JP2796331B2 - プラスチック成形レンズ - Google Patents

プラスチック成形レンズ

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JP2796331B2
JP2796331B2 JP1035528A JP3552889A JP2796331B2 JP 2796331 B2 JP2796331 B2 JP 2796331B2 JP 1035528 A JP1035528 A JP 1035528A JP 3552889 A JP3552889 A JP 3552889A JP 2796331 B2 JP2796331 B2 JP 2796331B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、メガネ、スチルカメラ、ビデオカメラ、顕
微鏡、望遠鏡、光ピックアップ等の光学製品に使用され
るプラスチック成形レンズ、特に屈折率が1.48〜1.52で
アッベ数が60〜44のプラスチック成形レンズに関する。
〔従来の技術〕
所望の光学的性能を得るために、光学設計者は、種々
のレンズを組み合わせて光学製品を設計する。そのた
め、光学設計者は、曲率の異なるレンズばかりでなく、
素材の屈折率とアッベ数(逆分散率)の異なる種々のレ
ンズを要求する。その中で、素材の屈折率が1.48〜1.52
でアッベ数が60〜44のレンズは、需要が多い。
ところで、従来、レンズは一般にガラスで作られてい
た。しかし、ガラス製レンズは、重い、割れ易いという
欠点の外に、製造する場合、プレス成形によるレンズブ
ランクの製造→研削→研磨という多くの工程を要し、特
に非球面レンズにあっては、研削→研磨の工程に多大の
時間を要するので、レンズの製造コストが高い、量産が
できないという欠点があった。
そこで、1つの鋳型さえ作れば、その形を転写できる
プラスチック成形レンズが開発された。プラスチック成
形レンズには、大別して2つのタイプがある。
第1のタイプは、素材としてのプラスチックが成形前
に既に高分子化された熱可塑性樹脂で、これを溶融軟化
させてプレス成形、射出成形等によりレンズを成形した
ものである。しかし、このタイプは、光学的な歪みが入
り易いこと、形状精度が悪い欠点がある。
それに対して、第2のタイプはそのような欠点がな
い。第2のタイプは、素材としてのプラスチックが成形
前にまだ高分子化されておらずモノマー又はオリゴマー
(低重合物で、更に重合して高分子化可能なもの)で、
これを鋳型内に注ぎ入れ、鋳型内で重合・高分子化させ
る(これを注型重合といい、重合と成形が同時に行なわ
れる)ことによりレンズを得るものである。
第2のタイプで、素材の屈折率が1.48〜1.52でアッベ
数が60〜44のレンズとしては、下記構造式のジアリルカ
ーボネートジエチレングリコール(通称、CR−39): を注型重合して得られるレンズ(素材の屈折率1.50、ア
ッベ数57.9)が多用されてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このレンズは、重合後の硬化収縮率が
13〜14%と高く、そのため高い形状精度が要求されるレ
ンズには不向きであるという問題点があった。
従って、本発明の第1の目的は、硬化収縮率が7%以
下と低く、そのため形状精度が高いプラスチック成形レ
ンズを提供することにある。
そのほか、本発明者の研究によれば、レンズとして
は、透過率が高いこと(波長λ=360nm、厚さt=30
μmで85%以上)、耐候性が高いこと、耐熱性が高
いこと、耐温水性が高いこと、耐溶剤性が高いこ
と、硬度が鉛筆硬度でH以上であること、離型剤の
添加又は塗布なしに鋳型特に金型からの離型性が良いこ
と(離型剤は成形されたレンズの透過率や耐候性や表面
コート層例えば無機反射防止膜との密着性に悪影響を及
ぼすので好ましくない)が望まれるので、本発明の第2
の目的は、これらの要望を満足するプラスチック成形レ
ンズを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
そのため、本発明は、 (a)脂肪族(脂環式を含む)ポリオール及び/又は脂
肪族(脂環式を含む)ポリエーテルポリオールと、 脂環式ポリイソシアネートとの反応物に、 ヒドロキシ(メタ)アクリレートを反応させて得られ
る2〜4官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマ
ー(但し、末端アクリル変性ポリブタジエンオリゴマー
を除く):10〜50重量%好ましくは20〜45重量% (b)脂環式アルキル又は異節環構造を有する1〜2官
能の不飽和(メタ)アクリレート化合物:40〜90重量%
好ましくは50〜80重量% 及び (c)3官能以上の不飽和(メタ)アクリレート化合
物:0〜30重量%好ましくは10〜25重量%からなる混合液
(但し、(a)がポリオールから得られるウレタン(メ
タ)アクリレートオリゴマーの場合は(b)が下記式
(1): (式中、nは1〜6、R1は−H又は−CH3である)で示
される化合物である場合を除く。)を鋳型内で重合して
なる、屈折率が1.48〜1.52でアッベ数が60〜44のプラス
チック成形レンズを提供する。
〔作用〕
本発明において使用される(a)ウレタン(メタ)ア
クリレートオリゴマーは、脂肪族(脂環式を含む)ポ
リオール及び/又は脂肪族(脂環式を含む)ポリエーテ
ルポリオールと、脂環式ポリイソシアネートとの反応
物に、ヒドロキシ(メタ)アクリレートを反応させて
得られる、官能数(エチレン性不飽和2重結合の数)が
1分子当たり平均で2〜4のもので、もはや活性NCO基
を有さず、好ましくは数平均分子量が750〜9000程度
