JP2804840B2 - 重合体及びそれを用いた光学製品 - Google Patents
重合体及びそれを用いた光学製品Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた光学特性を有する重合体に関する。
更に詳しくは、本発明は、高屈折率、低分散で、光学特
性に優れており、特に眼鏡レンズ、カメラレンズ、プリ
ズム、情報記録媒体用基板等の光学製品に好ましく用い
られる重合体に関する。
更に詳しくは、本発明は、高屈折率、低分散で、光学特
性に優れており、特に眼鏡レンズ、カメラレンズ、プリ
ズム、情報記録媒体用基板等の光学製品に好ましく用い
られる重合体に関する。
プラスチックレンズはガラスレンズと比べると軽量で
割れにくく、染色が容易なため近年、眼鏡レンズ、カメ
ラレンズや光学素子に使用されている。プラスチックレ
ンズ材料としてはポリジエチレングリコールビスアリル
カーボネート(CR−39)やポリメチルメタルクリレート
(PMMA)が一般に用いられている。しかし、これらのプ
ラスチック材料の屈折率は1.50以下と低く、以下のよう
な問題を有していた。例えば、レンズ材料に用いた場
合、度数が強くなるとレンズの肉厚を厚くしなければな
らなくなり、軽量といったプラスチックの優位性が失わ
れてしまう。そればかりでなく、肉厚の厚い眼鏡用レン
ズは審美性が悪くなるという点でも好ましくなかった。
さらに、凹レンズの場合には、レンズの周囲の厚さが厚
くなり、複屈折や色収差が生じ、好ましくなかった。
割れにくく、染色が容易なため近年、眼鏡レンズ、カメ
ラレンズや光学素子に使用されている。プラスチックレ
ンズ材料としてはポリジエチレングリコールビスアリル
カーボネート(CR−39)やポリメチルメタルクリレート
(PMMA)が一般に用いられている。しかし、これらのプ
ラスチック材料の屈折率は1.50以下と低く、以下のよう
な問題を有していた。例えば、レンズ材料に用いた場
合、度数が強くなるとレンズの肉厚を厚くしなければな
らなくなり、軽量といったプラスチックの優位性が失わ
れてしまう。そればかりでなく、肉厚の厚い眼鏡用レン
ズは審美性が悪くなるという点でも好ましくなかった。
さらに、凹レンズの場合には、レンズの周囲の厚さが厚
くなり、複屈折や色収差が生じ、好ましくなかった。
そのため、比重の小さいプラスチックの特徴を生かし
つつ、レンズの厚さを薄くでき、かつ色収差の少ない高
屈折率、低分散プラスチックレンズ材料の提供が望まれ
ていた。
つつ、レンズの厚さを薄くでき、かつ色収差の少ない高
屈折率、低分散プラスチックレンズ材料の提供が望まれ
ていた。
高屈折率を与えるプラスチックレンズ材料としては、
特開昭62−276501号公報に、ナフタレン環を導入するこ
とにより屈折率が1.63以上となる材料が開示されてい
る。特開昭61−88201号公報には、カルバメート結合に
臭素化ビフェニルを導入することにより屈折率が1.60以
上となる材料が開示されている。特開昭64−26622号公
報には、S−カルバメート結合を導入することにより屈
折率が1.58以上となる材料が開示されている。特開昭62
−34101号公報には、臭素化ビスフェノールA骨格を導
入することにより屈折率が1.60以上となる材料が開示さ
れている。
特開昭62−276501号公報に、ナフタレン環を導入するこ
とにより屈折率が1.63以上となる材料が開示されてい
る。特開昭61−88201号公報には、カルバメート結合に
臭素化ビフェニルを導入することにより屈折率が1.60以
上となる材料が開示されている。特開昭64−26622号公
報には、S−カルバメート結合を導入することにより屈
折率が1.58以上となる材料が開示されている。特開昭62
−34101号公報には、臭素化ビスフェノールA骨格を導
入することにより屈折率が1.60以上となる材料が開示さ
れている。
日本化学会第59春季年会(1990年)講演予稿集I P539
には、屈折率(ND)が1.661〜1.656、アッベ数(υD)
が31.2〜32.2のジチアン環を含むポリチオールを用いた
プラスチック材料が記載されている。
には、屈折率(ND)が1.661〜1.656、アッベ数(υD)
が31.2〜32.2のジチアン環を含むポリチオールを用いた
