JP6566023B2 - 重合体、樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents

重合体、樹脂組成物及び樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、重合体、樹脂組成物及び樹脂成形体に関する。
2価フェノール系単量体と芳香族ジカルボン酸系単量体とを共重合させた重合体は、耐熱性や透明性が高いことから、電気、自動車、機械等の分野に幅広く用いられている。一般に、これらの分野では、上記重合体を溶媒に溶解させて樹脂組成物を調製した後、この樹脂組成物からフィルム等の樹脂成形体を成形し、各種用途に適用している。
例えば特開平8−269214号公報では、2価フェノール系単量体としてのビスフェノールAと、芳香族ジカルボン酸系単量体としてのテレフタル酸及びイソフタル酸とを共重合させたポリアリレートについて、塩化メチレンに溶解させて樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物からフィルムを成形している。
他方、近年において塩化メチレン等のハロゲン系有機溶媒は、環境や人体への影響を懸念して使用が避けられており、非ハロゲン系有機溶媒への転換が求められているが、上述した特開平8−269214号公報に記載のポリアリレートは、非ハロゲン系有機溶媒への溶解性に乏しく、各種用途に適用可能な汎用性の高い樹脂組成物を得ることが困難である。
また、樹脂成形体を高温下で使用される用途に適用する場合、樹脂成形体の熱劣化を抑制するため、重合体には耐熱性が求められている。
非ハロゲン系有機溶媒への溶解性を向上できる重合体については、2価フェノール系単量体の構造等を改良した重合体が検討されている。例えば特開2003−313491号公報では、2価フェノール系単量体としてビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の硫黄原子含有単量体を用いることにより、非ハロゲン系有機溶媒への溶解性を向上させたポリアリレートが提案されている。
しかしながら、特開2003−313491号公報に記載のポリアリレートでは、耐熱性を高く維持しつつ、各種有機溶媒への溶解性を向上させることは困難である。
特開平8−269214号公報 特開2003−313491号公報
本発明は、上述の事情に基づいてなされたものであり、その目的は、耐熱性に優れ、かつ各種有機溶媒への溶解性を向上させることができる重合体、並びにこの重合体を用いた樹脂組成物及び樹脂成形体を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、下記式(1−1)、(1−2)又は(1−3)で表される第1構造単位と、下記式(2)又は(3)で表される第2構造単位とを有する重合体である。
Figure 0006566023
(式(1−1)〜(1−3)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基又はシアノ基である。nは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。nが2の場合、複数のRは、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。)
Figure 0006566023
(式(2)中、R10及びR11は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基又はシアノ基である。e及びfは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。a及びbは、それぞれ独立して、0〜8の整数である。aが2以上の場合、複数のR10は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。bが2以上の場合、複数のR11は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。Zは、それぞれ独立して、−O−又は−S−である。Rは、それぞれ独立して、メチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基である。vは、0〜2の整数である。vが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのZは同一であっても異なっていてもよい。wは、0〜2の整数である。wが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのZは同一であっても異なっていてもよい。Lは、下記式(2−1)で表される2価の基である。yは、1〜3の整数である。yが2以上の場合、複数のLは、同一であっても異なっていてもよい。yが2以上かつaが1以上の場合、複数のR10は、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0006566023
(式(2−1)中、Rは、環員数5〜30の2価の脂環式炭化水素基又は環員数5〜30の2価のフッ素化脂環式炭化水素基である。)
Figure 0006566023
(式(3)中、R20は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基である。gは、1〜4の整数である。gが2以上の場合、複数のR20は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。Yは、それぞれ独立して、−O−又は−S−である。Rは、それぞれ独立して、メチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基である。tは、0〜2の整数である。tが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのYは同一であっても異なっていてもよい。uは、0〜2の整数である。uが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのYは同一であっても異なっていてもよい。)
本発明はさらに、当該重合体と有機溶媒とを含有する樹脂組成物、及び当該重合体を含有する樹脂成形体を含む。
ここで、「炭化水素基」は、鎖状炭化水素基及び環状炭化水素基を含む。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「環状炭化水素基」とは、環状構造を含む炭化水素基をいい、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環状構造として脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。ただし、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環状構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいい、単環の芳香族炭化水素基及び多環の芳香族炭化水素基の両方を含む。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。「環員数」とは、環状構造を構成する原子数をいい、多環の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
本発明によれば、耐熱性に優れ、かつ各種有機溶媒への溶解性を向上させることができる重合体、並びにこの重合体を用いた樹脂組成物及び樹脂成形体を提供できる。
実施例1の重合体のH−NMRスペクトルである。
以下、本発明の重合体、樹脂組成物及び樹脂成形体を詳細に説明する。
<重合体>
