JP5070131B2 - 光学部品用樹脂組成物およびそれを用いた光学部品 - Google Patents

光学部品用樹脂組成物およびそれを用いた光学部品 Download PDF

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Description

本発明は、光学部品用樹脂組成物およびそれを用いた光学部品に関するものであり、詳しくは、撮像装置等における光学レンズ,透明保護プレートの材料や、これら光学部品の接着等に使用される、光学部品用樹脂組成物およびそれを用いた光学部品に関するものである。
携帯電話やデジタルスチールカメラ等で用いられる撮像装置には、撮像用の光学レンズが搭載されている。このような光学レンズとしては、従来、ガラス,熱可塑性樹脂等からなるものや、ガラス基板に熱可塑性樹脂組成物をレンズ状に成形した有機・無機ハイブリッドレンズ(以下、「ハイブリッドレンズ」と略す)等が用いられているが、ガラスレンズは高価であることから、近年では、熱可塑性樹脂レンズやハイブリッドレンズが主流である(例えば、特許文献1参照)。
一方、このようなレンズを使用した撮像装置を、プリント基板へ搭載する際、両者の接続方法(撮像装置の取付方法)は、通常、ソケットピンの接続により行ったり、また、予め撮像素子デバイス(撮像装置から光学レンズユニットを取り除いたもの)をプリント基板上へハンダ付けした後に光学レンズユニットを取り付けるといった方法がとられる。これは、レンズの素材である熱可塑性樹脂が、ハンダリフロー時の熱により変形するといった問題を回避するためである。
特許第3926380号公報
しかしながら、今日の撮像装置付き携帯電話の普及率拡大に伴い、より安価かつ大量生産を可能にすることを目的に、光学レンズユニットのついた撮像装置をハンダリフローにより一括搭載する方式が求められている。熱可塑性樹脂を素材とする従来の光学レンズでは、先に述べたように、ハンダリフロー時の熱により変形するといった問題があるため、この要求に応えることはできない。
そこで、レンズの材料に熱硬化性樹脂を用い、上記のようなリフロー方式による撮像装置(光学レンズユニット付き)の一括搭載を有利に行えないかが検討されている。また、レンズ以外にも、撮像装置の透明保護プレートや、これら光学部品の接着等にも、この熱硬化性樹脂の使用が検討されている。
例えば、熱硬化性シリコーン樹脂は、透明かつ熱変色性の低いことから、その用途への適用が検討されるが、一般に、シリコーン樹脂は、ガラス等との密着力が低いことから、例えばハイブリッドレンズ等への適用は困難であり、またガラス転移温度が低く熱膨張係数が大きいために、使用環境の熱により熱収縮が生じ、光学特性が悪化する場合がある。したがって、光学レンズの素材として適用するのは困難である。
また、上記のような密着力や熱収縮性を改善することを目的とし、エポキシ樹脂を主成分とする紫外線硬化樹脂等の使用も検討されている。そして、例えば、アニオン成分としてSbF6 - を有するオニウム塩を硬化促進剤として用いた場合、その硬化性は速く、得られる硬化物のガラス転移温度は高いことから、上述の熱収縮を低減することは可能である。しかしながら、このようなアンチモン化合物は毒性が強いことから環境に悪影響を及ぼすおそれがある。一方、PF6 - やB(C6 5 4 - 等のアニオン系化合物を有するオニウム塩は、環境に負荷を与えないものとして知られているが、このオニウム塩を硬化促進剤として用いた場合、得られる硬化物には、充分なガラス転移温度が得られないといった問題が生じてしまう。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、撮像装置等における光学部品を製造するにあたり、環境負荷が少なく、かつ高い透明性、耐熱信頼性を有する光学部品を得るための、光学部品用樹脂組成物およびそれを用いた光学部品の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、光学部品の材料として用いられる紫外線硬化性透明樹脂組成物であって、下記の(A)〜(C)成分を含有し、その(C)成分の含有割合が、(A)および(B)成分の合計量100重量部に対し、0.01〜0.5重量部の範囲に設定されており、(A)成分と(B)成分との総重量に対する(B)成分の割合が5〜50重量%の範囲に設定されている光学部品用樹脂組成物を第一の要旨とし、上記第一の要旨の樹脂組成物を用いてなる光学部品を第二の要旨とする。
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
(B)1分子中に1個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物。
(C)下記の一般式(1)で表されるアニオン成分と、カチオン成分とからなるオニウム塩。
Figure 0005070131
