JPH0651550A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
- Publication number
- JPH0651550A JPH0651550A JP22521592A JP22521592A JPH0651550A JP H0651550 A JPH0651550 A JP H0651550A JP 22521592 A JP22521592 A JP 22521592A JP 22521592 A JP22521592 A JP 22521592A JP H0651550 A JPH0651550 A JP H0651550A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- electric charge
- charge
- parts
- charge generating
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- Pending
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高感度で耐久性の良好な電子写真感光体を提
供すること。 【構成】 電荷輸送物質として、キノン化合物好ましく
は下記一般式(I)(化1)で示されるキノン化合物を
用いた電子写真感光体。 【化1】
供すること。 【構成】 電荷輸送物質として、キノン化合物好ましく
は下記一般式(I)(化1)で示されるキノン化合物を
用いた電子写真感光体。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、さらに詳細には、電荷輸送物質としてキノン化合物
を含有する電子写真感光体に関する。
し、さらに詳細には、電荷輸送物質としてキノン化合物
を含有する電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層として、
セレン、セレン−テルル合金、酸化亜鉛などの無機光導
電性物質が広く用いられていたが、近年、有機光導電性
物質を用いた電子写真感光体に関する研究が進み、その
一部は実用化されている。ここで、実用化に至った感光
体のほとんどは、電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離
した感光層からなる積層型電子写真感光体である。すな
わちこの種の積層型感光体は無機光導電性物質からなる
感光体と比較して感度及び耐久性等の点が改善されたも
のであり、これにより低コストで、安全性や多用性など
有機光導電性物質の長所を生かした電子写真感光体の設
計が活発に行なわれるようになった。
セレン、セレン−テルル合金、酸化亜鉛などの無機光導
電性物質が広く用いられていたが、近年、有機光導電性
物質を用いた電子写真感光体に関する研究が進み、その
一部は実用化されている。ここで、実用化に至った感光
体のほとんどは、電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離
した感光層からなる積層型電子写真感光体である。すな
わちこの種の積層型感光体は無機光導電性物質からなる
感光体と比較して感度及び耐久性等の点が改善されたも
のであり、これにより低コストで、安全性や多用性など
有機光導電性物質の長所を生かした電子写真感光体の設
計が活発に行なわれるようになった。
【0003】一般にこの種の積層型電子写真感光体は、
導電性支持体上に、顔料、染料などの電荷発生物質から
なる電荷発生層、ヒドラゾン、ピラゾリンなど電荷輸送
物質からなる電荷輸送層を順に形成したもので、電子供
与性である電荷輸送物質の性質上、正孔移動型となり感
光体表面に負帯電したとき感度を有する。ところが負帯
電では、帯電時に用いるコロナ放電が正帯電に比べて不
安定であり、正帯電時の十倍以上のオゾン、窒素酸化物
などを発生し、感光体の表面に吸着して物理的劣化や化
学的劣化を引き起こしやすく、さらに環境を悪化すると
いう問題がある。また、他の問題としては負帯電用感光
体の現像には正極性のトナーが必要となるが、正極性の
トナーは強磁性体キャリア粒子に対する摩擦帯電系列か
らみて製造が困難である。一方、二成分高抵抗ブラシ現
像方式においては、負極性トナー/現像剤の方が安定で
ある。このような点からみて、感光体としては負帯電感
光体よりも選択と使用条件の自由度の大きい正帯電型感
光体の方がその適用範囲は広く有利であるとされてい
る。
導電性支持体上に、顔料、染料などの電荷発生物質から
なる電荷発生層、ヒドラゾン、ピラゾリンなど電荷輸送
物質からなる電荷輸送層を順に形成したもので、電子供
与性である電荷輸送物質の性質上、正孔移動型となり感
光体表面に負帯電したとき感度を有する。ところが負帯
電では、帯電時に用いるコロナ放電が正帯電に比べて不
安定であり、正帯電時の十倍以上のオゾン、窒素酸化物
などを発生し、感光体の表面に吸着して物理的劣化や化
学的劣化を引き起こしやすく、さらに環境を悪化すると
いう問題がある。また、他の問題としては負帯電用感光
体の現像には正極性のトナーが必要となるが、正極性の
トナーは強磁性体キャリア粒子に対する摩擦帯電系列か
らみて製造が困難である。一方、二成分高抵抗ブラシ現
像方式においては、負極性トナー/現像剤の方が安定で
ある。このような点からみて、感光体としては負帯電感
光体よりも選択と使用条件の自由度の大きい正帯電型感
光体の方がその適用範囲は広く有利であるとされてい
る。
【0004】そこで、有機光導電正物質を用いる感光体
を正帯電で使用することが種々提案されている。たとえ
ば、電荷発生層上に電荷輸送層を積層して感光体を形成
する際、前記電荷輸送層に電子輸送能の大きい、たとえ
ば2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等が使用
する方法も提案されているが、この物質は発ガン性があ
り、労働衛生上極めて不適当である等の問題がある。
を正帯電で使用することが種々提案されている。たとえ
ば、電荷発生層上に電荷輸送層を積層して感光体を形成
する際、前記電荷輸送層に電子輸送能の大きい、たとえ
ば2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等が使用
する方法も提案されているが、この物質は発ガン性があ
り、労働衛生上極めて不適当である等の問題がある。
【0005】さらに正帯電型感光体として、米国特許