本発明の重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)は、上記第1構造単位と、上記第2構造単位とを有する重合体である。[A]重合体は、上記各構造単位を2種以上有していてもよい。なお、[A]重合体は、上記第1及び第2構造単位を有する限り、各構造単位の配列やその他の構造については特に限定されない。例えば[A]重合体が第1及び第2構造単位以外の他の構造単位を有してもよい。また、[A]重合体が、後述するように、第1及び第2構造単位を含む繰り返しユニット(a)〜(f)を有してもよく、さらに、これらの繰り返しユニット以外の他の繰り返しユニットを有してもよい。
[A]重合体は、上記第1及び第2構造単位を有するため、耐熱性に優れ、かつ各種有機溶媒への溶解性を向上させることができる。[A]重合体が上記構成を有することで上記効果が奏される理由は明確ではないが、主に以下の(1)及び(2)の理由によるものと推察される。
(1)2つの窒素原子を含む特定の複素環構造を有する第1構造単位を組み込むことにより、高分子鎖の分極が適度に調整されると共に、芳香環同士が比較的嵩高い環構造を介して連結された構造又は置換基が結合したベンゼン環を含む構造を有する第2構造単位を組み込むことにより、高分子鎖の凝集を抑制できるため、各種有機溶媒への溶解性を向上させることができる。
(2)芳香環同士が比較的嵩高い環構造を介して連結された構造又は置換基が結合したベンゼン環を含む構造を有する第2構造単位を組み込むことにより、高分子鎖の剛直性を適度に調整できる。これにより、耐熱性に優れる。
以下、第1及び第2構造単位、並びに[A]重合体が任意に有してもよい他の構造単位について説明する。
[第1構造単位]
第1構造単位は、下記式(1−1)、(1−2)又は(1−3)で表される。
Figure 0006566023
上記式(1−1)〜(1−3)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基又はシアノ基である。nは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。nが2の場合、複数のRは、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。
で表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば1価の鎖状炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
で表される炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記Rで表される基として例示した炭素数1〜20の1価の炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換した基などが挙げられる。
としては、第1構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点から、ハロゲン原子、炭素数1〜3の1価の炭化水素基、炭素数1〜3の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基及びシアノ基が好ましく、フッ素原子、塩素原子、メチル基、ニトロ基及びシアノ基がより好ましい。同様の観点から、nとしては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。
第1構造単位の一方の結合手に対する他方の結合手の位置としては、第1構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点からメタ位及びパラ位が好ましく、メタ位がより好ましい。
また、第1構造単位としては、第1構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点、及び各種有機溶媒への溶解性を向上させる観点から、ピリミジン骨格を有する上記式(1−2)で表される構造単位が好ましい。
[A]重合体における第1構造単位の含有割合の下限としては、[A]重合体の全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましく、30モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、67モル%が好ましく、60モル%がより好ましく、55モル%がさらに好ましく、50モル%が特に好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることにより、各種有機溶媒への溶解性をより向上させることができる。
[第2構造単位]
第2構造単位は、下記式(2)又は(3)で表される。
Figure 0006566023
上記式(2)中、R10及びR11は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基又はシアノ基である。e及びfは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。a及びbは、それぞれ独立して、0〜8の整数である。aが2以上の場合、複数のR10は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。bが2以上の場合、複数のR11は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。Zは、それぞれ独立して、−O−又は−S−である。Rは、それぞれ独立して、メチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基である。vは、0〜2の整数である。vが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのZは同一であっても異なっていてもよい。wは、0〜2の整数である。wが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのZは同一であっても異なっていてもよい。Lは、下記式(2−1)で表される2価の基である。yは、1〜3の整数である。yが2以上の場合、複数のLは、同一であっても異なっていてもよい。yが2以上かつaが1以上の場合、複数のR10は、同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0006566023
上記式(2−1)中、Rは、環員数5〜30の2価の脂環式炭化水素基又は環員数5〜30の2価のフッ素化脂環式炭化水素基である。
Figure 0006566023
上記式(3)中、R20は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基である。gは、1〜4の整数である。gが2以上の場合、複数のR20は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。Yは、それぞれ独立して、−O−又は−S−である。Rは、それぞれ独立して、メチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基である。tは、0〜2の整数である。tが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのYは同一であっても異なっていてもよい。uは、0〜2の整数である。uが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのYは同一であっても異なっていてもよい。
10及びR11で表されるハロゲン原子としては、例えば上記Rで表されるハロゲン原子として例示したものと同様のハロゲン原子等が挙げられる。
10、R11及びR20で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記Rで表される基として例示した炭素数1〜20の1価の炭化水素基等が挙げられる。
