JP5061862B2 - 光学装置の製造方法及び光学素子の製造方法 - Google Patents

光学装置の製造方法及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は光学装置の製造方法と、光学素子の製造方法とに関する。
従来から、光学特性や機械的強度等が優れているという観点で、光学素子(主にはレンズ)として一般に無機ガラス材料が用いられているが、光学素子が使用される機器の小型化が進むにつれ、光学素子の小型化も必要になり、無機ガラス材料では加工性の問題から、曲率(R)の大きなものや複雑な形状のものを作製することが困難になってきている。
このことから加工のしやすいプラスチック材料が検討され、使用されるようになってきている。加工のしやすいプラスチック材料としては、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等の透明性が良好な熱可塑性樹脂が挙げられる。
一方、回路基板上にIC(Integrated Circuits)チップその他の電子部品を実装する場合において、回路基板の所定位置に予め金属ペースト(例えば半田ペースト)を塗布(ポッティング)しておき、その位置に電子部品を載置した状態で当該回路基板をリフロー処理(加熱処理)に供し、当該回路基板に電子部品を実装する技術により、低コストで電子モジュールを製造する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
近年では、回路基板に対し電子部品のほかに光学素子を更に載置した状態で、光学素子と一体化された光学モジュールとして、上記のような半田リフロー処理をおこなうことにより、撮像装置の生産システムにおいて更なる生産効率の向上が望まれている。
当然ながら、上述のリフロー処理を取り入れた生産システムにより製造させる光学モジュールにおいても、高コストなガラス製の光学素子よりも、低コストで製造可能なプラスチック製の光学素子を用いることが望まれている。
但し、従来の光学素子用樹脂材料として用いられてきた熱可塑性樹脂は比較的低い温度で軟化、溶融するため加工性は良好であるが、成形された光学素子は、熱により変形しやすいという欠点をもつ。光学素子を組み込んだ電子部品を半田リフロー工程によって基板に実装するような場合は光学素子自体も260℃程度の加熱条件に曝されることになるが、耐熱性の低い熱可塑性樹脂からなる光学素子では形状劣化を起こし、問題となる。
そこで、本発明者らは、リフロー工程で製造される撮像素子に用いられる光学素子用のプラスチック材料として、エネルギー硬化性樹脂の使用を検討した。エネルギー硬化性樹脂は、硬化前は液状であるか又は流動性を示すものであり、熱可塑性樹脂と同様に加工性は良好である。硬化後は熱可塑性樹脂のような流動性を示さないので、熱による変形も小さい。
特開2001−24320号公報
しかしながら、エネルギー硬化性樹脂は硬化前の粘度が低く、成形の際に金型の合わせ目(パーティングライン)から樹脂が漏れてしまい、バリを形成してしまう。一方、エネルギー硬化性樹脂に増粘剤を添加すれば漏れは防止できるものの(例えば、特開平5−171022号公報、特開2000−335951号公報)、増粘剤は有機物であり耐熱性に劣るため、リフロー処理時に光学素子を着色して透過率を低下させてしまう。なお、接着剤の技術分野においては、接着剤の垂れを防止する観点から、樹脂組成物を予め紫外線等によって所定の粘度まで硬化させた後、湿度の制御によって完全に硬化させる技術が開発されているものの(例えば、特開平5−125284号公報)、湿度制御によって樹脂組成物を硬化させる技術は光学素子の成形に適用できない。
本発明の課題は、成形によるバリの形成を防止するとともに、リフロー処理による透過率の低下を防止することができる光学装置の製造方法及び光学素子の製造方法を提供することである。
請求項1記載の発明は、撮像装置の製造方法において、
第1の重合開始剤よりも第2の重合開始剤の含有量が多くなるよう、これら第1の重合開始剤及び第2の重合開始剤を含有するエネルギー硬化性の樹脂組成物を、前記第1の重合開始剤による重合反応を発生させる第1の処理を行うことにより、所定の粘度に増粘する増粘工程、
前記増粘工程で増粘された前記樹脂組成物を成形型に充填し、前記第2の重合開始剤による重合反応を発生させる第2の処理を行うことにより、前記樹脂組成物を硬化して光学素子を成形する成形工程、
前記光学素子を電子部品とともに基板上に載置する載置工程、及び、
前記光学素子と、前記電子部品と、前記基板とをリフロー処理に供し、前記光学素子と前記電子部品とを前記基板に実装する実装工程、
を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学装置の製造方法において、
前記第1の重合開始剤として光重合開始剤を、
前記第2の重合開始剤として熱重合開始剤を用い、
前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物に対して光を照射することによって当該樹脂組成物を増粘させ、
前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物に対して熱を加えることによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の光学装置の製造方法において、
前記第1の重合開始剤として熱重合開始剤を、
前記第2の重合開始剤として光重合開始剤を用い、
前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物に対して熱を加えることによって当該樹脂組成物を増粘させ、
