JP2009098506A - 撮像装置の製造方法、撮像レンズの製造方法、成形型及び撮像レンズ - Google Patents

撮像装置の製造方法、撮像レンズの製造方法、成形型及び撮像レンズ Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化性の樹脂組成物を硬化完了前に成形型から取り出しても、所望の光学性能を得る。
【解決手段】撮像装置100の製造方法は、熱硬化性の樹脂組成物を硬化して撮像レンズ16を成形する成形工程、撮像レンズ16をサブ基板10とともに回路基板1上に載置する載置工程、及び、撮像レンズ16と、サブ基板10と、回路基板1とをリフロー処理に供し、撮像レンズ16とサブ基板10とを回路基板1に実装する実装工程、を有する。成形工程では、樹脂組成物の硬化完了前に、撮像レンズ16を成形型から取り出すとともに、取り出し後に樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズ16に生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計する。
【選択図】図3

Description

本発明は撮像装置の製造方法、撮像レンズの製造方法、成形型及び撮像レンズに関する。
従来から、光学特性や機械的強度等が優れているという観点で、光学素子(主にはレンズ)の材料として一般に無機ガラスが用いられているが、光学素子が使用される機器の小型化が進むにつれ、光学素子の小型化も必要になり、無機ガラスでは加工性の問題から、曲率(R)の大きなものや複雑な形状のものを作製することが困難になってきている。
このことから、加工のしやすいプラスチック材料が検討され、使用されるようになってきている。加工のしやすいプラスチック材料としては、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等の透明性が良好な熱可塑性樹脂が挙げられる。
一方、回路基板上にIC(Integrated Circuits)チップその他の電子部品を実装する場合において、回路基板の所定位置に予め金属ペースト(例えば半田ペースト)を塗布(ポッティング)しておき、その位置に電子部品を載置した状態で当該回路基板をリフロー処理(加熱処理)に供し、当該回路基板に電子部品を実装する技術により、低コストで電子モジュールを製造する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
近年では、回路基板に対し電子部品のほかに光学素子を更に載置した状態で、光学素子と一体化された光学モジュールとして、上記のような半田リフロー処理をおこなうことにより、撮像装置の生産システムにおいて更なる生産効率の向上が望まれている。
当然ながら、上述のリフロー処理を取り入れた生産システムにより製造させる光学モジュールにおいても、高コストなガラス製の光学素子よりも、低コストで製造可能なプラスチック製の光学素子を用いることが望まれている。 しかしながら、従来の光学素子用樹脂材料として用いられてきた熱可塑性樹脂は比較的低い温度で軟化、溶融するため加工性は良好であるが、成形された光学素子は、熱により変形しやすいという欠点をもつ。光学素子を組み込んだ電子部品を半田リフロー工程によって基板に実装するような場合は光学素子自体も260℃程度の加熱条件に曝されることになるが、耐熱性の低い熱可塑性樹脂からなる光学素子では形状劣化を起こし、問題となる。
この点、LED装置の技術分野においては、硬化後に熱変形が小さい熱硬化性樹脂に着目し、熱硬化性樹脂で成形された光学素子をリフロー処理に供してLEDパッケージを製造する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
そこで、本発明者らは、リフロー工程で製造される撮像装置の撮像レンズについて、エポキシ系樹脂(特許文献3参照)やシリコーン系樹脂(特許文献4参照)のような熱硬化性樹脂の使用を検討した。
ところで、熱硬化性樹脂で撮像レンズ等の光学素子を成形する場合には、成形時間を短縮する観点から、樹脂の硬化完了前に光学素子を金型から取り出すことが好ましい。
特開2001−24320号公報 特開2005−317951号公報 特開平8−217825号公報 特開2004−186168号公報
しかしながら、熱硬化性樹脂の硬化完了前に光学素子を金型から取り出してみたところ、当該光学素子をリフロー処理やポストキュア処理等の加熱処理に供した場合に、光学素子の屈折力が変化してしまって所望の光学性能を得ることができないことが判明した。そして、このような屈折力の変化は、光の透過性のみが必要とされるLEDパッケージの光学素子においては問題とならないものの、正確な光学性能が必要とされる撮像レンズにおいては大きな問題となってしまう。
本発明の課題は、熱硬化性の樹脂組成物の硬化完了前に成形型から取り出しても、所望の光学性能を得ることができる撮像装置の製造方法、撮像レンズの製造方法及び成形型と、これら撮像レンズの製造方法及び成形型により得られる撮像レンズとを提供することである。
請求項1記載の発明は、撮像装置の製造方法において、
熱硬化性の樹脂組成物を硬化して撮像レンズを成形する成形工程、
前記撮像レンズを電子部品とともに基板上に載置する載置工程、及び、
前記撮像レンズと、前記電子部品と、前記基板とをリフロー処理に供し、前記撮像レンズと前記電子部品とを前記基板に実装する実装工程、
を有し、
前記成形工程では、
前記樹脂組成物の硬化完了前に、前記撮像レンズを成形型から取り出すとともに、
取り出し後に前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の撮像装置の製造方法において、
前記屈折力変化は、
前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該樹脂組成物に生じる屈折率変化に起因するものであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の撮像装置の製造方法において、