10、R11及びR20で表される炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記Rで表される基として例示した炭素数1〜20の1価の炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換した基などが挙げられる。
10及びR11としては、第2構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点から、ハロゲン原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、炭素数1〜6の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基及びシアノ基が好ましく、フッ素原子、塩素原子、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、ニトロ基及びシアノ基がより好ましく、フッ素原子、メチル基、t−ブチル基及びフェニル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
20としては、第2構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点及び嵩高さの観点から、炭素数3〜20の1価の炭化水素基及び炭素数3〜20の1価のハロゲン化炭化水素基が好ましく、炭素数3〜10のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、t−アルキル基、フェニル基及びナフチル基がさらに好ましく、t−ブチル基が特に好ましい。
a及びbとしては、第2構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点から、0〜2が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。同様の観点から、e及びfとしては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。第2構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点及び嵩高さの観点から、gとしては、1〜3が好ましく、1及び2がより好ましい。
Z及びYとしては、[A]重合体の構造安定性の観点から、−O−が好ましい。
及びRで表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、例えばエチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、t−ブチレン基等が挙げられる。
及びRとしては、第2構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点から、メチレン基及びエチレン基が好ましい。
v及びwとしては、第2構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点から、0及び1が好ましく、0がより好ましい。同様の観点から、t及びuとしては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。
で表される環員数5〜30の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば環員数5〜15の単環の脂環式炭化水素基、環員数5〜15の単環のフッ素化脂環式炭化水素基、環員数7〜30の多環の脂環式炭化水素基、環員数7〜30の多環のフッ素化脂環式炭化水素基等が挙げられる。
上記環員数5〜15の単環の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンタン−1,1−ジイル基、シクロヘキサン−1,1−ジイル基、シクロペンテン−3,3−ジイル基、シクロヘキセン−3,3−ジイル基、シクロオクタン−1,1−ジイル基、シクロデカン−1,1−ジイル基、シクロドデカン−1,1−ジイル基、これらの基の水素原子の一部又は全部が炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基で置換された基等が挙げられる。
上記環員数5〜15の単環の脂環式炭化水素基としては、耐熱性を高く維持しつつ、各種有機溶媒への溶解性をより向上させる観点から、環員数5〜10の脂環式炭化水素基が好ましい。
上記環員数5〜15の単環のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えば上記環員数5〜15の単環の脂環式炭化水素基として例示した基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基等が挙げられる。
上記環員数5〜15の単環のフッ素化脂環式炭化水素基としては、耐熱性を高く維持しつつ、各種有機溶媒への溶解性をより向上させる観点から、環員数5〜10のフッ素化脂環式炭化水素基が好ましい。
上記環員数7〜30の多環の脂環式炭化水素基としては、例えばノルボルナン、ノルボルネン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[5.2.1.02,6]ヘプタン、ピナン、カンファン、デカリン、ノルトリシクラン、ペルヒドロアントラセン、ペルヒドロアズレン、シクロペンタノヒドロフェナントレン、ビシクロ[2.2.2]−2−オクテン等の多環の脂環式炭化水素の1つの炭素原子に結合している2つの水素原子を除いた基、これらの基の水素原子の一部又は全部が炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基で置換された基などが挙げられる。
上記環員数7〜30の多環のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えば上記環員数7〜30の多環の脂環式炭化水素基として例示した基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基等が挙げられる。
上記式(2−1)で表される2価の基としては、耐熱性を高く維持しつつ、各種有機溶媒への溶解性をより向上させる観点から、シクロペンタン−1,1−ジイル基、シクロヘキサン−1,1−ジイル基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が炭素数1〜3の1価の鎖状炭化水素基で置換された基が好ましく、シクロヘキサン−1,1−ジイル基、及びシクロヘキサン−1,1−ジイル基の水素原子の一部又は全部が炭素数1〜3の1価の鎖状炭化水素基で置換された基がより好ましく、シクロヘキサン−1,1−ジイル基の水素原子の一部又は全部がメチル基で置換された基がさらに好ましく、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,1−ジイル基が特に好ましい。
yとしては、第2構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点から、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
上記式(3)で表される第2構造単位において、ベンゼン環における一方の結合手に対する他方の結合手の位置としては、第2構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点からパラ位及びメタ位が好ましく、パラ位がより好ましい。また、重合体の溶解性を向上させる観点からは、オルト位が好ましい。
