JP6496993B2 - ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド前駆体の製造方法、ポリイミド成形体、及びポリイミド成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
ポリイミド樹脂の成形体を製造する方法として、その前駆体であるポリアミック酸を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン系極性溶剤に溶解したポリイミド前駆体組成物を基材上に塗布して、熱処理によって、乾燥・イミド化することでポリイミド成形体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
水を含むと共に、水溶性エーテル系溶剤、水溶性ケトン系溶剤および水溶性アルコール系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第1水性溶剤に、又は、水溶性アルコール系溶剤を含むと共に、水溶性エーテル系溶剤および水溶性ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第2水性溶剤に、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有する第1テトラカルボン酸二無水物、および前記第1テトラカルボン酸二無水物以外の第2テトラカルボン酸二無水物であって、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有さない第2テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との縮重合体からなるポリイミド前駆体が溶解しており、
前記第1水性溶剤において、前記水溶性有機溶剤と前記水との割合(水溶性有機溶剤/水)が、質量比で、95/5乃至50/50の範囲であり、
前記第2水性溶剤において、前記水溶性アルコール系溶剤以外の水溶性有機溶剤と前記水溶性アルコール系溶剤との割合(水溶性アルコール系溶剤以外の水溶性有機溶剤/水溶性アルコール系溶剤)が、質量比で、95/5乃至50/50の範囲である、
ポリイミド前駆体組成物。
前記第1テトラカルボン酸二無水物が、下記一般式(TD11)および下記一般式(TD12)で表されるテトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される少なくとも一種である<1>に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記第2テトラカルボン酸二無水物が、一つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を二つ有するテトラカルボン酸二無水物である<1>又は<2>に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記テトラカルボン酸二無水物が、前記第1テトラカルボン酸二無水物を40モル%以上95モル%以下で含む<1>〜<3>のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記ポリイミド前駆体において、前記ジアミン化合物のモル当量が、前記テトラカルボン酸二無水物のモル当量よりも大きい<1>〜<4>のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記ポリイミド前駆体が、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体を含む<1>〜<5>のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記ポリイミド前駆体の数平均分子量が、2000以上である<1>〜<6>のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記第1水性溶剤、又は第2水性溶剤に、前記第2テトラカルボン酸二無水物、および前記ジアミン化合物を添加した後、更に前記第1テトラカルボン酸二無水物を添加して、前記ポリイミド前駆体が生成されている<1>〜<7>のいずれか1項の記載のポリイミド前駆体組成物。
水を含むと共に、水溶性エーテル系溶剤、水溶性ケトン系溶剤および水溶性アルコール系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第1水性溶剤に、又は、水溶性アルコール系溶剤を含むと共に、水溶性エーテル系溶剤および水溶性ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第2水性溶剤に、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有する第1テトラカルボン酸二無水物以外の第2テトラカルボン酸二無水物であって、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有さない第2テトラカルボン酸二無水物、およびジアミン化合物を添加した後、前記第1テトラカルボン酸二無水物を添加して、ポリイミド前駆体を生成する工程を有するポリイミド前駆体組成物の製造方法。
