JP2007230076A - ハイブリッドレンズの製造方法およびその製造方法に用いられる型 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みがあり偏肉差が大きい樹脂層を有するハイブリッドレンズの製造に適した方法を提供する。
【解決手段】プラスチック部分(樹脂部分)3と、ガラス部分(ガラスレンズ基材)2とから成るハイブリッドレンズ1の製造方法であって、プラスチック部分3を第1段階の型を用いてモールドする工程であって、第1段階の型は、プラスチック部分3の非球面を含む第1の面に対応する第1の成形面を含む第1型と、ガラス部分2に接する第2の面に対応する第2の成形面を含む第2型とを含む、モールドする工程と、プラスチック部分3を第1段階の型から離型して、そのプラスチック部分3の第1の面を、第2段階の型の、第1の面に対応する第2段階の型面にセットしてアニールする工程とを有するハイブリッドレンズ1の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス製の基材と、非球面を実現するためのプラスチック製の部材とを貼り合せたハイブリッドレンズの製造方法およびその製造の際に用いる型に関するものである。
1または複数のレンズを備えた各種の光学機器においては、少ない枚数で収差性能を改善し、小型軽量化、低コスト化するために非球面レンズを用いることが増加している。非球面レンズを用いて光学系を構成することにより、収差補正に必要なレンズ枚数を、球面レンズだけで光学系を構成した場合より大幅に減らすことができる。
非球面レンズの非球面量を大きくすることにより、さらに少ない枚数で所望の収差性能を備えた光学系を構成できる。しかしながら、非球面量が大きい非球面レンズ、特に大口径の非球面レンズを製造することは、極めて困難であった。すなわち、非球面レンズの製造方法としては、ガラスレンズを精密研削・研磨加工する方法がある。この方法は、製造コストが非常に高く、特に、大口径の非球面レンズは高価格になるという問題がある。
このため、非球面レンズの製造方法として、球面ガラスレンズの上に非球面形状を実現するための樹脂層を重ねて形成する製造方法が開発されており、このような非球面レンズはハイブリッドレンズと呼ばれている。ハイブリッドレンズの製造方法は、球面ガラスレンズを母材(基材)として、プラスチック部分をモールドするための一方の型とし、非球面形状を転写するための成形型をモールドするための他方の型として組み合わせ、これらの型の間に紫外線硬化性樹脂組成物を充填し、母材側から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させた後、非球面形状を転写するための成形型を脱離する。この製造方法により、母材であるガラス基材に成形型から転写された非球面形状を備えた樹脂層が載ったハイブリッドレンズが提供される。
特開2005−60657号公報 特開昭58−90925号公報
ハイブリッドレンズの課題の1つは、温度変化に伴う耐久性である。特に、プラスチック部分の肉厚差の大きなハイブリッドレンズにおける温度サイクル耐久性を向上することが重要である。
特許文献1は、紫外線硬化性樹脂組成物を用いた肉厚のハイブリッドレンズの製造方法に関し、紫外線硬化性樹脂組成物を用いた最小厚みTminと最大厚みTmaxの差が大きな非球面形状のハイブリッドレンズの製造方法について記載されている。この肉厚差を確保した上で、通常の光学レンズに求められる−30℃から80℃までの温度範囲での温度サイクル耐久性を向上することが重要である。
ハイブリッドレンズに見られる現象の1つは、樹脂組成物として、各種耐久性に対して良好である物をハイブリッドレンズ用樹脂組成物として用いた場合に、重合硬化成形時に樹脂に固有の重合収縮応力によって、樹脂層と基材ガラスとの界面でのハガレ、あるいは基材ガラスの剥離や樹脂割れが発生することがあることである。
オリゴマー成分等を添加して重合収縮力を抑制することにより、硬化成形時の基材ガラ
スの剥離や樹脂割れは減少する。しかしながら、樹脂組成物によっては、温度サイクル試験等の各種耐久性試験をクリアできるほどの効果は得られないことがある。
特許文献2は、ガラスレンズに薄い熱可塑性ポリウレタン層および厚い熱硬化性ポリウレタン層からなる光学的に透明で一体的な複合有機高分子シートを結合してなる、貼り合わせレンズの製造方法に関するものである。この特許文献2には、熱変形防止のため、貼り合わせ構造体を冷却する時約40℃位までは、加圧したまま冷やすことが特に望ましいこととして記載されている。
従来のハイブリッドレンズの製造方法は、厚みがあり、従って偏肉差が大きい、すなわち、薄い部分と厚い部分との厚さの差が大きい樹脂層を球面ガラスレンズの表面に形成することを得意としていない。従来のハイブリッドレンズの製造方法で対応可能な範囲は、樹脂層の厚みに関しては、10〜300μm程度であり、最大でも1mm程度である。そのため、樹脂層の形成によって非球面量の大きな樹脂層を有するハイブリッドレンズを製造することは難しく、非球面レンズとしての性能は不十分であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、厚みのある樹脂層を有するハイブリッドレンズを提供することを目的とする。また、本発明は、厚みがあり偏肉差が大きい樹脂層を有するハイブリッドレンズを製造することができるハイブリッドレンズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、プラスチック部分と、ガラス部分とから成るハイブリッドレンズの製造方法であって、プラスチック部分を第1段階の型を用いてモールドする工程を有する。このモールド工程の第1段階の型は、プラスチック部分の非球面を含む第1の面に対応する第1の成形面を含む第1型と、ガラス部分に接する第2の面に対応する第2の成形面を含む第2型とを含む。さらに、このハイブリッドレンズの製造方法は、モールドする工程後、プラスチック部分を第1段階の型から離型して、そのプラスチック部分の第1の面を、第2段階の型の、第1の面に対応する第2段階の型面にセットしてアニールする工程を有する。
第1段階の型からプラスチック部分を離型して、アニールすることにより、モールド工程における重合収縮応力を開放することが可能となり、ハイブリッドレンズの樹脂層であるプラスチック部分を基材であるガラス部分と密着させた際に、応力に起因した剥離等が生じ難くすることができる。すなわち、この製造方法においては、従来、モールド硬化成形時に密着させることにより、プラスチック部分とガラス部分とを接着したのに対し、プラスチック部分をモールド硬化成形後、その成形型から一度外してアニール処理を施すことで重合収縮応力を開放し、その後、基材のガラス部分とを貼り合せる。この製造方法により、基材のガラス部分と、非球面を実現するための樹脂部分とからなるハイブリッドレンズにおける、ガラスと樹脂との密着性の悪さ、樹脂の重合硬化時の収縮応力などの問題の克服を可能とする。