3,615,414号には、チアピリリウム塩(電荷発
生物質)をポリカーボネート(バインダ樹脂)と共晶錯
体を形成するように含有されたものが示されている。し
かしこの公知の感光体では、メモリ現象が大きく、ゴー
ストも発生しやすいという欠点がある。
3,615,414号には、チアピリリウム塩(電荷発
生物質)をポリカーボネート(バインダ樹脂)と共晶錯
体を形成するように含有されたものが示されている。し
かしこの公知の感光体では、メモリ現象が大きく、ゴー
ストも発生しやすいという欠点がある。
【0006】また、光照射時、正孔および電子を発生す
る電荷発生物質を含有する電荷発生層を上層(表面層)
とし、正孔輸送能を有する電荷輸送物質を含む電荷輸送
層を下層とする積層構成の感光層を有する感光体を正帯
電用として使用することを考えられている。しかしなが
ら、かかる正帯電用感光体は電荷発生物質を含む層が表
面層として形成されるため、光照射時特に紫外線等の短
波長光照射、コロナ放電、湿度、機械的摩擦等の外部作
用に脆弱な電荷発生物質が前記表面層近傍に存在するこ
とになり、感光体の保存中及び像形成過程で電子写真性
能が劣化し、画質が低下するという問題を生じる。これ
に対して電荷輸送層を表面層とする負帯電用感光体にお
いては、前記各種の外部作用の影響は極めて少なく、む
しろ前記電荷輸送層が下層の電荷発生層を保護する作用
を有している点でメリットがある。
る電荷発生物質を含有する電荷発生層を上層(表面層)
とし、正孔輸送能を有する電荷輸送物質を含む電荷輸送
層を下層とする積層構成の感光層を有する感光体を正帯
電用として使用することを考えられている。しかしなが
ら、かかる正帯電用感光体は電荷発生物質を含む層が表
面層として形成されるため、光照射時特に紫外線等の短
波長光照射、コロナ放電、湿度、機械的摩擦等の外部作
用に脆弱な電荷発生物質が前記表面層近傍に存在するこ
とになり、感光体の保存中及び像形成過程で電子写真性
能が劣化し、画質が低下するという問題を生じる。これ
に対して電荷輸送層を表面層とする負帯電用感光体にお
いては、前記各種の外部作用の影響は極めて少なく、む
しろ前記電荷輸送層が下層の電荷発生層を保護する作用
を有している点でメリットがある。
【0007】そこで、例えば絶縁性でありかつ透明な樹
脂からなる薄い保護層を設け、前記電荷発生物質を含む
層を外部作用から保護することも提案されているが、光
照射時に発生する電荷がその保護層でトラップされた
り、また表面層となる保護層の膜厚が大きい場合には感
度の低下を招くことになる。このように正帯電用感光体
を得るために種々の試みが行なわれているが、いずれも
光感度、メモリ現象および労働衛生等の点で改善すべき
多くの問題点が未解決のまま残されている。
脂からなる薄い保護層を設け、前記電荷発生物質を含む
層を外部作用から保護することも提案されているが、光
照射時に発生する電荷がその保護層でトラップされた
り、また表面層となる保護層の膜厚が大きい場合には感
度の低下を招くことになる。このように正帯電用感光体
を得るために種々の試みが行なわれているが、いずれも
光感度、メモリ現象および労働衛生等の点で改善すべき
多くの問題点が未解決のまま残されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の実情に鑑みなされたものであって、高感度で耐久性
の良好な電子写真感光体を提供しようとするものであ
る。
術の実情に鑑みなされたものであって、高感度で耐久性
の良好な電子写真感光体を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく従来より研究を重ねてきた結果、電荷輸
送物質として特定の化合物を含有させた積層電子写真感
光体が有効であることを見い出すに至り、本発明を完成
した。すなわち、本発明によれば、導電性支持体上に電
荷発生物質及び電荷輸送物質を含有する電子写真感光体
において、電荷輸送物質として、キノン化合物を含有す
ることを特徴とする電子写真感光体が提供され、また、
キノン化合物が下記一般式(I)(化1)で表わされる
ことを特徴とする上記の電子写真感光体が提供され、
題を解決すべく従来より研究を重ねてきた結果、電荷輸
送物質として特定の化合物を含有させた積層電子写真感
光体が有効であることを見い出すに至り、本発明を完成
した。すなわち、本発明によれば、導電性支持体上に電
荷発生物質及び電荷輸送物質を含有する電子写真感光体
において、電荷輸送物質として、キノン化合物を含有す
ることを特徴とする電子写真感光体が提供され、また、
キノン化合物が下記一般式(I)(化1)で表わされる
ことを特徴とする上記の電子写真感光体が提供され、
【化1】 更に、電荷発生層中の電荷発生物質の含有量が30重量
部以上であり、かつ電荷輸送層中のキノン化合物の含有
量が10〜95重量部であることを特徴とする上記の電
子写真感光体が提供される。
部以上であり、かつ電荷輸送層中のキノン化合物の含有
量が10〜95重量部であることを特徴とする上記の電
子写真感光体が提供される。
【0010】前記一般式(I)(化1)中の置換基
R1、R2としては、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、
n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、ベン
ジル基などのアルキル基、シアノ基、ニトロ基、水素原
子またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
などのハロゲン原子を挙げることができる。
R1、R2としては、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、
n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、ベン
ジル基などのアルキル基、シアノ基、ニトロ基、水素原
子またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
などのハロゲン原子を挙げることができる。
【0011】本発明で用いる一般式(I)(化1)で示
されるキノン化合物の具体例を表1に示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。
されるキノン化合物の具体例を表1に示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【表1−(1)】