<1>〜<8>のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を加熱処理して成形されたポリイミド成形体。
<1>〜<8>のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を加熱処理して成形するポリイミド成形体の製造方法。
<4>に係る発明によれば、第1テトラカルボン酸二無水物の量が40モル%未満の場合に比べ、機械的強度に優れたポリイミド前駆体組成物が提供される。
<6>に係る発明によれば、ポリイミド前駆体の全末端にカルボキシル基を有する場合に比べ、機械的強度に優れたポリイミド成形体の成形を実現するポリイミド前駆体組成物が提供される。
<7>に係る発明によれば、ポリイミド前駆体の数平均分子量が2000未満の場合に比べ、機械的強度に優れたポリイミド成形体の成形を実現するポリイミド前駆体組成物が提供される。
<11>に係る発明によれば、使用するポリイミド前駆体組成物において、テトラカルボン酸として、第1テトラカルボン酸二無水物を単独で適用した場合、又は、水性溶剤として、水、水溶性エーテル系溶剤、水溶性ケトン系溶剤、若しくは水溶性アルコール系溶剤を各々単独で適用した場合に比べ、第1テトラカルボン酸二無水物を用いたポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド成形体であって、表面性状に優れたポリイミド成形体の製造方法が提供される。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物は、第1水性溶剤に、又は、第2水性溶剤に、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有する第1テトラカルボン酸二無水物、および前記第1テトラカルボン酸二無水物以外の第2テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との縮重合体からなるポリイミド前駆体(以下、「特定ポリイミド前駆体」と称する)が溶解している組成物である。つまり、特定ポリイミド前駆体は、水性溶剤に溶解した状態で組成物中に含まれる。なお、溶解とは、溶解物の残存が目視にて確認でない状態を示す。
そして、第1水性溶剤としては、水と、水溶性エーテル系溶剤、水溶性ケトン系溶剤および水溶性アルコール系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤と、を含む水性溶剤が適用される。一方、第2水性溶剤としては、水溶性アルコール系溶剤と、水溶性エーテル系溶剤および水溶性ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤と、を含む水性溶剤が適用される。
これに加え、水性溶剤として、第1水性溶剤に、又は、第2水性溶剤といった特定の組成の水性溶剤を適用すると、上記併用により生成するポリイミド前駆体の溶解性(水性溶剤に対する溶解性)も高まる。
これに対して、第1テトラカルボン酸二無水物と共に、第1テトラカルボン酸二無水物以外の第2テトラカルボン酸二無水物を併用すると、第1テトラカルボン酸二無水物の重縮合反応が進行しやすくなり、生成するポリイミド前駆体の高分子量化が図られやすくなる。
また、水性溶剤として、水を含むと共に、さらに水溶性エーテル系溶剤、水溶性ケトン系溶剤および水溶性アルコール系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第1水性溶剤、又は、水溶性アルコール系溶剤を含むと共に、さらに水溶性エーテル系溶剤および水溶性ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第2水性溶剤を適用している。このため、上記加水分解反応又は開環エステル化反応の進行を抑制し、重縮合反応が生じやすくなる。このため、上記加水分解反応又は開環エステル化反応の進行によるポリイミド前駆体の高分子量化の阻害が抑制されやすくなる。
よって、本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物は、機械的強度に優れたポリイミド成形体が得られやすくなる。また、成形時の加熱による収縮も抑えられやすくなる。
なお、非プロトン系極性溶剤とは、沸点150℃以上300℃以下で、双極子モーメントが3.0D以上5.0D以下の溶剤である。非プロトン系極性溶剤として具体的には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチレンホスホルアミド(HMPA)、N−メチルカプロラクタム、N−アセチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
そして、溶剤に非プロトン系極性溶剤を含まない、又はその量が低減されていることにより、機械的強度に加え、耐熱性、電気特性、耐溶剤性等の諸特性に優れたポリイミド樹脂成形体が得られ易い。
