JP6427905B2 - ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド成形体の製造方法、及びポリイミド成形体 - Google Patents
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Description
ポリイミド樹脂の成形体を製造する方法として、その前駆体であるポリアミック酸を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン系極性溶剤に溶解したポリイミド前駆体組成物を基材上に塗布して、熱処理によって、乾燥・イミド化することでポリイミド成形体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
水を含む水性溶剤に、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂と、有機アミン化合物と、重量平均分子量250以上のノニオン性界面活性剤と、が溶解しており、
ノニオン性界面活性剤の含有量が、ポリイミド前駆体樹脂組成物全体に対して0.0001質量%以上0.5質量%以下であるポリイミド前駆体組成物。
(一般式(I)中、Aは4価の有機基を示し、Bは2価の有機基を示す。)
前記ノニオン性界面活性剤が、下記一般式(II−1)、下記一般式(II−2)、下記一般式(II−3)、及び下記一般式(II−4)で表される界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記有機アミン化合物が、3級アミン化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記樹脂が、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物とから合成された樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記樹脂が、末端にアミノ基を有する樹脂を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を加熱処理して成形するポリイミド成形体の製造方法。
請求項7に記載のポリイミド成形体の製造方法により製造されたポリイミド成形体。
請求項3に係る発明によれば、有機アミン化合物が1級又は2級アミン化合物である場合に比べ、製膜性に優れたポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、ノニオン性界面活性剤を含まない場合に比べ、芳香族系のモノマーを用いて合成した樹脂を適用しても、保存安定性に優れたポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項5に係る発明によれば、樹脂の全末端にカルボキシル基を有する場合に比べ、製膜性に優れたポリイミド前駆体組成物が提供される。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物は、水を含む水性溶剤に、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂(以下、「特定ポリイミド前駆体」と称する)と、有機アミン化合物と、ノニオン性界面活性剤と、が溶解している組成物である。つまり、特定ポリイミド前駆体、有機アミン化合物、及びノニオン性界面活性剤は、水性溶剤に溶解した状態で組成物中に含まれる。なお、溶解とは、溶解物の残存が目視にて確認でない状態を示す。
なお、非プロトン系極性溶剤とは、沸点150℃以上300℃以下で、双極子モーメントが3.0D以上5.0D以下の溶剤である。非プロトン系極性溶剤として具体的には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチレンホスホルアミド(HMPA)、N−メチルカプロラクタム、N−アセチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
そして、溶剤に非プロトン系極性溶剤を含まない、又はその量が低減されていることにより、機械的強度に加え、耐熱性、電気特性、耐溶剤性等の諸特性に優れたポリイミド樹脂成形体が得られ易い。
特定ポリイミド前駆体は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂(ポリアミック酸)である。なお、特定ポリイミド前駆体のイミド化率は、0.2以下であることがよい。
一方、Bが表す2価の有機基としては、原料となるジアミン化合物から2つのアミノ基を除いたその残基である。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸、又は脂肪族テトラカルボン酸を各々併用しても、芳香族テトラカルボン酸と脂肪族テトラカルボン酸とを組み合わせてもよい。
具体的には、特定ポリイミド前駆体としては、例えば、一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)で表される繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。
lは1以上の整数を示し、m及びnは、各々独立に0又は1以上の整数を示し、且つ(2n+m)/(2l+2m+2n)≦0.2の関係を満たす。
そして、l、m及びnは、(2n+m)/(2l+2m+2n)≦0.2の関係を満たすが、好ましくは(2n+m)/(2l+2m+2n)≦0.15の関係、より好ましくは(2n+m)/(2l+2m+2n)≦0.10を満たすことである。
そして、特定ポリイミド前駆体のイミド化率(「(2n+m)/(2l+2m+2n)」の値)を0.2以下(好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下)とすることにより、特定ポリイミド前駆体のゲル化や析出分離を引き起こすことが抑制される。
・ポリイミド前駆体試料の作製
