JPH05271315A - 重合性組成物 - Google Patents

重合性組成物

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JPH05271315A
JPH05271315A JP6605692A JP6605692A JPH05271315A JP H05271315 A JPH05271315 A JP H05271315A JP 6605692 A JP6605692 A JP 6605692A JP 6605692 A JP6605692 A JP 6605692A JP H05271315 A JPH05271315 A JP H05271315A
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JP
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group
groups
divinyl
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polymerizable
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JP6605692A
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English (en)
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Shingo Matsuoka
信吾 松岡
Tadashi Hara
忠司 原
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高屈折率で、アッベ数、透明性、硬度、耐光
性、染色性、樹脂の加工時の無臭性等に優れた有機ガラ
スの原料となる重合性組成物を提供する。 【構成】一分子中に2個以上のメルカプト基を有するチ
オール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリス
(チオグリコレート)と、一分子中にラジカル重合性基
を2個以上有し、その内の少なくとも一つはビニルオキ
シ基又はビニルチオ基であるビニル単量体、例えば、エ
タンジチオールジビニルスルフィドとからなり、チオー
ル化合物中のメルカプト基の総数を1としたときにビニ
ル単量体中のラジカル重合性基の総数が0.5〜20と
なるように配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明樹脂、特に眼鏡用
レンズの製造に適した重合性組成物に関し、詳しくは、
特に高屈折率、分散特性、耐光性、硬度、染色性、樹脂
加工時の無臭性等に優れた透明樹脂の製造に適した重合
性組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、無機ガラスに代わる有機ガラスにつ
いては種々研究されているが、欠点も多く、まだ十分に
満足し得る性状ものは得られていない。例えば、メチル
メタクリレートやジエチレングリコールビス(アリルカ
ーボネート)を主成分とする単量体を重合した重合体
は、光学材料やレンズとして使用されているが、その屈
折率は約1.50と低い。
【0003】近年、屈折率を高めるためにイオウを分子
構造中に導入することが種々検討されている。例えば、
特開平1−26622号公報、特開昭63−46213
号公報などに、ポリチオール化合物とポリイソシアナー
ト化合物を重付加させてなるチオウレタン樹脂が提案さ
れている。しかしながら、この樹脂はポリイソシアナー
ト化合物を用いるため、成形性に問題があるほか、耐熱
性が不十分である等の欠点を有する。さらに、特開平1
−300201号公報や特開昭63−234032号公
報等にポリチオール化合物と多官能スチリル化合物や多
官能(メタ)アクリル化合物とを重付加してなる樹脂が
提案されている。しかしながら、これらの樹脂は十分な
屈折率が得られなかったり、重合が完全でなく、樹脂中
にメルカプト基が残存したりするため、樹脂を切削研磨
加工する際にチオール化合物特有の悪臭がしたり、重合
体が光学的に不均質になったりして、眼鏡レンズ等に供
することができないといった問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような先行技術
の下で、光学的な用途に好適に使用し得る有機ガラス、
即ち、高屈折率、良好なアッベ数、透明性、硬度、耐光
性、染色性、樹脂の加工時の無臭性等の諸性質の優れた
有機ガラスが強く望まれている。
【0005】従って、本発明が解決しようとする課題
は、高屈折率で、アッベ数、透明性、硬度、耐光性、染
色性、樹脂の加工時の無臭性等に優れた有機ガラスの原
料となる重合性組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリチオー
ル化合物と特定のビニル単量体とから成る重合性組成物
を重合して得られる重合体が上記の諸性質を具備した樹
脂となり得ることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は、一分子中に2個以上のメ
ルカプト基を有するチオール化合物と、一分子中にラジ
カル重合性基を2個以上有し、その内の少なくとも一つ
はビニルオキシ基又はビニルチオ基であるビニル単量体