前記屈折力変化は、
前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に前記撮像レンズに生じる形状変化に起因するものであることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置の製造方法において、
前記成形工程と前記載置工程との間に、
前記成形型から取り出された前記撮像レンズに対し、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を完了させるポストキュア工程を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置の製造方法において、
前記成形工程と前記載置工程との間に、
前記成形型から取り出された前記撮像レンズに対し、ポストキュア処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を進行させるポストキュア工程を有し、
前記実装工程では、少なくとも1回の前記リフロー処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を完了させることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、撮像レンズにおいて、
請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、リフロー処理によって電子部品とともに基板上に実装される撮像レンズの製造方法であって、
熱硬化性の樹脂組成物を硬化して前記撮像レンズを成形する成形工程を有し、
この成形工程では、
前記樹脂組成物の硬化完了前に、前記撮像レンズを成形型から取り出すとともに、
取り出し後に前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の撮像レンズの製造方法において、
前記屈折力変化は、
前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該樹脂組成物に生じる屈折率変化に起因するものであることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7または8記載の撮像レンズの製造方法において、
前記屈折力変化は、
前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に前記撮像レンズに生じる形状変化に起因するものであることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項7〜9の何れか一項に記載の撮像レンズの製造方法において、
前記撮像レンズとして、
前記成形型から取り出された後に、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを製造することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項7〜9の何れか一項に記載の撮像レンズの製造方法において、
前記撮像レンズとして、
前記成形型から取り出された後に、ポストキュア処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が進行され、少なくとも1回の前記リフロー処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを製造することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、撮像レンズにおいて、
請求項7〜11の何れか一項に記載の撮像レンズの製造方法により製造されたことを特徴とする。
請求項13記載の発明は、リフロー処理によって電子部品とともに基板上に実装される撮像レンズを、熱硬化性の樹脂組成物から成形する成形型であって、
前記樹脂組成物の硬化完了前に、前記撮像レンズが取り出されるものであり、
当該成形型から取り出された後に前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計されていることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の成形型において、
前記屈折力変化は、
前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該樹脂組成物に生じる屈折率変化に起因するものであることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項13または14記載の成形型において、
前記屈折力変化は、
前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に前記撮像レンズに生じる形状変化に起因するものであることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項13〜15の何れか一項に記載の成形型において、
前記撮像レンズとして、当該成形型から取り出された後に、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを成形することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項13〜15の何れか一項に記載の成形型において、
前記撮像レンズとして、当該成形型から取り出された後に、ポストキュア処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が進行され、少なくとも1回の前記リフロー処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを成形することを特徴とする。
請求項18記載の発明は、撮像レンズにおいて、
請求項13〜17の何れか一項に記載の成形型により成形されたことを特徴とする。
