JPH1114801A - 合成樹脂製レンズ - Google Patents

合成樹脂製レンズ

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JPH1114801A
JPH1114801A JP16385497A JP16385497A JPH1114801A JP H1114801 A JPH1114801 A JP H1114801A JP 16385497 A JP16385497 A JP 16385497A JP 16385497 A JP16385497 A JP 16385497A JP H1114801 A JPH1114801 A JP H1114801A
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JP
Japan
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synthetic resin
weight
reaction product
monomer
resin lens
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JP16385497A
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English (en)
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Tatsuya Oshikiri
達也 押切
Yasushi Koyaizu
康史 小柳津
Kenji Uno
憲治 宇野
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Seed Co Ltd
Original Assignee
Seed Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料の取扱いが容易で、高屈折率と低比重を
有し、なおかつ染色性、透明性などの光学的特性が良好
な合成樹脂製レンズを提供する。 【解決手段】 9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]フルオレンと水酸基を有する単量体
との重量比が、100:0〜20:80からなる混合物
における全水酸基の80〜100重量%が、ラジカル重
合性不飽和基を有するイソシアネート化合物中における
イソシアネート基の100重量%と反応した反応生成物
20〜80重量%と、その反応生成物と共重合可能な単
量体80〜20重量%とからなる組成物を共重合して得
られる共重合体からなり、屈折率1.58以上かつ比重
1.20以下である合成樹脂製レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製レンズ
に関し、更に詳しくは良好な光学的特性、機械的特性を
有する共重合体からなる軽量な合成樹脂製レンズに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、光学レンズ材料には種々の無
機ガラスや合成樹脂が使用されてきた。光学レンズ材料
には、さまざまな物性が求められるが、そのうち、高屈
折率と低比重を有することは極めて重要である。すなわ
ち、使用されるレンズが高屈折率と低比重を有するもの
であれば、例えば顕微鏡、写真機などの光学機器や眼鏡
において使用されるレンズの薄肉化、軽量化が可能とな
るからである。
【0003】そのため、近年の光学レンズ材料は、高屈
折率化、低比重化が進む傾向にあり、特に無機ガラスに
対して軽量である点で著しく有利である合成樹脂製レン
ズにおいては、特に低比重化が進んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】眼鏡用合成樹脂製レン
ズの材料として広く普及している「CR−39」と称さ
れるジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂
製レンズは、比重が1.31であり(20℃の値、以下
においても同じ。)、比較的高いものである。また、高
屈折率レンズの材料として使用されている、ハロゲン原
子を含んだ合成樹脂製レンズは(特開昭58−2811
7号公報、特開昭58−176691号公報)、比重が
1.3〜1.4程度であり、比較的高いものである。一
方、低比重の合成樹脂製レンズ材料としては、比重1.
02のポリスチレン、比重1.19のポリカーボネート
などが知られている。しかしながら、これらは実用上必
要とされている光学的特性を十分には有していないのが
現状である。
【0005】他方、耐熱性、機械強度などの諸物性に優
れた合成樹脂製レンズ材料として、架橋構造を有する共
