JPH07109318A - 重合性組成物 - Google Patents

重合性組成物

Info

Publication number
JPH07109318A
JPH07109318A JP25716293A JP25716293A JPH07109318A JP H07109318 A JPH07109318 A JP H07109318A JP 25716293 A JP25716293 A JP 25716293A JP 25716293 A JP25716293 A JP 25716293A JP H07109318 A JPH07109318 A JP H07109318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
polymerizable composition
polymerization
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25716293A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Kazama
秀樹 風間
Naoki Hirano
直樹 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP25716293A priority Critical patent/JPH07109318A/ja
Publication of JPH07109318A publication Critical patent/JPH07109318A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/10Esters
    • C08F20/26Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen
    • C08F20/30Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen containing aromatic rings in the alcohol moiety

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】吸水性が低く、染色性に優れ、また着色せず、
且つメガネ用レンズとして十分な物性、例えば、分散特
性、硬度、耐光性、耐熱性等を有し、メガネレンズ、光
学機器レンズ等の有機ガラスとして好適に使用できる重
合体の原料である重合性組成物を得る。 【構成】(A)一般式(1)で示されるジ(メタ)アク
リレート化合物、例えば、2,2−ビス(4−メタクリ
ロイルオキシフェニル)プロパン 100重量部、およ
び(B)アルキレンジオールジ(メタ)アクリレート、
例えば、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
10〜200重量部を含んでなる重合性組成物。 (但し、RおよびRは水素原子またはメチル基であ
り、mおよびnはそれぞれ0〜2の整数であり、Xはフ
ッ素を除くハロゲン原子であり、aは0〜4の整数であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明樹脂、特にメガネ
用レンズの製造原料に適した重合性組成物に関する。さ
らに詳しくは、吸水性が低く、染色性に優れ、また、着
色もせず且つメガネ用レンズとして十分な物性、例え
ば、分散特性、硬度、耐光性、耐熱性、樹脂加工時の無
臭性等を有する透明樹脂の製造に適した重合性組成物を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無機ガラスに代わる有機ガラスに
ついては種々研究されているが、欠点も多く、まだ十分
に満足し得る性状のものは得られていない。例えばメチ
ルメタクリレートやジエチレングリコールビス(アリル
カーボネート)を主成分とする単量体を重合した重合体
は、光学材料やレンズとして使用されているが、その屈
折率は約1.50と低い。
【0003】この欠点を改良した高屈折率樹脂も種々提
案されている。たとえば、ポリカーボネート、ポリスル
ホン系の高屈折率樹脂が提案されている。これらの樹脂
は、屈折率が約1.60と高いものの、光透過率が低
く、光学的均質性にかけ、また着色するなどの問題があ
る。
【0004】このため、架橋性の高屈折率樹脂が種々提
案されている。例えば、特開平4ー227617号公報
にビスフェノール化合物のジメタクリレートとポリオキ
シアルキレングリコールジメタクリレートを含んだ樹脂
が提案されている。しかし、この樹脂はポリオキシアル
キレングリコールジメタクリレートを含むため、吸水性
が高い。また、特開昭55ー13747号公報などにビ
スフェノール化合物のジメタクリレートとフェニルメタ
クリレート等からなる高屈折率樹脂用組成物が提案され
ている。しかし、これらの樹脂は耐衝撃性に劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、吸水
性が低く、染色性に優れ、また、着色せず、しかも、メ
ガネのレンズとして優れた物性を有する重合体を与える
重合性組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究した結果、(A)特定の構造の
ジアクリレート化合物またはジメタクリレート化合物、