請求項1,7記載の発明によれば、成形工程では樹脂組成物の硬化完了前に撮像レンズを成形型から取り出すとともに、取り出し後に樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計するので、成形型から取り出し後の撮像レンズをリフロー処理などの加熱工程に供する場合、即ち、樹脂組成物の硬化を完了することで当該撮像レンズの屈折力が変化する場合であっても、変化後の屈折力を所望の値にすることができる。つまり、熱硬化性の樹脂組成物を硬化完了前に成形型から取り出しても、所望の光学性能を得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、成形工程と載置工程との間に、成形型から取り出された前記撮像レンズに対し、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を完了させるポストキュア工程を有するので、ポストキュア処理後の撮像レンズに対してリフロー処理による加熱を行なっても、当該リフロー処理によって樹脂組成物が更に硬化することがない。従って、リフロー処理による屈折力の変化量を考慮することなく、ポストキュア処理による屈折力変化の見込み量に基づいて光学設計を行なうことができるため、その分、撮像装置の製造を容易化することができる。
請求項5記載の発明によれば、成形工程と載置工程との間に、成形型から取り出された前記撮像レンズに対し、ポストキュア処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を進行させるポストキュア工程を有し、実装工程では、少なくとも1回のリフロー処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を完了させるので、樹脂組成物の硬化完了前にポストキュア処理を終了する場合であっても、リフロー処理によって当該樹脂組成物の硬化を完了させることができる。従って、ポストキュア処理の加熱時間を短縮したり、加熱温度を低減したりすることができるため、その分、当該撮像レンズを有する撮像装置の製造を容易化することができる。
請求項10,16記載の発明によれば、撮像レンズとして、成形型から取り出された後に、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを製造・成形するので、ポストキュア処理後の撮像レンズに対してリフロー処理による加熱を行なっても、当該リフロー処理によって樹脂組成物が更に硬化することがない。従って、リフロー処理による屈折力の変化量を考慮することなく、ポストキュア処理による屈折力変化の見込み量に基づいて光学設計を行なうことができるため、その分、当該撮像レンズを有する撮像装置の製造を容易化することができる。
請求項11,17記載の発明によれば、撮像レンズとして、成形型から取り出された後に、ポストキュア処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が進行され、少なくとも1回の前記リフロー処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを製造・成形するので、樹脂組成物の硬化完了前にポストキュア処理を終了する場合であっても、リフロー処理によって当該樹脂組成物の硬化を完了させることができる。従って、ポストキュア処理の加熱時間を短縮したり、加熱温度を低減したりすることができるため、その分、当該撮像レンズを有する撮像装置の製造を容易化することができる。
請求項13記載の発明によれば、樹脂組成物の硬化完了前に前記撮像レンズが取り出されるものであり、当該成形型から取り出された後に前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計されているので、成形型から取り出し後の撮像レンズをリフロー処理などの加熱工程に供する場合、即ち、樹脂組成物の硬化を完了することで当該撮像レンズの屈折力が変化する場合であっても、変化後の屈折力を所望の値にすることができる。つまり、熱硬化性の樹脂組成物を硬化完了前に成形型から取り出しても、所望の光学性能を得ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態に係る撮像装置100は、図1に示す通り、携帯電話などの移動情報端末機器の電子回路を構成する電子部品が実装される回路基板1を有しており、回路基板1にはカメラモジュール2が実装されている。カメラモジュール2はCCDイメージセンサとレンズを組み合わせた小型の基板実装用カメラであり、電子部品が実装された回路基板1をカバーケース3内に組み込んだ完成状態では、カバーケース3に設けられた撮像用開口4を介して撮像対象の画像取込ができるようになっている。なお、図1では、カメラモジュール2以外の電子部品の図示を省略している。
図2に示す通り、カメラモジュール2は基板モジュール5(図3(a)参照)とレンズモジュール6(図3(c)参照)より構成され、基板モジュール5を回路基板1に実装することにより、カメラモジュール2全体が回路基板1に実装される。基板モジュール5は、撮像用の受光素子であるCCDイメージセンサ11をサブ基板10上に実装した受光モジュールであり、CCDイメージセンサ11上面は封止樹脂12で封止されている。
CCDイメージセンサ11の上面には、光電変換を行う画素が多数格子状に配列された受光部(図示略)が形成されており、この受光部に光学画像を結像させることにより各画素に蓄電された電荷を画像信号として出力する。サブ基板10は鉛フリーの半田18によって回路基板1に実装され、これによりサブ基板10が回路基板1に固定されるとともに、サブ基板10の接続用電極(図示略)と回路基板1上面の回路電極(図示略)とが電気的に導通している。
レンズモジュール6は撮像レンズ16を支持するレンズケース15を備えている。