すなわち、本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、上記(A)および(B)成分とともに、光酸発生剤成分として、上記一般式(1)で表されるアニオン成分と,カチオン成分とからなるオニウム塩を含有し、かつこれら各成分の割合が特定の範囲に設定された、特殊な紫外線硬化性透明樹脂組成物を、光学部品の材料として用いたところ、毒性が低く、かつ透明性、耐熱性に優れることを見いだし、本発明に到達した。
以上のように、本発明の光学部品用樹脂組成物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、および、1分子中に1個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物とともに、光酸発生剤成分として上記特殊なオニウム塩を含有し、かつこれら各成分の割合が特定の範囲に設定されたものであり、毒性が低く、かつ透明性、耐熱性に優れる。そのため、環境に悪影響を及ぼすこともなく、また、紫外線劣化や、ハンダリフロー時の熱による変形や変色の問題も解消することができる。さらに、上記樹脂組成物は、ガラス等の透明基板で硬化させ、上記基板と一体化させることにより、高品質なハイブリッドレンズとして製造することもできる。また、上記樹脂組成物は接着性が高く、撮像装置等における光学レンズ,透明保護プレート等の光学部品の接着等にも使用することができる。
そして、上記樹脂組成物における光酸発生剤の含有割合を特定の範囲内とすることにより、硬化性、熱変色耐性等を有利に制御することができる。
また、この樹脂組成物を用いてなる光学部品は、上記のように、ハンダリフロー時の熱によっても変色や変形をすることなく、安定した機械特性を有するため、撮像装置をハンダリフローにより一括搭載する際に有利に使用することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の光学部品用樹脂組成物は、光学部品の材料として用いられる紫外線硬化性透明樹脂組成物であって、下記の(A)〜(C)成分を特定の割合で含有するものである。
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
(B)1分子中に1個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物。
(C)下記の一般式(1)で表されるアニオン成分と、カチオン成分とからなるオニウム塩。
Figure 0005070131
上記(A)成分のエポキシ樹脂には、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が用いられ、例えば、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,7−オクタジエンジエポキシド、1,9−デカジエンジエポキシド、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂〔3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等〕、あるいは、これらエポキシ樹脂の水素が部分的にtert−ブチル基、トリフロロメチル基、フッ素に置換されたエポキシ樹脂や、全フッ素置換型のパーフルオロエポキシ樹脂等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、硬化性、流動性の観点から、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを、上記各種のエポキシ樹脂と併用して用いることが好ましい。
上記(B)成分のオキセタン化合物には、1分子中に1個以上のオキセタニル基を有する化合物が用いられ、例えば、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ビフェニル、2,2’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル[4,4’−ビス(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ビフェニル、2,7−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ナフタレン、1,6−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン、3(4),8(9)−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]−トリシクロ[5.2.1.2.6]デカン、1,2−ビス{[2−(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]エチルチオ}エタン、4,4’−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