(B)アルキレンジオールジアクリレートまたはアルキ
レンジオールジメタクリレートを配合してなる重合性組
成物により、上記目的を達成できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(A)一般式(1)
【0008】
【化2】
【0009】(但し、R1およびR2は水素原子またはメ
チル基であり、mおよびnはそれぞれ0〜2の整数であ
り、Xはフッ素を除くハロゲン原子であり、aは0〜4
の整数である。)で示されるジアクリレート化合物また
はジメタクリレート化合物 100重量部、および
(B)アルキレンジオールジアクリレートまたはアルキ
レンジオールジメタクリレート 10〜200重量部を
含んでなる重合性組成物である。
【0010】なお、以下の説明において、(A)のジア
クリレート化合物およびジメタクリレート化合物をジ
(メタ)アクリレート化合物と総称し、(B)のアルキ
レンジオールジアクリレートおよびアルキレンジオール
ジメタクリレートをアルキレンジオールジ(メタ)アク
リレートと総称する。
【0011】前記一般式(1)中、mおよびnはそれぞ
れ独立に0〜2の整数であり、aは0〜4の整数であ
る。mおよびnは、本発明の重合性組成物を重合して得
られる樹脂の屈折率を勘案すると0または1であること
が好ましく、aは、屈折率と比重のバランスを考慮する
と0〜2であることが好ましい。Xはフッ素を除くハロ
ゲン原子である。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、
ヨウ素の各原子が採用されるが、耐光性の点から特に塩
素原子または臭素原子が好適である。
【0012】本発明で用いられる一般式(1)で表せら
れるジ(メタ)アクリレート化合物を例示すると次のと
おりである。2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイ
ルオキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−メタクリロイルオキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオ
キシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−メタクリロイルオキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メ
タクリロイルオキシエトキシ−3−クロロフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエト
キシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシ−3−ブロモ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイ
ルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキ
シジエトキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシ−3,5
−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メ
タクリロイルオキシジエトキシ−3−ブロモフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジ
エトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等を挙
げることができる。これらのジ(メタ)アクリレート化
合物は単独でまたは二種以上を混合して用いることがで
きる。
【0013】次に、本発明の重合組成物の(B)成分と
して用いられるアルキレンジオールジ(メタ)アクリレ
ート化合物としては、アルキレンジオールとアクリル酸
またはメタクリル酸とのエステル化反応生成物であり、
公知の化合物を何等制限なく用いることができる。アル
キレンジオールのアルキレン基としては直鎖状、分枝
状、環状等何等制限されず、また、炭素数にも特に制限
されないが、重合して得られる樹脂の耐熱性を勘案する
と、炭素数は2〜15の範囲であることが好ましい。本
発明において好適に使用されるアルキレンジオールジ
(メタ)アクリレート化合物を具体的に例示すると、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら
のアルキレンジオールジ(メタ)アクリレートは単独で
または二種以上を混合して用いることができる。
【0014】本発明において、前記した(A)および
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対し
て(B)成分が10〜200重量部の範囲でなければな
らず、30〜150重量部の範囲であることが好まし
い。(B)成分の配合量が10重量部未満の時は硬度、
耐熱性が低下し、200重量部を越えるときは染色性、
ハードコート性、耐衝撃性が低下するため好ましくな
い。
【0015】本発明の重合性組成物は、上記した(A)
および(B)の2成分で、メガネレンズとして十分な物
性の重合体を得ることができるが、さらに、耐衝撃性等
の物性の良好な重合体を得るためには、ウレタン結合と
複数のアクリロイル基またはメタクリロイル基とを有す
るウレタン(メタ)アクリレート化合物を配合すること
が好ましい。