レンズケース15の上部には撮像レンズ16が保持されており、レンズケース15の上部は撮像レンズ16を保持するホルダ部15aとなっている。なお、図4に示すように、撮像レンズ16の物体側には、開口絞りSが配設され、像側には赤外線カットフィルタIRCFが配設されることとしても良い。
また、レンズケース15の下部はサブ基板10に設けられた装着孔10a内に挿通されてレンズモジュール6をサブ基板10に固定する装着部15bとなっている。この固定には、装着部15bを装着孔10aに圧入して固定する方法や、接着材によって接着する方法などが用いられる。
撮像レンズ16は、被写体からの反射光をCCDイメージセンサ11の受光部上に結像するためのものである。この撮像レンズ16は熱硬化性の特定の樹脂組成物を成形することによって形成されている。
ここで、撮像レンズ16を構成する熱可塑性の樹脂組成物の主成分としては、例えば、常温液状で水酸基を有しない(メタ)アクリレートと、該(メタ)アクリレート1モル当たり0.2〜5モルの1個の水酸基を有する(メタ)アクリレートとを、酸性触媒存在下に加熱して反応させて得られる重合性(メタ)アクリレートを用いることができる。
ここで、常温液状で水酸基を有しない(メタ)アクリレートは、種々のものが使用でき、1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノ(メタ)アクリレート、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリ(メタ)アクリレート等がある。1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、フェノールエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、フェノールプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが挙げられる。2個の(メタ)アクリロイル基を有するジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートが挙げられる。3個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、グリセリンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1個の水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2価以上の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応により得られる部分エステル化物、及び単官能グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加物であるエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応により得られる半エステル化物の具体例としては、下記(a)のモノ(メタ)アクリレート及び下記(b)のポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(a)モノ(メタ)アクリレートモノ(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのエチレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b)ポリ(メタ)アクリレートポリ(メタ)アクリレートとしては、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
又、単官能グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物であるエポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル又はアルキル置換フェニルグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸との付加物が挙げられる。
なお、以上のような樹脂組成物としては、例えば特開平7−101901号公報に開示のものを用いることができる。
続いて、図3を参照しながら、本実施形態に係る撮像装置100の製造方法の概略について説明する。
まず、上述の樹脂組成物を成形型で成形して撮像レンズ16を製造し(成形工程)、当該撮像レンズ16を用いてレンズモジュール6を組み立てる。ここで、この成形工程においては、樹脂組成物の硬化完了前に、撮像レンズ16を成形型から取り出す。
次に、図3(a)に示す通り、レンズモジュール6のレンズケース15内に装着されたカラー部材17の下端部を基板モジュール5におけるサブ基板10の上面に当接させて、レンズケース15の装着部15bをサブ基板10の装着孔10aに挿通・固定し、カメラモジュール2を形成する。
その後、図3(b)に示す通り、予め半田18が塗布(ポッティング)された回路基板1の所定の実装位置にカメラモジュール2やその他の電子部品を載置する(載置工程)。
そして、図3(c)に示す通り、カメラモジュール2やその他の電子部品を載置した回路基板1をベルトコンベア等でリフロー炉(図示略)に移送し、当該回路基板1をリフロー処理に供して260℃程度の温度で加熱する。その結果、半田18が溶融してカメラモジュール2がその他の電子部品と一緒に回路基板1に実装される(実装工程)。
続いて、上述の成形工程、つまり本実施形態に係る撮像レンズ16の製造方法について詳細に説明する。
この成形工程においては、上述のように樹脂組成物の硬化完了前に撮像レンズ16を成形型から取り出すため、後の工程での当該撮像レンズ16の屈折力の変化代(しろ)を考慮して、撮像レンズ16及び成形型の形状を光学設計している。より具体的には、成形型からの取り出し後に樹脂組成物(撮像レンズ16)の硬化を完了した場合に当該撮像レンズ16に生じる屈折力変化の見込み量を予め差し引いて、光学設計を行なっている。これにより、取り出し後の撮像レンズ16が加熱工程に供されて樹脂組成物の硬化が完了し、当該撮像レンズ16の屈折力が変化する場合であっても、変化後の屈折力が所望の値となる。
