JP2009288598A - 光学レンズの製法およびそれにより得られた光学レンズ - Google Patents

光学レンズの製法およびそれにより得られた光学レンズ Download PDF

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Abstract

【課題】撮像装置に用いられる光学レンズを製造するにあたり、優れた透明性、耐熱信頼性を有する光学レンズを得るための製法およびそれにより得られた光学レンズを提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有する紫外線硬化性透明樹脂組成物であって、その(C)成分の含有割合を、(A)および(B)成分の合計量100重量部に対し、0.05〜2.0重量部の範囲とするものを、レンズ成形加工型内に充填し、上記加工型内の樹脂組成物に対して紫外線照射を行い、上記樹脂組成物をレンズ形状に硬化させた後、その硬化体に対し加熱処理を行う。そして、この製法によって、基板12上に光学レンズ11を作製する。
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
(B)1分子中に1個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物。
(C)光酸発生剤。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学レンズの製法およびそれにより得られた光学レンズに関するものであり、詳しくは、透明樹脂からなる光学レンズの製法およびそれにより得られた光学レンズに関するものである。
携帯電話やデジタルスチールカメラ等で用いられる撮像装置には、撮像用の光学レンズが搭載されている。このような光学レンズとしては、従来、ガラス,熱可塑性樹脂等からなるものや、ガラス基板に熱可塑性樹脂組成物をレンズ状に成形した有機・無機ハイブリッドレンズ(以下、「ハイブリッドレンズ」と略す)等が用いられているが、ガラスレンズは高価であることから、近年では、熱可塑性樹脂レンズやハイブリッドレンズが主流である(例えば、特許文献1参照)。
一方、このようなレンズを使用した撮像装置を、プリント基板へ搭載する際、両者の接続方法(撮像装置の取付方法)は、通常、ソケットピンの接続により行ったり、また、予め撮像素子デバイス(撮像装置から光学レンズユニットを取り除いたもの)をプリント基板上へハンダ付けした後に光学レンズユニットを取り付けるといった方法がとられる。これは、レンズの素材である熱可塑性樹脂が、ハンダリフロー時の熱により変形するといった問題を回避するためである。
特許第3926380号公報
しかしながら、今日の撮像装置付き携帯電話の普及率拡大に伴い、より安価かつ大量生産を可能にすることを目的に、光学レンズユニットのついた撮像装置をハンダリフローにより一括搭載する方式が求められている。熱可塑性樹脂を素材とする従来の光学レンズでは、先に述べたように、ハンダリフロー時の熱により変形するといった問題があるため、この要求に応えることはできない。
そこで、レンズの材料に熱硬化性樹脂を用い、上記のようなリフロー方式による撮像装置(光学レンズユニット付き)の一括搭載を有利に行えないかが検討されている。
例えば、熱硬化性シリコーン樹脂は、透明かつ熱変色性の低いことから、その用途への適用が検討されるが、一般に、シリコーン樹脂は、ガラス等との密着力が低いことから、例えばハイブリッドレンズ等への適用は困難であり、またガラス転移温度が低く熱膨張係数が大きいために、使用環境の熱により熱収縮が生じ、光学特性が悪化する場合がある。したがって、光学レンズの素材として適用するのは困難である。
また、例えば、従来の紫外線硬化性アクリル材料やエポキシ樹脂組成物は、常温紫外線照射により寸法安定性の優れた光学レンズ成形物を得ることが可能であるが、しかし、シリコーン樹脂と同様、ガラス転移温度が低く、使用環境の熱により光学特性や機械特性の変動などの問題が生じてしまうおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、撮像装置に用いられる光学レンズを製造するにあたり、優れた透明性、耐熱信頼性を有する光学レンズを得るための製法およびそれにより得られた光学レンズの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する紫外線硬化性透明樹脂組成物であって、その(C)成分の含有割合を、(A)および(B)成分の合計量100重量部に対し、0.05〜2.0重量部の範囲とするものを、レンズ成形加工型内に充填し、上記加工型内の樹脂組成物に対して紫外線照射を行い、上記樹脂組成物をレンズ形状に硬化させた後、その硬化体に対し加熱処理を行う光学レンズの製法を第一の要旨とし、上記第一の要旨の製法によって得られる光学レンズを第二の要旨とする。
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
(B)1分子中に1個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物。