特定ポリイミド前駆体は、第1テトラカルボン酸二無水物および第2テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物と、の縮重合体からなる樹脂(ポリアミック酸)。なお、特定ポリイミド前駆体のイミド化率は、0.2以下であることがよい。
第1テトラカルボン酸二無水物は、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有するテトラカルボン酸二無水物である。つまり、第1テトラカルボン酸二無水物は、少なくとも一つベンゼン環を有し、この一つのベンゼン環に二つのカルボン酸無水物基が結合した構造を有するテトラカルボン酸二無水物である。
アルキル基に置換する置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基等が挙げられる。
一般式(TD12)で示されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、RTD13が、水素原子、メチル基、フェニル基、又はカルボキシル基を示し、RTD14が、水素原子、メチル基、フェニル基、又はカルボキシル基を示すテトラカルボン酸二無水物が好適に挙げられる。
第2テトラカルボン酸二無水物は、第1テトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物である。つまり、第2テトラカルボン酸二無水物は、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有さない第2テトラカルボン酸二無水物である。
n21およびn22は、各々独立に、0、又は1〜3の整数を示す。
W21は、単結合、又は下記1)〜8)のいずれかの基を示す。
1) −C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、又は−O−
2) アルキレン基(例えば、炭素数1以上12以下のアルキレン基)、
3) フルオロアルキレン基(例えば、少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1以上12以下のアルキレン基)
4) −Si(−RTD23)(−RTD24)−(但し、RTD23およびRTD24は、各々独立に、アルキル基(例えば、炭素数1以上3以下のアルキル基)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル等)、又はアルコキシ基を示す。)
5) −O−Ph−RTD25−Ph−O−(但し、Phはフェニレン基を示す。RTD25は、−S−S−、−S(=O)2−、エステル基、又はアミド基示す。)
6) −P(=O)(−RTD26)−(但し、RTD26は、アリール基(例えばフェニル基)、エステル基、又はアミド基を示す。)
7) −C(−PhA)(−PhA)−Ph−RTD27−Ph−C(−PhA)(−PhA)−(但し、Phはフェニレン基を示す。PhAはフェニル基を示す。RTD27は、各々独立に、−O−、アルキル基(例えば炭素数1以上6以下のアルキル基)、又はアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)を示す。)
8)−O−(RTD28)−O−(但し、RTD28は、アルキレン基(例えば、炭素数1以上12以下のアルキレン基)を示す。)
縮合芳香環、又は複素環に置換する置換基としては、アルキル基、カルボキシル基等が挙げられる。
一般式(TD22)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、W22およびW23が、互いに結合して、ナフタレン環、フラン環、ピレン環、アントラセン環を形成するための原子群を示すテトラカルボン酸二無水物が好適に挙げられる。
ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物である。ジアミン化合物としては、芳香族ジアミン化合物、脂肪族ジアミン化合物のいずれの化合物も挙げられるが、芳香族ジアミン化合物であることがよい。
特定ポリイミド前駆体は、イミド化率が0.2以下(好ましくは0.15、より好ましくは0.10)の樹脂であることがよい。つまり、特定ポリイミド前駆体は、一部がイミド化された樹脂であってもよい。
イミド化率を0.2以下とすると、ポリイミド前駆体組成物のゲル化又は析出分離を抑制し、保存安定性、製膜性の悪化を抑制しやすくなる。
−ポリイミド前駆体のイミド化率の測定−
・ポリイミド前駆体試料の作製
(i)測定対象となるポリイミド前駆体組成物を、シリコーンウェハー上に、膜厚1μm以上10μm以下の範囲で塗布して、塗膜試料を作製する。
(ii)塗膜試料をテトラヒドロフラン(THF)中に20分間浸漬させて、塗膜試料中の溶剤をテトラヒドロフラン(THF)に置換する。浸漬させる溶剤は、THFに限定されることになく、ポリイミド前駆体を溶解せず、ポリイミド前駆体組成物に含まれている溶剤成分と混和し得る溶剤より選択できる。具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール溶剤、ジオキサンなどのエーテル化合物が使用できる。