このハイブリッドレンズの製造方法は、さらに、アニールする工程後、第2段階の型の第2段階の型面にプラスチック部分がセットされた状態で、プラスチック部分の第2段階の型にセットされていない第2の面と、ガラス部分とを貼り合せる工程を有することが好ましい。第2段階の型をプラスチック部分とガラス部分との光学軸の位置合せをするために利用できる。
さらに、貼り合せる工程では、プラスチック部分とガラス部分との貼り合せに接着剤を用いることが好ましい。このハイブリッドレンズの製造方法においては、モールド段階で
ガラス部分とプラスチック部分と一体化する製造方法と異なり、ガラス部分とプラスチック部分とを貼り合せる工程を有する。したがって、ガラス部分とプラスチック部分とを貼り合せるときに、プラスチック部分を構成する樹脂の種類によって、好適な接着剤または粘着剤を選択することが可能となり、ガラス部分とプラスチック部分とを好適に貼り合せでき、密着性および耐久性などのハイブリッドレンズとしての性能の向上を図ることができる。さらに、貼り合せる際に、プラスチック部分とガラス部分との接着面に対して放電処理等の密着性を向上するための対策を取ることも可能となる。
このハイブリッドレンズの製造方法は、さらに、第2段階の型の第2段階の型面の形状は、アニールする工程でプラスチック部分が歪み取りされた際に、プラスチック部分の第1の面の形状が所望の面形状となることが望ましい。そのような第2段階の型に取り付けてアニールすることにより、プラスチック部分の応力開放を促進できる。さらに、プラスチック部分を、そのような第2段階の型面を備えた第2段階の型にセットされた状態で、ガラス部分と貼り合せることにより、応力開放された所望の、精度の高い非球面形状をプラスチック部分により実現できる。
さらに、アニールする工程では、プラスチック部分を第2段階の型と、ガラス部分とで挟んだ状態でアニールすることが好ましい。プラスチック部分を、ガラス部分に貼り合せる、所望(設計上)の状態でアニールできるので、より精度の高いハイブリッドレンズを製造できる。
本発明の他の態様は、プラスチック部分とガラス部分とから成るハイブリッドレンズを製造する際に、第1段階の型によりモールドされたプラスチック部分をアニールするために用いられる第2段階の型である。この第2段階の型は、第1段階の型から離型されたプラスチック部分の第1の面に対応する第2段階の型面を有し、その第2段階の型面は、第1型の第1の成形面と形状が異なる。
プラスチック部分をモールドする段階で、ガラス部分と一体化する場合は、モールド型に、プラスチック部分の非球面形状を精度良く成形する機能に加えて、理想的には、ガラス部分との密着性を確保するために、ガラス部分との接着面の応力をできるだけ小さくする機能など、高精度および高耐久性のハイブリッドレンズを製造するための全ての機能を含めることが要求される。そのようなモールド型の実現は基本的に不可能であり、ある程度可能であったとしても、所望の形状にすることは多くの場合、応力の発生を容認することであり、1つの型に複数の機能を含めることはトレードオフの問題になり、ベストな性能を実現することは容易ではない。
これに対し、本発明に含まれる製造方法においては、モールド工程に用いられる第1段階の型と、アニール工程で用いられる第2段階の型とを分けることができる。このため、それぞれの型の面形状をモールド工程に適した形状、アニールするのに適した形状にすることができる。さらに、貼り合せる工程も別になるので、貼り合せにおいてもベストあるいはベターな選択が可能となる。第2段階の型面形状の一例は、応力開放の各種処理によって形状変化することを計算して予測された面形状であり、所望の非球面を実現するための面形状である。
この第2段階の型は、プラスチック部分をガラス部分に貼り合せる際にも用いることができる。プラスチック部分とガラス部分とを光軸合せする方法としては、他に、外周基準を用いる方法、コリメーター等の精密測定装置を用いる方法などがある。
本願の発明者は、従来のハイブリッドレンズの製造方法により、厚い樹脂層を備えたハ
イブリッドレンズの製造が難しい原因を検討した。樹脂層の厚さが厚くなり、樹脂層の薄い部分と厚い部分との偏肉差が大きくなると、重合時に樹脂層の厚い部分と薄い部分との重合速度が異なるため、樹脂層に重合歪みが発生し、この重合歪みによって樹脂層に剥がれや割れが発生し易くなると共に、光学的にも複屈折が発生して樹脂層の光学性能が低下することが要因の一つであると考えるに至った。
そのため、本願の発明者は、重合硬化時の重合収縮応力を減少させる方策を種々試みた。その1つは、樹脂組成物に高分子量成分を添加し、重合収縮自体を減少させる方法である。他の1つは、重合硬化時に徐々に昇温して硬化を熟成させた後、ゆっくり冷却するように硬化温度条件を調整する方法である。さらに他の1つは、樹脂組成物を予め増粘させた後、モールド型内に注入することで重合収縮を抑制する方法である。これらの方法の中には、現状では、重合収集応力を十分に除去するに足りる条件を見出すに至るものは報告できなかった。
これらに対し、モールド硬化成形した樹脂成形体をモールド硬化成形型から取り出し、アニール処理を施し、その樹脂成形体をガラスレンズ母材の表面に貼り合せる方法を試みたところ、厚い樹脂層を備えたハイブリッドレンズであっても、温度サイクル耐久性の高いハイブリッドレンズを製造することができた。この結果より、上記の製造方法においては、アニール処理により硬化成形時に生じた重合収縮応力を良好に開放できると考えられる。すなわち、樹脂成形体(プラスチック部分)をモールドした後、一度モールド成形型から外すことで重合収縮応力を開放することができると考えられる。それによって、基材のガラス部分と密着させた際に剥離等が生じにくいハイブリッドレンズを製造できる。
また、この製造方法においては、モールドする際は、重合収縮応力を心配することなく、熱膨張率を主体に考慮すればよい。したがって、これまで各種耐久性試験をクリアするためにスクリーニングされていた樹脂種類を選択できる可能性が生ずる。
以下、ハイブリッドレンズの製造方法についてさらに詳しく説明する。図1にハイブリッドレンズ1の概略構成を断面により示している。ハイブリッドレンズ1は、基材である球面ガラスレンズ(ガラス部分)2の一面側または両面に非球面形状を実現するための樹脂層となるプラスチック部分(樹脂部分)3が接合された構造を有する。ハイブリッドレンズ1は、さらに、樹脂部分3の表面(ガラス部分と反対側の面)に反射防止膜5を有する。反射防止膜5は、球面ガラス面(樹脂との接合面の反対面)にも施される。球面ガラスレンズ(基材)2は、凸レンズ、凹レンズのいずれでもよい。
以下に述べる実施例において製造されるハイブリッドレンズ1の有効径の範囲内での樹脂部分3の最大厚みTmaxは、1〜10mm、好ましくは3〜8mmの範囲を目的とするものである。また、以下に述べる実施例において製造されるハイブリッドレンズ1の有効径は、60〜150mm程度を目的とするものである。従来のハイブリッドレンズの製造方法では、上述したように60mm以上の大口径のものを製造することは難しい。
