JP5621847B2 - 重合体、その製造方法、フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

重合体、その製造方法、フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、重合体、その製造方法、フィルムおよびその製造方法に関する。
近年、情報技術の発達は目覚しく、情報機器の軽薄短小化の流れに伴い、光学材料として透明樹脂が各種の用途に用いられている。代表的な透明樹脂としては、PMMAやポリカーボネートなどが挙げられる。これらPMMAやポリカーボネートは透明性に優れるものの、ガラス転移温度が低く、耐熱性が不十分であるため、高耐熱性が要求される用途への使用は困難であった。一方、技術の進歩に伴いエンジニアリングプラスチックの用途が広がり、耐熱性や機械的強度、かつ、透明性に優れた重合体が要求されている。
耐熱性や機械的強度、かつ、透明性に優れた重合体として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと2,6−ジハロゲン化ベンゾニトリルとを反応させて得られる芳香族ポリエーテル(特許文献1および2)が提案されている。
特開2006−199746号公報 特開平2−45526号公報
しかしながら、特許文献1や2に記載の芳香族ポリエーテルを含むフィルムは、加熱した際に耐着色性が十分でない場合があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、耐着色性、耐熱性および光透過性に優れる重合体およびフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造単位および分子量を有する重合体により、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[13]を提供するものである。
[1] 下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有し、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が2.5×104〜5.0×105であり、かつGPCにより測定された積分分子量分布曲線による、ポリスチレン換算の分子量が5.0×103以下である低分子量成分の占める量が、重合体全体に対して5.0%以下である重合体。
Figure 0005621847
(式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
Figure 0005621847
(式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。)
[2] 前記重合体が、さらに、下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有する、[1]に記載の重合体。
Figure 0005621847
(式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。)
Figure 0005621847
(式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。)
[3] 下記式(6)で表される化合物を含む成分(B)とアルカリ金属化合物とを反応させて、成分(B)のアルカリ金属塩を得る工程(a)、および
工程(a)後の混合物と、下記式(5)で表される化合物および下記式(7)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む成分(A)とを混合し、工程(a)で得られたアルカリ金属塩と成分(A)とを反応させる工程(b)
を含む、[1]または[2]に記載の重合体の製造方法。
Figure 0005621847
(式(6)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Raは、独立に水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基、メタンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニル基を示す。)
Figure 0005621847
(式(5)中、Xは独立にハロゲン原子を示す。)
Figure 0005621847
(式(7)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、Xは、独立に前記式(5)中のXと同義である。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。)
[4] 前記成分(B)が、さらに、下記式(8)で表される化合物を含む、[3]に記載の重合体の製造方法。
Figure 0005621847
(式(8)中、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義であり、Raは、独立に前記式(6)中のRaと同義である。)
[5] [1]もしくは[2]に記載の重合体、または、[3]もしくは[4]に記載の製造方法で得られる重合体を含む樹脂組成物。
[6] [1]もしくは[2]に記載の重合体、または、[3]もしくは[4]に記載の製造方法で得られる重合体を含むフィルム。
[7] 下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有する重合体を含み、かつJIS K7133(熱処理温度220℃、60分)における熱収縮率が−0.1%〜0.1%であるフィルム。
Figure 0005621847
(式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
Figure 0005621847
(式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。)
[8] 前記重合体が、さらに、下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有する、[7]に記載のフィルム。
Figure 0005621847
(式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。)
Figure 0005621847
(式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。)
[9] 前記フィルムの厚み30μmにおけるYI値(イエローインデックス)が、3.0以下である、[6]〜[8]のいずれかに記載のフィルム。
[10] 前記フィルムをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させて得られる溶液であって、前記重合体の濃度が10重量%である溶液のYI値が、32.0以下である、[6]〜[9]のいずれかに記載のフィルム。
[11] 前記フィルムの厚み30μmにおけるJIS K7105透明度試験法による全光線透過率が85%以上である、[6]〜[10]のいずれかに記載のフィルム。
[12] 示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である、[6]〜[11]のいずれかに記載のフィルム。
[13] [6]〜[12]のいずれかに記載のフィルムを製造する方法であって、
前記重合体および有機溶媒を含む重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、
該塗膜を210〜350℃で焼成する工程と
を含む、フィルムの製造方法。
本発明によれば、着色性が低く、特に高温に曝された場合であっても着色性が低く、耐熱性および光透過性に優れる重合体およびフィルムを得ることができる。
また、本発明によれば、さらに熱収縮率の小さいフィルムも得ることができる。
本発明の重合体の製造方法およびフィルムの製造方法によれば、それぞれ上述の重合体およびフィルムを容易に製造することができる。
本発明に係る重合体は、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有し、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が2.5×104〜5.0×105であり、かつGPCにより測定された積分分子量分布曲線による、ポリスチレン換算の分子量が5.0×103以下である低分子量成分の占める量が、重合体全体に対して5.0%以下である。
前記構造単位(i)および特定の分子量を有し、低分子量成分の少ない重合体を、以下「重合体(II)」ともいう。
本発明に係る重合体(II)は、構造単位(i)を有し、特定の分子量および低分子量成分が少ないため、耐着色性、耐熱性および光透過性に優れ、特に高温に曝された場合であっても着色が少ない。重合体(II)を含むフィルムは耐着色性、耐熱性および光透過性に優れることから、重合体(II)は、導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板などのフィルムの原料として好適に用いることができる。