[A]重合体における第2構造単位の含有割合の下限としては、[A]重合体の全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましく、30モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、67モル%が好ましく、60モル%がより好ましく、55モル%がさらに好ましく、50モル%が特に好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることにより、耐熱性を高く維持しつつ、各種有機溶媒への溶解性をより向上させることができる。
[他の構造単位]
[A]重合体は、上述した効果を損なわない範囲で、例えば分子量の調整等のために上記第1及び第2構造単位とは異なる他の構造単位を有してもよい。
上記他の構造単位としては、例えば
上記式(2)において、Lが、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基、炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基又は炭素数6〜20の2価のフッ素化芳香族炭化水素基である第3構造単位;
下記式(4)で表される第4構造単位等が挙げられる。
Figure 0006566023
上記式(4)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基又はシアノ基である。iは、1又は2である。hは、0〜8の整数である。hが2以上の場合、複数のRは、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。Rは、それぞれ独立して、メチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基である。cは、0〜2の整数である。cが2の場合、2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。dは、0〜2の整数である。dが2の場合、2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。
で表されるハロゲン原子としては、例えば上記Rで表されるハロゲン原子として例示したものと同様のハロゲン原子等が挙げられる。
で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記Rで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
で表される炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記Rで表される基として例示した炭素数1〜20の1価の炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換した基などが挙げられる。
としては、炭素数1〜10の1価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜10の1価の分岐状炭化水素基がさらに好ましく、i−ブチル基、sec−ブチル基及びt−ブチル基が特に好ましい。Rを上記特定の基とすることにより、各種有機溶媒への溶解性をより向上させることができる。
で表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、例えばエチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、t−ブチレン基等が挙げられる。
としては、第4構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点から、メチレン基及びエチレン基が好ましい。
c及びdとしては、第4構造単位を与える単量体の重合反応性を向上させる観点から、0及び1が好ましく、0がより好ましい。同様の観点から、iとしては、1が好ましい。
hとしては、各種有機溶媒への溶解性及び成形性をより向上させる観点から、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
上記他の構造単位としては、各種有機溶媒への溶解性をより向上させる観点から、第4構造単位が好ましい。第4構造単位としては、同様の観点から、上記式(4)において、−(ORO−に対して−O(RO)−がオルト位に結合している構造単位が好ましい。
[A]重合体が上記他の構造単位を含有する場合、上記他の構造単位の含有割合の下限としては、[A]重合体の全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、40モル%が好ましく、30モル%がより好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることにより、上述した効果を損なわない範囲で分子量の調整を容易に行うことができる。
また、[A]重合体が第4構造単位を含有する場合、第4構造単位の含有割合の下限としては、[A]重合体の全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、40モル%が好ましく、30モル%がより好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることにより、各種有機溶媒への溶解性をより向上させることができる。
[各構造単位の配列]
[A]重合体は、上記第1及び第2構造単位を有する限り、各構造単位の配列については限定されないが、耐熱性を高く維持しつつ、各種有機溶媒への溶解性をより向上させる観点から、上記第1及び第2構造単位を主鎖中に有することが好ましい。ここで、「主鎖」とは、重合体中で相対的に最も長い結合鎖をいう。
また、[A]重合体が上記第1及び第2構造単位を主鎖中に有すると、[A]重合体をプリント配線板用絶縁性フィルムに適用する場合に低誘電率化が容易となるため、例えばプリント配線板の高周波特性を向上させることができる。
[繰り返しユニット]
[A]重合体が第1及び第2構造単位を主鎖中に有する例としては、例えば下記式(a)に示す繰り返しユニット(a)、下記式(b)に示す繰り返しユニット(b)、下記式(c)に示す繰り返しユニット(c)、下記式(d)に示す繰り返しユニット(d)、下記式(e)に示す繰り返しユニット(e)、下記式(f)に示す繰り返しユニット(f)、これらの繰り返しユニットの組み合わせ(以下、これらをまとめて「特定繰り返しユニット」ともいう)等を主鎖中に有する重合体が挙げられる。
Figure 0006566023
Figure 0006566023
Figure 0006566023
Figure 0006566023
Figure 0006566023
Figure 0006566023
上記式(a)〜(f)中、R及びnは上記式(1−1)〜(1−3)と同義である。R、R10、R11、a、b、e、f、v、w、y、L及びZは上記式(2)と同義である。R、R20、g、t、u及びYは上記式(3)と同義である。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば公知のポリ(チオ)エーテルの合成方法により合成できる。例えば第1構造単位を与えるジハライド単量体と、第2構造単位を与えるジオール単量体又はジチオール単量体と、他の化合物とを、有機溶媒中、所定の条件で反応させることで合成できる。
上記他の化合物としては、例えばアルカリ金属化合物、末端停止剤、上述した他の構造単位を与える単量体等が挙げられる。
上記アルカリ金属化合物は、[A]重合体の合成の過程で、上記ジオール単量体等と反応してアルカリ金属塩を形成する。このようなアルカリ金属化合物としては、例えば
水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属;
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;
炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。これらの中で、水酸化アルカリ金属及びアルカリ金属炭酸塩が好ましく、水酸化ナトリウム及び炭酸カリウムがより好ましい。
上記アルカリ金属化合物を使用する場合、その使用量の下限は、[A]重合体の合成に用いる全単量体の水酸基に対するアルカリ金属化合物中の金属原子の量として、1倍当量が好ましく、1.1倍当量がより好ましく、1.2倍当量がさらに好ましく、1.5倍当量が特に好ましい。一方、上記使用量の上限としては、3倍当量が好ましく、2倍当量がより好ましい。
上記有機溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
先に例示した有機溶媒に加えて、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等の水と共沸する溶媒を併用することもできる。
[A]重合体の合成時の反応温度の下限としては、20℃が好ましく、100℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、250℃が好ましく、180℃がより好ましい。反応時間の下限としては、15分が好ましく、1時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、100時間が好ましく、10時間がより好ましい。
<[A]重合体の重量平均分子量(Mw)>
[A]重合体の重量平均分子量(Mw)の下限としては、500が好ましく、1,000がより好ましく、10,000がさらに好ましく、20,000が特に好ましく、30,000がさらに特に好ましい。上記Mwの上限としては、300,000が好ましく、200,000がより好ましく、100,000がさらに好ましく、80,000が特に好ましい。上記Mwを上記下限以上とすることにより、耐熱性をより向上させることができる。一方、上記Mwが上記上限を超えると、成形性が低下するおそれがある。なお、上記Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により以下に示す測定条件で測定される値である。
カラム:例えば東ソー社の「TSKgel α―M」と、東ソー社の「TSKgel guardcоlumn α」とを連結したもの
展開溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:0.75質量%
試料注入量:50μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[A]重合体のガラス転移温度(Tg)>
[A]重合体のガラス転移温度の下限としては、150℃が好ましく、165℃がより好ましく、180℃がさらに好ましく、190℃が特に好ましい。上記ガラス転移温度を上記下限以上とすることにより、耐熱性をより向上させることができる。上記ガラス転移温度の上限としては、例えば300℃である。なお、上記「ガラス転移温度」は、例えば示差走査熱量測定装置を用い、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で測定した値である。
<樹脂組成物>
当該樹脂組成物は、[A]重合体及び有機溶媒を含有し、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含有していてもよい。当該樹脂組成物は、各種有機溶媒への溶解性に優れる[A]重合体を含有するため、各種用途に適用可能な汎用性の高い樹脂組成物として使用できる。また、当該樹脂組成物は、耐熱性に優れる[A]重合体を含有するため、当該樹脂組成物から得られる樹脂成形体の熱劣化を抑制できる。
上記有機溶媒としては、例えば[A]重合体を合成する際に使用される有機溶媒と同様のものが挙げられる。また、当該樹脂組成物は、各種有機溶媒への溶解性に優れる[A]重合体を含有するため、有機溶媒として、例えばジエチレングリコールエチルメチルエーテル等の多価アルコールエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート、3−メトキシプロピオン酸メチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン等のラクトンなどを使用することもできる。これらの有機溶媒は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
当該樹脂組成物における[A]重合体の含有量の下限としては、当該樹脂組成物の全固形分に対して、1質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましく、90質量%が特に好ましい。上記含有量の上限は、例えば100質量%である。
当該樹脂組成物における有機溶媒の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、50質量部が好ましく、100質量部がより好ましく、500質量部がさらに好ましく、1,000質量部が特に好ましく、5,000質量部がさらに特に好ましく、10,000質量部が最も好ましい。上記含有量の上限としては、例えば100,000質量部である。
上記他の成分としては、例えば酸化防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、離型剤、発泡剤、[A]重合体以外の他の重合体等が挙げられる。これらの他の成分は、1種を単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、硫黄系化合物、金属系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。このうち、ヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物としては、分子量500以上のものが好ましい。分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物としては、例えばトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス[2−メチル−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−5−t−ブチルフェニル]ブタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
当該樹脂組成物が酸化防止剤を含有する場合、当該樹脂組成物における酸化防止剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.01質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましい。上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。
当該樹脂組成物は、[A]重合体、有機溶媒、及び必要に応じて酸化防止剤等の他の成分を均一に混合することによって調製される。当該樹脂組成物は、液体状、ペースト状等に調製される。
<樹脂成形体>
当該樹脂成形体は、[A]重合体を含有し、例えば当該樹脂組成物により得られる。当該樹脂成形体は、耐熱性に優れる[A]重合体を含有するため、熱劣化を抑制できる。
当該樹脂成形体としては、例えば光学部品、プリント配線板用絶縁性フィルム等が挙げられる。
上記光学部品としては、例えば
波長板、位相差板等の光学フィルム;
円錐レンズ、球面レンズ、円筒レンズ等の各種特殊レンズ;
レンズアレイなどが挙げられる。
当該樹脂成形体は、例えば金型成形法、押出成形法、溶剤キャスト法等により製造できる。レンズの製造には、金型成形法が好適である。光学フィルム及びプリント配線板用絶縁性フィルムの製造には、押出成形法及び溶剤キャスト法が好適であり、押出成形法がより好ましい。