(C)光酸発生剤。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、透明かつ熱変色性の低いことから、上記(A)〜(C)成分を含有する特殊な紫外線硬化性透明樹脂組成物を、光学レンズの材料として用いることを想起した。そして、実験を重ねた結果、上記特殊な紫外線硬化性透明樹脂組成物を、レンズ成形加工型内に充填し、上記加工型内の樹脂組成物に対して紫外線照射を行い、上記樹脂組成物をレンズ形状に硬化させた後、その状態のままの硬化体、もしくは得られた硬化体を上記加工型から取り外して、さらに加熱処理を行ったところ、熱ストレスに対し安定した機械特性の光学レンズが製造できることを見いだし、本発明に到達した。
以上のように、本発明の光学レンズの製法は、上記特殊な紫外線硬化性透明樹脂組成物を、レンズ成形加工型内に充填し、上記加工型内の樹脂組成物に対して紫外線照射を行い、上記樹脂組成物をレンズ形状に硬化させた後、その硬化体に対し、さらに加熱処理を行うものである。このような製法により、優れた透明性、熱変色耐性とともに、熱ストレスに対し安定した機械特性を有する光学レンズを得ることができる。また、上記樹脂組成物はガラス等との密着力が高く、そのため、本発明の製法において、ガラス等の透明基板上に上記紫外線硬化性透明樹脂組成物をポッティング(樹脂盛り)し、その上から上記レンズ成形加工型を押圧して、上記樹脂組成物の上記加工型内への充填を行い、この樹脂組成物に対し、上記のように紫外線照射・加熱処理を行うことにより樹脂組成物を硬化させ、上記透明基板と一体化させることにより、高品質なハイブリッドレンズとして製造することもできる。
そして、上記樹脂組成物における光酸発生剤の含有割合を特定の範囲内とすることにより、硬化性、熱変色耐性等を有利に制御することができる。
また、このようにして得られた光学レンズは、ハンダリフロー時の熱によっても変色や変形をすることなく、安定した機械特性を有するため、撮像装置をハンダリフローにより一括搭載する際に有利に使用することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の光学レンズの製法は、先に述べたように、下記の(A)〜(C)成分を特定の割合で含有する紫外線硬化性透明樹脂組成物を、レンズ成形加工型内に充填し、上記樹脂組成物に対して紫外線照射を行い、上記樹脂組成物をレンズ形状に硬化させた後、その状態のまま、もしくは上記加工型から取り外して、生成硬化体に対し加熱処理を行うものである。
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
(B)1分子中に1個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物。
(C)光酸発生剤。
上記(A)成分のエポキシ樹脂には、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が用いられ、例えば、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,7−オクタジエンジエポキシド、1,9−デカジエンジエポキシド、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂〔3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等〕、あるいは、これらエポキシ樹脂の水素が部分的にtert−ブチル基、トリフロロメチル基、フッ素に置換されたエポキシ樹脂や、全フッ素置換型のパーフルオロエポキシ樹脂等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、硬化性、流動性の観点から、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを、上記各種のエポキシ樹脂と併用して用いることが好ましい。
上記(B)成分のオキセタン化合物には、1分子中に1個以上のオキセタニル基を有する化合物が用いられ、例えば、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ビフェニル、2,2’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル[4,4’−ビス(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ビフェニル、2,7−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ナフタレン、1,6−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン、3(4),8(9)−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]−トリシクロ[5.2.1.2.6]デカン、1,2−ビス{[2−(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]エチルチオ}エタン、4,4’−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]チオジベンゼンチオエーテル、2,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]ノルボルナン、2−エチル−2−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]−1,3−O−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、1,4−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−ブタン−1,4−ジオール、2,4,6−O−トリス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]シアヌル酸等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記(B)成分のオキセタン化合物の配合割合は、硬化性、接着性の観点から、(A)成分との総重量に対し、5〜50重量%の範囲であることが好ましく、特に好ましくは10〜40重量%の範囲である。