重合体が紹介されており、例えば特開昭63−4621
3号公報、特開平2−270859号公報などに提案さ
れている含硫ウレタン系樹脂製レンズ材料が実用化され
ている。しかしながら、これらの合成樹脂製レンズ材料
は、2液型で取扱いが不便である、レンズ加工時に臭い
が発生する、染色性が低いなどの問題がある。
【0006】以上のように、従来の合成樹脂製レンズ材
料は、低比重化が十分に達成されていないか、あるいは
十分な光学的特性を有していない、取扱いが不便である
などの問題を有するのが現状である。従って、本発明の
目的は、材料の取扱いが容易で、高屈折率と低比重を有
し、なおかつ染色性、透明性などの光学的特性が良好な
合成樹脂製レンズを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】構造式(1)で表される
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]フルオレン(以下BPEFという)と水酸基を有す
る単量体との重量比が、100:0〜20:80からな
る組成物を調製し、その組成物中における全水酸基の8
0〜100重量%が、ラジカル重合性不飽和基を有する
イソシアネート化合物中におけるイソシアネート基の1
00重量%と反応した反応生成物20〜80重量%と、
その反応生成物と共重合可能な単量体80〜20重量%
とからなる組成物を共重合して得られる共重合体によっ
て、屈折率1.58以上かつ比重1.20以下であり、
なおかつ染色性、透明性などの光学的特性が良好で、取
扱いも便利な合成樹脂製レンズを得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、構造式(1)に示すよ
うなBPEFを必須成分として用いることにより、本発
明の特徴である屈折率1.58以上かつ比重1.20以
下である共重合体を得ることが可能となる。本発明で
は、まず第一にBPEFをラジカル重合可能な形にする
ために、ラジカル重合性不飽和基を含有するイソシアネ
ート化合物とBPEFとの反応を行う。このラジカル重
合性不飽和基を含有するイソシアネート化合物の例とし
ては、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル
イソシアネート(m−TMI)、メタクリロイルイソシ
アネート(MAI)、メタクリロイルオキシエチルイソ
シアネート(MOI)などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0009】また、このときにイソシアネート基と反応
する水酸基は、BPEFの有する水酸基のみである必要
はなく、種々の特性を付与するために、水酸基を有する
別の単量体を1種類、あるいは多種類同時に反応させる
こともできる。この、水酸基を有する別の単量体の例と
しては、トリベンジルフェノール(TBP)、ヒドロキ
シプロピルメタクリレート(HPMA)、ヒドロキシエ
チルメタクリレート(HEMA)、スチレン化フェノー
ル(SP)、フェネチルアルコール(PA)などが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。つまり、
水酸基を有するBPEFとその他の単量体との混合物
を、ラジカル重合性不飽和基を有するイソシアネート化
合物と反応させることによって、ラジカル重合可能な反
応生成物が得られることになる。このとき、BPEFと
水酸基を有するその他の単量体との割合は、重量比で1
00:0〜20:80でなければならず、好ましくは、
60:40〜40:60である。なぜならば、BPEF
が20重量%未満の場合には、光学レンズとして十分な
耐衝撃性と耐熱性を得ることが困難になるからである。
【0010】また、この反応を行う場合において、イソ
シアネート基と水酸基のモル比が、必ずしも1:1であ
る必要はない。例えば、構造式(1)のBPEFのよう
なジオールの場合には、二つの水酸基の中の一つでもイ
ソシアネート基と反応していれば、ラジカル重合可能な
形になるためである。しかしながら、水酸基が80重量
%未満しか反応していない場合には、光学レンズとして
十分な耐衝撃性と耐熱性を得ることが困難になるだけで
なく、BPEFが完全に溶解できないために、透明な光
学レンズが得られなくなる場合がある。よって、水酸基
を有するBPEFとその他の単量体との混合物中におけ
る全水酸基の少なくとも80重量%以上が、イソシアネ
ート基と反応していることが望ましい。つまり、この反
応で得られる反応生成物は、水酸基を含有するBPEF
とその他の単量体との混合物中の、全水酸基の80重量
%以上が、イソシアネート基100重量%と反応した反
応生成物である。
【0011】このときに生じるウレタン反応は、加温下
に無触媒で行うこともできるが、触媒を用いることによ