【表1−(2)】
【表1−(3)】
【表1−(4)】
【表1−(5)】
【0012】本発明で用いる一般式(I)(化1)で表
わされるキノン系化合物は、たとえば一般式(II)
(化2)で表わされるナフタレンベンゾイルカルボン酸
を濃硫酸、ホウ酸、ポリりん酸、三フッ化ホウ素エーテ
ル錯体等の脱水剤を用いて環化することによって容易に
得られる。
わされるキノン系化合物は、たとえば一般式(II)
(化2)で表わされるナフタレンベンゾイルカルボン酸
を濃硫酸、ホウ酸、ポリりん酸、三フッ化ホウ素エーテ
ル錯体等の脱水剤を用いて環化することによって容易に
得られる。
【化2】
【0013】この環化反応のしやすさは置換基によって
大きく異なるが、無溶媒濃硫酸中で30分から1時間の
加熱撹拌による方法が最も一般的である。また、前記一
般式(II)(化2)で表わされる化合物は、一般式
(III)(化3)で表わされるナフタレンジカルボン酸
誘導体と、一般式(IV)(化4)で表わされる置換ベ
ンゼンとを塩化アルミニウムの存在下で反応させる、い
わゆるフリーデルークラフツ反応によって製造すること
ができる。
大きく異なるが、無溶媒濃硫酸中で30分から1時間の
加熱撹拌による方法が最も一般的である。また、前記一
般式(II)(化2)で表わされる化合物は、一般式
(III)(化3)で表わされるナフタレンジカルボン酸
誘導体と、一般式(IV)(化4)で表わされる置換ベ
ンゼンとを塩化アルミニウムの存在下で反応させる、い
わゆるフリーデルークラフツ反応によって製造すること
ができる。
【化3】
【化4】
【0014】この反応に用いる溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、o−ジクロロベンゼン等
のハロゲン系溶媒、二硫化炭素などが使用できる。反応
温度は、0℃から160℃の範囲で行なうことができる
が、反応溶媒の還流温度での反応が良好な収量を与え
る。また反応時間は2時間から6時間で完結する。
ン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、o−ジクロロベンゼン等
のハロゲン系溶媒、二硫化炭素などが使用できる。反応
温度は、0℃から160℃の範囲で行なうことができる
が、反応溶媒の還流温度での反応が良好な収量を与え
る。また反応時間は2時間から6時間で完結する。
【0015】反応終了後、反応混合物を氷に注ぎ、反応
溶媒またはクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、ベンセン、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の溶媒で抽出する。この抽出液は無水
硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、塩化カルシウ
ム等の乾燥剤を用いて残った水を取り除き、その後溶媒
を留去して得られる粗生成物を適当な方法、例えば再結
晶、カラムクロマトグラフ等で精製することにより、一
般式(II)(化2)の化合物が得られる。この一般式
(II)(化2)の化合物は、単離せず粗生成物のまま
次の環化反応を行なうこともできる。
溶媒またはクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、ベンセン、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の溶媒で抽出する。この抽出液は無水
硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、塩化カルシウ
ム等の乾燥剤を用いて残った水を取り除き、その後溶媒
を留去して得られる粗生成物を適当な方法、例えば再結
晶、カラムクロマトグラフ等で精製することにより、一
般式(II)(化2)の化合物が得られる。この一般式
(II)(化2)の化合物は、単離せず粗生成物のまま
次の環化反応を行なうこともできる。
【0016】環化反応の終了後は、反応混合物に小量の
水を加えてから、クロロホルム、ジクロロメタン、1,
2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等の溶媒で抽出する。同様にこの
抽出液は無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、
塩化カルシウム等の乾燥剤を用いて残った水を取り除
き、その後溶媒を留去して得られる粗生成物を適当な方
法、例えば再結晶、カラムクロマトグラフ等で精製する
ことにより、目的とする一般式(I)(化1)の化合物
が得られる。以下、一般式(I)で示される化合物の合
成例を示す。
水を加えてから、クロロホルム、ジクロロメタン、1,
2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等の溶媒で抽出する。同様にこの
抽出液は無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、
塩化カルシウム等の乾燥剤を用いて残った水を取り除
き、その後溶媒を留去して得られる粗生成物を適当な方
法、例えば再結晶、カラムクロマトグラフ等で精製する
ことにより、目的とする一般式(I)(化1)の化合物
が得られる。以下、一般式(I)で示される化合物の合
成例を示す。
【0017】合成例1(化合物NO.2の製造) 2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物14.07g
(0.071mol)をトルエン150mlに溶解し、
これに室温において、塩化アルミニウム25.00g
(0.187mol)を加える。添加後、100℃で2
時間加熱する。室温まで冷却したら、反応混合物を氷に
注ぎ、不溶物を濾別して反応溶液をトルエンで抽出す
る。また水層はさらにクロロホルムで抽出をする。有機
層は無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去した
後、粗生成物を減圧乾燥してから、これに濃硫酸50m
lを加え、120℃で1時間加熱する。室温まで冷却し
てから、反応混合物に50mlの水をゆっくり加え、不
溶物を濾別して反応溶液をクロロホルムで抽出する。ク
ロロホルム溶液は無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶
媒を留去した後、粗生成物を減圧乾燥してから、トルエ
ンを溶媒にしてシリカゲルカラムクロマトグラフで分離
して6.28gの2−メチル−6,7−ベンゾアントラ
キノン(化合物No.2)が得られた。
(0.071mol)をトルエン150mlに溶解し、
これに室温において、塩化アルミニウム25.00g
(0.187mol)を加える。添加後、100℃で2
時間加熱する。室温まで冷却したら、反応混合物を氷に
注ぎ、不溶物を濾別して反応溶液をトルエンで抽出す
る。また水層はさらにクロロホルムで抽出をする。有機
層は無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去した
後、粗生成物を減圧乾燥してから、これに濃硫酸50m
lを加え、120℃で1時間加熱する。室温まで冷却し
てから、反応混合物に50mlの水をゆっくり加え、不
溶物を濾別して反応溶液をクロロホルムで抽出する。ク
ロロホルム溶液は無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶
媒を留去した後、粗生成物を減圧乾燥してから、トルエ
ンを溶媒にしてシリカゲルカラムクロマトグラフで分離
して6.28gの2−メチル−6,7−ベンゾアントラ
キノン(化合物No.2)が得られた。
【0018】合成例2(化合物NO.5の製造) 2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物15.15g
(0.076mol)にt−ブチルベンゼン56.00
gおよびジクロロメタン100mlを加えて溶解し、こ
れに室温において塩化アルミニウム26.00g(0.
195mol)を加える。添加後、50℃で4時間加熱
する。室温まで冷却したら、反応混合物を氷に注ぎ、不
溶物を濾別して反応溶液をクロロホルムで抽出をする。
クロロホルム溶液は無水硫酸マグネシウムで乾燥する。
溶媒を留去した後、粗生成物を減圧乾燥してから、これ
に濃硫酸50mlを加え、120℃で1時間加熱する。
室温まで冷却してから、反応混合物に50mlの水をゆ
っくり加え、不溶物を濾別して反応溶液をクロロホルム
で抽出する。クロロホルム溶液は無水硫酸マグネシウム
で乾燥する。溶媒を留去した後、粗生成物を減圧乾燥し
てから、トルエンを溶媒にしてシリカゲルカラムクロマ
トグラフで分離して4.90gの2−t−ブチル−6,
7−ベンゾアントラキノン(化合物No.5)が得られ
た。
(0.076mol)にt−ブチルベンゼン56.00
gおよびジクロロメタン100mlを加えて溶解し、こ
れに室温において塩化アルミニウム26.00g(0.
195mol)を加える。添加後、50℃で4時間加熱
する。室温まで冷却したら、反応混合物を氷に注ぎ、不
溶物を濾別して反応溶液をクロロホルムで抽出をする。
クロロホルム溶液は無水硫酸マグネシウムで乾燥する。
溶媒を留去した後、粗生成物を減圧乾燥してから、これ
に濃硫酸50mlを加え、120℃で1時間加熱する。
室温まで冷却してから、反応混合物に50mlの水をゆ
っくり加え、不溶物を濾別して反応溶液をクロロホルム
で抽出する。クロロホルム溶液は無水硫酸マグネシウム
で乾燥する。溶媒を留去した後、粗生成物を減圧乾燥し
てから、トルエンを溶媒にしてシリカゲルカラムクロマ
トグラフで分離して4.90gの2−t−ブチル−6,
7−ベンゾアントラキノン(化合物No.5)が得られ
た。
【0019】次に本発明の感光体の構成を図面によって
説明する。感光体としては例えば図1に示すように支持
体1(導電性支持体またはシート上に導電層を設けたも
の)上に電荷発生物質と必要に応じてバインダー樹脂を
含有する層(電荷発生層)2を下層とし、電荷輸送物質
と必要に応じてバインダー樹脂を含有する層(電荷輸送
層)3を上層とする積層構成の感光体層4を設けたも
の、図2に示すように図1の感光体層4の上に保護層5
を設けたもの、および図3に示すように支持体上に電荷
発生物質と電荷輸送物質と必要に応じてバインダー樹脂
を含有する単層構成の感光体層6を設けたもの等が挙げ
られるが、図3の単層構成の感光体層6の上層に保護層
を設けてもよく、また支持体と感光体層の間に中間層を
設けていてもよい。
説明する。感光体としては例えば図1に示すように支持
体1(導電性支持体またはシート上に導電層を設けたも
の)上に電荷発生物質と必要に応じてバインダー樹脂を
含有する層(電荷発生層)2を下層とし、電荷輸送物質
と必要に応じてバインダー樹脂を含有する層(電荷輸送
層)3を上層とする積層構成の感光体層4を設けたも
の、図2に示すように図1の感光体層4の上に保護層5
を設けたもの、および図3に示すように支持体上に電荷
発生物質と電荷輸送物質と必要に応じてバインダー樹脂
を含有する単層構成の感光体層6を設けたもの等が挙げ
られるが、図3の単層構成の感光体層6の上層に保護層
を設けてもよく、また支持体と感光体層の間に中間層を
設けていてもよい。
【0020】本発明に使用する電荷発生物質としては、
可視光を吸収してフリーな電荷を発生するものであれ
ば、無機物質あるいは有機物質のいずれも用いることが
できる。たとえば、無定形セレン、三方晶系セレン、セ
レン−ヒ素合金、セレン−テルル後金、硫化カドミウ
ム、セレン化カドミウム、硫セレン化カドミウム、硫化
水銀、酸化鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機
物質、あるいはビスアゾ系色素、トリアゾ系色素、ポリ
アゾ系色素、トリアリールメタン系色素、チアジン系色
素、オキサジン系色素、キサンテン系色素、シアニン系
色素、スチリル系色素、ピリリウム系色素、キナクリド
ン系色素、インジゴ系色素、ペリレン系色素、多環キノ
ン系色素、ビスベンズイミダゾール系色素、インダンス
ロン系色素、スクアリリウム系色素、アントラキノン系
色素およびフタロシアニン系色素等の有機物質が挙げら
れる。
可視光を吸収してフリーな電荷を発生するものであれ
ば、無機物質あるいは有機物質のいずれも用いることが
できる。たとえば、無定形セレン、三方晶系セレン、セ
レン−ヒ素合金、セレン−テルル後金、硫化カドミウ
ム、セレン化カドミウム、硫セレン化カドミウム、硫化
水銀、酸化鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機
物質、あるいはビスアゾ系色素、トリアゾ系色素、ポリ
アゾ系色素、トリアリールメタン系色素、チアジン系色