以下の実施例において目的とするハイブリッドレンズ1の樹脂部分3の厚みの範囲は、従来のハイブリッドレンズの樹脂層の厚みが10〜300μm程度であるのと比較すると、数倍または1桁以上厚い。なお、樹脂部分3の厚みは、ガラスレンズ基材2の法線方向の厚さを意味する。樹脂部分3の最大厚みTmaxを厚くすることにより非球面レンズとして、より収差補正性能の高いレンズを提供することができる。
しかしながら、樹脂部分3の最大厚みTmaxが厚くなると、ガラスと樹脂の熱膨張率の差や硬化成形時に生じる重合収縮応力から、ガラスレンズ基材2と樹脂部分3との密着性が不十分となって剥離が生じたり、樹脂部分3やガラスレンズ基材2に亀裂が生じ易い
ことは上述した通りである。さらに、温度耐久性試験後に樹脂層表面に付けた反射防止膜5にクラックが生じることもある。
なお、レンズの有効径の範囲内での樹脂部分3の最小厚みTminは、最大厚みTmaxの1/3以下、すなわち、偏肉量=Tmax/Tminと定義すると、偏肉量は3以上、特に5〜20程度であることが好ましい。偏肉量が小さすぎると、樹脂部分3の非球面量が小さくなり、非球面レンズとしての光学性能が小さくなる。
以下の実施例において製造を目的とするハイブリッドレンズ1は、厚みのある樹脂部分3を有し、非球面量を大きくすることができるため、収差補正能力に優れる。それと共に、大口径のハイブリッドレンズ1を製造できる。そのため、種々の用途において、収差性能を向上でき、レンズシステムをコンパクトにすることが可能となる。特に、液晶プロジェクタ用投射レンズ、特にその最も対物側のレンズ、ビデオカメラやスチルカメラのレンズ、望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡、CDやDVD等の光ピックアップ用のレンズ等に好適なハイブリッドレンズを提供できる。
(ハイブリッドレンズの製造過程)
本発明に含まれる実施形態のハイブリッドレンズの製造過程を説明する。次に、本発明に係る厚い樹脂層を有するハイブリッドレンズの製造方法について、図2〜図5を参照しながら説明する。以下に示す製造過程は、大きく分けて、図2に示したモールド、図3に示した離型、図4に示したアニール、図5に示した貼り合せの各工程を含む。さらに、型成形するためのモノマーを調合する工程があり、以下では、この順番に説明する。
(モールド工程)
この工程では、ハイブリッドレンズ1の樹脂部分(プラスチック部分)3を、モールド用の第1段階の型(モールド型)10を用いてモールドする。図2に示したモールド型10は、樹脂部分3の非球面を含む第1の面(非球面)3Aに対応する第1の成形面(転写面)11Aを含む第1型(上型)11と、ハイブリッドレンズ1のガラス部分であるガラスレンズ基材2に接する第2の面(接着面)3Bに対応する第2の成形面(転写面)12Aを含む第2型(下型)12と、これら上型11および下型12の外周面を繋いで樹脂を注入する空間を形成する粘着テープ15とを有する。
上型11および下型12は、ガラス型であり、転写面11Aおよび12Aは鏡面研磨されている。上型11および下型12の外径はほぼ同じであり、両者とも円周面状の側面を有する。これらの下型12上型11の外径は、概ね30〜150mmの範囲である。
モールド型10を組み立てる前に、それぞれの型11および12の転写面11Aおよび12Aは、洗浄し、離型剤を予め塗布しておくことが好ましい。その後、上型11の転写面11Aと、下型12の転写面12Aとを所定の距離だけ離間させて対向配置して保持する。そして、これらのガラス型(下型)12とガラス型(上型)11の側面にまたがって粘着テープ15を、1周より余分に巻き付け、粘着テープ15が重なる領域を形成する。これにより、粘着テープ15でガラス型(下型)12の転写面12Aとガラス型(上型)11の転写面11Aとの間の空隙が封止され、これらの転写面12Aと転写面11Aと粘着テープ15とで囲まれたキャビティ16が形成され、ハイブリッドレンズの樹脂部分3をモールドするための型10を組み立てることができる。
この実施形態におけるモールド型10のキャビティ16は、ガラス型(下型)12の転写面12Aの法線方向におけるガラス型(下型)12の転写面12Aとガラス型(上型)11の転写面11Aとの間の空隙の最大厚みは、レンズの有効径の範囲内で1mm〜10mm、好ましくは3mm〜8mmの範囲であり、最小厚みの部分は、最大厚みの部分の1
/3以下、好ましくは1/5〜1/20程度である。
粘着テープ15は、テープ基材に粘着剤層が形成されている構造を有する。テープ基材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリカーボネート類などを例示することができる。粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等が使用される。粘着剤は、硬化性樹脂組成物に溶け出したり、重合を阻害したりしないものが選定される。
粘着テープ15は、モールド型10を組み立てる工程で、ガラス型(上型)11とガラス型(下型)12を精度良く固定できることが求められる。このため、テープ基材の厚さは、10μm以上、好ましくは20μm以上、最適には30μm以上である。また、テープ基材の最大厚さは2000μm程度である。
粘着テープ15の幅は、ガラス型(下型)12とガラス型(上型)11の側面を保持してこれらの間の空隙を密封できればよく、これらから突出するような幅広でも差し支えない。
ガラス型(下型)12とガラス型(上型)11とを対向配置し、これらの側面に粘着テープ15を貼着してガラス型(下型)12とガラス型(上型)11の間の空隙を封止してハイブリッドレンズ用の樹脂成形体型(モールド型)10を組み立てる粘着テープ封止方法は、従来のスリーブや型枠を用いてガラス型(下型)12とガラス型(上型)11を保持する方法よりも、厚みのあるキャビティ16を容易にかつ簡便に形成することができる。
次に、モールド型10のキャビティ16へモノマーを注入する。そのために、モールド型10の粘着テープ15が重なっている部分を剥がし、キャビティ16への小さな開口部を形成する。この開口部から注射針などの細い注入管を介して予めモノマー調合工程(後述する)で調合されたエネルギー硬化性樹脂組成物をキャビティ16へ注入し、剥がした部分の粘着テープ15を再び貼り付け、キャビティ16を封止する。
次に、エネルギーを与えて、モノマーを硬化する。エネルギー硬化は紫外線硬化でも熱硬化でも良い。以下では紫外線硬化性樹脂を用いた例を説明する。ガラス型11および12を通して、キャビティ16中のエネルギー硬化性樹脂組成物に対して両側から紫外線を照射する。成形型12および11の両側に高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の紫外線照射源を配置し、あるいは反射鏡を用いてガラス型(上型)11とガラス型(下型)12の両方を通して、内部のキャビティ16のエネルギー硬化性樹脂組成物に、紫外線を照射する。これにより、エネルギー硬化性樹脂組成物(モノマー)をほぼ完全に硬化させる。
