JP6264300B2 - 重合体、樹脂組成物及び膜形成方法 - Google Patents

重合体、樹脂組成物及び膜形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、重合体、樹脂組成物及び膜形成方法に関する。
エンジニアリングプラスチックは、ガラス転移温度及び熱分解温度が共に高く、高い耐熱性を有する重合体である。これらのうち、透明性を有するものは、高耐熱性が要求される所での光学材料として用いられている。
かかる重合体には、優れた耐熱性及び光学特性に加え、用途に応じた諸性能の向上が必要になるため、種々の改良が検討されている。芳香族ポリスルホンでは、ポリシロキサン構造を重合体鎖中に導入することによって、摩擦係数を小さくすることができ、摺動材料として利用することが可能になるとされている(特開平5−140310号公報参照)。
しかし、このような重合体は、耐熱性には優れるものの、溶融粘度が高く、流動性が低いことから、成形時の残留応力が高くなり、使用時にクラックが発生するおそれがある等の不都合がある。上記従来の重合体ではこの不都合を解消できておらず、また、ポリシロキサン構造等の導入によって残留応力の低減を図ると、耐熱性が低下してしまい、これらを両立させることができていない。
特開平5−140310号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、高い耐熱性を維持しつつ、残留応力が低減された重合体を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
下記式(1)で表される第1構造単位(以下、「構造単位(i)」ともいう)を含む重合体(以下、「重合体(I)」ともいう)である。
Figure 0006264300
(式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である。nは、5〜100の整数である。複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜12の2価の有機基である。Xは、下記式(1a)又は(1b)で表される2価の基である。)
Figure 0006264300
(式(1a)及び(1b)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rは、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。)
本発明の樹脂組成物(以下、「樹脂組成物(A)」ともいう)は、当該重合体(I)、及び有機溶媒(以下、「有機溶媒(II)」ともいう)を含有する。
本発明の膜形成方法は、
当該樹脂組成物で塗膜を形成する工程、及び
上記塗膜から有機溶媒を除去する工程
を有する。
ここで、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
また、「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味し、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の双方を含むものとする。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として、芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
本発明の重合体は、高い耐熱性を維持しつつ、残留応力が低減されている。本発明の樹脂組成物によれば、耐熱性が高く残留応力が低減され、かつ白濁や荒れの少ない均一な膜を形成することができる。本発明の膜形成方法によれば、そのような膜を容易に形成することができる。従って、これらは、導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板、プリント配線基板、絶縁膜などのフィルムの製造に好適に用いることができる。
<重合体(I)>
当該重合体(I)は、構造単位(i)を含む重合体である。
重合体(I)は、耐熱性及び光透過性に優れ、また、残留応力が低減されているので、導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板、プリント配線基板などのフィルムの原料として好適に用いることができる。特に、薄膜形成が必要な各種フィルムコンデンサ、絶縁膜、保護膜の原料として好適に用いることができる。
重合体(I)は、構造単位(i)以外に、後述する第2構造単位(以下、「構造単位(ii)」ともいう)及び/又は第3構造単位(以下、「構造単位(iii)」ともいう)を含むことが好ましい。また、重合体(I)は、本発明の効果を損なわない範囲において、これらの構造単位以外のその他の構造単位を含んでいてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(i)]
構造単位(i)は、下記式(1)で表される。当該重合体は、構造単位(i)を含むことで、高い耐熱性を維持しつつ、残留応力を低減することができる。重合体(I)が構造単位(i)を含むことで、高い耐熱性を維持すると共に残留応力を低減できる理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように推察することができる。すなわち、重合体(I)は、構造単位(i)のポリシロキサン鎖の存在により、分子鎖に柔軟性が付与され残留応力が低減される。一方で、このポリシロキサン鎖に隣接するXを上記式(1a)又は(1b)の特定構造を有する基とすることで、重合体(I)の結晶構造が強固に維持される。これらの結果、重合体(I)の耐熱性を維持することができると考えられる。
Figure 0006264300
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である。nは、5〜100の整数である。複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜12の2価の有機基である。Xは、下記式(1a)又は(1b)で表される2価の基(以下、「X基」ともいう)である。
Figure 0006264300
上記式(1a)及び(1b)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rは、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。
上記R及びRで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。上記R及びRで表される炭素数6〜15のアリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。上記R及びRとしては、これらの中で、重合体(I)の残留応力をより低減する観点から、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(i)の−Si(R)(R)−で表される基としては、例えばジメチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、メチルフェニルシランジイル基等が挙げられる。これらの中で、重合体(I)の残留応力をより低減する観点から、ジメチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基が好ましく、ジメチルシランジイル基がより好ましい。
上記式(i)において、−Si(R)(R)−で表される基が互いに異なるものを含む場合、それぞれの基は、ブロックを形成するように配置していてもよく、ランダムに配置していてもよいが、重合体(I)の残留応力をより低減する観点からは、ランダムに配置することが好ましい。
上記nの下限としては、5であり、10が好ましく、25がより好ましく、50がさらに好ましい。一方、上記nの上限としては、100であり、90が好ましく、80がより好ましく、70がさらに好ましい。nが上記下限未満だと、重合体(I)の残留応力が低減されない。nが上記上限を超えると、重合体(I)の耐熱性が低下する。
上記R及びRで表される炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜12の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば、
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基、ペンテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基、ペンチンジイル基等のアルキンジイル基などが挙げられる。
上記鎖状炭化水素基の炭素数としては、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましい。
上記炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等のシクロアルカンジイル基;
シクロプロペンジイル基、シクロブテンジイル基、シクロペンテンジイル基、ノルボルネンジイル基等のシクロアルケンジイル基などが挙げられる。
上記脂環式炭化水素基の炭素数としては3〜8が好ましく、3又は4がより好ましい。
上記炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、
ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基等のアレーンジイル基;
ベンゼンジイルメタンジイル基、ベンゼンジイルエタンジイル基、ナフタレンジイルメタンジイル基等のアレーンジイルアルカンジイル基などが挙げられる。
上記酸素原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基としては、水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる有機基が挙げられ、エーテル結合、カルボニル基又はエステル結合と、炭化水素基とからなる炭素数1〜12の2価の有機基等が挙げられる。
上記エーテル結合を有する炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、メタンジイルオキシ基、エタンジイルオキシ基、プロパンジイルオキシ基、ブタンジイルオキシ基、シクロヘキサンジイルオキシ基等のアルカンジイルオキシ基;エテンジイルオキシ基、プロペンジイルオキシ基等のアルケンジイルオキシ基;エチンジイルオキシ基等のアルキンジイルオキシ基;ベンゼンジイルオキシ基等のアレーンジイルオキシ基;メタンジイルオキシメタンジイル基等のアルカンジイルオキシアルカンジイル基などが挙げられる。
上記カルボニル基を有する炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、メタンジイルカルボニル基、プロパンジイルカルボニル基、ブタンジイルカルボニル基等のアルカンジイルカルボニル基;ベンゼンジイルカルボニル基等のアレーンジイルカルボニル基;メタンジイルカルボニルメタンジイル基等のアルカンジイルカルボニルアルカンジイル基などが挙げられる。
