JP2020033540A - シルセスキオキサン含有ポリイミド - Google Patents

シルセスキオキサン含有ポリイミド Download PDF

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JP2020033540A JP2019098531A JP2019098531A JP2020033540A JP 2020033540 A JP2020033540 A JP 2020033540A JP 2019098531 A JP2019098531 A JP 2019098531A JP 2019098531 A JP2019098531 A JP 2019098531A JP 2020033540 A JP2020033540 A JP 2020033540A
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雅史 海野
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【課題】低コストで簡便に合成できるダブルデッカー型シルセスキオキサン化合物を用いた、高い透明性を有するポリイミドの提供。【解決手段】下記一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を加熱して得られる、シルセスキオキサン含有ポリイミド。[R1は、それぞれ独立的にH、C1〜8のアルキル基、又はC6〜14のアリール基を表し、R2〜R9はそれぞれ独立的にC1〜8のアルキル基、又はC6〜14のアリール基を表し、R10、R11はそれぞれ独立的にH、又は1価の有機基を表し、Yはそれぞれ独立的に単結合、又はC1〜8のアルキレン基を表す。]【選択図】図1

Description

本発明の一実施形態は、シルセスキオキサン含有ポリイミド、シルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を含む樹脂組成物、この樹脂組成物を用いたシルセスキオキサン含有ポリイミド成形体の製造方法、この製造方法によって得られるポリイミド成形体に関する。
3つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を加水分解した後、縮合して得られる化合物として、(RSiO1.5で表されるシルセスキオキサンが知られている。シリコーン樹脂とガラスの中間ともいえる化学構造をもち、耐熱性や透明性、耐候性など優れた特性を備えることから、光学材料、半導体材料、電子材料等として注目され、数多くの研究が報告されている。
このシルセスキオキサンには、特定の構造がないランダム構造、構造を決定できるダブルデッカー構造、ラダー構造、かご型構造が知られている。いずれも優れた特性を備えるものの、樹脂改質剤として用いる場合、混合した樹脂中で凝集し、期待した特性を得にくい問題がある。
そこで、シルセスキオキサンを高分子の主鎖に導入して凝集を抑制する手法が開発されている。特許文献1には、主鎖導入可能な二官能のシルセスキオキサンが提案されている。
特許文献2には、ダブルデッカー型シルセスキオキサン骨格を有する酸無水物、及びこの酸無水物とジアミンとを縮重合して得られるポリイミドが提案されている。
特許文献3には、ダブルデッカー型シルセスキオキサン骨格を有する酸無水物、及びダブルデッカー型シルセスキオキサン骨格を有するジアミン、これらの酸無水物及びジアミンを縮重合して得られるポリイミドが提案されている。
特許第4379120号公報 特許第4946169号公報 特許第5082258号公報
特許文献1〜3において、シルセスキオキサンは、その前駆体とクロロシラン類との反応により合成されている。しかし、クロロシラン類は水と反応して直ちに塩化水素を発生するなど取り扱いが難しい問題がある。また、この合成方法では、シルセスキオキサンに導入される官能基は、原料であるクロロシラン類の構造に制限される。
さらに、特許文献2では、ダブルデッカー型シルセスキオキサン骨格を有する酸無水物を用いてポリイミドを合成しているため、酸無水物に由来する単位の構造が限定されてしまう。
特許文献3では、ダブルデッカー型シルセスキオキサン骨格を有するジアミンとして、シルセスキオキサン骨格にフェニレン基を介してアミノ基が導入された化合物が用いられている。
ポリイミドの主鎖にシルセスキオキサン骨格を導入することで、シルセスキオキサンに由来して各種特性を備えることができる。しかし、ポリイミドの主鎖にシルセスキオキサン骨格を導入しても、期待するほど樹脂の透明性が得られない場合がある。また、シルセスキオキサンの重合体は比較的に硬い特性を備えるため、ポリイミドの主鎖にシルセスキオキサン骨格を導入すると、樹脂の柔軟性が低下する問題がある。
本発明の一目的としては、低コストで簡便に合成できるダブルデッカー型シルセスキオキサン化合物を用いて、高い透明性を有するポリイミドを提供することである。
本発明は、以下を要旨とする。
[1]下記一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を加熱することで得られる、シルセスキオキサン含有ポリイミド。
Figure 2020033540
[一般式(I)中、Rは、それぞれ独立的に、水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R10、R11は、それぞれ独立的に、水素、又は1価の有機基を表し、Yは、それぞれ独立的に、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。]
[2]下記一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を含む、樹脂組成物。
Figure 2020033540
[一般式(II)中、Rは、それぞれ独立的に、水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R10、R11は、それぞれ独立的に、水素、又は1価の有機基を表し、Yは、それぞれ独立的に、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。]
[3]有機溶剤を含む、[2]に記載の樹脂組成物。
[4][2]又は[3]に記載の樹脂組成物を基材に塗布して樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜を加熱する工程とを含む、シルセスキオキサン含有ポリイミド成形体の製造方法。
[5][4]に記載の製造方法により得られる、ポリイミド成形体。
[6][5]に記載のポリイミド成形体によって形成される、透明基板。
[7][5]に記載のポリイミド成形体によって形成される、保護膜。
[8][6]に記載の透明基板及び[7]に記載の保護膜のうち少なくとも一方を含む、表示装置。
本発明の一実施形態によれば、低コストで簡便に合成できるダブルデッカー型シルセスキオキサン化合物を用いて、高い透明性を有するポリイミドを提供することである。
図1は、実施例1で合成したポリイミドの13C NMRチャートである。 図2は、実施例2〜4、比較例1について、ポリイミド全単位に対するシルセスキオキサン単位の含有率(モル%)と複屈折の関係を表すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について説明するが、以下の例示によって本発明は限定されない。
一実施形態によるシルセスキオキサン含有ポリイミドは、一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を加熱することで得られることを特徴とする。
この一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体は、一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物を用いて製造することができる。
以下、一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体をポリイミド前駆体(I)とも記し、一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物をシルセスキオキサン化合物(II)とも記す。
これによれば、ポリイミド前駆体(I)の骨格に、シルセスキオキサンの構造単位を導入させることができる。このポリイミド前駆体(I)は、加熱処理することで、ポリイミドとして提供することができる。このポリイミドは、ポリイミドの骨格に、シルセスキオキサンの構造単位が導入されたものとなる。このポリイミドは、シルセスキオキサンの構造単位に由来して、耐熱性、透明性、耐候性等の優れた特性を備えることができる。特に、複屈折を低減できる特徴を有する。