(iii)塗膜試料を、THF中より取り出し、塗膜試料表面に付着しているTHFにN2ガスを吹き付け、取り除く。10mmHg以下の減圧下、5℃以上25℃以下の範囲にて12時間以上処理して塗膜試料を乾燥させ、ポリイミド前駆体試料を作製する。
(iv)上記(i)と同様に、測定対象となるポリイミド前駆体組成物をシリコーンウェハー上に塗布して、塗膜試料を作製する。
(v)塗膜試料を380℃にて60分間加熱してイミド化反応を行い、100%イミド化標準試料を作製する。
(vi)フーリエ変換赤外分光光度計(堀場製作所製FT−730)を用いて、100%イミド化標準試料、ポリイミド前駆体試料の赤外吸光スペクトルを測定する。100%イミド化標準試料の1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab’(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab’(1780cm−1))の比I’(100)を求める。
(vii)同様にして、ポリイミド前駆体試料について測定を行い、1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab(1780cm−1))の比I(x)を求める。
・式: ポリイミド前駆体のイミド化率=I(x)/I’(100)
・式: I’(100)=(Ab’(1780cm−1))/(Ab’(1500cm−1))
・式: I(x)=(Ab(1780cm−1))/(Ab(1500cm−1))
特定ポリイミド前駆体において、ジアミン化合物のモル当量は、テトラカルボン酸二無水物のモル当量よりも大きいことがよい。
この関係は、重合反応の際に使用するジアミン化合物のモル当量を、テトラカルボン酸二無水物のモル当量より過剰にすることで実現される。ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とのモル当量の比は、ジアミン化合物のモル当量を1に対するテトラカルボン酸二無水物のモル当量で、0.900以上0.999以下の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.950以上0.990以下の範囲である。
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とのモル当量の比が0.900以上にすると、成形体の機械強度が高まりやすくなる。また、モル当量の比が0.950以上にすると、ポリイミド前駆体の分子量が大きくなり、例えば、フィルム状のポリイミド成形体としたときに、そのフィルム強度(引裂き強度、引張り強度)が高まりやすくなる。
特定ポリイミド前駆体は、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体(樹脂)を含むことがよく、好ましくは全ての末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体とすることがよい。
末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体(樹脂)を含むと、ポリイミド成形体の機械強度が高まりやすくなる。また、ポリイミド成形体に各種機能を付与するために添加する各種フィラーの分散を促進し、少量のフィラーでも高い機能が発現されやすくなる。
末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体の末端アミノ基の一部又は全部をジカルボン酸無水物等で封止してもよい。末端アミノ基を封止すると、ポリイミド前駆体組成物の保存安定性が高まりやすくなる。
末端アミノ基の封止に使用されるジカルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水フマル酸等が挙げられる。
特定ポリイミド前駆体の数平均分子量は、1000以上100000以下であることがよく、より好ましくは5000以上50000以下、更に好ましくは10000以上30000以下である。特定ポリイミド前駆体の数平均分子量を上記範囲とすると、特定ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性の低下が抑制され、製膜性が確保され易くなる。
・カラム:東ソーTSKgelα−M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
特定ポリイミド前駆体の含有量(濃度)は、全ポリイミド前駆体組成物に対して、0.1質量%以上40質量%以下であることがよく、好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、より好ましくは1質量%以上20質量%以下である。
水性溶剤は、第1水性溶剤、又は第2水性溶剤が適用される。水性溶剤とは、水溶性を有する溶剤である。ここで、本明細書において、水溶性とは、25℃において、対象物質が水に対して1質量%以上溶解することを意味する。
第1水性溶剤において、水を全水性溶剤に対して5質量%以上含むことが好ましい。具体的には、水溶性有機溶剤と水との割合(水溶性有機溶剤/水)は、質量比で、95/5乃至50/50の範囲が好ましく、好ましくは90/10乃至60/40(重量/重量%)、より好ましくは90/10乃至70/30である。