上記エステル結合を有する炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、メタンジイルカルボニルオキシ基、プロパンジイルカルボニルオキシ基、ブタンジイルカルボニルオキシ基等のアルカンジイルカルボニルオキシ基;ベンゼンジイルカルボニルオキシ基等のアレーンジイルカルボニルオキシ基;メタンジイルカルボニルオキシメタンジイル基等のアルカンジイルカルボニルオキシアルカンジイル基などが挙げられる。
窒素原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、水素原子、炭素原子及び窒素原子からなる有機基等が挙げられ、シアノ基、イミダゾール基、トリアゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンズトリアゾール基等を含む有機基などが挙げられる。
酸素原子及び窒素原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、水素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子からなる有機基等が挙げられ、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズオキサジアゾール基等を含む有機基などが挙げられる。
上記R及びRとしては、重合体(I)の耐熱性がより高く維持でき、かつ残留応力をより低減できる観点からは、単結合、鎖状炭化水素基、芳香族炭化水素基が好ましく、鎖状炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜5の鎖状炭化水素基がさらに好ましく、プロパンジイル基が特に好ましい。
[X基]
上記Xの式(1a)におけるRで表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の1価の有機基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜12の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記鎖状炭化水素基の炭素数としては、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましい。
上記炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記脂環式炭化水素基の炭素数としては3〜8が好ましく、3又は4がより好ましい。
上記炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記酸素原子を含む炭素数1〜12の1価の有機基としては、水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる有機基が挙げられ、エーテル結合、カルボニル基又はエステル結合と、炭化水素基とからなる炭素数1〜12の1価の有機基等が挙げられる。
上記エーテル結合を有する炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;エテニルオキシ基、プロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;エチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;メトキシメチル基等のアルコキシアルキル基などが挙げられる。
上記カルボニル基を有する炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基などが挙げられる。
上記エステル結合を有する炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、イソプロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基などが挙げられる。
上記Rとしては、鎖状炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の鎖状炭化水素基がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましい。
上記aとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(1b)におけるRとしては、シアノ基、ニトロ基が好ましく、シアノ基がより好ましい。
上記Xとしては、ガラス転移温度がより向上する観点から、上記式(1a)で表される2価の基が好ましい。
構造単位(i)としては、例えば、下記式(i−1)〜(i−5)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006264300
上記式(1−1)、(1−3)及び(1−4)中、nは、上記式(1)と同義である。
上記式(1−2)中、n1及びn2は、それぞれ独立して、1〜100の整数である。但し、5≦n1+n2≦100を満たす。rは、両隣のシロキサン単位がランダムに配置していることを示す。
上記式(1−5)中、n3及びn4は、それぞれ独立して、1〜100の整数である。但し、5≦n3+n4≦100を満たす。bは、両隣のシロキサン単位がそれぞれブロックを形成していることを示す。
これらの中で、重合体(I)の耐熱性がより高くなり、かつ残留応力がより低減できる観点から、上記式(1−1)で表される構造単位、上記式(1−4)で表される構造単位が好ましく、ガラス転移温度がさらに高くなる観点から、上記式(1−1)で表される構造単位がより好ましい。
[構造単位(ii)]
構造単位(ii)は、下記式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(ii−1)」ともいう)及び下記式(3)で表される構造単位(以下、「構造単位(ii−2)」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位である。重合体(I)は、構造単位(ii)を含むことで、耐熱性及び光学特性をより向上させることができる。
(構造単位(ii−1))
構造単位(ii−1)は、下記式(2)で表される構造単位である。
Figure 0006264300
上記式(2)中、R〜R10は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R〜R10の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。b〜eは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R11は、炭素数1〜12の1価の有機基である。fは、0〜3の整数である。R〜R11がそれぞれ複数の場合、複数のR〜R11はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R12は、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。
上記R〜R10で表される炭素数1〜12の1価の有機基(但し、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む有機基を除く)としては、例えば、上記式(1a)のRとして例示した有機基のうち、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含むものを除いた基等が挙げられる。
これらの中で、芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
上記R11で表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、上記式(1a)のRとして例示した有機基と同様の基等が挙げられる。
これらの中で、炭化水素基が好ましく、鎖状炭化水素基、芳香族炭化水素基がより好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基がさらに好ましい。
12としては、シアノ基、ニトロ基が好ましく、シアノ基がより好ましい。
(構造単位(ii−2))
構造単位(ii−2)は、下記式(3)で表される構造単位である。
Figure 0006264300
上記式(3)中、R13〜R16は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R13〜R16の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。R17及びR18は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ニトロ基又は炭素数1〜12の1価の有機基である。g〜lは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R13〜R18がそれぞれ複数の場合、複数のR13〜R18はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Yは、単結合、−SO−又は−CO−である。mは、0又は1である。但し、mが0の場合、R18はニトロ基及びシアノ基のいずれでもない。
上記R13〜R16で表される炭素数1〜12の1価の有機基(但し、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む有機基を除く)としては、例えば、上記式(2)のR〜R10として例示した有機基と同様の基等が挙げられる。
これらの中で、芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
17及びR18で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記R17及びR18で表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば、上記式(i)のRとして例示した有機基と同様の基等が挙げられる。
上記R17及びR18としては、ハロゲン原子、有機基が好ましく、有機基がより好ましく、鎖状炭化水素基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記g〜lとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記Yとしては、単結合、−CO−が好ましい。
上記mとしては、1が好ましい。
[構造単位(iii)]
構造単位(iii)は、下記式(4)で表される構造単位「以下、構造単位(iii−1)」ともいう)及び下記式(5)で表される構造単位(以下、「構造単位(iii−2)」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位である。重合体(I)は、構造単位(iii)をさらに含むことで、ケイ素の含有量を低減することが可能になる。
(構造単位(iii−1))
構造単位(iii−1)は、下記式(4)で表される構造単位である。
Figure 0006264300
上記式(4)中、R19は、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R19の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。oは、0〜3の整数である。R19が複数の場合、複数のR19は同一でも異なっていてもよい。Arは、下記式(4a)、(4b)及び(4c)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される2価の基である。
