JP2001064278A - 含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体 - Google Patents

含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体

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JP2001064278A
JP2001064278A JP24003599A JP24003599A JP2001064278A JP 2001064278 A JP2001064278 A JP 2001064278A JP 24003599 A JP24003599 A JP 24003599A JP 24003599 A JP24003599 A JP 24003599A JP 2001064278 A JP2001064278 A JP 2001064278A
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Tadashi Hara
忠司 原
Rikihiro Mori
力宏 森
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D339/00Heterocyclic compounds containing rings having two sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D339/08Six-membered rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F222/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
    • C08F222/10Esters
    • C08F222/1006Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols
    • C08F222/102Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols of dialcohols, e.g. ethylene glycol di(meth)acrylate or 1,4-butanediol dimethacrylate
    • C08F222/1025Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols of dialcohols, e.g. ethylene glycol di(meth)acrylate or 1,4-butanediol dimethacrylate of aromatic dialcohols
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率およびアッベ数が高く、耐光性に優れ
た硬化体を与え、さらにそれ自体の保存安定性が優れた
重合性単量体を提供する。 【解決手段】 分子内にジチアン環、チオエーテル結
合、及びエステル結合を有する、例えば下記構造式 【化1】 で示されるような、2官能の含硫黄(メタ)アクリレー
ト系重合性単量体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性樹脂、特に
眼鏡用プラスチックレンズ等の光学材料の製造原料に適
した単量体に関する。詳しくは、特に高屈折率、高アッ
ベ数であり、耐光性に優れ、成型加工時に悪臭の少ない
透明性樹脂の製造に好適であり、さらに保存安定性に優
れた含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、無機ガラスに代わる有機ガラスに
ついては種々研究されているが、欠点も多く、まだ十分
に満足しうる性状のものは得られていない。例えばメチ
ルメタクリレートやジエチレングリコールビス(アリル
カーボネート)を主成分とする単量体を重合した硬化体
は、光学材料やレンズとして使用されているが、その屈
折率は約1.50と低い。
【0003】近年、屈折率を高めるため、硫黄原子を分
子構造中に導入することが種々検討されている。例えば
特開平1−128966号公報には、スルフィド構造を
有する(メタ)アクリレート系重合性単量体が開示され
ている。また、特開平4−161410号公報にはジチ
アン環を有する(メタ)アクリレート系重合性単量体を
重合硬化させてなる重合体が開示されている。これらの
重合性単量体を重合硬化して得られた硬化体の屈折率は
約1.57〜1.61と従来の硬化体に比べ改良されて
いるものの、十分とは言い難い。
【0004】さらに、特開平4−161411号公報に
はジチアン環を有するチオ(メタ)アクリレート系重合
性単量体を重合硬化させてなる重合体が開示されてい
る。この硬化体は屈折率が1.60〜1.65とかなり
高くなっているものの、耐光性が悪く、さらには成型加
工時に悪臭を放つといった問題があった。また、チオ
(メタ)アクリレート系重合性単量体は保存中にゲル化
しやすいといった問題がある。
【0005】また、特開平8−12669号公報にはジ
チアン環を有する芳香族ビニル化合物が開示されてい
る。この化合物を重合硬化させてなる硬化体は、屈折率
は1.66と高いもののアッベ数は31であり、アッベ
数の向上が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
光学材料用重合性単量体の問題点を解決し、硬化体の屈
折率及びアッベ数が高く、耐光性に優れ、さらに成型加
工時の臭気が少ない重合性単量体であって、さらにそれ
自体の保存安定性が優れた重合性単量体を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討を行った結果、ジチアン環を有
する特定の(メタ)アクリレート系重合性単量体が前記
の要求物性を満たす単量体であることを見いだし、本発
明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、R1及びR2は、互いに独立に、置
換基を有してもよい炭素数2〜4(但し、置換基の炭素
数は含まない。)のアルキレン基または置換基を有して
もよい炭素数6〜12(但し、置換基の炭素数は含まな
い。)のアリーレン基であり、R3は下記式
【0011】
【化5】
【0012】{式中、R6は置換基を有してもよい炭素
数2〜4(但し、置換基の炭素数は含まない。)のアル