【0016】上記したウレタン(メタ)アクリレート化
合物は、一分子中にアクリロイル基またはメタクリロイ
ル基を2〜6個有する化合物であることが好ましい。こ
のようなウレタン(メタ)アクリレート化合物は、下記
一般式(2)で示すことができる。
【0017】
【化3】
【0018】〔但し、R3は、水素原子またはアルキル
基であり、R4は、アクリロイルオキシメチル基または
メタクリロイルオキシメチル基で置換されていてもよい
アルキレン基であり、sは2〜4の整数であり、Aは、
s=2のときは、下記式 −(R5NHCOOR6CONH)v7− であり、s=3〜4のときは、下記式 {−(R5NHCOOR6vw7′ {但し、R5、R6およびR7は、それぞれ同種または異
種のアルキレン基、下記式
【0019】
【化4】
【0020】(但し、R8およびR9は、それぞれ同種ま
たは異種のアルキレン基またはアリーレン基であり、x
およびyはそれぞれ0または1であり、zは1〜10の
整数である。)で示される基、または、下記式
【0021】
【化5】
【0022】(但し、R10は、水素原子、ハロゲン原子
またはアルキル基であり、tは0〜8の整数である。)
で示される基であり、R7′は、3〜4価の炭化水素残
基であり、vは0〜10の整数であり、wはR7′に結
合した基の数であって3〜4の整数である。}であ
る。〕上記式中、アルキル基の炭素数は1〜6の範囲で
あることが好ましい。上記式中、アルキレン基の炭素数
は1〜6の範囲であることが好ましく、特にエチレン基
またはプロピレン基がより好ましい。また、アリーレン
基の炭素数は6〜10の範囲であることが好ましく、特
にフェニレン基がより好ましい。さらに、炭化水素残基
としては、炭素数2〜6のアルカンから誘導される3〜
4価の基が好適である。
【0023】ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、
公知の方法で多官能イソシアネート化合物と、水酸基と
重合性二重結合とを有する化合物および/またはポリオ
ール化合物とを反応させることによって製造される。多
官能イソシアネート化合物としては、例えば、エチレン
ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テ
トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、ポリイソシアナートプレポリマー等が
挙げられる。水酸基と重合性二重結合とを有する化合物
としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、グリセリンジアクリレート、
グリセリンジメタクリレート等が挙げられる。またポリ
オール化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリエステル、ポリウレタンポ
リオール、ペンタエリスリトール、2,2−ビス(ヒド
ロキシメチル)ブタノール等が挙げられる。
【0024】前記したウレタン(メタ)アクリレート化
合物の配合量は、得られる重合体の染色性、耐衝撃性お
よび硬度等の物性を勘案して、前記した(A)成分10
0重量部に対して1〜100重量部、さらに5〜50重
量部の範囲であることが好ましい。
【0025】本発明において、前記重合性組成物を重合
する際に、しばしば重合の容易さ、重合性組成物の粘度
の調節、屈折率の調節、あるいはその他の物性の調節の
ために、前記重合性組成物とラジカル共重合可能な他の
単量体を混合して共重合することも可能である。これら
の他の単量体を例示すると、メタクリル酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、グリシジルメタクリレート、トリフルオロ
メチルメタクリレート等のアクリル酸およびメタクリル
酸エステル化合物;メチルチオメタクリレート、メチル
チオアクリレート等のチオアクリル酸およびチオメタク
リル酸エステル化合物;フマル酸モノメチル、フマル酸
ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル化
合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、
ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキシコ
ハク酸ジアリル、ジアリルマレート、アリルシンナメー
ト、ジアリルカーボネート、アリルジグリコールカーボ
ネート等のアリル化合物;エポキシアクリレート、エポ
キシメタクリレート等を挙げることができる。これらの
他の単量体は単独でまたは2種以上を一緒に使用するこ
とができる。
【0026】これらの他の単量体の配合量は目的に応じ
て選択すればよいが、前記した(A)成分100重量部
に対して0〜200重量部の範囲で用いることが好まし
い。特に本発明においては、得られる重合体のハードコ
ート性、耐熱黄変性等の物性を勘案すると、(A)成分
100重量部に対して、水酸基を有する(メタ)アクリ
レート、グリシジルメタクリレート、およびエポキシア
クリレート等を1〜50重量部の範囲で併用することが
好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレートとして
は、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,