プラスチック材料が記載されている。
しかしながら、前記特開昭62−276501号公報記載のプ
ラスチックレンズ材料は、脆く、耐衝撃性が劣るため、
レンズの厚さを肉薄にするというレンズとしての機械的
強度が満足されないという欠点があった。
ラスチックレンズ材料は、脆く、耐衝撃性が劣るため、
レンズの厚さを肉薄にするというレンズとしての機械的
強度が満足されないという欠点があった。
また、前記特開昭61−88201号公報、前記特開昭64−2
6622号公報記載のプラスチックレンズ材料は、耐衝撃性
に関する問題は、解消している。しかし、プラスチック
レンズ製造時に重合が不均一となり、脈理が発生しやす
く、この脈理により光学歪が発生するといった欠点があ
った。又、特開昭61−88201号公報記載のプラスチック
レンズ材料には、耐候性が悪く長期間使用すると黄変し
やすいという欠点もあった。
6622号公報記載のプラスチックレンズ材料は、耐衝撃性
に関する問題は、解消している。しかし、プラスチック
レンズ製造時に重合が不均一となり、脈理が発生しやす
く、この脈理により光学歪が発生するといった欠点があ
った。又、特開昭61−88201号公報記載のプラスチック
レンズ材料には、耐候性が悪く長期間使用すると黄変し
やすいという欠点もあった。
また、特開昭64−26622号公報記載のプラスチックレ
ンズ材料は耐熱性が悪く、これに反射防止用のハードコ
ート層を施すと、熱による表面のストレス緩和に伴いハ
ードコート層にクラックが入りやすいという欠点もあ
る。
ンズ材料は耐熱性が悪く、これに反射防止用のハードコ
ート層を施すと、熱による表面のストレス緩和に伴いハ
ードコート層にクラックが入りやすいという欠点もあ
る。
前記特開昭62−34101号公報記載のプラスチックレン
ズ材料も、耐候性が悪く、長期間使用すると黄変してく
るという欠点があった。
ズ材料も、耐候性が悪く、長期間使用すると黄変してく
るという欠点があった。
さらに、前記日本化学会第59春季年会(1990年)講演
予稿集に記載のプラスチック材料は、屈折率及びアッベ
数が高く、優れた光学特性を有するとともに耐衝撃性等
の物性の面でも優れたものである。
予稿集に記載のプラスチック材料は、屈折率及びアッベ
数が高く、優れた光学特性を有するとともに耐衝撃性等
の物性の面でも優れたものである。
しかし、例えば、高屈折率レンズを使用したメガネレ
ンズ等でも、より分散の小さい材料を必要とする場合が
あり、さらにアッベ数の高い材料の出現が望まれてい
る。
ンズ等でも、より分散の小さい材料を必要とする場合が
あり、さらにアッベ数の高い材料の出現が望まれてい
る。
そこで本発明の目的は、耐衝撃性、耐候性、耐熱性等
に優れ、かつ1.6前後の高い屈折率と40前後の高いアッ
ベ数を有する光学製品用として有用な重合体を提供する
ことにある。
に優れ、かつ1.6前後の高い屈折率と40前後の高いアッ
ベ数を有する光学製品用として有用な重合体を提供する
ことにある。
さらに本発明は、光学歪を有さない高屈折率、高アッ
ベ数の重合体を提供することを目的とする。
ベ数の重合体を提供することを目的とする。
さらに、本発明の目的は、上記重合体を光学材料とし
て用いたレンズ、プリズム、導波路等の光学製品、及び
これら光学製品を用いた製品、例えば上記重合体からな
るメガネレンズとメガネフレームとからなるメガネを提
供することである。
て用いたレンズ、プリズム、導波路等の光学製品、及び
これら光学製品を用いた製品、例えば上記重合体からな
るメガネレンズとメガネフレームとからなるメガネを提
供することである。
本発明は、1種又は2種以上の下記一般式〔1〕: (式中、nは1〜4の整数であり、R1は水素原子又はメ
チル基であり、R2は水素原子又はメチル基である) で示される単位30〜100重量%及び1種又は2種以上の
式 R3 (式中、R3はラジカル重合性モノマー由来の残基を示
す)で示される単位0〜70重量%からなり、屈折率が1.
55以上であり、かつアッベ数35以上である重合体に関す
る。
チル基であり、R2は水素原子又はメチル基である) で示される単位30〜100重量%及び1種又は2種以上の
式 R3 (式中、R3はラジカル重合性モノマー由来の残基を示
す)で示される単位0〜70重量%からなり、屈折率が1.