キレン基、置換基を有してもよい炭素数6〜12(但
し、置換基の炭素数は含まない。)のアリーレン基、置
換基を有してもよい芳香族複素環基、または下記式
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R7、R8,R9及びR10は、互い
に独立に、フッ素原子を除くハロゲン原子または水素原
子であり、R11は炭素数1〜3のアルキレン基または硫
黄原子である。)であり、qは0〜4の整数である。}
で示される基であり、R4及びR5は、互いに独立に水素
原子またはメチル基であり、pは0〜6の整数であり、
pが0の時は、m及びnは互いに独立に2〜6の整数で
あり、pが0以外の時は、m及びnは互いに独立に1〜
6の整数である。〕で示される含硫黄(メタ)アクリレ
ート系重合性単量体である。
【0015】また、他の本発明は、上記の含硫黄(メ
タ)アクリレート系重合性単量体を含んでなる重合性組
成物を重合硬化させた硬化体からなることを特徴とする
光学材料である。
【0016】
【発明の実施形態】前記一般式(1)において、R1
よびR2は互いに独立に置換基を有してもよい炭素数2
〜4のアルキレン基、または置換基を有してもよい炭素
数6〜12のアリーレン基である。但し、上記炭素数に
は置換基の炭素数は含まれない。
【0017】上記炭素数2〜4のアルキレン基のうち置
換基を有さないものとしては、具体的にはエチレン基、
プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基等を挙げ
ることができる。この中でも、特に、得られる硬化体の
高屈折率化の観点から、エチレン基が好ましい。また、
上記炭素数6〜12のアリーレン基のうち置換基を有さ
ないものとしては、具体的にはフェニレン基、トリレン
基、キシリレン基、ナフチレン基等を挙げることができ
る。
【0018】また、これらのアルキレン基やアリーレン
基が置換基を有する場合の置換基としては公知の基が何
ら制限無く用いられるが、アルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、芳香族複
素環基、フッ素を除くハロゲン原子等が好ましい。以
下、これら置換基について説明する。前記置換基として
のアルキル基としては、公知の基が何ら制限無く用いら
れるが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアル
キル基が好ましい。
【0019】前記置換基としてのアリール基としては、
公知の基が何ら制限無く用いられるが、フェニル基、ト
リル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基が
好ましい。
【0020】前記置換基としてのアラルキル基として
は、公知の基が何ら制限無く用いることができるが、ベ
ンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜11のアラルキ
ル基が好ましい。
【0021】前記置換基としてのアルコキシ基として
は、公知の基が何ら制限無く用いられるが、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキ
シ基が好ましい。
【0022】前記置換基としてのアルキルチオ基として
は、公知の基が何ら制限無く用いられるが、メチルチオ
基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ
基、ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等の炭素数1〜4
のアルキルチオ基が好ましい。
【0023】前記置換基としての芳香族複素環基として
は、公知の基が何ら制限無く用いられるが、チエニル
基、フリル基、ベンゾチエニル基等の炭素数4〜10の
芳香族複素環基が好ましい。
【0024】前記置換基としてのフッ素を除くハロゲン
原子としては塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、得ら
れる硬化体の屈折率や耐光性の観点から臭素が好まし
く、しかもアリーレン基に置換した臭素がより好ましい
(即ち、R1およびR2としては、臭素置換のアリーレン
基が好ましい)。
【0025】これら置換基の置換数は1又は2以上であ
るが、屈折率の観点から4以下であるのが好適である。
また、置換基の数が2以上の時は、それぞれ異なる置換
基が置換してもよい。
【0026】前記一般式(1)中のR3は下記式で表さ
れる基である。
【0027】
【化7】
【0028】上記式において、(−R6−S−)のユニ
ット数を表すqは、0〜4の整数である。該qとして
は、得られる硬化体の耐熱性の観点から0〜2の整数が
好ましい。なお、qが0のときは単なる結合手を表す。
【0029】また、上記ユニット中のR6は、置換基を
有してもよい炭素数2〜4(但し、置換基の炭素数は含
まない。)のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素
数6〜12(但し、置換基の炭素数は含まない。)のア
リーレン基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、ま
たは下記式で示される基である。
【0030】
【化8】
【0031】但し、上記式中のR7、R8、R9、および
10は、互いに独立に、フッ素原子を除くハロゲン原子
または水素原子であるが、屈折率や耐光性の観点から、
全てが臭素原子であるのが好ましい。また、同式中のR
11は、炭素数1〜3のアルキレン基または硫黄原子であ
る。具体的な該アルキレン基としては、メチレン基、エ
チレン基、プロピレン基を挙げることができる。R11
ついては、得られる硬化体の屈折率の高さや原料の入手
しやすさの観点からは硫黄原子であるのが好ましく、耐
光性の観点からはアルキレン基であるのが好ましい。
【0032】前記R6としての置換基を有していてもよ
いアルキレン基、及び置換基を有していてもよいアリー
レン基としては、R1及びR2の説明で前記したものと同
じものを挙げることができるが、屈折率、アッベ数のバ
ランスの観点から、エチレン基、イソプロピレン基、又
はフェニレン基が好適であり、中でもエチレン基、又は
イソプロピレン基が特に好適である。
【0033】また、前記R6としての置換基を有してい
てもよい芳香族複素環基としては、公知の基が何ら制限
無く用いられるが、チエニル基、フリル基、ベンゾチエ
