JP2006199746A - 芳香族ポリエーテルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気、電子、機械分野の素材として好適に用いられる耐熱性、機械的強度に優れ、かつ、透明性に優れる芳香族ポリエーテルを提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有し、かつ重量平均分子量が1万〜100万である芳香族ポリエーテル、およびその製造方法。
【化1】
(ただし、式中R1〜R4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または1価の有機基であり、a,b,c,dは4以下の整数を示す。)
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有し、かつ重量平均分子量が1万〜100万である芳香族ポリエーテル、およびその製造方法。
【化1】
(ただし、式中R1〜R4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または1価の有機基であり、a,b,c,dは4以下の整数を示す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、芳香族ポリエーテル、およびその製造方法に関する。さらに詳細には、電気、電子、機械分野の素材として好適に用いられる耐熱性に優れ、機械性に優れるとともに、透明性の高い芳香族ポリエーテル、およびその製造方法に関する。
近年、技術の進歩に伴いエンジニアリングプラスチックの用途が広がり、耐熱性や機械的強度、かつ、透明性に優れたポリマーが要求されている。ポリマーの耐熱性を向上させる手法としては、芳香族ポリエーテル鎖中にカルボニル基を導入する方法や、オキサゾール環やイミド環を導入するなどの手法がとられている。しかし、これらのカルボニル基やオキサゾール基、イミド基といった構造は、ポリマーの着色の原因となり、透明性の高い芳香族ポリマーを得ることは困難であった。
本発明者らは、先にプロトン伝導膜用の芳香族ポリエーテルを提案している。
特開2002−226575号公報
本発明は、上記の従来の技術的課題を背景になされたもので、耐熱性、機械的強度に優れ、かつ、透明性に優れる芳香族ポリエーテルを提供することにある。
本発明は、下記式(I)で表される繰り返し単位を有し、かつ重量平均分子量が1万〜100万である芳香族ポリエーテルに関する。
(ただし、式中、R1〜R4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または1価の有機基であり、a,b,c,dは4以下の整数を示す。)
ここで、本発明の芳香族ポリエーテルは、さらに下記一般式(II)で表される繰り返し単位を90モル%以下含んでいてもよい。
(ただし、式中Ar1は、2価の有機基を示す。)
ここで、上記一般式(II)で示される繰り返し単位の式中Ar1は、下記の式(1)で表されることが好ましい。
次に、本発明は、下記式(2)で表されるジハロゲン化合物と下記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物とをアルカリ金属化合物の存在下溶媒中で加熱重合させることを特徴とする芳香族ポリエーテルの製造方法に関する。
(ただし、式中Xはハロゲン原子を表す。)
(ただし、式中R1〜R4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または1価の有機基であり、a,b,c,dは4以下の整数を示す。)
また、本発明のポリエーテルの製造方法では、ジヒドロキシ化合物として、下記一般式(4)で表される化合物をジヒドロキシ化合物全体の90モル%以下併用してもよい。
HO−Ar1−OH ・・・・(4)
(ただし、式中、Ar1は、2価の有機基を示す。)
HO−Ar1−OH ・・・・(4)
(ただし、式中、Ar1は、2価の有機基を示す。)
一般式(I)で表される繰り返し単位からなる本発明の芳香族ポリエーテルは、耐熱性、機械的強度、かつ透明性に優れており、電気、電子、機械分野の素材として好適に用いることが可能である。
本発明の下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有数する芳香族ポリエーテルは、例えば、下記式(2)で表されるジハロゲン化合物と下記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物とをアルカリ金属化合物の存在下溶媒中で加熱重合させることにより得られる。
(ただし、式中R1〜R4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または1価の有機基であり、a,b,c,dは4以下の整数を示す。)
(ただし、式中Xはハロゲン原子を表す)
(ただし、式中R1〜R4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または1価の有機基であり、a,b,c,dは4以下の整数を示す。)
ここで、式(2)で示されるジハロゲン化合物としては、Xがフッ素原子および塩素原子であることが好ましく、ジハロゲン化合物の具体的例としては、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2―クロロ−6−フルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2―クロロ−4−フルオロベンゾニトリル、4―クロロ−2−フルオロベンゾニトリルなどが挙げられる。
これらのジハロゲン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
これらのジハロゲン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