55以上であり、かつアッベ数35以上である重合体に関す
る。
さらには、本発明は、上記一般式〔1〕で示される単
位を1種又は2種以上含有する光学製品用重合体に関す
る。
位を1種又は2種以上含有する光学製品用重合体に関す
る。
以下本発明をさらに詳細に説明する。
一般式〔1〕で示される単位においてnは1〜4、好
ましくは1〜2の整数であり、nが5以上では重合体の
屈折率及び耐熱性が低下して好ましくない。
ましくは1〜2の整数であり、nが5以上では重合体の
屈折率及び耐熱性が低下して好ましくない。
本発明の重合体は、一般式〔1〕の単位の1種のみか
らなるホモポリマーであるか、一般式〔1〕の単位の2
種以上からなるコポリマーであるか、あるいは一般式
〔1〕の単位の1種又は2種以上及びその他のラジカル
重合性モノマーに由来する単位R3の1種又は2種以
上からなるコポリマーである。
らなるホモポリマーであるか、一般式〔1〕の単位の2
種以上からなるコポリマーであるか、あるいは一般式
〔1〕の単位の1種又は2種以上及びその他のラジカル
重合性モノマーに由来する単位R3の1種又は2種以
上からなるコポリマーである。
重合体中の一般式〔1〕で示される単位の量は、30〜
100重量%、好ましくは40〜100重量%とすることが適当
である。30重量%未満では、屈折率、強度、耐熱性など
が不十分となるからである。共重合成分〔R3〕として用
いられるラジカル重合性モノマーとしては、単官能性モ
ノマー、多官能性モノマー、マクロモノマー等が挙げら
れる。特に、それらの単独重合体の屈折率が1.48以上で
あるものが望ましい。具体的には、2,3−ジブロモプロ
ピル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、クロロフェニル
(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)ア
クリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシメチルチ
オフェン、2−トリシクロ〔5,2,02.6〕−3,4−ジブロ
モデシルチオエチル(メタ)アクリレート、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(メ
タ)アクリロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4
−(メタ)アクリロキシフェニル〕スルフォン、メチル
チオ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−アリルオ
キシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、スチレン、ク
ロロスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、
エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)
アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
100重量%、好ましくは40〜100重量%とすることが適当
である。30重量%未満では、屈折率、強度、耐熱性など
が不十分となるからである。共重合成分〔R3〕として用
いられるラジカル重合性モノマーとしては、単官能性モ
ノマー、多官能性モノマー、マクロモノマー等が挙げら
れる。特に、それらの単独重合体の屈折率が1.48以上で
あるものが望ましい。具体的には、2,3−ジブロモプロ
ピル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、クロロフェニル
(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)ア
クリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシメチルチ
オフェン、2−トリシクロ〔5,2,02.6〕−3,4−ジブロ
モデシルチオエチル(メタ)アクリレート、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(メ
タ)アクリロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4
−(メタ)アクリロキシフェニル〕スルフォン、メチル
チオ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−アリルオ
キシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、スチレン、ク
ロロスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、
エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)
アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
本発明の重合体は、下記一般式〔2〕で示される二官
能(メタ)アクリレート化合物を、必要により上記ラジ
カル重合性モノマーとともにラジカル重合させることに