第2水性溶剤において、水溶性アルコール系溶剤を全水性溶剤に対して5質量%以上含むことが好ましい。具体的には、水溶性アルコール系溶剤以外の水溶性有機溶剤と水溶性アルコール系溶剤との割合(水溶性アルコール系溶剤以外の水溶性有機溶剤/水溶性アルコール系溶剤)は、質量比で、95/5乃至50/50の範囲が好ましく、好ましくは90/10乃至60/40、より好ましくは90/10乃至70/30である。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物は、これを用いて製造するポリイミド成形体に導電性や、機械強度などの各種機能を付与することを目的として、各種フィラーなどを含んでもよいし、また、イミド化反応促進のための触媒や、製膜品質向上のためのレベリング材などを含んでもよい。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック(例えばpH5.0以下の酸性カーボンブラック)、金属(例えばアルミニウムやニッケル等)、金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)、導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレンなど)等が挙げられる。
これら導電材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、導電材料が粒子状の場合、その一次粒径が10μm未満、好ましくは1μm以下の粒子であることがよい。
ポリイミド成形体の製膜品質の向上には、界面活性剤を添加してもよい。使用する界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、のいずれを用いてもよい。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物の製造方法は、第1水性溶剤に、又は、第2水性溶剤に、第2テトラカルボン酸二無水物、およびジアミン化合物を添加した後、第1テトラカルボン酸二無水物を添加して、ポリイミド前駆体を生成する工程を有する。
特に、ポリイミド前駆体組成物のプレポリマーを生成する工程では、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体のプレポリマーを生成することがよい。つまり、ジアミン化合物に由来する構造を末端に有するポリイミド前駆体のプレポリマーを生成することがよい。
また、ポリイミド前駆体のプレポリマーを生成後、第1テトラカルボン酸二無水物を添加する際に溶剤を添加して、溶剤の組成を変量させてもよい。さらに、第1テトラカルボン酸二無水物を添加する際に、別途、ジアミン化合物を添加してもよい。
ジアミン化合物と第2テトラカルボン酸二無水物とのモル当量の比は、ジアミン化合物のモル当量を1に対する第2テトラカルボン酸二無水物のモル当量で、0.05以上0.6以下の範囲とすることが好ましく、より好ましく0.1以上0.55以下の範囲である。
なお、ポリイミド前駆体、及びポリイミド前駆体のプレポリマーの重合反応時の時間は、合計で、反応温度により1時間以上24時間以下の範囲とすることがよい。
このため、本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物の製造方法では、機械的強度の高いポリイミド成形体が得られるポリイミド前駆体組成物が製造される。
また、本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物の製造方法では、機械的強度に加え、耐熱性、電気特性、耐溶剤性等の諸特性に優れたポリイミド成形体が得られ易いポリイミド前駆体組成物が製造される。
本実施形態に係るポリイミド成形体の製造方法は、本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物(以下、「特定ポリイミド前駆体組成物」とも称する)を加熱処理して成形するポリイミド成形体の製造方法である。
まず、被塗布物を準備する。この被塗布物は、製造するポリイミド成形体の用途に応じて選択される。
具体的には、ポリイミド成形体として液晶配向膜を製造する場合、被塗布物としては、液晶素子に適用される各種基板が挙げられ、例えば、シリコン基板、ガラス基板又はこれら表面に金属又は合金膜が形成された基板等が挙げられる。
また、ポリイミド成形体としてパッシベーション膜を製造する場合、被塗布物としては、例えば、集積回路が形成された半導体基板、配線が形成された配線基板、電子部品及び配線が設けられたプリント基板等から選択される。
また、ポリイミド成形体として電線被覆材を製造する場合、被塗布物としては、例えば、各種の電線(軟銅、硬銅、無酸素銅、クロム鉱、アルミニウム等の金属又は合金製の線材、棒材、又は板材)が挙げられる。なお、ポリイミド成形体をテープ状に成形・加工し、これを電線に巻き付けるテープ状の電線被覆材として利用する場合、各種の平面基板又は円筒状基体が被塗布物として利用される。
また、ポリイミド成形体として接着膜を製造する場合、例えば、接着対象となる各種の成形体(例えば、半導体チップ、プリント基板等の種々の電器部品等)が挙げられる。