また、式(3)で示されるジヒドロキシ化合物中、R1〜R4はそれぞれ同一または異なり、水素原子または1価の有機基であり、a,b,c,dは4以下の整数を示す。ここで、1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アルキルアリル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルアリール基、ハロゲン化アリール基などが挙げられる。具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、などが挙げられる。
これらのジヒドロキシ化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
これらのジヒドロキシ化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
また、式(3)で示されるジヒドロキシ化合物は、機械的強度や耐熱性、かつ透明性が損なわれない範囲で、下記式(4)で表される他のジヒドロキシ化合物と組み合わせて用いることもできる。
HO−Ar1−OH ・・・(4)
HO−Ar1−OH ・・・(4)
(ただし、Ar1は2価の有機基を示す)
例えば、式(4)で表されるジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4‘−ジヒドロキシビフェニル、2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,5−ジヒドロキシ−4‘−メチルビフェニル、ハイドロキノンなどが挙げられる。これらのうち、機械的強度、耐熱性および透明性のバランスに優れたポリエーテルを得るためには2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンの使用が好ましい。
式(4)で表されるジヒドロキシ化合物は、ジヒドロキシ化合物全体に対し、90モル%以下の割合、好ましく、70モル%以下の割合で用いることができる。式(4)で表されるジヒドロキシ化合物の使用割合が、90モル%を超えると、機械的強度、耐熱性および透明性のバランスが崩れてしまい好ましくない。
上記、式(2)で表されるジハロゲン化合物と、式(3)で表されるジヒドロキシ化合物[式(4)で表されるジヒドロキシ化合物を含む]の使用割合は、ジハロゲン化合物が45〜55モル%、好ましくは48〜52モル%、ジヒドロキシ化合物が55〜45モル%、好ましくは52〜48モル%[ただし、ジハロゲン化合物+ジヒドロキシ化合物=100モル%]である。ジハロゲン化合物の使用割合が45モル%未満の場合や55モル%を超えると、重合体の分子量が上昇しにくく、フィルムの強度が低下するため、好ましくない。
式(2)で表されるジハロゲン化合物と式(3)で表されるジヒドロキシ化合物[式(4)で表されるジヒドロキシ化合物を含む]とを溶媒中で加熱重合させる際に使用するアルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム、金属リチウムなどを挙げることができ、好ましくは炭酸カリウムである。これらは、1種または2種以上を同時に使用しても良い。
アルカリ金属化合物の使用量は、ジヒドロキシ化合物に対し、100〜400モル%、好ましくは100〜250モル%である。100モル%未満ではジヒドロキシ化合物と塩形成をすることができず十分な分子量を有するポリエーテルが得られず、一方、400モル%を超えるとジハロゲン化合物や生成するポリエーテルを加水分解してしまう可能性があり好ましくない。
アルカリ金属化合物の使用量は、ジヒドロキシ化合物に対し、100〜400モル%、好ましくは100〜250モル%である。100モル%未満ではジヒドロキシ化合物と塩形成をすることができず十分な分子量を有するポリエーテルが得られず、一方、400モル%を超えるとジハロゲン化合物や生成するポリエーテルを加水分解してしまう可能性があり好ましくない。
上記反応に使用する溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)などを使用することができる。これらは、1種または2種以上を同時に使用しても良い。また、水を除去するために、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の水と共沸する溶媒を併用しても良い。
本発明の芳香族ポリエーテルを合成する際の反応濃度としては、モノマーの重量を基準として、2〜50重量%、反応温度としては、50〜250℃である。また、重合体合成時に生じる金属塩や未反応モノマーを除去するために、反応液をろ過することや反応溶液を重合体に対して貧溶媒に再沈殿することや、酸性、アルカリ性水溶液により洗浄することが好ましい。
なお、本発明の芳香族ポリエーテルは、上記のように、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を90モル%以下、好ましくは60%以下、含んでいても良い。
(ただし、式中Ar1は、2価の有機基を示す。)
ここで、式(II)で表される繰り返し単位としては、2価の有機基であるAr1が下記式(1)であることが好ましい。
このようにして得られる本発明の芳香族ポリエーテルのGPC法によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、1万〜100万、好ましくは5万〜50万である。分子量が1万未満では、成形フィルムにクラックが発生するなど、塗膜性が不十分であり、強度的性質にも問題が生じる。一方、100万を超えると、溶解性が不十分となり、また溶液粘度が非常に高くなってしまい、加工性が困難になるなどの問題がある。
本発明の芳香族ポリエーテルの構造は、例えば赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm−1のC−O−C吸収、2,220〜2,240cm−1のCN吸収、などによって、その構造を確認できる。
なお、本発明の芳香族ポリエーテルは、引張り弾性率、引張り強度、破断伸びが23℃、50%RH下での引張り試験においてそれぞれ引張り弾性率2.5GPa以上、引張り強度100MPa以上、破断伸び20%以上であることが好ましい。