の、常温で液状又は固体状のものである。
(a)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合成
するには、先ずポリオールとイソシアネートとをNC
O基/OH基の比が1.2〜2.0好ましくは1.5〜2.0となるよう
な割合で反応させることにより、末端にNCO基を有する
プレポリマーを得、次にこのプレポリマーと(メタ)
アクリレートとをNCO基/OH基の比が1.0〜1.1好ましくは
1.0〜1.05となるような割合で反応させる。これにより
(a)オリゴマーが得られる。第2工程で仮にNCO基/OH
基の比が1.0より小さいと、目的物中に未反応のNCO基が
残存するので好ましくなく、また、その比が1.1より大
きいと、未反応の(メタ)アクリレートが残存するの
で好ましくない。
出発原料として使用される脂肪族(脂環式を含む)
ポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、水素化ビスフェノールA、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、トリシクロデカンジメチロール等の
1種又は2種以上が使用される。
また、脂肪族(脂環式を含む)ポリエーテルポリオ
ールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加
物、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加
物、トリシクロデカンジメチロールエチレンオキサイド
付加物、トリシクロデカンジメチロールプロピレンオキ
サイド付加物等の1種又は2種以上が使用される。
これらの脂肪族(脂環式を含む)ポリオールと脂
肪族(脂環式を含む)ポリエーテルポリオールとは、そ
れぞれ単独で使用してもよいし、両者を混合して使用し
てもよい。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホ
ロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネー
ト、水添4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の
1種又は2種以上が使用される。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ
(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε
−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物等の1種
又は2種以上が使用される。
なお、本明細書で「(メタ)……」という記述は、メ
タを含めて読んだ化合物と、メタを含めずに読んだ化合
物の両方(単独使用、混合使用を含む)を意味する。
(b)脂環式アルキル又は異節環構造を有する1〜2官
能の不飽和(メタ)アクリレート化合物としては、例え
ば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンタニル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変
性ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、プロピレ
ンオキサイド変性ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、エチ
レンオキサイド変性ジシクロペンテニル(メタ)アクリ
レート、プロピレンオキサイド変性ジシクロペンテニル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、メトキシ化シクロドデカトリエン(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクト
ン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、
メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ジ
(メタ)アクリル化イソシアヌレート、ヒドロキシピバ
リルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アク
リレート、エチレンオキサイド変性水素化ビスフェノー
ルAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変
性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ε
−カプロラクトン変性水素化ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ
(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリシ
クロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレンオキサイド変性トリシクロデカンジメチロールジ
(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリシ
クロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の1
種又は2種以上が使用される。
(c)3官能以上の不飽和(メタ)アクリレート化合物
としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ
ールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン
酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上が使
用される。
そして、本発明では、以上の(a)成分、(b)成分
及び必要に応じて(c)成分を所定の割合で混合して混
合液を調製する。
混合液には、重合開始剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、安定剤、着色剤、重合禁止剤等を予め添加してもよ
い。
混合液を重合させるには、前記混合液を加熱すればよ
い。加熱に加えて又は加熱に代えて、紫外線、γ線、X
線、電子線などの放射線を照射してもよい。紫外線を照
射して重合を行なう場合には、混合液に予め光重合開始
剤を添加することが好ましい。
開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどの通常のラジカル開始剤を用いることが
出来る。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ヒ
ドロキシベンゾフェノンメタンスルホネートエステル、
o−ベンゾイル−メチルベンゾエート、p−クロロベン
ゾフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベ
ンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾインアリルエ
ーテル、ベンゾインアルキルエーテル(アルキル基は例
えばメチル、エチル、イソプロピル、イソブチルな
ど)、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル
ジメチルケタール、2−ヒドロキシ−メチルプロピオフ
ェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のアセトフェノ
ン誘導体、オキシム類などが挙げられる。
混合液を重合するには、既述のように鋳型に入れて重
合する。鋳型は、重合・成形されたレンズを取り出す必
要から、2枚のレンズ反転型からなり割り型を使用す
る。鋳型はガラス型でも金属型でもよいが、金属型は、
CNC旋盤でガラスより簡単に作れるので好ましい。但
し、光重合を行なう場合には、少なくとも一方に透明な
ガラス型を使用する必要がある。
場合により、2枚の割り型のうちの一方にレンズ基板
(例えば、球面凸レンズ、粗い非球面凸レンズ、球面凹
レンズ、平面レンズ)を使用し、基板表面にその場でレ
ンズを成形してもよい。1949年発行の米国特許2,464,73
8によれば、ガラス製の球面レンズを基板として、その
表面にその場で非球面プラスチックを成形し、全体とし
てガラスとプラスチックからなる接合型非球面レンズを
得る技術が開示されている。この場合、成形されたレン
ズは基板に接合した状態で得られることが1つの利点で
ある。しかし、成形されたレンズと基板との接着力が弱
く、両者は分離し易いので、予め基板表面をシランカッ
プリング剤で処理しておくことが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
また、本願発明のレンズは、空気に触れる側のプラス
チック面は、球面でも、非球面でも、平面でもいずれで
もよい。
以下、合成例、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
尚、数平均分子量の測定は、ゲルパーミエーション・
クロマトグラフィを用いポリスチレン標準物質による検
量線法で実施した。
〔合成例1……(a)成分の合成例〕 ネオペンチルグリコール169.25重量部、ポリテトラメ
チレングリコール(分子量2000)1750.0重量部、イソホ
ロンジイソシアネート1111.5重量部を反応容器に仕込
み、温度を75〜80℃に保ちながら反応を行った。6.93%
の遊離NCO基により示される反応完了まで該反応を継続
した。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート592.2重
量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.81重量部を
追加し75〜80℃の温度で更に反応を続けた。
0.3%以下の遊離NCO基により示される反応完了まで該
反応を継続した。
こうして微黄色で液状(粘度200ポイズ/60℃)のウレ
タンアクリレートオリゴマーが得られた。このオリゴマ
ーは1分子当たり平均官能基数が2(つまり2官能)
で、数平均分子量は1440であった。
以下、これをUA−1と略す。
〔合成例2……他の(a)成分の合成例〕 トリシクロデカンジメチロール196.29重量部、イソホ
ロンジイソシアネート444.57重量部を反応容器に仕込
み、合成例1と同様に遊離NCO基が13.1%になるまで反
応を行った。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート236.88重
量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.44重量部及
びジシクロペンタニルアクリレート877.74重量部を追加
し、以下、合成例1と同様に遊離NCO基が0.15%以下に
なるまで反応を継続した。
こうして無色透明な液体(粘度160ポイズ/25℃)が得
られた。この液体は、ウレタンアクリレートオリゴマー
50重量%とジシクロペンタニルアクリレート50重量%と
の混合物であった。オリゴマーの1分子当たり平均官能
数は2(つまり2官能)で、数平均分子量は873であっ
た。
以下、このウレタンアクリレートオリゴマーをUA−2