ここで、撮像レンズ16に生じる屈折力変化とは、樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該樹脂組成物に生じる屈折率変化と、樹脂組成物の硬化を完了した場合に撮像レンズ16に生じる形状変化との少なくとも一方に起因するものである。
また、成形型からの取り出し後に撮像レンズ16の樹脂組成物の硬化を完了させるには、ポストキュア処理や、上述のリフロー処理を用いることができる。より詳細には、ポストキュア処理のみによって硬化を完了する場合には、成形工程と載置工程との間に、成形型からの取出し後の撮像レンズ16に対して1時間以上、100℃以上でポストキュア処理を行なうことにより、樹脂組成物の硬化を完了させる(ポストキュア工程)。一方、ポストキュア処理とリフロー処理とによって硬化を完了する場合には、成形工程と載置工程との間に、成形型からの取出し後の撮像レンズ16に対してポストキュア処理を行なうことにより樹脂組成物の硬化を進行させ(ポストキュア工程)、実装工程で少なくとも1回のリフロー処理を行なうことにより樹脂組成物の硬化を完了させる。
なお、成形型から取り出した後の2次硬化のための加熱については、好ましくは取り出し時点から1週間以内、より好ましくは20時間以内とすることが望ましい。これは、成形型内の熱により硬化開始剤から発生したラジカルが失活しないうちに硬化を進めることが、光学性能を調整するのに適しているからである。また、このような硬化開始剤としては、10時間半減期温度が120℃以下のアゾ系重合開始剤または有機過酸化物を使用することができ、使用に際しては単独若しくは混合物として使用することができる。具体的には例えば、2,2 −アゾビス(2,4 −ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2 −アゾビス(2 −メチルブチロニトリル)、1,1 −アゾビス(シクロヘキサン−1 −カルボニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビスイソブチレ−ト等のアゾ系重合開始剤が好ましい。また、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパ−オキシジカ−ボネ−ト、ジ−n−プロピルパ−オキシジカ−ボネ−ト、ビス(4 −t −ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカ−ボネ−ト、t −ブチルパ−オキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t −ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、1 ,1 −ビス(t −ブチルパ−オキシ)−3 ,3 ,5 −トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)2-メチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジラウリルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が好ましい。
また、成形する方法としては、従来の熱硬化性樹脂の成形方法をはじめとして、種々の方法をとることができる。例えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法等の成形方法を適用することができる。成形型は、研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるために、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用することができる。
また、成形時に、必要に応じて各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために、組成物あるいは一部反応させた組成物を、遠心、減圧等により脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理等を適用することもできる。
以上、本実施形態における撮像装置100(撮像レンズ16)の製造方法や成形型によれば、成形型から取り出し後の撮像レンズ16をリフロー処理やポストキュア処理などの加熱工程に供する場合、即ち、樹脂組成物の硬化を完了することで当該撮像レンズ16の屈折力が変化する場合であっても、変化後の屈折力を所望の値にすることができる。つまり、熱硬化性の樹脂組成物を硬化完了前に成形型から取り出しても、所望の光学性能を得ることができる。
また、成形型から取り出された撮像レンズ16に対し、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理を行なうことによって樹脂組成物の硬化を完了させる場合には、ポストキュア処理後の撮像レンズ16に対してリフロー処理による加熱を行なっても、当該リフロー処理によって樹脂組成物が更に硬化することがない。従って、リフロー処理による屈折力の変化量を考慮することなく、ポストキュア処理による屈折力変化の見込み量に基づいて光学設計を行なうことができるため、その分、撮像装置の製造を容易化することができる。
一方、成形型から取り出された撮像レンズ16に対し、ポストキュア処理を行なうことによって樹脂組成物の硬化を進行させ、少なくとも1回のリフロー処理を行なうことによって当該樹脂組成物の硬化を完了させる場合には、樹脂組成物の硬化完了前にポストキュア処理を終了する場合であっても、リフロー処理によって当該樹脂組成物の硬化を完了させることができる。従って、ポストキュア処理の加熱時間を短縮したり、加熱温度を低減したりすることができるため、その分、当該撮像レンズ16を有する撮像装置100の製造を容易化することができる。