前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物に対して光を照射することによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の光学装置の製造方法において、
前記第1の重合開始剤として、室温よりも高温の第1の所定温度で重合反応を発生させる第1の熱重合開始剤を、
前記第2の重合開始剤として、前記第1の所定温度よりも高温の第2の所定温度で重合反応を発生させる第2の熱重合開始剤を用い、
前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物を前記第1の所定温度に加熱することによって当該樹脂組成物を増粘させ、
前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物を前記第2の所定温度に加熱することによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、リフロー処理によって電子部品とともに基板上に実装される光学素子の製造方法であって、
第1の重合開始剤よりも第2の重合開始剤の含有量が多くなるよう、これら第1の重合開始剤及び第2の重合開始剤を含有するエネルギー硬化性の樹脂組成物を、前記第1の重合開始剤による重合反応を発生させる第1の処理を行うことにより、所定の粘度に増粘する増粘工程、及び
前記増粘工程で増粘された前記樹脂組成物を成形型に充填し、前記第2の重合開始剤による重合反応を発生させる第2の処理を行うことにより、前記樹脂組成物を硬化して光学素子を成形する成形工程を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の光学素子の製造方法において、
前記第1の重合開始剤として光重合開始剤を、
前記第2の重合開始剤として熱重合開始剤を用い、
前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物に対して光を照射することによって当該樹脂組成物を増粘させ、
前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物に対して熱を加えることによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5記載の光学素子の製造方法において、
前記第1の重合開始剤として熱重合開始剤を、
前記第2の重合開始剤として光重合開始剤を用い、
前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物に対して熱を加えることによって当該樹脂組成物を増粘させ、
前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物に対して光を照射することによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5記載の光学素子の製造方法において、
前記第1の重合開始剤として、室温よりも高温の第1の所定温度で重合反応を発生させる第1の熱重合開始剤を、
前記第2の重合開始剤として、前記第1の所定温度よりも高温の第2の所定温度で重合反応を発生させる第2の熱重合開始剤を用い、
前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物を前記第1の所定温度に加熱することによって当該樹脂組成物を増粘させ、
前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物を前記第2の所定温度に加熱することによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする。
請求項1,5記載の発明によれば、成形工程前の増粘工程においてエネルギー硬化性の樹脂組成物を所定の粘度に増粘するので、成形工程では所定粘度の樹脂組成物を用いて成形を行なうことができる。従って、成形型からの樹脂組成物の漏れを防止することができるため、成形によるバリの形成を防止することができる。また、増粘剤を使用することなくバリの形成を防止することができるため、リフロー処理による透過率の低下を防止することができる。
また、樹脂組成物として、第1の重合開始剤よりも第2の重合開始剤の含有量が多いものを用いるので、増粘工程によって樹脂組成物が完全にゲル化または硬化して流動性を失ってしまい、金型への充填ができなくなることや、粘度が高くなり過ぎてしまい、金型から光学素子に微細構造を転写できなくなることを、防止することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態に係る撮像装置100は、図1に示す通り、携帯電話などの移動情報端末機器の電子回路を構成する電子部品が実装される回路基板1を有しており、回路基板1にはカメラモジュール2が実装されている。カメラモジュール2はCCDイメージセンサとレンズを組み合わせた小型の基板実装用カメラであり、電子部品が実装された回路基板1をカバーケース3内に組み込んだ完成状態では、カバーケース3に設けられた撮像用開口4を介して撮像対象の画像取込ができるようになっている。なお、図1では、カメラモジュール2以外の電子部品の図示を省略している。
図2に示す通り、カメラモジュール2は基板モジュール5(図3(a)参照)とレンズモジュール6(図3(c)参照)より構成され、基板モジュール5を回路基板1に実装することにより、カメラモジュール2全体が回路基板1に実装される。基板モジュール5は、撮像用の受光素子であるCCDイメージセンサ11をサブ基板10上に実装した受光モジュールであり、CCDイメージセンサ11上面は封止樹脂12で封止されている。