より得ることができる。
能(メタ)アクリレート化合物を、必要により上記ラジ
カル重合性モノマーとともにラジカル重合させることに
より得ることができる。
(式中、nは1〜4の整数であり、R1は水素原子又はメ
チル基であり、R2Hは水素原子又はメチル基である) 一般式〔2〕で示される二官能(メタ)アクリレート
化合物としては、例えば 等を挙げることができる。但し、これらに限定されるも
のではない。
チル基であり、R2Hは水素原子又はメチル基である) 一般式〔2〕で示される二官能(メタ)アクリレート
化合物としては、例えば 等を挙げることができる。但し、これらに限定されるも
のではない。
尚、一般式〔2〕で示されるアクリレート化合物は以
下の反応に従って合成できる。
下の反応に従って合成できる。
即ち、一般式〔3〕で示されれる1,4−ジチアン化合
物を2当量以上の一般式〔4〕の酸クロライドとトリエ
チルアミン(Et3N)等の塩基の存在下反応させて一般式
〔2〕の化合物を得ることがきる。反応条件は原料化合
物の反応性等により適宜選ぶことができ、例えば前記化
合物(T−2)の場合には10〜−10℃、好ましくは約0
℃で1〜10時間反応させることにより目的とする化合物
を合成できる。
物を2当量以上の一般式〔4〕の酸クロライドとトリエ
チルアミン(Et3N)等の塩基の存在下反応させて一般式
〔2〕の化合物を得ることがきる。反応条件は原料化合
物の反応性等により適宜選ぶことができ、例えば前記化
合物(T−2)の場合には10〜−10℃、好ましくは約0
℃で1〜10時間反応させることにより目的とする化合物
を合成できる。
本発明の重合体を与える上記一般式〔2〕の化合物
(モノマー)は、エステルが残基として脂環式スルフィ
ドである1,4−ジチアン環が導入されていることを特徴
としている。この1,4−ジチアン環は、モノマー化合物
自体の屈折率及びアッベ数を高め、このモノマー化合物
を用いて製造した重合体の屈折率及びアッベ数をも高め
る。またこのモノマー化合物中の1,4−ジチアン環は剛
直であるため、このモノマー化合物を用いて製造した重
合体に高耐熱性、優れた機械的物性、優れた耐候性を与
える。
(モノマー)は、エステルが残基として脂環式スルフィ
ドである1,4−ジチアン環が導入されていることを特徴
としている。この1,4−ジチアン環は、モノマー化合物
自体の屈折率及びアッベ数を高め、このモノマー化合物
を用いて製造した重合体の屈折率及びアッベ数をも高め
る。またこのモノマー化合物中の1,4−ジチアン環は剛
直であるため、このモノマー化合物を用いて製造した重
合体に高耐熱性、優れた機械的物性、優れた耐候性を与
える。
本発明の重合体は、一般式〔2〕で示されるモノマー
の1種又は2種以上に必要に応じて前記ラジカル重合性
モノマーを混合させたモノマー組成物100重量部に0.01
〜10重量部の重合開始剤を加え均一に溶解させた後、例
えば所定の形状のガラス製モールドに注入し、加熱もし
くは紫外線照射することにより重合を行なって得られ
る。重合開始剤としては、加熱もしくは紫外線照射によ
りラジカルを発生するものであれば特に制限なく使用で
きる。加熱により重合を行なう場合は、アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、過酸
化ベンゾイル等を重合開始剤として用い、重合温度は0
〜150℃、重合時間は0.5〜72時間とすることが好まし
い。また、紫外線照射により重合を行なう場合は、2,
2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフ
ェノン、ベンジルジメチルケタール等を重合開始剤とし
て用いられ、照射強度は0.1〜100mW/cm2、照射時間は1
分〜10時間とすることが好ましい。
の1種又は2種以上に必要に応じて前記ラジカル重合性
モノマーを混合させたモノマー組成物100重量部に0.01
〜10重量部の重合開始剤を加え均一に溶解させた後、例
えば所定の形状のガラス製モールドに注入し、加熱もし
くは紫外線照射することにより重合を行なって得られ
る。重合開始剤としては、加熱もしくは紫外線照射によ
りラジカルを発生するものであれば特に制限なく使用で
きる。加熱により重合を行なう場合は、アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、過酸
化ベンゾイル等を重合開始剤として用い、重合温度は0
〜150℃、重合時間は0.5〜72時間とすることが好まし
い。また、紫外線照射により重合を行なう場合は、2,
2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフ
ェノン、ベンジルジメチルケタール等を重合開始剤とし
て用いられ、照射強度は0.1〜100mW/cm2、照射時間は1
分〜10時間とすることが好ましい。
尚、上記のようにして得られる本発明の重合体は、共
重合体の場合には、一般にはランダム共重合体である。
重合体の場合には、一般にはランダム共重合体である。
また、本発明の重合体は、必要に応じて添加剤、例え
ば紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤などを含んでいて
もよい。