上記(A)および(B)成分とともに用いられる光酸発生剤(C成分)としては、紫外線照射によりカチオン重合可能な酸を発生するものが用いられる。このような光酸発生剤としては、例えば、SbF6 - ,PF6 - ,BF4 - ,AsF6 - ,(C6 5 4 - ,PF4 (CF2 CF3 2 - 等のアニオン成分と、カチオン成分とからなるオニウム塩(ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウム塩、ホスホニウム塩等)があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、硬化性、透明性の観点より、SbF6 - やPF4 (CF2 CF3 2 - をアニオン成分とするオニウム塩が好ましい。また、上記オニウム塩としては、アニオン生成速度の観点から、芳香族スルホニウム塩が好ましく、なかでも、この観点から特に好ましくは、トリアリールスルホニウム塩である。
上記(C)成分の光酸発生剤の配合割合は、耐着色性、硬化性、接着性の観点から、上記(A)成分および(B)成分の総重量100重量部(以下、「部」と略す)に対し、0.05〜2.0部の範囲に設定する必要がある。同様の観点から、上記(C)成分の配合割合は、好ましくは0.1〜1.0部の範囲である。
なお、本発明の光学レンズの製法において使用される紫外線硬化性透明樹脂組成物には、上記各成分に加え、必要に応じて、シラン系やチタン系の接着付与剤、合成ゴムやポリオルガノシロキサン等の可とう性付与剤、酸化防止剤、消泡剤、炭化水素系ワックス、無機充填剤等を適宜に配合することができる。
そして、本発明の光学レンズは、上記各成分を特定の割合で混合して得られる紫外線硬化性透明樹脂組成物を、レンズ成形加工型内に充填し、上記樹脂組成物に対して紫外線照射を行い、上記樹脂組成物をレンズ形状に硬化させた後、その硬化体に対し加熱処理を行うことにより、得ることができる。なお、上記加熱処理は、先に述べたように、紫外線照射後の樹脂組成物の硬化体を上記加工型から脱型する前に行っても、脱型した後に行ってもよい。
上記充填方法は、例えば、図1(i)に示すように、基板12上に上記紫外線硬化性透明樹脂組成物1をポッティング(樹脂盛り)し、その上からレンズ成形加工型13を押圧することにより、図1(ii)に示すように、上記加工型13内への樹脂組成物1の充填が行われる。その後、図1(iii) に示すように、上記樹脂組成物1に対し、上記加工型13を介して紫外線15を照射して硬化させ、ついで、図1(iv)に示すように、その硬化物11’を脱型し加熱処理することにより、図2に示すような光学レンズ11が得られる。この光学レンズ11は、上記基板12と一体化させることにより、高品質なハイブリッドレンズとして製造することが可能である(基板12は、光学レンズ11の大きさに合うよう、適宜切断させる)。また、光学レンズ11を上記基板12から取り外して使用する場合、上記基板12としては、剥離シートが用いられる。
上記レンズ成形加工型13としては、例えば、金属製、ガラス製、プラスチック製のものが使用可能であるが、図1に示すように、レンズ成形加工型13を通して紫外線を照射し樹脂組成物1の硬化を行うのであれば、ガラス製あるいは透明樹脂製の、紫外線透過性の成形加工型が用いられる。なかでも、生産性、耐久性の観点から、ガラス製あるいは透明シリコーン樹脂製の成形加工型が好ましい。
また、図1に示すように、基板12を用いる場合、その材質としては、紫外線照射(紫外線透過性)や加熱処理に適応する観点から、透明かつ耐熱性の高いものが好ましく用いられる。このように、基板12が透明性を有する場合、樹脂組成物に対する紫外線照射を、上記加工型13を介してだけでなく、基板12を介しても行うことができるようになるため、紫外線照射の自由度が高くなる。そして、上記基板12が、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、BK−7(SCHOTT GLAS社製)などの各種ガラス材料や、透明かつリフロー温度(260℃前後)で軟化しないプラスチック材料(ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等)等からなるものである場合、これら基板12と上記樹脂組成物1との密着力が高く、かつハンダリフロー時の熱によっても変色や変形をすることがないことから、これら基板12を上記樹脂組成物1の硬化体(光学レンズ11)と一体化させることにより、高品質なハイブリッドレンズとして製造することができる。一方、上記基板12上で上記樹脂組成物1を硬化させた後、その硬化体(光学レンズ11)を基板12から取り外して光学レンズとして使用する場合、その基板12としては、PETフィルム、PPフィルム、PTFEフィルム、ETFEフィルム等の剥離シートが、透明性等の点で好適に用いられる。