上記光学フィルムの平均厚みの下限としては、10μmが好ましい。上記平均厚みの上限としては、1,000μmが好ましく、500μmがより好ましい。上記平均厚みが上記下限未満であると、フィルム強度を十分に確保できなくなるおそれがある。一方、上記平均厚みが上記上限を超えると、フィルムの透明性を確保できなくなるおそれがある。
上記プリント配線板用絶縁性フィルムの平均厚みの下限としては、10μmが好ましい。上記平均厚みの上限としては、2mmが好ましく、1mmがより好ましく、0.5mmがさらに好ましい。上記平均厚みが上記下限未満であると、フィルム強度を十分に確保できなくなるおそれがある。一方、上記平均厚みが上記上限を超えると、薄型化が要求される電子機器への適用が困難となるおそれがある。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
H−NMR分析>
重合体のH−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「ECX400P」)を使用し、測定溶媒として重クロロホルムを用いて行った。
<重合体の合成>
[実施例1]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(18.6g、60.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(8.9g、60.0mmol)、及び炭酸カリウム(11.1g、81.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(64g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(368g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(9.1kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(10)に示す実施例1の重合体を得た(収量20.5g、収率90%)。得られた重合体のH−NMRスペクトルを図1に示す。
Figure 0006566023
[実施例2]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(9.3g、30.0mmol)、4−t−ブチルカテコール(5.0g、30.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(8.9g、60.0mmol)、及び炭酸カリウム(11.2g、81.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(109g)及びトルエン(46g)を加えて撹拌した。窒素雰囲気下、トルエンを100℃で2時間還流させた後、トルエンを留去し、さらに130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(249g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(7.5kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(11)に示す実施例2の重合体を得た(収量8.8g、収率46.7%)。
Figure 0006566023
[実施例3]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、2−t−ブチルヒドロキノン(5.8g、35.0mmol)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(7.8g、35.0mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(6.8g、30.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(14.9g、100.0mmol)、及び炭酸カリウム(18.7g、135.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(102.9g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(300g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(6kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(12)に示す実施例3の重合体を得た(収量23.4g、収率83.5%)。
Figure 0006566023
[実施例4]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(20.3g、60.0mmol)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(8.9g、40.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(14.9g、100.0mmol)、及び炭酸カリウム(18.7g、135.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(102.9g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(206g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(7kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(13)に示す実施例4の重合体を得た(収量30.3g、収率82%)。
Figure 0006566023
[実施例5]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(25.4g、75.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(11.2g、75.0mmol)、及び炭酸カリウム(14.0g、101.3mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(85g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(300g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(6kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(14)に示す実施例5の重合体を得た(収量29.6g、収率95%)。
Figure 0006566023
[実施例6]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10.7g、34.5mmol)、3,6−ジクロロピリダジン(5.1g、34.2mmol)、及び炭酸カリウム(6.5g、47.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(36g)を加え、窒素雰囲気下、145℃で9時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(150g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(3kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(15)に示す実施例6の重合体を得た(収量7.6g、収率48%)。