また、本発明に係るフィルムは、前記構造単位(i)を有する重合体を含み、かつJIS K7133(熱処理温度220℃、60分)における熱収縮率が−0.1%〜0.1%である。
前記構造単位(i)を有する重合体を、以下「重合体(I)」ともいう。
本発明に係るフィルムは、重合体(I)を含み、耐熱性に優れ、熱収縮率が低いため、高温に曝された場合であっても収縮または膨張が少なく、さらには着色が少ない。したがって、本発明に係るフィルムは、例えばフィルム上に素子または配線を形成する際に高温に曝された場合においても寸法変化が少ないため、形成された素子または配線に生じる応力が少ない。このため、導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板などのフィルムとして好適に用いることができる。
また、特に耐着色性に優れるフィルムを得たい場合には、前記重合体(II)を含むことが好ましい。
なお、前記重合体(II)は、重合体(I)の分子量および低分子量成分の量が特定された重合体である。前記重合体(I)としては、重合体(II)が好ましい。
以下明細書では、重合体(I)または重合体(II)のことを単に「重合体」ともいう。
<重合体>
前記重合体は、下記式(1)で表される構造単位(以下「構造単位(1)」ともいう。)および下記式(2)で表される構造単位(以下「構造単位(2)」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有する。このため、前記重合体は、耐着色性、耐熱性および光透過性に優れる。よって、前記重合体を含むフィルムは、高温焼成などの熱処理を行うことができるので、高温下での熱収縮が起こりにくいフィルムを得ることができる。
Figure 0005621847
前記式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示す。a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、ならびに酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の1価の有機基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
前記炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基としては、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の炭化水素基がより好ましい。
前記直鎖または分岐鎖の炭化水素基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基およびn−ヘプチル基が挙げられる。
前記炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3または4の脂環式炭化水素基がより好ましい。
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基の好適な具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロへキシル基等のシクロアルキル基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基が挙げられる。当該脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素でもよい。
前記炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基およびナフチル基等が挙げられる。当該芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香族環上のいずれの炭素でもよい。
酸素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、水素原子、炭素原子および酸素原子からなる有機基が挙げられ、中でも、エーテル結合、カルボニル基またはエステル結合と炭化水素基とからなる総炭素数1〜12の有機基等を好ましく挙げることができる。
エーテル結合を有する総炭素数1〜12の有機基としては、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、炭素数2〜12のアルキニルオキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基および炭素数2〜12のアルコキシアルキル基などを挙げることができる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、プロペニルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基およびメトキシメチル基等が挙げられる。
また、カルボニル基を有する総炭素数1〜12の有機基としては、炭素数2〜12のアシル基等を挙げることができる。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基およびベンゾイル基等が挙げられる。
エステル結合を有する総炭素数1〜12の有機基としては、炭素数2〜12のアシルオキシ基等が挙げられる。具体的には、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、イソプロピオニルオキシ基およびベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
窒素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、水素原子、炭素原子および窒素原子からなる有機基が挙げられ、具体的には、シアノ基、イミダゾール基、トリアゾール基、ベンズイミダゾール基およびベンズトリアゾール基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、水素原子、炭素原子、酸素原子および窒素原子からなる有機基が挙げられ、具体的には、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ベンズオキサゾール基およびベンズオキサジアゾール基等が挙げられる。
前記式(1)におけるR1〜R4としては、炭素数1〜12の1価の炭化水素基が好ましく、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
Figure 0005621847
前記式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは、単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、mは、0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0である。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記式(1)における炭素数1〜12の1価の有機基と同様の有機基等を挙げることができる。
前記重合体は、上記構造単位(1)と上記構造単位(2)とのモル比(但し、両者(構造単位(1)+構造単位(2))の合計は100である。)が、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から構造単位(1):構造単位(2)=50:50〜100:0であることが好ましく、構造単位(1):構造単位(2)=70:30〜100:0であることがより好ましく、構造単位(1):構造単位(2)=80:20〜100:0であることがさらに好ましい。
ここで、力学的特性とは、重合体の引張強度、破断伸びおよび引張弾性率等の性質のことをいう。
また、前記重合体は、さらに、下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有してもよい。前記重合体がこのような構造単位(ii)を有すると、該重合体を含んでなるフィルムの力学的特性が向上するため好ましい。
Figure 0005621847
前記式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、nは、0または1を示す。eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0である。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記式(1)における炭素数1〜12の1価の有機基と同様の有機基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の2価の有機基としては、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基、ならびに酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価のハロゲン化有機基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基およびヘプタメチレン基等が挙げられる。
炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基およびシクロへキシレン基等のシクロアルキレン基;シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基およびシクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基などが挙げられる。当該脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素でもよい。
炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基およびビフェニレン基等が挙げられる。当該芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香族環上のいずれの炭素でもよい。
炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価のハロゲン化炭化水素基、炭素数3〜12の2価のハロゲン化脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の2価のハロゲン化芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価のハロゲン化炭化水素基としては、ジフロオロメチレン基、ジクロロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、テトラクロロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基、ヘキサクロロトリメチレン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基およびヘキサクロロイソプロピリデン基等が挙げられる。
炭素数3〜12の2価のハロゲン化脂環式炭化水素基としては、前記炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
炭素数6〜12の2価のハロゲン化芳香族炭化水素基としては、前記炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基としては、水素原子および炭素原子と、酸素原子および/または窒素原子とからなる2価の有機基が挙げられ、エーテル結合、カルボニル基、エステル結合またはアミド結合と炭化水素基とを有する総炭素数1〜12の2価の有機基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価のハロゲン化有機基としては、具体的には、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
前記式(3)におけるZとしては、単結合、−O−、−SO2−、>C=Oまたは炭素数1〜12の2価の有機基が好ましく、炭素数1〜12の2価の炭化水素基または炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基が好ましい。
Figure 0005621847
前記式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。なお、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
前記重合体は、前記構造単位(i)と前記構造単位(ii)とのモル比(但し、両者((i)+(ii))の合計は100である。)が、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から(i):(ii)=50:50〜100:0であることが好ましく、(i):(ii)=70:30〜100:0であることがより好ましく、(i):(ii)=80:20〜100:0であることがさらに好ましい。
前記重合体は、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から前記構造単位(i)および前記構造単位(ii)を全構造単位中70モル%以上含むことが好ましく、全構造単位中95モル%以上含むことがより好ましい。
<重合体の合成方法>
前記重合体は、例えば、下記式(5)で表される化合物(以下「化合物(5)」ともいう。)および下記式(7)で表される化合物(以下「化合物(7)」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を含む成分(A)と下記式(6)で表される化合物を含む成分(B)とを、反応させることにより得ることができる。
Figure 0005621847
前記式(5)中、Xは独立してハロゲン原子を示し、フッ素原子が好ましい。
Figure 0005621847
前記式(7)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、Xは、独立に前記式(5)中のXと同義である。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
Figure 0005621847
前記式(6)中、Raは、独立に水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基、メタンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニル基を示し、この中でも水素原子が好ましい。なお、式(6)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義である。
上記化合物(5)としては、具体的には、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,5−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリルおよびこれらの反応性誘導体を挙げることができる。特に、反応性および経済性等の観点から、2,6−ジフルオロベンゾニトリルおよび2,6−ジクロロベンゾニトリルが好適に用いられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上記式(6)で表される化合物(以下「化合物(6)」ともいう。)としては、具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンおよびこれらの反応性誘導体等が挙げられる。上述の化合物の中でも、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好適に用いられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上記化合物(7)としては、具体的には、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,4’−ジフルオロベンゾフェノン、2,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,2’−ジフルオロベンゾフェノン、2,2’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロベンゾフェノンおよび3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン等を挙げることができる。これらの中でも、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4,4'−ジフルオロジフェニルスルホンが好ましい。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
化合物(5)および化合物(7)からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物は、成分(A)100モル%中に、80モル%〜100モル%含まれていることが好ましく、90モル%〜100モル%含まれていることがより好ましい。
また、成分(B)は、必要に応じて下記式(8)で表される化合物(以下「化合物(8)」ともいう。)を含むことが好ましい。
化合物(6)は、成分(B)100モル%中に、50モル%〜100モル%含まれていることが好ましく、80モル%〜100モル%含まれていることがより好ましく、90モル%〜100モル%含まれていることがさらに好ましい。
Figure 0005621847
前記式(8)中、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義であり、Raは、独立に前記式(6)中のRaと同義である。
前記化合物(8)としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、2−フェニルヒドロキノン、4,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンおよびこれらの反応性誘導体等が挙げられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上述の化合物の中でも、レゾルシノール、4,4'−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンが好ましく、反応性および力学的特性の観点から、4,4'−ビフェノールが好適に用いられる。