なお、上記紫外線照射に使用される光源としては、水銀ランプが使用でき、その照射量は、造形する光学レンズの厚みに従い、適時設定することができるが、例えば、300μmの厚みの造形物(光学レンズ)に対しては、その紫外線硬化を良好に行う観点から、紫外線照射エネルギーが2000〜20000mJ/cm2 の範囲となるよう照射することが好ましく、より好ましくは3000〜15000mJ/cm2 の範囲である。すなわち、紫外線照射エネルギーが上記範囲未満では、紫外線照射後の成形加工型取り外し時において、樹脂組成物1の硬化体(光学レンズ11)が基板12から剥離し、加工型13に一体化してしまうおそれがあり、逆に、紫外線照射エネルギーが上記範囲を超えると、樹脂組成物1の硬化体(光学レンズ11)に紫外線劣化が生じ、その後の加熱処理により著しく着色するおそれがあるからである。
また、上記紫外線照射後の加熱処理条件は、透明性や耐熱性の観点から、80〜150℃で、1〜5時間行うことが好ましく、より好ましくは、90〜130℃で、1〜3時間の加熱処理である。また、上記加熱処理が良好になされているか否かは、例えば、紫外線照射し次いで加熱処理した成形物の貯蔵弾性率、損失弾性率測定で得られるtanδの曲線カーブ(プロット)における、25〜260℃の温度領域での曲線状態で確認することができる。すなわち、試験片を繰り返し2回測定した際の、tanδの立ち上がり温度の変動が10℃以内であれば、測定時の加熱によるガラス転移温度の変動が発生していないと考えられ、測定以前の加熱処理により充分な硬化状態に到達していると判断できる。
上記に示すような本発明の製法により得られる光学レンズは、例えば、図2に示すように、基板12上に、紫外線硬化性透明樹脂組成物の硬化体(光学レンズ11)が、柱状、円柱状、半球状、ピラミッド状、フレネル構造など任意の3次元形状で造形されたものである。そして、先にも述べたように、上記基板12の材質により、樹脂硬化体(光学レンズ11)と一体化してハイブリッドレンズとして製造してもよく、また、樹脂硬化体(光学レンズ11)を基板12から取り外して、上記樹脂硬化体そのものを光学レンズとして用いてもよい。
そして、このようにして得られた光学レンズは、ハンダリフロー時の熱によっても変色や変形をすることなく、安定した機械特性を有するため、撮像装置をハンダリフローにより一括搭載する際に有利に使用することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例に先立ち、下記に示すように、樹脂組成物(a)〜(d)を調製した。
〔樹脂組成物(a)の調製〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート827)35gと、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、CEL−2021P)35gと、オキセタン化合物(東亞合成社製、アロオキセタンOXT−211)30gと、光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI−100P)のポリカーボネート溶液4g(この溶液中の光酸発生剤量は2g)とを加え、50℃で10分間攪拌混合することにより、樹脂組成物(a)を調製した。
〔樹脂組成物(b)の調製〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート827)35gと、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、CEL−2021P)35gと、オキセタン化合物(東亞合成社製、アロオキセタンOXT−211)30gと、光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI−101A)のポリカーボネート溶液1g(この溶液中の光酸発生剤量は0.5g)とを加え、50℃で10分間攪拌混合することにより、樹脂組成物(b)を調製した。
〔樹脂組成物(c)の調製〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート827)35gと、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、CEL−2021P)35gと、オキセタン化合物(東亞合成社製、アロオキセタンOXT−211)30gと、光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI−101A)のポリカーボネート溶液0.6g(この溶液中の光酸発生剤量は0.3g)とを加え、50℃で10分間攪拌混合することにより、樹脂組成物(c)を調製した。
〔樹脂組成物(d)の調製〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート827)35gと、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、CEL−2021P)35gと、オキセタン化合物(東亞合成社製、アロオキセタンOXT−211)30gと、光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI−101A)のポリカーボネート溶液6g(この溶液中の光酸発生剤量は3g)とを加え、50℃で10分間攪拌混合することにより、樹脂組成物(d)を調製した。