また、このポリイミド前駆体(I)は、Yが炭素数1〜8のアルキレン基であることで、イミド化したポリイミドの透明性をより高めることができる。さらに、このポリイミド前駆体(I)は、Yが炭素数1〜8のアルキレン基であることで、イミド化したポリイミドにおいて、樹脂に柔軟性を付与することができる。
<シルセスキオキサン化合物>
ポリイミド前駆体(I)の製造方法には、下記一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物を用いることができる。
Figure 2020033540
一般式(II)中、Rは、それぞれ独立的に、水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、Xは、それぞれ独立的に、アミノ基、又は三フッ化ホウ素錯体化アミノ基を表し、Yは、それぞれ独立的に、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
一般式(II)において、2つのRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、2つの「−Y−X」で表される官能基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R〜Rは、全て同一であっても、一部又は全てが異なっていてもよい。また、シルセスキオキサン化合物(II)は、Rと「−Y−X」で表される官能基とが異なることで、2種類の幾何異性体混合物として提供されてもよい。
で表されるアルキル基は、炭素数1〜8であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、直鎖又は分岐鎖を有してもよく、非環式又は環式であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
で表されるアリール基は、炭素数6〜14であることが好ましく、より好ましくは炭素数6〜8である。この炭素数の範囲内で、アリール基は、炭素環を形成する少なくとも1つの炭素原子に直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基が結合していてもよい。例えば、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
一般式(II)において、R〜Rは、それぞれ独立的に、アルキル基、又はアリール基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基であることが好ましい。より好ましくは炭素数6〜8の置換又は非置換のアリール基であり、中でもフェニル基を好ましく用いることができる。
Xは、アミノ基、又は三フッ化ホウ素錯体化アミノ基を表し、好ましくは三フッ化ホウ素錯体化アミノ基である。シルセスキオキサン化合物(II)に2つのアミノ基が導入されることで、ポリイミド前駆体(I)の合成においてジアミン成分として用いることができる。
三フッ化ホウ素錯体化アミノ基は、アミノ基を、三フッ化ホウ素によって錯体化した官能基である。
Yは、それぞれ独立的に、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
Yで表されるアルキレン基は、炭素数1〜8であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、直鎖又は分岐鎖を有してもよく、非環式又は環式であってもよい。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、tert−ブチレン基、sec−ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。
例えば、「−Y−X」で表される官能基は、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−フェニル−3−アミノプロピル基等が挙げられる。さらに、これらの官能基のアミノ基に、三フッ化ホウ素が配位した官能基が挙げられる。
「シルセスキオキサン化合物(II)の製造方法」
以下、一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物の製造方法の一例について説明する。
フロロシランとSi−Oの反応では、Si−O−Siのシロキサン結合が生成する。この反応を用いてかご型のシルセスキオキサンを合成した例としては、非特許文献(Angew.Chem.Int.Ed.2016,55,9336−9339)がある。
一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物の製造方法は、一般式(III)で表される化合物(以下、ジフロロシランとも記す。)と、一般式(IV)で表される化合物(以下、シルセスキオキサン前駆体とも記す。)とを反応させる工程を含むことができる。
反応に用いるジフロロシランは、下記一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2020033540
一般式(III)中、Rは、水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、Xは、アミノ基、又は三フッ化ホウ素錯体化アミノ基を表し、Yは、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
一般式(III)中のRは、上記一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物においてRとして導入される官能基であり、詳細については、上記一般式(II)のRで説明した通りである。一般式(III)中のX及びYも同様である。
反応に用いるシルセスキオキサン前駆体は、下記一般式(IV)で表される化合物である。
Figure 2020033540
一般式(IV)中、R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表す。
一般式(IV)中のR〜Rは、それぞれ上記一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物においてR〜Rとして導入される官能基であり、詳細については、上記一般式(II)のR〜Rで説明した通りである。
一般式(IV)において、Mは、水素、リチウム、ナトリウム、及びカリウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素であることが好ましい。さらに反応副生成物で毒性の高いフッ化水素発生を抑制し、毒性の低い金属フッ化物が副生成物となるという観点から、より好ましくはリチウム、ナトリウム、及びカリウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。
ジフロロシランと、シルセスキオキサン前駆体とを反応させる工程は溶剤中で行うとよい。用いる溶剤は、特に制限されないが、具体的には、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソブチル、ジエチルエーテル、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等を挙げることができる。溶剤は単独で、又はこれらを混合して用いてよい。
ジフロロシランと、シルセスキオキサン前駆体とを反応させる工程の温度に特に制限はないが、ドライアイスで冷却可能な−78℃から30℃の範囲で反応させるとよい。
ジフロロシランと、シルセスキオキサン前駆体とを反応させる工程において、微量の水が共存していても特に問題はない。また、雰囲気も特に制限されないが、窒素や大気下で反応させることができる。
「ジフロロシランの製造方法」
上記一般式(III)で表されるジフロロシランの製造方法は、下記一般式(V)で表される化合物を用いて製造する工程を含むことが好ましい。
Figure 2020033540
一般式(V)中、Rは、水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R13は、それぞれ独立的に、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xは、アミノ基、又は三フッ化ホウ素錯体化アミノ基を表し、Yは、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
一般式(V)中のRは、上記一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物においてRとして導入される官能基であり、詳細については、上記一般式(II)のRで説明した通りである。一般式(V)中のX及びYも同様である。