とからなり、チオール化合物中のメルカプト基の総数を
1としたときにビニル単量体中のラジカル重合性基の総
数が0.5〜20となるように配合してなる重合性組成
物である。
【0008】本発明において、チオール化合物として
は、一分子中に2個以上のメルカプト基を有する公知の
化合物をなんら制限なく用い得る。本発明において好適
に使用し得るチオール化合物を具体的に例示すると、
1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオー
ル、ジ(2−メルカプトエチル)スルフィド、エチレン
グリコールジチオグリコレート、エチレングリコールジ
チオプロピオネート、1,4−ブタンジチオールジチオ
グリコレート、1,4−ベンゼンジチオール、ジ(2−
メルカプトエチル)エーテル、1,3−キシリレンジチ
オール、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼ
ン、2−ヒドロキシ−プロパン−1,3−ジチオール等
の一分子中にメルカプト基を2個有するチオール化合
物;トリチオグリセリン、トリメチロールプロパントリ
ス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリ
ス(β−チオプロピオネート)等の一分子中にメルカプ
ト基を3個有するチオール化合物;ペンタエリスリトー
ルテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリト
ールテトラキス(β−チオプロピオネート)等の一分子
中にメルカプト基を4個有するチオール化合物などがあ
げられ、これらは一種又は2種以上の混合物を用いるこ
とができる。
【0009】これらの内、特にチオール化合物の臭気の
程度の低いトリメチロールプロパントリス(チオグリコ
レート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプ
ロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チ
オグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス
(β−チオプロピオネート)、エチレングリコールジチ
オグリコレート等が好ましく、また、得られる樹脂の屈
折率の観点からは、1,4−ベンゼンジチオール、1,
4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−
エタンジチオール等が好ましい。
【0010】本発明の重合性組成物の他の成分であるビ
ニル単量体は、一分子中にラジカル重合性基を2個以上
有し、その内の少なくとも一つはビニルオキシ基又はビ
ニルチオ基である公知の化合物をなんら制限なく用い得
る。
【0011】上記のビニル単量体は、ビニルオキシ基の
みを2個以上有していてもよく、ビニルチオ基のみを2
個以上有していてもよく、さらにビニルオキシ基とビニ
ルチオ基とを併せて2個以上有していてもよい。また、
ビニルオキシ基又はビニルチオ基の他にラジカル重合性
基を有し、これらの合計が2個以上であってもよい。
【0012】本発明において好適に使用し得るビニル単
量体を具体的に例示するならば、以下の化合物を挙げる
ことができる。エチレングリコールジビニルエーテル、
ジエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレング
リコールジビニルエーテル、2,2′−ジチオエタノー
ルジビニルエーテル、1,4−ハイドロキノンジビニル
エーテル、1,3−ハイドロキノンジビニルエーテル、
1,4−ビス(2′−ビニルオキシエチルオキシ)ベン
ゼン、ビスフェノールAジビニルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリビニルエーテル、グリセリンジビニル
エーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル
などの多価ビニルエーテル類;エタンジチオールジビニ
ルスルフィド、2−ビニルチオエチルスルフィド、1,
4−ジチオハイドロキノンジビニルスルフィド、1,4
−ビス(2−ビニルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビ
ス(2−ビニルチオエチル)ベンゼン、1,4−ビス
(ビニルチオエチルチオメチル)ベンゼン、2,2−ジ
チオメチルプロパン−1−チオールトリビニルスルフィ
ド、テトラ(メルカプトメチル)メタンテトラビニルス
ルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリ
コレート)テトラビニルスルフィド、ペンタエリスリト
ールテトラキス(β−チオプロピオネート)テトラビニ
ルスルフィド、トリメチロールプロパントリス(チオグ
リコレート)トリビニルスルフィド、トリメチロールエ
タントリス(β−チオプロピオネート)トリビニルスル
フィド等の多価ビニルスルフィド化合物;アジピン酸ジ
ビニル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビニル、イタ
コン酸ジビニル、フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビ
ニル、テレフタル酸ジビニル、ジフェン酸ジビニルなど
の多価ビニルエステル類;ジチオマレイン酸ジビニル、
