JPH09124634A - クロモン化合物及びそれを含有する電子写真感光体 - Google Patents

クロモン化合物及びそれを含有する電子写真感光体

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JPH09124634A
JPH09124634A JP30042395A JP30042395A JPH09124634A JP H09124634 A JPH09124634 A JP H09124634A JP 30042395 A JP30042395 A JP 30042395A JP 30042395 A JP30042395 A JP 30042395A JP H09124634 A JPH09124634 A JP H09124634A
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compound
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formula
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JP30042395A
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Hirotaka Mochizuki
博孝 望月
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真感光体に用いられる電荷輸送性アク
セプター性化合物として有用な新規なクロモン化合物、
及びそれらクロモン化合物を含む感光層を設けた、高感
度で耐久性の良好な電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるクロモン化
合物。またこれらクロモン化合物を感光層中に含有させ
た電子写真感光体。 【化1】 {式中、R1は(置換)アルキル基、(置換)フェニル
基、R2、R3はシアノ基、(置換)アルコキシカルボニ
ル基、(置換)フェニル基。}

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
用いられるアクセプター性化合物として有用な新規クロ
モン化合物、及びそのクロモン化合物を含有させた電子
写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層として、
セレン、セレン−テルル合金、酸化亜鉛などの無機光導
電性物質が広く用いられてきたが、近年、有機光導電性
物質を用いた電子写真感光体に関する研究が進み、その
一部は実用化されている。ここで、実用化に至った感光
体のほとんどは、電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離
した感光層からなる積層型電子写真感光体であり、これ
により、無機光導電性物質からなる感光体と比較して、
劣っていた感度及び感光体寿命の点で改善され、低コス
トで、安全性や多様性など有機光導電性物質の長所を生
かした電子写真感光体の設計が活発に行なわれるように
なった。
【0003】この種の積層型電子写真感光体は、一般に
は、導電性支持体上に、顔料、染料などの電荷発生物質
からなる電荷発生層、ヒドラゾン、ピラゾリンなど電荷
輸送物質からなる電荷輸送層を順に形成したもので、電
子供与性である電荷輸送物質の性質上、正孔移動型とな
り、感光体表面に負帯電したとき感度を有する。ところ
が、負帯電では、帯電時に用いるコロナ放電が正帯電に
比べて不安定であり、正帯電時の10倍程度のオゾン、
窒素酸化物などを発生し、感光体表面に吸着などの物理
的劣化や化学的劣化を引き起こしやすく、さらに、環境
を悪くするという問題がある。さらに他の問題は、負帯
電用感光体の現像には正極性のトナーが必要となるが、
正極性のトナーは強磁性体キャリア粒子に対する摩擦帯
電系列から見て製造が困難であり、2成分高抵抗磁気ブ
ラシ現像方式においては、負帯電トナー/現像剤の方が
安定であり、選択と使用条件の自由度も大きく、この点
でも正帯電型感光体に適用範囲は広く有利である。
【0004】そこで、有機光導電性物質を用いる感光体
を正帯電で使用することが提案されている。例えば、電
荷発生層上に電荷輸送層を積層して感光体を形成する
際、前記電荷輸送層に電荷輸送能の大きい、例えば2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等が使用されて
いるが、その物質は発癌性があり、労働衛生上極めて不
適当である等の問題がある。また、電荷輸送化合物とし
ては、特開昭60−69657号公報にはフルオレニデ
ンメタン化合物が、特開昭61−233750号公報に
はアントラキノジメタン及びアンロン誘導体が使用され
ているが、これらはともに繰返し特性に問題があり、特
開平5−254136号公報にはナフタレンジカルボン
酸イミド化合物が、特開平5−25174号公報にはナ
フタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物が使用されて