CCDイメージセンサ11の上面には、光電変換を行う画素が多数格子状に配列された受光部(図示略)が形成されており、この受光部に光学画像を結像させることにより各画素に蓄電された電荷を画像信号として出力する。サブ基板10は鉛フリーの半田18によって回路基板1に実装され、これによりサブ基板10が回路基板1に固定されるとともに、サブ基板10の接続用電極(図示略)と回路基板1上面の回路電極(図示略)とが電気的に導通している。
レンズモジュール6は撮像レンズ16を支持するレンズケース15を備えている。
レンズケース15の上部には撮像レンズ16が保持されており、レンズケース15の上部は撮像レンズ16を保持するホルダ部15aとなっている。
また、レンズケース15の下部はサブ基板10に設けられた装着孔10a内に挿通されてレンズモジュール6をサブ基板10に固定する装着部15bとなっている。この固定には、装着部15bを装着孔10aに圧入して固定する方法や、接着材によって接着する方法などが用いられる。
撮像レンズ16は、被写体からの反射光をCCDイメージセンサ11の受光部上に結像するためのものである。この撮像レンズ16はエネルギー硬化性の特定の樹脂組成物を成形することによって形成されている。
ここで、撮像レンズ16を構成するエネルギー硬化性の樹脂組成物としては、ラジカルの発生により硬化する硬化性樹脂と、ラジカルを発生する2種類の重合開始剤とを含むものが用いられる。
以下、(1)硬化性樹脂,(2)重合開始剤についてそれぞれ説明し、その後に(3)これらを含む樹脂組成物から撮像レンズ16及び撮像装置100を製造する製造方法について説明する。
(1)エネルギー硬化性樹脂
本発明の好ましい実施形態で使用されるエネルギー硬化性樹脂は、ラジカルを発生する重合開始剤(光、熱ともに)にて重合が進む硬化性樹脂であって、不飽和二重結合を有する硬化性樹脂である。当該硬化性樹脂は好ましくはシリコーン系樹脂又はアクリル系樹脂である。
(1.1)シリコーン系樹脂
シリコーン系樹脂は、ケイ素(Si)と酸素(O)とが交互に結合したシロキサン結合−Si−O−を主鎖としているポリマーである。具体的には、シリコーン系樹脂として、所定量のポリオルガノシロキサン樹脂よりなるシリコーン系樹脂が使用可能である(例えば特開平6−9937号公報参照)。
ポリオルガノシロキサン樹脂は、加熱による連続的加水分解−脱水縮合反応によって、シロキサン結合骨格による三次元網状構造となるものであれば、特に制限はなく、一般に高温、長時間の加熱で硬化性を示し、一度硬化すると過熱により再軟化し難い性質を有する。
このようなポリオルガノシロキサン樹脂は、下記一般式(A)が構成単位として含まれ、その形状は鎖状、環状、網状形状のいずれであってもよい。
((R)(R)SiO) … (A)
上記一般式(A)中、「R」及び「R」は同種又は異種の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示す。具体的には、「R」及び「R」として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換した基、例えばクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基、γ−アミノプロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基などが例示される。「R」及び「R」は水酸基およびアルコキシ基から選択される基であってもよい。また、上記一般式(A)中、「n」は50以上の整数を示す。
ポリオルガノシロキサン樹脂は、通常、トルエン、キシレン、石油系溶剤のような炭化水素系溶剤、またはこれらと極性溶剤との混合物に溶解して用いられる。また、相互に溶解しあう範囲で、組成の異なるものを配合して用いても良い。
ポリオルガノシロキサン樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、オルガノハロゲノシランの一種または二種以上の混合物を加水分解ないしアルコリシスすることによって得ることができ、ポリオルガノシロキサン樹脂は、一般にシラノール基またはアルコキシ基等の加水分解性基を含有し、これらの基をシラノール基に換算して1〜10重量%含有する。
これらの反応は、オルガノハロゲノシランを溶融しうる溶媒の存在下に行うのが一般的である。また、分子鎖末端に水酸基、アルコキシ基またはハロゲン原子を有する直鎖状のポリオルガノシロキサンを、オルガノトリクロロシランと共加水分解して、ブロック共重合体を合成する方法によっても得ることができる。このようにして得られるポリオルガノシロキサン樹脂は一般に残存するHClを含むが、本実施形態の組成物においては、保存安定性が良好なことから、10ppm以下、好ましくは1ppm以下のものを使用するのが良い。
(1.2)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂としては、特にアダマンタン骨格を有する熱硬化性樹脂が好ましく使用される。アダマンタン骨格を有する熱硬化性樹脂としては、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート(特開2002−193883号公報参照)、3,3’−ジアルコキシカルボニル−1,1’ビアダマンタン(特開2001−253835号公報参照)、1,1’−ビアダマンタン化合物(米国特許第3342880号明細書参照)、テトラアダマンタン(特開2006−169177号公報参照)、2−アルキル−2−ヒドロキシアダマンタン、2−アルキレンアダマンタン、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−tert−ブチル等の芳香環を有しないアダマンタン骨格を有する硬化性樹脂(特開2001−322950号公報参照)、ビス(ヒドロキシフェニル)アダマンタン類やビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン(特開平11−35522号公報、特開平10−130371号公報参照)等を使用することができる。
