に対して電荷輸送物質が
20〜200重量部とされる。この時に、電荷輸送層の
膜厚は、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは5〜
30μmである。電荷発生層は電荷発生物質を導電性支
持体上に真空蒸着するか、或いは適当な溶媒に単独もし
くは適当なバインダ樹脂と共に溶解もしくは分散せしめ
たものを塗布、乾燥して電荷輸送層と同様に形成するこ
とができる。上記電荷発生物質を分散せしめて電荷発生
層を形成する場合、その電荷発生物質は2μm以下、好
ましくは1μm以下の平均粒径の粉粒体とされるのが好
ましい。すなわち、粒径があまりに大きいと層中への分
散が悪くなると共に、粒子が表面に一部突出して表面の
平滑性が悪くなり、場合によっては粒子の突出部分で放
電が生じたり或いはそこにトナー粒子が付着してトナー
フィルミング現象が生じやすい。ただし、上記の粒径が
あまりに小さいと却って凝集しやすく、層の抵抗が上昇
したり、結晶欠陥が増えて感度及び繰返し特性が低下し
たり、或いは微細化する上で限界があるから、平均粒径
の下限を0.01μmとするのが好ましい。電荷発生層
は、次の如き方法によって設けることができる。すなわ
ち、電荷発生物質はボールミル、ホモミキサー等によっ
て分散媒中で微細粒子とし、バインダ樹脂を加えて混合
分散して得られる分散液を塗布する方法である。この方
法において超音波の作用下に粒子を分散させると均一分
散が可能である。また電荷発生層中に電荷発生物質がバ
インダ樹脂に含有される割合は、バインダ樹脂100重
量部に対して20〜200重量部とされる。以上のよう
にして形成される電荷発生層の膜厚は、好ましくは0.
1〜10μm、特に好ましくは0.5〜5μmである。
次に本発明の感光体を単層構成で形成する場合、すなわ
ち図3の場合、電荷発生物質及び電荷輸送物質がバイン
ダ樹脂に含有される割合は、バインダ樹脂100重量部
に対して電荷発生物質は20〜200重量部、電荷輸送
物質は20〜200重量部とされる。この単層構成の感
光体の膜厚は7〜50μm、さらに好ましくは10〜3
0μmである。また、前記中間層は接着層またはバリヤ
層等として機能するもので、上記のバインダ樹脂のほか
に、例えばポリビニルアルコール、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体、カゼイン、N−アルコキシメチルナイロン等の
樹脂をそのまま、または酸化スズあるいはインジウムな
どを分散させたもの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、或
いは酸化ケイ素等の蒸着膜等が用いられる。中間層の膜
厚は、1μm以下が望ましい。また、前記保護層に用い
られる材料としては、前述の樹脂をそのまま使用する
か、または酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗物質
を分散させたものが適当である。また、有機プラズマ重
合膜も使用でき、その有機プラズマ重合膜は必要に応じ
て適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期律表の第III族、第
V族原子を含んでもよい。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、これ
により本発明の実施の態様が限定されるものではない。 実施例1 市販の9−フルオレノン−2−カルボン酸45g、
n−ブタノール290g、溶剤トルエン100ml、濃
硫酸4.2gを還流(reflux)し、脱水反応を行
った。その後、室温まで自然冷却させ、予め1/4量の
氷を入れたビーカー中にこれを移し、1時間撹拌した
後、1リットル分液ロートに移し、有機層と水層を分別
した。有機層を更に2回水洗して、1リットル三角フラ
スコ中に有機層を収集し、脱水剤として硫酸マグネシウ
ム50gを加え、1晩、室温放置した。これを硝子フィ
ルターを用いてろ過し、溶剤を留去した。これをカラム
クロマトグラフィーにより単離し、粗生成物を得た。こ
れを再結晶して、55.9gの9−フルオレノン−2−
カルボン酸ブチルエステルを収率98%で得た。 で得た9−フルオレノン−2−カルボン酸ブチル
エステル5.6g、市販のベンゾチアゾール−2−イル
アセトニトリル7gを、ジクロロメタン200ml中で
撹拌し、氷冷して溶液温度を下げた状態で、四塩化チタ
ン7.60g、次いでメチルモルフォリン4.10gを
加え、室温で4時間撹拌して反応させた。反応混合物を
氷上に注ぎ、クロロホルム500ml、水500mlを
加えてよく撹拌し、分離したクロロホルム層を中性にな
るまで水洗した。クロロホルム層は無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥したあと、クロロホルムを留去し、ついで残渣
に対しトルエンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー処理を行ない、得られた粗製の目的物を
エタノールから再結晶して純粋な目的物3.17gを得
た。融点167.0〜167.5℃。またこのものの赤
外吸収スペクトル図を図5に示す。
【0012】実施例2〜6および8 前記一般式(A)で表される種々のフルオレノン化合物
と、前記一般式(B)で表される種々のアセトニトリル