前記重合体は、より具体的には、以下に示す方法(I')または方法(II’)で合成することができる。これらの中でも方法(I’)を用いることで、構造単位(i)を有し、特定の重量平均分子量を有し、かつGPCによるポリスチレン換算の分子量が一定の分子量以下である低分子量成分が少ない重合体を容易に得ることができる。
方法(I')は、前記成分(B)とアルカリ金属化合物とを反応させて、成分(B)のアルカリ金属塩を得る工程(a)、および工程(a)後の混合物と前記成分(A)とを混合し、工程(a)で得られたアルカリ金属塩と成分(A)とを反応させる工程(b)を含む方法である。
工程(a)では、具体的には、化合物(6)や化合物(8)等のアルカリ金属塩が得られ、工程(b)では、前記構造単位(i)を有する重合体が得られる。
工程(a)および(b)では、それぞれの反応を有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。
方法(II’)は、成分(B)とアルカリ金属化合物との反応を成分(A)の存在下で行う方法である。
この方法(II’)では、成分(B)のアルカリ金属塩と成分(A)とが反応し、前記重合体が得られる。
前記方法(II’)では、反応を有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。
なお、方法(I’)や方法(II’)で前記重合体を製造する場合には、例えば、反応系中(成分(A)+成分(B)+有機溶媒の配合量)の成分(A)と成分(B)の濃度の和を大きくすることが好ましい。具体的には反応開始前の成分(A)と成分(B)の濃度の和が成分(A)、成分(B)および有機溶媒の合計量100wt%に対して20wt%〜50wt%であることが好ましく、24wt%〜35wt%であることがより好ましい。
反応系中の成分(A)と成分(B)の濃度の和が前記範囲にあることで、分子量分布が狭く、分子量が5000以下である低分子量成分の割合が少ない、つまり、末端基の数が少ない重合体が得られる。このため、該重合体を用いることで、耐着色性に優れ、特に、加熱による着色が抑制された、光透過性に優れるフィルムを得ることができる。
反応に使用するアルカリ金属化合物としては、リチウム、カリウムおよびナトリウム等のアルカリ金属;水素化リチウム、水素化カリウムおよび水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などを挙げることができる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
アルカリ金属化合物は、前記成分(B)中の全ての−O−Raに対し、アルカリ金属化合物中の金属原子の量が通常1〜3倍当量、好ましくは1.1〜2倍当量、さらに好ましくは1.2〜1.5倍当量となる量で使用される。
また、反応に使用できる有機溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチルラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)およびトリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)などを使用することができる。これらの溶媒の中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホンおよびジメチルスルホキシド等の誘電率の高い極性有機溶媒が特に好適に用いられる。
さらに、前記反応の際には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールなどの水と共沸する溶媒をさらに用いることもできる。
成分(A)と成分(B)の使用割合は、成分(A)と成分(B)との合計を100モル%とした場合に、成分(A)が好ましくは45モル%以上55モル%以下、より好ましくは50モル%以上52モル%以下、さらに好ましくは50モル%を超えて52モル%以下であり、成分(B)が好ましくは45モル%以上55モル%以下、より好ましくは48モル%以上50モル%以下であり、さらに好ましくは48モル%以上50モル%未満である。
また、反応温度は、好ましくは60〜250℃、より好ましくは80〜200℃の範囲である。反応時間は、好ましくは15分〜100時間、より好ましくは1時間〜24時間の範囲である。
<重合体の物性等>
前記重合体(I)は、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:TSKgelα―M、展開溶剤:テトラヒドロフラン(以下「THF」ともいう。))を用いて測定した、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは15,000〜400,000、さらに好ましくは30,000〜300,000である。
前記重合体(II)は、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:SuperH2000およびSuperH4000、ガードカラム:SuperH−Lを連結したカラム、展開溶剤:THF)を用いて測定した、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは2.5×104〜5.0×105であり、より好ましくは5.0×104〜4.0×105であり、より好ましくは7.0×104〜3.0×105である。
また、前記重合体は、GPCによる積分分子量分布曲線から算出した、重合体全体に対するGPCによるポリスチレン換算の分子量が5.0×103以下である低分子量成分の占める量(割合)が、好ましくは5.0%以下であり、より好ましくは3.5%以下である。
重合体の分子量およびその分布が前記範囲にあることで、耐着色性、特に、高温に曝された場合でも耐着色性に優れる重合体となる。このため、重合体(II)を含むフィルムは、光透過性、特に、高温に曝された場合でも光透過性に優れる。
なお、ポリスチレン換算の分子量が5.0×103以下である低分子量成分の占める量は、具体的には、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:SuperH2000およびSuperH4000、ガードカラム:SuperH−L、展開溶剤:THF、検出器:UV254nm、流量:0.6ml/min)を用いて、分子量5.0×103のポリスチレン標準試料の溶出時間より前に溶出する成分のクロマトグラムにおける積分値と、分子量5.0×103のポリスチレン標準試料の溶出時間より後に溶出する成分のクロマトグラムにおける積分値を測定することにより算出することができる。
前記重合体は、熱重量分析法(TGA)で測定した熱分解温度が、好ましくは400℃以上、より好ましくは425℃以上、さらに好ましくは450℃以上である。
<フィルム>
本発明に係るフィルムは、前記重合体を含む。このため、本発明に係るフィルムは、着色性、耐熱性および光透過性に優れる。
また、前記重合体(II)を含むフィルムは、耐熱着色性、耐熱性および光透過性がさらに優れる。したがって、これらのフィルムは、導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板などのフィルムとして好適に使用できる。
<フィルムの製造方法>
本発明のフィルムの製造方法としては、特に制限されないが、前記重合体を含む重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、該塗膜から有機溶媒を除去する工程を含む方法が挙げられる。
また、前記塗膜を形成する工程の後、または有機溶媒を除去する工程の後に、該塗膜または有機溶媒が除去された塗膜を焼成する工程(以下「焼成工程」ともいう。)を含むことが好ましい。前記焼成する工程を含むことで、前記特定の熱収縮率を有するフィルムを得ることができる。
前記塗膜から有機溶媒を除去する工程は、前記焼成工程において同時に行うこともできるが、上記焼成工程の前に、有機溶媒を除去する工程を行うことが好ましい。なお、基板から剥離した塗膜を焼成際には、基板から塗膜を剥離する前に予め塗膜から有機溶媒を除去する工程を含むことが好ましい。
前記重合体組成物としては、前記重合体を含む組成物であれば特に制限されないが、具体的には、前記の方法(I')または(II')で得られた重合体と有機溶媒との混合物をそのまま使用することができる。このような重合体組成物を用いることで、容易に、安価にフィルムを製造することができる。
また、前記重合体組成物は、前記の方法(I')または(II')で得られた重合体と有機溶媒との混合物から、重合体を固体分として単離(精製)した後、有機溶媒に再溶解させて重合体組成物を調製することもできる。
このような重合体組成物を用いることで、より着色が少なく、光透過性に優れるフィルムを製造することができる。
前記重合体を固体分として単離(精製)する方法は、例えば、メタノール等の重合体の貧溶媒に重合体を再沈殿させ、その後ろ過し、次いで減圧乾燥することにより行うことができる。