2−ジヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
【0027】本発明の重合性組成物は、公知の注型重合
方法によって重合することができる。重合開始手法は、
種々の過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤の
使用による熱重合によって行うことができる。代表的な
重合方法を例示すると、エラストマーガスケットまたは
スペーサーで保持されているモールド間に、本発明の重
合性組成物を注入し、空気炉で硬化させた後、取り出す
注型重合を例示することができる。
【0028】ラジカル重合開始剤としては、特に限定さ
れず公知のものが使用できるが、代表的なものを例示す
ると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイ
ルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジア
シルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジカーボネー
ト、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパー
オキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート等のパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカー
ボネート等のパーカーボネート類;アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物である。
【0029】ラジカル重合開始剤の使用量は、重合条件
や開始剤の種類、前記の単量体の種類や組成によって異
なり一概に限定できないが、一般には、全単量体100
重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で用いるの
が好適である。
【0030】重合条件のうち、特に温度は得られる樹脂
の性状に影響を与える。この温度条件は、ラジカル重合
開始剤の種類と量や単量体の種類によって影響を受ける
ので、一概には限定できないが、一般的に比較的低温下
で重合を開始し、ゆっくりと温度を上げていき、重合終
了時に高温下に硬化させるいわゆるテーパ型の二段重合
を行うのが好適である。
【0031】重合時間も温度と同様に各種の要因によっ
て異なるので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を
決定するのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合
が完結するように条件を選ぶのが好ましい。
【0032】また、本発明の重合性組成物は、上記した
熱重合による注型重合方法の他に紫外線あるいは可視光
線を用いた公知の光重合によっても同様に注型重合を実
施できる。この際には、光重合開始剤としてベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテル、ベンゾフェノール、アセトフェノン、4,
4′−ジクロルベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェ
ノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン、ベンジルメチルケタール、1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙
げられる。これらの光重合開始剤は、得られる重合体の
着色や劣化を防止するために全単量体100重量部に対
して0.001〜5重量部の範囲で用いるのが一般的で
ある。
【0033】さらに、光重合において使用する光源は、
紫外線を発するものが好ましく、例えば、水銀ランプ、
殺菌ランプ、キセノンランプなどを好適に使用すること
ができる。その他太陽光のような可視光線も使用するこ
とが可能である。照射時間は、光源の波長、強度、重合
体の形状や材質によって異なるため、予備的な実験等に
よって予め決定しておけばよい。
【0034】光重合を行う場合は、鋳型の少なくとも光
照射する面は透明であることが必要であり、一般的にこ
の部分はガラスなどが使用される。特に石英ガラス等の
紫外線を透過しやすい材質が好ましいが、透明であれば
材質は特に限定されない。また、成型時に外部から圧力
をかけながら重合してもなんら差し支えない。
【0035】前記光重合に際し、重合促進剤、重合調節
剤、離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、
帯電防止剤、ケイ光染料、染料、顔料、香料等の各種添
加剤は必要に応じて選択して使用することができる。
【0036】上記の方法で得られる重合体には、その用
途に応じて表面の耐擦傷性を向上させるために公知のコ
ーティング剤で被覆することにより、硬化被膜を形成さ
せることができる。この際、硬化被膜を形成するコーテ
ィング剤は熱、触媒、硬化剤、光、放射線等によって反
応し、特に三次元網目構造を形成して硬化被膜を成す、
いわゆる架橋性物質が制限なく使用できる。例えば、メ
ラミン類とホルムアルデヒド等の他の反応性物質等より
なるメラミン系コーティング剤、アクリル酸エステル類
やアクリル酸アミド類等よりなるアクリル系コーティン