り加速させて行うことが好ましい。ここに、触媒として
は、ポリウレタン化学の分野において公知のものを用い
ることが可能であり、例としては、トリエチルアミンな
どの第三アミン系触媒、ジブチル錫ジラウリレートなど
の有機金属系触媒などが挙げられる。
【0012】本発明では、以上のようにして得られる反
応生成物の他に、その反応生成物と共重合可能な単量体
を、目的に応じて1種類、あるいは多種類混合すること
ができる。その例としては、ジビニルベンゼン(DV
B)、スチレン(St)、α−メチルスチレン(α−M
eSt)、2−メチルスチレン(2−MeSt)などの
芳香族ビニル化合物、2,2−ビス(4−メタクリロキ
シポリエトキシフェニル)プロパン(BPE500)な
どのメタクリル酸エステル、その他が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。このとき、上記のよう
にして得られる反応生成物と、その反応生成物と共重合
可能な単量体との重量比は、上記の反応生成物が80重
量%を超える場合には、混合物の粘度を低下させること
が困難になり、逆に、上記の反応生成物が20重量%未
満の場合には、光学レンズとして十分な耐衝撃性や耐熱
性を得ることが困難になるために、上記の反応生成物
と、その反応生成物と共重合可能な単量体との重量比
は、80:20〜20:80でなくてはならず、好まし
くは、60:40〜40:60である。
【0013】本発明の合成樹脂製レンズは、以上のよう
にして得られる組成物をラジカル重合することにより得
られるが、前記各成分を適当に組み合わせることによ
り、組成物の粘度を十分に低くして、流動性が十分に高
い状態にすることが可能であるために、例えば注型容器
内において一括して実行することが可能であり、従っ
て、容易かつ低コストで製造することができる。
【0014】注型容器を利用する注型重合法もしくは注
型反応法としては、周知の技術を利用することが可能で
あり、注型容器としては、板状、レンズ状、円筒状など
の用途に応じて設計された鋳型または型枠その他が使用
でき、その材質は、無機ガラス、プラスチック、金属な
どの任意なものを使用できる。
【0015】注型重合法によって本発明の合成樹脂製レ
ンズを得る場合には、注型容器内に上記各成分を重合開
始剤とともに投入して重合を行わせればよいが、この場
合、ウレタン反応とラジカル重合を同時に行わせてもよ
いし、また、最初にラジカル重合かウレタン反応の一方
を行わせた後に、ラジカル重合かウレタン反応の他方を
行わせることも可能である。ラジカル重合は、公知のラ
ジカル重合開始剤を用いて室温あるいは加温状態で行う
ことが可能であり、これにより、高分子量化された共重
合体を得ることができる。注型重合法の実施において
は、注型容器内に各成分を一括投入してもよいし、必要
に応じて、別の容器を用いてあらかじめラジカル重合か
ウレタン反応を行わせ、得られるプレポリマーまたはシ
ロップを注型容器内に投入して、ラジカル重合及びウレ
タン反応を完結させる様態によりレンズを得ることもで
きる。
【0016】また、各成分の混合物には、必要に応じて
着色剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、その他の補助資材を
含有させることも可能である。更に、得られた共重合体
の表面にハードコート剤、無反射コード、その他の表面
コートを施すことも可能である。
【0017】本発明の合成樹脂製レンズは、以上のよう
な共重合体であるということに特徴を有し、従って、注
型重合法以外にも、板材その他の共重合体を得てから削
り出す方法によっても製造することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により更に詳しく説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、得ら
れた諸物性の評価方法は以下のとおりである。
【0019】屈折率 10mm×20mm×3mmの試験片を作成し、アタゴ
社製「アッベ屈折率計1T」を用い、接触液にα−ブロ
モナフタリンを使用して室温(20℃)における屈折率
を測定した。
【0020】アッベ数 上記の屈折率測定と同様の測定装置、測定方法によりア
ッベ数を測定した。
【0021】比重 10mm×20mm×3mmの試験片を作成し、メトラ
ートレド社製「SGM−6」を用いて室温(20℃)に
おける比重を測定した。
【0022】染色性 純水1000mlに、服部セイコー社製のセイコープラ
ックスブラウン、及び助剤をそれぞれ1gづつ混合する
ことにより染色液を作成し、得られたレンズをその染色
液に92℃で10分間浸すことにより染色を行い、島津
製作所社製の紫外、可視分光光度計「UV−2200」