ば紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤などを含んでいて
もよい。
本発明の重合体は、高い屈折率、例えば1.55以上、好
ましくは1.57、より好ましくは1.60以上の屈折率(nD)
を有する。又、分散も低く、アッベ数(υD)は35以
上、好ましくは39以上、より好ましくは40以上である。
ましくは1.57、より好ましくは1.60以上の屈折率(nD)
を有する。又、分散も低く、アッベ数(υD)は35以
上、好ましくは39以上、より好ましくは40以上である。
本発明の重合体は、高屈折率及び低分散であり、かつ
耐衝撃性、耐候性、耐熱性に優れ光学歪もないことか
ら、種々の光学製品の材料として用いることができる。
例えば本発明の重合体により、レンズ、特に眼鏡レン
ズ、カメラレンズ、プリズム、導波路、光ファイバー、
情報記録媒体用基板等を提供することができる。本発明
の重合体からなる眼鏡レンズとフレームから構成される
メガネは、そのレンズが優れた光学特性及び物理特性を
有することから、度数が弱い場合は勿論のこと度数が強
い場合でも軽量でしかも審美的にも優れたものである。
耐衝撃性、耐候性、耐熱性に優れ光学歪もないことか
ら、種々の光学製品の材料として用いることができる。
例えば本発明の重合体により、レンズ、特に眼鏡レン
ズ、カメラレンズ、プリズム、導波路、光ファイバー、
情報記録媒体用基板等を提供することができる。本発明
の重合体からなる眼鏡レンズとフレームから構成される
メガネは、そのレンズが優れた光学特性及び物理特性を
有することから、度数が弱い場合は勿論のこと度数が強
い場合でも軽量でしかも審美的にも優れたものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(物性の評価) 実施例及び比較例において得られた重合体の物性評価
は以下の様にして行なった。
は以下の様にして行なった。
屈折率(nD)とアッベ数(υD): アタゴ社製アッベ屈折率計3Tを用いて20℃にて測定し
た。
た。
外 観: 肉眼により観察した 耐候性: サンシャインカーボンアークランプを装備したウエザ
ーメーターにレンズをセットし200時間経過したところ
レンズを取り出し、試験前のレンズと色相を比較した。
評価基準は変化なし、(○)、わずかに黄変(△)、黄
変(×)とした。
ーメーターにレンズをセットし200時間経過したところ
レンズを取り出し、試験前のレンズと色相を比較した。
評価基準は変化なし、(○)、わずかに黄変(△)、黄
変(×)とした。
耐熱性: リガク社製TMA装置により0.5mmφのピンを用いて10gf
の荷重でTMA測定を行ない、得られたチャートのピーク
温度により評価した。
の荷重でTMA測定を行ない、得られたチャートのピーク
温度により評価した。
光学歪: シュリーレン法による目視観察を行なった。歪の無い
ものを○、歪みのあるものを×とした。
ものを○、歪みのあるものを×とした。
耐衝撃性: 中心厚2mmのレンズについてFDA規格に従いテストし
た。合格したものを○、そうでないものを×とした。
た。合格したものを○、そうでないものを×とした。
(実施例1) 2,5−ビス(アクリロイルオキシエチルチオメチル)
−1,4−ジチアン(表1中でT−1と表示:一般式
〔2〕において、n=2、R1=水素、R2=水素)100重
量部とアゾビスジメチルバレロニトリル0.5重量部との
混合物を上型と下型及びガスケットによって構成される
レンズ成形型に注入し、50℃で10時間、その後60℃で5
時間、さらに120℃で3時間加熱し重合させプラスチッ
クレンズを得た。得られたプラスチックレンズの諸物性
を表1に示す。
−1,4−ジチアン(表1中でT−1と表示:一般式
〔2〕において、n=2、R1=水素、R2=水素)100重
量部とアゾビスジメチルバレロニトリル0.5重量部との
混合物を上型と下型及びガスケットによって構成される
レンズ成形型に注入し、50℃で10時間、その後60℃で5
時間、さらに120℃で3時間加熱し重合させプラスチッ
クレンズを得た。得られたプラスチックレンズの諸物性
を表1に示す。
表1から、本実施例1のプラスチックレンズは無色透
明であり、屈折率は1.62と高く、アッベ数も40と高いも
のであり、耐候性、耐衝撃性、耐熱性(114℃)に優
れ、光学歪も無いものであった。
明であり、屈折率は1.62と高く、アッベ数も40と高いも
のであり、耐候性、耐衝撃性、耐熱性(114℃)に優
れ、光学歪も無いものであった。
(実施例2〜10) 表1に示したモノマー組成物を使用した以外は実施例
1と同様の操作を行ない、プラスチックレンズを得た。
これらのプラスチックレンズの諸物性を実施例1のプラ
スチックレンズの諸物性と共に表1に示した。表1か
ら、本実施例2〜10のプラスチックレンズは無色透明で
あり、屈折率は1.57〜1.62と高く、アッベ数も39〜45と
高いものであり、耐候性、耐衝撃性、耐熱性(111〜129
℃)に優れ、光学歪も無いものであった。
1と同様の操作を行ない、プラスチックレンズを得た。
これらのプラスチックレンズの諸物性を実施例1のプラ
スチックレンズの諸物性と共に表1に示した。表1か
ら、本実施例2〜10のプラスチックレンズは無色透明で
あり、屈折率は1.57〜1.62と高く、アッベ数も39〜45と
高いものであり、耐候性、耐衝撃性、耐熱性(111〜129