ニル基等の炭素数4〜10の芳香族複素環基、又はこれ
ら基に前記R1及びR2の置換アルキレン基及び置換基ア
リーレン基における置換基と同じ置換基がが1又は2以
上置換した基が好ましい。
【0034】前記一般式(1)中のR4およびR5は、互
いに独立に水素原子またはメチル基であるが、重合性単
量体の保存安定性の観点から、メチル基であるのが好ま
しい。
【0035】前記一般式(1)において、ジチアン環を
含む構造ユニットの繰り返し数を表すpは、0〜6の整
数であるが、得られる硬化体の耐熱性の観点から0〜3
の整数であるのが好ましい。なお、前記一般式(1)に
おいてジチアン環に結合する−CH2−基(pが0の場
合)及び−CH2−R3−CH2−基(pが0以外の場
合)の結合位置は、各ジチアン環が2,5−置換1,4
−ジチアン環となるような位置であっても、2,6−置
換1,4−ジチアン環となるような位置であってもよ
い。さらにpが2以上のときは、これらが任意に混合し
たような位置であってもよい。
【0036】また、前記一般式(1)において、それぞ
れユニット(−R1−S−)及びユニット(−R2−S
−)の繰り返し数を表すmおよびnは、上記pの値によ
って異なる。すなわち、pが0のときは、mとnは互い
に独立に2〜6の整数であり、pが0でないときは、m
とnは互いに独立に1〜6の整数である。得られる硬化
体の耐熱性の観点から、より好ましいm及びnは、pが
0の場合はそれぞれ独立に2〜4の整数であり、pが0
でないときはそれぞれ独立に1〜4の整数である。
【0037】前記一般式(1)で示される本発明の含硫
黄(メタ)アクリレート系重合性単量体のうち、原料の
入手しやすさ及び合成の容易さの観点からさらに好まし
い態様を一般式で示せば、下記一般式式(2)で表され
る含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体を挙げる
ことができる。
【0038】
【化9】
【0039】〔式中、R12およびR13は、互いに独立に
水素原子またはメチル基であり、rは0〜2の整数であ
り、sは0〜3の整数であり、sが0のときは、tとu
は互いに独立に2〜4の整数であり、sが0以外のとき
は、tとuは互いに独立に1〜4の整数である。) 本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体を
具体的に例示すれば、下記構造のものを挙げることがで
きる。
【0040】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0041】本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系重
合性単量体は、例えば次のような手段によってその構造
を同定、確認することができる。
【0042】(ア) 赤外吸収スペクトル(IR)を測
定することにより、1600〜1650cm-1末端の不
飽和炭化水素基に基づく吸収、1700〜1750cm
-1付近にエステル結合のカルボニル基に基づく強い吸収
を観察することができる。
【0043】(イ) 1H−核磁気共鳴スペクトル(1
−NMR)を測定することにより、単量体中に存在する
水素原子の結合様式を知ることができる。
【0044】(ウ) 元素分析により、炭素、水素、硫
黄、その他の元素(窒素、ハロゲン)の各重量%を求
め、さらに認知された各元素の重量%の和を100から
減じることによって酸素の重量%を算出することがで
き、該単量体の組成式を決定することができる。
【0045】本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系重
合性単量体の製造方法は、特に限定されないが、一般的
には次に述べる(A)、(B)の2通りの方法で製造す
ることができる。
【0046】〔製造方法(A)〕該製造方法は、下記一
般式(3)
【0047】
【化17】
【0048】{式中、R3及びpは、前記一般式(1)
におけるものと同義である。}で示されるジチアン環を
有する2官能のメルカプト化合物と下記一般式(4)
【0049】
【化18】
【0050】{式中、R1及びmは、前記一般式(1)
におけるものと同義であり、Xはフッ素以外のハロゲン
原子である。}で示されるハロゲノアルコールおよび下
記一般式(5)
【0051】
【化19】
【0052】{式中、R2及びnは、前記一般式(1)
におけるものと同義であり、Xはフッ素以外のハロゲン
原子である。}で示されるハロゲノアルコールとを塩基
性化合物の存在下で反応(脱ハロゲン化水素、置換反
応)させて2官能のヒドロキシ化合物(以下、単にジオ
ール体とも言う。)を得た後、(メタ)アクリル酸エス
テルとのエステル交換反応により一般式(1)で表され
る含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体を製造す
る方法である。
【0053】なお、前記一般式(3)で示されるジチア
ン環を有する2官能のメルカプト化合物は、次に示す様
な方法で得ることが出来る。例えば2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアンの場合、3−クロロ
−1−プロペンと二硫化ナトリウムを反応させアリルジ
スルフィドを合成した後、これを塩化スリフリルと反応
させることにより2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアン得る。次いで、この2,5−ビス(クロロ
メチル)−1,4−ジチアンをチオ尿素と反応させた
後、加水分解することにより2,5−ビス(メルカプト
メチル)−1,4−ジチアンを得ることが出来る。
【0054】また、前記一般式(4)及び(5)で示さ
れるハロゲノアルコールは、次に示す様な方法で得るこ
とが出来る。例えば下記化合物
【0055】
【化20】
【0056】は、1,2−エタンジチオールと1−クロ
ロエタノールを反応させた後、さらに1,2−ジクロロ
エタンを反応させることにより得ることができる。
【0057】〔製造方法(B)〕該製造方法は、下記一
般式(6)
【0058】
【化21】
【0059】{式中、R3及びpは、前記一般式(1)
におけるpと同義であり、Xは、フッ素以外のハロゲン
原子である。}で示されるジチアン環を有する2官能の
ハロゲン化物と下記一般式(7)
【0060】
【化22】
【0061】{式中、R1及びmは、前記一般式(1)
におけるものと同義である。}で示されるメルカプトア
ルコールおよび下記一般式(8)
【0062】