Figure 0006264300
上記式(4a)、(4b)及び(4c)中、R20〜R23は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R20〜R23の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。p、q及びrは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。sは、0〜6の整数である。R20〜R23がそれぞれ複数の場合、複数のR20〜R23はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記R19〜R23で表される炭素数1〜12の1価の有機基(但し、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む有機基を除く)としては、例えば、上記式(2)のR〜R10として例示した有機基等が挙げられる。これらの中で芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
上記oとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記p、q及びrとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
sとしては0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(4a)〜(4c)で表される2価の基の中でも、重合体(I)のガラス転移温度及び熱分解温度の向上の観点から、上記式(4c)で表される2価の基が好ましい。
(構造単位(iii−2))
構造単位(iii−2)は、下記式(5)で表される構造単位である。
Figure 0006264300
上記式(5)中、R24及びR25は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R24及びR25の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。t及びuは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R24及びR25がそれぞれ複数の場合、複数のR24及びR25はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Zは、単結合、−SO−又は−CO−である。wは、0又は1である。
上記R24及びR25で表される炭素数1〜12の1価の有機基(鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含むものを除く)としては、例えば、上記式(2)のR〜R10として例示した有機基等が挙げられる。これらの中で、芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
上記t及びuとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記Zとしては、単結合、−CO−が好ましい。
上記wとしては、1が好ましい。
[その他の構造単位]
当該重合体は、上記構造単位(i)〜(iii)以外のその他の構造単位を含んでいてもよい。
[構造単位の含有割合]
上記各構造単位の含有割合としては、
重合体(I)が構造単位(i)及び構造単位(ii)を含む(かつ構造単位(iii)を含まない)場合、
構造単位(i)及び構造単位(ii)の合計に対する構造単位(i)の含有割合の下限としては、0.05モル%が好ましく、0.5モル%がより好ましく、1モル%がさらに好ましく、2モル%が特に好ましく、3モル%がさらに特に好ましい。
構造単位(i)の含有割合の上限としては、50モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましく、7モル%が特に好ましい。
また、構造単位(ii)の含有割合の下限としては、50モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、90モル%がさらに好ましく、93モル%が特に好ましい。
構造単位(ii)の含有割合の上限としては、99.95モル%が好ましく、99.5モル%がより好ましく、99モル%がさらに好ましく、98モル%が特に好ましく、97モル%がさらに特に好ましい。
重合体(I)が構造単位(i)及び構造単位(iii)を含む(かつ構造単位(ii)を含まない)場合、
構造単位(i)及び構造単位(iii)の合計に対する構造単位(i)の含有割合の下限としては、0.05モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、1.5モル%がさらに好ましく、2モル%が特に好ましく、2.5モル%がさらに特に好ましい。
構造単位(i)の含有割合の上限としては、40モル%が好ましく、25モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましく、7モル%が特に好ましい。
また、構造単位(iii)の含有割合の下限としては、60モル%が好ましく、75モル%がより好ましく、90モル%がさらに好ましく、93モル%が特に好ましい。
構造単位(iii)の含有割合の上限としては、99.95モル%が好ましく、99モル%がより好ましく、98.5モル%がさらに好ましく、98モル%が特に好ましく、97.5モル%がさらに特に好ましい。
重合体(I)が構造単位(i)、構造単位(ii)及び構造単位(iii)を含む場合、構造単位(i)、構造単位(ii)及び構造単位(iii)の合計に対する構造単位(i)の含有割合の下限としては、0.05モル%が好ましく、0.5モル%がより好ましく、1モル%がさらに好ましく、1.5モル%が特に好ましく、2モル%がさらに特に好ましく、2.5モル%が最も好ましい。
構造単位(i)の含有割合の上限としては、50モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましく、10モル%が特に好ましく、7モル%がさらに特に好ましい。
また、構造単位(ii)の含有割合の下限としては、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、25モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましく、50モル%がさらに特に好ましい。
構造単位(ii)の含有割合の上限としては、95.95モル%が好ましく、95.5モル%がより好ましく、91モル%がさらに好ましく、85.5モル%が特に好ましく、80モル%がさらに特に好ましく、74.5モル%が最も特に好ましい。
さらに、構造単位(iii)の含有割合の下限としては、4モル%が好ましく、8モル%がより好ましく、13モル%がさらに好ましく、18モル%が特に好ましく、23モル%がさらに特に好ましい。
構造単位(iii)の含有割合の上限としては、94.95モル%が好ましく、94.5%がより好ましく、89モル%がさらに好ましく、73.5モル%が特に好ましく、58モル%がさらに特に好ましく、47.5モル%が最も好ましい。
<重合体の合成方法>
重合体(I)は、例えば、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基置換芳香族ジハライド及び/又は芳香族ケトンジハライドと、末端にフェノール性水酸基を有するシリコーン化合物とを少なくとも反応させることにより得ることができる。
上記シアノ基、ニトロ基又はホルミル基置換芳香族ジハライドとしては、例えば、下記式(x)で表される化合物(以下、「化合物(x)」ともいう)等が挙げられ、上記芳香族ケトンジハライドとしては、例えば、下記式(y)で表される化合物(以下、「化合物(y)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006264300
上記式(x)及び(y)中、R5’は、炭素数1〜12の1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。R6’は、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。Qは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。aが2以上の場合、複数のR5’は同一でも異なっていてもよい。
上記Qで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、化合物(x)及び(y)の反応性の観点から、フッ素原子が好ましい。
上記化合物(x)としては、例えば、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,5−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中で、反応性及び経済性、並びに得られる重合体(I)の耐熱性及び残留応力等の向上の観点から、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリルが好ましく、2,6−ジフルオロベンゾニトリルがさらに好ましい。
上記化合物(y)としては、例えば、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、2,4’−ジフルオロベンゾフェノン、2,2’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中で反応性及び経済性、並びに得られる重合体(I)の耐熱性及び残留応力等の向上の観点から、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノンが好ましく、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンがより好ましい。
上記末端にフェノール性水酸基を有するシリコーン化合物としては、例えば、下記式(z)で表される化合物(以下、「化合物(z)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006264300
上記式(z)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である。nは、5〜100の整数である。複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜12の2価の有機基である。
上記化合物(z)としては、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006264300
上記式(z1)及び(z2)中、nは、上記式(z)と同義である。
上記式(z3)中、n5及びn6は、それぞれ独立して、1〜100の整数である。但し、5≦n5+n6≦100を満たす。rは、両隣のシロキサン単位が、ランダムに配置していることを示す。