]チオジベンゼンチオエーテル、2,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]ノルボルナン、2−エチル−2−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]−1,3−O−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、1,4−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−ブタン−1,4−ジオール、2,4,6−O−トリス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]シアヌル酸等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記(B)成分のオキセタン化合物の配合割合は、硬化性、接着性の観点から、(A)成分との総重量に対し、5〜50重量%の範囲に設定される。好ましくは10〜40重量%の範囲である。
上記(A)および(B)成分とともに用いられるオニウム塩(C成分)は、先に述べたように、下記の一般式(1)で表されるアニオン成分と、カチオン成分とからなるオニウム塩である。
Figure 0005070131
上記アニオン成分を有するオニウム塩としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウム塩、ホスホニウム塩等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、アニオン生成速度の観点から、芳香族スルホニウム塩が好ましく、また、この観点から特に好ましくは、トリアリールスルホニウム塩である。
上記(C)成分のオニウム塩の配合割合は、耐着色性、硬化性、接着性の観点から、上記(A)成分および(B)成分の総重量100重量部(以下、「部」と略す)に対し、0.01〜0.5部の範囲に設定する必要がある。同様の観点から、好ましくは0.02〜0.4部の範囲である。
なお、本発明の光学部品用樹脂組成物には、上記各成分に加え、必要に応じて、アントラセン,フェナントレン,カルバゾール,ナフタレン類を有する光増感剤、シラン系やチタン系の接着付与剤、合成ゴムやポリオルガノシロキサン等の可とう性付与剤、酸化防止剤、消泡剤、炭化水素系ワックス、無機充填剤等を適宜に配合することができる。
そして、本発明の光学部品は、上記各成分を所定の割合で混合して得られた樹脂組成物を、シート状にしたり、加工型内に充填したりした後、紫外線照射を行い、硬化させることにより得ることができる。なお、紫外線照射の後、必要に応じ、加熱処理を行ってもよい。
例えば、光学レンズを製造する場合、具体的には、次のようにして行われる。すなわち、図1(i)に示すように、基板12上に上記樹脂組成物1をポッティング(樹脂盛り)し、その上からレンズ成形加工型13を押圧することにより、図1(ii)に示すように、上記加工型13内への樹脂組成物1の充填を行い、その後、図1(iii) に示すように、上記樹脂組成物1に対し、上記加工型13を介して紫外線15を照射して硬化させ、ついで、図1(iv)に示すように、その硬化物11’を脱型し、適宜、加熱処理することにより、図2に示すような光学レンズ11が得られる。なお、上記加熱処理は、紫外線照射後の樹脂組成物の硬化体を上記加工型から脱型する前に行っても、脱型した後に行ってもよい。そして、この光学レンズ11は、上記基板12と一体化させることにより、高品質なハイブリッドレンズとして製造することが可能である(基板12は、光学レンズ11の大きさに合うよう、適宜切断させる)。また、光学レンズ11を上記基板12から取り外して使用する場合、上記基板12としては、剥離シートが用いられる。
上記レンズ成形加工型13としては、例えば、金属製、ガラス製、プラスチック製のものが使用可能であるが、図1に示すように、レンズ成形加工型13を通して紫外線を照射し樹脂組成物1の硬化を行うのであれば、ガラス製あるいは透明樹脂製の、紫外線透過性の成形加工型が用いられる。なかでも、生産性、耐久性の観点から、ガラス製あるいは透明シリコーン樹脂製の成形加工型が好ましい。
また、図1に示すように、基板12を用いる場合、その材質としては、紫外線照射(紫外線透過性)や加熱処理に適応する観点から、透明かつ耐熱性の高いものが好ましく用いられる。このように、基板12が透明性を有する場合、樹脂組成物に対する紫外線照射を、上記加工型13を介してだけでなく、基板12を介しても行うことができるようになるため、紫外線照射の自由度が高くなる。そして、上記基板12が、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、BK−7(SCHOTT GLAS社製)などの各種ガラス材料や、透明かつリフロー温度(260℃前後)で軟化しないプラスチック材料(ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等)等からなるものである場合、これら基板12と上記樹脂組成物1との密着力が高く、かつハンダリフロー時の熱によっても変色や変形をすることがないことから、これら基板12を上記樹脂組成物1の硬化体(光学レンズ11)と一体化させることにより、高品質なハイブリッドレンズとして製造することができる。一方、上記基板12上で上記樹脂組成物1を硬化させた後、その硬化体(光学レンズ11)を基板12から取り外して光学レンズとして使用する場合、その基板12としては、PETフィルム、PPフィルム、PTFEフィルム、ETFEフィルム等の剥離シートが、透明性等の点で好適に用いられる。