一般式(V)において、R13は、炭素数1〜8であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、直鎖又は分岐鎖を有してもよく、非環式又は環式であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(V)で表される化合物が2つのアルコキシ基を有することで、この化合物をフッ素の存在下で反応させることで、アルコキシ基がフルオロ基に置換され、ジフロロシランを生成することができる。
一般式(V)で表される化合物を用いてジフロロシランを製造する工程で用いる薬品としては、三フッ化ホウ素錯体が好ましい。具体的には、トリフロロホウ素ジメチルエーテル錯体、トリフロロホウ素ジエチルエーテル錯体、トリフロロホウ素モノエチルアミン錯体、トリフロロホウ素ジブチルエーテル錯体、トリフロロホウ素フェノール錯体、トリフロロホウ素テトラヒドロフラン錯体、トリフロロホウ素ピペリジン錯体等を挙げることができる。
三フッ化ホウ素錯体の存在下、一般式(V)で表される化合物を反応させることで、一般式(V)で表される化合物のアルコキシ基の結合が切断されて、フルオロ基の導入を促進させることができる。
さらに、一般式(V)において、Xがアミノ基である化合物を用いる場合は、フルオロ基が導入されるとともに、得られる一般式(III)で表されるジフロロシランにおいて、Xが三フッ化ホウ素錯体化アミノ基として観察されるようになる。また、三フッ化ホウ素の量が少ない場合は、得られる一般式(III)で表されるジフロロシランにおいて、アミノ基の一部のみが三フッ化ホウ素錯体化アミノ基に置換されて観察されることがあり、又は、全てが非置換のアミノ基として観察されることがある。
一般式(V)で表される化合物を用いてジフロロシランを製造する工程は溶剤を用いなくてもよい。溶剤を用いる場合、具体的にはトルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソブチル、ジエチルエーテル、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等を挙げることができる。溶剤は単独で、又はこれらを混合して用いてよい。
一般式(V)で表される化合物を用いてジフロロシランを製造する工程の温度に特に制限はないが、室温から200℃の範囲で、必要に応じて加熱下で反応させるとよい。
「シルセスキオキサン前駆体の製造方法」
一般式(IV)で表されるシルセスキオキサン前駆体は、それぞれ3つの加水分解性基を有する有機シラン化合物を加水分解し、縮合することで得ることができる。
例えば、3つの加水分解性基を有する有機シラン化合物をM(OH)で表される塩基と反応させることで、一般式(IV)で表されるシルセスキオキサン前駆体を得ることができる。ここで、Mは1価の金属元素を表す。
一例として、一般式(IV)で表されるシルセスキオキサン前駆体は、下記一般式(VI)で表される化合物を用いて製造することができる。
Figure 2020033540
一般式(VI)中、R〜Rは、それぞれ独立的に、アルキル基又はアリール基を表し、R12はアルキル基を表す。
一般式(VI)においてR〜Rは、一般式(IV)においてR〜Rとして導入される官能基である。詳細については上記一般式(IV)において説明した通りである。
一般式(VI)において、R12は炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(VI)で表される化合物を用いてシルセスキオキサン前駆体を製造する場合、反応を促進する目的で塩基を用いることができる。塩基に特に制限はないが、M(OH)で表される塩基性化合物を用いることができ、具体的には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
<ポリイミド前駆体>
一実施形態によるシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体は、下記一般式(I)で表される構造単位を有することができる。
Figure 2020033540
一般式(I)中、Rは、それぞれ独立的に、水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R10、R11は、それぞれ独立的に、水素、又は1価の有機基を表し、Yは、それぞれ独立的に、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
一般式(I)において、2つのRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
〜Rは、全て同一であっても、一部又は全てが異なっていてもよい。また、R10及びR11は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
、R〜R、及びYは、それぞれ、上記一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物に由来して導入される官能基であり、詳細については上記一般式(II)で説明した通りである。
10、及びR11は、それぞれ、原料のテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体に由来して導入される官能基であって、例えば水素原子である。原料のテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体の詳細は後述する通りである。
一実施形態によるポリイミド前駆体(I)の分子量は、重量平均分子量で3000〜500000が好ましく、5000〜300000がより好ましく、7000〜200000が特に好ましい。
重量平均分子量が3000より小さいと、塗布した樹脂組成物を加熱する工程において、樹脂膜を形成することが難しくなり、また、形成することができても機械的特性に乏しくなるおそれがある。重量平均分子量が500000よりも大きいと、ポリイミド前駆体の合成時に重量平均分子量をコントロールするのが難しく、また適度な粘度の樹脂組成物を得ることが難しくなるおそれがある。
また、一実施形態によるポリイミド前駆体(I)の分子量は、数平均分子量で100000〜7000が好ましい。
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC)(例えば、装置はHLC−8320GPC(東ソー株式会社製)、カラムは日立化成株式会社製「ゲルパック」)を用いて、標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ポリイミド前駆体(I)は、上記したシルセスキオキサン化合物(II)を用いて製造することができる。
例えば、ポリイミド前駆体(I)は、ジアミン化合物としてシルセスキオキサン化合物(II)と、テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体から選択される少なくとも1種とを重合させることで得ることができる。
テトラカルボン酸二無水物は、テトラカルボン酸を加熱し、脱水閉環させることで得ることができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ポリイミド前駆体(I)の合成において、ジアミン化合物としてシルセスキオキサン化合物(II)に加えて、その他のジアミン化合物を用いてもよい。
その他のジアミン化合物としては、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン等が挙げられる。
具体的には、p−フェニレンジアミン、ベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、オクタフルオロベンジジン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフロオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、2,2−ジメチル−プロピレンジアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロへキサンメチルアミン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン等が挙げられる。
これらのジアミン化合物は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリイミド前駆体(I)は、例えば、溶媒に所定量のシルセスキオキサン化合物(II)(ジアミン化合物)を溶解させた後、得られたジアミン溶液に、テトラカルボン酸二無水物及び/又はその誘導体を所定量添加し、撹拌することで合成することができる。ジアミン溶液には、上記したその他のジアミン化合物をさらに添加してもよい。
