JPH06116337A - 重合性組成物 - Google Patents

重合性組成物

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JPH06116337A
JPH06116337A JP4230998A JP23099892A JPH06116337A JP H06116337 A JPH06116337 A JP H06116337A JP 4230998 A JP4230998 A JP 4230998A JP 23099892 A JP23099892 A JP 23099892A JP H06116337 A JPH06116337 A JP H06116337A
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JP
Japan
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bis
compound
general formula
polymerizable composition
chemical
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Pending
Application number
JP4230998A
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English (en)
Inventor
Tadashi Hara
忠司 原
Hideki Kazama
秀樹 風間
Shingo Matsuoka
信吾 松岡
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高屈折率、高アッベ数、であり、樹脂の成形加
工時に悪臭のない有機ガラスを提供すること。 【構成】(A)下記一般式(1) 【化1】 〔但し、A1は一般式(2) 【化2】 {但し、R1及びR2は同種または異種のアルキレン基ま
たは一般式(3) 【化3】 (但し、k及びk′は0〜2の整数である)であり、R
1及びR2が共にアルキレン基の場合、mは1〜4の整数
でありX1は硫黄原子であり、R1及びR2の少なくとも
一方が一般式(3)の場合、mは0〜4の整数でありX
1は酸素原子または硫黄原子であり、n、n′、p及び
p′は0または1である}、または一般式(4) 【化4】 {但し、R3及びR4は同種または異種のアルキレン基ま
たは上記一般式(3)であり、qは0〜4の整数であ
り、X2は酸素原子または硫黄原子であり、r及びtは
0または1である}である〕で示されるビニル化合物、
及び(B)一分子中にメルカプト基を2個以上有するチ
オール化合物を含んでなる重合性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性樹脂、特に眼鏡
用レンズの製造原料に適した重合性組成物に関し、詳し
くは、特に高屈折率、高アッベ数、低比重であり、耐光
性、耐衝撃性、ハードコート性、染色性に優れ、成形加
工時に悪臭のない透明性樹脂の製造に適した重合性組成
物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無機ガラスに代わる有機ガラスに
ついては種々検討されているが、欠点も多く、まだ十分
に満足し得る性状のものは得られていない。例えば、メ
チルメタクリレートやジエチレングリコールビス(アリ
ルカーボネート)を主成分とする単量体を重合した重合
体は、光学材料やレンズとして使用されているが、その
屈折率は約1.50と低い。
【0003】近年、屈折率を高めるため、硫黄原子を分
子構造中に導入することが種々検討されている。例え
ば、特開平1−300201号公報、特開平1−309
002号公報などにビニル化合物とポリチオール化合物
とを重付加してなる樹脂が提案されている。
【0004】上記ビニル化合物としては、ビニルベンジ
ルチオ構造を持つものが用いられている。しかしなが
ら、上記ビニルベンジルチオ構造を持つ樹脂は耐光性が
悪い他、樹脂の研磨成形時に強い硫黄臭があるなどの欠
点を有しているため、実用的なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような先行技術
の下で、光学的な用途に好適に使用し得る有機ガラス、
すなわち、高屈折率、高アッベ数、低比重であり、耐光
性、耐衝撃性、ハードコート性、染色性に優れ、樹脂の
成形加工時に悪臭のない有機ガラスが強く望まれてい
る。
【0006】従って、本発明が解決しようとする課題
は、上記諸性質に優れた有機ガラスの原料となる重合性
組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を克服すべく鋭意研究した結果、特定のビニルベンジ
ルオキシ構造を有するビニル化合物及び該ビニル化合物
と重付加反応し得るポリチオール化合物を含んでなる組
成物を重合することにより、上記課題を解決できること
を見いだし、本発明を完成するにいたった。
【0008】即ち、本発明は、(A)下記一般式(1)
【0009】
【化5】
【0010】〔但し、A1は一般式(2)
【0011】
【化6】
【0012】{但し、R1及びR2は同種または異種のア
ルキレン基または一般式(3)
【0013】
【化7】
【0014】(但し、k及びk′は0〜2の整数であ
る)であり、R1及びR2が共にアルキレン基の場合、m
は1〜4の整数でありX1は硫黄原子であり、R1及びR
2の少なくとも一方が一般式(3)の場合、mは0〜4
の整数でありX1は酸素原子または硫黄原子であり、
n、n′、p及びp′は0または1である}、または一
般式(4)
【0015】
【化8】
【0016】{但し、R3及びR4は同種または異種のア
ルキレン基または上記一般式(3)であり、qは0〜4
の整数であり、X2は酸素原子または硫黄原子であり、
r及びtは0または1である}である〕で示されるビニ
ル化合物、及び(B)一分子中にメルカプト基を2個以
上有するチオール化合物を、(ビニル化合物のビニル基
の数)/(チオール化合物のメルカプト基の数)が0.