特定ポリイミド前駆体組成物の塗布法は、特に制限はなく、例えば、スプレー塗布、回転塗布法、ロール塗布法、バー塗布法、スリットダイ塗布法、インクジェット塗布法等の各種の塗布法が挙げられる。
次に、特定ポリイミド前駆体組成物の塗膜に対して、乾燥処理を行う。この乾燥処理により、乾燥膜(乾燥したイミド化前の皮膜)を形成する。
乾燥処理の加熱条件は、例えば80℃以上200℃以下の温度で10分間以上60分間以下がよく、温度が高いほど加熱時間は短くてよい。加熱の際、熱風を当てることも有効である。加熱のときは、温度を段階的に上昇させたり、速度を変化させずに上昇させてもよい。
イミド化処理の加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂層が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。
本実施形態に係るポリイミド成形体は、本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物を加熱処理して成形されたポリイミド成形体である。つまり、本実施形態に係るポリイミド成形体は、上記本実施形態に係るポリイミド成形体の製造方法により得られるポリイミド成形体である。このポリイミド成形体としては、例えば、液晶配向膜、パッシベーション膜、電線被覆材、接着膜等の各種のポリイミド成形体が例示される。その他、ポリイミド成形体としては、例えば、フレキシブル電子基板フィルム、銅張積層フィルム、ラミネートフィルム、電気絶縁フィルム、燃料電池用多孔質フィルム、分離フィルム、耐熱性皮膜、ICパッケージ、レジスト膜、平坦化膜、マイクロレンズアレイ膜、光ファイバー被覆膜等も例示される。
ポリイミド成形体としては、ベルト部材も挙げられる。ベルト部材としては、駆動ベルト、電子写真方式の画像形成装置用のベルト(例えば、中間転写ベルト、転写ベルト、定着ベルト、搬送ベルト)等が例示される。
つまり、本実施形態に係るポリイミド成形体の製造方法は、上記例示された各種のポリイミド成形体の製造方法に適用され得る。
本実施形態に係るポリイミド成形体に含有される水性溶剤は、ポリイミド成形体中、1ppb以上1%未満である。ポリイミド成形体中に含有される水性溶剤の量は、ポリイミド成形体を加熱して発生するガス分をガスクロマトグラフィー法により定量される。
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、テトラヒドロフラン(以下、THFと表記)810g、水90gを充填した。ここに、4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAと表記:分子量200.24)43.65g(217.99mmol)を加え、40℃に加熱しながら30分間撹拌した。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと表記:分子量294.22)37.71g(128.17mmol)を加え、40℃で30分間撹拌反応を行った。これによりポリイミド前駆体のプレポリマーを生成した。このプレポリマーおよび原料モノマーが溶解していることを確認した後、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと表記:分子量218.12)18.64g(85.46mmol)を粉末で徐々に加えて、40℃で24時間反応を行い、ポリイミド前駆体組成物(A−1)を得た。ポリイミド前駆体組成物(A−1)の諸特性、液状態は、表1に示す。
なお、生成したポリイミド前駆体のイミド化率は0.03であり、既述の末端アミノ基量の測定の結果、少なくとも末端にアミノ基を有するものを含有するものであった。
固形分は、示差熱熱重量同時測定装置を用いて下記条件で測定した。なお、380℃の測定値をもって、固形分はポリイミドとしての固形分率として測定した。
・測定装置: 示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA6200(セイコーインスツルメンツ株式会社)
・測定範囲: 20℃以上400℃以下
・昇温速度: 20℃/分
得られた作製直後のポリイミド前駆体組成物(A−1)を用いて製膜を行って、フィルムを作製し、その製膜性について評価した。また、得られた製膜フィルムの機械的強度(引張り強度、引張り伸び)を測定した。
塗布厚500μmとなるようにスペーサーを設置した塗布ブレードを用いたバーコート法で塗布した。
・塗布基材: 1.1mmtガラス板
・乾燥温度: 60℃×10分
・焼成温度: 250℃×30分
製膜フィルムについて、(1)ボイド痕、(2)表面ムラ・模様を評価した。
製膜フィルム表面のボイド痕の有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎: ボイド痕の発生が見られない。
○: 製膜フィルム表面に1個以上10個未満のボイド痕が確認できる。
△: 製膜フィルム表面に10個以上50個未満のボイド痕が点在する。
×: 製膜フィルム表面に無数のボイド痕が一様に発生している。