テトラカルボン酸二無水物及び/又はその誘導体は、例えば、テトラカルボン酸を、乾燥機で160℃、24時間加熱し脱水閉環させることで得ることができる。
モノマー成分を溶媒に溶解させるときには、必要に応じて加熱してもよい。
シルセスキオキサン化合物(II)及びその他のジアミン化合物を含むジアミン化合物と、テトラカルボン酸及び/又はその誘導体とは、当モルで反応させることが好ましい。
その他のジアミン化合物を用いる場合は、シルセスキオキサン化合物(II)とその他のジアミン化合物とのモル比は100:0〜50:50であってもよく、100:0〜95:5であってもよく、100:0〜99:1であってもよい。
反応温度は−30〜200℃が好ましく、20〜180℃がより好ましく、30〜100℃が特に好ましい。
室温(20〜25℃)、又は適当な反応温度で撹拌を続け、ポリイミド前駆体の粘度が一定になった時点を反応の終点とすることができる。粘度測定にはE型粘度計(東機産業株式会社製)を用いることができる。
上記反応は、通常3〜100時間で完了可能である。
上記反応の溶媒としては、ジアミン化合物、テトラカルボン酸二無水物及び/又はその誘導体、及び生成物であるポリイミド前駆体を溶解可能な溶媒を好ましく用いることができる。
このような溶媒の具体例としては、非プロトン性溶媒、フェノール系溶媒、エーテル及びグリコール系溶媒等が挙げられる。具体的には、非プロトン性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチル尿素等のアミド系溶媒;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;ヘキサメチルホスホリックアミド、ヘキサメチルホスフィントリアミド等の含りん系アミド系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ピコリン、ピリジン等の3級アミン系溶媒;酢酸(2−メトキシ−1−メチルエチル)等のエステル系溶媒等が挙げられる。
フェノール系溶媒としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等が挙げられる。エーテル及びグリコール系溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。中でも、溶解性や塗膜形成性の観点からN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの反応溶媒は単独で、又は2種類以上混合して用いてもよい。
上記反応によって得られたポリイミド前駆体(I)は、水中で再沈殿精製することが好ましい。
具体的には、反応を終えた後、反応液と貧溶媒を接触させてポリイミド前駆体(I)を析出させ、不要物を貧溶媒層に抽出し、析出した樹脂を濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で液体から分離することができる。特に、一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物においてXが三フッ化ホウ素錯体化アミノ基である場合、貧溶媒として水やアルコール類を用いると、三フッ化ホウ素錯体に由来する不要物を効率よく除去できる。さらに、この後、分離した樹脂を再度良溶媒に溶解させ再び貧溶媒と接触させて樹脂を析出させ、不純物を貧溶媒層に抽出し、析出した樹脂を濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で液体から分離する工程を繰り返してもよい。繰り返すことで三フッ化ホウ素錯体に由来する不要物の残存量を極力減らすことができる。
三フッ化ホウ素錯体に由来する三フッ化ホウ素成分は、シロキサン結合を切断するように作用することがある。ポリイミド前駆体に三フッ化ホウ素成分が残存すると、ポリイミド前駆体のシルセスキオキサンの構造単位において切断が発生し問題になる。
一実施形態によるポリイミドは、一般式(II)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を加熱することで得ることができる。ポリイミド前駆体(I)を加熱することで、一般式(I)で表される構造単位において2つのカルボキシ基がそれぞれ脱水閉環し、アミド酸がイミド化されて、ポリイミド構造を形成するようになる。
ポリイミドは、ポリイミド前駆体(I)を溶媒中で加熱することで得ることができる。ポリイミド前駆体(I)をイミド化する際の加熱温度は、溶媒中では150〜220℃が好ましい。
また、ポリイミドは、後述するように、ポリイミド前駆体(I)を含む樹脂組成物を基材に塗布し、加熱することで膜状又はフィルム状の成形体として提供することができる。ポリイミド前駆体(I)をイミド化する際の加熱温度は、樹脂組成物の状態では250〜400℃が好ましい。詳細については後述する。
一実施形態によるポリイミドにおいて、ポリイミドを構成する全構成単位に対し、一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物に由来する単位は、0.1モル%以上が好ましく、1.0モル%以上がより好ましく、2.0モル%以上がさらに好ましい。これによって、透明性、特に複屈折率をより低減することができる。
一方、ポリイミドを構成する全構成単位に対し、一般式(II)で表されるシルセスキオキサン化合物に由来する単位は、50モル%以下であればよく、20モル%以下であってもよく、10モル%以下であってもよい。
<ポリイミド前駆体(I)を含む樹脂組成物>
一実施形態による樹脂組成物は、一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を含むことができる。この樹脂組成物は、さらに溶媒を含むことができる。
この組成物は、好ましくは、ポリイミド前駆体(I)を溶媒に溶解させた状態で提供することができる。このポリイミド前駆体(I)を溶媒に溶解させた後に、必要に応じて、不要成分を濾別して除去してもよい。
溶媒は、ポリイミド前駆体(I)を溶解可能である溶媒を好ましく用いることができ、より好ましくは有機溶剤である。有機溶剤としては、上記したポリイミド前駆体(I)の合成で挙げた溶媒を用いることができる。
ポリイミド前駆体(I)を合成した後に、ポリイミド前駆体(I)の合成で用いた有機溶剤をそのまま樹脂組成物の溶媒として用いてもよい。また、ポリイミド前駆体(I)を合成した後に、ポリイミド前駆体(I)を溶媒から取り出して、その後にポリイミド前駆体(I)をその他の有機溶剤に溶解させて樹脂組成物として提供してもよい。
樹脂組成物に含まれる有機溶剤の常圧における沸点は、60〜250℃が好ましく、100〜230℃がより好ましく、140〜220℃が特に好ましい。
樹脂組成物を塗膜形成用組成物として用いる場合は、沸点が210℃以下で乾燥工程の所要時間を短くすることができる。また、沸点が60℃以上であることで、乾燥工程で樹脂膜の表面での荒れの発生を防止することができ、また、樹脂膜中への気泡の混入を防止することができる。これによって、均一な樹脂膜を得ることができる。
一実施形態による樹脂組成物は、シルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体(I)、溶媒とともに、接着性付与剤、界面活性剤、レベリング剤等の任意成分をさらに含んでもよい。
一実施形態による樹脂組成物は、ポリイミド前駆体(I)、溶媒、及び上記した任意成分から実質的になってもよく、また、これらの成分のみからなってもよい。「実質的になる」は、上記樹脂組成物に、上記以外の成分が積極的に配合されないことを意味し、不純物成分が樹脂組成物全量に対して10質量%未満で含まれることを許容する。
接着性付与剤は、任意成分として配合可能であり、塗膜形成用樹脂組成物として用いる場合に、基板と硬化膜との接着性を高めることができる。接着性付与剤としては、例えば、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等を好ましく用いることができる。
有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
上記した接着性付与剤は単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。
接着性付与剤を用いる場合は、接着性付与剤は、ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
界面活性剤又はレベリング剤は、任意成分として配合可能であり、塗膜形成用樹脂組成物として用いる場合に、塗布性を改善することができる。具体的には、塗膜のストリエーション(膜厚のムラ)を防ぐことができる。
界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられる。