(2)重合開始剤
本実施の形態においては、2種類の重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤となっており、光重合開始剤よりも熱重合開始剤の添加量(含有量)が多くなっている。
(2.1)熱重合開始剤
熱重合開始剤(熱重合ラジカル開始剤)とは、加熱により分解してラジカルを発生する性質の強い物質である。熱重合開始剤としては過酸化物やアゾ化合物などが使用可能であり、例えば、α、α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が好適に使用される。
ここで、熱重合開始剤は、例えば室温より高温で、かつ100℃未満の所定温度(第1の所定温度)で分解する低温タイプの熱重合開始剤(第1の熱重合開始剤)と、100℃以上の所定温度(第2の所定温度)で分解する高温タイプの熱重合開始剤(第2の熱重合開始剤)とに分類することができる。
このうち、低温タイプの熱重合開始剤としては、例えばDiisobutyryl peroxide,Cumyl peroxyneodecanoate,Di-n-propyl peroxydicarbonate,Diisopropyl peroxydicarbonate,Di-sec-butyl peroxydicarbonate,1,1,3,3-Tetrametylbutyl peroxyneodecanoate,Di(4-t-butylcyclohexyl) peroxydicarbonate,Di(2-ethylhexyl) peroxydicarbonate等が挙げられ、具体的には、日本油脂株式会社製のパーロイルIB,パークミルND,パーロイルNPP,パーロイルIPP,パーロイルSBP,パーオクタND,パーロイルTCP,パーロイルOPP等がある。なお、これらの低温タイプの熱重合開始剤で1分間半減期を得るための分解温度は、パーロイルIBでは85.1℃、パークミルNDでは94℃、パーロイルNPPでは94℃、パーロイルIPPでは88.3℃、パーロイルSBPでは92.4℃、パーオクタNDでは92.4℃、パーロイルTCPでは92.1℃、パーロイルOPPでは90.6℃となっている。
また、高温タイプの熱重合開始剤としては、例えば1,1,3,3-Tetramethylbutyl peroxy-2-etylhexanoate,Disuccinic acid peroxide,t-Hexyl peroxy-2-ethylhexanoate,t-Butyl peroxy-2-ethylhexanoate,1,1-Di-(t-buthylperoxy)-2-methylcyclohexane,1,1-Di-(t-buthylperoxy)-3,3,5-trimethylcyclohexane等が挙げられ、具体的には、日本油脂株式会社製のパーオクタO,パーロイルSA,パーヘキシルO,パーブチルO,パーヘキサMC,パーヘキサTMH等がある。なお、これらの高温タイプの熱重合開始剤で1分間半減期を得るための分解温度は、パーオクタOでは124.3℃、パーロイルSAでは131.8℃、パーヘキシルOでは132.6℃、パーブチルOでは134℃、パーヘキサMCでは142.1℃,パーヘキサTMHでは147.1℃となっている。
以上の熱重合開始剤の添加量は、硬化性樹脂に対し、0.001〜5wt%、好ましくは0.01〜3wt%、さらに好ましくは0.1〜1wt%とする。
(2.2)光重合開始剤
光重合開始剤には様々な種類の開始剤があるが、厚膜材料の特徴として、開始剤自身の吸収により、光が内部まで浸透し難いことが挙げられる。そこで、本発明の好ましい実施形態では、光重合開始剤はブロードで比較的小さな吸収帯または吸収端をもつ高効率開始剤であるのが好ましい。当該光重合開始剤としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイド、α−アミノアセトフェノン、α−ヒドロキシアセトフェノン、増感剤等が挙げられる。
α−アミノアセトフェノンは特に長波長吸収をもつもの(極大吸収波長325nm以上)が望ましく、その具体例としては、チバスペシャリティケミカルズ社製IRGACURE 369,IRGACURE 379,IRGACURE 907等が挙げられる。また、α−ヒドロキシアセトフェノンとしては、チバスペシャリティケミカルズ社製IRGACURE 127等が挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、硬化性樹脂に対し、0.001〜5wt%、好ましくは0.01〜3wt%、さらに好ましくは0.05〜1wt%とする。但し、本実施の形態においては、光重合開始剤の添加量は、熱重合開始剤の添加量よりも少なくなっており、好ましくは熱重合開始剤の添加量に対して1/10〜1/100となっている。
(3)撮像レンズ16及び撮像装置100の製造方法
始めに、硬化性樹脂に対して熱重合開始剤と光重合開始剤とを添加し、液体状の樹脂組成物を調製する。このとき、本実施の形態においては、光重合開始剤よりも熱重合開始剤の添加量を多くする。
次に、樹脂組成物に対してUV光などの光を照射する(第1の処理)。これにより、光重合開始剤がラジカルを発生して樹脂組成物内にオリゴマーを作り、当該樹脂組成物を所定の粘度、本実施の形態においては1000〜3000cPの粘度まで硬化させて増粘する(増粘工程)。なお、この工程で使用する光源は光重合開始剤の種類に応じて適宜選択し、例えば光重合開始剤が紫外線(UV:Ultra Violet)を受けてラジカルを発生するものであれば、光照射用の光源として、主にピークを365nmにもつ250〜460nmの水銀ランプを用いる。