前記重合体を溶解する有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびγ−ブチロラクトンが好適に用いられ、塗工性、経済性の観点から、好ましくは、塩化メチレン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンが好適に使用される。これらの溶媒は、1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
前記重合体を溶解させた重合体組成物中の重合体濃度は、用いる重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%である。重合体組成物中の重合体の濃度が前記範囲にあると、厚膜化可能で、ピンホールが生じにくく、表面平滑性に優れるフィルムを形成することができる。
なお、重合体組成物の粘度は、用いる重合体の分子量や濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。重合体組成物の粘度が前記範囲にあると、成膜中の組成物の滞留性に優れ、厚みの調整が容易であるため、フィルムの成形が容易である。
本発明のフィルムは、本質的に、前記重合体のみからなることが好ましいが、所望の用途に応じて、老化防止剤などの添加剤を含んでもよい。老化防止剤を含有することで、得られるフィルムの耐久性をより向上させることができる。
老化防止剤としては、好ましくはヒンダードフェノール系化合物を挙げることができる。
本発明で使用することのできるヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−tert−ブチルフェニル]ブタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、および、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどを挙げることができる。
前記重合体組成物に老化防止剤を配合する場合には、前記老化防止剤の配合量は、重合体100重量部に対して好ましくは0.01〜10重量部である。
前記重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する方法としては、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法およびドクターブレードを用いる方法等が挙げられる。
塗膜の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜250μmであり、好ましくは2〜150μmであり、より好ましくは5〜125μmである。
前記基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムおよびSUS板などが挙げられる。
前記フィルムの製造方法において、塗膜から有機溶媒を除去する方法は、具体的には塗膜を加熱することにより行うことができる。加熱の条件は、塗膜から有機溶媒を除去できればよく、基板や重合体に応じて適宜決めればよいが、例えば加熱温度が30℃〜300℃であることが好ましく、40℃〜250℃であることがより好ましく、50℃〜230℃であることがさらに好ましい。
また、加熱時間としては、10分〜8時間であることが好ましい。なお、加熱は二段階以上で行ってもよい。具体的には、30〜80℃の温度で10分〜2時間乾燥後、100℃〜250℃でさらに10分〜2時間加熱するなどである。また、必要に応じて、窒素雰囲気下、または減圧下にて乾燥を行ってもよい。
また、前記焼成工程は、特定の温度で行うことが好ましく、好ましくは210℃〜350℃、より好ましくは220℃〜330℃、さらに好ましくは230℃〜320℃で焼成することがさらに好ましい。焼成時間としては、10分〜5時間であることが好ましい。
焼成雰囲気は、特に制限されないが、大気下または不活性ガス雰囲気下等であることが好ましく、不活性ガス雰囲気下であることが特に好ましい。
不活性ガスとしては、着色性の観点から窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられ、窒素であることが好ましい。
前記焼成工程は、前記基板上に形成された塗膜を基板ごと焼成してもよいが、基板の性質に影響されない点から、前記基板上に形成された塗膜を基板から剥離し、その後焼成することが好ましい。
得られたフィルムは、基板から剥離して用いることができるし、あるいは用いる基板の種類やフィルムの用途にもよるが剥離せずにそのまま用いることもできる。
<フィルムの物性等>
本発明のフィルムは、JIS K7133(熱処理温度220℃、60分)における熱収縮率が−0.1〜0.1%であり、好ましくは−0.05〜0.05%であり、さらに好ましくは−0.03〜0.03%である。
なお、「熱収縮率」は、JIS K7133に準じて測定することで求められ、具体的には、熱処理として、所定の温度(220℃)に設定された恒温室の中に、あらかじめ正確な長さを測定したフィルム(100mm×100mm)を無緊張状態で入れ、60分保持した後、取り出し、室温に戻してからその寸法の変化を読み取る。そして、熱処理前の長さL0と熱処理後の長さLより、次式により熱収縮率を求める。
熱収縮率=(L0−L)×100/L0(%)
また、本発明のフィルムは、熱処理の際の温度を240℃に変更した以外は上記と同様に測定した場合の熱収縮率が、好ましくは−0.2〜0.2%であり、より好ましくは−0.1〜0.1%であり、さらに好ましくは−0.05〜0.05%であり、特に好ましくは−0.03〜0.03%である。
このような、熱収縮率の値が前記範囲にあるフィルムは、例えばフィルム上に素子または配線を形成する際に高温に曝された場合においても寸法変化が少ないため、形成された素子または配線に生じる応力および変位量が少ないため好ましい。
本発明のフィルムの厚みは、所望の用途に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜250μm、より好ましくは2〜150μm、さらに好ましくは、10〜125μmである。
また、本発明のフィルムは、Rigaku製 Thermo Plus DSC8230を用い、昇温速度20℃/min窒素下で測定したガラス転移温度(Tg)が、230〜350℃であることが好ましく、240〜330℃であることがより好ましく、250〜300℃であることがさらに好ましい。
本発明のフィルムは、このようなガラス転移温度を有することにより、優れた耐熱性を有する。
また、本発明のフィルムは、厚みが30μmである場合に、JIS K7105透明度試験法における全光線透過率が、85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましい。全光線透過率は、ヘイズメーターSC−3H(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
本発明のフィルムは、透過率がこのような範囲にあることで、特に高い光線透過率を有する。
本発明のフィルムは、厚みが30μmである場合に、YI値(イエローインデックス)が、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。YI値は、スガ試験機社製SM−T型色彩測定器を用いて測定することができる。YI値がこのような範囲にあることで、着色のしにくいフィルムを得ることができる。
また、本発明のフィルムは、厚みが30μmである場合に、熱風乾燥機にて大気中230℃で1時間の加熱を行った後のYI値が3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。YI値がこのような範囲にあることで、高温下でも着色のしにくいフィルムを得ることができる。
本発明のフィルムは、該フィルムをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させて得られる溶液であって、前記重合体の濃度が10重量%である溶液のYI値が、32.0以下であることが好ましい。
具体的には、
本発明のフィルムを200℃で6時間乾燥した後に、DMAcに溶解して得られる溶液であって、前記重合体の濃度が10重量%である溶液のYI値は、15.0以下であることが好ましく、7.0以下であることがさらに好ましい。
また、本発明のフィルムを200℃で6時間乾燥した後、さらに270℃で1時間乾燥した後に、DMAcに溶解して得られる溶液であって、前記重合体の濃度が10重量%である溶液のYI値は、32.0以下であることが好ましく、30.0以下であることがより好ましく、20.0以下であることがさらに好ましい。
溶液のYI値は、これらの溶液の色相を紫外可視分光光度計(V−570(JASCO社製)、C光源、視野角10度)にて測定し算出した。
YI値がこのような範囲にあることで、着色のしにくい、特に高温下でも着色しにくいフィルムを得ることができ、導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板などのフィルムに好適に用いることができる。
本発明のフィルムは、波長633nmの光に対して、好ましくは1.55〜1.75、より好ましくは1.60〜1.70の屈折率を有する。屈折率は、プリズムカプラ モデル2010(Metricon社製)を用いて測定することができる。