市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(DIC株式会社製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社製、商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
上記した界面活性剤又はレベリング剤は単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合は、界面活性剤又はレベリング剤は、その総量で、ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましい。
一実施形態による樹脂組成物の25℃における粘度は、使用用途、目的にもよるが、塗布工程における作業性の観点から、0.5〜100Pa・sが好ましく、1〜30Pa・sがより好ましく、5〜20Pa.sが特に好ましい。ここで、粘度はE型粘度計(東機産業株式会社製「VISCONICEHD」)を用いて測定することができる。
樹脂組成物の粘度は、ポリイミド前駆体(I)の分子量等の物性、濃度、有機溶剤の種類、配合量等を適宜調整することで、好ましい範囲とすることができる。
一実施形態による樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、一般的な方法に従うことができる。
例えば、ポリイミド前駆体(I)の合成溶媒と樹脂組成物の溶媒とに同じ溶媒を用いることができる場合は、合成溶媒中でポリイミド前駆体(I)を合成後に、ポリイミド前駆体(I)と合成溶媒とを含む溶液をそのまま樹脂組成物として用いてもよい。さらに、上記した任意成分を含むその他の添加剤を添加してもよい。
他の方法では、合成溶媒中でポリイミド前駆体(I)を合成後に、合成溶媒からポリイミド前駆体(I)を取り出し、ポリイミド前駆体(I)、溶媒、さらに上記した任意成分を含むその他の添加剤を添加し、撹拌混合することで、樹脂組成物を提供することができる。
各成分の攪拌混合には、撹拌翼を備えたスリーワンモータ、自転公転ミキサー等の装置を用いることができる。必要に応じて40〜100℃で加熱しながら攪拌混合してもよい。
<ポリイミド成形体の製造方法>
一実施形態によるシルセスキオキサン含有ポリイミド成形体の製造方法は、上記した樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂膜を形成する工程と、樹脂膜を加熱する工程とを含むことができる。加熱によって、樹脂膜に含まれるポリイミド前駆体がイミド化されてポリイミドが生成される。
また、一実施形態によるポリイミド成形体は、上記したシルセスキオキサン含有ポリイミド成形体の製造方法によって得ることができる。このポリイミド成形体は、使用用途、目的によって、フィルム状、シート状等の形態として用いることができる。
以下、樹脂組成物を基材に塗布して樹脂膜を形成する塗布工程について説明する。
樹脂組成物の塗布方法は、特に限定されず、所望の塗布厚や樹脂組成物の粘度等に応じて、適宜選択することができる。具体的な塗布方法としては、ドクターブレードナイフコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ロータリーコーター、フローコーター、ダイコーター、バーコーター、スピンコート、スプレイコート、ディップコート等が挙げられる。また、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷技術を応用して塗布してもよい。
基材は、特に限定されないが、その後の乾燥工程、加熱工程の温度に対して耐熱性を有する材料が好ましい。また、ポリイミドを成形した後に、ポリイミドから基材を剥離して用いる場合は、ポリイミドに対して基材の剥離性が良好であることが好ましい。
基材として、例えば、ガラス基板;シリコンウエハ、ステンレス、アルミナ、銅、ニッケル等の金属基板;ポリエチレンテレフタラート(PET)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリエチレングリコールナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂基板等を用いることができる。
例えば、ガラス基板、シリコンウエハ等の基材に対して、樹脂組成物を塗布することで、これらの基材をコーティングする膜状のポリイミド成形体を提供することができる。また、PET、OPP等の基材に対して、樹脂組成物を塗布し、成形後にポリイミド成形体から基材を剥離することで、シート状のポリイミド成形体を提供することができる。
樹脂組成物の塗布厚は、目的とする成形体の厚さと樹脂組成物中の樹脂不揮発成分の割合により適宜調整されるものであるが、通常1〜1000μm程度である。塗布工程は、通常室温で実施されるが、粘度を下げて作業性をよくする目的で樹脂組成物を40〜80℃の範囲で加温して塗布してもよい。
塗布工程の後に、樹脂膜を乾燥する乾燥工程を設けてもよい。
乾燥工程によって、樹脂膜に含まれる有機溶剤を除去することができる。乾燥工程はホットプレート、箱型乾燥機、コンベヤー型乾燥機等の装置を用いることができる。乾燥温度は、60〜200℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。
以下、樹脂膜を加熱する加熱工程について説明する。
加熱工程は、塗布工程後に行うことができ、乾燥工程を設ける場合は乾燥工程後に行うことができる。
加熱工程では、樹脂膜に含まれる有機溶剤を除去するとともに、樹脂膜に含まれるポリイミド前駆体をイミド化させてポリイミドを生成し、硬化膜を形成することができる。乾燥工程を設ける場合では、乾燥工程後に樹脂膜に有機溶剤が残留することがあり、この残留した有機溶剤を加熱工程でさらに除去することができる。
加熱工程は、イナートガスオーブン、ホットプレート、箱型乾燥機、コンベヤー型乾燥機等の装置を用いて行うことができる。例えば、これらの装置内で、加熱温度を制御することで、乾燥工程から加熱工程を連続的に行うことができる。
加熱工程は、空気雰囲気下でもよいが、安全性及び酸化防止の観点から、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン等が挙げられる。加熱温度は、樹脂組成物に含まれる有機溶剤の種類にもよるが、250℃〜400℃が好ましく、300〜350℃がより好ましい。加熱温度が250℃以上であることで、イミド化を十分に進行させることができる。加熱温度が400℃以上であることで、ポリイミド成形体の透明性の低下を防止することができ、また、耐熱性の低下を防止することができる。
加熱時間は、通常0.5〜3時間程度である。
加熱工程後のポリイミド成形体中の残存有機溶剤量は、ポリイミド成形体全量に対して2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。ポリイミド成形体中の残存有機溶剤量は、示差熱重量同時測定(TG−DTA)及びガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)を用いて測定することができる。
ポリイミド成形体の使用用途、目的に応じて、加熱工程の後に、硬化膜を基材から剥離する剥離工程を設けてもよい。剥離された硬化膜は、シート状のポリイミド成形体として提供することができる。
この剥離工程は、加熱工程後に、基材上のポリイミド成形体を室温〜50℃程度まで冷却後、行うことが好ましい。基材に樹脂組成物を塗布する前に、必要に応じて基材に離型剤を塗布しておくことで、剥離工程での剥離性を改善することができる。
離型剤としては、例えば、植物油系、シリコーン系、フッ素系、アルキッド系等の離型剤を用いることができる。
一実施形態によるポリイミド成形体の製造方法は、膜厚1〜500μmのポリイミド成形体を好ましく製造することができる。特に、膜厚1〜100μmのポリイミド成形体を好ましく製造することができる。
得られたポリイミド成形体には、用途に応じて、レジストプロセスによりパターンを形成することができる。レジストプロセスでは、例えば、加熱工程又は剥離工程の後に、ポリイミド成形体にレジストを塗布し、露光及び現像等によりパターンを形成することができる。
レジスト及びエッチングに用いる材料は、通常のレジストプロセスで用いられるものであれば、特に制限はない。エッチング溶液としては、例えば、ヒドラジン水和物、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等を用いることができる。
また、これらの湿式エッチングの他に、酸素プラズマエッチング、酸素スパッタエッチング等の乾式方法も可能である。