次に、増粘された樹脂組成物を金型に充填し、その金型を所定温度で加熱する(第2の処理)。これにより、熱重合開始剤がラジカルを発生して樹脂組成物内にポリマーを作り、当該樹脂組成物を完全に硬化させる結果、樹脂組成物が金型形状に応じて撮像レンズ16に成形される(成形工程)。ここで、この成形工程においては、金型に充填される樹脂組成物の粘度が600cP未満、特に200cP未満であると、樹脂組成物が金型のパーティングラインから漏れてバリを発生する一方、3000cPより大きいと、金型への充填や、金型から撮像レンズ16への微細光像の転写が不十分となってしまうところ、本実施の形態においては粘度が600〜3000cPであるため、樹脂組成物の漏れが防止されるとともに、金型への充填や、微細構造の転写が確実に行なわれることとなる。
なお、このとき使用する金型は金属製であってもよいし、ガラス製,樹脂製であってもよい。光学素子の量産過程で繰返し使用することを考慮すれば、金型は耐熱性を具備した鉄製等の金属製であるのが好ましい。また、使用する型には、少なくとも光学素子の光学面を成形する箇所に回折構造等の微細構造が設けられてもよい。また、成形する方法としては、例えばキャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法等、種々の方法をとることができるが、特に射出成形法が好ましい。また、成形時に、必要に応じて各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために、組成物あるいは一部反応させた組成物を、遠心、減圧等により脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理等を適用することもできる。
次に、撮像レンズ16を用いてレンズモジュール6を組み立てた後、図3(a)に示す通り、レンズモジュール6のレンズケース15内に装着されたカラー部材17の下端部を基板モジュール5におけるサブ基板10の上面に当接させて、レンズケース15の装着部15bをサブ基板10の装着孔10aに挿通・固定し、カメラモジュール2を形成する。
その後、図3(b)に示す通り、予め半田18が塗布(ポッティング)された回路基板1の所定の実装位置にカメラモジュール2やその他の電子部品を載置する(載置工程)。
そして、図3(c)に示す通り、カメラモジュール2やその他の電子部品を載置した回路基板1をベルトコンベア等でリフロー炉(図示略)に移送し、当該回路基板1をリフロー処理に供して260℃程度の温度で加熱することにより、半田18を溶融させてカメラモジュール2をその他の電子部品と一緒に回路基板1に実装する(実装工程)。
以上、本実施形態における撮像レンズ16及び撮像装置100の製造方法によれば、成形工程前の増粘工程において熱硬化性の樹脂組成物を所定の粘度まで硬化して増粘するので、成形工程では所定の粘度の樹脂組成物を用いて成形を行なうことができる。従って、成形型からの樹脂組成物の漏れを防止することができるため、成形による撮像レンズ16のバリの形成を防止することができる。また、増粘剤を使用することなくバリの形成を防止することができるため、リフロー処理による撮像レンズ16の透過率の低下を防止することができる。
また、増粘工程での重合開始剤として光重合開始剤を、成形工程での重合開始剤として熱重合開始剤を、樹脂組成物として光重合開始剤よりも熱重合開始剤の含有量が多いものを用いるので、増粘工程によって樹脂組成物が完全にゲル化または硬化して流動性を失ってしまい、金型への充填ができなくなることや、粘度が高くなり過ぎてしまい、金型から撮像レンズ16に微細構造を転写できなくなることを、防止することができる。
〔実施の形態の変形例(1)〕
続いて、実施の形態の変形例(1)について説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例(1)における樹脂組成物は、熱重合開始剤よりも光重合開始剤の添加量が多い点で、上記実施の形態における樹脂組成物と異なっており、具体的には、熱重合開始剤の添加量は、光重合開始剤の添加量に対して1/10〜1/100となっている。
このような樹脂組成物によって撮像レンズ16及び撮像装置100を製造する場合には、始めに、硬化性樹脂に対して熱重合開始剤と光重合開始剤とを添加し、液体状の樹脂組成物を調製する。このとき、本変形例においては、熱重合開始剤よりも光重合開始剤の添加量を多くする。
次に、樹脂組成物に対して熱を加える(第1の処理)。これにより、熱重合開始剤がラジカルを発生して樹脂組成物内にオリゴマーを作り、当該樹脂組成物を所定の粘度まで硬化させて増粘する(増粘工程)。
次に、増粘された樹脂組成物を透明な金型に充填し、その金型を介して樹脂組成物に光を照射する(第2の処理)。これにより、光重合開始剤がラジカルを発生して樹脂組成物内にポリマーを作り、当該樹脂組成物を完全に硬化させる結果、樹脂組成物が金型形状に応じて撮像レンズ16に成形される(成形工程)。なお、このような透明の金型としては、従来より公知のものを用いることができる。
以降、上記実施形態と同様にして、撮像レンズ16を用いて撮像装置100を製造する。
以上、本変形例(1)における撮像レンズ16及び撮像装置100の製造方法によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔実施の形態の変形例(2)〕
続いて、実施の形態の変形例(2)について説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例(1)における樹脂組成物は、2種類の重合開始剤として、前記低温タイプの熱重合開始剤と、前記高温タイプの熱重合開始剤とを含有する点で、上記実施の形態における樹脂組成物と異なっており、具体的には、低温タイプの熱重合開始剤の添加量は、高温タイプの熱重合開始剤の添加量に対して1/10〜1/100となっている。