グ剤、エポキシ類とビスフェノールA等の他の反応性物
質等よりなるエポキシ系コーティング剤、多官能イソシ
アネート類と多官能アルコール類等の他の反応性物質等
よりなるウレタン系コーティング剤、メチルトリメトキ
シシラン等の有機ケイ素化合物類等よりなるシリコン系
コーティング剤、あるいは、これらを複合した公知のコ
ーティング剤が使用される。
【0037】本発明において好適に使用されるコーティ
ング剤の一例を示せば次のとおりである。下記一般式
(3)
【0038】
【化6】
【0039】(但し、A1は、直鎖状に少なくとも4個
以上の原子からなる二価の官能基、R11およびR12は、
それぞれ同種または異種のアルキル基またはアルコキシ
アルキル基であり、R13およびR14は、それぞれ同種ま
たは異種のアルキル基またはアルコキシ基である。)で
示されるジシラン化合物を構成成分とするコーティング
剤をあげることができる。
【0040】また、重合体と硬化被膜の密着性をより強
固にするために、被覆前に重合体の前処理を行うことは
しばしば好ましい態様である。例えば前処理の方法は公
知のアルカリ処理が使用でき、アルカリ性が強いほど密
着性は強固となる。しかしながら、アルカリ性が強すぎ
ると重合体自身が劣化する恐れがあるため、30重量%
のNaOH水溶液で80℃、1時間の処理条件より穏や
かなアルカリ処理条件であることが好ましい。
【0041】前記重合性組成物を硬化して得られる重合
体には、必要に応じて反射防止剤である無機硬質物の被
膜を形成することもできる。無機硬質物の被覆方法は公
知の方法を特に制限なく使用できる。例えば、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等のド
ライプレーティング法を好適に使用することができる。
無機硬質物の被膜の厚みは、目的に応じて異なるため特
に限定されないが、一般に0.1〜10μmが好適であ
る。
【0042】上記の無機硬質物としては、一般に上記し
た如きドライプレーティング法で重合体の表面に被膜を
形成させることのできる無機化合物あるいは金属を制限
なく使用でき、その目的に応じて適宜選択すればよい。
例えば、耐擦傷性を付与するためには酸化ケイ素(Si
Ox,x=1〜2)、酸化アルミニウム等が一般に使用
される。また反射防止性を付与するためには、例えば、
酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸
化チタン、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化イン
ジウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム等の金属酸化
物;フッ化マグネシウム、フッ化セリウム、フッ化リチ
ウム、フッ化ネオジム等の金属フッ化物;硫化亜鉛等の
金属硫化物;アルミニウム、金、銀、クロム等の金属を
挙げることができる。このような無機硬質物のうち低屈
折率物を単層で被覆させることができ、また、低屈折率
物と高屈折率物とを交互に光学的厚みに積層することが
できる。さらに、反射性と耐擦傷性を同時に付与させる
ために、アモルファスカーボン中にダイヤモンド微結晶
が散在したダイヤモンド状カーボンを被覆することもで
きる。
【0043】
【発明の効果】本発明の重合性組成物を重合して得られ
る重合体は、吸水性が低く、染色性に優れ、且つメガネ
用レンズとして十分な物性、例えば、分散特性、硬度、
透明性、耐光性、耐熱性、切削加工時における無臭性に
も優れている。
【0044】したがって、本発明の重合性組成物を重合
して得られる重合体は有機ガラスとして有用であり、例
えば、メガネレンズ、光学機器レンズ等の光学レンズと
して最適であり、さらにプリズム、光ディスク基盤、光
ファイバー等の用途に好適に使用することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために実施
例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0046】なお、実施例において得られた樹脂は下記
の試験法によって諸物性を測定した。
【0047】(1)屈折率及びアッベ数 アタゴ(株)製、アッベ屈折計を用いて、20℃におけ
る屈折率を測定した。接触液にはブロモナフタリンまた
はヨウ化メチレンを使用した。
【0048】(2)硬度 ロックウェル硬度計を用い、厚さ2mmの試験片につい
てL−スケールでの値を測定した。
【0049】(3)外観 目視により判定した。
【0050】(4)比重 ミラージュ貿易(株)製電子比重計(ED−120T
型)を用いて測定した。
【0051】(5)染色性 分散染料(商品名:ビスタブラウン、服部セイコー
(株)製)を1リットルの水に2g分散させ加熱し、試
料片を90℃で10分間染色した。そのときの染色濃度
を日立製作所製のダブルビーム分光光度計220Aを用
いて550nmの光線透過率の減少割合(百分率)で表
した。
【0052】(6)耐光性 スガ試験機(株)製ロングライフキセノンフェードメー
ター(FAC-25AX-HC型)中に試料を設置し、100時間
キセノン光を露光した後、スガ試験機(株)製色差計
(SM−4型)で試料のYIを測定し、初期のYIに対
する増加分ΔYIで示した。
【0053】(7)耐衝撃性 厚さ2mm、直径65mmの試験板に127cmの高さ
から16g、32g、48g、64g、80g、96g