を用いて全光線透過率を測定して40%以下のものを良
好とした。
【0023】透明性 中心厚2.0mm、半径60mmの平板を作成してスガ
試験機社製「HGM−20P」を用いてヘーズを測定
し、ヘーズ0.3以下のものを良好とした。
【0024】実施例1 Stを38g、BPE 500を15g、MOIを17
g、BPEFを15g、TBPを15gを200ml三
角フラスコに測り取り、その調製物100gに対し、ウ
レタン重合開始剤ジブチル錫ジラウリレートを0.1g
と撹拌子を加え、55℃で3時間撹拌することにより水
酸基とイソシアネート基の予備重合を行い、その後にラ
ジカル重合開始剤のPB−ND(パーブチルND、日本
油脂社製)を1.0g加え、2枚のガラス板とガスケッ
トで構成された注型鋳型に注入して重合を行った。重合
は、熱風循環炉中にて45℃から100℃まで10時間
かけて徐々に昇温し、100℃で2時間保持した後に6
5℃まで徐々に冷却した。その後に注型鋳型から共重合
体を取り出して完成品を得た。
【0025】得られた共重合体は屈折率1.58以上か
つ比重1.2以下であり、無色透明で脈理や歪みのない
成形品が得られた(詳細は表1に記載)。
【0026】実施例2〜5、比較例1 表1に示した組成比で重合組成物を調製し、その調製物
100gに対してウレタン重合開始剤ジブチル錫ジラウ
リレートを0.1g加え、55℃で3時間撹拌すること
により水酸基とイソシアネート基の予備重合を行い、そ
の後にラジカル重合開始剤のPB−ND(パーブチルN
D、日本油脂社製)を1.0g加えて、2枚のガラス板
とガスケットで構成された注型鋳型に注入して重合を行
った。重合は、熱風循環炉中にて45℃から100℃ま
で10時間かけて徐々に昇温し、100℃で2時間保持
した後に65℃まで徐々に冷却した。その後に注型鋳型
から共重合体を取り出して完成品を得た。
【0027】得られた共重合体はそれぞれ表1に示すよ
うな物性値を得ることができた。実施例2〜5では、い
ずれも屈折率1.58以上かつ比重1.2以下であり、
無色透明で脈理や歪みのない成形品が得られた。比較例
1では、粘度が高いために重合時の作業性が悪く、ま
た、得られた成形品も耐熱性や耐衝撃性が不十分なだけ
でなく屈折率が1.58以下であり、高屈折率の成形品
は得られなかった。
【0028】
【表1】
【0029】BPEF :9,9−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン TBP :トリベンジルフェノール PA :フェネチルアルコール HPMA :ヒドロキシプロピルメタクリレート MOI :メタクリロイルオキシエチルイソシア
ネート MAI :メタクリロイルイソシアネート m−TMI :m−イソプロペニル−α,α−ジメチ
ルベンジルイソシアネート St :スチレン DVB :ジビニルベンゼン BPE 500:2,2ビス(4−メタクリロキシポリ
エトキシフェニル)プロパン
【0030】
【発明の効果】本発明の合成樹脂製レンズは、これまで
の高屈折率レンズの問題点であった染色性や取扱いの簡
便性などを改善しただけでなく、高屈折率と低比重を合
わせ持つという特徴を有するために、薄肉化と軽量化を
同時に可能とすることができる。従って、より薄く、よ
り軽い光学レンズを得ることが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(1)で表される9,9−ビ
    ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオ
    レンと水酸基を有する単量体との重量比が、100:0
    〜20:80からなる混合物における全水酸基の80〜
    100重量%が、ラジカル重合性不飽和基を有するイソ
    シアネート化合物中におけるイソシアネート基の100
    重量%と反応した反応生成物20〜80重量%と、その
    反応生成物と共重合可能な単量体80〜20重量%とか
    らなる組成物を共重合して得られる共重合体からなり、
    屈折率1.58以上かつ比重1.20以下であることを
    特徴とする合成樹脂製レンズ。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記共重合可能な単量体が、ジビニルベ
    ンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルス
    チレン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキ
    シフェニル)プロパンから選ばれる1種以上の単量体で
    ある請求項1記載の合成樹脂製レンズ。
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