このような樹脂組成物によって撮像レンズ16及び撮像装置100を製造する場合には、始めに、硬化性樹脂に対して低温タイプの熱重合開始剤と高温タイプの熱重合開始剤とを添加し、液体状の樹脂組成物を調製する。このとき、本変形例においては、低温タイプの熱重合開始剤よりも高温タイプの熱重合開始剤の添加量を多くする。
次に、樹脂組成物に対して前記第1の所定温度まで熱を加える(第1の処理)。これにより、低温タイプの熱重合開始剤がラジカルを発生して樹脂組成物内にオリゴマーを作り、当該樹脂組成物を所定の粘度まで硬化させて増粘する(増粘工程)。
次に、増粘された樹脂組成物を金型に充填し、その金型を前記第2の所定温度まで加熱する(第2の処理)。これにより、光重合開始剤がラジカルを発生して樹脂組成物内にポリマーを作り、当該樹脂組成物を完全に硬化させる結果、樹脂組成物が金型形状に応じて撮像レンズ16に成形される(成形工程)。なお、このとき使用する金型としては、上記実施形態と同様のものを用いることができる。
以降、上記実施形態と同様にして、撮像レンズ16を用いて撮像装置100を製造する。
以上、本変形例(2)における撮像レンズ16及び撮像装置100の製造方法によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態及び変形例に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。本発明の撮像装置は、小型のデジタルスチルカメラや、携帯電話、PDA等の携帯端末に搭載されることが好ましいが、パソコンカメラなど他の用途にも用いることができる。
また、本発明の光学素子としては特に限定はないが、高精度であることが求められる光ピックアップ装置用の光学素子等にも好ましく用いることができる。特に、本発明の製造方法は、ある程度厚みを有する光学素子に好適に用いられる。また、回折構造等の微細構造が光学面に設けられた光学素子を成形する際に特に有効である。
続いて、本実施の形態に好適な実施例について説明する。
[実施例1]
<樹脂組成物(A1)〜(A4)の作製>
特開2002−193883号に開示の方法に従い、硬化性樹脂として2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを作成した。
この硬化性樹脂に対し、熱重合開始剤AIBNを添加して、樹脂組成物(A1)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、熱重合開始剤AIBNと、一般的な増粘剤であるポリアクリル酸ソーダ(またはスルホン酸系共重合体)とを添加して、樹脂組成物(A2)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、熱重合開始剤AIBNを1wt%、UV重合開始剤IRGACURE 907を1wt%添加して、樹脂組成物(A3)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、熱重合開始剤AIBNを1wt%、UV重合開始剤IRGACURE 907を0.05wt%を添加して、樹脂組成物(A4)とした。
<テストピースの製造>
上記の樹脂組成物(A1)〜(A4)に対し、UV光を32mW/cm2の強度で20秒、つまり640mJ/cm2の照射量(強度×時間)で照射した後、樹脂組成物を金型に充填して160℃、13.3Paの減圧下で10分間プレスし、Φ11mm、厚さ3mmに成形してテストピースを作製した。
<粘度の評価>
上記のテストピース作製において、UV光の照射前後の粘度を測定したところ、以下の表1の通りとなった。なお、表中、「UV照射前粘度」,「UV照射後粘度」の欄における「低い」とは、粘度が200cP未満であること、「適度」とは、粘度が600〜3000cPであること、「高い、ゲル化」とは、粘度が10000cP以上であることを意味する。また、「UV照射後粘度」の欄における「−」とは、UV光の照射前後で粘度に変化がないことを意味する。
Figure 0005061862
<成形性の評価>
作製されたテストピースについて、成形性を評価したところ、上記表1の通りとなった。なお、表中、「成形時のバリ」の欄における「×」とは、樹脂組成物の一部が金型から漏れてバリが形成されていることを意味し、「○」とは、バリが形成されていないことを意味する。また、「−(成形不可)」とは、樹脂組成物がゲル化してしまい金型へ充填できず、成形が不可能となったことを意味する。
これにより、樹脂組成物(A2),(A4)を用いたテストピースでは、金型への充填時に目詰まりやバリが形成されないことが分かる。
<成形後のリフロー耐性評価>
作製されたテストピースについて、日立分光光度計U−4100によって全光線透過率を測定した後、テストピースを260℃の恒温槽に10分間入れて、改めて全光線透過率を測定した。
恒温槽への投入前の透過率を100%とした場合での、投入後の透過率を算出し、リフロー処理後の透過性が実用可能範囲に含まれるか否かを評価したところ、上記表1の通りとなった。なお、表中、「リフロー耐性」の欄における「○」とは、恒温槽への投入後の透過率が投入前に対して±2%以内で、実用可能範囲に含まれることを意味し、「×」とは、2%以上であることを意味する。
これにより、樹脂組成物(A1),(A4)を用いたテストピースでは、リフロー耐性試験後の透過性が実用可能範囲に含まれることが分かる。
[実施例2]
<樹脂組成物(B1)〜(B4)の作製>
特開2002−193883号に開示の方法に従い、硬化性樹脂として2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを作成した。