続いて、本実施の形態に好適な実施例について説明する。なお、本実施例において使用する記号は下記の通りである。
F:Fナンバー
R:屈折面の曲率半径
D:屈折面の間隔
Nd:レンズ材料のd線の屈折率
νd:レンズ材料のアッベ数
f:焦点距離
fB:バックフォーカス
また、本実施例において、非球面の形状は、面の頂点を原点、光軸方向をX軸とした直交座標系において、光軸からの高さをh、頂点曲率半径をr、円錐定数をK、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12として、以下の数式(1)で表している。
Figure 2009098506
(実施例1)
<成形>
ジエチレングリコールジメタアクリレート(36部)、メチルメタクリレート(14部)、t−アミルパーオキシ 2−エチルヘキサノエート(開始剤)(0.3部)を混合して樹脂組成物を生成し、この樹脂組成物の温度が30℃以下となるようにLiquid Injection Mold成形機周囲の加熱又は冷却手段に冷却水を流して冷却した。
またスクリューの回転数は30rpm とし、背圧は6MPa とした。表面温度計により測定されるキャビティーの表面温度は、170℃になるように設定した。射出圧力は50MPa 、射出速度は15mm/sec に設定した。また、調製した樹脂組成物を射出シリンダー内に供給し、スクリュー先端が最前進位置の後方20mmに到達したときに保圧に切り換わるように設定した。保圧は30MPaで15秒間付与した。
保圧終了後、保持工程へ移行すると同時に、ノズルの先端が硬化するのを防止するためにノズルを金型から離し、保持工程が終了した後、金型を開いて、重合硬化された成形体を取り出した。金型内に樹脂が保持されている時間は10分とした。なお、この段階では樹脂組成物は完全には硬化していない状態となっている。
以上により、屈折率評価用の2mm厚の平行平板と、撮像レンズ16としての非球面レンズと、形状変化測定用の球面レンズとをそれぞれ成形物として得た。
ここで、本実施例1における撮像レンズ16としての非球面レンズは、上述の図4に示すように、最も物体側に開口絞りSが配置され、最も像側に赤外線カットフィルタIRCFが配置される設計のものである。この非球面レンズは、樹脂組成物が完全に硬化した状態での屈折率nd=1.5268に合わせて設計されており、レンズデータが以下表1の通りとなっている。ここで、下記の表1におけるバックフォーカス量fBは樹脂組成物が完全に硬化した状態での値であり、成形直後には1.29824mmとなっている。これにより、本実施例での成形直後の非球面レンズの形状は、後の加熱工程で非球面レンズを加熱して樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該非球面レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計したものとなっている。
Figure 2009098506
<評価>
平行平板をテストピースとして、KPR-200(島津カルニュー社製)にてd線(587.6nm)の屈折率を測定した。測定タイミングは、成形直後、190℃50分でのポストキュア後、Pbフリーのリフロー炉への1回目の投入後(1回目のリフロー処理後)、2回目の投入後(2回目のリフロー処理後)とした。これらの測定により得られた屈折率変化の結果を以下の表2「A欄」に示す。
また、形状変化測定用の球面レンズについて、成形直後の球面形状Rを1としたときの収縮割合をZygo GPI-X(ザイゴ社製)にて測定した。測定タイミングは、190℃50分でのポストキュア後、Pbフリーのリフロー炉への1回目の投入後、2回目の投入後とした。測定結果を表2「B欄」に示す。
また、撮像レンズ16としての非球面レンズを赤外線カットフィルタIRCFとともにレンズケース15に組み込んでレンズモジュール6を形成した後、当該レンズモジュール6をサブ基板10に固定してカメラモジュール2を形成した。このとき、赤外線カットフィルタIRCFとサブ基板10のCCDイメージセンサ11との間隔を、非球面レンズのバックフォーカス量fBに合わせて1.31mmとした。そして、このカメラモジュール2に対して190℃50分でのポストキュア処理、Pbフリーの2回のリフロー処理を行なった。以上の処理において、赤外線カットフィルタIRCFから結像面までの距離をバックフォーカス量fBとした場合の屈折率変化に伴うΔfB量(=fB−1.31mm)を、成形直後、ポストキュア後、リフロー炉への1回目の投入後、2回目の投入後にそれぞれ測定した。測定結果を表2「C欄」に示す。
Figure 2009098506
(実施例2)
実施例1と同様にして、平行平板と、形状変化測定用の球面レンズと、撮像レンズ16としての非球面レンズとを得た。
次に、平行平板をテストピースとして、KPR-200(島津カルニュー社製)にてd線(587.6nm)の屈折率を測定した。測定タイミングは、成形直後、190℃100分でのポストキュア後、Pbフリーのリフロー炉への1回目の投入後、2回目の投入後とした。これらの測定により得られた屈折率変化の結果を以下の表3「A欄」に示す。
また、形状変化測定用の球面レンズについて、成形直後の球面形状Rを1としたときの収縮割合(%)をZygo GPI-X(ザイゴ社製)にて測定した。測定タイミングは、190℃100分でのポストキュア後、Pbフリーのリフロー炉への1回目の投入後、2回目の投入後とした。測定結果を表3「B欄」に示す。
また、実施例1と同様に非球面レンズを用いてカメラモジュール2を形成し、このカメラモジュール2に対して190℃100分でのポストキュア処理、Pbフリーの2回のリフロー処理を行なった。以上の処理において、赤外線カットフィルタIRCFから結像面までの距離をバックフォーカス量fBとした場合の屈折率変化に伴うΔfB量(=fB−1.31mm)を、成形直後、ポストキュア後、リフロー炉への1回目の投入後、2回目の投入後にそれぞれ測定した。測定結果を表3「C欄」に示す。
Figure 2009098506
(比較例)