パターン形成後、有機溶剤を用いてレジストをポリイミド成形体から剥離することができる。有機溶剤としては、エタノールアミン、NMP、DMSO等を、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一実施形態によるポリイミド成形体の製造方法によって製造されたポリイミド成形体は、以下の物性を備えることが好ましい。
ポリイミド成形体の透明性は、波長400nm以上における光透過率が、膜厚10μmで70%以上が好ましく、75%以上がより好ましい。
ポリイミド成形体のガラス転移温度(Tg)は、200〜400℃が好ましく、250〜400℃がより好ましい。光通信分野、表示装置分野に利用されるポリイミド成形体として十分な耐熱性を有すると評される値である。
ポリイミド成形体の引張強さ(破断強度)は、150〜300MPaが好ましく、150〜200MPaがより好ましい。引張強さが150MPaより小さいと膜が脆く、基材として用いた場合に取り扱いが難しくなる恐れがある。
ポリイミド成形体の破断伸びは、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。破断伸びが5%より小さいと、ポリイミド成形体を基材として用いた場合の曲げ応力が弱く、基材の信頼性が低下することがある。
これらの機械的特性は、全て引張試験装置の引張試験によって測定することができる。
ポリイミド成形体は、上記した機械的特性を備えることで、光通信分野、表示装置分野に適する靭性を十分に備えることができる。
<透明基板、保護膜、表示装置>
一実施形態による透明基板は、上記したポリイミド成形体によって形成することができる。また、一実施形態による保護膜は、上記したポリイミド成形体によって形成することができる。ポリイミド成形体には、上記したポリイミド成形体の製造方法によって得られるポリイミド成形体を好ましく用いることができる。
ポリイミド成形体から透明基板又は保護膜を製造する方法は、特に限定されずに、一般的な方法に従うことができる。
例えば、上記ポリイミド前駆体(I)を含む樹脂組成物を仮固定基材に塗布し、適宜乾燥及び加熱を行って硬化膜を形成し、次いで仮固定基材から剥離し、次いで用途に応じてレジストプロセスを行い、透明基板として提供することができる。
また、上記したポリイミド前駆体(I)を含む樹脂組成物を基材に塗布し、適宜乾燥及び加熱を行って硬化膜を形成し、保護膜として用いることができる。
一実施形態による透明基板及び保護膜は、それぞれ、十分な透明性を有し、弾性率が低いため、表示装置等に好ましく用いることができる。
表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、電子ペーパー等が挙げられる。
具体的には、一実施形態による透明基板は、薄膜トランジスタ(TFT)を形成するための基板、カラーフィルタを形成するための基板、透明導電膜(ITO、IndiumThinOxide)を形成するための基板等として用いることができる。
一実施形態による透明基板を用いることで、ガラス基板の課題であった、耐破損性を向上することができ、また、基板の軽量化、薄型化を図ることができる。
さらに、一実施形態による透明基板は、透明性が高く、複屈折が小さいため、視認性を改善することができる。
また、一実施形態による透明基板は、弾性率が低いため、フレキシブルディスプレイの基板としても用いることができる。
一実施形態による保護膜は、フレキシブルディスプレイ基板、カラーフィルタ用保護膜等として用いることもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
「評価方法」
得られた化合物の構造は必要に応じ、H NMR、13C NMR、29Si NMR及び19F NMRのNMRを用いて決定した。測定条件を以下に示す。
H NMR)
機種:Avance300(Bruker社製)
観測核:1H
共鳴周波数:300MHz
測定温度:25℃
13C NMR)
機種:Avance300(Bruker社製)
観測核:1H
共鳴周波数:75MHz
測定温度:25℃
29Si NMR)
機種:Avance300(Bruker社製)
共鳴周波数:60MHz
測定温度:25℃
19F NMR)
機種:Avance300(Bruker社製)
共鳴周波数:282MHz
測定温度:25℃
ポリイミドの分子量(重量平均分子量及び数平均分子量)は、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた。測定条件を以下に示す。
装置名:Ecosec HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel Supermultipore HZ−M(東ソー株式会社製)
検出器:UV検出器、RI検出器併用
流速:0.4ml/min
カラム温度:40℃
ポリイミド前駆体の分子量(重量平均分子量及び数平均分子量)は、溶離液としてジメチルホルムアミド(DMF)/THF=1:1(vol.)リン酸0.05M,臭化リチウム0.06Mを用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた。測定条件を以下に示す。
装置名:HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5x2
検出器:UV検出器(270nm)
流速:4.0ml/min
カラム温度:40℃
元素分析は、全自動元素分析装置を用いて、試料を0.0001mgまで精秤し、CHN同時分析によって行った。
システム:varioMICROcube(Elementar社製)
燃焼炉:1150℃
還元炉:850℃
ヘリウム流量:200ml/min
酸素流量:25〜30ml/min
ポリイミドのフィルム作製は光洋サーモシステム株式会社製CLH−21CD(III)−Sを用いた。窒素雰囲気下、加熱条件は室温から200℃まで昇温速度毎分5℃で昇温し、200℃で20分保持、さらに300℃まで昇温速度毎分5℃で昇温し、300℃で60分保持した。その後、100℃以下になるまで下降温度毎分5分で冷却した。
ガラス上に形成したフィルムのヘイズ(濁度)は日本電色工業株式会社製「ヘーズメーターNDH5000」を用いて測定した。
ガラス上に形成したフィルムの透過率は日本分光株式会社製「紫外可視分光光度計V−570」を用いて波長300nmから800nmまで測定した。
フィルムの面平行の屈折率、面垂直の屈折率、それらの差となる複屈折は、ガラス上に形成したフィルムを剥がし、メトリコン社製「モデル210/Mプリズムカプラー」を用いて測定した。
フィルムのガラス転移温度(Tg)は、レオメトリックス社製「RSA−II」を用いて測定した。ガラス上に形成したフィルムを剥がし、昇温速度毎分5℃で、40℃から350℃までの範囲で測定した。
フィルムの5%熱重量減少温度(Td)は、セイコーインスツルメンツ製「TG/DTA6300」を用いて測定した。ガラス上に形成したフィルムを剥がし、窒素雰囲気下、昇温速度毎分10℃で50℃から500℃までの範囲で測定し、初期から5%重量が減少した温度とした。
フィルムの靭性は、フィルムを軽く曲げたり、伸ばしたりして、フィルムが破損するか否かを目視で観察して評価した。
「実施例1」
(構造式(1−1)で表される化合物の合成)
下記構造式(1−1)で表される化合物を以下の手順で合成した。構造式(1−1)においてCはフェニル基を示す(以下の各式においても同じである。)。特に説明のない成分については富士フイルム和光純薬工業株式会社製の試薬を用いており、同じ表記の成分は実施例を通して同じ成分を用いている。
200mLなすフラスコに、粉砕した水酸化ナトリウムを3.21g、純水を2.50g、2−プロパノールを94.18g加えた。マグネチックスターラーで激しく撹拌しながら、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBM−103」)24.01gをゆっくり滴下した。窒素雰囲気下としてオイルバスで溶剤が還流するまで加熱し、そのまま4時間加熱撹拌し、さらに一晩静置した。生じた白色沈殿を桐山ロートでろ別し、2−プロパノールで洗浄した後、70℃の条件で減圧乾燥したところ、白色粉末状の固体を4.05g得た。
Figure 2020033540
(構造式(1−2)で表される化合物の合成)
下記構造式(1−2)で表される化合物を以下の手順で合成した。
25mLなすフラスコに、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBE−902」)を8.47g、トリフロロホウ素ジエチルエーテル錯体(富士フイルム和光純薬工業株式会社製)を25.15g加え、マグネチックスターラーで撹拌した。24時間後、オイルバスで140℃に加熱しなら揮発分を減圧留去し、白色固形物8.90gを得た。構造式(1−2)で表される化合物の構造はNMRと元素分析で決定した。