また、本発明の芳香族ポリエーテルは、示差走査熱量計で測定したガラス転移温度が160℃以上であることが好ましい。
さらに、本発明の芳香族ポリエーテルは、熱分解温度が500℃以上であることが好ましい。
さらに、本発明の芳香族ポリエーテルの透明性としては、紫外可視分光光度計で測定した400〜800nmでの透過率が80%以上であることが好ましい。
さらに、本発明の芳香族ポリエーテルの屈折率は、1.6以上であることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、分子量や機械的物性などは、以下の方法に従って評価を行なった。
分子量
芳香族ポリエーテルの分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
機械特性
引張り弾性率、引張り強度、破断伸びは、23℃、50%RH下で、JIS K6251の引張り試験に準拠して測定した。
熱分解温度
熱重量分析(TGA)を用い、昇温速度20℃/分、窒素下で、5%重量減少温度を熱分解温度とした。
ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度20℃/分、窒素下で測定し、熱容量変化を示す温度をガラス転移温度とした。
透明性評価
紫外可視分光光度計で、波長領域200〜800nmでの透過率を測定した。
屈折率
アッベ屈折計を使用しジヨードメタンを接触液として測定した。
分子量
芳香族ポリエーテルの分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
機械特性
引張り弾性率、引張り強度、破断伸びは、23℃、50%RH下で、JIS K6251の引張り試験に準拠して測定した。
熱分解温度
熱重量分析(TGA)を用い、昇温速度20℃/分、窒素下で、5%重量減少温度を熱分解温度とした。
ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度20℃/分、窒素下で測定し、熱容量変化を示す温度をガラス転移温度とした。
透明性評価
紫外可視分光光度計で、波長領域200〜800nmでの透過率を測定した。
屈折率
アッベ屈折計を使用しジヨードメタンを接触液として測定した。
実施例1
攪拌機、温度計、Dean−stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン56.07g(160mmol)、2,6−ジフルオロベンゾニトリル22.26g(160mmol)、炭酸カリウム26.54g(192mmol)をはかりとった。窒素置換後、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)229mL、トルエン114mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を130℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean−stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean−stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を150℃に上げ、2時間攪拌を続けた後、反応液を放冷後、テトラヒドロフラン(THF)200mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩をろ過し、ろ液をメタノール3Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ過、乾燥後、THF400mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末をろ過、乾燥し、目的物69gを得た。GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は67,000、重量平均分子量は146,000であった。得られたポリマーのIRスペクトルを図1に示した。
得られたポリマー12gを塩化メチレン68gに溶解し、ガラス基板上にドクターブレードを使用し、キャストした。これを50℃で30分熱風乾燥した後に、剥がしとり、枠に固定し、80℃で30分、150℃で30分、200℃で1時間乾燥し、膜厚50μmの透明なフィルムを得た。このフィルムの光透過性を紫外可視分光光度計で測定したところ、350nmまで80%以上の透過率を示した。またアッベ屈折計を用いて得られたフィルムの各波長での屈折率を測定したところ、486nm(F線)で1.69、589nm(D線)で1.66、656nm(C線)で1.66の屈折率を示した。
攪拌機、温度計、Dean−stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン56.07g(160mmol)、2,6−ジフルオロベンゾニトリル22.26g(160mmol)、炭酸カリウム26.54g(192mmol)をはかりとった。窒素置換後、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)229mL、トルエン114mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を130℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean−stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean−stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を150℃に上げ、2時間攪拌を続けた後、反応液を放冷後、テトラヒドロフラン(THF)200mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩をろ過し、ろ液をメタノール3Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ過、乾燥後、THF400mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末をろ過、乾燥し、目的物69gを得た。GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は67,000、重量平均分子量は146,000であった。得られたポリマーのIRスペクトルを図1に示した。