【化23】
【0063】{式中、R2及びnは、前記一般式(1)
におけるものと同義である。}で示されるメルカプトア
ルコールとを塩基性化合物の存在下で反応(脱ハロゲン
化水素・置換反応)させてジオール体を得た後、(メ
タ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応により一
般式(1)で表される含硫黄(メタ)アクリレート系重
合性単量体を製造する方法である。
【0064】なお、前記一般式(6)で示されるジチア
ン環を有する2官能のハロゲン化物は、次に示す様な方
法で得ることが出来る。例えば2,5−ビス(クロロメ
チル)−1,4−ジチアンの場合、3−クロロ−1−プ
ロペンと二硫化ナトリウムを反応させアリルジスルフィ
ドを合成した後、これを塩化スリフリルと反応させるこ
とにより得ることが出来る。
【0065】また、前記一般式(7)及び(8)で示さ
れるメルカプトアルコールは、次に示す様な方法で得る
ことが出来る。例えば下記化合物
【0066】
【化24】
【0067】は、ジメルカプトジエチレンスルフィドと
2−クロロエタノールを反応させることにより得ること
ができる。
【0068】前記製造方法(A)及び(B)は、共に1
段目の脱ハロゲン化水素・置換反応によりジオール体を
得た後、2段目の反応として該ジオール体を(メタ)ア
クリル酸エステルを用いたエステル交換反応によりエス
テル化して目的物である前記一般式(1)で示される含
硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体を得るもので
ある。これら反応の反応条件は、特に限定されないが、
一般的な反応条件は次のとおりである。
【0069】すなわち、1段目の脱ハロゲン化水素・置
換反応では、反応の進行に伴いハロゲン化水素が生成す
るので、これを捕捉する塩基性化合物の存在下で行うの
が一般的である。該塩基性化合物としては水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属の水酸化物;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウム等
のアルコール類のアルカリ金属塩;トリエチルアミン、
ピリジン、キノリン等の有機塩基を挙げることができ
る。
【0070】上記反応で、塩基性化合物が固体のときは
該塩基性化合物を溶かすために溶媒を用いることが好ま
しい。該溶媒として好適に使用されるものを例示すれ
ば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等
を挙げることができる。また、前記一般式(3)〜
(8)で示される化合物が固体の場合にも溶媒を用いる
ことが好ましい。該溶媒として好適に使用されるものを
例示すれば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、ク
ロロホルム等のハロゲン化物;ヘキサン、ヘプタン、ベ
ンゼン、トルエン等の脂肪族または芳香族炭化水素類を
挙げることができる。
【0071】前記反応における温度は原料の種類、溶媒
の種類によって異なるが、一般的には20〜100℃が
好ましい。反応時間も原料の種類によって異なるが、通
常10分から48時間、好ましくは1時間から24時間
の範囲である。また、反応中においては攪拌を行うこと
が好ましい。
【0072】前記反応における各化合物の仕込みモル比
は必要に応じて適宜決定すればよいが、通常、製造方法
(A)の場合には一般式(3)で示される化合物に対し
て、一般式(4)および(5)で示される化合物のモル
数の和が2倍になるように、製造方法(B)の場合には
一般式(6)で示される化合物に対して、一般式(7)
および(8)で示される化合物のモル数の和が2倍にな
るように仕込むのが一般的である。
【0073】また、2段目の反応であるエステル交換反
応において、(メタ)アクリル酸エステルとしては公知
の化合物が何ら制限無く用いられるが、反応終了後、未
反応の(メタ)アクリル酸エステルを除去することがあ
るため、低沸点の化合物を用いるのが好ましい。同様
に、原料の(メタ)アクリル酸エステルに由来するアル
コール(副生物)も除去する必要があるが、低分子量且
つ低沸点のアルコールを副生するようなアルコール残基
を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いるのがさら
に好ましい。前記観点から該(メタ)アクリル酸エステ
ルとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート等の単官能の(メタ)アクリ
ル酸エステルを用いるのが好適である。中でもメチル
(メタ)アクリレートは、沸点が低く反応系からの除去
が容易であり、且つ安価であるため工業原料として最も
好ましい。
【0074】上記エステル交換反応は種々の触媒を用い
て行われるのが一般的である。該触媒を具体的に例示す
ると、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸性触媒;カ
リウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、水酸化
セシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
リチウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム等の塩基性触媒
が挙げられる。反応の速さを考えると、塩基性触媒を用
いるのが好適であり、中でも水酸化セシウム、炭酸セシ
ウム等の塩基性セシウム化合物を用いるのが特に好適で
ある。
【0075】上記エステル交換法は種々の溶媒を用いて
行うことができる。一般的に用いられる溶媒としては、
ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;エチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロ
ロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等
のハロゲン系溶媒を挙げることができる。これらの溶媒
は用いる触媒によって適宜選択すればよいが、好ましく
は炭化水素系溶媒であり、さらに好ましくはヘキサン、
ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒である。
【0076】上記エステル交換反応の反応温度は特には