素、オキサジン系色素、キサンテン系色素、シアニン系
色素、スチリル系色素、ピリリウム系色素、キナクリド
ン系色素、インジゴ系色素、ペリレン系色素、多環キノ
ン系色素、ビスベンズイミダゾール系色素、インダンス
ロン系色素、スクアリリウム系色素、アントラキノン系
色素およびフタロシアニン系色素等の有機物質が挙げら
れる。
【0021】本発明において感光体層に使用可能なバイ
ンダー樹脂としては、たとえばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹
脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、
ならびにこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を
含む共重合型樹脂、また塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合型
樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール等の高分子半導体が挙げられる。
ンダー樹脂としては、たとえばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹
脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、
ならびにこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を
含む共重合型樹脂、また塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合型
樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール等の高分子半導体が挙げられる。
【0022】また、前記感光体層を支持する導電性支持
体としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金
属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化スズ、酸化
インジウムなどを蒸着したプラスチックフィルムあるい
は導電性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィル
ムまたはドラムを使用することができる。
体としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金
属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化スズ、酸化
インジウムなどを蒸着したプラスチックフィルムあるい
は導電性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィル
ムまたはドラムを使用することができる。
【0023】本発明に係わる感光体を電荷発生層と電荷
輸送層の積層構成で形成する場合、すなわち前述の図1
および図2の場合、本発明の電荷輸送層は、電荷輸送物
質を適当な溶媒に単独もしくは適当なバインダー樹脂と
ともに、溶解あるいは分散させた溶液を塗布して、乾燥
させる方法により形成することができる。電荷輸送層に
用いられる溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、モノクロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、1,2−
ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエチレン等のハロゲン系溶媒、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン都のケトン系溶媒、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒ならびに
N,N−ジメチルホルムアミドを挙げることができる。
この電荷輸送層中の電荷輸送物質がバインダー樹脂に含
有される割合は、バインダー樹脂に100重量部に対し
て電荷輸送物質が5〜200重量部、好ましくは10〜
95重量部とされる。この時の電荷輸送層の膜厚は、5
〜50μm、好ましくは10〜30μmである。
輸送層の積層構成で形成する場合、すなわち前述の図1
および図2の場合、本発明の電荷輸送層は、電荷輸送物
質を適当な溶媒に単独もしくは適当なバインダー樹脂と
ともに、溶解あるいは分散させた溶液を塗布して、乾燥
させる方法により形成することができる。電荷輸送層に
用いられる溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、モノクロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、1,2−
ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエチレン等のハロゲン系溶媒、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン都のケトン系溶媒、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒ならびに
N,N−ジメチルホルムアミドを挙げることができる。
この電荷輸送層中の電荷輸送物質がバインダー樹脂に含
有される割合は、バインダー樹脂に100重量部に対し
て電荷輸送物質が5〜200重量部、好ましくは10〜
95重量部とされる。この時の電荷輸送層の膜厚は、5
〜50μm、好ましくは10〜30μmである。
【0024】電荷発生層は、電荷発生物質を導電性支持
体上に真空蒸着するか、あるいは適当な溶媒に単独もし
くは適当なバインダー樹脂とともに、溶解あるいは分散
させた溶液を用いて電荷輸送層と同様な方法で形成する
ことができる。上記電荷発生物質を分散して電荷発生層
を形成する場合、電荷発生物質は2μm以下、好ましく
は1μm以下の平均粒径の粉粒体とされるのが好まし
い。すなわち、粒径があまり大きいと層中への分散が悪
くなるとともに、粒子が表面に一部突出して表面の平滑
性が悪くなり、場合によっては粒子の突出部分で放電が
生じたり、あるいはそこにトナー粒子が付着してトナー
フィルミング現象が起こりやすくなる。また電荷発生物