〔実施例1〜5、比較例1,2〕
上記の各樹脂組成物を、シリコーン離型処理を施したPETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、ダイアホイルMRA−50)上にポッティング(樹脂盛り)し、その上からガラス製のレンズ成形加工型を押圧することにより、上記加工型内への樹脂組成物の充填を行い、その後、上記樹脂組成物に対し、後記の表1に記す紫外線照射条件(照射量)により、上記加工型を通して紫外線を照射した。その後、上記加工型から脱型し、それを、後記の表1に記す加熱キュア条件で加熱処理し、樹脂硬化体(光学レンズ)を製造した(図1参照)。
このようにして得られた樹脂硬化体(光学レンズ)に関し、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1に併せて示した。
〔動的粘弾性〕
上記樹脂硬化体を、幅5mm、長さ35mmの試験片に切り出し、動的粘弾性装置(レオメトリック杜製、RS−II)を用いて周波数1Hz、RT(25℃)〜260℃の温度範囲で貯蔵弾性率、損失弾性率を測定した。そして、この測定を繰り返し2回行い、そこから得られるtanδの値をプロットし、tanδの曲線カーブを作成した。つぎに、RT〜260℃におけるtanδカーブの立ち上がり温度は、立ち上がり温度前後で、tanδカーブに対し接線を引き、その交わった点とした。そして、2回目の測定で得られた立ち上がり温度(Ts2 )から1回目の測定で得られた立ち上がり温度(Ts1 )を差し引き、ΔTを算出した。そして、ΔT<10℃となる加熱キュア条件を「良好」と判定し、ΔT≧10℃となる加熱キュア条件を「×」と判定した。
〔着色性〕
上記樹脂硬化体を、幅20mm、長さ30mmの試験片に切り出し、カラーコンピューター(スガ試験機社製、SM−T)により、透過モードでイエローインデックス値を測定した。そして、その値が10未満のものを「良好」と判定し、10以上のものを「×」と判定した。
Figure 2009288598
上記結果から、全実施例では、加熱キュア後において動的粘弾性測定で得られるtanδカーブの立ち上がり温度は、2回繰り返し測定後も、その変動が10℃未満であることから、各キュア条件にて得られる成形物は、充分な架橋状態に達しており、熱による特性変動の小さい硬化物が得られていることが確認された。また、何れの試験片でも、加熱キュア後のイエローインデックス値が10未満であることが確認された。
これに対し、比較例1では、光酸発生剤量が過剰であり、耐着色性に劣る結果となった。比較例2では、硬化後のイエローインデックス値は低いものの、動的粘弾性測定で得られるtanδカーブの立ち上がり温度が、2回繰り返し測定後に10℃以上変動していることから、紫外線硬化のみによって得られる成形物は、安定した架橋状態に達していないことが確認された。なお、実施例1で使用の樹脂組成物(a)において、光酸発生剤量が0.05g未満となるように調製し、実施例1と同様のサンプルを作製したところ、硬化が不充分となり、所望の硬度が得られなかった。
以上のことから、本発明の光学レンズの製法により、熱ストレスに対し安定した機械特性、光学特性を有し、かつ透明性の優れたプラスチック製光学レンズを提供することが可能となることがわかった。また、この製法では、光学レンズの光学特性を損なうことなく、撮像装置の搭載工程の簡素化・低コスト化を達成することができた。そして、本発明の光学レンズは、この製法を採用する際の品質向上に大きく貢献することができた。
本発明の光学レンズの製造工程を示す説明図であり、(i)は基板上に紫外線硬化性透明樹脂組成物をポッティングした状態を示し、(ii)はレンズ成形加工型の押圧により加工型内へ樹脂組成物を充填した状態を示し、(iii) は充填した樹脂組成物に対し紫外線照射した状態を示し、(iv)は光学レンズを脱型した状態を示す。 上記製造工程に示される製法により得られる光学レンズを示す断面図である。
符号の説明
11 光学レンズ
12 基板

Claims (4)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有する紫外線硬化性透明樹脂組成物であって、その(C)成分の含有割合を、(A)および(B)成分の合計量100重量部に対し、0.05〜2.0重量部の範囲とするものを、レンズ成形加工型内に充填し、上記加工型内の樹脂組成物に対して紫外線照射を行い、上記樹脂組成物をレンズ形状に硬化させた後、その硬化体に対し加熱処理を行うことを特徴とする、光学レンズの製法。
    (A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
    (B)1分子中に1個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物。
    (C)光酸発生剤。
  2. 透明基板上に上記紫外線硬化性透明樹脂組成物をポッティングし、その上から上記レンズ成形加工型を押圧して、上記樹脂組成物の上記加工型内への充填を行う請求項1記載の光学レンズの製法。
  3. 上記加熱処理を、80〜150℃で、1〜5時間行う請求項1または2記載の光学レンズの製法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製法によって得られる光学レンズ。
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