制限されないが、一般的には0〜200℃の範囲であ
り、好ましくは30〜150℃の範囲である。また、反
応時間は、反応温度及び要求される反応収率によって異
なるが、一般的には1〜50時間である。
【0077】上記エステル交換法は反応生成物のゲル化
を防止するため、重合禁止剤を添加することが望まし
い。該重合禁止剤としては公知の化合物が何ら制限無く
用いられるが、具体的には、ハイドロキノン、p−メト
キシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール、p−t−ブチルカテコール等のフェノール
系重合禁止剤;フェノチアジン、塩化銅(II)、塩化鉄
(III)等を挙げることができる。これらの中でも重合
禁止能力、生成物の着色、及び反応後に反応生成物から
除去することを勘案すると、p−メトキシフェノールと
p−t−ブチルカテコールが好ましい。また、該重合禁
止剤の使用量は禁止剤の種類、反応温度にもよるが、一
般的には原料であるジオール体の0.01〜10重量%
であり、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0078】上記エステル交換法は平衡反応であるた
め、反応を速く、高収率で行うためには、反応の結果副
生するアルコールを反応系から除去しながら反応を行う
ことが好ましい。該アルコールの除去方法としては公知
の方法が制限無く用いられるが、具体的な方法を挙げる
と、蒸留によって除去する方法、モレキュラーシーブ等
の吸着剤に吸着させて除去する方法等を挙げることがで
きる。なお、蒸留によってアルコールを除去する場合、
反応に用いる溶媒との分離をよくするため、精留塔を備
えた装置を用いることが好ましい。
【0079】この様な製造方法で製造された前記一般式
(1)で示される本発明の含硫黄(メタ)アクリレート
系重合性単量体は、必要に応じて単離された後、使用に
供される。このときの単離方法としては公知の方法を何
ら制限無く用いることができる。例えば、反応収率が高
いため特に精製操作や脱色操作などを行わなくても良い
ときは、触媒を濾過した後、未反応の(メタ)アクリル
酸エステル化合物と溶媒を留去しただけでも構わない。
また、反応収率が低かったり、着色が問題となる場合に
は、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の公知の精製操
作、及び活性炭処理、シリカ処理などの吸着剤処理、或
いは水、塩酸水や水酸化ナトリウム水溶液での洗浄等が
の公知の脱色操作の中から適宜選択した操作を行えばよ
い。
【0080】本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系重
合性単量体は重合硬化させることにより、高屈折率、高
アッベ数で耐光性に優れ、成型加工時に臭気が少ない硬
化体を与える。
【0081】本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系重
合性単量体は、単独重合したときに得られる上記のよう
な特徴を生かして光学材料、とりわけレンズ材料の原料
として好適に使用できる。本発明の含硫黄(メタ)アク
リレート系重合性単量体をこの様な用途に使用する場合
には、屈折率、アッベ数、耐光性等の他の物性も考慮し
て、本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量
体と共重合可能な他の不飽和単量体(以下、コモノマー
ともいう。)を併用し、共重合するのが好適である。
【0082】該コモノマーは本発明の本発明の含硫黄
(メタ)アクリレート系重合性単量体と共重合可能な重
合性単量体であれば特に限定さず、目的とする用途に応
じて必要な物性を与えるものを適宜選択して使用すれば
よい。光学材料として使用する場合に好適なコモノマー
を具体的に例示すれば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェ
ニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレー
ト、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエ
トキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェ
ニル)プロパン等の(メタ)アクリル酸エステル化合
物;メチルチオ(メタ)アクリレート、フェニルチオ
(メタ)アクリレート、ベンジルチオ(メタ)アクリレ
ート、エタンジチオールジチオ(メタ)アクリレート、
ベンゼンジチオールジチオ(メタ)アクリレート、キシ
リレンジチオールジチオ(メタ)アクリレート等のチオ
(メタ)アクリル酸エステル化合物;ジアリルフタレー
ト、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレー
ト、酒石酸ジアリル、エポキシコハク酸ジアリル、ジア
リルマレート、アリルシンナメート、アリルイソシアヌ
レート、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリ
ル、ジアリルカーボネート、アリルジグリコールカーボ
ネート等のアリル化合物;スチレン、ジビニルベンゼ
ン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、α
−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等の芳
香族ビニル化合物;(メタ)アクリレート基を2つ以上
有するウレタン(メタ)アクリレートまたはエポキシ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体
は1種または2種以上を混合して使用できる。
【0083】共重合する場合の共重合組成も目的に応じ
て適宜決定すればよいが、全重合性単量体の総重量を基
準として、本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系重合
性単量体が10〜98重量%、特に20〜95重量%
(残部がコモノマー量となる。)の範囲で使用するのが
好ましい。
【0084】本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系重
合性単量体、或いは該重合性単量体とコモノマーの混合
物を重合硬化させて硬化体を得る重合方法は特に限定的
でなく、公知の重合方法を採用することができる。ま