いるが、これらはともに感度が不十分であり、また、バ
インダ樹脂との相溶性が悪い等、いずれも改善すべき問
題点がある。さらに正帯電感光体として、米国特許第
3,615,414号には、チアピリリウム塩(電荷発
生物質)をポリカーボネート(バインダ樹脂)と共晶錯
体を形成するように含有させたものが示されている。し
かし、この公知の感光体では、メモリ現象が大きく、ゴ
ーストも発生し易すいという欠点がある。
【0005】そこで光照射時、正孔及び電子を発生する
電荷発生物質を含有する電荷発生層を上層(表面層)と
し、正孔輸送能を有する電荷輸送物質を含む電荷輸送層
を下層とする積層構成の感光層を有する感光体を正帯電
用として使用可能と考えられる。しかしながら、前記正
帯電用感光体は電荷発生物質を含む層が表面層として形
成されるため、光照射時、特に紫外線等の単波長光照
射、コロナ放電、湿度、機械的摩擦等の外部作用に脆弱
な電荷発生物質が前記表面層近傍に存在することにな
り、感光体の保存中及び像形成に過程で電子写真性能が
劣化し、画像が低下するようになる。
【0006】従来の電荷輸送層を表面層とする負帯電用
感光体においては、前記各種の外部作用の影響は極めて
少なく、むしろ前記電荷輸送層が下層の電荷発生層を保
護する作用を有している。そこで、例えば絶縁性かつ透
明な樹脂からなる薄い保護層を設け、前記電荷発生物質
を含む層を外部作用から保護することが考えられるが、
光照射時発生する電荷がその保護層でブロッキングされ
て光照射効果が失われてくるし、また表面層となる保護
層の膜厚が大きい場合には感度低下を招くことになる。
このように正帯電用感光体を得るための試みが種々行わ
れているが、いずれも光感度、メモリ現象または労働衛
生等の点で改善すべき多くの問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電子写真感
光体に用いられるアクセプター性化合物として有用な新
規なクロモン化合物、及び導電性支持体上に電荷発生物
質及び電荷輸送物質を含む感光層を設けた電子写真感光
体であって、特にバインダ樹脂との相溶性の良い高性能
の電荷輸送物質としてこれらのクロモン化合物を用いた
ことを特徴とする高感度で耐久性の良い電子写真感光体
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく従来より研究を重ねてきた結果、特定の
一群の化合物を見出し、本発明を完成した。即ち、本発
明によれば、下記一般式(I)で表されるクロモン化合
物が提供される。
【化1】 (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基又は置
換もしくは無置換のフェニル基を示す。R2及びR3はシ
アノ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基
又は置換もしくは無置換のフェニル基を表す。) また、本発明によれば、導電性支持体とその上に形成さ
れた感光層を有する電子写真感光体において、該感光層
中に下記一般式(II)で表されるクロモン化合物を含
有させたことを特徴とする電子写真感光体が提供され
る。
【化2】 (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基又は置
換もしくは無置換のフェニル基を示す。Zは=O,又は
下記一般式(III)で表される基を示す。
【化3】 (式中、R2及びR3はシアノ基、置換もしくは無置換の
アルコキシカルボニル基又は置換もしくは無置換のフェ
ニル基を表す。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明、前記一般式(I)及び
(II)で表わされクロモン化合物について、これらの置
換基の例示を挙げて説明する。前記一般式(I)及び
(II)中、R1のアルキル基として、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることがで
き、エチル基、プロピル基、ブチル基等が好ましい。ま
たその置換基として、メトキシ基、エトキシ等のアルコ
キシ基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子が挙げ
られる。また、置換フェニル基の置換位置としてはオル
ト、メタ、パラであり、好ましくはメタ、パラである。
その置換基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、t−ブチル基等が挙げられ、好ましくはエチル
基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基である。
【0010】また、前記の一般式(I)及び(III)
中、R2、R3のアルコキシカルボニル基として、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピキシカ
ルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペントキシカルボ
ニル基等が挙げられ、好ましくはエトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基等である。その置換基として
メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フッ素原
子、塩素原子等のハロゲン原子などであり、好ましくは
メトキシ基、エトキシ基などアルコキシ基である。ま
た、置換フェニル基の置換位置としてはオルト、メタ、
パラであり、好ましくはメタ、パラである。その置換基
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−
ブチル基等が挙げられ、好ましくはエチル基、プロピル
基、ブチル基、t−ブチル基である。
【0011】本発明の一般式(I)及び(II)で表さ
れるクロモン化合物の具体例を、表1及び表2に示す
が、これらに限定されるものではない。尚、表中、Ph
はベンゼン環を表す。
【0012】
【表1−(1)】
【0013】
【表1−(2)】
【0014】
【表1−(3)】
【0015】
【表1−(4)】
【0016】
【表2】
【0017】本発明の前記一般式(I)及び(II)で表
されるクロモン化合物は、一般に下記表3に示すよう
に、クロモン−2−カルボン酸と一般式R1OHで表さ
れる水酸基をもつ化合物とのエステル化反応(スキーム
1)と、該エステル化反応で得られた化合物と一般式R
2CH23で表される化合物との、酸、塩基性の触媒下
での反応(スキーム2)で得ることができる。酸性触媒
としては酢酸などの有機酸、塩酸等の無機塩、四塩化チ
タン等のルイス酸が挙げられる。塩基性触媒としてはN
−メチルモルホリン、モルホリン、ピペリジン、ピリジ
ン等の有機塩基、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム等の酢酸塩が挙げられる。また、反応溶媒
は、通常のメチレンクロライド、1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン系の溶媒、テトラヒドロフラン、N,N
−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒を用いることがで
きる。
【0018】
【表3】 本発明のクロモン化合物は、電子写真感光体として使用
できるばかりでなく、太陽電池、有機EL素子等の電子
デバイスとしてエレクトロニクス分野で好適に使用する
ことができる。
【0019】次に本発明の電子写真感光体の構成を図面
によって説明する。感光体としては例えば図1に示すよ
うに支持体1(導電性支持体またはシート上に導電層を
設けたもの)上に電荷発生物質と必要に応じてバインダ
樹脂を含有する層(電荷発生層)2を下層とし、電荷輸
送物質と必要に応じてバインダ樹脂を含有する層(電荷
輸送層)3を上層とする積層構成の感光体層4を設けた
もの、図2に示すように図1の感光体層4の上に保護層
5を設けたもの、図3に示すように支持体上に電荷発生
物質と電荷輸送物質と必要に応じてバインダ樹脂を含有
する単層構成の感光体層6を設けたもの、等が挙げられ
るが、図3の単層構成の感光体層6の上層に保護層が設
けられてもよく、また支持体と感光体層の間に中間層が
設けられてもよい。
【0020】本発明に使用する電荷発生物質としては、
可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、
無機物質及び有機物質のいずれをも用いることができ
る。例えば、無定形セレン、三方晶系セレン、セレン−
砒素合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、セレ
ン化カドミウム、硫セレン化カドミウム、硫化水銀、酸
化鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機物質、或
いはビスアゾ系色素、ポリアゾ系色素、トリアリーリメ
タン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キサ
ンテン系色素、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリ
リウム系色素、キナクリドン系色素、インジゴ系色素、
ペリレン系色素、多環キノン系色素、ビスべンズイミダ
ゾール系色素、インダンスロン系色素、スクアリリウム
系色素、アントラキノン系色素、及びフタロシアニン系
色素等の有機物質が挙げられる。
【0021】本発明において感光体層に使用可能なバイ
ンダ樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、そ
の他の重縮合型樹脂、並びにこれらの樹脂の繰返し単位
のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水
マレイン酸共重合体等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−
ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられ
る。
【0022】次に前記感光体層を支持する導電性支持体
としては、アルミニウム、ニッケル等の金属板、金属ド
ラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、酸化インジ
ウムなどを蒸着したプラスチックフィルム或いは導電性
物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルムまたは
ドラムを使用することができる。
【0023】本発明に係る感光体を電荷発生層と電荷輸
送層の積層構成で形成する場合、すなわち図1及び図2
に示す感光体の場合、本発明の電荷輸送層は、電荷輸送
物質を適当な溶媒に単独もしくは適当なバインダ樹脂と
共に溶解もしくは分散せしめたものを後記する電荷発生
層上に塗布して乾燥させる方法により設ける。電荷輸送
層に用いられる溶媒としては、例えばN,N−ジメチル
ホルムアミド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼ
ン、1,2−ジクロルエタン、ジクロルメタン、1,
1,1−トリクロルエタン、1,1,2−トリクロルエ
チレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げるこ
とができる。この電荷輸送層中、電荷輸送物質をバイン
ダ樹脂に含有させる割合は、バインダ樹脂100重量部
に対して電荷輸送物質を20〜200重量部とするのが
好ましい。この時の電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5
〜50μm、特に好ましくは5〜30μmである。
【0024】電荷発生層は電荷発生物質を導電性支持体
上に真空蒸着するか、或いは適当な溶媒に単独もしくは
適当なバインダ樹脂と共に溶解もしくは分散せしめたも
のを塗布、乾燥させて電荷輸送層と同様に形成すること
ができる。上記電荷発生物質を分散せしめて電荷発生層
を形成する場合、その電荷発生物質は2μm以下、好ま
しくは1μm以下の平均粒径の粉粒体とすのが好まし
い。すなわち、粒径があまりに大きいと層中への分散が
悪くなると共に、粒子が表面に一部突出して表面の平滑
性が悪くなり、場合によっては粒子の突出部分で放電が
生じたり、或いはそこにトナー粒子が付着してトナーフ
ィルミング現象が生じやすい。ただし、上記の粒径があ
まりに小さいと却って凝集しやすく、層の抵抗が上昇し
たり、結晶欠陥が増えて感度及び繰返し特性が低下した
り、或いは微細化する上で限界があるから、平均粒径の
下限を0.01μmとするのが好ましい。
【0025】電荷発生層は、具体的には次の如き方法に
よって設けることができる。すなわち、電荷発生物質は
ボールミル、ホモミキサー等によって分散媒中で微細粒
子とし、バインダ樹脂を加えて混合分散して得られる分
散液を塗布する方法である。この方法において超音波の
作用下に粒子を分散させると、均一分散が可能である。
また電荷発生層中、電荷発生物質をバインダ樹脂に含有
させる割合は、バインダ樹脂100重量部に対して20
〜200重量部とするのが好ましい。以上のようにして
形成される電荷発生層の膜厚は、好ましくは0.1〜1
0μm、特に好ましくは0.5〜5μmである。
【0026】次に本発明の感光体を単層構成で形成する
場合、すなわち図3に示す感光体の場合、感光層は、電
荷発生物質及び電荷輸送物質を適当な溶媒に、単独もし
くは適当なバインダ樹脂と共に溶解もしくは分散せしめ
たものを導電性支持体上に塗布して乾燥させることによ
り設けることができる。電荷発生電荷発生物質及び電荷
輸送物質をバインダ樹脂に含有させる割合は、バインダ
樹脂100重量部に対して電荷発生物質は20〜200
重量部、電荷輸送物質は20〜200重量部とするのが
好ましい。この単層構成の感光層の膜厚は7〜50μ
m、さらに好ましくは10〜30μmである。
【0027】また、前記中間層は接着層またはバリヤ層
等として機能するもので、前記バインダ樹脂のほかに、
例えばポリビニルアルコール、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、カゼイン、N−アルコキシメチルナイロン等の樹脂
をそのまま、または酸化スズ或いはインジュウムなどを
分散させたもの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、或いは
酸化ケイ素などの蒸着膜等が用いられる。中間層の膜厚
は1μm以下が望ましい。
【0028】また、前記保護層に用いられる材料として
は、前述の樹脂をそのまま使用するか、または酸化スズ
や酸化インジュウムなどの低抵抗物質を分散させたもの
が適当である。また、有機プラズマ重合膜も使用でき、
その有機プラズマ重合膜は、必要に応じて適宜酸素、窒
素、ハロゲン、周期率表の第III族、第V族原子を含
んでもよい。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これにより本発明の実施の態様が限定されるもの