この硬化性樹脂に対し、光重合開始剤Irgacure 127を添加して、樹脂組成物(B1)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、光重合開始剤Irgacure 127と、一般的な増粘剤であるポリアクリル酸ソーダ(またはスルホン酸系共重合体)とを添加して、樹脂組成物(B2)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、光重合開始剤Irgacure 127を1wt%、熱重合開始剤パークミルNDを1wt%添加して、樹脂組成物(B3)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、光重合開始剤Irgacure 127を1wt%、熱重合開始剤パークミルNDを0.05wt%を添加して、樹脂組成物(B4)とした。
<テストピースの製造>
上記の樹脂組成物(B1)〜(B4)を、60℃で30分温浴した後、樹脂組成物を透明金型に充填した。そして、金型内の樹脂組成物に対し、13.3Paの減圧下でUV光を32mW/cm2の強度で120秒、つまり3600mJ/cm2の照射量(強度×時間)で照射し、当該樹脂組成物をΦ11mm、厚さ3mmに成形してテストピースを作製した。
<粘度の評価>
上記のテストピース作製において、温浴前後の粘度を測定したところ、以下の表2の通りとなった。
Figure 0005061862
<成形性の評価>
作製されたテストピースについて、成形性を評価したところ、上記表2の通りとなった。評価基準については、実施例1の場合と同様である。
これにより、樹脂組成物(B2),(B4)を用いたテストピースでは、金型への充填時に目詰まりやバリが形成されないことが分かる。
<成形後のリフロー耐性評価>
作製されたテストピースについて、日立分光光度計U−4100によって全光線透過率を測定した後、テストピースを260℃の恒温槽に10分間入れて、改めて全光線透過率を測定した。
恒温槽への投入前の透過率を100%とした場合での、投入後の透過率を算出し、リフロー処理後の透過性が実用可能範囲に含まれるか否かを評価したところ、上記表2の通りとなった。評価基準については実施例1の場合と同様である。
これにより、樹脂組成物(B1),(B4)を用いたテストピースでは、リフロー耐性試験後の透過性が実用可能範囲に含まれることが分かる。
[実施例3]
<樹脂組成物(C1)〜(C4)の作製>
特開2002−193883号に開示の方法に従い、硬化性樹脂として2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを作成した。
この硬化性樹脂に対し、高温タイプの熱重合開始剤AIBNを添加して、樹脂組成物(C1)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、高温タイプの熱重合開始剤AIBNと、一般的な増粘剤であるポリアクリル酸ソーダ(またはスルホン酸系共重合体)とを添加して、樹脂組成物(C2)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、高温タイプの熱重合開始剤AIBNを1wt%、低温タイプの熱重合開始剤パークミルNDを1wt%添加して、樹脂組成物(C3)とした。
また、同様の硬化性樹脂に対し、高温タイプの熱重合開始剤AIBNを1wt%、低温タイプの熱重合開始剤パークミルNDを0.05wt%を添加して、樹脂組成物(C4)とした。
<テストピースの製造>
上記の樹脂組成物(C1)〜(C4)を60℃で30分温浴した後、樹脂組成物を金型に充填して160℃、13.3Paの減圧下で10分間プレスし、Φ11mm、厚さ3mmに成形してテストピースを作製した。
<粘度の評価>
上記のテストピース作製において、温浴前後の粘度を測定したところ、以下の表3の通りとなった。
Figure 0005061862
<成形性の評価>
作製されたテストピースについて、成形性を評価したところ、上記表3の通りとなった。評価基準については、実施例1の場合と同様である。
これにより、樹脂組成物(C2),(C4)を用いたテストピースでは、金型への充填時に目詰まりやバリが形成されないことが分かる。
<成形後のリフロー耐性評価>
作製されたテストピースについて、日立分光光度計U−4100によって全光線透過率を測定した後、テストピースを260℃の恒温槽に10分間入れて、改めて全光線透過率を測定した。
恒温槽への投入前の透過率を100%とした場合での、投入後の透過率を算出し、リフロー処理後の透過性が実用可能範囲に含まれるか否かを評価したところ、上記表3の通りとなった。評価基準については実施例1の場合と同様である。
これにより、樹脂組成物(C1),(C4)を用いたテストピースでは、リフロー耐性試験後の透過性が実用可能範囲に含まれることが分かる。
本発明の好ましい実施形態で使用される撮像装置の概略斜視図である。 本発明の好ましい実施形態で使用される撮像装置の一部を拡大した概略的な断面図である。 本発明の好ましい実施形態における撮像装置の製造方法を概略的に説明するための図である。
符号の説明
100 撮像装置
1 回路基板
2 カメラモジュール
3 カバーケース
4 撮像用開口
5 基板モジュール
6 レンズモジュール
10 サブ基板
10a 装着孔
11 CCDイメージセンサ
12 封止樹脂
15 レンズケース
15a ホルダ部
15b 装着部
16 撮像レンズ
17 カラー部材
18 半田

Claims (8)

  1. 第1の重合開始剤よりも第2の重合開始剤の含有量が多くなるよう、これら第1の重合開始剤及び第2の重合開始剤を含有するエネルギー硬化性の樹脂組成物を、前記第1の重合開始剤による重合反応を発生させる第1の処理を行うことにより、所定の粘度に増粘する増粘工程、
    前記増粘工程で増粘された前記樹脂組成物を成形型に充填し、前記第2の重合開始剤による重合反応を発生させる第2の処理を行うことにより、前記樹脂組成物を硬化して光学素子を成形する成形工程、