本発明のフィルムは、引張強度が、50〜200MPaであることが好ましく、80〜150MPaであることがより好ましい。引張強度は、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
本発明のフィルムは、破断伸びが、5〜100%であることが好ましい。破断伸びは、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
本発明のフィルムは、引張弾性率が、2.5〜4.0GPaであることが好ましく、2.7〜3.7GPaであることがより好ましい。引張弾性率は、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
本発明のフィルムは、湿度膨張係数が、15ppm/%RH以下であることが好ましく、12ppm/%RH以下であることがより好ましい。湿度膨張係数は、TMA(SIIナノテクノロジー社製、TMA−SS6100)湿度制御オプションを用いて測定することができる。フィルムの膨張係数が前記範囲にあると、フィルムの寸法安定性(環境信頼性)が高いことを示すため導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板などのフィルムとしてとしてより好適に用いることができる。
また、前記重合体および重合体組成物は、主に上述のフィルムを製造するために用いられる重合体組成物として好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(1−1)構造分析
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた重合体の構造分析は、IR(ATR法、FT−IR,6700、NICOLET社製)およびNMR(ADVANCE500型,BRUKAR社製)により行った。
(1−2)重量平均分子量
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた重合体の重量平均分子量は、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:TSKgelα―M、展開溶剤:THF)を用いて測定した。検出器はRI、流量0.6ml/min、測定濃度0.2重量%、標準ポリスチレン換算。
(1−3)ガラス転移温度(Tg)
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた評価用フィルムのガラス転移温度はRigaku社製、Thermo Plus DSC8230を用いて、昇温速度20℃/分として評価した。
(1−3')熱分解温度
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた重合体の熱分解温度を熱重量分析法(TGA:窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分、5%重量減少温度)により測定した。
(1−4)機械的強度
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた評価用フィルムの室温における引張強度、破断伸び、引張弾性率を、JIS K7127に準じて、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定した。
(1−5)光学特性
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた評価用フィルムについて、全光線透過率、YI値をJIS K7105透明度試験法に準じて測定した。具体的には、フィルムの全光線透過率をスガ試験機社製SC−3H型ヘイズメーターを用いて、YI値(イエローインデックス)をスガ試験機社製SM−T型色彩測定器を用いて測定した(加熱前YI)。
さらに、下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた評価用フィルムを熱風乾燥機にて大気中230℃で1時間の加熱を行った後のYI値をスガ試験機社製SM−T型色彩測定器を用いて測定した(加熱後YI)。
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた評価用フィルムの屈折率は、プリズムカプラ モデル2010(Metricon社製)を用いて測定した。なお、屈折率は、波長633nmを用いて測定した。
(1−6)熱収縮率
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた評価用フィルムを用いて、JIS K7133に準じて実施した。具体的には、所定の温度(220℃または240℃)に設定された恒温室の中にあらかじめ正確な長さを測定したフィルム(100mm×100mm)を無緊張状態で入れ、60分保持した後、取り出し、室温に戻してからその寸法の変化を読み取った。熱処理前のフィルム長さL0と熱処理後のフィルムの長さLより、次式により熱収縮率を求めた。
熱収縮率=(L0−L)×100/L0(%)
(1−7)湿度膨張係数(CHE)
下記実施例1−1〜5、参考例1−6および比較例1−1〜4で得られた評価用フィルムの湿度膨張係数は、TMA(SIIナノテクノロジー社製 TMA−SS6100、湿度制御オプション付き、湿度条件:40%RHから70%RHへ10%毎に湿度を変更(引張法:荷重5g)、温度23℃、各湿度で2時間保持、傾きからCHEを算出、サンプルサイズ4mm×20mm、厚み30μm、チャック間10mm)により測定した。
[実施例1−1]
3Lの4つ口フラスコに成分(B):9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下「BPPFL」ともいう。)125.65g(0.250mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下「DMAc」ともいう。)643gおよびトルエン161gを添加した。続いて、4つ口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、Dean−Stark管および冷却管を取り付けた。
次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を140℃で3時間反応させ、生成する水をDean−Stark管から随時取り除いた。水の生成が認められなくなったところで、溶液を室温まで冷却、次いで成分(A):2,6−ジフルオロベンゾニトリル34.95g(0.251mol)を加え、徐々に温度を140℃まで上昇させ、そのままの温度で6時間反応させた。
室温(25℃)まで冷却後、精製した塩をろ紙で除去し、ろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(重合体)を得た(収量150.77g、収率100%)。
得られた重合体の物性を表1に示す。得られた重合体の構造分析及び重量平均分子量の測定を行った。結果は、赤外吸収スペクトルの特性吸収は、3035cm-1(C−H伸縮)、2229cm-1(CN)、1574cm-1、1499cm-1(芳香環骨格吸収)、1240cm-1(−O−)であり、重量平均分子量は94,000であった。
次いで、得られた重合体をDMAcに再溶解し、重合体濃度20質量%の重合体組成物を得た。該重合体組成物を、ポリエチレンテレフタラート(PET)からなる基板上にドクターブレードを用いて塗布し、70℃で30分乾燥させ、ついで100℃で30分乾燥してフィルムとした後、PET基板より剥離した。その後、フィルムを金枠に固定し、さらに焼成工程として、230℃で2時間、大気下で焼成して、膜厚30μmの評価用フィルムを得た。
得られた評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例1−2]
成分(B):BPPFL(0.250mol)の代わりに9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下「BPFL」ともいう。)87.60g(0.250mol)を使用した以外は実施例1−1と同様に行った。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例1−3]
実施例1−1の焼成工程において、焼成温度を230℃から270℃に変更し、焼成雰囲気を大気下から窒素雰囲気下に変更した以外は実施例1−1と同様に行った。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例1−4]
成分(B):BPPFL(0.250mol)の代わりにBPFL52.56g(0.150mol)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(以下、「Bis−F」ともいう。)33.62g(0.100mol)を使用した以外は実施例1−1と同様に行った。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例1−5]
成分(B):BPPFL(0.250mol)の代わりにBPFL78.92g(0.225mol)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下、「Bis-Z」ともいう。)6.72g(0.025mol)を使用した以外は実施例1−1と同様に行った。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