紫外線の照射時間は50〜300秒、環境温度は室温で行ってもよく、120℃までの加熱雰囲気下で行ってもよい。紫外線の照射強度は、ガラス型(上型)11の側と、ガラス型(下型)12の側とからほぼ等しく、例えば、50〜150mWにすることが好ましい。紫外線の照射量は、特に制限されないが、1〜500J/cm程度である。また、紫外線の照射は、両側から交互に照射するようにしてもよい。
ガラス型(上型)11とガラス型(下型)12とを通して両側から紫外線を照射することによって、厚みのあるキャビティ16に充填されている紫外線硬化性樹脂組成物の中心まで紫外線を十分に照射することが可能である。その結果、キャビティ16の厚い部分と
薄い部分での重合速度を均一化し、重合歪みの発生を可及的に抑制することができる。
また、粘着テープ15は薄く、ガラス型(上型)11とガラス型(下型)12の側面に貼着され、しかも光透過性とすることができるため、両側からの紫外線照射を妨げることが無く、キャビティ16の周縁部まで十分に紫外線を照射することができる。そのため、図1に示したような中心部が薄く、周縁部が厚くなるような形状の樹脂部分3でも、キャビティ16全体の重合速度を均一化して重合歪みの発生を抑制することに寄与できる。
(離型工程)
キャビティ16のモノマーの重合が十分に行われ、樹脂部分3がモールドされた状態になると、図3に示すように、粘着テープ15を剥がし、ガラス型12および11に衝撃を与えることにより、ガラス型12および11を樹脂部分3から剥離できる。これにより、モールド型10により成形された樹脂部分3を得ることができる。
(アニール工程)
次に、図4に示すように、モールド型10から離型した樹脂部分3を、第2段階の型(アニール型)20にセットしてアニールする。そのため、樹脂部分3の非球面3Aを、その非球面3Aに対応する形状のアニール型20の面(第2段階の型面)20Aにセットする。さらに、樹脂部分3がガラス基材2に接する接着面3Bにガラス基材(ガラスレンズ基材)2をセット(接着剤は塗布せずに)し、樹脂部分3をアニール型20と、ガラス基材2とで挟み込んだ状態にして温度を上げる。
この工程は、樹脂部分3の重合歪みの除去や転写精度の向上が目的である。そのため、硬化性樹脂組成物の樹脂成形体(樹脂部分)3のガラス転移点より高い温度雰囲気下で、好ましくはガラス転移点より10℃以上高い温度雰囲気下で、ガラス製のアニール型20とガラス基材2とで樹脂部分3を挟み、アニール型20とガラス基材2とを互いに接近させるように圧力を加える。
モールド型10に対して第2段階の型に当たるアニール型20の面20Aは、モールド型10の成形面(転写面)11Aに対して第2段階の型面に該当し、樹脂部分3をアニーリング処理した後の形状に沿うように加工されている。すなわち、アニール型20の面20Aは、モールド型10の上型11の転写面11Aと同じく樹脂部分3の非球面3Aを規定する面であるが形状が異なり、アニール型20の面20Aは、重合歪みなどによる応力が開放された状態の面形状、すなわち、歪み取り後の面形状となっている。したがって、アニール型20の面20Aの形状が実際に樹脂部分3により実現したい非球面を表しており、モールド型10の上型11の転写面11Aは応力開放されたときに所望の非球面が得られるように補正が加えられた面形状となっている。このような補正は、経験により求めることができ、シミュレーションなどの手段を用いて求めることもできる。
したがって、この工程では、温度を上げて樹脂部分3を軟化させながら、所望の非球面20Aを持つアニール型20と、所望の接着面を持つガラス基材2とを樹脂部分3に圧着させることにより、これらの所望の面形状を樹脂部分3に転写し、同時に、アニーリングにより、重合歪みを除去することが可能である。
さらに具体的には、オートクレーブ内にアニール型20とガラス基材2とで樹脂部分3を挟んだ状態で配置し、上記の温度雰囲気下で3×10−3〜10×10−3atm程度の圧力を加えて30分〜2時間程度の処理をする。加圧は、機械的にアニール型20とガラス基材2とを接近させることにより強制的に圧力を加えて良く、単に加熱炉の中に配置し、ガラス基材2またはアニール型20の自重により加圧される状態で加熱処理を行うようにしてもよい。
(貼り合せ工程)
図5に示すように、アニール型20の面20Aに樹脂部分3の非球面3Aをセットした状態で、樹脂部分3の接着面3Bとガラス基材2とを接着剤30を挟んで貼り合せる。この際、樹脂部分3の接着面3Bにはプラズマ放電処理などの密着処理を施すことが望ましい。また、ガラスレンズ基材2の接着面(表面)2Aに対しても、シランカップリング剤の塗布などを行って密着性を向上させることが望ましい。その後、ガラスレンズ基材2と樹脂部分3との光軸合せを行って貼り合せる。
シランカップリング剤による処理は、たとえば、以下のように行うことができる。ガラスレンズ基材2の表面2Aに対してプラズマ放電処理(0.1Torr減圧下、1分間のプラズマ放電処理)した後、予め加水分解処理しておいたシランカップリング剤のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの0.05%イソプロパノール溶液約3ccを均一にスピン塗布し、125℃のオーブン中で30分間焼成処理する。そして、室温にまで放冷した後、樹脂部分3と貼り合せる。
アニール型20の面20Aは、所望の非球面形状を備えており、それに樹脂部分3の非球面3Aをセットして、ガラスレンズ基材2の外周と、アニール型20の外周とを合わせることで光軸を合わせることが可能である。この方法は、樹脂部分3の円周方向の重合収縮がほぼ均一に行われることが前提になるが、上記のようにアニールして重合収縮による歪みを取ることができるので、この実施形態の製造方法においては、高い確率で光軸合せを行った状態で貼り合せることができる。
さらに、光軸合せの精度を向上する方法には以下のような方法が使える。樹脂部分3をガラスレンズ基材2と組み合わせた後、オートコリメータを使って光軸を合わせる方法である。この方法は、組み合わせたガラスレンズ母材と樹脂部分とからなるレンズ系に対してある一定の方向からの入射光が、特定の光路を経て、ある特定の方向へ出るという理論を背景に光軸を合わせる方法である。オートコリメータという装置を用い、組み合わせたレンズ系を固定する冶具を使うことで容易に光軸合せを行うことができる。
このように光軸合せされたガラスレンズ基材2と樹脂部分3との組み合わせは、ガラスレンズ基材2と樹脂部分3との間の光学接着剤30あるいは粘着剤を、レンズ全面に均一に押し広げるようにした後、紫外線照射等を行って貼り合せ硬化を完結させる。これによりハイブリッドレンズ1を製造できる。さらに、ハイブリッドレンズ1には、必要に応じて、樹脂部分3にハードコート処理、無反射コート処理(反射防止膜の形成)や、ガラスレンズ基材2に無反射コート処理(反射防止膜の形成)を行うことができる。