ジチオフマル酸ジビニル、ジチオイタコン酸ジビニル、
ジチオフタル酸ジビニル、ジチオイソフタル酸ジビニ
ル、ジチオテレフタル酸ジビニルなどのチオカルボン酸
の多価ビニルチオエステル類;メタクリル酸ビニル、チ
オメタクリル酸ビニル、アクリル酸2−ビニルオキシエ
チル、メタクリル酸2−ビニルオキシエチル、チオメタ
クリル酸2−ビニルオキシエチル、チオアクリル酸2−
ビニルオキシエチル、p−ビニルオキシメチルスチレ
ン、マレイン酸モノビニル等のビニルオキシ基又はビニ
ルチオ基とこれら以外のラジカル重合性基とを併せ有す
るビニルオキシ化合物;メタクリル酸2−ビニルチオエ
チル、アクリル酸2−ビニルチオエチル、チオメタクリ
ル酸2−ビニルチオエチル、p−ビニルチオメチルスチ
レン、m−(2−ビニルチオエチル)スチレン等のビニ
ルオキシ基又はビニルチオ基とこれら以外のラジカル重
合性基とを併せ有するビニルスルフィド化合物等を例示
することができる。これらの化合物の内、特に得られる
樹脂の屈折率の観点から多価ビニルスルフィド化合物が
特に好ましい。
【0013】本発明において、前記の一分子中に2個以
上のメルカプト基を有するチオール化合物と一分子中に
ラジカル重合性基を2個以上有し、その内の少なくとも
一つはビニルオキシ基又はビニルチオ基であるビニル単
量体との混合比は、前記のチオール化合物中のメルカプ
ト基の総数1に対し、前記ビニル単量体のラジカル重合
性基の総数を0.5〜20とする必要があり、特に1.
0〜10が好ましい。
【0014】チオール化合物中のメルカプト基の総数に
対する前記ビニル単量体中のラジカル重合性基の総数が
0.5未満の場合は、重合が十分に進行しない上に得ら
れる重合体中にメルカプト基が残存するために好ましく
ない。また、20を越えるとチオール化合物の使用量が
減少し、耐衝撃性が不十分となり好ましくない。
【0015】本発明において、前記重合性組成物を重合
するに際し、しばしば、重合の容易さ、重合性組成物の
粘度の調節、屈折率の調節、あるいはその他の物性の調
節のために、前記単量体と共重合可能な他の単量体を混
合して共重合することも可能である。これらの単量体を
例示すると、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸
などの不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェ
ニル、2−ヒドロキシエチルメタクリート、エチレング
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタク
リレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2
−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−メタ
クリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、トリフ
ルオロメチルメタクリレート等のアクリル酸及びメタク
リル酸エステル化合物;メチルチオメタクリレート、メ
チルチオアクリレート、フェニルチオメタクリレート、
ベンジルチオメタクリレート等のチオアクリル酸及びチ
オメタクリル酸エステル化合物;フマル酸モノメチル、
フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エ
ステル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタ
レート、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エ
ポキシコハク酸ジアリル、ジアリルマレート、アリルシ
ンナメート、アリルイソシアヌレート、クロレンド酸ジ
アリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボネー
ト、アリルジグリコールカーボネート等のアリル化合
物;スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、
ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、プロモ
スチレン、ジブロモスチレン等の芳香族ビニル化合物;
(メタ)アクリレート基を2つ以上有するウレタンアク
リレートまたはエポキシアクリレート等が挙げられる。
これらの単量体は1種又は2種以上混合して使用するこ
とができる。これらの単量体の使用は、目的に応じて選
択すればよく、その使用量もその目的に応じて選択すれ
ばよいが、これらの単量体は前記チオール化合物とビニ
ル単量体との重合性組成物100重量部に対して、0〜
500重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0016】本発明の重合性組成物の重合方法は特に限
定的でなく、公知の注型重合方法を採用できる。重合開
始手段は、種々の過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重
合開始剤の使用、又は紫外線、α線、β線、γ線等の照
射あるいは両者の併用によって行うことができる。代表
的な重合方法を例示すると、エラストマーガスケットま
たはスペーサーで保持されているモード間に、ラジカル
重合開始剤を含む前記の重合性組成物を注入し、空気炉
中で硬化させた後、取り出す注型重合が採用される。