ではない。尚、本発明のクロモン化合物の実施例は<合
成例>とし、電子写真感光体の<実施例>とは区別し
た。
【0030】合成例1(スキーム1) 塩化メチレン(メチレンクロライド)100mlにクロ
モン−2−カルボン酸19.02g(0.1mol)と
エタノール9.21g(0.2mol)を添加し、さら
に2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロ
ライド(白鳥製薬)16.91g(0.1mol)を添
加し、氷冷下で撹拌した。室温に戻し、2時間反応させ
た後、反応混合物を氷水中に注ぎ、1,2−ジクロロエ
タンで抽出し、希塩酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶
液、水の順で洗浄し、無水の硫酸マグネシウムで乾燥さ
せた。乾燥後、濾過し、濾液の溶媒を留去し、エタノー
ル110mlで再結晶を行い目的生成物(表2中の化合
物No.II−2)17.6gを得た。融点72〜73
℃。元素分析値を表4に示す。また、この化合物の赤外
線吸収スペクトル図を図4に示す。同様な方法で、ほか
の例示化合物も合成した。代表的な例示化合物の元素分
析値、融点を表4に示す。
【0031】合成例2(スキーム2) 合成例1で得られた化合物(表2中の化合物No.II−
2)4.36g(0.02mol)とシアノ酢酸n−ブ
チル5.64g(0.04mol)を塩化メチレン15
0mlに溶かし、氷冷下で撹拌し、系中は窒素置換し
た。そこに四塩化チタン7.47g(0.04mol)
を約10分かけて滴下した。つぎにN−メチルモルホリ
ン8.09g(0.08mol)を滴下し、室温で4時
間撹拌反応後、氷水中に注ぎ、1,2−ジクロロエタン
で抽出した。更にこの抽出液に希塩酸水溶液を加え、水
で中性になるまで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。乾燥後、溶媒を留去し、ついで残渣を1,2−ジク
ロロエタンを展開溶媒としたカラムクロマトグラフィー
処理を行い、得られた粗製の目的物をエタノールを用い
て再結晶して目的生成物(表1中の化合物No.I−2
4)4.22gを得た。融点98〜99℃。元素分析値
を表4に示す。また、この化合物の赤外線吸収スペクト
ル図を図5に示す。同様な方法で、他例示化合物を合成
し、得られた化合物の融点と元素分析結果を表4に示
す。
【0032】
【表4】 合成したクロモン化合物の融点及び元素分析
結果 注:( )内は理論値
【0033】実施例1 下記構造式(P−1)で表されるビスアゾ色素5重量
部、ブチラール樹脂(デンカブチラール樹脂#3000
−2:電気化学工業製)2.5重量部、及びテトラヒド
ロフラン92.5重量部をボールミルにて12時間分散
させ、次にテトラヒドロフランを2重量%の分散液濃度
になるように加え、再分散させて塗布液を調整した。調
整した分散液をアルミニウムを蒸着した100μm厚の
ポリエステルフィルム上にドクターブレードにて流延塗
布し、乾燥後の膜厚が1.0μmの電荷発生層を形成し
た。
【化5】 このようにして得られた電荷発生層上に、例示化合物
(表1中の化合物No.I−44)6重量部、ポリカー
ボネート樹脂(K−1300:帝人化成製)10重量
部、メチルフェニールシリコン(KF50−100cp
s:信越化学製)0.002重量部、及びテトラヒドロ
フラン94重量部からなる処方の塗布液を調整し、ドク
ターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が20.0
μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極/電荷発
生層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光体
(感光体No.1)を作成した。
【0034】実施例2〜5 実施例1において例示化合物(表1中の化合物No.I
−44)の代りに、表1又は2記載の例示化合物中の化
合物No.I−46、化合物No.I−54、化合物N
o.I−55、化合物No.II−13を用いること以
外は実施例1と同様の方法で感光体No.2、感光体N
o.3、感光体No.4、感光体No.5を作成した。
【0035】実施例6 実施例1において前記構造式(P−1)で表されるビス
アゾ色素5重量部の代りに、下記構造式(P−2)で表
されるトリスアゾ色素6重量部を用いること以外は実施
例1と同様の方法で電荷発生層を作成した。
【化6】 このようにして得られた電荷発生層上に、例示化合物
(表1中の化合物No.I−44)6重量部、ポリカー
ボネート樹脂(K−1300:帝人化成製)10重量
部、メチルフェニルシリコン(KF50−100cp
s:信越化学製)0.002重量部ー部、及びテトラヒ
ドロフラン94重量部からなる塗布液を調整し、実施例
1と同様の方法で乾燥後の膜厚が20.0μmの電荷輸
送層を形成し、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸
送層で構成される積層型電子写真感光体(感光体No.