H NMR(300MHz、アセトン−d)δ=5.58(br、2H)、2.92(m、2H)、1.90(m、2H)、0.99(m、2H)、0.41(t、3H)。13C NMR(75MHz、アセトン−d)δ=44.66、22.03、11.55、−4.01。29Si NMR(60MHz、アセトン−d)δ=4.04(t)。19F NMR(282MHz、アセトン−d)δ=−151.86(m)、−136.11。
元素分析C 23.11%(理論値23.21%)、H 5.29%(理論値5.36%)、N 6.69%(理論値6.77%)。
Figure 2020033540
(構造式(1−3)で表される化合物の合成)
下記構造式(1−3)で表される化合物を以下の手順で合成した。
200mL3口フラスコに、滴下ロートと窒素導入管を装備し、上記構造式(1−1)で表される化合物を5.01g加えて窒素雰囲気に置換した。テトラヒドロフラン(脱水、富士フイルム和光純薬工業株式会社製、以下同じ)100mLを加えて撹拌したところ、白色懸濁液となった。氷水バスで0℃に冷却した。別の100mL2口フラスコに、セプタムラバーと窒素導入管を装備し、上記構造式(1−2)で表される化合物を1.65g加えて窒素雰囲気に置換した。テトラヒドロフラン50mLを加えて撹拌したところ、無色透明溶液となった。この溶液をシリンジに取り、滴下ロートに移して先の白色懸濁液に20分かけてゆっくり加えた。そのまま0℃で3時間撹拌し、その後、バスを外してゆっくり室温になるまで撹拌したところ、透明溶液になった。この溶液をなすフラスコに移してロータリーエバポレーターで溶剤留去してオイルポンプで減圧乾燥し、白色固体6.33gを得た。この固体に酢酸エチルを25mL加え、酢酸エチルを展開液とした中圧カラム(山善株式会社製ユニバーサルカラムアミノカラム(4Lサイズ)による分取精製を行い、白色固体1.99gを得た。
この白色固体は、構造式(1−3a)、(1−3b)で表される化合物であり、この構造式(1−3a)、(1−3b)で表される化合物は2種の幾何異性体の混合物であることをNMRで決定した。推定される異性体の構造を下記に示す。以下、2種の幾何異性体の混合物を総称して構造式(1−3)で表される化合物とも記す。
H NMR(300MHz、テトラヒドロフラン−d)δ=7.80−7.20(m、40H)、5.50(m、4H)、2.89(m、4H)、1.80(m、4H)、1.03(m、4H)、0.44(m、6H)。13C NMR(75MHz、テトラヒドロフラン−d)δ=135.06、132.90、131.94、131.77、129.16、129.06、129.01、128.95、128.90、45.54、23.51、14.88、−0.70。29Si NMR(60MHz、テトラヒドロフラン−d)δ=−19.86、−80.01、−80.92、−81.01、−81.12。19F NMR(282MHz、テトラヒドロフラン−d)δ=−155.75(m)。
Figure 2020033540
(構造式(1−3)で表される化合物を用いたポリイミド前駆体1の合成)
25mLフラスコに上記構造式(1−3)で表される化合物を0.7899g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業株式会社製)を0.1656g、N−メチルピロリドン(富士フイルム和光純薬株式会社製)を8g加え、窒素流通雰囲気下マグネチックスターラーで撹拌して溶解した。80℃設定のオイルバスに浸して3時間加熱後、溶液を精製水200g中に一滴ずつ滴下したところ、沈殿が生成した。傾斜して上澄みを除いた。再び精製水を加えよくかき混ぜた後しばらく静置し、桐山ロートで白色固体をろ別した。水洗後、オイルポンプで減圧乾燥し、白色の固体0.520gを得た。
(ポリイミドPI−SSQ−1の合成)
下記構造式(1−4)で表されるポリイミドPI−SSQ−1を以下の手順で合成した。25mLフラスコに上記ポリイミド前駆体1を全量の0.219g、N−メチルピロリドンを5.0g加え、窒素流通雰囲気下マグネチックスターラーで撹拌して溶解した。
200℃設定のオイルバスに浸して5時間加熱後、溶液を精製水250g中に一滴ずつ滴下したところ、沈殿が生成した。桐山ロートで白色固体をろ別した。水洗後、オイルポンプで減圧乾燥して白色の固体0.105gを得た。得られたポリイミドの重量平均分子量は17,600、数平均分子量は10,700であった。
このポリイミドについてNMRを測定し、NMR結果を下記に示し、NMRチャートを図1に示す。このNMR測定結果から、上記したポリイミド前駆体1がイミド化された構造を有するポリイミドであることがわかる。
13C NMR(75MHz、テトラヒドロフラン−d)δ=168.10、145.78、134.93、134.88、134.77、134.70、134.43、133.68、133.03、131.49、131.24、128.70、128.66、128.62、128.54、124.29、122.64、41.29、23.04、14.79、−0.87。
(ポリイミドPI−SSQ−1を含むフィルムの作製)
スクリュー管に上記ポリイミド前駆体1を0.186g、N−メチルピロリドンを0.832g秤取し、透明な粘調溶液を作製した。この粘調溶液をガラス上に塗布し、120℃で3分間乾燥した。これをオーブンで加熱処理してガラス上に透明なフィルムを作製した。膜厚は8μmであった。
Figure 2020033540
「実施例2」
下記構造式(2−1)で表されるポリイミドであって、上記構造式(1−3)で表される化合物に由来する単位を1.0モル%含むポリイミドPI−SSQ−2フィルムを以下の手順で合成した。
(構造式(1−3)で表される化合物を用いたポリイミド前駆体2の合成)
100mLセパラブルフラスコに上記構造式(1−3)で表される化合物を0.200g、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンを0.800g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を2.102g、N−メチルピロリドンを30.0g加え、窒素流通雰囲気下撹拌翼で撹拌して溶解した。80℃設定のオイルバスに浸して6時間加熱後、溶液を精製水350g中に一滴ずつ滴下したところ、沈殿が生成した。桐山ロートで沈殿をろ別し、水洗後、50℃設定のオイルバスで加熱しながらオイルポンプで12時間減圧乾燥し、白色の固体3.01gを得た。得られたポリイミド前駆体2の重量平均分子量は22,000、数平均分子量は8,400であった。
(ポリイミドPI−SSQ−2を含むフィルムの作製)
スクリュー管に上記ポリイミド前駆体2を0.8261g、N−メチルピロリドンを5.207g秤取し、50rpmで5時間以上回転させて透明な粘調溶液を作製した。この粘調溶液をガラス上に塗布し、120℃で3分間乾燥した。これをオーブンで加熱処理してガラス上に透明なフィルムを作製した。膜厚は9μmであった。
Figure 2020033540
「実施例3」
下記構造式(2−1)で表されるポリイミドであって、上記構造式(1−3)で表される化合物に由来する単位を2.0モル%含むポリイミドPI−SSQ−3フィルムを以下の手順で合成した。
(構造式(1−3)で表される化合物を用いたポリイミド前駆体3の合成)
100mLセパラブルフラスコに上記構造式(1−3)で表される化合物を0.502g、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンを0.961g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を2.583g、N−メチルピロリドンを15.0g加え、窒素流通雰囲気下撹拌翼で撹拌して溶解した。80℃設定のオイルバスに浸して6時間加熱後、溶液を精製水200g中に一滴ずつ滴下したところ、沈殿が生成した。桐山ロートで沈殿をろ別し、水洗後、50℃設定のオイルバスで加熱しながらオイルポンプで12時間減圧乾燥し、白色の固体3.23gを得た。得られたポリイミド前駆体2の重量平均分子量は20,800、数平均分子量は13,760であった。
(ポリイミドPI−SSQ−3を含むフィルムの作製)
スクリュー管に上記ポリイミド前駆体3を1.20g、N−メチルピロリドンを7.78g秤取し、50rpmで5時間以上回転させて透明な粘調溶液を作製した。この粘調溶液をガラス上に塗布し、120℃で3分間乾燥した。これをオーブンで加熱処理してガラス上に透明なフィルムを作製した。膜厚は10μmであった。
「実施例4」
下記構造式(2−1)で表されるポリイミドであって、上記構造式(1−3)で表される化合物に由来する単位を2.9モル%含むポリイミドPI−SSQ−3フィルムを以下の手順で合成した。
(構造式(1−3)で表される化合物を用いたポリイミド前駆体3の合成)