(モノマー調合工程)
次に、上記工程とは独立して行われるモノマー調合工程について説明する。モノマー調合工程は、ハイブリッドレンズのモールド型10のキャビティ16に充填する硬化性樹脂組成物を調合する工程である。硬化性樹脂組成物としては、紫外線硬化性樹脂組成物を用いても熱硬化性樹脂組成物を用いても良い。熱硬化性樹脂組成物を採用することにより、樹脂の屈折率の選択の幅も大きく広がり、ガラスレンズ基材2と樹脂部分3との間に生じる界面反射を防止する方策も広がる。
紫外線硬化性樹脂組成物としては、厚い樹脂部分3を形成するために、得られる硬化樹脂が、低吸水性、低線膨張係数であることが求められる。厚い樹脂層を有するハイブリッドレンズを製造するための紫外線硬化性樹脂組成物としては、(A)下記一般式(I)で示されるジ(メタ)アクリレート化合物(以下の実施例ではA成分として表示)、(B)1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するウレタンポリ(メタ)アクリ
レートまたはエポキシポリ(メタ)アクリレート(以下の実施例ではB成分として表示)、および(C)下記一般式(II)で示されるモノ(メタ)アクリレート化合物の3種類のラジカル重合性モノマーから選択される少なくとも1種類(以下の実施例ではC成分として表示)、および(D)重合開始剤(以下の実施例ではD成分として表示)を含有するものを挙げることができる。
Figure 2007230076
(式中、Rは水素またはメチル基、mは2〜5の整数、nは1〜16の整数を表す。)
Figure 2007230076
(式中、Rは水素またはメチル基、Rは炭素原子数が5〜16の脂環式炭化水素基を表す。)
ラジカル重合性モノマーとしての(A)成分の一般式(I)で示されるジ(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート化合物;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート化合物;ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールのジ(メタ)アクリレート化合物;1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
ラジカル重合性モノマーとしての(B)1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するウレタンポリ(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレートと分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とのウレタン化反応生成物が挙げられる。また、1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するエポキシポリ(メタ)アクリレートとしては、分子内に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸または分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基およびカルボキシル基を有する化合物とのグリシジル基開環反応物が挙げられる。
この(B)成分は(A)成分のジ(メタ)アクリレート化合物だけでは不足する耐熱性を付与する成分である。
分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物の具体例とし
ては、脂肪族、芳香族または脂環族のイソシアネート、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチレンヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α´−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。これらイソシアネート類とアミノ基、水酸基、カルボキシル基等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物との反応により得られる分子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物あるいは上記ジイソシアネート化合物類の3量体から5量体なども用いることができる。
また、上述の開環反応に用いる分子内に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物としては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテルなどの脂肪酸エポキシ化合物、イソホロンジオールのジグリシジルエーテル、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンのジグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンのジグリシジルエーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSとエピクロルヒドリンとの縮合で得られるビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)とエピクロルヒドリンとの縮合物、2,6−キシレノールダイマーとエピクロルヒドリンとの縮合物、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテルなどの芳香族エポキシ化合物等がある。
これらのエポキシ化合物と反応させる化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸の他、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとo−無水フタル酸等の酸無水物とを反応させて得られるカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとアジピン酸等の分子内に2個以上のカルボキシル基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
エポキシ化合物とカルボキシル基含有(メタ)アクリレートとの反応は、例えば、両者を混合し、触媒としてジメチルアミノエチルメタクリレート等の3級アミノ化合物またはベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級アミン塩を加え、60℃〜110℃に
加熱することにより行われる。