上記式(z4)中、n7及びn8は、それぞれ独立して、1〜100の整数である。但し、5≦n7+n8≦100を満たす。bは、両隣のシロキサン単位が、それぞれブロックを形成していることを示す。
化合物(z)の市販品としては、例えば、X−22−1821、X−22−1822、KF−2101(以上、信越化学工業製)、BY−16−752、BY−16−799(以上、東レ・ダウコーニング製)等が挙げられる。
上記末端にフェノール性水酸基を有するシリコーン化合物の数平均分子量(Mn)の下限としては、800が好ましく、1,200がより好ましく、2,300がさらに好ましく、4,200が特に好ましい。また、上記Mnの上限としては、7,900が好ましく、7,100がより好ましく、6,400がさらに好ましく、5,600が特に好ましい。なお、上記末端にフェノール性水酸基を有するシリコーン化合物のMnは、この化合物の反応基当量(g/mol)の測定値から導き出される値(反応基当量の値×2)である。
また、重合体(I)の合成の際には、必要に応じて、ビスフェノール化合物を加えて反応させることが好ましい。このビスフェノール化合物としては、例えば、下記式(u)で表される化合物(以下、「化合物(u)」ともいう)、下記式(v−1)、(v−2)、(v−3)で表される化合物(以下、それぞれ「化合物(v−1)、(v−2)、(v−3)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006264300
上記式(u)中、R7’〜R10’は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R〜R10の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。b’〜e’は、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R7’〜R10’がそれぞれ複数の場合、複数のR7’〜R10’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006264300
上記式(v−1)〜(v−3)中、R20〜R23は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R20〜R23の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。p、q及びrは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。sは、0〜6の整数である。R20〜R23がそれぞれ複数の場合、複数のR20〜R23はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記化合物(u)としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモフルオレン、及びこれらの反応性誘導体等が挙げられる。これらの中で、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモフルオレンが好適に用いられる。
上記化合物(v−1)としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、2−フェニルヒドロキノン等が挙げられる。これらの中で、ヒドロキノン、レゾルシノールが好ましい。
上記化合物(v−2)としては、例えば、4,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール等が挙げられる。これらの中で、4,4’−ビフェノールが好ましい。
上記化合物(v−3)としては、例えば、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。これらの中で、2,7−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
さらに、重合体(I)の合成の際には、必要に応じて、下記式(w)で表されるジフェニルスルホンジハライドを加えて反応させることもできる。
Figure 0006264300
上記式(w)中、Qは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。
重合体(I)は、例えば、上記化合物を有機溶媒中、アルカリ金属化合物の存在下で反応させることで合成することができる。なお、上記化合物は全ての種類を同時に反応させてもよく、上記化合物のうち、フェノール性水酸基を有する化合物とアルカリ金属化合物を反応させて、アルカリ金属塩を得た後、得られたアルカリ金属塩と、残りのハライド化合物等とを反応させることもできる。なお、反応には、上述の化合物をそれぞれ1種用いても2種以上用いてもよい。
上記アルカリ金属化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。これらの中で、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
上記アルカリ金属化合物の使用量としては、上記反応に用いる化合物のフェノール性水酸基に対し、アルカリ金属化合物中の金属原子の量が、通常1〜3倍当量、好ましくは1.1倍当量〜2倍当量、より好ましくは1.2倍当量〜1.5倍当量となる量である。
上記有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)等が挙げられる。これらの中でも、誘電率の高い極性溶媒であることから、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシドが好ましい。
さらに、上記反応の際には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等の水と共沸する溶媒をさらに用いることもできる。
上記ハライド化合物と上記ビスフェノール化合物との使用割合は、ハライド化合物及びビスフェノール化合物の合計100モル%に対して、ハライド化合物が45モル%以上55モル%以下が好ましく、48モル%以上52モル%以下がより好ましく、50モル%以上52モル%以下がさらに好ましい。また、ビスフェノール化合物が45モル%以上55モル%以下が好ましく、48モル%以上52モル%以下がより好ましく、48モル%以上50モル%以下がさらに好ましい。
反応温度としては、60℃〜250℃が好ましく、80℃〜200℃がより好ましい。反応時間としては、15分〜100時間が好ましく、1時間〜24時間がより好ましい。
[重合体(I)の物性]
(ガラス転移温度)
重合体(I)のガラス転移温度(Tg)の下限としては、220℃が好ましく、230℃がより好ましく、240℃がさらに好ましく、250℃が特に好ましく、260℃がさらに特に好ましい。
重合体(I)のTgの上限としては、350℃が好ましく、330℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。
Tgは、示差走査熱量分析(DSC)により、昇温速度20℃/分の条件において測定される値である。
(熱分解温度)
重合体(I)の熱分解温度の下限としては、480℃が好ましく、500℃がより好ましく、510℃がさらに好ましく、520℃が特に好ましく、530℃がさらに特に好ましい。
重合体(I)の熱分解温度の上限としては、550℃が好ましい。
熱分解温度は、熱重量減少分析(TGA)により測定される5%質量減少温度である。
(残留応力)
重合体(I)の残留応力の上限としては、43MPaが好ましく、40MPaがより好ましく、38MPaがさらに好ましく、36MPaが特に好ましく、32MPaがさらに特に好ましい。
重合体(I)の残留応力の下限としては、25MPaが好ましい。
残留応力は、実施例に記載の方法で表面に塗膜を形成した基板について、塗膜形成前後の基板の応力をそれぞれ測定し、その応力差で示される値である。
(重量平均分子量)
重合体(I)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)としては、5,000〜500,000が好ましく、15,000〜400,000がより好ましく、30,000〜300,000がさらに好ましい。
Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、カラムが東ソー製TSKgelα−M、展開溶媒がテトラヒドロフランの条件で測定される値である。
<樹脂組成物(A)>
当該樹脂組成物(A)は、重合体(I)と、有機溶媒(II)とを含有する。樹脂組成物(A)は、上述の性質を有する重合体(I)及び有機溶媒(II)を含有することで、耐熱性が高く残留応力が低減され、かつ白濁や荒れの少ない均一な膜を形成することができる。
重合体(I)については、上述した通りである。
[有機溶媒(II)]
上記有機溶媒(II)としては、例えば、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒等が挙げられる。有機溶媒(II)としては、1種又は2種以上を用いてもよい。
樹脂組成物(A)によれば、有機溶媒(II)を用いることで、耐熱性が高く残留応力が低減された膜を形成することができる。また、樹脂組成物(A)によれば、有機溶媒(II)を含有することで、この樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する際に、上記基板との濡れ性に優れる。さらに、樹脂組成物(A)によれば、白濁や荒れの少ない均一な膜を、人体や環境への負荷が少なく、安全にかつ容易に形成することができる。また、有機溶媒(II)を用いると、樹脂組成物(A)を用いて成膜する際の溶媒の分解による膜質低下が起こり難いため好ましい。
上記エーテル系溶媒は、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びアミド系溶媒と比較して、溶媒の分解が少ないため、エーテル系溶媒を含有する樹脂組成物は、より優れた膜質を有する膜の形成に好適である。
上記エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の2価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、アニソール等の芳香族エーテル類などが挙げられる。これらの中で、炭素数3以上10以下のエーテル類が好ましく、炭素数3以上7以下のエーテル類がより好ましく、それらの中でも、アニソール、テトラヒドロフランがさらに好ましい。
上記ケトン系溶媒は、得られる膜の白濁をより低減するのに有効である。
上記ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−sec−ブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン等のジアルキルケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類などが挙げられる。これらの中で、炭素数4以上10以下のケトン類が好ましく、沸点及びコスト等の点から、炭素数4以上6以下のケトン類がより好ましく、それらの中でも、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンがさらに好ましく、シクロヘキサノンが特に好ましい。