100mLセパラブルフラスコに上記構造式(1−3)で表される化合物を0.200g、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンを0.260g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を0.711g、N−メチルピロリドンを30.0g加え、窒素流通雰囲気下撹拌翼で撹拌して溶解した。80℃設定のオイルバスに浸して6時間加熱後、溶液を精製水400g中に一滴ずつ滴下したところ、沈殿が生成した。桐山ロートで沈殿をろ別し、水洗後、50℃設定のオイルバスで加熱しながらオイルポンプで12時間減圧乾燥し、白色の固体1.02gを得た。得られたポリイミド前駆体2の重量平均分子量は17,000、数平均分子量は5,300であった。
(ポリイミドPI−SSQ−4を含むフィルムの作製)
スクリュー管に上記ポリイミド前駆体3を0.77g、N−メチルピロリドンを3.94g秤取し、50rpmで5時間以上回転させて透明な粘調溶液を作製した。この粘調溶液をガラス上に塗布し、120℃で3分間乾燥した。これをオーブンで加熱処理してガラス上に透明なフィルムを作製した。膜厚は9μmであった。
「比較例1」
下記構造式(3−1)で表されるポリイミドPI−3及び下記構造式(3−2)で表されるシルセスキオキサンを含むフィルムを以下の手順で合成した。
(ポリイミドPI−3の合成)
100mLセパラブルフラスコにトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンを1.500g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を3.864g、N−メチルピロリドンを25.0g加え、窒素流通雰囲気下、撹拌翼で撹拌して溶解した。
60℃設定のオイルバスに浸して6時間加熱後、溶液を精製水300g中に一滴ずつ滴下したところ、沈殿が生成した。桐山ロートで沈殿をろ別し、精製水を加えよくかき混ぜた後ろ別した。この水洗操作を合計3回行った後、50℃設定のオイルバスで加熱しながらオイルポンプで12時間減圧乾燥し、白色の固体4.06gを得た。得られたポリイミドPI−3の重量平均分子量は15,850、数平均分子量は10,860であった。
(ジフルオロジフェニルシランの合成)
50mLなすフラスコに、ジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBM−202SS」)を15.099g、トリフロロホウ素ジエチルエーテル錯体を5.802g加え、マグネチックスターラーで撹拌した。24時間後、オイルバスで40℃に加熱しなら揮発分を減圧留去し、無色透明液体7.57gを得た。構造はNMRで決定した。
(シルセスキオキサンの合成)
下記構造式(3−2)で表されるシルセスキオキサンを以下の手順で合成した。
100mL2口フラスコに、上記構造式(1−1)で表される化合物を2.315g加えて窒素雰囲気に置換した。テトラヒドロフラン(脱水)50mLを加えて撹拌したところ、白色懸濁液となった。氷水バスで0℃に冷却した。別の50mL2口フラスコに、セプタムラバーと窒素導入管を装備して窒素雰囲気に置換し、上記ジフルオロジフェニルシランを0.881g、テトラヒドロフラン20mLを加えて撹拌したところ、無色透明溶液となった。この溶液をシリンジに取り、先の白色懸濁液に10分かけてゆっくり加えた。そのまま0℃で15時間撹拌し、その後、バスを外してゆっくり室温になるまで撹拌したところ、透明溶液になった。この溶液を分液ロートに移し、さらに、トルエンを50mL、飽和塩化アンモニウム溶液を100mL加え分液した。下層の水層を除き、上層有機層を塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。次に、上層に硫酸ナトリウムを加えた後にろ別し、ろ液をなすフラスコに移してロータリーエバポレーターで溶剤留去し、さらに、オイルポンプで減圧乾燥し、白色固体2.89gを得た。この固体にメタノールを2mLで3回洗浄し、次にエタノールを2mLで3回洗浄した。さらに、最小量のテトラヒドロフランで溶解し、この溶液をヘキサン200mLに滴下したところ、白色沈殿が生成した。
傾斜して上澄みを除き、オイルポンプで減圧乾燥して白色固体1.28gを得た。構造はNMRで決定した。
(ポリイミドPI−3とシルセスキオキサンとを含むフィルムの作製)
スクリュー管に上記ポリイミドPI−3を0.827g、上記シルセスキオキサンを0.115g、N−メチルピロリドンを4.83g秤取し、50rpmで5時間以上回転させて透明な粘調溶液を作製した。この粘調溶液をガラス上に塗布し、80℃で30分間乾燥した。さらに、昇温速度毎分5℃で300℃まで加熱し、その後300℃で一時間保持した。次に、室温まで降下速度毎分5℃で冷却した。ガラス上に白濁のフィルムを作製した。膜厚は15μmであった。なお、フィルムが脆弱だったため、ガラスから剥がした状態で自立膜とすることはできなかった。
Figure 2020033540
「参考例1」
(ポリイミドPI−3を含むフィルムの調製)
上記比較例1に対して、構造式(3−2)で表されるシルセスキオキサンを含まず、構造式(3−1)で表されるポリイミドPI−3を含むフィルムを作製した。詳細な合成手順は以下の通りである。
スクリュー管に上記ポリイミドPI−3を1.22g、N−メチルピロリドンを6.19g秤取し、50rpmで5時間以上回転させて透明な粘調溶液を作製した。この粘調溶液をガラス上に塗布し、80℃で30分間乾燥した。さらに、昇温速度毎分5℃で300℃まで加熱し、その後300℃で一時間保持した。次に、室温まで降下速度毎分5℃で冷却した。ガラス上に透明なフィルムを作製した。膜厚は15μmだった。
上記した実施例1〜4、比較例1、参考例1について、得られたフィルムを評価した。結果を表1に示す。表1において、ポリイミドの全単位に対する構造式(3−1)で表される化合物に由来する単位の含有率をSSQ単位の含有率として示す。なお、比較例1では、構造式(3−1)で表されるポリイミドPI−3と構造式(3−2)で表されるシルセスキオキサンとの混合物の合計量に対し、構造式(3−2)で表されるシルセスキオキサンが2.0モル%である。
表1から、実施例1〜4のフィルムは高い透明性と耐熱性を示すことがわかる。さらに、実施例2、3、4のフィルムは高い透明性と耐熱性を保ちながら、複屈折を低減できるという結果であった。
図2に、実施例2〜4、参考例1の結果に基づいて、ポリイミドの全単位に対するSSQ単位の含有率(モル%)と複屈折の関係を表すグラフを示す。SSQ単位の含有率が高くなるほど複屈折を低減できることがわかる。
Figure 2020033540

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を加熱することで得られる、シルセスキオキサン含有ポリイミド。
    Figure 2020033540
    [一般式(I)中、Rは、それぞれ独立的に、水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R10、R11は、それぞれ独立的に、水素、又は1価の有機基を表し、Yは、それぞれ独立的に、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。]
  2. 下記一般式(I)で表される構造単位を有するシルセスキオキサン含有ポリイミド前駆体を含む、樹脂組成物。
    Figure 2020033540
    [一般式(II)中、Rは、それぞれ独立的に、水素、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜14のアリール基を表し、R10、R11は、それぞれ独立的に、水素、又は1価の有機基を表し、Yは、それぞれ独立的に、単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。]
  3. 有機溶剤を含む、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項2又は3に記載の樹脂組成物を基材に塗布して樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜を加熱する工程とを含む、シルセスキオキサン含有ポリイミド成形体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法により得られる、ポリイミド成形体。
  6. 請求項5に記載のポリイミド成形体によって形成される、透明基板。
  7. 請求項5に記載のポリイミド成形体によって形成される、保護膜。
  8. 請求項6に記載の透明基板及び請求項7に記載の保護膜のうち少なくとも一方を含む、表示装置。
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