参考例1−6]
成分(B):BPPFL(0.250mol)の代わりにBPFL87.69g(0.250mol)を用い、成分(A):2,6−ジフルオロベンゾニトリル(0.251mol)の代わりに4,4'−ジクロロジフェニルスルホン72.15g(0.251mol)を使用した以外は実施例1−1と同様に行った。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[比較例1−1]
実施例1−1の焼成工程における焼成温度を230℃から200℃に変更し、焼成雰囲気を大気下から窒素雰囲気下に変更した以外は実施例1−1と同様に行った。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[比較例1−2]
実施例1−2の焼成工程における焼成温度を230℃から200℃に変更し、焼成雰囲気を大気下から窒素雰囲気下に変更した以外は実施例1−2と同様に行った。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[比較例1−3]
参考例1−6の焼成工程における焼成温度を230℃から200℃に変更し、焼成雰囲気を大気下から窒素雰囲気下に変更した以外は参考例1−6と同様に行った。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[比較例1−4]
成分(B):BPFL87.69g(0.250mol)の代わりに4,4'−ジヒドロキシビフェニル46.55g(0.250mol)を使用した以外は参考例1−6と同様に行った。フィルムの焼成工程は230℃ではフィルムの変形が見られたため、200℃に変更した。
得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。なお、240℃で熱処理した後の熱収縮率は、評価用フィルムが波打ちして測定できなかったため、測定できなかった。
Figure 0005621847
(2−1)構造分析
下記実施例2−1〜5、参考例2−6および比較例2−1〜5で得られた重合体の構造分析は、IR(ATR法、FT−IR,6700、NICOLET社製)およびNMR(ADVANCE500型,BRUKAR社製)により行った。
(2−2)重量平均分子量
下記実施例2−1〜5、参考例2−6および比較例2−1〜5で得られた重合体の重量平均分子量は、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:SuperH2000およびSuperH4000、ガードカラム:SuperH−Lを連結したカラム、展開溶剤:THF)を用いて測定した。検出器はUV、波長254nm、流量0.6ml/min、測定濃度0.3重量%、標準ポリスチレン換算。また、GPCによるポリスチレン換算の分子量が5.0×103以下である成分の重合体全体に対する占める量は、GPCによる積分分子量分布曲線より算出した。
(2−3)ガラス転移温度(Tg)
下記実施例2−1〜5、参考例2−6および比較例2−1〜5で得られた評価用フィルムのガラス転移温度は、Rigaku製 Thermo Plus DSC8230を用い、昇温速度20℃/min窒素下で測定した。
(2−4)光学特性
下記実施例2−1〜5、参考例2−6および比較例2−1〜5で得られた評価用フィルム、および該フィルムをさらに270℃で1時間焼成した後の、それぞれのフィルムを下記実施例2−1〜5、参考例2−6および比較例2−1〜5で得られる重合体の濃度が10重量%となるようにDMAcに溶解させた溶液の、色相(YI値)を紫外可視分光光度計(JASCO社製型番V−570、C光源、視野角10度)にて測定した。
また、下記実施例2−1〜5、参考例2−6および比較例2−1〜5で得られた評価用フィルムの厚み30μmにおけるJIS K7105透明度試験法による全光線透過率を、ヘイズメーターSC−3H(スガ試験機社製)を用いて測定した。
[実施例2−1]
3Lの4つ口フラスコに(B)成分:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「BPFL」ともいう。)87.60g(0.250mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、DMAc490gおよびトルエン122gを添加した。続いて、4つ口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、Dean−Stark管および冷却管を取り付けた。
次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を140℃で3時間反応させ、生成する水をDean−Stark管から随時取り除いた。水の生成が認められなくなったところで、溶液を室温まで冷却し、次いで(A)成分:2,6−ジフルオロベンゾニトリル34.95g(0.251mol)を加え、徐々に温度を160℃まで上昇させ、そのままの温度で6時間反応させた。
室温(25℃)まで冷却後、生成した塩をろ紙で除去し、ろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(重合体)を得た(収量112.55g、収率100%)。
得られた重合体の物性を表1に示す。得られた重合体の構造分析及び重量平均分子量の測定を行った。結果は、赤外吸収スペクトルの特性吸収は、3035cm-1(C−H伸縮)、2229cm-1(CN)、1574cm-1、1499cm-1(芳香環骨格吸収)、1240cm-1(−O−)であった。また、重量平均分子量が259,500、分子量5000以下の占める割合は3.72%であった。
次いで、得られた重合体をDMAcに再溶解し、重合体濃度20質量%の樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタラート(PET)からなる基板上にドクターブレードを用いて塗布し、70℃で30分乾燥させ、ついで100℃で30分乾燥してフィルムとした後、PET基板より剥離した。その後、フィルムを金枠に固定し、さらに200℃、6時間乾燥して、膜厚30μmの評価用フィルムを得た。
得られた評価用フィルムの物性を表2に示す。
[実施例2−2]
DMAc490gおよびトルエン122gの代わりに、DMAc293gおよびトルエン73gを用いた以外は実施例2−1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
[実施例2−3]
BPFL87.60g(0.250mol)の代わりに、BPFL78.84g(0.225mol)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BisZともいう)6.71g(0.025mol)とを用いた以外は実施例2−2と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
[実施例2−4]
BPFL87.60g(0.250mol)の代わりに、BPFL78.84g(0.225mol)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(BisAFともいう)8.41g(0.025mol)とを用いた以外は実施例2−2と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
[実施例2−5]
2,6−ジフルオロベンゾニトリル34.95g(0.251mol)の代わりに、2,6−ジフルオロベンゾニトリル27.96g(0.201mol)と4,4’−ジフルオロベンゾフェノン10.91g(0.050mol)とを用いた以外は実施例2−2と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
参考例2−6]
2,6−ジフルオロベンゾニトリル34.95g(0.251mol)の代わりに、4,4'−ジフルオロジフェニルスルホン63.82g(0.251mol)を用いた以外は実施例2−2と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
[比較例2−1]
3Lの4つ口フラスコに(B)成分:BPFL87.60g(0.250mol)、(A)成分:2,6−ジフルオロベンゾニトリル34.95g(0.251mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、DMAc490gおよびトルエン122gを添加した。続いて、4つ口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、Dean−Stark管および冷却管を取り付けた。
次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を140℃で3時間反応させ、生成する水をDean−Stark管から随時取り除いた。水の生成が認められなくなったところで、徐々に温度を160℃まで上昇させ、そのままの温度で6時間反応させた。その後の重合体を得る工程および評価用フィルムを得る工程は、実施例2−1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