上記エステル系溶媒は、得られる膜の白濁をより低減するのに有効である。
上記エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸ブチル等のアルキルエステル類;1−メトキシ−2−プロピルアセテート等のアルコキシアルキルエステル類;β−プロピオラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−カプロラクトン等のラクトン類などが挙げられる。これらの中で、炭素数3以上10以下のエステル類が好ましく、炭素数3以上6以下のエステル類がより好ましい。それらの中でも、γ−ブチロラクトンがさらに好ましい。
上記アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジペンチルアセトアミド、N,N−ジ−tert−ブチルアセトアミド等のアルキルアミド類;N,N−ジメトキシプロピルアセトアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアルコキシアルキルアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類などが挙げられる。これらの中で、炭素数3以上10以下のアミド類が好ましく、炭素数3以上6以下のアミド類がより好ましい。それらの中でも、塗工性、経済性の観点から、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドンが好ましい。
有機溶媒(II)として、上記アミド系溶媒を単独で使用する場合、溶媒の回収再利用や回収に関わる設備を簡素化できるメリットがある。
有機溶媒(II)としては、膜を形成する際のはじきや、得られる膜の白濁を低減する等の観点から、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒と、アミド系溶媒とを含む混合溶媒が好ましく、環状ケトン類とアミド系溶媒との混合溶媒、エーテル系溶媒とアミド系溶媒との混合溶媒がより好ましい。
有機溶媒(II)として、混合溶媒を用いる場合、全有機溶媒100質量部に対して、アミド系溶媒を5〜95質量部含むことが好ましく、10〜90質量部含むことがより好ましく、30〜70質量部含むことがさらに好ましい。アミド系溶媒の含有量を上記範囲とすることで、得られる膜の均質性(平滑性)を高めることができる。なお、「全有機溶媒」とは、当該樹脂組成物に含有される全ての有機溶媒をいう。
上記有機溶媒(II)として、上記混合溶媒を用いる場合、全有機溶媒100質量部に対して、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒の合計含有量は、5〜95質量部が好ましく、10〜90質量部がより好ましく、30〜70質量部がさらに好ましい。ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒の合計含有量を上記範囲とすることで、成膜時の膜の白濁をより低減することができる。また、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒の合計含有量を上記範囲で含む樹脂組成物は、基板上の薄膜形成用樹脂組成物として特に有用である。
一般に、自己支持性を有するフィルムの作製においては粘度(濃度)の高い樹脂組成物が用いられ、一方、基板上での薄膜フィルムの形成には粘度(濃度)の低い樹脂組成物が用いられる。薄膜形成においては、樹脂組成物の低粘度化のため、基板へ樹脂組成物を塗工した際のはじきの発生が問題であったが、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びエーテル系溶媒の合計含有量を上記範囲で含む樹脂組成物を用いることで、はじきの少ない良好な膜質の薄膜の形成が可能となる。
[その他の成分]
当該樹脂組成物は、重合体(I)及び有機溶媒(II)以外にも、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分をさらに含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、老化防止剤等が挙げられる。老化防止剤を含有することで、得られる膜の耐久性を向上させることができる。
上記老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−tert−ブチルフェニル]ブタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、3,9−ビス[2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。これらの老化防止剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記老化防止剤の含有量としては、重合体(I)100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。
<樹脂組成物の調製方法>
樹脂組成物(A)は、例えば、重合体(I)及び必要に応じてその他の成分を、有機溶媒(II)に溶解させることにより得ることができる。また、上述の方法で得られた重合体(I)と反応に使用した溶媒との混合物から、重合体(I)を固形分として単離(精製)した後、有機溶媒(II)に再溶解させることで調製することが好ましい。なお、上記方法で、反応に使用する溶媒として有機溶媒(II)を用いた場合には、上記方法で得られた重合体(I)と反応に使用した溶媒との混合物から副生した塩を除いて得られる溶液を、樹脂組成物(A)としてもよい。
樹脂組成物(A)中の重合体の濃度としては、重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40質量%であり、7〜25質量%が好ましい。樹脂組成物(A)中の重合体の濃度を上記範囲とすることで、厚膜化が可能で、ピンホールが生じにくく、表面平滑性に優れるフィルムを形成することができる。
樹脂組成物(A)の粘度としては、重合体の分子量や濃度にもよるが、通常2,000〜100,000mPa・sであり、3,000〜50,000mPa・sが好ましい。樹脂組成物(A)の粘度を上記範囲とすることで、成膜中の樹脂組成物(A)の滞留性に優れ、厚みの調整が容易であるため、フィルムの成形がより容易となる。
<膜形成方法>
樹脂組成物(A)から膜(フィルム)を形成することができる。
当該膜形成方法は、
当該樹脂組成物で塗膜を形成する工程(以下、「塗膜形成工程」ともいう)、及び
上記塗膜から有機溶媒を除去する工程(以下、「有機溶媒除去工程」ともいう)
を有する。
また、当該膜形成方法は、上記有機溶媒を除去した塗膜を焼成する工程(以下、「焼成工程」ともいう)をさらに有することが好ましい。
当該膜形成方法によれば、上述した当該樹脂組成物を用いるので、耐熱性に優れ残留応力が低減され、かつ白濁や荒れの少ない均一な膜を容易に形成することができる。
[塗膜形成工程]
塗膜形成工程では、樹脂組成物(A)で塗膜を形成する。
塗膜を形成する基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、シリコンウエハ、ガラスウエハ、ガラス基板、SUS板等が挙げられる。樹脂組成物(A)を用いるので、シリコンウエハ、ガラスウエハ、ガラス基板、SUS板等の重合体や溶媒と親和性の低い基板でも薄膜形成が可能となる。
樹脂組成物(A)を塗布する方法としては、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、ドクターブレード法等が挙げられる。
塗膜の厚みとしては、特に限定されないが、通常、0.1μm〜250μmであり、2μm〜150μmが好ましく、5μm〜125μmがより好ましい。
[有機溶媒除去工程]
有機溶媒除去工程では、上記塗膜から有機溶媒を除去する。
上記塗膜から有機溶媒を除去する方法としては、例えば、塗膜中の有機溶媒を蒸発させる方法等が挙げられ、そのため、例えば、上記塗膜を加熱する方法、上記塗膜を減圧下に置く方法、加熱と減圧とを併用する方法等が挙げられる。これらの中で、上記塗膜を加熱する方法が好ましい。
上記加熱の条件としては、有機溶媒が蒸発すればよく、基板や重合体に応じて適宜選択することができるが、例えば、加熱の温度として、30℃〜300℃が好ましく、40℃〜250℃がより好ましく、50℃〜230℃がさらに好ましい。加熱の時間としては、10分〜5時間が好ましい。
なお上記加熱は2段階以上で行ってもよい。具体的には、30℃〜80℃で10分〜2時間加熱後、100℃〜250℃で10分〜2時間さらに加熱する方法等が挙げられる。
上記加熱時の雰囲気としては、特に限定されないが、大気下又は不活性ガス雰囲気下が好ましく、不活性ガス雰囲気下がより好ましい。不活性ガスとしては、形成される膜の着色低減の観点から、窒素、アルゴン、ヘリウムが好ましく、窒素がより好ましい。
また、有機溶媒除去工程は、塗膜を形成させた基板ごと行ってもよいが、基板の性質の影響を低減する観点から、一部の有機溶媒の除去を行った後(例えば、上述の2段階加熱の場合、1段階目の加熱の後など)に、塗膜を基板から剥離させ、その後、この剥離した塗膜から有機溶媒除去を行うことが好ましい。
[焼成工程]
焼成工程では、上記有機溶媒を除去した塗膜を焼成する。
当該膜形成方法によれば、焼成工程をさらに有することで、熱収縮率の小さい膜を得ることができる。
上記焼成工程においては、基板上に形成された塗膜を基板ごと焼成してもよいが、基板の性質の影響を低減する観点から、上記基板上に形成された塗膜を基板から剥離し、その後、焼成することが好ましい。
なお、上述の有機溶媒除去工程は、焼成工程と同時に行うこともできるが、焼成工程の前に、有機溶媒除去工程を行ってもよい。基板から剥離した塗膜を焼成する場合は、基板から塗膜を剥離する前に予め塗膜から有機溶媒を除去しておくことが好ましい。
上記焼成の温度としては、210℃〜350℃が好ましく、220℃〜330℃がより好ましく、230℃〜320℃がさらに好ましい。焼成の時間としては、10分〜5時間が好ましい。
焼成時の雰囲気としては、特に限定されないが、大気下又は不活性ガス雰囲気下が好ましく、不活性ガス雰囲気下がより好ましい。不活性ガスとしては、形成される膜の着色低減の観点から、窒素、アルゴン、へリウムが好ましく、窒素がより好ましい。
得られた膜は、基板から剥離して用いてもよいし、用いる基板の種類や用途にもよるが、基板から剥離せず、そのまま用いてもよい。
上記膜の厚みとしては用途に応じて適宜選択されるが、0.05μm〜250μmが好ましく、2μm〜150μmがより好ましく、10μm〜125μmがさらに好ましい。
上記膜の用途としては、例えば、半導体素子、薄膜トランジスタ型液晶表示素子等の表示素子や磁気ヘッド素子、集積回路素子、固体撮像素子、実装基板等の電子部品に用いられる絶縁膜、保護膜、各種コンデンサ用の膜などが挙げられる。これらの電子部品には、一般に層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜や平坦化絶縁膜、表面保護用絶縁膜(オーバーコート膜、パッシベーション膜等)が設けられており、これらの絶縁膜として、上記膜を好適に用いることができる。