ウレタンポリ(メタ)アクリレートまたはエポキシポリ(メタ)アクリレートは1種を単独であるいは2種以上を混合して用いることができるが、硬化して得られるハイブリッドレンズの無色透明性、耐熱性の点から、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α´−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン、トリレンジイソシアネートまたはナフタレンジイソシアネートと、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの付加物であるウレタンポリ(メタ)アクリレート、あるいは1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジル、2,2−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテルまたはテトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルと、アクリル酸またはメタクリル酸との反応物であるエポキシポリ(メタ)アクリレートを用いるのが特に好ましい。
ラジカル重合性モノマーとしての(C)成分の一般式(II)で示されるモノ(メタ)アクリレート化合物は、(A)成分および(B)成分のみの使用では得られないレンズ成形時の面精度を向上させる効果を発揮する成分である。
モノ(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロ(5,2,1,02,6)デカン−8−イル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物における上記ラジカル重合性モノマーの(A)〜(C)成分の配合量は、特に制限されないが、(A)30〜90重量部、特に50〜80重量部、(B)5〜50重量部、特に10〜30重量部、(C)5〜40重量部、特に10〜30重量部の範囲が好ましい。
(A)成分の配合量が少なすぎると、レンズに十分な可撓性が得られず、環境温度変化に対応する耐熱性が不十分であり、かつ吸水量の抑制もできない場合がある。一方、配合量が多すぎると、表面硬度の低下が著しく望ましくない場合がある。
また、(B)成分の配合量が少なすぎると、十分な耐熱性を与えることができず、配合量が多すぎると、組成物の粘度が高くなり、注型による作業性が低下する。
また、(C)成分の配合量が少なすぎると、十分な面精度を得ることができず、配合量が多すぎると、レンズの耐熱性が低下し望ましくない。
(D)成分の重合開始剤としては、例えば、(a)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メチルフェニルグリオキシレート、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどの光重合開始剤、(b)過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物、(c)2,2´−アゾビスブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤の中でも、硬化速度が速く、常温硬化が可能であることから、光重合開始剤を用いるこ
とがより好ましい。これらの重合開始剤は1種もしくは2種以上の混合系で使用し、硬化速度を向上させるため、助触媒、増感剤を添加しても良い。この重合開始剤の配合割合はモノマー成分の合計100重量部に対して、通常、0.005〜5重量部である。
紫外線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、内部離型剤等の添加剤が配合されても良い。
紫外線硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性モノマー成分(A)〜(C)および重合開始剤(D)を混合攪拌し、さらに必要に応じて各種添加剤を配合して調合することができる。
(実施例1)
上述した実施形態の製造過程を用いてハイブリッドレンズのサンプルを製造した。以下の各実施例においても同様である。実施例1では、樹脂組成物L1を用いて樹脂部分3を製造し、ガラスレンズ基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS1を製造した。
紫外線硬化性樹脂組成物(モノマー)L1の調合を以下のように行った。A成分として、ノナブチレングリコールジメタクリレート(以下、9BGDM)(成分A1)65重量部と、B成分として、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとを反応させて得られたウレタンジアクリレート(以下、UDA2)(成分B2)20重量部と、C成分として、トリシクロ(5,2,1,02,6)デカン−8−イルメタクリレート(以下、TCDM)(成分C1)15重量部と、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド300ppmと、t−ブチルパーオキシイソブチレート600ppmとを混合し、室温でよく攪拌した後、50mmHgに減圧して15分間脱気してモノマーL1を調合した。
鏡面仕上げした外径100mm、曲率半径120mmのガラスレンズ基材形状を模ったガラス型(下型)12と非球面形状に鏡面仕上げ加工した外径100mmのガラス型(上型)11とを、中心の厚みを0.5mm、最大樹脂層厚5mmとなるように組み合わせ、これらの側面を粘着テープで封止してハイブリッドレンズ用の樹脂成形体型(モールド型)10を組み立てた。
粘着テープ15の重なっている部分を剥がし、紫外線硬化性のモノマーを、注射針を用いて注入した。次いで、成形型の両側から2KWの高圧水銀灯により、6000mJ/cmの紫外線を照射した。
紫外線照射後、樹脂部分3を脱型し、アニール型20を用いて120℃で0.5時間アニール処理した。
次に、アニール後、樹脂部分3の接着面3Bに対してプラズマ放電処理を施した。別途準備しておいたガラスレンズ基材2の上に、接着剤30として光学接着剤TB3042((株)スリーボンド製)を全面に均一に塗布した後、樹脂部分3とガラスレンズ基材2との光軸合せを行うと同時に、紫外線照射を行って貼り合せを行い、ガラスレンズ基材2と樹脂部分3とが一体となったハイブリッドレンズ1を製造した。
なお、光学接着剤は、上記のTB3042((株)スリーボンド製、アクリル樹脂系紫外線硬化型接着剤)の他にも、ガラスレンズ基材2と樹脂部分3の種類によって種々の接着剤種を使うことができる。たとえば、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリウレタン樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、ポリアミド樹脂系接着剤等を適宜選択して使うことができる。
得られたハイブリッドレンズ1の両面に反射防止膜5を成膜した。このようにして製造したレンズのサンプルS1に対し、以下で纏めて述べる試験を行い、各特性を評価した。評価方法および結果については以下で纏めて説明する。以下の実施例についても同様である。