た、重合に際しては、離型剤、紫外線吸収剤、赤外線吸
収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、帯電防
止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、フォトクロミック
化合物等の各種安定剤、添加剤を必要に応じて混合して
使用することができる。
【0085】重合開始手段は、種々の過酸化物やアゾ化
合物などのラジカル重合開始剤の使用、または紫外線、
α線、β線、γ線等の照射あるいは両者の併用によって
行うことができる。
【0086】重合方法も特に限定されないが、レンズ等
の光学材料としての用途を考える場合には、注型重合を
行うのが好適である。以下、代表的な注型重合方法につ
いて更に詳しく説明する。
【0087】該方法では、エラストマーガスケットまた
はスペーサーで保持されているモールド間に、ラジカル
重合開始剤を添加した本発明の硬化性組成物を注入し、
空気炉中で加熱して重合硬化させた後、取り出すことに
よって行われる。
【0088】ラジカル重合開始剤としては、特に限定さ
れず、公知のものが使用できるが、代表的なものを例示
すると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾ
イルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジカーボネ
ート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル;ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチル
オキシカーボネート等のパーカーボネート類;2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾ化合
物等が挙げられる。
【0089】該ラジカル重合開始剤の使用量は、重合条
件や開始剤の種類、前記本発明の硬化性組成物の種類や
組成によって異なり、一概に限定できないが、一般に
は、全重合性単量体100重量部に対して0.01〜1
0重量部の範囲で用いるのが好適である。
【0090】重合条件のうち、特に温度は得られる樹脂
の性状に影響を与える。この温度条件は、開始剤の種類
と量や単量体の種類に影響を受けるので、一概には限定
できないが、一般的に比較的低温で重合を開始し、ゆっ
くりと温度を上げていき、重合終了時に高温下に硬化さ
せるいわゆるテーパ型の2段重合を行うのが好適であ
る。
【0091】重合時間も温度と同様に各種の要因によっ
て異なるので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を
決定するのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合
が完了するように条件を選ぶのが好ましい。
【0092】また紫外線を用いた公知の光重合によって
も同様に注型重合が実施できる。この際には、光重合開
始剤としてベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノール、アエトフ
ェノン4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、
1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−
2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオオキサ
ントン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、全単量
体100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲で
用いるのが一般的である。
【0093】上記のような方法で得られた本発明の硬化
体は、その用途に応じて以下のような処理を施すことも
できる。即ち、分散染料などの染料を用いる染色、シラ
ンカップリング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモ
ン、アルミニウム等の酸化物のゾルを主成分とするハー
ドコート剤や、有機高分子体を主成分とするハードコー
ト剤によるハードコーティング処理や、SiO2、Ti
2、ZrO2等の金属酸化物からなる薄膜の蒸着や有機
高分子体の薄膜の塗布等による反射防止処理、帯電防止
処理等の加工及び2次処理を施すことも可能である。
【0094】
【実施例】以下、本発明を説明するために、実施例を挙
げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0095】実施例1 下記化合物(イ)
【0096】
【化25】
【0097】52.4g(0.264mol)と下記化
合物(ロ)
【0098】
【化26】
【0099】26.1g(0.12mol)とを水酸化
ナトリウム10.6g(0.264mol)存在下、M
eOH100ml中60℃で3時間加熱還流した。反応
後、溶媒を除去し、ジオール体として下記化合物(ハ)
52g(0.096mol)を得た。
【0100】
【化27】
【0101】なお、上記化合物(ハ)は、以下の方法で
も製造できることを確認している。すなわち、下記化合
物(ニ)
【0102】
【化28】
【0103】57.4g(0.286mol)と下記化
合物(ホ)
【0104】
【化29】
【0105】27.6g(0.13mol)とを水酸化
ナトリウム11.4g(0.286mol)存在下、M
eOH100ml中60℃で1時間加熱還流した後、溶
媒を除去することにより化合物(ハ)64g(0.11
8mol)を得ることができた。
【0106】次いで、上記化合物(ハ)50g(0.0
92mol)、炭酸セシウム0.5g、メタクリル酸メ
チル40g(0.4mol)、p−メトキシ−フェノー
ル0.5g、ヘキサン15mlを仕込み、90℃に加熱
してメタノールをヘキサンと共沸させて除きながら20
時間反応させた。その後、固形物の除去、溶媒の留去を
行い、シリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精
製することにより白色固体状の生成物44g(0.06
5mol)を得た。収率は、54.2%であった。ここ
で用いている収率は、原料である化合物(ロ)を基準と
した時の値である。
【0107】この化合物(へ)の元素分析は、C46.