質の粒径が小さすぎると、かえって凝集しやすくなり、
層の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度および繰
り返し特性が低下するため、微細化の限界を考慮にいれ
ると、平均粒径の下限を0.01μmとするのが好まし
い。
体上に真空蒸着するか、あるいは適当な溶媒に単独もし
くは適当なバインダー樹脂とともに、溶解あるいは分散
させた溶液を用いて電荷輸送層と同様な方法で形成する
ことができる。上記電荷発生物質を分散して電荷発生層
を形成する場合、電荷発生物質は2μm以下、好ましく
は1μm以下の平均粒径の粉粒体とされるのが好まし
い。すなわち、粒径があまり大きいと層中への分散が悪
くなるとともに、粒子が表面に一部突出して表面の平滑
性が悪くなり、場合によっては粒子の突出部分で放電が
生じたり、あるいはそこにトナー粒子が付着してトナー
フィルミング現象が起こりやすくなる。また電荷発生物
質の粒径が小さすぎると、かえって凝集しやすくなり、
層の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度および繰
り返し特性が低下するため、微細化の限界を考慮にいれ
ると、平均粒径の下限を0.01μmとするのが好まし
い。
【0025】電荷発生層は、電荷発生物質をボールミ
ル、ホモミキサー等によって分散媒中で微細粒子とし、
バインダー樹脂を加えて混合分散して得られる分散液を
塗布する方法で設けることができる。この方法において
超音波の作用下で粒子を分散させると、均一分散が可能
である。また電荷発生層中、電荷発生物質がバインダー
樹脂に含有される割合は、バインダー樹脂100重量部
に対して10〜200重量部、好ましくは30〜200
重量部とされる。以上のようにして形成される電荷発生
層の膜厚は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5
μmである。
ル、ホモミキサー等によって分散媒中で微細粒子とし、
バインダー樹脂を加えて混合分散して得られる分散液を
塗布する方法で設けることができる。この方法において
超音波の作用下で粒子を分散させると、均一分散が可能
である。また電荷発生層中、電荷発生物質がバインダー
樹脂に含有される割合は、バインダー樹脂100重量部
に対して10〜200重量部、好ましくは30〜200
重量部とされる。以上のようにして形成される電荷発生
層の膜厚は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5
μmである。
【0026】本発明の感光体を単層構成で形成する場
合、すなわち図3の場合、電荷発生物質および電荷輸送
物質がバインダー樹脂に含有される割合は、バインダー
樹脂100重量部に対して電荷発生物質は10〜200
重量部、好ましくは30〜200重量部であり、また電
荷輸送物質は5〜200重量部、好ましくは10〜95
重量部である。この単層構成の感光体の膜厚は7〜50
μm、好ましくは10〜30μmである。
合、すなわち図3の場合、電荷発生物質および電荷輸送
物質がバインダー樹脂に含有される割合は、バインダー
樹脂100重量部に対して電荷発生物質は10〜200
重量部、好ましくは30〜200重量部であり、また電
荷輸送物質は5〜200重量部、好ましくは10〜95
重量部である。この単層構成の感光体の膜厚は7〜50
μm、好ましくは10〜30μmである。
【0027】また、支持体と感光体層の間に中間層を設
ける場合、この中間層は接着層あるいはバリヤ層として
も機能することから、中間層には上記のバインダー樹脂
のほかに、たとえばポリビニルアルコール、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸共重合体、カゼイン、N−アルコキシメチルナイ
ロン等の樹脂をそのまま、または酸化スズあるいは酸化
インジウムなどの低抵抗物質を樹脂とともに分散させた
もの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、あるいは酸化ケイ
素などの蒸着膜等が用いられる。中間層の膜厚は1μm
以下が望ましい。また、感光体層の上に保護層を設ける
場合、保護層に用いられる材料としては、前述の樹脂を
そのまま使用するか、または酸化スズや酸化インジウム
などを樹脂とともに分散させたものが適当である。ま
た、有機プラズマ重合膜も使用できる。この有機プラズ
マ蒸着膜は、必要に応じて酸素、窒素、ハロゲン、周期
律表の第III族、第V族元素を含んでいてもよい。
ける場合、この中間層は接着層あるいはバリヤ層として
も機能することから、中間層には上記のバインダー樹脂
のほかに、たとえばポリビニルアルコール、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸共重合体、カゼイン、N−アルコキシメチルナイ
ロン等の樹脂をそのまま、または酸化スズあるいは酸化
インジウムなどの低抵抗物質を樹脂とともに分散させた
もの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、あるいは酸化ケイ
素などの蒸着膜等が用いられる。中間層の膜厚は1μm
以下が望ましい。また、感光体層の上に保護層を設ける
場合、保護層に用いられる材料としては、前述の樹脂を
そのまま使用するか、または酸化スズや酸化インジウム
などを樹脂とともに分散させたものが適当である。ま
た、有機プラズマ重合膜も使用できる。この有機プラズ
マ蒸着膜は、必要に応じて酸素、窒素、ハロゲン、周期
律表の第III族、第V族元素を含んでいてもよい。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明する。なお、実施例中「部」は特に断わらないかぎ
り「重量部」を意味する。
説明する。なお、実施例中「部」は特に断わらないかぎ
り「重量部」を意味する。
【0029】実施例1 下記化学式(A)(化5)で表わされるビスアゾ色素5
部、ブチラール樹脂(デンカブチラール樹脂#3000
−2;電気化学工業製)2.5部およびテトラヒドロフ
ラン92.5部をボールミルにて12時間分散させ、つ
ぎにこの分散液中の色素の濃度が2重量%になるように
テトラヒドロフランを加えて再分散させ、塗布液を調整
した。調整した分散液をアルミニウムを約1000Åの
厚さに蒸着した100μm厚のポリエステルフィルム上
にドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が
1.0μmの電荷発生層を形成した。
部、ブチラール樹脂(デンカブチラール樹脂#3000
−2;電気化学工業製)2.5部およびテトラヒドロフ
ラン92.5部をボールミルにて12時間分散させ、つ
ぎにこの分散液中の色素の濃度が2重量%になるように
テトラヒドロフランを加えて再分散させ、塗布液を調整
した。調整した分散液をアルミニウムを約1000Åの
厚さに蒸着した100μm厚のポリエステルフィルム上
にドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が
1.0μmの電荷発生層を形成した。
【化5】 このようにして得られた電荷発生層上に、例示化合物
(化合物No.2)6部、ポリカーボネート樹脂(パン
ライトK−1300;帝人化成製)10部、メチルフェ
ニルシリコーン(KF50 100CPS;信越化学
製)0.002部、およびテトラヒドロフラン94部か
らなる処方で調製した塗布液を用いて、ドクターブレー
ドにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送
層を形成して、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸
送層で構成される積層型電子写真感光体(感光体No.
1)を作製した。
(化合物No.2)6部、ポリカーボネート樹脂(パン
ライトK−1300;帝人化成製)10部、メチルフェ
ニルシリコーン(KF50 100CPS;信越化学
製)0.002部、およびテトラヒドロフラン94部か
らなる処方で調製した塗布液を用いて、ドクターブレー
ドにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送
層を形成して、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸
送層で構成される積層型電子写真感光体(感光体No.
1)を作製した。
【0030】実施例2 上記化学式(A)(化5)で表わされるビスアゾ色素5
部の代わりに、下記化学式(B)(化6)で表わされる
トリスアゾ色素6部を用いること以外は実施例1と同様
の方法電荷発生層を作製した。
部の代わりに、下記化学式(B)(化6)で表わされる
トリスアゾ色素6部を用いること以外は実施例1と同様
の方法電荷発生層を作製した。
【化6】 このようにして得られた電荷発生層上に、例示化合物
(化合物No.2)6部、ポリカーボネート樹脂(パン
ライトK−1300;帝人化成製)10部、メチルフェ
ニルシリコーン(KF50 100CPS;信越化学
製)0.002部、およびテトラヒドロフラン94部か
らなる処方で調整した塗布液を用いて、実施例1と同様
にドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が2
0μmの電荷輸送層を形成して、アルミニウム電極/電
荷発生層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光
体(感光体No.2)を作製した。
(化合物No.2)6部、ポリカーボネート樹脂(パン
ライトK−1300;帝人化成製)10部、メチルフェ
ニルシリコーン(KF50 100CPS;信越化学
製)0.002部、およびテトラヒドロフラン94部か
らなる処方で調整した塗布液を用いて、実施例1と同様
にドクターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が2
0μmの電荷輸送層を形成して、アルミニウム電極/電
荷発生層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光
体(感光体No.2)を作製した。
【0031】実施例3 チタニルフタロシアニン(Cと略記する)5部、ポリビ
ニルブチラール樹脂(エスレックスBLS;積水化学
製)5部およびテトラヒドロフラン90部をボールミル
にて12時間分散させ、つぎにこの分散液中の色素の濃
度が2重量%になるようにテトラヒドロフランを加えて
再分散させ、塗布液を調製した。調製した分散液をアル
ミニウムを約1000Åの厚さに蒸着した100μm厚
のポリエステルフィルム上にドクターブレードにて流延
塗布し、乾燥後の膜厚が0.5μmの電荷発生層を形成
した。このようにして得られた電荷発生層上に、例示化
合物(化合物No.2)6部、ポリカーボネート樹脂
(パンライトK−1300;帝人化成製)10部、およ
びテトラヒドロフラン94部からなる処方で調整した塗
布液を用いて、実施例1と同様にドクターブレードにて
流延塗布し、乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送層を形
成して、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層で
構成される積層型電子写真感光体(感光体No.3)を
作製した。
ニルブチラール樹脂(エスレックスBLS;積水化学
製)5部およびテトラヒドロフラン90部をボールミル
にて12時間分散させ、つぎにこの分散液中の色素の濃
度が2重量%になるようにテトラヒドロフランを加えて
再分散させ、塗布液を調製した。調製した分散液をアル
ミニウムを約1000Åの厚さに蒸着した100μm厚
のポリエステルフィルム上にドクターブレードにて流延
塗布し、乾燥後の膜厚が0.5μmの電荷発生層を形成
した。このようにして得られた電荷発生層上に、例示化
合物(化合物No.2)6部、ポリカーボネート樹脂
(パンライトK−1300;帝人化成製)10部、およ
びテトラヒドロフラン94部からなる処方で調整した塗
布液を用いて、実施例1と同様にドクターブレードにて
流延塗布し、乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送層を形
成して、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層で
構成される積層型電子写真感光体(感光体No.3)を
作製した。
【0032】実施例4〜実施例15 表2に示されるような例示化合物No.5、No.1
0、No.16、No.27を用いて、実施例1と同様
の方法で積層型電子写真感光体(感光体No.4〜N
o.15)を作成した。以上のようにして得られた電子
写真感光体について、静電複写紙試験装置(川口電気製