℃)に優れ、光学歪も無いものであった。
(比較例1) m−キシリレンジイソシアネート43.5重量部とペンタ
エリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネー
ト)56.5重量部とジブチルスズジラウレート0.05重量部
との均一混合物をレンズ成形型に注入し、50℃で10時
間、その後60℃で5時間、さらに120℃で3時間加熱し
重合させプラスチックレンズを得た。得られたプラスチ
ックレンズの諸物性を表1に示す。
エリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネー
ト)56.5重量部とジブチルスズジラウレート0.05重量部
との均一混合物をレンズ成形型に注入し、50℃で10時
間、その後60℃で5時間、さらに120℃で3時間加熱し
重合させプラスチックレンズを得た。得られたプラスチ
ックレンズの諸物性を表1に示す。
表1から、本比較例1のプラスチックレンズは無色透
明で耐衝撃性に優れているものの耐熱温度が86℃と低く
光学歪も観測された。
明で耐衝撃性に優れているものの耐熱温度が86℃と低く
光学歪も観測された。
(比較例2、3) 表1に示したモノマー組成物を使用した以外は実施例
1と同様の操作を行ない、プラスチックレンズを得た。
これらのプラスチックレンズの諸物性を比較例1のプラ
スチックレンズの諸物性と共に表1を示した。
1と同様の操作を行ない、プラスチックレンズを得た。
これらのプラスチックレンズの諸物性を比較例1のプラ
スチックレンズの諸物性と共に表1を示した。
表1から比較例2のプラスチックレンズは光学歪はな
く、耐衝撃性に優れているものの淡黄色であり、耐候性
に劣るものであった。また、比較例3のプラスチックレ
ンズは無色透明で光学歪はないが、耐候性、耐衝撃性に
劣るものであった。
く、耐衝撃性に優れているものの淡黄色であり、耐候性
に劣るものであった。また、比較例3のプラスチックレ
ンズは無色透明で光学歪はないが、耐候性、耐衝撃性に
劣るものであった。
BZMA;ベンジルメタクリレート V−65;アゾビスジメチルバレロニトリル XDI;m−キシリレンジイソシアナート PTMP;ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプ
ロピオネート) PIN;ポリイソプロペニルナフタレン DVB;ジビニルベンゼン Br3PMA;2,4,6−トリブロモフェニルメタクリレート DBTDL;ジブチルスズジラウレート LPO;ラウロイルパーオキシ 合成例1(化合物T−2の合成) 500mlの三ツ口フラスコに2,5−ビス(ヒドロキシエチ
ルチオメチル)−1,4−ジチアン16.2g、テトラヒドロフ
ラン200ml、トリエチルアミン10.9g、ヒドロキノンモノ
メチルエーテル50mgを仕込み、0℃で撹拌しながら、メ
タクリル酸クロライド11.3gを30分間で滴下した。滴下
終了後、更に同温度で3時間撹拌を続けた後、生成した
トリエチルアミン塩酸塩をろ過した。テトラヒドロフラ
ンを留去し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィにより、2,5−ビス(メタクリロイルオ
キシエチルチオメチル)−1,4−ジアチン(化合物T−
2)19.1gを得た。尚、生成物は機器分析により固定し
た。
ロピオネート) PIN;ポリイソプロペニルナフタレン DVB;ジビニルベンゼン Br3PMA;2,4,6−トリブロモフェニルメタクリレート DBTDL;ジブチルスズジラウレート LPO;ラウロイルパーオキシ 合成例1(化合物T−2の合成) 500mlの三ツ口フラスコに2,5−ビス(ヒドロキシエチ
ルチオメチル)−1,4−ジチアン16.2g、テトラヒドロフ
ラン200ml、トリエチルアミン10.9g、ヒドロキノンモノ
メチルエーテル50mgを仕込み、0℃で撹拌しながら、メ
タクリル酸クロライド11.3gを30分間で滴下した。滴下
終了後、更に同温度で3時間撹拌を続けた後、生成した
トリエチルアミン塩酸塩をろ過した。テトラヒドロフラ
ンを留去し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィにより、2,5−ビス(メタクリロイルオ
キシエチルチオメチル)−1,4−ジアチン(化合物T−
2)19.1gを得た。尚、生成物は機器分析により固定し
た。
合成例2〜4(化合物T−1、T−3、T−4の合成) 合成原料としてアクリル酸クロライド及び/又は2,5
−ビス(ヒドロキシエチオメチル)−2,5−ジメチル1,4
−ジチアンを用い、合成例1と同様にして化合物T−
1、T−3及びT−4を合成した。
−ビス(ヒドロキシエチオメチル)−2,5−ジメチル1,4
−ジチアンを用い、合成例1と同様にして化合物T−
1、T−3及びT−4を合成した。
上記の実施例及び比較例からも明らかなように、本発
明の重合体は、無色透明で高屈折率、低分散(高アッベ
数)であり、かつ耐衝撃性、耐候性、耐熱性に優れてお
り、さらに光学歪もなく、光学製品用として総合的に優
れた性能を有し、眼鏡レンズ、カメラレンズ、プリズ
ム、導波路、光ファイバー、情報記録媒体用基板等に好
ましく用いることができる。
明の重合体は、無色透明で高屈折率、低分散(高アッベ