得られたポリマー12gを塩化メチレン68gに溶解し、ガラス基板上にドクターブレードを使用し、キャストした。これを50℃で30分熱風乾燥した後に、剥がしとり、枠に固定し、80℃で30分、150℃で30分、200℃で1時間乾燥し、膜厚50μmの透明なフィルムを得た。このフィルムの光透過性を紫外可視分光光度計で測定したところ、350nmまで80%以上の透過率を示した。またアッベ屈折計を用いて得られたフィルムの各波長での屈折率を測定したところ、486nm(F線)で1.69、589nm(D線)で1.66、656nm(C線)で1.66の屈折率を示した。
実施例2
攪拌機、温度計、Dean−stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン26.9g(80mmol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン28.03g(80mmol)、2,6−ジフルオロベンゾニトリル22.26g(160mmol)、炭酸カリウム18.0g(130mmol)をはかりとった。実施例1と同様の操作を行い、ポリマーを得た。GPCで測定した数平均分子量は72,000、重量平均分子量は180,000であった。
得られたポリマーを用い、実施例1と同様にフィルムを作製した。このフィルムの光透過性を紫外可視分光光度計で測定したところ、340nmまで80%以上の透過率を示した。またアッベ屈折計を用いて得られたフィルムの各波長での屈折率を測定したところ、589nm(D線)で1.61の屈折率を示した。
攪拌機、温度計、Dean−stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン26.9g(80mmol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン28.03g(80mmol)、2,6−ジフルオロベンゾニトリル22.26g(160mmol)、炭酸カリウム18.0g(130mmol)をはかりとった。実施例1と同様の操作を行い、ポリマーを得た。GPCで測定した数平均分子量は72,000、重量平均分子量は180,000であった。
得られたポリマーを用い、実施例1と同様にフィルムを作製した。このフィルムの光透過性を紫外可視分光光度計で測定したところ、340nmまで80%以上の透過率を示した。またアッベ屈折計を用いて得られたフィルムの各波長での屈折率を測定したところ、589nm(D線)で1.61の屈折率を示した。
実施例3
実施例1の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの代わりに、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン80.42g(160mmol)を使用し、実施例1と同様の操作を行い、ポリマーを得た。GPCで測定した数平均分子量は75,000、重量平均分子量は188,000であった。
得られたポリマーを用い、実施例1と同様にフィルムを作製した。このフィルムの光透過性を紫外可視分光光度計で測定したところ、350nmまで80%以上の透過率を示した。またアッベ屈折計を用いて得られたフィルムの各波長での屈折率を測定したところ、589nm(D線)で1.70の屈折率を示した。
実施例1の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの代わりに、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン80.42g(160mmol)を使用し、実施例1と同様の操作を行い、ポリマーを得た。GPCで測定した数平均分子量は75,000、重量平均分子量は188,000であった。
得られたポリマーを用い、実施例1と同様にフィルムを作製した。このフィルムの光透過性を紫外可視分光光度計で測定したところ、350nmまで80%以上の透過率を示した。またアッベ屈折計を用いて得られたフィルムの各波長での屈折率を測定したところ、589nm(D線)で1.70の屈折率を示した。
上記の結果より、耐熱性が高く、機械的強度に優れるともに、透明性ならびに屈折率の高い材料であるということがわかる。
本発明の芳香族ポリエーテルは、耐熱性、機械的強度に優れ、かつ、透明性に優れるため、電気、電子、機械分野の素材として好適に用いられる。
Claims (5)
- 下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有し、かつ重量平均分子量が1万〜100万である芳香族ポリエーテル。
- さらに、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を90モル%以下含む請求項1記載の芳香族ポリエーテル。
- 一般式(II)で示される繰り返し単位の式中Ar1が下記式(1)で表される請求項2記載の芳香族ポリエーテル。
- 下記式(2)で表されるジハロゲン化合物と下記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物とをアルカリ金属化合物の存在下溶媒中で加熱重合させることを特徴とする芳香族ポリエーテルの製造方法。
- ジヒドロキシ化合物として、下記一般式(4)で表される化合物をジヒドロキシ化合物全体の90モル%以下併用する請求項4記載の芳香族ポリエーテルの製造方法。
HO−Ar1−OH ・・・・(4)
(ただし、式中、Ar1は、2価の有機基を示す。)
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