製膜フィルム表面に発生する表面ムラ、模様の有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎: 表面ムラ、模様の発生が見られない。
○: 製膜フィルム表面の一部に表面ムラ、模様が僅かに確認できる(製膜フィルム表面
面積の10%未満)。
△: 製膜フィルム表面の一部に表面ムラ、模様が確認できる。
×: 製膜フィルム表面に表面ムラ、模様が一様に発生している(製膜フィルム表面面積の10%以上)。
作製した製膜フィルムより、ダンベル3号を用いて試料片を打ち抜き成形した。試料片を引張り試験機に設置し、下記条件で、試料片が引張り破断する印加荷重(引張り強度)、破断伸び(引張り伸び)を測定した。
・試験装置 : アイコーエンイジアリング社製引張り試験機1605型
・試料長さ : 30mm
・試料幅 : 5mm
・引張り速度 :10mm/min
得られたポリイミド前駆体組成物(A−1)を室温(25℃)で20日間保管した。保管後のポリイミド前駆体組成物(A−1)を用い、下記操作により製膜を行った。塗布直後の塗膜について、(1)表面ムラ・模様、(2)はじきを評価した。
・塗布法: 塗布厚100μmとなるようにスペーサーを設置した塗布ブレードを用いたバーコート法。
・塗布基材: 1.1mmtガラス板
・乾燥温度: 60℃×10分
・焼成温度: 250℃×30分
塗膜表面に発生する表面ムラ・模様の有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎: 表面ムラ、模様の発生が見られない。
○: 塗膜表面の一部に表面ムラ、模様が僅かに確認できる(塗膜表面面積の10%未満)。
△: 塗膜表面の一部に表面ムラ、模様が確認できる。
×: 塗膜表面に表面ムラ、模様が一様に発生している(塗膜表面面積の10%以上)。
塗膜表面に発生するはじきの有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎: はじきの発生が見られない。
○: 塗膜表面の一部にはじきが僅かに確認できる(塗膜表面面積の5%未満)。
△: 塗膜表面の一部にはじきが確認できる。
×: 塗膜表面にはじきが一様に発生している(塗膜表面面積の15%以上)。
ポリイミド前駆体組成物の作製条件を、下記表1〜表4に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(A−2)〜(A−15)を作製した。
そして、実施例1と同様にして、評価をした。評価結果を表1〜表4に示す。
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと表記)900gを充填した。ここに、ODA46.69g(233.15mmol)を加え、40℃に加熱しながら30分間撹拌した。BPDA13.44g(45.70mmol)、PMDA39.87g(182.79mmol)を加えて、40℃で24時間反応を行い、ポリイミド前駆体組成物(X−1)を得た。
なお、生成したポリイミド前駆体のイミド化率は0.03であり、既述の末端アミノ基量の測定の結果、少なくとも末端にアミノ基を有するものを含有するものであった。
その結果、焼成温度を実施例1と同じく、250℃とすると、膜中にNMPが残留するため、引張り強度、引張り伸びともに、実施例3に比べて低くなってしまった。ポリイミド前駆体組成物(X−1)に含まれる高沸点のNMPが製膜フィルム中に残留することで、機械的強度低下を引き起こすことが原因の一つと考えられる。
ポリイミド前駆体組成物の作製条件を、下記表5〜表6に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(X−2)〜(X−7)を作製した。
得られたポリイミド前駆体組成物(X−2)〜(X−7)を用いて、実施例1と同様にして、評価をした。評価結果を表5〜表6に示す。
その結果、得られたポリイミド前駆体組成物(X−2)〜(X−7)は、添加した原料が溶解できず不均一であり、製膜することはできなかった。
THF810g、水90gを充填した。ここに、ODA43.37g(241.55mmol)を加え、40℃に加熱しながら30分間撹拌した。PMDA51.63g(236.72mmol)を加え、40℃で24時間反応を行い、ポリイミド前駆体組成物(X−8)を得た。
得られたポリイミド前駆体組成物(X−8)を用いて、実施例1と同様にして、評価をした。評価結果を表6に示す。
その結果、得られたポリイミド前駆体組成物(X−8)は、粘度が低く、分子量測定の結果、殆ど重合が進行していないことが分かった。また、製膜性も劣り、引張り試験の結果、試料片は殆ど伸びずに破断した。
ポリイミド前駆体組成物の作製条件を、下記表7〜表9に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(R−1)〜(R−10)を作製した。
得られたポリイミド前駆体組成物(R−1)〜(R−10)を用いて、実施例1と同様にして、評価をした。評価結果を表7〜表9に示す。
・BPDA(3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物: 分子量294.22)