また、上記膜は、導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板、プリント配線基板などのフィルムとして好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における各物性の評価方法を以下に示す。
(1)構造分析
重合体の構造分析は、IR(ATR法、FT−IR,6700、NICOLET製)により行った。
(2)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
重合体のMw及びMnは、GPC装置(HLC−8220型、東ソー製)を使用し、カラム:TSKgelα−Mと、ガードカラム:SuperH−Lとを連結して用い、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用い、単分散ポリスチレンを標準として測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
フィルムのガラス転移温度は、DSC装置(Thermo Plus DSC8230、Rigaku製)を用い、窒素下、20℃/分の昇温速度の条件で測定した。
(4)熱分解温度
フィルムの熱分解温度(5%質量減少温度)は、熱重量減少分析(TGA)装置(EXSTAR TG/DTA7000、SII製)を用い、窒素下、20℃/分の昇温速度の条件で測定した。
(5)全光線透過率
フィルムの全光線透過率(%)は、JIS−K7105(透明度試験法)に準じ、ヘイズメーター(SC−3H、スガ試験機製)を用いて測定した。
(6)残留応力測定
8インチのシリコンウエハーに実施例及び比較例で得られた重合体のN,N−ジメチルアセトアミド溶液をスピンコートし、その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、厚さ20μmの均一な塗膜を作製した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱し、上記塗膜を焼成して絶縁膜を形成した。そして、絶縁膜形成前後の基板の応力を薄膜応力測定装置(FLX−2320−s、KLA−Tencor製)を用いてそれぞれ測定し、その応力差を残留応力(MPa)として評価した。
<重合体の合成>
[実施例1]
1Lの4つ口フラスコに、反応させる化合物としての9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(104.552g、298.37mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(15.371g)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(42.132g、302.892mmol)、アルカリ金属化合物としての炭酸カリウム(83.309g、602.27mmol)、並びに溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)243.1g及びトルエン60.8gを仕込んだ。続いて、上記4つ口フラスコに温度計、攪拌機、窒素導入管、Dean−Stark管、及び冷却管を取り付けた後、上記仕込んだ反応試剤を攪拌して、溶液を得た。
次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を128℃で、生成する水をDean−Stark管から随時除去しながら6時間反応させた。
反応終了後、室温(25℃)まで冷却した後、生成した塩をろ紙で除去し、得られたろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し白色粉末(重合体I−1)を得た(収量141g、収率94%)。
[実施例2]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(106.897g、305.063mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(61.457g)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(44.331g、318.699mmol)を用い、炭酸カリウム(87.656g、634.226mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−2)を得た(収量143g、収率95%)。
[実施例3]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(83.634g、238.075mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(29.462g)、レゾルシノール(6.562g、59.593mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(42.504g、305.565mmol)を用い、炭酸カリウム(84.044g、608.089mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−3)を得た(収量140g、収率93%)。
[実施例4]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(93.722g、267.465mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(15.442g)、レゾルシノール(7.261g、65.941mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(47.032g、338.116mmol)を用い、炭酸カリウム(92.997g、672.868mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−4)を得た(収量144g、収率96%)。
[実施例5]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(88.871g、253.627mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(29.330g)、レゾルシノール(3.103g、28.180mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(40.198g、288.988mmol)を用い、炭酸カリウム(79.485g、575.101mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−5)を得た(収量138g、収率90%)。
[実施例6]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(89.091g、235.404mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(30.014g)、2,7−ジヒドロキシナフタレン(4.199g、26.216mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(37.396g、268.843mmol)を用い、炭酸カリウム(73.944g、535.010mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−6)を得た(収量140g、収率93%)。
[実施例7]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモフルオレン(95.622g、188.158mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(29.587g)、2,7−ジヒドロキシナフタレン(3.349g、20.906mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(30.037g、215.940mmol)を用い、炭酸カリウム(59.393g、429.731mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−7)を得た(収量143g、収率95%)。
[実施例8]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(82.786g、236.256mmol)、信越化学工業製 X−22−1821(30.264g)、レゾルシノール(6.504g、59.064mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(42.649g、306.608mmol)を用い、炭酸カリウム(84.331g、610.165mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−8)を得た(収量144g、収率96%)。
[実施例9]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(88.871g、253.619mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(29.330g)、ヒドロキノン(3.103g、28.180mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(40.198g、288.989mmol)を用い、炭酸カリウム(79.485g、575.101mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−9)を得た(収量140g、収率93%)。
[実施例10]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(79.032g、225.541mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(29.494g)、及び4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(50.727g、232.481mmol)を用い、炭酸カリウム(63.943g、462.648mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−10)を得た(収量140g、収率93%)。
[実施例11]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(86.747g、247.560mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(30.091g)、4,4’−ビフェノール(5.122g、27.507mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(39.278g、282.371mmol)を用い、炭酸カリウム(77.665g、561.933mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−11)を得た(収量141g、収率94%)。