作所製:SP−428)を用いて以下のような特性評価
を行なった。+6KVのコロナ帯電を施して、正帯電し
た後、20秒間暗所に放置し、その時の表面電位V0を
測定する。ついでタングステンランプを用いて、表面の
照度が40ルックスになるように光照射し、その時V0
が半分になるのに要した露光量E1/2(lux・se
c)、および露光30秒後の表面電位V30を測定した。
その結果を表2に示す。
0、No.16、No.27を用いて、実施例1と同様
の方法で積層型電子写真感光体(感光体No.4〜N
o.15)を作成した。以上のようにして得られた電子
写真感光体について、静電複写紙試験装置(川口電気製
作所製:SP−428)を用いて以下のような特性評価
を行なった。+6KVのコロナ帯電を施して、正帯電し
た後、20秒間暗所に放置し、その時の表面電位V0を
測定する。ついでタングステンランプを用いて、表面の
照度が40ルックスになるように光照射し、その時V0
が半分になるのに要した露光量E1/2(lux・se
c)、および露光30秒後の表面電位V30を測定した。
その結果を表2に示す。
【表2】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明で電荷輸送
物質として用いるキノン化合物は、比較的容易に合成が
でき、かつバインダー樹脂中で優れた溶解性または分散
性を有する。更に、電荷発生物質から発生した電荷を受
け入れ、それを輸送する能力が優れている。したがっ
て、これらの化合物を電荷輸送物質として含有する本発
明の電子写真感光体は、暗減衰率が小さく、感度も極め
て高いものである。
物質として用いるキノン化合物は、比較的容易に合成が
でき、かつバインダー樹脂中で優れた溶解性または分散
性を有する。更に、電荷発生物質から発生した電荷を受
け入れ、それを輸送する能力が優れている。したがっ
て、これらの化合物を電荷輸送物質として含有する本発
明の電子写真感光体は、暗減衰率が小さく、感度も極め
て高いものである。
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成例を示すため
の断面の模式図。
の断面の模式図。
【図2】本発明の電子写真感光体の層構成例を示すため
の断面の模式図。
の断面の模式図。
【図3】本発明の電子写真感光体の層構成例を示すため
の断面の模式図。
の断面の模式図。
【図4】実施例1で用いた化合物No.5の赤外線吸収
スペクトル図。
スペクトル図。
1 支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 感光体層(積層構成) 5 保護層 6 感光体層(単層構成)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 雅夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 哲郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 河原 恵美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内
Claims (3)
- 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷
輸送物質を含有する電子写真感光体において、電荷輸送
物質として、キノン化合物を含有することを特徴とする
電子写真感光体。 - 【請求項2】 キノン化合物が下記一般式(I)(化
1)で表わされることを特徴とする請求項1記載の電子
写真感光体。 【化1】 - 【請求項3】 電荷発生層中の電荷発生物質の含有量が
30重量部以上であり、かつ電荷輸送層中のキノン化合
物の含有量が10〜95重量部であることを特徴とする
請求項1記載の電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22521592A JPH0651550A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22521592A JPH0651550A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0651550A true JPH0651550A (ja) | 1994-02-25 |
Family
ID=16825794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22521592A Pending JPH0651550A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0651550A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10251252A (ja) * | 1997-03-06 | 1998-09-22 | Mita Ind Co Ltd | ナフトキノン誘導体およびこれを用いた電子写真感光体 |
US6187493B1 (en) * | 1995-04-18 | 2001-02-13 | Kyocera Mita Corporation | Electrophotosensitive material |
JP2017223868A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
-
1992
- 1992-07-31 JP JP22521592A patent/JPH0651550A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6187493B1 (en) * | 1995-04-18 | 2001-02-13 | Kyocera Mita Corporation | Electrophotosensitive material |
JPH10251252A (ja) * | 1997-03-06 | 1998-09-22 | Mita Ind Co Ltd | ナフトキノン誘導体およびこれを用いた電子写真感光体 |
JP2017223868A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
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