なお、上記紫外線照射に使用される光源としては、水銀ランプが使用でき、その照射量は、造形する光学レンズの厚みに従い、適時設定することができるが、例えば、300μmの厚みの造形物(光学レンズ)に対しては、その紫外線硬化を良好に行う観点から、紫外線照射エネルギーが2000〜20000mJ/cm2 の範囲となるよう照射することが好ましく、より好ましくは3000〜15000mJ/cm2 の範囲である。すなわち、紫外線照射エネルギーが上記範囲未満では、紫外線照射後の成形加工型取り外し時において、樹脂組成物1の硬化体(光学レンズ11)が基板12から剥離し、加工型13に一体化してしまうおそれがあり、逆に、紫外線照射エネルギーが上記範囲を超えると、樹脂組成物1の硬化体(光学レンズ11)に紫外線劣化が生じ、その後の加熱処理により著しく着色するおそれがあるからである。
また、上記紫外線照射後に加熱処理を行うと、動的粘弾性測定で得られる硬化体のガラス転移温度が所望とするガラス転移温度に到達するため、好ましい。そして、上記加熱処理条件は、生産性の観点から、80〜120℃で、1時間程度行うことが好ましい。
上記光学レンズは、例えば、図2に示すように、基板12上に、紫外線硬化性透明樹脂組成物の硬化体(光学レンズ11)が、柱状、円柱状、半球状、ピラミッド状、フレネル構造など任意の3次元形状で造形されたものである。そして、先にも述べたように、上記基板12の材質により、樹脂硬化体(光学レンズ11)と一体化してハイブリッドレンズとして製造してもよく、また、樹脂硬化体(光学レンズ11)を基板12から取り外して、上記樹脂硬化体そのものを光学レンズとして用いてもよい。なお、上記光学レンズの表面には、必要に応じて、反射防止コート材がコートされる。
そして、上記光学レンズをはじめとする本発明の光学部品(樹脂硬化体)のガラス転移温度は、温度サイクル性および耐熱性の観点より、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。すなわち、ガラス転移温度が100℃未満の場合、温度サイクルによる熱収縮量が増大し、反射防止コート材との熱膨張係数のミスマッチにより反射防止コート材の剥離やクラックが発生するおそれがあるからである。
そして、本発明の光学部品は、ハンダリフロー時の熱によっても変色や変形をすることなく、安定した機械特性を有するため、撮像装置をハンダリフローにより一括搭載する際に有利に使用することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例に先立ち、下記に示すエポキシ樹脂、オキセタン化合物、光酸発生剤を準備した。
<エポキシ樹脂>
(a)液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「エピコート827」)
(b)液状脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、商品名「セロキサイド2021P」)
(c)フルオレン型エポキシ樹脂(長瀬産業社製、商品名「オンコートEX−1040」)
<オキセタン化合物>
(a)3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン(東亞合成社製、商品名「アロオキセタンOXT−211」)
(b)ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製、商品名「アロオキセタンOXT−221」)
(c)3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製、商品名「アロオキセタンOXT−101」)
<光酸発生剤>
(a)テトラ(ペンタフルオロエチル)ジフルオロリン酸のトリアリールスルホニウム塩の50wt%プロピレンカーボネート溶液(サンアプロ社製、商品名「CPI−200K」)
(b)ヘキサフルオロリン酸のトリアリールスルホニウム塩の50wt%プロピレンカーボネート溶液(サンアプロ社製、商品名「CPI−101P」)
〔実施例1〜8、比較例1,2〕