(i)測定対象となるポリイミド前駆体組成物を、シリコーンウェハー上に、膜厚1μm以上10μm以下の範囲で塗布して、塗膜試料を作製する。
(ii)塗膜試料をテトラヒドロフラン(THF)中に20分間浸漬させて、塗膜試料中の溶剤をテトラヒドロフラン(THF)に置換する。浸漬させる溶剤は、THFに限定されることになく、ポリイミド前駆体を溶解せず、ポリイミド前駆体組成物に含まれている溶剤成分と混和し得る溶剤より選択できる。具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール溶剤、ジオキサンなどのエーテル化合物が使用できる。
(iii)塗膜試料を、THF中より取り出し、塗膜試料表面に付着しているTHFにN2ガスを吹き付け、取り除く。10mmHg以下の減圧下、5℃以上25℃以下の範囲にて12時間以上処理して塗膜試料を乾燥させ、ポリイミド前駆体試料を作製する。
(iv)上記(i)と同様に、測定対象となるポリイミド前駆体組成物をシリコーンウェハー上に塗布して、塗膜試料を作製する。
(v)塗膜試料を380℃にて60分間加熱してイミド化反応を行い、100%イミド化標準試料を作製する。
(vi)フーリエ変換赤外分光光度計(堀場製作所製FT−730)を用いて、100%イミド化標準試料、ポリイミド前駆体試料の赤外吸光スペクトルを測定する。100%イミド化標準試料の1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab’(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab’(1780cm−1))の比I’(100)を求める。
(vii)同様にして、ポリイミド前駆体試料について測定を行い、1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab(1780cm−1))の比I(x)を求める。
・式: ポリイミド前駆体のイミド化率=I(x)/I’(100)
・式: I’(100)=(Ab’(1780cm−1))/(Ab’(1500cm−1))
・式: I(x)=(Ab(1780cm−1))/(Ab(1500cm−1))
特定ポリイミド前駆体は、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体(樹脂)を含むことがよく、好ましくは全ての末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体とすることがよい。
ポリイミド前駆体の分子末端にアミノ基を持たせるには、例えば、重合反応の際に使用するジアミン化合物のモル当量を、テトラカルボン酸二無水物のモル当量より過剰に添加することで実現される。ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とのモル当量の比は、テトラカルボン酸のモル当量を1に対して、1.0001以上1.2以下の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、1.001以上1.2以下の範囲である。
ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とのモル当量の比が1.0001以上であれば、分子末端のアミノ基の効果が大きく、良好な分散性が得られる。また、モル当量の比が1.2以下であれば、得られるポリイミド前駆体の分子量が大きく、例えば、フィルム状のポリイミド成形体としたときに、十分なフィルム強度(引裂き強度、引張り強度)が得られ易い。
特定ポリイミド前駆体の数平均分子量を上記範囲とすると、特定ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性の低下が抑制され、製膜性が確保され易くなる。特に、末端にアミノ基を有する樹脂を含む特定ポリイミド前駆体を適用した場合、分子量が低くなると、末端アミノ基の存在率が高まり、ポリイミド前駆体組成物中の共存する有機アミン化合物の影響を受けて溶解性が低下し易いが、特定ポリイミド前駆体の数平均分子量の範囲を上記範囲にすることで、溶解性の低下を抑制することができる。
なお、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とのモル当量の比を、調整することで、目的とする数平均分子量の特定ポリイミド前駆体が得られる。
・カラム:東ソーTSKgelα−M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
有機アミン化合物は、特定ポリイミド前駆体(そのカルボキシル基)をアミン塩化して、その溶剤に対する溶解性を高めると共に、イミド化促進剤としても機能する化合物である。
なお、有機アミン化合物は、水溶性の化合物であることがよい。ここで、水溶性とは、25℃において、対象物質が水に対して1質量%以上溶解することを意味する。
これらの中でも、有機アミン化合物としては、2級アミン化合物、及び3級アミン化合物から選択される少なくとも一種(特に、3級アミン化合物)がよい。有機アミン化合物として、3級アミン化合物又は2級アミン化合物を適用すると(特に、3級アミン化合物)、特定ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性が高まり易くなり、製膜性が向上し易くなり、また、ポリイミド前駆体組成物の保存安定性が向上し易くなる。
2級アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、モルホリンなどが挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えば、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノプロパノール、トリエチルアミン、ピコリン、メチルモルホリン、エチルモルホリンなどが挙げられる。