の鋼球を自然落下させ、試験板が破損しない最も重い鋼
球の重さで評価した。
【0054】(8)ハードコート性 シリコン系ハードコート剤(商品名:TS−56T、徳
山曹達(株)製)を用い、調製後、1週間および1ヶ月
のハードコート剤を塗布した。調製後1ヶ月のハードコ
ート剤で密着性の良いものを◎、調製後1週間のハード
コート剤でのみ密着性の良いものを○、悪いものを×で
評価した。
【0055】(9)耐熱黄変性 厚さ2mmの試料を130℃で2時間加熱した後、スガ
試験機(株)製色差計(SM−4型)で試料のYIを測
定し、初期のYIに対する増加分△YIで示した。
【0056】(10)吸水率 120℃で1時間乾燥させた試料片を、水中に25℃で
3日間放置させた後、その重量の増加割合(百分率)を
測定した。
【0057】また、以下の実施例及び比較例で使用した
化合物は以下のとおりである。
【0058】(A)成分:ジ(メタ)アクリレート化合
物 BPM:2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェ
ニル)プロパン
【0059】
【化7】
【0060】BPEM:2,2−ビス(4−メタクリロ
イルオキシエトキシフェニル)プロパン
【0061】
【化8】
【0062】TBEM:2,2−ビス(4−メタクリロ
イルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロ
パン
【0063】
【化9】
【0064】(B)成分:アルキレンジオールジ(メ
タ)アクリレート 1,6−HD:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレ
ート 1,9−ND:1,9−ノナンジオールジメタクリレー
ト (C)成分:ウレタン(メタ)アクリレート化合物 UA−HTP1:下記式のウレタンメタクリレート
【0065】
【化10】
【0066】UA−HTP2:下記式のウレタンアクリ
レート
【0067】
【化11】
【0068】UA−GXE:下記式のウレタンメタクリ
レート
【0069】
【化12】
【0070】(D)成分:その他の単量体 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート GMA:グリシジルメタクリレート PhMA:フェニルメタクリレート 9G:ノナエチレングリコールジメタクリレート 実施例1 表1に示した(A)、(B)、(C)および(D)成分
を配合した重合性組成物100重量部に対して、ラジカ
ル重合開始剤として、t−ブチルパーオキシネオデカネ
ート1重量部を添加してよく混合した。この混合液をガ
ラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体とからなるガス
ケットで構成された鋳型の中に注入し、注型重合を行っ
た。重合は空気炉を用い、30℃から90℃まで15時
間をかけ徐々に昇温し、90℃で2時間保持した。重合
終了後、鋳型を空気炉から取り出し、放冷後、重合体を
鋳型のガラスから取り外した。得られた重合体の物性を
表1に示した。
【0071】比較例 表1に示した成分を使用したこと以外は実施例1と同様
に実施した。得られた重合体の物性を表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】実施例2 表2に示した(A)、(B)、(C)および(D)成分
を配合した重合性組成物100重量部に対して、光重合
開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン0.2重量部を添加してよく混合した。この混合
液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体とからな
るガスケットで構成された鋳型の中に注入し、出力12
0W/cmのメタルハライドランプを用いて15秒間紫
外線を照射した。重合終了後、重合体を鋳型のガラスか
ら取り外した。得られた重合体の物性を表2に示した。
【0074】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(1) 【化1】 (但し、R1およびR2は水素原子またはメチル基であ
    り、mおよびnはそれぞれ0〜2の整数であり、Xはフ
    ッ素を除くハロゲン原子であり、aは0〜4の整数であ
    る。)で示されるジアクリレート化合物またはジメタク
    リレート化合物 100重量部、および(B)アルキレ
    ンジオールジアクリレートまたはアルキレンジオールジ
    メタクリレート 10〜200重量部を含んでなる重合
    性組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の重合性組成物の重合体より
    なる有機ガラス。
JP25716293A 1993-10-14 1993-10-14 重合性組成物 Pending JPH07109318A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25716293A JPH07109318A (ja) 1993-10-14 1993-10-14 重合性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25716293A JPH07109318A (ja) 1993-10-14 1993-10-14 重合性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07109318A true JPH07109318A (ja) 1995-04-25