と略す。
〔合成例3……他の(a)成分の合成例〕 トリシクロデカンジメチロール196.29重量部、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート524.70重量部及びジ
シクロペンタニルアクリレート957.87重量部を反応容器
に仕込み、合成例1と同様に遊離NCO基が5.00%になる
まで反応を行った。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート236.88重
量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.48重量部を
追加し、以下、合成例1と同様に遊離NCO基が0.15%以
下になるまで反応を継続した。
こうして無色透明な液体(粘度370ポイズ/25℃)が得
られた。この液体は、ウレタンアクレリートオリゴマー
50重量%とジシクロペンタニルアクリレート50重量%と
の混合物であった。オリゴマーは、1分子当たり平均官
能数が2(つまり2官能)で、数平均分子量は953であ
った。以下、このウレタンアクリレートオリゴマーをUA
−3と略す。
〔実施例1〜3〕 (1)まず、割り型として、ガラス製レンズ基板1と金
型2を用意した。
レンズ基板1は、直径Φ=40mm、凸面曲率R1=80mm、
凹面曲率R2=150mm、中心厚t1=9mmの凸凹メニスカスレ
ンズであり、ガラスの種類は、C−10と呼ばれるもの
で、屈折率nd=1.495、アッベ数ν=56.5である。
レンズ基板1は、予め凸面をメタクリロキシプロピル
トリメトキシシランのアルコール溶液で処理しておい
た。
金型2は、近似球面が曲率R3=80mmの凹面を持つ所定
の非球面にCNC旋盤で加工された鉄製の金型でNiメッキ
仕上げされたものである。
(2)金型2の凹面を上にして水平に置き、その上に下
記第1表中の各実施例記載の組成を有する混合液3mに光
重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトンを0.5重量%添加したものを所定量よりやや多
めに垂らした(第1図参照)。
次いで、レンズ基板1を凸面が下がるように水平に保
持し、混合液3mの上に、気泡が入らないように静かに乗
せ、それから下に押しつけた。但し、金型2と基板1と
の隙間が中心で30〜40μmとなるような位置で基板1の
押しつけを止めた(第2図参照)。
(3)この状態で、基板1側から高圧水銀灯から発せら
れる紫外線を混合液3mに60秒間照射した(第3図参
照)。
これにより混合液3mが重合硬化したので、金型2を外
す(第4図参照)と、基板1に結合したプラスチック成
形レンズ3が得られた。
〔実施例4、5〕 (1)レンズ基板1として、ガラスの種類を屈折率nd
1.517、アッベ数ν=64.1のBSC−7に代えた以外は実
施例1と全く同じものを用意した。
金型2は、実施例1のものと全く同じである。(2)
〜(3)下記第1表中の各実施例記載の組成を有する混
合液3mに光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトンを0.5重量%添加したものを用い、
実施例1と全く同様にして、基板1に接合したプラスチ
ック成形レンズ3を製造した。
〔試験例〕
実施例で製造したプラスチック成形レンズ3の物性を
比較するために、同じ混合液を使用して下記試験を実施
した。この結果を第1表に合わせて示す。
<屈折率> 離型剤を塗布した直径Φ=30mmの円板状のガラス平板
2枚を5mmの間隔で配置し、その周囲をシリコーンゴム
でシールし、2枚のガラス板の間に混合液を注入した
後、高圧水銀灯から発せられる紫外線をガラス板を通し
て照射することにより、混合液を重合硬化させた。紫外
線は、積算量で3000mJ/cm2となったところで止めた。
こうして得られた円板状のプラスチック成形サンプル
をガラス板から外し、これを市販の屈折率計で屈折率
(測定波長λ=587nm)を測定した。
<アッベ数> 前項で成形したサンプルについて、測定波長λを変
えて所定数の屈折率を測定し、決められた計算式により
アッベ数を求めた。
<透過率> 第1の石英板の上に少量の混合液を垂らし、その上か
ら第2の石英板を押しつけ、両石英板の間隔を30μmま
で狭めて、その状態を保持し、石英板を通して高圧水銀
灯から発せられる紫外線を照射することにより、混合液
を重合・硬化させた。
この状態で両石英板を通して分光機で透過率(測定波
長λ=300〜700nm)を測定した後、界面反射率を補正す
ることにより、λ=360nmでの透過率を求めた。この波
長では石英板の吸収がないので、石英板の透過率を100
%とした。
<離型性> (1) まず、割り型として、ガラス製レンズ基板1と
金型2を用意した。
レンズ基板1は、直径Φ=30mm、凸面曲率R1=80mm、
中心厚t1=9mmの凸平メニスカスレンズであり、ガラス
の種類は、BSC−7である。
レンズ基板1は、予め凸面をメタクリロキシプロピル
トリメトキシシランのアルコール溶液で処理しておい
た。
金型2は、曲率R3=80mmの凹面を持つ鉄製の金型で表
面にNiメッキを施してある。
(2)〜(3)以下、実施例1と同様にして、混合液
を重合硬化させ、得られたプラスチック成形サンプルを
金型2から外した。
このとき、成形サンプルが金型2から容易に剥離する
か否かを観察し、次の3段階で評価した。
○……容易に離型する。
△……離型し難い。
×……離型しない。
<硬度> ガラス板上にバーコート法で混合液を塗布し、実施例
1と同様に紫外線を照射して重合硬化させて、厚さ100
μmのプラスチック成形皮膜を形成した後、各種硬度の
鉛筆で引っ掻き試験を行ない、皮膜表面に傷が付かない