実施例1と同様にして、平行平板と、形状変化測定用の球面レンズと、撮像レンズ16としての非球面レンズとを得た。但し、本比較例の非球面レンズは、成形直後の屈折率、つまり樹脂組成物が完全には硬化していない状態での屈折率nd=1.53に合わせて設計されており、レンズデータが以下表4の通りとなっている。ここで、下記の表4におけるバックフォーカス量fBは樹脂組成物が完全に硬化した状態での値であり、成形直後にも1.3106mmとなっている。これにより、本比較例での成形直後の非球面レンズの形状は、樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズ16に生じる屈折力変化を考慮せずに、光学設計したものとなっている。
Figure 2009098506
次に、平行平板をテストピースとして、KPR-200(島津カルニュー社製)にてd線(587.6nm)の屈折率を測定した。測定タイミングは、成形直後、190℃50分でのポストキュア後、Pbフリーのリフロー炉への1回目の投入後、2回目の投入後とした。これらの測定により得られた屈折率変化の結果を以下の表5「A欄」に示す。
また、形状変化測定用の球面レンズについて、成形直後の球面形状Rを1としたときの収縮割合(%)をZygo GPI-X(ザイゴ社製)にて測定した。測定タイミングは、190℃50分でのポストキュア後、Pbフリーのリフロー炉への1回目の投入後、2回目の投入後とした。測定結果を表5「B欄」に示す。
また、実施例1と同様に非球面レンズを用いてカメラモジュール2を形成し、このカメラモジュール2に対して190℃50分でのポストキュア処理、Pbフリーの2回のリフロー処理を行なった。以上の処理において、赤外線カットフィルタIRCFから結像面までの距離をバックフォーカス量fBとした場合の屈折率変化に伴うΔfB量(=fB−1.31mm)を、成形直後、ポストキュア後、リフロー炉への1回目の投入後、2回目の投入後にそれぞれ測定した。測定結果を表5「C欄」に示す。
Figure 2009098506
(まとめ)
以上の実施例1,2及び比較例の撮像レンズ(非球面レンズ)を、いわゆるパンフォーカス方式の撮像装置(画素数の多い固体撮像素子を搭載し、かつオートフォーカス機構を持ち合わせていない撮像装置)、より具体的には、画素ピッチ3.2μm、1/7インチ型の固体撮像素子を備える撮像装置に適用する場合について検討した。
ここで、小型で画素数の多い固体撮像素子では画素ピッチが小さいため、焦点深度(一般的には、±(画素ピッチ)×2×(撮像レンズのFナンバー))が狭くなり、結果として屈折率変化時の像点位置変動の許容幅が狭くなる。また、パンフォーカス方式の撮像装置では、過焦点距離の被写体にピントを合わせ、無限遠方から至近距離までの被写体の位置を被写界深度でカバーするようになっている。従って、無限遠方や至近距離の被写体の画質は、過焦点距離の被写体の画質にくらべ若干ピントのぼけた画像となるため、屈折率の変化によって像点位置変動が生ずると、無限遠方または至近距離の画質が極端に劣化してしまい、好ましくない。そして、上記の焦点深度の計算式によれば、実施例1,2及び比較例の撮像レンズにおいては、焦点深度は21μm(≒3.2×2×3.29)であるが、使用環境の温度変化による性能劣化等を考慮するとΔfB量は焦点深度の5割以内であることが望ましい。
この点、実施例1,2の撮像レンズ16では、成形型からの取り出し直後には約12μm手前側に結像するものの、リフロー処理後にはΔfBが1μm以内となり、ほぼCCDイメージセンサ11の表面に結像することとなる。一方、比較例の撮像レンズでは、成形型からの取り出し直後には、ほぼCCDイメージセンサ11の表面に結像するものの、リフロー処理後には結像位置が伸びてΔfBが約13μmとなってしまい、ピンボケした画像しか得られないこととなる。
以上から、実施例1,2に係る撮像レンズ16では、熱硬化性の樹脂組成物の硬化完了前に成形型から取り出しても、所望の光学性能を得られると言える。
なお、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。本発明の撮像装置は、小型のデジタルスチルカメラや、携帯電話、PDA等の携帯端末に搭載されることが好ましいが、パソコンカメラなど他の用途にも用いることができる。
本発明の好ましい実施形態で使用される撮像装置の概略斜視図である。 本発明の好ましい実施形態で使用される撮像装置の一部を拡大した概略的な断面図である。 本発明の好ましい実施形態における撮像装置の製造方法を概略的に説明するための図である。 開口絞りや赤外線カットフィルタを示す図である。
符号の説明
100 撮像装置
1 回路基板
2 カメラモジュール
3 カバーケース
4 撮像用開口
5 基板モジュール
6 レンズモジュール
10 サブ基板
10a 装着孔
11 CCDイメージセンサ
12 封止樹脂
15 レンズケース
15a ホルダ部
15b 装着部
16 撮像レンズ
17 カラー部材
18 半田

Claims (18)

  1. 熱硬化性の樹脂組成物を硬化して撮像レンズを成形する成形工程、
    前記撮像レンズを電子部品とともに基板上に載置する載置工程、及び、
    前記撮像レンズと、前記電子部品と、前記基板とをリフロー処理に供し、前記撮像レンズと前記電子部品とを前記基板に実装する実装工程、
    を有し、
    前記成形工程では、
    前記樹脂組成物の硬化完了前に、前記撮像レンズを成形型から取り出すとともに、
    取り出し後に前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計することを特徴とする撮像装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の撮像装置の製造方法において、
    前記屈折力変化は、
    前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該樹脂組成物に生じる屈折率変化に起因するものであることを特徴とする撮像装置の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の撮像装置の製造方法において、