Family

ID=17302566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25716293A Pending JPH07109318A (ja) 1993-10-14 1993-10-14 重合性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07109318A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003160623A (ja) * 2001-11-26 2003-06-03 Toagosei Co Ltd 光学部材用活性エネルギー線硬化型組成物
JP2005510594A (ja) * 2001-11-26 2005-04-21 エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック 耐衝撃性有機レンズのためのラジカル重合性組成物
JP2009057559A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Essilor Internatl (Co Generale D'optique) 透明な熱硬化性ポリマー/熱可塑性ポリマーブレンド型材料の製造方法、および有機ガラスの製造のための光学分野におけるその使用
JP2009177198A (ja) * 2009-03-30 2009-08-06 Hitachi Chem Co Ltd シリカ系被膜形成用塗布液、シリカ系被膜及びこれを用いた半導体装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003160623A (ja) * 2001-11-26 2003-06-03 Toagosei Co Ltd 光学部材用活性エネルギー線硬化型組成物
JP2005510594A (ja) * 2001-11-26 2005-04-21 エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック 耐衝撃性有機レンズのためのラジカル重合性組成物
JP2009057559A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Essilor Internatl (Co Generale D'optique) 透明な熱硬化性ポリマー/熱可塑性ポリマーブレンド型材料の製造方法、および有機ガラスの製造のための光学分野におけるその使用
JP2009177198A (ja) * 2009-03-30 2009-08-06 Hitachi Chem Co Ltd シリカ系被膜形成用塗布液、シリカ系被膜及びこれを用いた半導体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3085570B2 (ja) 重合性組成物
EP0358524B1 (en) Optical material composed of resin having high refractive index
JP2003137938A (ja) 光学的特性に優れた硬化性組成物
JP3324854B2 (ja) 重合性組成物
JPH07238119A (ja) 重合性組成物
JPH07109318A (ja) 重合性組成物
US6677420B2 (en) Polymerisable compositions for making transparent polymer substrates, resulting transparent polymer substrates, and uses thereof in optics
JP3394580B2 (ja) 重合性組成物、重合体、有機ガラスおよびメガネ用レンズ
JP2904840B2 (ja) プラスチックレンズ材料
JP2760624B2 (ja) プラスチックレンズ用組成物
JP2804840B2 (ja) 重合体及びそれを用いた光学製品
JPH06184241A (ja) 重合性組成物
JPH0445401A (ja) 高アッベ数レンズ
JPH073025A (ja) 光重合性組成物
JPH072945A (ja) 重合性組成物
US20020061993A1 (en) Polymerizable compositions for producing transparent polymeric substrates, resulting transparent polymeric substrates and applications thereof in optics
JPH073026A (ja) 重合性組成物
JPH06116337A (ja) 重合性組成物
JPH01309001A (ja) プラスチックレンズ材料
JPH04161411A (ja) 重合体及びそれを用いた光学製品
JP2546927B2 (ja) 重合性組成物
JP2000186120A (ja) 硬化性組成物
JP3279791B2 (ja) プラスチックレンズ用組成物
JPH0551412A (ja) 有機ガラス
JPH1114802A (ja) 光学用樹脂組成物及び光学用樹脂