6)を作成した。
【0036】実施例7〜10 実施例6においての例示化合物(表1中の化合物No.
I−44)の代りに、表1又は2記載の例示化合物中の
化合物No.I−46、化合物No.I−54、化合物
No.I−55、化合物No.II−13を用いること
以外は実施例6と同様の方法で感光体No.7、感光体
No.8、感光体No.9、感光体No.10を作成し
た。
【0037】実施例11 x型無金属フタロシアニン(P−3)5重量部、ポリビ
ニルフチラール樹脂(エスレックスBLS:積水化学
製)5重量部、及びテトラヒドロフラン90重量部をボ
ールミルにて12時間分散させ、次にテトラヒドロフラ
ンを2重量%の分散液濃度になるように加え、正分散さ
せて塗布液を調整した。このように調整した塗布液をア
ルミニウムを蒸着した100μm厚のポリエステルフィ
ルム上にドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜
厚が0.5μmの電荷発生層を形成した。このようにし
て得られた電荷発生層上に、例示化合物(表1中の化合
物No.I−44)6重量部、ポリカーボネート樹脂
(K−1300:帝人化成製)10重量部、及びテトラ
ヒドロフラン94重量部からなる処方の塗布液を調整
し、ドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が
20.0μmの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極
/電荷発生層/電荷輸送層で形成される積層型電子写真
感光体(感光体No.11)を作成した。
【0038】実施例12〜15 実施例11において例示化合物(表1中の化合物No.
I−44)の代りに、表1又は2記載の例示化合物中の
化合物No.I−46、化合物No.I−54、化合物
No.I−55、化合物No.II−13を用いること
以外は実施例11と同様の方法で感光体No.12、感
光体No.13、感光体No.14、感光体No.15
を作成した。
【0039】以上のようにして得られた電子写真感光体
について、静電複写紙試験装置(SP−42:川口電気
製作所)を用いて+6KVのコロナ帯電を施して、正帯
電した後、20秒間暗所に放置し、その時の表面電位V
oを測定し、次いでタングステンランプを用いて表面の
照度が40ルックスになるように光照射し、半減露光量
12(lux・sec)を測定した。その結果を表5
に示す。
【0040】
【表5】 特性値評価結果
【0041】実施例16 前記構造式(P−1)で表されるビスアゾ色素0.09
g、ポリカーボネート樹脂(PC−Z:帝人化成製)の
10wt%テトラヒドロフラン溶液15g、下記構造式
(D−1)で表される化合物0.9g、例示化合物(表
1中の化合物No.I−29)0.6g、シリコンオイ
ル(KF50:信越化学製)の1wt%テトラヒドロフ
ラン溶液0.3gを、ボールミルポットに計り取り、2
4時間ボールミリングし、塗布液を作成した。作成した
塗布液を、アルミニウムを蒸着した100μm厚のポリ
エステルフィルム上にドクターブレードにて流延塗布
し、乾燥後の膜厚が約20μmの単層型電子写真感光体
(感光体No.16)を作成した。
【化7】
【0042】実施例17〜20 実施例16において例示化合物(表1中の化合物No.