Figure 0006566023
[実施例7]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(23.3g、75.1mmol)、2,6−ジクロロピラジン(11.2g、75.2mmol)、及び炭酸カリウム(14.0g、101.3mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(80g)を加え、窒素雰囲気下、145℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(300g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(6kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下100℃で12時間乾燥し、下記式(16)に示す実施例7の重合体を得た(収量21.1g、収率73%)。
Figure 0006566023
[実施例8]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(37.2g、120.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(17.8g、120.0mmol)、及び炭酸カリウム(22.2g、162.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(130g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で10時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(730g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(18kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、実施例8の重合体を得た(収量21.6g、収率95%、構造式は上記式(10)と同じ)。
[比較例1]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(18.9g、50.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(7.4g、50.0mmol)、及び炭酸カリウム(9.3g、67.5mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(103g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(329g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(9.1kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(20)に示す比較例1の重合体を得た(収量11.5g、収率61.8%)。
Figure 0006566023
[比較例2]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,3−ジヒドロキシベンゼン(11.0g、100.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(14.9g、100.0mmol)、及び炭酸カリウム(18.6g、135.0mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(128g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(225g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(7.4kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(21)に示す比較例2の重合体を得た(収量11.5g、収率62%)。
Figure 0006566023
[比較例3]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(11.4g、50.0mmol)、4,6−ジクロロピリミジン(7.4g、50.0mmol)、及び炭酸カリウム(9.3g、67.5mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(90g)を加え、窒素雰囲気下、130℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(200g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(6.1kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(22)に示す比較例3の重合体を得た(収量12.1g、収率80%)。
Figure 0006566023
[比較例4]
攪拌装置を備えた四つ口セパラブルフラスコに、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(15.5g、50.0mmol)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(14.4g、50.0mmol)、及び炭酸カリウム(9.3g、67.5mmol)を量り入れ、N−メチル−2−ピロリドン(121g)及びトルエン(50g)を加えて撹拌した。窒素雰囲気下、トルエンを100℃で2時間還流させた後、トルエンを留去し、さらに190℃で6時間反応させた。反応終了後、N−メチル−2−ピロリドン(398g)を加えて希釈し、濾過により塩を除去した後、この溶液をメタノール(10.5kg)に投入した。析出した固体を濾別し、少量のメタノールで洗浄し、再度濾別して回収した後、真空乾燥機を用いて減圧下120℃で12時間乾燥し、下記式(23)に示す比較例4の重合体を得た(収量23.3g、収率88.8%)。
Figure 0006566023
<評価>
上記得られた重合体について、下記方法に従い、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、1%質量減少温度(Td1)、各種有機溶媒に対する溶解性、比誘電率(εr)及び誘電正接(tanδ)を評価した。評価結果を表1に示す。なお、表1において、「−」は当該評価項目について測定していないことを意味する。
[重量平均分子量(Mw)]
各重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC装置(東ソー社の「HLC−8320型」)を使用し、下記条件で測定した。
カラム:東ソー社の「TSKgel α―M」と、東ソー社の「TSKgel guardcоlumn α」とを連結したもの
展開溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:0.75質量%
試料注入量:50μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[ガラス転移温度(Tg)]
各重合体のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定装置(Rigaku社のDSC装置「Thermo Plus DSC8230」)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で得られたサーモグラムのDSC昇温曲線において、ベースラインと変曲点での接線との交点に対応する温度とした。上記変曲点は、DSC昇温曲線の微分曲線であるDDSC曲線におけるピークに対応する温度とした。また、DSCのベースラインの確認には、適宜DDSC曲線を参照した。