誘導体を用い、実施例1と同じ方法で純粋な本発明の目
的物を得た。以上のようにして得られた化合物の融点及
び元素分析の結果を表51、表52に示す。
【0013】実施例7 市販の2−アミノ−4−t−ブチルフェノール16g、
シアノ酢酸8g、THF250ml、N,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド20gを加え、室温で撹拌し
て反応させたところ、ウレアが析出したので、ガラスフ
ィルターを用いて濾過しウレアを除いた。濾液は、なす
型フラスコに受け、溶剤THFを留去した。これに、p
−トルエンスルホン酸を等モル、トルエン20mlを加
え、還流して反応させ、水洗、抽出を行ない、収率28
%で5−tert−ブチル−2−イルアセトニトリルを
得た。この5−tert−ブチル−2−イルアセトニト
リルを原料とし、実施例1と同様にして、収率42%で
化合物No.97を得た。以上のようにして得られた化
合物の融点及び元素分析の結果を表52に示す。
【0014】実施例9 下記化学式(E)で表されるビスアゾ色素5部、ブチラ
ール樹脂(デンカビチラール樹脂♯3000−2:電気
化学工業製)2.5部及びテトラヒドロフラン92.5
部をボールミルにて12時間分散させ、次にテトラヒド
ロフランを2重量%の分散液濃度になるように加え、再
分散させて塗布液を調整した。調整した分散液をアルミ
ニウムを蒸着した100μm厚のポリエステルフィルム
上にドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が
1.0μmの電荷発生層を形成した。
【化5】 このようにして得られた電荷発生層上に、例示化合物
(化合物No.1)6部、及びポリカーボネート樹脂
(K−1300:帝人化成製)10部、メチルフェニル
−シリコン(KF50 100CPS:信越化学製)
0.002部、テトラヒドロフラン94部からなる処方
の塗布液を調整し、ドクターブレードにて流延塗布し、
乾燥後の膜厚が20.0μmの電荷輸送層を形成し、ア
ルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層で構成される
積層型電子写真感光体(感光体No.1)を作製した。
【0015】実施例10、11 実施例1の化合物No.1の代わりに表1と9の例示化
合物中の化合物No.3、97を用いること以外は実施
例9と同様の方法で感光体No.2〜3を作製した。
【0016】実施例12 前記化学式(E)で表されるビスアゾ色素5部の代わり
に、下記化学式(F)で表されるトリスアゾ色素6部を
用いること以外は実施例1と同様の方法で電荷発生層を
作製した。
【化6】 このようにして得られた電荷発生層上に、例示化合物
(化合物No.1)6部、ポリカーボネート樹脂(K−
1300:帝人化成製)10部、メチルフェニル−シリ
コン(KF50 100CPS:信越化学製)0.00
2部、テトラヒドロフラン94部からなる塗布液を調製
し、実施例1と同様の方法で、乾燥後の膜厚が20.0
μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極/電荷発
生層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光体
(感光体No.4)を作製した。
【0017】実施例13、14 化合物No.1の代わりに、各表の前段に示す一般式を
もつ例示化合物中の化合物No.3、97を用いること
以外は実施例12と同様の方法で感光体No.5、6を
作製した。
【0018】実施例15 前記化学式(E)で表されるビスアゾ色素5部の代わり
に、下記化学式(G)で表されるビスアゾ色素6部を用
いること以外は実施例9と同様の方法で電荷発生層を作
製した。
【化7】 このようにして得られた電荷発生層上に、例示化合物
(化合物No.1)6部、ポリカーボネート樹脂(K−
1300:帝人化成製)10部、メチルフェニル−シリ
コン(KF50 100CPS:信越化学製)0.00
2部、テトラヒドロフラン94部からなる塗布液を調製
し、実施例1と同様の方法で、乾燥後の膜厚が20.0
μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極/電荷発
生層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光体
(感光体No.7)を作製した。
【0019】実施例16、17 化合物No.1の代わりに、各表の前段に示す一般式を
もつ例示化合物中の化合物No.3、97を用いること
以外は実施例12と同様の方法で感光体No.8、9を
作製した。
【0020】実施例18 前記化学式(E)で表されるビスアゾ色素5部の代わり
に、x型無金属フタロシアニンX−H2Cを用いること
以外は実施例9と同様の方法で電荷発生層を作製した。
このようにして得られた電荷発生層上に、例示化合物
(化合物No.1)6部、ポリカーボネート樹脂(K−
1300:帝人化成製)10部、メチルフェニル−シリ
コン(KF50 100CPS:信越化学製)0.00
2部、テトラヒドロフラン94部からなる塗布液を調製
し、実施例1と同様の方法で、乾燥後の膜厚が20.0
μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極/電荷発