5〜20となるように含んでなる重合性組成物である。
【0017】前記一般式(1)のA1は一般式(2)
【0018】
【化9】
【0019】または一般式(4)
【0020】
【化10】
【0021】で示される構造にある。
【0022】ここで、一般式(2)のR1及びR2及び一
般式(4)のR3及びR4は、同種または異種のアルキレ
ン基または一般式(3)
【0023】
【化11】
【0024】(但し、k及びk′は0〜2の整数であ
る)である。上記アルキレン基は特に限定されないが、
炭素数の増加に伴い屈折率が低下するため、炭素数1〜
6個の範囲で、特に1〜4個の範囲で選択することが好
ましい。また、一般式(3)のk及びk′は0〜2の範
囲であれば良いが、大きいほど屈折率が低下するため、
0であることが好ましい。
【0025】前記一般式(2)において、R1及びR2
共にアルキレン基の場合、mは1〜4の範囲であれば良
いが、あまり大きくなりすぎると樹脂の硬度や耐光性が
低下するため、1〜2の範囲であることが好ましい。ま
た、この場合、X1は硫黄原子である。
【0026】前記一般式(2)において、R1及びR2
少なくとも一方が一般式(3)の構造である場合、mは
0〜4の範囲であれば良いが、あまり大きくなりすぎる
と樹脂の硬度や耐光性が低下するため、0〜2の範囲で
あることが好ましい。また、この場合、X1は酸素原子
または硫黄原子であれば良いが、高屈折率の観点から、
硫黄原子が好ましい。
【0027】さらに、前記一般式(2)において、n、
n′、p及びp′は0または1であるが、高屈折率の観
点から、p及びp′が0であることが好ましい。
【0028】次ぎに、前記一般式(4)において、qは
0〜4の範囲であれば良いが、あまり大きくなりすぎる
と樹脂の硬度や耐光性が低下するため、0〜2の範囲で
あることが好ましい。また、X2は酸素原子または硫黄
原子であれば良いが、高屈折率の観点から、硫黄原子が
好ましい。
【0029】さらに、前記一般式(4)において、r及
びtは0または1である なお、一般式(2)或いは一般式(4)において、k、
k′、m、n、n′、p、p′、r及びtが0のとき
は、−(CH2k−、−(CH2k'−、−(X1
2m−、−(O)n−、−(O)n'−、−(COO)p
−、−(COO)p'−、−(S)r−及び−(COS)t
−は、それぞれ結合手を示す。
【0030】本発明で用いられるビニル化合物を具体的
に例示すると次のとおりである。
【0031】ビス(ビニルベンジルオキシエチル)スル
フィド、1,2―ビス(ビニルベンジルオキシエチルチ
オ)エタン、3,3´−チオジプロピオン酸ビス(ビニ
ルベンジル)、エタンジチオールビス(ビニルベンジル
チオカーボネート)、β―チオジグリコールビス(ビニ
ルベンジルカーボネート)、β―チオジエタンチオール
ビス(ビニルベンジルカーボネート)、ビス〔2−(ビ
ニルベンジルオキシ)プロピル〕スルフィド、エタンジ
チオールビス(ビニルベンジルチオカーボネート)、フ
ェニレンビス(ビニルベンジル)エーテル、キシリレン
ビス(ビニルベンジル)エーテル、ビス(ビニルベンジ
ルオキシフェニル)スルフィド、ビス〔4―(ビニルベ
ンジルオキシ)フェニル〕スルフィド、イソフタル酸ビ
ス(ビニルベンジル)、フェニレンビス(ビニルベンジ
ルカーボネート)、ビス(ビニルベンジルオキシメチ
ル)ベンゼン等 上記化合物のビニルベンジル基は、2−ビニルベンジル
基、3−ビニルベンジル基及び4−ビニルベンジル基が
あるが、本発明においては、3−ビニルベンジル基を有
するビニル化合物と4−ビニルベンジル基を有するビニ
ル化合物の混合物、または4−ビニルベンジル基を有す
るビニル化合物を用いるのが好ましい。
【0032】次に、(B)成分として用いられるチオー
ル化合物としては、一分子中に2個以上のメルカプト基
を有する公知の化合物を、何等制限なく用いることがで
きる。本発明において、好適に使用し得るチオール化合
物を具体的に例示すると、1,2−エタンジチオール、
1,4−ブタンジチオール、ジ(2−メルカプトエチ
ル)スルフィド、エチレングリコールジチオグリコレー
ト、エチレングリコールジチオプロピオネート、1,4
−ブタンジオールジチオグリコレート、1,4−ベンゼ
ンジチオール、ジ(2−メルカプトエチル)エーテル、
1,3−キシリレンジチオール、1,4−ビス(2−メ
ルカプトエチル)ベンゼン、2−ヒドロキシプロパン−
1,3−ジチオール等の一分子中にメルカプト基を2個
有するチオール化合物;トリチオグリセリン、トリメチ
ロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチ
ロールプロパントリス(チオプロピオネート)、2−
(2´−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプ
トプロパン等の一分子中にメルカプト基を3個有するチ
オール化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(チオ
グリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チ
オプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラメル
カプタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチ
ル)メタン、5,5−ビス(メルカプトメチル)−3,
7−ジチア−1,9−ノナンジチオール等の一分子中に
メルカプト基を4個有するチオール化合物等があげら
れ、これらは単独で、または2種以上の混合物を用いる
ことができる。
【0033】これらのうち、特にチオール化合物の臭気
の程度の低い点からトリメチロールプロパントリス(チ
オグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(チ
オプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス
(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキ
ス(チオプロピオネート)、エチレングリコールジチオ
グリコレート等のアルコール残基に一般式
【0034】
【化12】
【0035】(uは1または2である)で示される基が
2〜4個結合した構造の化合物を用いるのが好適であ
る。また、得られる樹脂の屈折率の観点からは、1,4
−ベンゼンジチオール、1,4−ビス(2−メルカプト
エチル)ベンゼン、1,2−エタンジチオール、2−
(2´−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプ
トプロパン、ペンタエリスリトールテトラメルカプタ
ン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メ
タン、5,5−(ビスメルカプトメチル)−3,7−ジ
チア−1,9−ノナンジチオール等を用いるのが好まし
い。
【0036】本発明において、(A)成分と(B)成分
は、(ビニル化合物のビニル基の数)/(チオール化合
物のメルカプト基の数)が0.5〜20の範囲、好まし
くは1.0〜10の範囲であるように混合する。
【0037】チオール化合物中のメルカプト基の総数に
対する前記ビニルベンジル化合物のビニル基の総数が
0.5未満の場合は、重合が十分に進行せず得られる樹
脂の硬度が不足する上、重合体中にメルカプト基が残存
するため、臭気の点でも好ましくない。また、20を越
えるとチオール化合物の使用量が減少し、耐衝撃性が不
十分となり好ましくない。
【0038】本発明において、前記重合性組成物を重合
する際に、しばしば、重合の容易さ、重合性組成物の粘
度の調節、屈折率の調節、あるいはその他の物性の調節
のために、前記重合性組成物と共重合可能な他の単量体
を混合して、共重合することも可能である。これらの単
量体を例示すると、メタクリル酸、無水マレイン酸、フ
マル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル
酸フェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、エ
チレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ビス
フェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−メ
タクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3,5−ジブロモ−4−メタクリロイルオキ
シエトキシフェニル)プロパン、トリフルオロメチルメ
タクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステル
化合物;メチルチオメタクリレート、メチルチオアクリ
レート、フェニルチオメタクリレート、ベンジルチオメ
タクリレート等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸
エステル化合物;フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチ
ル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル化合物;
ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリ
ルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキシコハク酸
ジアリル、ジアリルマレート、アリルシンナメート、ア
リルイソシアヌレート、クロレンド酸ジアリル、ヘキサ
フタル酸ジアリル、ジアリルカーボネート、アリルジグ
リコールカーボネート等のアリル化合物;スチレン、ジ
ビニルベンゼン、クロロスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、ブ
ロモスチレン、ジブロモスチレン等の芳香族ビニル化合
物;(メタ)アクリレート基を2つ以上有するウレタン
(メタ)アクリレートまたはエポキシ(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。これらの単量体は単独で、または
2種以上を混合して使用することができる。これらの単
量体の使用は、目的に応じて選択すればよく、その使用
量も目的に応じて選択すればよいが、これらの単量体は
前記ビニルベンジル化合物とチオール化合物との重合性
組成物100重量部に対して、0〜500重量部の範囲
で用いることが好ましい。
【0039】本発明の重合性組成物の重合方法は特に限
定的でなく、公知の注型重合方法を採用できる。重合開
始手段は、種々の過酸化物やアゾ化合物などのラジカル
重合開始剤の使用、または紫外線、α線、β線、γ線等
の照射あるいは両者の併用によって行うことができる。
代表的な重合方法を例示すると、エラストマーガスケッ
トまたはスペーサーで保持されているモールド間に、ラ
ジカル重合開始剤を含む前記の重合性組成物を注入し、
空気炉中で硬化させた後、取り出す注型重合が採用され
る。
【0040】ラジカル重合開始剤としては、特に限定さ
れず、公知のものが使用できるが、代表的なものを例示
すると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾ
イルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジカーボネ
ート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル;ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチル
パーオキシジカーボネート等のパーカーボネート類;ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物である。該ラ
ジカル重合開始剤の使用量は、重合条件や開始剤の種
類、前記の重合性組成物の種類や組成によって異なり、
一概に限定できないが、一般には、全単量体100重量
部に対して0.01〜10重量部の範囲で用いるのが好
適である。
【0041】重合条件のうち、特に温度は得られる樹脂
の性状に影響を与える。この温度条件は、開始剤の種類
と量や単量体の種類によって影響を受けるので、一概に
は限定できないが、一般的に比較的低温下で重合を開始
し、ゆっくりと温度を上げていき、重合終了時に高温下
に硬化させるいわゆるテーパ型の2段重合を行うのが好
適である。
【0042】重合時間も温度と同様に各種の要因によっ
て異なるので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を
決定するのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合
が完結するように条件を選ぶのが好ましい。
【0043】また、紫外線を用いた公知の光重合によっ
ても同様に注型重合が実施できる。この際には、光重合
開始剤としてベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノール、アセト
フェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェノン、ジエト
キシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケター
ル、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオキ
サントン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、全
単量体100重量部に対して0.001〜5重量部の範
囲で用いるのが一般的である。
【0044】また、前記注型重合に際し、本発明のビニ
ルベンジル化合物とチオール化合物とからなる重合性組
成物を予め一部または全部を重合させ、液状のプレポリ
マーを製造した後に、必要に応じてこのプレポリマーと
共重合可能な単量体を混合し、所定の注型重合を実施す
ることも可能である。
【0045】勿論、前記重合に際し、離型剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、着色防止剤、帯電防止剤、ケイ光染