上記エポキシ樹脂、オキセタン化合物の各成分を、後記の表1に示す割合で配合した後、必要に応じ加熱溶融し溶融混合した。次いで、上記光酸発生剤を、後記の表1に示す割合で配合し、50℃にて、回転数300rpmで10分間攪拌することにより目的とする樹脂組成物(紫外線硬化性透明樹脂組成物)を得た。
このようにして得られた樹脂組成物に関し、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1に併せて示した。
〔透明性〕
各樹脂組成物を、シリコーン離型処理を施したPETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、ダイアホイルMRA−50)上に、600μmとなるよう製膜し、これに紫外線を照射し(紫外線量8000mJ/cm2 )、1次硬化させた。その後、100℃で1時間加熱キュアし、成形物を得た。さらに、その後、この成形物を、260℃で10秒間リフローした。そして、上記紫外線(UV)照射後、加熱キュア後、およびリフロー後の樹脂硬化体を、幅20mm、長さ30mmの試験片に切り出し、カラーコンピューター(スガ試験機社製、SM−T)により、透過モードでイエローインデックス値(Y.I.値)を測定した。
〔ガラス転移温度〕
各樹脂組成物を、シリコーン離型処理を施したPETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、ダイアホイルMRA−50)上に、600μmとなるよう製膜し、これに紫外線を照射し(紫外線量8000mJ/cm2 )、1次硬化させた。その後、100℃で1時間加熱キュアし、成形物を得た。そして、この成形物を、幅5mm、長さ35mmの試験片に切り出し、動的粘弾性装置(レオメトリック杜製、RS−II)を用いて周波数1Hz、RT(25℃)〜260℃の温度範囲で貯蔵弾性率、損失弾性率から導かれるtanδ曲線を得た。そして、得られたtanδ曲線のピーク値をガラス転移温度(Tg)とした。なお、Tgが100℃以上のものを「良好」と判定した。
Figure 0005070131
上記結果から、全実施例では、紫外線照射後あるいは加熱キュア後においてもY.I.値が低く、透明性の高い樹脂成形物が得られており、また加熱処理後の成形物のガラス転移温度は、いずれの実施例品においても100℃以上を有していることがわかる。そして、樹脂成形物中の光酸発生剤の特性により、全実施例の樹脂成形物は、毒性の低いものとなった。
これに対し、比較例1では、光酸発生剤量が過剰であり、初期(UV照射後)のY.I.値は低いものの、加熱キュア後やリフロー後において、Y.I.値が高くなり、透明性に劣る結果となった。比較例2では、Y.I.値の低い(透明性の高い)樹脂成形物が得られているものの、ガラス転移温度が100℃未満であり、低いガラス転移温度の成形物しか得られないものとなった。なお、実施例1の樹脂組成物において、光酸発生剤量が0.01g未満となるように調製し、実施例1と同様のサンプルを作製したところ、硬化が不充分となり、所望の硬度が得られなかった。
以上のことから、本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物は、毒性が低く、かつ高い透明性、耐熱信頼性を有するため、光学部品の材料として優れたものとなる。そして、この樹脂組成物を用いてなる光学部品は、ハンダリフロー時の熱によっても変色や変形をすることなく、安定した機械特性を有するため、撮像装置をハンダリフローにより一括搭載する際に有利に使用することができる。
本発明の光学部品(光学レンズ)の製造工程を示す説明図であり、(i)は基板上に紫外線硬化性透明樹脂組成物をポッティングした状態を示し、(ii)はレンズ成形加工型の押圧により加工型内へ樹脂組成物を充填した状態を示し、(iii) は充填した樹脂組成物に対し紫外線照射した状態を示し、(iv)は光学レンズを脱型した状態を示す。 光学部品の一例(光学レンズ)を示す断面図である。
符号の説明
11 光学レンズ
12 基板

Claims (2)

  1. 光学部品の材料として用いられる紫外線硬化性透明樹脂組成物であって、下記の(A)〜(C)成分を含有し、その(C)成分の含有割合が、(A)および(B)成分の合計量100重量部に対し、0.01〜0.5重量部の範囲に設定されており、(A)成分と(B)成分との総重量に対する(B)成分の割合が5〜50重量%の範囲に設定されていることを特徴とする光学部品用樹脂組成物。
    (A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
    (B)1分子中に1個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物。
    (C)下記の一般式(1)で表されるアニオン成分と、カチオン成分とからなるオニウム塩。
    Figure 0005070131
  2. 請求項1記載の樹脂組成物を用いてなる光学部品。
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