    前記光学素子を電子部品とともに基板上に載置する載置工程、及び、
    前記光学素子と、前記電子部品と、前記基板とをリフロー処理に供し、前記光学素子と前記電子部品とを前記基板に実装する実装工程、
    を有することを特徴とする光学装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の光学装置の製造方法において、
    前記第1の重合開始剤として光重合開始剤を、
    前記第2の重合開始剤として熱重合開始剤を用い、
    前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物に対して光を照射することによって当該樹脂組成物を増粘させ、
    前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物に対して熱を加えることによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする光学装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の光学装置の製造方法において、
    前記第1の重合開始剤として熱重合開始剤を、
    前記第2の重合開始剤として光重合開始剤を用い、
    前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物に対して熱を加えることによって当該樹脂組成物を増粘させ、
    前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物に対して光を照射することによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする光学装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の光学装置の製造方法において、
    前記第1の重合開始剤として、室温よりも高温の第1の所定温度で重合反応を発生させる第1の熱重合開始剤を、
    前記第2の重合開始剤として、前記第1の所定温度よりも高温の第2の所定温度で重合反応を発生させる第2の熱重合開始剤を用い、
    前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物を前記第1の所定温度に加熱することによって当該樹脂組成物を増粘させ、
    前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物を前記第2の所定温度に加熱することによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする光学装置の製造方法。
  5. リフロー処理によって電子部品とともに基板上に実装される光学素子の製造方法であって、
    第1の重合開始剤よりも第2の重合開始剤の含有量が多くなるよう、これら第1の重合開始剤及び第2の重合開始剤を含有するエネルギー硬化性の樹脂組成物を、前記第1の重合開始剤による重合反応を発生させる第1の処理を行うことにより、所定の粘度に増粘する増粘工程、及び
    前記増粘工程で増粘された前記樹脂組成物を成形型に充填し、前記第2の重合開始剤による重合反応を発生させる第2の処理を行うことにより、前記樹脂組成物を硬化して光学素子を成形する成形工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  6. 請求項5記載の光学素子の製造方法において、
    前記第1の重合開始剤として光重合開始剤を、
    前記第2の重合開始剤として熱重合開始剤を用い、
    前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物に対して光を照射することによって当該樹脂組成物を増粘させ、
    前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物に対して熱を加えることによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 請求項5記載の光学素子の製造方法において、
    前記第1の重合開始剤として熱重合開始剤を、
    前記第2の重合開始剤として光重合開始剤を用い、
    前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物に対して熱を加えることによって当該樹脂組成物を増粘させ、
    前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物に対して光を照射することによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする光学素子の製造方法。
  8. 請求項5記載の光学素子の製造方法において、
    前記第1の重合開始剤として、室温よりも高温の第1の所定温度で重合反応を発生させる第1の熱重合開始剤を、
    前記第2の重合開始剤として、前記第1の所定温度よりも高温の第2の所定温度で重合反応を発生させる第2の熱重合開始剤を用い、
    前記増粘工程では、前記第1の処理として前記樹脂組成物を前記第1の所定温度に加熱することによって当該樹脂組成物を増粘させ、
    前記成形工程では、前記第2の処理として前記樹脂組成物を前記第2の所定温度に加熱することによって当該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする光学素子の製造方法。
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