02%、H6.64%、O9.38%、S37.96%
であって、C264448に対応する計算値であるC4
6.12%、H6.55%、O9.45%、S37.8
8%に極めてよく一致した。
【0108】また、赤外吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、図1に示すように、1710cm-1付近にエステル
結合のカルボニル基に由来する強いピーク、1635c
-1付近には末端の不飽和炭化水素基に由来するピーク
が観測された。
【0109】さらに、プロトン核磁気共鳴スペクトルを
測定したところ、図2に示すように、δ5.5〜6.3
ppm付近に末端の不飽和炭化水素基のプロトンに基づ
く4Hのピーク、δ4.3ppm付近に酸素に隣接する
メチレン炭素に結合するプロトンに基づく4Hのピー
ク、δ2.7〜3.5ppm付近に硫黄に隣接するメチ
レン炭素に結合するプロトンもしくは、ジチアン環のプ
ロトンに基づく30Hのピーク、δ2.0ppm付近に
メタクリル基に含まれるメチル基のプロトンに基づく6
Hのピークを示した。
【0110】上記の結果から、単離生成物は下記構造式
(ヘ)で示される化合物であることを確認した。
【0111】
【化30】
【0112】また、この生成物の保存安定性を確認する
ために、40℃の恒温槽で2週間保存し、保存後のゲル
化状態を目視により評価した。結果としては、ゲル化は
全く観測されなかった。
【0113】実施例2〜19 ジオール体の原料として表1〜表6に示した化合物を用
いて実施例1と同様の反応を行、対応する含硫黄(メ
タ)アクリレート系重合性単量体を合成した。得られた
生成物について、実施例1と同様な構造確認の手段を用
いて構造解析した結果、表1〜表6に示す構造式で示さ
れる化合物であることを確認した。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】また、表7〜表9にこれらの化合物の元素
分析値ならびに、1H−NMRスペクトル及び赤外吸収
スペクトルの特徴的なピークを示した。さらに、これら
の化合物の保存安定性を確認するために、40℃の恒温
槽で2週間保存し、保存後のゲル化状態を目視により評
価した。保存安定性の結果を表7〜表9に示す。なお、
評価基準は以下の通りである。 (○):40℃の恒温槽で2週間保存してもゲル化して
いなかったもの (×):40℃の恒温槽で2週間保存してゲル化してい
たもの
【0121】
【表7】
【0122】
【表8】
【0123】
【表9】
【0124】実施例20〜45 前記実施例1〜19で製造した本発明の含硫黄(メタ)
アクリレート系重合性単量体を用い、必要に応じて下記
B成分及びC成分として示すコモノマーを添加して表1
0〜11に示すモノマー組成の硬化性組成物を調製し、
得られた硬化性組成物を重合硬化させて硬化体を得た。
【0125】重合は、次のようにして行った。すなわ
ち、上記硬化性組成物100重量部に対し、ラジカル重
合開始剤として、t−ブチルパーオキシネオデカネート
0.5重量部及び1,1,3,3−テトラメチルブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサネート0.4重量部を添
加してよく混合した。この混合液をガラス板とエチレン
−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された
鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は空気炉を
用い、33℃から90℃まで17時間かけて徐々に昇温
し、90℃で5時間保持した。重合終了後、鋳型を空気
炉から取り出し、放冷後、硬化体を鋳型のガラスから取
り外した。なお、表10〜11における各略号は、次の
化合物を意味する。 〔A成分〕各々対応する番号の実施例で製造した本発明
の含硫黄(メタ)アクリレート系重合性単量体。
【0126】〔B成分〕 GMA:グリシジルメタクリレート 3G:トリエチレングリコールジメタクリレート 4G:テトラエチレングリコールジメタクリレート。
【0127】〔C成分〕 BPEM:2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシ・
ポリエトキシフェニル)プロパン(エチレンオキシド鎖
の平均値が2.6のもの) BzMA:ベンジルメタクリレート St:スチレン MS:α―メチルスチレン。
【0128】
【表10】
【0129】
【表11】
【0130】上記のようにして得られた各硬化体につい
て、下記の試験方法によって諸物性を測定した。その結
果をあわせて表10及び表11に示す。
【0131】〔屈折率及びアッベ数〕アタゴ(株)製ア
ッベ屈折率計を用いて、20℃における屈折率及びアッ
ベ数を測定した。接触液にはブロモナフタレンまたはヨ
ウ化メチレンを使用した。屈折率及びアッベ数は共に高
い方が好ましい。
【0132】〔耐光性〕スガ試験機(株)製ロングライ
フキセノンフェードメーター中に試料を設置し、100