(実施例2)
実施例2では、樹脂組成物L2を用いて樹脂部分3を製造し、ガラス基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS2を製造した。なお、以下の実施例においては、上記実施例と異なる部分だけを示し、共通する部分についての説明は省略する。
樹脂組成物L2は、A成分として、上記の成分A1の9BGDMを55重量部と、B成分として、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとを反応させて得られたウレタンジメタクリレート(以下、UDM1)(成分B1)を25重量部と、C成分として、シクロヘキシルメタクリレート(以下、CHM)(成分C2)を20重量部とを含む。この樹脂組成物L2を用いて、その他については実施例1と同様にハイブリッドレンズ(サンプルS2)を製造した。
(実施例3)
実施例3では、樹脂組成物L3を用いて樹脂部分3を製造し、ガラス基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS3を製造した。樹脂組成物L3は、A成分として、ドデカブチレングリコールジメタクリレート(以下、12BGDM)(成分A2)を45重量部と、B成分として、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとメタクリル酸とを反応させたエポキシジメタクリレート(以下、EDM1)(成分B3)を35重量部と、C成分として、上記の成分C1であるTCDMを20重量部とを含む。この樹脂組成物L3を用いて、その他については実施例1と同様にハイブリッドレンズ(サンプルS3)を製造した。
(実施例4)
実施例4では、樹脂組成物L4を用いて樹脂部分3を製造し、ガラス基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS4を製造した。樹脂組成物L4は、A成分として、成分A1の9BGDMを60重量部と、B成分として、成分B1のUDM1を15重量部と、C成分として成分C2のCHMを25重量部とを含む。この樹脂組成物L4を用いて、その他については実施例1と同様にハイブリッドレンズ(サンプルS4)を製造した。
(実施例5)
実施例5では、樹脂組成物L5を用いて樹脂部分3を製造し、ガラス基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS5を製造した。樹脂組成物L5は、A成分として、ノナエチレングリコールジメタクリレート(以下、9EGDM)(成分A3)を75重量部と、B成分として、成分B1のUDM1を10重量部と、C成分として成分C1のTCDMを15重量部とを含む。この樹脂組成物L5を用いて、その他については実施例1と同様にハイブリッドレンズ(サンプルS5)を製造した。
(実施例6)
実施例6では、樹脂組成物L6を用いて樹脂部分3を製造し、ガラス基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS6を製造した。樹脂組成物L6は、A成分として、成分A2の12BGDMを65重量部と、B成分として、成分B2のUDA2を20重量部と、C成分として成分C1のTCDMを15重量部とを含む。この樹脂組成物L6を用いて、その他については実施例1と同様にハイブリッドレンズ(サンプルS6)を製造した。
(実施例7)
実施例7では、樹脂組成物L7を用いて樹脂部分3を製造し、ガラス基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS7を製造した。以下、実施例7から9は、樹脂組成物として熱硬化型を用いた例である。
熱硬化型の樹脂組成物L7の調合を以下のように行った。第1成分として、キシリレンジイソシアネート(以下、XDI)50.8重量部と、第2成分として、エピクロルヒドリンと2−メルカプトエタノールと硫化ソーダとチオ尿素から得られる反応生成物(以下、多価チオール)49.2重量部と、内部離型剤として、ゼレックUN(アルキル酸性リン酸エステル)850ppmを混合し、重合開始剤としてジブチルチンジクロライド100ppmを加えて室温でよく攪拌した後、1mmHg以下に減圧して1時間脱気した。
鏡面仕上げした外径100mm、曲率120mmのガラスレンズ基材の形状を模ったガラス型12と、非球面形状に鏡面仕上げ加工した外径100mmの型11とを、中心の厚みを0.5mm、最大樹脂層厚5mmとなるように組み合わせた鋳型(モールド型)10を用意し、そのキャビティ16に樹脂組成物L7を注入した。
次いで、防爆型加熱オーブン中で35℃から120℃まで10時間かけて徐々に昇温して熱硬化させた後、120℃で2時間加熱し硬化を完結させた。その後、徐冷する温度パターンで硬化成形を行った。その後、型12および11から樹脂部分3を脱型し、得られた樹脂部分3を別途準備したアニール型20の面20Aにセットした後、120℃で1時間加熱してアニール処理した。
外径100mm、曲率120mmのガラスレンズ基材2の表面に接着剤30としてTB3042((株)スリーボンド製)を塗布した後、さらに、アニール型20にセットした状態の樹脂部分3をセットし、仮固定した状態で紫外線を照射して樹脂成形体(樹脂部分)3をガラスレンズ基材2と貼り合せた。接着剤30を本硬化させた後、アニール型20を外してハイブリッドレンズ1を得た。
次に、非球面形状の樹脂面他にSiO/ZrO系の5層膜からなる反射防止膜5を蒸着した。
このようにして製造された熱硬化型の樹脂組成物L7による樹脂部分3を備えたハイブリッドレンズのサンプルS7に対し、実施例1〜6と同様な試験を行い、各特性を評価した。評価方法および結果については以下で纏めて説明する。
なお、これらの実施例において用いられている熱硬化性樹脂は一例であり、他の眼鏡レンズ用樹脂として使われている熱硬化性樹脂は全て使用可能である。また、チオウレタン系熱硬化性樹脂の場合、ガラスとの密着性が良すぎるので、ゼレックUNなどのような内部離型剤を混入する、または型ガラスへ塗布する離型剤濃度を高くする等の処理をすることが好ましい。
(実施例8)
実施例8では、樹脂組成物L8を用いて樹脂部分3を製造し、ガラス基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS8を製造した。なお、以下の実施例においては、上記実施例7と異なる部分だけを示し、共通する部分についての説明は省略する。樹脂組成物L8は、第1成分として、ノルボルネンジイソシアネート(以下、NBDI)を49.1重量部と、第2成分として、多価チオールを50.9重量部と、内部剥離剤として、ゼレックUNを1000ppmとを含む。この樹脂組成物L8を用いて、その他については実施例7と同様にハイブリッドレンズ(サンプルS8)を製造した。
(実施例9)