数)であり、かつ耐衝撃性、耐候性、耐熱性に優れてお
り、さらに光学歪もなく、光学製品用として総合的に優
れた性能を有し、眼鏡レンズ、カメラレンズ、プリズ
ム、導波路、光ファイバー、情報記録媒体用基板等に好
ましく用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 20/00 - 20/40 C08F 120/00 - 120/40 C08F 220/00 - 220/40 CAS ONLINE
Claims (4)
- 【請求項1】1種又は2種以上の下記一般式〔1〕: (式中、nは1〜4の整数であり、R1は水素原子又はメ
チル基であり、R2は水素原子又はメチル基である) で示される単位30〜100重量%及び1種又は2種以上の
式 R3 (式中、R3はラジカル重合性モノマー由来の残基を示
す) で示される単位0〜70重量%からなり、屈折率が1.55以
上であり、かつアッベ数35以上である重合体。 - 【請求項2】請求項(1)記載の一般式〔1〕で示され
る単位を1種又は2種以上含有する光学製品用重合体。 - 【請求項3】光学製品がレンズである請求項(2)記載
の重合体。 - 【請求項4】請求項(1)又は(2)に記載の重合体か
らなるレンズとメガネフレームとからなるメガネ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28782090A JP2804840B2 (ja) | 1990-10-25 | 1990-10-25 | 重合体及びそれを用いた光学製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28782090A JP2804840B2 (ja) | 1990-10-25 | 1990-10-25 | 重合体及びそれを用いた光学製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04161410A JPH04161410A (ja) | 1992-06-04 |
JP2804840B2 true JP2804840B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=17722190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28782090A Expired - Lifetime JP2804840B2 (ja) | 1990-10-25 | 1990-10-25 | 重合体及びそれを用いた光学製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2804840B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8349536B2 (en) | 2008-05-29 | 2013-01-08 | Fujitsu Limited | Dithiane derivative, polymer, resist composition, and method for manufacturing semiconductor device using such resist composition |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5916987A (en) * | 1996-05-29 | 1999-06-29 | Mitsui Chemicals, Inc. | Thiol and Sulfur-containing O-(meth) acrylate compounds and use thereof |
US6458908B1 (en) * | 1999-06-01 | 2002-10-01 | Mitsui Chemicals, Inc. | Sulfur-containing unsaturated carboxylate compound and its cured products |
JP2001064278A (ja) | 1999-08-26 | 2001-03-13 | Tokuyama Corp | 含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体 |
-
1990
- 1990-10-25 JP JP28782090A patent/JP2804840B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8349536B2 (en) | 2008-05-29 | 2013-01-08 | Fujitsu Limited | Dithiane derivative, polymer, resist composition, and method for manufacturing semiconductor device using such resist composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04161410A (ja) | 1992-06-04 |
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