・BTDA(3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物: 分子量322.23)
・PDA(p−フェニレンジアミン: 分子量108.14)
・ODA(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル: 分子量200.24)
・BAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン: 分子量410.51)
・PA(無水フタル酸: 分子量148.12)
・THF(テトラヒドロフラン)
・IPA(イソプロピルアルコール)
・THFA(テトラヒドロフランフルフリールアルコール)
Claims (10)
- 水を含むと共に、水溶性エーテル系溶剤、および水溶性ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第1水性溶剤に、又は、水溶性アルコール系溶剤を含むと共に、水溶性エーテル系溶剤および水溶性ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第2水性溶剤に、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有する第1テトラカルボン酸二無水物、および前記第1テトラカルボン酸二無水物以外の第2テトラカルボン酸二無水物であって、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有さない第2テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との縮重合体からなるポリイミド前駆体が溶解しており、
前記第1水性溶剤において、前記水溶性有機溶剤と前記水との割合(水溶性有機溶剤/水)が、質量比で、95/5乃至50/50の範囲であり、
前記第2水性溶剤において、前記水溶性アルコール系溶剤以外の水溶性有機溶剤と前記水溶性アルコール系溶剤との割合(水溶性アルコール系溶剤以外の水溶性有機溶剤/水溶性アルコール系溶剤)が、質量比で、95/5乃至50/50の範囲である、
ポリイミド前駆体組成物。 - 前記第1テトラカルボン酸二無水物が、下記一般式(TD11)および下記一般式(TD12)で表されるテトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載のポリイミド前駆体組成物。
(一般式(TD11)および一般式(TD12)中、RTD11、RTD12、RTD13、およびRTD14は、各々独立に、水素原子、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のフェニル基を示す。) - 前記第2テトラカルボン酸二無水物が、一つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を二つ有するテトラカルボン酸二無水物である請求項1又は請求項2に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記テトラカルボン酸二無水物が、前記第1テトラカルボン酸二無水物を40モル%以上95モル%以下で含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記ポリイミド前駆体において、前記ジアミン化合物のモル当量が、前記テトラカルボン酸二無水物のモル当量よりも大きい請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記ポリイミド前駆体が、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記ポリイミド前駆体の数平均分子量が、2000以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 水を含むと共に、水溶性エーテル系溶剤、および水溶性ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第1水性溶剤に、又は、水溶性アルコール系溶剤を含むと共に、水溶性エーテル系溶剤および水溶性ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含む第2水性溶剤に、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有する第1テトラカルボン酸二無水物以外の第2テトラカルボン酸二無水物であって、二つのカルボン酸無水物基が結合したベンゼン環を有さない第2テトラカルボン酸二無水物、およびジアミン化合物を添加した後、前記第1テトラカルボン酸二無水物を添加して、ポリイミド前駆体を生成する工程を有するポリイミド前駆体組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を加熱処理して成形されたポリイミド成形体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を加熱処理して成形するポリイミド成形体の製造方法。
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