時間キセノン光を露光した後、スガ試験機(株)製色差
計(SM−4型)で試料のYIを測定し、初期のYIに
対する増加分ΔYIで示した。ΔYIが小さいほど耐候
性が良いと言える。
【0133】〔臭気〕ダイヤモンドカッターでの切断
時、もしくは玉擦り機での研磨時における臭気を以下の
ような基準で評価した。 (○):臭気がほとんどないもの。 (△):臭気はあるが、さほど気にならないもの。 (×):臭気がひどいもの。気分を害するもの。 〔外観〕目視により判定した。
【0134】比較例1〜3 A成分として、本発明の含硫黄(メタ)アクリレート系
重合性単量体に替えて下記の化合物(ト)、(チ)及び
(リ)
【0135】
【化31】
【0136】
【化32】
【0137】
【化33】
【0138】を用い、表11に示したモノマー組成の硬
化性組成物を調製し、実施例20と同様にして硬化体を
得た。得られた硬化体について実施例20と同様にして
物性を測定した。その結果を表11に示した。
【0139】コモノマーとして何れもBzMAを20重
量部含む実施例21、28及び36と比較例1とを比較
すると、屈折率並びにアッベ数ともに実施例の方が高い
ことが分かる。また、比較例2と実施例とを比較する
と、いずれの実施例においても屈折率とアッベ数のバラ
ンスが比較例2より良いことが分かる。さらには、比較
例3と実施例とを比べると、屈折率並びにアッベ数はさ
ほど変わらないものの、実施例の方が単量体の保存安定
性、及び硬化体を研磨したときの臭気の点で優れている
ことが分かる。
【0140】
【発明の効果】本発明の有する含硫黄(メタ)アクリレ
ート系重合性単量体は、高屈折率、高アッベ数であり、
耐光性に優れた硬化体を与える単量体として有用であ
る。また、該重合性単量体から得られた硬化体は研磨成
型時に悪臭が少ない。さらに該単量体は長期間の保存に
よってもゲル化等の変質を起こしにくい。
【0141】このため、本発明の含硫黄(メタ)アクリ
レート系重合性単量体を単独重合またはコモノマーと共
重合して得た硬化体は、光学材料として有用であり、例
えば眼鏡レンズ、光学機器レンズ等の光学レンズとして
最適であり、またプリズム、光ディスク基盤、光ファイ
バー等の用途に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の生成物である化合物(ヘ)の赤外
吸収スペクトルである。
【図2】 実施例1の生成物である化合物(ヘ)のプロ
トン核磁気共鳴スペクトルである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C023 PA07 4J100 AB00Q AB02Q AB03Q AB08Q AB09Q AB16Q AG69Q AG70Q AG71Q AH06Q AL03Q AL08Q AL09Q AL10Q AL11Q AL62Q AL66P AL66Q AL75Q AL92Q AQ20Q BA02Q BA03Q BA07Q BA38Q BA39Q BA51P BA51Q BB03Q BC04Q BC08Q BC43Q BC45Q BC54Q BC83P CA01 CA04 JA33

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 〔式中、R1及びR2は、互いに独立に、置換基を有して
    もよい炭素数2〜4(但し、置換基の炭素数は含まな
    い。)のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素
    数6〜12(但し、置換基の炭素数は含まない。)のア
    リーレン基であり、R3は下記式 【化2】 {式中、R6は置換基を有してもよい炭素数2〜4(但
    し、置換基の炭素数は含まない。)のアルキレン基、置
    換基を有してもよい炭素数6〜12(但し、置換基の炭
    素数は含まない。)のアリーレン基、置換基を有しても
    よい芳香族複素環基、または下記式 【化3】 (式中、R7、R8、R9及びR10は、互いに独立に、フ
    ッ素原子を除くハロゲン原子または水素原子であり、R
    11は炭素数1〜3のアルキレン基または硫黄原子であ
    る。)であり、qは0〜4の整数である。}で示される
    基であり、R4及びR5は、互いに独立に水素原子または
    メチル基であり、pは0〜6の整数であり、pが0の時
    は、m及びnは互いに独立に2〜6の整数であり、pが
    0以外の時は、m及びnは互いに独立に1〜6の整数で
    ある。〕で示される含硫黄(メタ)アクリレート系重合
    性単量体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の含硫黄(メタ)アクリレ
    ート系重合性単量体を含んでなる重合性組成物を重合硬
    化させた硬化体からなることを特徴とする光学材料。
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