生層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光体
(感光体No.10)を作製した。
【0021】実施例19、20 化合物No.1の代わりに、各表の前段に示す一般式を
もつ例示化合物中の化合物No.3、97を用いること
以外は実施例12と同様の方法で感光体No.11、1
2を作製した。以上のようにして得られた電子写真感光
体について、静電複写紙試験装置(川口電気製作所製:
SP−428)を用いて以下のように特性評価を行っ
た。+6KVのコロナ帯電を施して、正帯電した後、2
0秒間暗所に放置し、その時の表面電位V0を測定し、
次いでタングステンランプを用いて表面の照度が40ル
ックスに成るように光照射し、その時V0が半分になる
のに要した露光量をE1/2(1ux・sec)を測定し
た。その結果を表53に示す。
【0022】
【化8】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0023】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【0024】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【0025】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【0026】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【0027】
【表37】
【表38】
【表39】
【0028】
【化9】
【表40】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【0029】
【表47】
【表48】
【表49】
【表50】
【0030】
【表51】
【表52】
【表53】
【0031】
【発明の効果】本発明に係るフルオレン化合物は、比較
的簡単に、かつ高率で製造することができ、バインダ樹
脂中で優れた溶解性または分散性を有する。さらに、該
フルオレン化合物は電荷輸送性アクセプター性化合物と
して優れた性質を有し、このフルオレン化合物を含有す
る電子写真感光体を作成した場合、高い暗減衰率および
高い感度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層構成の感光体の基本的構成を模式
的に示す図である。
【図2】図1の感光体上に保護層を設けた感光体を示す
図である。
【図3】本発明の単層構成の感光体の基本的構成を模式
的に示す図である。
【図4】図1の感光体に中間層を設けた感光体を示す図
である。
【図5】実施例1で得たフルオレン化合物の赤外線吸収
スペクトル図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 感光体層(積層構成) 5 保護層 6 感光体層(単層構成) 7 中間層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−69657(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 263/56 C07D 277/64 C07D 293/12 G03G 5/06 314 G03G 5/06 318 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされるフルオレ
    ン化合物。 【化1】 (式中、R1、R2、R3は互いに独立して、水素原子、
    置換または非置換アルキル基、アルコキシ基、置換又は
    非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のア
    シル基、置換又は非置換のスルホニル基、置換又は非置
    換スルホンアミド基、置換又は非置換カルバモイル基、
    ハロゲン原子、シアノ基およびニトロ基よりなる群から
    選ばれたものである。R1は他の原子と結合して環を形
    成していてもよい。l、m、nは1〜4の整数を表わ
    す。Xは酸素、イオウまたはセレン原子を表わす。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体とその上に形成された感光
    層を必須の構成要素とする電子写真感光体において、感
    光層が前式(I)で表わされるフルオレン化合物を含有
    することを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 感光層が、電荷発生物質層と該電荷発生
    物質層上に、前記式(I)で表わされるフルオレン化合
    物を含有した電荷輸送物質層を設けた積層構造を有する
    ものである請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 感光層が、電荷発生物質、及び少なくと
    も前式(I)で表わされるフルオレン化合物を配合した
    電荷輸送物質、必要に応じてさらにバインダー樹脂を有
    する単層構造を有するものである請求項2記載の電子写
    真感光体。
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