有機アミン化合物の含有量を上記範囲とすると、特定ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性が高まり易くなり、製膜性が向上し易くなる。また、ポリイミド前駆体組成物の保存安定性も向上し易くなる。
ノニオン性界面活性剤は、溶剤に溶解してもイオン性を示さず、界面活性を有する化合物である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル、脂肪酸エステル、脂肪酸ジエステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル、糖エステル、糖エステルのポリアルキレン付加物、アルカノールアミド等の周知の界面活性剤が挙げられる。
炭素数8以上22以下の無置換のアルケニル基としては、炭素数10以上22以下のアルケニル基が好ましく、炭素数12以上22以下のアルケニル基がより好ましい。アルケニル基は、炭素−炭素間の結合の中に二重結合を1つ又は2つ有する基であることがよい。アルケニル基は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよく、直鎖状、又は分岐状が好ましく、直鎖状がより好ましい。
なお、アルキル基及びアルケニル基に置換する置換基としては、例えば、アリール基(例えばフェニル基等)等が挙げられる。
炭素数8以上22以下の無置換のアルケニルフェニル基としては、炭素数10以上22以下(好ましくは12以上22以下)の置換若しくは無置換のアルケニル基で置換されたフェニル基が好ましい。
フェニル基に置換するアルキル基及びアルケニル基としては、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよく、直鎖状、又は分岐状が好ましく、直鎖状がより好ましい。また、無置換のアルケニル基は、炭素−炭素間の結合の中に二重結合を1つ又は2つ有する基であることがよい。
なお、フェニル基に置換するアルキル基及びアルケニル基に置換する置換基としては、例えば、アリール基(例えばフェニル基等)等が挙げられる。
m4は、1以上5以下の整数を示すことが好ましく、1以上3以下の整数を示すことが好ましい。
一般式(II−2)で表される界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート等が挙げられる。
一般式(II−3)で表される界面活性剤の具体例としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルヒ゛タンモノパルミテート、ソルヒ゛タンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルヒ゛タンセスキオレエート等が挙げられる。
一般式(II−4)で表される界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルヒ゛タンモノオレエート、ポリオキシエチレントリイソステアレート等が挙げられる。
ただし、界面活性剤の具体例は、これらに限られるわけではない。
ノニオン性界面活性剤の重量平均分子量は、下記測定条件のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定される。
・カラム:東ソーTSKgelα−M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:CH3CN/水=50/50
・流速:0.5mL/min
・注入量:10μl
・検出器:RI(示唆屈折率検出器)
ノニオン性界面活性剤の含有量を上記範囲とすると、保存安定性が高まり易くなる。
水性溶剤は、水を含む水性溶剤である。水性溶剤は、少なくとも水を70質量%以上含有することがよい。水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
水溶性の有機溶剤としては、例えば、水溶性エーテル系溶剤、水溶性ケトン系溶剤、水溶性アルコール系溶剤等が挙げられる。ここで、水溶性とは、25℃において、対象物質が水に対して1質量%以上溶解することを意味する。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物は、これを用いて製造するポリイミド成形体に導電性や、機械強度などの各種機能を付与することを目的として、各種フィラーなどを含んでもよいし、また、イミド化反応促進のための触媒や、製膜品質向上のためのレベリング材などを含んでもよい。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック(例えばpH5.0以下の酸性カーボンブラック)、金属(例えばアルミニウムやニッケル等)、金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)、導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレンなど)等が挙げられる。
これら導電材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、導電材料が粒子状の場合、その一次粒径が10μm未満、好ましくは1μm以下の粒子であることがよい。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、下記(1)又は(2)に示す製造方法が挙げられる。なお、ノニオン性界面活性剤は、下記(1)又は(2)に示す製造方法の過程において添加する。
なお、(1)に示す製造方法では、必要に応じて、重合工程後、溶剤を置換又は溶剤組成を変更する工程(以下、「溶剤置換工程」と称する」)を有してもよい。
重合工程では、水を含む水性溶剤中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合してポリイミド前駆体を生成する。
なお、ポリイミド前駆体の重合反応時の時間は、反応温度により1時間以上24時間以下の範囲とすることがよい。