最高硬度を鉛筆硬度として記録した。
<密着性> 前項<硬度>と同様にして、厚さ100μmのプラスチ
ック成形皮膜を形成した後、皮膜の表面にナイフでクロ
スハッチ(2mmピッチ縦横10本・桝目100個)を入れ、そ
の上にニチバン(株)製のセロハンテープを張り付け
た。
次にテープを瞬時に引き剥がし、ガラス板上に皮膜が
残った桝目の数Mを数え、この数Mに従い次の3段階で
評価した。
○……M=100 △……M=80〜99 ×……M=79以下 <耐候性> 各実施例で製造したプラスチック成形レンズ3(基板
1と一体のもの)をUVカーボンフェードメータ内に300
時間放置した後、肉眼で形状変化の有無・程度を観察
し、また透過率の低下を測定し、次の3段階で評価し
た。
○……形状変化がなく、透過率の低下がない。
△……形状変化がなく、透過率の低下がある。
×……形状変化があるか又は透過率の低下が著しい。
<耐熱性> 各実施例で製造したプラスチック成形レンズ3(基板
1と一体のもの)を、70℃湿度60%の恒温室に24時間放
置後、形状、白化等の外観を肉眼で観察し、次の3段階
で評価した。
○……試験前に比べ全く変化がない。
△……変化が多少ある。
×……変化が著しい。
<耐溶剤性> 各実施例で製造したプラスチック成形レンズ3(基板
1と一体のもの)を、超音波フレオン洗浄機にて洗浄し
た後、形状、白化等の外観を肉眼で観察し、次の3段階
で評価した。
○……試験前に比べ全く変化がない。
△……変化が多少ある。
×……変化が著しい。
<耐温水性> 各実施例で製造したプラスチック成形レンズ3(基板
1と一体のもの)を、50℃の温水に6時間浸漬した後、
形状、白化等の外観を肉眼で観察し、次の3段階で評価
した。
○……試験前に比べ全く変化がない。
△……変化が多少ある。
×……変化が著しい。
<硬化収縮率> JIS K−7112に基づいて、ピクノメータを用い、混合
液の重合・硬化前と、硬化後の比重をそれぞれ測定し、
その差を硬化後の比重で除した数値を硬化収縮率とし
た。
<耐寒性> 各実施例で成形したプラスチック成形レンズ3(基板
1と一体のもの)を、−40℃に24時間放置後、常温常湿
で20時間放置し、その後、顕微鏡でレンズを観察し、次
の3段階で評価した。
○……試験前に比べ全く変化がない。
△……基板からの剥離、クラック等の変化が多少あ
る。
×……変化が著しい。
以上の結果を下記第1表に示す。
尚、第1表中の具体名に記載した記号は、下記のもの
を指す。
b−1:ε−カプロラクトン変性(平均付加モル数1)水
添ビスフェノールAジアクリレート b−1:ヒドロキシピバリルアルデヒド変性トリメチロー
ルプロパンジアクリレート(日本化薬(株)製の商品名
KAYARAD R−604) b−3:ジシクロペンタニルアクリレート c−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日
本化薬(株)製の商品名KAYARAD DPHA) 〔発明の効果〕 以上の通り、本発明によれば、硬化収縮率が7%以下
と小さく、かつ透過率、耐候性、耐熱性、耐温水性、耐
溶剤性、離型性に優れ、硬度が高いプラスチック成形レ
ンズが提供される。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は、本発明の実施例において、プラスチック
成形レンズを成形したときの成形工程説明図である。 〔主要部分の符号の説明〕 1……レンズ基板(鋳型の一部)(鋳型) 2……金型(鋳型の一部)(鋳型) 3m……混合液 3……プラスチック成形レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 徹 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田3―8―3― 402 (72)発明者 大井 ▲吉▼晴 東京都保谷市下保谷2―7―21―306 (56)参考文献 特開 昭62−258401(JP,A) 特開 昭63−193914(JP,A) 特開 平1−101318(JP,A) 特開 平1−101316(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 1/00 - 1/12 C08F 299/00 - 299/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)脂肪族(脂環式を含む)ポリオール
    及び/又は脂肪族(脂環式を含む)ポリエーテルポリオ
    ールと脂環式ポリイソシアネートとの反応物にヒドロキ
    シ(メタ)アクリレートを反応させて得られる2〜4官
    能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(但し、
    末端アクリル変性ポリブタジエンオリゴマーを除く):1
    0〜50重量% (b)脂環式アルキル又は異節環構造を有する1〜2官
    能の不飽和(メタ)アクリレート化合物:40〜90重量% 及び (c)3官能以上の不飽和(メタ)アクリレート化合
    物:0〜30重量% からなる混合液(但し、(a)がポリオールから得られ
    るウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの場合は
    (b)が下記式(1): (式中、nは1〜6、R1は−H又は−CH3である)で示
    される化合物である場合を除く。)を鋳型内で重合して
    なる、屈折率が1.48〜1.52でアッベ数が60〜44のプラス
    チック成形レンズ。
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