【0017】ラジカル重合開始剤としては、特に限定さ
れず、公知のものが使用できるが、代表的なものを例示
すると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾ
イルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサネート、t−ブチルパーオキシネオデカネー
ト、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート等のパーオキシエステル;ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパ
ーオキシジカーボネート等のパーカーボネート類;アゾ
ビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物である。該ラジ
カル重合開始剤の使用量は、重合条件や開始剤の種類、
前記の重合性組成物の種類や組成によって異なり一概に
限定できないが、一般には、全単量体100重量部に対
して0.01〜5重量部の範囲で用いるのが好適であ
る。
【0018】重合条件のうち、特に温度は得られる樹脂
の性状に影響を与える。この温度条件は、開始剤の種類
と量や単量体の種類によって影響を受けるので、一概に
は限定できないが、一般的に比較的低温下で重合を開始
し、ゆっくりと温度をあげていき、重合終了時に高温下
に硬化させる所謂テーパ型の2段重合を行うのが好適で
ある。重合時間も温度と同様に各種の要因によって異な
るので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を決定す
るのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合が完結
するように条件を選ぶのが好ましい。
【0019】また、紫外線を用いた公知の光重合によっ
ても同様に注型重合が実施できる。この際には、光重合
開始剤としてベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノール、アセト
フェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ジエト
キシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、ベソジルメチルケター
ル、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオキ
サントン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、全
単量体100重量部に対して0.001〜5重量部の範
囲で用いるのが一般的である。
【0020】また、前記注型重合に際し、本発明のチオ
ール化合物とビニル化合物とからなる重合性組成物をあ
らかじめ一部又は全部を重合させ、液状のプレポリマー
を製造した後に、必要に応じてこのプレポリマーと共重
合可能な単量体を混合し、所定の注型重合を実施するこ
とも可能である。
【0021】勿論、前記重合に際し、離型剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、着色防止剤、帯電防止剤、ケイ光染
料、染料、顔料等の各種安定剤、香料等の添加剤は必要
に応じて選択して使用することが出来る。
【0022】さらに、上記の方法で得られる樹脂は、そ
の用途に応じて以下のような処理を施すこともできる。
即ち、分散染料等の染料を用いる染色、シランカップリ
ング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミニ
ウム等の酸化物のゾルを主成分とするハードコート剤
や、有機高分子体を主成分とするハードコート剤による
ハードコーティング処理や、SiO2、TiO2、ZrO
2等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機高分子体の薄膜の
塗布等による反射防止処理、帯電防止処理等の加工及び
2次処理を施すことも可能である。
【0023】
【効果】本発明によれば、チオール化合物中のメルカプ
ト基がビニル単量体中のビニルオキシ基又はビニルチオ
基との間にラジカル付加による高い反応性を示すため
に、完全な重合が進行し、得られる樹脂中にメルカプト
基が残存しにくく、均質な重合体を得ることができる。
さらに本発明により得られる樹脂は、高屈折率で無色透
明であり、アッベ数、表面硬度、染色性、耐衝撃性、耐
光性、切削研磨加工時の無臭性等にも優れている。従っ
て、本発明により得られる樹脂は有機ガラスとして有用
であり、例えば、メガネレンズ、光学機器レンズ等の光
学レンズに最適であり、その他、プリズム、光ディスク
基板、光ファイバー等の光学ガラスに好適に使用するこ
とができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために、実
施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0025】なお、実施例において得られた樹脂は、下
記の試験法によって諸物性を測定した。
【0026】(1)屈折率及びアッベ数 アタゴ(株)製、アッベ屈折計を用いて、20℃におけ
る屈折率を測定した。接触液にはブロモナフタリン又は
ヨウ化メチレンを使用した。