実施例9では、樹脂組成物L9を用いて樹脂部分3を製造し、ガラス基材2と貼り合せることによりレンズサンプルS9を製造した。樹脂組成物L9は、第1成分として、NBDIを52.4重量部と、第2成分として、多価チオールを37.6重量部と、さらに、第3成分として、1,10−デカンジチオール(以下、10DSH)を10重量部と、内部剥離剤のゼレックUNを1000ppmとを含む。この樹脂組成物L9を用いて、その他については実施例7と同様にハイブリッドレンズ(サンプルS9)を製造した。
(サンプルの評価)
図6および図7に、ハイブリッドレンズのサンプルS1〜S9について、硬化成形後(貼り合せ後)、温度サイクル試験前の外観、屈折率、面精度、耐溶剤性、転写性の評価と、温度サイクル試験の後の外観、耐溶剤性、密着性の評価を纏めて示している。
(初期の外観の評価)
外観は、樹脂部分および反射防止膜にクラック、腐食、気泡、剥離、著しい色の変化が認められるかどうかを目視により観察した。蛍光灯下でレンズを目視にて観察したとき、観察項目の有無にて初期状態の良好、不良を判断した。すなわち、クラック、腐食、気泡、剥離、著しい色の変化がない場合を良好とした。
(屈折率の評価)
試験片を作成し、その試験片の25℃における屈折率を、アッベ屈折率計を用いて、測定した。この試験片の作成は、実施例に示した樹脂組成と同じようにして調合した樹脂組成物を厚さ2mmまたは5mm、外径75mmの円盤状平板に成型(成形)し、測定に必要なサイズに切り出して試験片とした。
(面精度の評価)
それぞれのレンズサンプルの表面形状を3次元形状測定機(松下電器産業(株)製、UA3P)を用いて測定した。形状精度が3μm以下のものを○、3μm〜10μmのものを△、10μm以上のものを×とした。
(初期の耐溶剤性の評価)
アルコール系有機溶剤をしみ込ませたレンズクリーニング用紙(小津紙業(株)製、商品名ダスパー)により各レンズサンプルの反射防止膜の表面を10回こすり、外観を目視で観察した。変化のないものを良好とした。
(転写性の評価)
レンズ面の転写性、特に、アニール型の面20Aからの転写性を目視にて判定した。転写性が良いものは○、転写性に若干の問題有りのものは△、転写性が悪いものは×とした。
(温度サイクル試験)
レンズサンプルS1〜S6については、小型環境試験機(タバイエスペック(株)製、SH−220型)に入れ、−30℃の低温下に2時間放置後、70℃の高温下に2時間放置する操作を1サイクルとして10サイクル繰り返した。レンズサンプルS7〜S9については、同じ小型環境試験機に入れ、−30℃の低温下に30分間放置後、80℃の高温下に30分間放置する操作を1サイクルとして10サイクル繰り返した。
(温度サイクル試験後の外観の評価)
樹脂層および反射防止膜にクラック、腐食、気泡、剥離、著しい色の変化が認められる
かどうかを目視により観察した。変化のないものを良好とした。
(温度サイクル試験後の耐溶剤性の評価)
アルコール系有機溶剤をしみ込ませたレンズクリーニング用紙(小津紙業(株)製、商品名ダスパー)により各レンズサンプルの反射防止膜の表面を10回こすり、外観を目視で観察した。変化のないものを良好とした。
(温度サイクル試験後の密着性の評価)
接着テープ(ニチバン(株)製、商品名セロテープ(登録商標)CT−12)を各レンズサンプルの反射防止膜の表面に接着して剥離する操作を3回繰り返し、外観を目視で観察した。変化のないものを良好とした。
図6および図7に示しているように、全てのレンズサンプルに対する各々の評価は、全て肯定的であり、本実施形態の製造方法により、従来のハイブリッドレンズの樹脂層よりも数倍あるいは一桁あるいはそれ以上の厚みの樹脂層を備えたハイブリッドレンズを、良好に製造できることが分かる。このように、本発明の製造方法は、厚みのある樹脂層を有するハイブリッドレンズを良好に製造できるものであり、非球面量の大きなハイブリッドレンズを歩留まり良く、低コストで提供できる。
ハイブリッドレンズの一実施形態を示す断面図。 モールド工程を示す模式図。 離型工程を示す模式図。 アニール工程を示す模式図。 貼り合せ工程を示す模式図。 実施例1〜6に係る紫外線硬化型樹脂を用いて製造したハイブリッドレンズの評価結果を示す図。 実施例7〜9に係る熱硬化型樹脂を用いて製造したハイブリッドレンズの評価結果を示す図。
符号の説明
1 ハイブリッドレンズ、2 ガラスレンズ基材
3 樹脂部分、 3A 非球面(第1の面)、 3B 接着面(第2の面)
5 反射防止膜、10 モールド型(第1段階の型)
11 上型(第1型)、 11A 転写面(第1の成形面)
12 下型(第2型)、 12A 転写面(第2の成形面)
15 粘着テープ、16 キャビティ
20 アニール型(第2段階の型)、20A アニール型の面(第2段階の型面)

Claims (7)

  1. プラスチック部分と、ガラス部分とから成るハイブリッドレンズの製造方法であって、
    前記プラスチック部分を第1段階の型を用いてモールドする工程であって、前記第1段階の型は、前記プラスチック部分の非球面を含む第1の面に対応する第1の成形面を含む第1型と、前記ガラス部分に接する第2の面に対応する第2の成形面を含む第2型とを含む、モールドする工程と、
    前記モールドする工程後、前記プラスチック部分を前記第1段階の型から離型して、そのプラスチック部分の前記第1の面を、第2段階の型の、前記第1の面に対応する第2段階の型面にセットしてアニールする工程とを有するハイブリッドレンズの製造方法。
  2. 請求項1において、前記アニールする工程後、前記第2段階の型の前記第2段階の型面に前記プラスチック部分がセットされた状態で、前記プラスチック部分の前記第2段階の型にセットされていない前記第2の面と、前記ガラス部分とを貼り合せる工程をさらに有するハイブリッドレンズの製造方法。
  3. 請求項2において、前記貼り合せる工程では、前記プラスチック部分と前記ガラス部分との貼り合せに接着剤を用いる、ハイブリッドレンズの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記第2段階の型の前記第2段階の型面の形状は、前記アニールする工程で前記プラスチック部分が歪み取りされた際に、前記プラスチック部分の前記第1の面の形状が所望の面形状となる、ハイブリッドレンズの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記アニールする工程では、前記プラスチック部分を前記第2段階の型と、前記ガラス部分とで挟んだ状態でアニールする、ハイブリッドレンズの製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて用いられる第2段階の型であって、
    前記第2段階の型面は、前記第1型の前記第1の成形面とは形状が異なる、第2段階の型。
  7. 請求項6において、当該第2段階の型は、前記プラスチック部分を前記ガラス部分に貼り合せる際にも用いられる、第2段階の型。
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