[比較例2−2]
(B)成分:BPFL78.84g(0.225mol)およびBisZ6.71g(0.025mol)、(A)成分:2,6−ジフルオロベンゾニトリル34.95g(0.251mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、DMAc490gならびにトルエン122gを用いた以外は、比較例2−1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
[比較例2−3]
(B)成分:BPFL78.84g(0.225mol)およびBisAF8.41g(0.025mol)、(A)成分:2,6−ジフルオロベンゾニトリル34.95g(0.251mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、DMAc490gならびにトルエン122gを用いた以外は、比較例2−1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
[比較例2−4]
(A)成分:2,6−ジフルオロベンゾニトリル27.96g(0.201mol)および4,4’−ジフルオロベンゾフェノン10.91g(0.050mol)、(B)成分:BPFL87.60g(0.250mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、DMAc490gならびにトルエン122gを用いた以外は、比較例2−1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
[比較例2−5]
(A)成分:4,4'−ジフルオロジフェニルスルホン63.82g(0.251mol)、(B)成分:BPFL87.60g(0.250mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、DMAc490gならびにトルエン122gを用いた以外は、比較例2−1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表2に示す。
Figure 0005621847

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表される構造単位を有し、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が2.5×104〜5.0×105であり、かつGPCにより測定された積分分子量分布曲線による、ポリスチレン換算の分子量が5.0×103以下である低分子量成分の占める量が、重合体全体に対して5.0%以下である重合体。
    Figure 0005621847
    (式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
  2. 前記重合体が、さらに、下記式(2)で表される構造単位、下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位を有する、請求項1に記載の重合体。
    Figure 0005621847
    (式(2)中、R 1 〜R 4 およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR 1 〜R 4 およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO 2 −または>C=Oを示し、R 7 およびR 8 は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R 7 はシアノ基ではない。)
    Figure 0005621847
    (式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。)
    Figure 0005621847
    (式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。)
  3. 下記式(6)で表される化合物を含む成分(B)とアルカリ金属化合物とを反応させて、成分(B)のアルカリ金属塩を得る工程(a)、および
    工程(a)後の混合物と、下記式(5)で表される化合物および下記式(7)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、少なくとも下記式(5)で表される化合物を含む成分(A)とを混合し、工程(a)で得られたアルカリ金属塩と成分(A)とを反応させる工程(b)
    を含む、請求項1または2に記載の重合体の製造方法。
    Figure 0005621847
    (式(6)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Raは、独立に水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基、メタンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニル基を示す。)
    Figure 0005621847
    (式(5)中、Xは独立にハロゲン原子を示す。)
    Figure 0005621847
    (式(7)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、Xは、独立に前記式(5)中のXと同義である。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。)
  4. 前記成分(B)が、さらに、下記式(8)で表される化合物を含む、請求項3に記載の重合体の製造方法。
    Figure 0005621847
    (式(8)中、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義であり、Raは、独立に前記式(6)中のRaと同義である。)
  5. 請求項1もしくは2に記載の重合体、または、請求項3もしくは4に記載の製造方法で得られる重合体を含む樹脂組成物。
  6. 請求項1もしくは2に記載の重合体、または、請求項3もしくは4に記載の製造方法で得られる重合体を含むフィルム。
  7. 下記式(1)で表される構造単位を有する重合体を含み、かつJIS K7133(熱処理温度220℃、60分)における熱収縮率が−0.1%〜0.1%であるフィルム。
    Figure 0005621847
    (式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
  8. 前記重合体が、さらに、下記式(2)で表される構造単位、下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位を有する、請求項7に記載のフィルム。
    Figure 0005621847
    (式(2)中、R 1 〜R 4 およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR 1 〜R 4 およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO 2 −または>C=Oを示し、R 7 およびR 8 は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R 7 はシアノ基ではない。)
    Figure 0005621847
    (式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。)
    Figure 0005621847
    (式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。)
  9. 前記フィルムの厚み30μmにおけるYI値(イエローインデックス)が、3.0以下である、請求項6〜8のいずれか1項に記載のフィルム。
  10. 前記フィルムをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させて得られる溶液であって、前記重合体の濃度が10重量%である溶液のYI値が、32.0以下である、請求項6〜9のいずれか1項に記載のフィルム。
  11. 前記フィルムの厚み30μmにおけるJIS K7105透明度試験法による全光線透過率が85%以上である、請求項6〜10のいずれか1項に記載のフィルム。
  12. 示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である、請求項6〜11のいずれか1項に記載のフィルム。
  13. 請求項6〜12のいずれか1項に記載のフィルムを製造する方法であって、
    前記重合体および有機溶媒を含む重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、
    該塗膜を210〜350℃で焼成する工程と
    を含む、フィルムの製造方法。
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