料、染料、顔料等の各種安定剤、香料等の添加剤は必要
に応じて選択して使用することができる。
【0046】さらに、上記の方法で得られる樹脂は、そ
の用途に応じて以下のような処理を施すこともできる。
即ち、分散染料などの染料を用いる染色、シランカップ
リング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミ
ニウム等の酸化物のゾルを主成分とするハードコート剤
や、有機高分子体を主成分とするハードコート剤による
ハードコーティング処理や、SiO2、TiO2、ZrO
2等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機高分子体の薄膜の
塗布等による反射防止処理、帯電防止処理等の加工及び
2次処理を施すことも可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、重合性組成物中のビニ
ル単量体としてビニルベンジルオキシ構造を有する単量
体を用いると、研磨成型時の無臭性、耐光性に優れ、低
比重である樹脂を得ることができる。さらに本発明によ
り得られる樹脂は高屈折率、高アッベ数であり、耐衝撃
性、ハードコート性、染色性に優れている。
【0048】従って、本発明により得られる樹脂は有機
ガラスとして有用であり、例えば、眼鏡レンズ、光学機
器レンズ等の光学レンズに最適であり、その他、プリズ
ム、光ディスク基板、光ファイバーなどの光学ガラスに
好適に使用することができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために、実
施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0050】なお、実施例において得られた樹脂は、下
記の試験法によって諸物性を測定した。
【0051】(1)屈折率及びアッベ数 アタゴ(株)製、アッベ屈折計を用いて、20℃におけ
る屈折率を測定した。接触液にはブロモナフタリンまた
はヨウ化メチレンを使用した。
【0052】(2)外観 目視により判定した。
【0053】(3)比重 ミラージュ貿易(株)製電子比重計(ED−120T
型)を用いて測定した (4)耐光性 スガ試験機(株)製ロングライフキセノンフェードメー
ター(FAC-25AX-HC型)中に試料を設置し、100時間
キセノン光を露光した後、スガ試験機(株)製色差計
(SM−4型)で試料のYIを測定し、初期のYIに対
する増加分ΔYIで示した。
【0054】(5)耐衝撃性 厚さ2mm,直径65mmの試料板に127cmの高さ
から16gの鋼球を自然落下させ、該試料板が破損しな
い場合を○、破損した場合を×で評価した。
【0055】(6)ハードコート性 ハードコート液(商品名:TS−56T、徳山曹達
(株)製)を用いて、試料にハードコート可能なものを
○、ハードコートできないものを×で評価した。
【0056】(7)染色性 分散染料(商品名:ビスタブラウン、服部セイコー
(株)製)を1Lの水に2g分散させて加熱した中に試
料を設置し、染色可能なものを○、染色できないものを
×で評価した。
【0057】(8)臭気 東京光学機械(株)製の玉摺機(TOPCON ALE
−60)を用いて、試料の玉摺りを行った。ひどい悪臭
のするものを1、悪臭のするものを2、わずかに悪臭の
するものを3、ほとんど悪臭のないものを4、全く無臭
のものを5で評価した。
【0058】また、各実施例及び比較例で使用した化合
物は、以下のものである。
【0059】(A)ビニル化合物 ビス(ビニルベンジルオキシエチル)スルフィド:VB
ESと略す
【0060】
【化13】
【0061】フェニレンビス(ビニルベンジル)エーテ
ル:PVBEと略す
【0062】
【化14】
【0063】イソフタル酸ビス(ビニルベンジル):V
BIPと略す
【0064】
【化15】
【0065】β−チオジグリコールビス(ビニルベンジ
ルカーボネート):TGVBCと略す
【0066】
【化16】
【0067】3,3´−チオジプロピオン酸ビス(ビニ
ルベンジル):TPVBと略す
【0068】
【化17】
【0069】ビス〔4−(4´−ビニルベンジルオキ
シ)フェニル〕スルフィド:VBPSと略す
【0070】
【化18】
【0071】ビス(ビニルベンジルオキシメチル)ベン
ゼン:VBMBと略す
【0072】
【化19】
【0073】ビス〔2−(ビニルベンジルオキシ)プロ
ピル〕スルフィド:VBPSと略す
【0074】
【化20】
【0075】エタンジチオールビス(ビニルベンジルチ
オカーボネート):ETVCと略す
【0076】
【化21】
【0077】(B)チオール化合物 ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレー
ト):PETGと略す
【0078】
【化22】
【0079】ペンタエリスリトールテトラメルカプタ
ン:PETMと略す
【0080】
【化23】
【0081】テトラキス(2−メルカプトエチルチオメ
チル)メタン:METMと略す
【0082】
【化24】
【0083】5,5−ビス(メルカプトメチル)−3,
7−ジチア−1,9−ノナンジチオール:MTNTと略
【0084】
【化25】
【0085】トリメチロールプロパントリス(チオプロ
ピオネート):TMTPと略す
【0086】
【化26】
【0087】ペンタエリスリトールテトラキス(チオプ
ロピオネート):PETPと略す
【0088】
【化27】
【0089】エチレングリコールジチオグリコレート:
EGTGと略す
【0090】
【化28】
【0091】2−(2´−メルカプトエチルチオ)−
1,3−ジメルカプトプロパン:MEMPと略す
【0092】
【化29】
【0093】(C)その他の成分 ジビニルベンゼン:DVBと略す
【0094】
【化30】
【0095】ジエチレングリコールジメタクリレート:
2Gと略す
【0096】
【化31】
【0097】スチレン:Stと略す
【0098】
【化32】
【0099】2−ヒドロキシエチルメタクリレート:H
EMAと略す
【0100】
【化33】
【0101】1,2−ビス(ビニルベンジルチオ)エタ
ン:VBTEと略す
【0102】
【化34】
【0103】エチレングリコールビス(ビニルベンジル
チオグリコレート):EVBGと略す
【0104】
【化35】
【0105】実施例1 表1に示すビニル化合物とチオール化合物との混合物1
00重量部に対して、ラジカル重合開始剤として、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1重量部
を添加してよく混合した。この混合液をガラス板とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体とからなるガスケットで構成
された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は空
気炉を用い、30℃から90℃まで15時間をかけ徐々
に昇温し、90℃で2時間保持した。重合終了後、鋳型
を空気炉から取り出し、放冷後、重合体を鋳型のガラス
から取り外した。
【0106】得られた重合体の物性を表1に示した。
【0107】比較例1、2 重合性組成物として1,2−ビス(ビニルベンジルチ
オ)エタンとペンタエリスリトールテトラキス(チオプ
ロピオネート)の混合物(比較例1)、及び、エチレン
グリコールビス(ビニルベンジルチオグリコレート)と
ペンタエリスリトールテトラキス(チオプロピオネー
ト)の混合物(比較例2)とからなる混合物を用いた以
外実施例1と同様に実施した。
【0108】得られた重合体の物性を表1に併記した。
【0109】
【表1】
【0110】実施例2 表2に示すビニル化合物、チオール化合物及び共重合可
能な第3単量体とから成る重合性組成物を用いた以外、
実施例1と同様に実施した。
【0111】得られた重合体の物性を表2に示した。
【0112】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 299/02 MRR 7442−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1) 【化1】 〔但し、A1は一般式(2) 【化2】 {但し、R1及びR2は同種または異種のアルキレン基ま
    たは一般式(3) 【化3】 (但し、k及びk′は0〜2の整数である)であり、R
    1及びR2が共にアルキレン基の場合、mは1〜4の整数
    でありX1は硫黄原子であり、R1及びR2の少なくとも
    一方が一般式(3)の場合、mは0〜4の整数でありX
    1は酸素原子または硫黄原子であり、n、n′、p及び
    p′は0または1である}、または一般式(4) 【化4】 {但し、R3及びR4は同種または異種のアルキレン基ま
    たは上記一般式(3)であり、qは0〜4の整数であ
    り、X2は酸素原子または硫黄原子であり、r及びtは
    0または1である}である〕で示されるビニル化合物、
    及び(B)一分子中にメルカプト基を2個以上有するチ
    オール化合物を、(ビニル化合物のビニル基の数)/
    (チオール化合物のメルカプト基の数)が0.5〜20
    となるように含んでなる重合性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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