[1%質量減少温度(Td1)]
各重合体の1%質量減少温度(Td1)は、差動型示差熱天秤(SIIナノテクノロジー社の「TG/DTA6200」)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件で得られた熱質量曲線から、重合体の質量が累計で1質量%減少した時の温度とした。なお、Td1は、耐熱性の指標の1つであり、その値が大きいほど耐熱性に優れると評価できる。
[各種有機溶媒に対する溶解性]
各重合体の各種有機溶媒に対する溶解性は、各重合体を表1に示す各種有機溶媒にそれぞれ濃度10質量%となるように加え、攪拌した後、目視で沈殿物を確認できなかった場合を「A」、目視で沈殿物を確認できた場合を「B」として評価した。
溶解性評価に用いた有機溶媒について以下に示す。
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
MMP:3−メトキシプロピオン酸メチル
BuOAc:酢酸ブチル
PGMEA:プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート
GBL:γ−ブチロラクトン
「比誘電率(εr)及び誘電正接(tanδ)」
まず、適量の各重合体を塩化メチレンに溶解させて重合体溶液を調製し、この溶液をガラス板上にキャスト成膜し、常圧下、室温で一晩乾燥させた。次いで真空乾燥機にて残存する塩化メチレンを除去し、寸法3×4cm、平均厚み90μmのフィルムを得た。得られたフィルムの一方の面に、真空蒸着装置(日本電子社の「JEE−420」)を用いてアルミニウムを真空蒸着することにより電極を形成し、εr及びtanδを評価するための試験片を得た。この試験片について、JIS−C−2138(2007年)に準拠し、プレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社の「4284A型」)を用いて、振幅100mV、周波数1MHz、温度25℃及び相対湿度50%の条件によりεr及びtanδを測定した。
Figure 0006566023
表1から明らかなように、実施例の重合体は、耐熱性に優れ、また、各種有機溶媒への溶解性を向上させることができるものであった。特に、実施例1〜3、5及び7の重合体は、いずれもTd1が370℃以上の高い値を示し、かつ3種以上の有機溶媒に可溶(A評価)であった。一方、比較例1、3及び4の重合体は可溶な有機溶媒が1種しかなく、比較例2の重合体はいずれの有機溶媒にも不溶(B評価)であった。
また、表1に示すように、実施例1〜5の重合体は、比較例3及び4の重合体に比べてεr及びtanδが小さい値であることから、例えばプリント配線板に適用した場合、高周波特性を向上できることが分かる。
本発明によれば、耐熱性に優れ、かつ各種有機溶媒への溶解性を向上させることができる重合体、並びにこの重合体を用いた樹脂組成物及び樹脂成形体を提供できる。

Claims (7)

  1. 下記式(1−1)、(1−2)又は(1−3)で表される第1構造単位と、
    下記式(2)又は(3)で表される第2構造単位と
    を有する重合体。
    Figure 0006566023
    (式(1−1)〜(1−3)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基又はシアノ基である。nは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。nが2の場合、複数のRは、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。)
    Figure 0006566023
    (式(2)中、R10及びR11は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ニトロ基又はシアノ基である。e及びfは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。a及びbは、それぞれ独立して、0〜8の整数である。aが2以上の場合、複数のR10は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。bが2以上の場合、複数のR11は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。Zは、それぞれ独立して、−O−又は−S−である。Rは、それぞれ独立して、メチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基である。vは、0〜2の整数である。vが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのZは同一であっても異なっていてもよい。wは、0〜2の整数である。wが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのZは同一であっても異なっていてもよい。Lは、下記式(2−1)で表される2価の基である。yは、1〜3の整数である。yが2以上の場合、複数のLは、同一であっても異なっていてもよい。yが2以上かつaが1以上の場合、複数のR10は、同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0006566023
    (式(2−1)中、Rは、環員数5〜30の2価の脂環式炭化水素基又は環員数5〜30の2価のフッ素化脂環式炭化水素基である。)
    Figure 0006566023
    (式(3)中、R20は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基である。gは、1〜4の整数である。gが2以上の場合、複数のR20は、同一であっても異なっていてもよく、任意の組み合わせで結合して環構造の一部を形成してもよい。Yは、それぞれ独立して、−O−又は−S−である。Rは、それぞれ独立して、メチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基である。tは、0〜2の整数である。tが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのYは同一であっても異なっていてもよい。uは、0〜2の整数である。uが2の場合、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、2つのYは同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 上記式(2−1)のRが、環員数5〜15の単環の脂環式炭化水素基又は環員数5〜15の単環のフッ素化脂環式炭化水素基である請求項1に記載の重合体。
  3. 上記式(2−1)のRが、環員数5〜10の単環の脂環式炭化水素基又は環員数5〜10の単環のフッ素化脂環式炭化水素基である請求項2に記載の重合体。
  4. 上記式(2−1)のRが、環員数7〜30の多環の脂環式炭化水素基又は環員数7〜30の多環のフッ素化脂環式炭化水素基である請求項1に記載の重合体。
  5. ポリスチレン換算の重量平均分子量が500以上300,000以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の重合体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の重合体と有機溶媒とを含有する樹脂組成物。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の重合体を含有する樹脂成形体。
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