I−29)の代りに、表1又は2記載の例示化合物中の
化合物No.I−31、化合物No.I−34、化合物
No.I−35、化合物No.II−15を用いること
以外は実施例16と同様の方法で感光体No.17、感
光体No.18、感光体No.19、感光体No.20
を作成した。
【0043】比較例1 本発明のアクセプター性化合物を加えないこと以外は実
施例16と同様の方法で単層型電子写真感光体を作成し
た。
【0044】以上のようにして得られた電子写真感光体
について、静電複写紙試験装置(SP−428:川口電
気製作所)を用いて+6KVのコロナ帯電を施して、正
帯電した後、20秒間暗所に放置し、その時の表面電位
Voを測定し、次いでタングステンランプを用いて表面
の照度が40ルックスになるように光照射し、半減露光
量E12(lux・sec)、及び光照射30秒後の表
面電位Vrを測定した。次に5000回上記の操作を繰
り返した後のVo、E12、Vrを測定し、その結果を
表6に示す。
【0045】
【表6】 特性値評価結果
【0046】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)で表されるク
ロモン化合物は新規な電子移動材料として有用であり、
該一般式(I)で表されるクロモン化合物を包含する本
発明の前記一般式(II)で表されるクロモン化合物
は、電子写真感光体の感光層中に電子移動材料として含
有さた場合、バインダー樹脂中で優れた溶解性、分散性
を有し、また、電荷輸送層性アクセプター性化合物とし
て優れた性質を有し、本発明の該一般式(II)で表さ
れるクロモン化合物を積層型又は単層型電子写真感光体
の感光層中にに含有することにより、従来の積層型又は
単層型電子写真感光体と比べ高感度な電子写真感光体を
提供することが可能である。また、本発明のクロモン化
合物は、電子写真感光体として使用できるばかりでな
く、太陽電池、有機EL素子等の電子デバイスとしてエ
レクトロニクス分野でも好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型電子写真感光体の断面図で
ある。
【図2】本発明に係る別の積層型電子写真感光体の断面
図である。
【図3】本発明に係る単層型電子写真感光体の断面図で
ある。
【図4】本発明のクロモン化合物(表2中の化合物N
o.II−2)の赤外線吸収スペクトル図である。
【図5】本発明のクロモン化合物(表1中の化合物N
o.I−24)の赤外線吸収スペクトル図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 感光体層(積層構成) 5 保護層 6 感光体層(単層構成)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表されるクロモン化合
    物。 【化1】 (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基又は置
    換もしくは無置換のフェニル基を示す。R2及びR3はシ
    アノ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基
    又は置換もしくは無置換のフェニル基を表す。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体とその上に形成された感光
    層を有する電子写真感光体において、該感光層中に下記
    一般式(II)で表されるクロモン化合物を含有させた
    ことを特徴とする電子写真感光体。 【化2】 (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基又は置
    換もしくは無置換のフェニル基を示す。Zは=O,又は
    下記一般式(III)で表される基を示す。 【化3】 (式中、R2及びR3はシアノ基、置換もしくは無置換の
    アルコキシカルボニル基又は置換もしくは無置換のフェ
    ニル基を表す。)
  3. 【請求項3】 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層
    の2層からなる積層型電子写真感光体において、少なく
    とも電荷輸送層は前記一般式(I)で表されるクロモン
    化合物の少なくとも1種を含有させることを特徴とする
    請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記感光層が、電荷発生物質及び電荷輸
    送物質を含む単層型電子写真感光体において、電荷輸送
    物質として、前記一般式(I)で表されるクロモン化合
    物の少なくとも一種を含有させることを特徴とする請求
    項2に記載の電子写真感光体。
JP30042395A 1995-10-26 1995-10-26 クロモン化合物及びそれを含有する電子写真感光体 Pending JPH09124634A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013225162A (ja) * 2007-10-03 2013-10-31 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体、該感光体を用いるプロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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