[実施例12]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(79.936g、228.122mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(22.356g)、ヒドロキノン(2.791g、25.347mmol)、2,6−ジフルオロベンゾニトリル(18.023g、129.571mmol)、及び4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(37.208g、129.571mmol)を用い、炭酸カリウム(71.276g、515.706mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−12)を得た(収量144g、収率96%)。
[実施例13]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(88.682g、234.323mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(28.693g)、レゾルシノール(4.553g、41.351mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(39.324g、282.706mmol)を用い、炭酸カリウム(77.757g、562.599mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−13)を得た(収量138g、収率92%)。
[実施例14]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモフルオレン(95.062g、187.057mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(28.778g)、レゾルシノール(3.635g、33.010mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(31.553g、226.838mmol)を用い、炭酸カリウム(62.391g、451.420mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−14)を得た(収量140g、収率93%)。
[実施例15]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(73.696g、210.315mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(31.271g)、2,7−ジヒドロキシナフタレン(14.437g、90.135mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(42.859g、308.114mmol)を用い、炭酸カリウム(84.745g、613.162mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(I−15)を得た(収量143g、収率95%)
[比較例1]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(116.750g、333.181mmol)、及び2,6−ジフルオロベンゾニトリル(46.577g、334.847mmol)を用い、炭酸カリウム(92.098g、666.362mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(CI−1)を得た(収量140g、収率93%)。
[比較例2]
実施例1において、反応させる化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(87.748g、250.415mmol)、及び4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(72.269g、251.667mmol)を用い、炭酸カリウム(69.220g、500.829mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(CI−2)を得た(収量141g、収率94%)。
[比較例3]
実施例1において、反応させる化合物として、4,4’−ビフェノール(51.348g、275.755mmol)、信越化学工業製 X−22−1822(28.701g)、及び4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(81.206g、282.789mmol)を用い、炭酸カリウム(77.780g、562.766mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体(CI−3)を得た(収量143g、収率95%)。
<樹脂組成物の調製>
上記得られた各重合体をN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、重合体濃度が20質量%の樹脂組成物を得た。
<評価>
上記調製した樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の基板上にドクターブレードを用いて塗布した後、80℃で30分、次いで150℃で60分加熱し、有機溶媒を蒸発除去してフィルムを形成させ、その後、形成されたフィルムをPET基板より剥離した。次に、得られたフィルムを金枠に固定し、230℃で60分間焼成して、厚み30μmの評価用フィルムを得た。
上記得られた重合体及びフィルムについて、上記方法に従い、構造分析、重量平均分子量、分子量分布、ガラス転移温度、熱分解温度、全光線透過率及び残留応力の測定を行った。評価結果を下記表1に示す。
重合体1のIRから、3062cm−1に芳香族の伸縮振動、2229cm−1に共役結合を有する芳香族ニトリルのC≡N間の伸縮振動、1577、1500及び1457cm−1に芳香族の面内骨格振動、1284cm−1にSi−CHの対称変角振動、1018cm−1にSi−O−Siの非対称伸縮振動、1241、1211及び1164cm−1にp−置換ベンゼンのC−H面内変角振動、744及び836cm−1に縮合環芳香族炭化水素の=C−H面外変角振動が観察された。
表1における各反応させる化合物の使用量の数値は、ジハライドの合計を100モル%とした場合の各化合物のモル%(相対モル比)を示す。
また、表1において、ビスフェノール(1)は、構造単位(ii)の一部を与えるフルオレン骨格を有するビスフェノールを、ビスフェノール(2)は、構造単位(iii)の一部を与えるベンゼン環又はナフタレン環を有するビスフェノールをそれぞれ示す。
表1における以下の略号は、以下の化合物を示し、各化合物は下記式でそれぞれ表される。
BCFL:9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン
BPFL:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
BPFL−Br:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,7−ジブロモフルオレン
HQ:ヒドロキノン
RES:レゾルシノール
BIP:4,4’−ビフェノール
27NAP:2,7−ジヒドロキシナフタレン
DFBN:2,6−ジフルオロベンゾニトリル
DPS:4,4’−ジクロロジフェニルスルホン
BZ:4,4’−ジフルオロベンゾフェノン
また、末端にフェノール性水酸基を有するシリコーン化合物であるX−22−1821及びX−22−1822のMnの値は、反応基当量(g/mol)の測定値から導き出したものである。
Figure 0006264300
Figure 0006264300
表1の結果から、実施例の重合体は、ガラス転移温度及び熱分解温度を高く維持しつつ、残留応力が低減されていることが分かる。一方、ポリシロキサン鎖を有さない比較例1及び2の重合体は、残留応力を低減することができていないこと、またポリシロキサン鎖を有するものの、ポリシロキサン鎖に隣接して芳香族スルホン基を有し、構造単位(i)を有さない比較例3の重合体は、残留応力が若干低減される一方で、ガラス転移温度及び熱分解温度が大きく低下していることが分かる。
本発明の重合体は、高い耐熱性を維持しつつ、残留応力が低減されている。本発明の樹脂組成物によれば、耐熱性が高く残留応力が低減され、かつ白濁や荒れの少ない均一な膜を形成することができる。本発明の膜形成方法によれば、そのような膜を容易に形成することができる。従って、これらは、導光板、偏光板、ディスプレイ用フィルム、光ディスク用フィルム、透明導電性フィルム、導波路板、プリント配線基板、絶縁膜などのフィルムの製造に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される第1構造単位と、
    下記式(2)で表される構造単位及び下記式(3)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の第2構造単位と
    を含む重合体。
    Figure 0006264300
    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である。nは、5〜100の整数である。複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜12の2価の有機基である。Xは、下記式(1a)又は(1b)で表される2価の基である。)
    Figure 0006264300
    (式(1a)及び(1b)中、Rは、炭素数1〜12の1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rは、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。)
    Figure 0006264300
    (式(2)中、R 〜R 10 は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 〜R 10 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。b〜eは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R 11 は、炭素数1〜12の1価の有機基である。fは、0〜3の整数である。R 〜R 11 がそれぞれ複数の場合、複数のR 〜R 11 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R 12 は、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。)
    Figure 0006264300
    (式(3)中、R 13 〜R 16 は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 13 〜R 16 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。R 17 及びR 18 は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ニトロ基又は炭素数1〜12の1価の有機基である。g〜lは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R 13 〜R 18 がそれぞれ複数の場合、複数のR 13 〜R 18 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Yは、単結合、−SO −又は−CO−である。mは、0又は1である。但し、mが0の場合、R 18 はニトロ基及びシアノ基のいずれでもない。)