    前記屈折力変化は、
    前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に前記撮像レンズに生じる形状変化に起因するものであることを特徴とする撮像装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置の製造方法において、
    前記成形工程と前記載置工程との間に、
    前記成形型から取り出された前記撮像レンズに対し、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を完了させるポストキュア工程を有することを特徴とする撮像装置の製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置の製造方法において、
    前記成形工程と前記載置工程との間に、
    前記成形型から取り出された前記撮像レンズに対し、ポストキュア処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を進行させるポストキュア工程を有し、
    前記実装工程では、少なくとも1回の前記リフロー処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化を完了させることを特徴とする撮像装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置の製造方法により製造されたことを特徴とする撮像レンズ。
  7. リフロー処理によって電子部品とともに基板上に実装される撮像レンズの製造方法であって、
    熱硬化性の樹脂組成物を硬化して前記撮像レンズを成形する成形工程を有し、
    この成形工程では、
    前記樹脂組成物の硬化完了前に、前記撮像レンズを成形型から取り出すとともに、
    取り出し後に前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計することを特徴とする撮像レンズの製造方法。
  8. 請求項7記載の撮像レンズの製造方法において、
    前記屈折力変化は、
    前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該樹脂組成物に生じる屈折率変化に起因するものであることを特徴とする撮像レンズの製造方法。
  9. 請求項7または8記載の撮像レンズの製造方法において、
    前記屈折力変化は、
    前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に前記撮像レンズに生じる形状変化に起因するものであることを特徴とする撮像レンズの製造方法。
  10. 請求項7〜9の何れか一項に記載の撮像レンズの製造方法において、
    前記撮像レンズとして、
    前記成形型から取り出された後に、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを製造することを特徴とする撮像レンズの製造方法。
  11. 請求項7〜9の何れか一項に記載の撮像レンズの製造方法において、
    前記撮像レンズとして、
    前記成形型から取り出された後に、ポストキュア処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が進行され、少なくとも1回の前記リフロー処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを製造することを特徴とする撮像レンズの製造方法。
  12. 請求項7〜11の何れか一項に記載の撮像レンズの製造方法により製造されたことを特徴とする撮像レンズ。
  13. リフロー処理によって電子部品とともに基板上に実装される撮像レンズを、熱硬化性の樹脂組成物から成形する成形型であって、
    前記樹脂組成物の硬化完了前に、前記撮像レンズが取り出されるものであり、
    当該成形型から取り出された後に前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該撮像レンズに生じる屈折力変化の見込み量を、予め差し引いて光学設計されていることを特徴とする成形型。
  14. 請求項13記載の成形型において、
    前記屈折力変化は、
    前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に当該樹脂組成物に生じる屈折率変化に起因するものであることを特徴とする成形型。
  15. 請求項13または14記載の成形型において、
    前記屈折力変化は、
    前記樹脂組成物の硬化を完了した場合に前記撮像レンズに生じる形状変化に起因するものであることを特徴とする成形型。
  16. 請求項13〜15の何れか一項に記載の成形型において、
    前記撮像レンズとして、当該成形型から取り出された後に、1時間以上、100℃以上でポストキュア処理を行なうことによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを成形することを特徴とする成形型。
  17. 請求項13〜15の何れか一項に記載の成形型において、
    前記撮像レンズとして、当該成形型から取り出された後に、ポストキュア処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が進行され、少なくとも1回の前記リフロー処理が行なわれることによって前記樹脂組成物の硬化が完了されるものを成形することを特徴とする成形型。
  18. 請求項13〜17の何れか一項に記載の成形型により成形されたことを特徴とする撮像レンズ。
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