【0027】(2)硬度 ロックウェル硬度計を用い、厚さ2mmの試験片につい
てL−スケールでの値を測定した。
【0028】(3)外観 目視により判定した。
【0029】(4)染色性 分散染料(商品名:ビスタブラウン、服部セイコー
(株)製)を1lの水に2g分散させ加熱し、染色可能
なものを○、染色できないものを×で評価した。
【0030】(5)耐光性 スガ試験機(株)製ロングライフキセノンフェードメー
ター(FAC-25AX-HC型)中に試料、及び比較としてポリ
スチレンを設置し、100時間キセノン光を露光した
後、ポリスチレンよりも試料の着色の程度の低いものを
○、同等のものを△、高いものを×で評価した。
【0031】(6)耐衝撃性 厚さ2mm、直径65mmの試料板に127cmの高さ
から16gの鋼球を自然落下させ、該試料板が破損しな
い場合を○、破損した場合を×で評価した。
【0032】(7)臭気 東京光学機械(株)の玉摺機(TOPCON ALE−
60)を用いて、試料の王摺りを行った。ひどい悪臭の
するものを1、悪臭のするものを2、わずかに悪臭のす
るものを3、ほとんど悪臭のないものを4、全く無臭の
ものを5で評価した。
【0033】実施例1 表1に示す、チオール化合物とビニル単量体の混合物1
00重量部に対して、ラジカル重合開始剤として、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート1重量部を
添加してよく混合した。この混合溶液をガラス板とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体とから成るガスケットで構成
された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は空
気炉を用い、30℃から120℃まで24時間をかけ徐
々に昇温し、120℃で4時間保持した。重合終了後、
鋳型を空気炉から取り出し、放冷後、重合体を鋳型のガ
ラスから取り外した。
【0034】得られた重合体の物性は表1に示した。
【0035】比較例1,2 重合性組成物としてジエチレングリコールジメタクリレ
ートとペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロ
ピオネート)およびジビニルベンゼンとペンタエリスリ
トールテトラキス(β−チオプロピオネート)とからな
る混合物を用いた以外実施例1と同様に実施した。
【0036】得られた重合体の物性を表1に併記した。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2 表2に示すチオール化合物、ビニル単量体及び共重合可
能な第3単量体とから成る重合性組成物を用いた以外、
実施例1と同様に実施した。
【0039】得られた重合体の物性を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】なお、表1及び表2で用いた略号は以下の
通りである。
【0042】 PETP:ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオ
プロピオネート) PETG:ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリ
コレート) PMTG:トリメチロールプロパントリス(チオグリコ
レート) DMEB:1,4−ジ(2−メルカプトエチル)ベンゼ
ン TVME:1,1,1−トリ(ビニルチオメチル)エタ
ン BTVS:1,4−ベンゼンジチオールジビニルスルフ
ィド ETVS:1,2−エタンジチオールジビニルスルフィ
ド BVEB:1,4−ビス(2−ビニルチオエチル)ベン
ゼン BPDV:ビスフェノールAジビニルエーテル IPDV:イソフタル酸ジビニル ADV:アジピン酸ジビニル VETM:2−ビニルオキシエチルチオメタクリレート 1G:エチレングリコールジメタクリレート 2G:ジエチレングリコールジメタクリレート DVB:ジビニルベンゼン TMPM:トリメチロールプロパントリメタクリレート St:スチレン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一分子中に2個以上のメルカプト基を有す
    るチオール化合物と、一分子中にラジカル重合性基を2
    個以上有し、その内の少なくとも一つはビニルオキシ基
    又はビニルチオ基であるビニル単量体とからなり、チオ
    ール化合物中のメルカプト基の総数を1としたときにビ
    ニル単量体中のラジカル重合性基の総数が0.5〜20
    となるように配合してなる重合性組成物。
JP6605692A 1992-03-24 1992-03-24 重合性組成物 Pending JPH05271315A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011232677A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Shimadzu Corp レプリカ非球面光学素子
WO2015141195A1 (ja) * 2014-03-20 2015-09-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 複合光学素子及び複合光学素子用樹脂材料

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