  2. 下記式(1)で表される第1構造単位と、
    下記式(4)で表される構造単位及び下記式(5)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の第3構造単位と
    を含む重合体。
    Figure 0006264300
    (式(1)中、R 及びR は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である。nは、5〜100の整数である。複数のR 及びR は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R 及びR は、それぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜12の2価の有機基である。Xは、下記式(1a)又は(1b)で表される2価の基である。)
    Figure 0006264300
    (式(1a)及び(1b)中、R は、炭素数1〜12の1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。R が複数の場合、複数のR は同一でも異なっていてもよい。R は、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。)
    Figure 0006264300
    (式(4)中、R 19 は、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 19 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。oは、0〜3の整数である。R 19 が複数の場合、複数のR 19 は同一でも異なっていてもよい。Arは、下記式(4a)、(4b)及び(4c)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される2価の基である。)
    Figure 0006264300
    (式(4a)、(4b)及び(4c)中、R 20 〜R 23 は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 20 〜R 23 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。p、q及びrは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。sは、0〜6の整数である。R 20 〜R 23 がそれぞれ複数の場合、複数のR 20 〜R 23 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0006264300
    (式(5)中、R 24 及びR 25 は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 24 及びR 25 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。t及びuは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R 24 及びR 25 がそれぞれ複数の場合、複数のR 24 及びR 25 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Zは、単結合、−SO −又は−CO−である。wは、0又は1である。)
  3. 下記式(1)で表される第1構造単位と、
    下記式(2)で表される構造単位及び下記式(3)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の第2構造単位と、
    下記式(4)で表される構造単位及び下記式(5)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の第3構造単位と
    を含む重合体。
    Figure 0006264300
    (式(1)中、R 及びR は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である。nは、5〜100の整数である。複数のR 及びR は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R 及びR は、それぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜12の2価の有機基である。Xは、下記式(1a)又は(1b)で表される2価の基である。)
    Figure 0006264300
    (式(1a)及び(1b)中、R は、炭素数1〜12の1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。R が複数の場合、複数のR は同一でも異なっていてもよい。R は、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。)
    Figure 0006264300
    (式(2)中、R 〜R 10 は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 〜R 10 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。b〜eは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R 11 は、炭素数1〜12の1価の有機基である。fは、0〜3の整数である。R 〜R 11 がそれぞれ複数の場合、複数のR 〜R 11 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R 12 は、シアノ基、ニトロ基又はホルミル基である。)
    Figure 0006264300
    (式(3)中、R 13 〜R 16 は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 13 〜R 16 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。R 17 及びR 18 は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ニトロ基又は炭素数1〜12の1価の有機基である。g〜lは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R 13 〜R 18 がそれぞれ複数の場合、複数のR 13 〜R 18 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Yは、単結合、−SO −又は−CO−である。mは、0又は1である。但し、mが0の場合、R 18 はニトロ基及びシアノ基のいずれでもない。)
    Figure 0006264300
    (式(4)中、R 19 は、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 19 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。oは、0〜3の整数である。R 19 が複数の場合、複数のR 19 は同一でも異なっていてもよい。Arは、下記式(4a)、(4b)及び(4c)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される2価の基である。)
    Figure 0006264300
    (式(4a)、(4b)及び(4c)中、R 20 〜R 23 は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 20 〜R 23 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。p、q及びrは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。sは、0〜6の整数である。R 20 〜R 23 がそれぞれ複数の場合、複数のR 20 〜R 23 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0006264300
    (式(5)中、R 24 及びR 25 は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。但し、R 24 及びR 25 の有機基は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を含む場合はない。t及びuは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。R 24 及びR 25 がそれぞれ複数の場合、複数のR 24 及びR 25 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Zは、単結合、−SO −又は−CO−である。wは、0又は1である。)
  4. 上記第1構造単位及び上記第2構造単位の合計に対する上記第1構造単位の含有割合が0.05モル%以上50モル%以下、上記第2構造単位の含有割合が50モル%以上99.95モル%以下である請求項1に記載の重合体。
  5. 上記第1構造単位及び上記第3構造単位の合計に対する上記第1構造単位の含有割合が0.05モル%以上40モル%以下、上記第3構造単位の含有割合が60モル%以上99.95モル%以下である請求項2に記載の重合体。
  6. 上記第1構造単位、上記第2構造単位及び上記第3構造単位の合計に対する上記第1構造単位の含有割合が0.05モル%以上50モル%以下、上記第2構造単位の含有割合が5モル%以上95.95モル%以下、上記第3構造単位の含有割合が4モル%以上94.95モル%以下である請求項3に記載の重合体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の重合体、及び
    有機溶媒
    を含有する樹脂組成物。
  8. 上記有機溶媒が、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びアミド系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 膜形成用である請求項7又は請求項8に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項9に記載の樹脂組成物で塗膜を形成する工程、及び
    上記塗膜から有機溶媒を除去する工程
    を有する膜形成方法。
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