アミン塩化工程では、ポリイミド前駆体を生成した後、溶剤に有機アミン化合物を添加し、ポリイミド前駆体(そのカルボキシル基)のアミン塩化を行う。これにより、ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性が高まる。
溶剤置換工程は、例えば、ポリイミド前駆体の生成後の溶液中の溶剤組成を変更し、製造するポリイミド前駆体組成物の安定化、生成するポリイミド前駆体の溶解及び固形分濃度の調整等を目的として行われる。
溶剤置換工程は、水、その他溶剤を添加することや、目的とする溶剤を除去することで行われる。溶剤の除去には、加熱及び減圧を行って溶剤を留去する方法(留去法)、水を添加して、ポリイミド前駆体を析出させた後、溶剤を分離除去する再沈殿法が挙げられる。溶剤の除去は、留去法と再沈殿法と組み合わせて行ってもよい。
溶剤置換工程又は溶剤組成変更工程とアミン塩化工程とはどちらを先に行ってもよい。また、両工程を並行して行ってもよい。
なお、溶剤置換工程は、ポリイミド前駆体の生成後、溶液中の溶剤組成変更の必要がなければ、実施しなくてもよい工程である。
第1アミン塩化工程では、ポリイミド前駆体を生成した後、溶剤に水を添加して、ポリイミド前駆体と溶剤とを分離し、分離後の溶剤の一部を除去した後、残部に水及び有機アミン化合物を添加する。
ポリイミド前駆体と溶剤とが分離すると、ポリイミド前駆体が沈降し、上澄みが溶剤となり、この上澄み液を除去することで、分離後の溶剤の一部を除去する。この溶剤の一部の除去は、上澄み液の除去に限られず、ろ過等により行ってよい。
そして、残部に、溶剤となる水と共に有機アミン化合物(例えば、有機アミン化合物が溶解した水溶液)を添加すると、溶剤置換が行われると共に、ポリイミド前駆体(そのカルボキシル基)のアミン塩化が行われる。
第1アミン塩化工程を行うと、純度の高いポリイミド前駆体組成物が得られ易くなる。
第2アミン塩化工程では、ポリイミド前駆体を生成した後、溶剤の一部を留去した後又は溶剤の一部を留去しながら、残部に有機アミン化合物を添加する。
第2アミン塩化工程を行うと、ポリイミド前駆体の析出等を経ずに、簡易な工程で、溶剤置換されたポリイミド前駆体組成物が得られ易くなる。
なお、(2)に示す製造方法では、必要に応じて、重合工程後、溶剤を置換又は溶剤組成を変更する工程(以下、「溶剤置換工程」と称する」)を有してもよい。
本実施形態に係るポリイミド成形体の製造方法は、本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物(以下、「特定ポリイミド前駆体組成物」とも称する)を加熱処理して成形するポリイミド成形体の製造方法である。
まず、被塗布物を準備する。この被塗布物は、製造するポリイミド成形体の用途に応じて選択される。
具体的には、ポリイミド成形体として液晶配向膜を製造する場合、被塗布物としては、液晶素子に適用される各種基板が挙げられ、例えば、シリコン基板、ガラス基板又はこれら表面に金属又は合金膜が形成された基板等が挙げられる。
また、ポリイミド成形体としてパッシベーション膜を製造する場合、被塗布物としては、例えば、集積回路が形成された半導体基板、配線が形成された配線基板、電子部品及び配線が設けられたプリント基板等から選択される。
また、ポリイミド成形体として電線被覆材を製造する場合、被塗布物としては、例えば、各種の電線(軟銅、硬銅、無酸素銅、クロム鉱、アルミニウム等の金属又は合金製の線材、棒材、又は板材)が挙げられる。なお、ポリイミド成形体をテープ状に成形・加工し、これを電線に巻き付けるテープ状の電線被覆材として利用する場合、各種の平面基板又は円筒状基体が被塗布物として利用される。
また、ポリイミド成形体として接着膜を製造する場合、例えば、接着対象となる各種の成形体(例えば、半導体チップ、プリント基板等の種々の電器部品等)が挙げられる。
特定ポリイミド前駆体組成物の塗布法は、特に制限はなく、例えば、スプレー塗布、回転塗布法、ロール塗布法、バー塗布法、スリットダイ塗布法、インクジェット塗布法等の各種の塗布法が挙げられる。
次に、特定ポリイミド前駆体組成物の塗膜に対して、乾燥処理を行う。この乾燥処理により、乾燥膜(乾燥したイミド化前の皮膜)を形成する。
乾燥処理の加熱条件は、例えば80℃以上200℃以下の温度で10分間以上60分間以下がよく、温度が高いほど加熱時間は短くてよい。加熱の際、熱風を当てることも有効である。加熱のときは、温度を段階的に上昇させたり、速度を変化させずに上昇させてもよい。
イミド化処理の加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂層が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。
本実施形態に係るポリイミド成形体は、上記本実施形態に係るポリイミド成形体の製造方法により得られるポリイミド成形体である。このポリイミド成形体としては、例えば、液晶配向膜、パッシベーション膜、電線被覆材、接着膜等の各種のポリイミド成形体が例示される。その他、ポリイミド成形体としては、例えば、フレキシブル電子基板フィルム、銅張積層フィルム、ラミネートフィルム、電気絶縁フィルム、燃料電池用多孔質フィルム、分離フィルム、耐熱性皮膜、ICパッケージ、レジスト膜、平坦化膜、マイクロレンズアレイ膜、光ファイバー被覆膜等も例示される。
ポリイミド成形体としては、ベルト部材も挙げられる。ベルト部材としては、駆動ベルト、電子写真方式の画像形成装置用のベルト(例えば、中間転写ベルト、転写ベルト、定着ベルト、搬送ベルト)等が例示される。
つまり、本実施形態に係るポリイミド成形体の製造方法は、上記例示された各種のポリイミド成形体の製造方法に適用され得る。
本実施形態に係るポリイミド成形体に含有される水性溶剤は、ポリイミド成形体中、1ppb以上1%未満である。ポリイミド成形体中に含有される水性溶剤の量は、ポリイミド成形体を加熱して発生するガス分をガスクロマトグラフィー法により定量される。また、ポリイミド成形体中に含まれる、有機アミン化合物及びノニオン性界面活性剤の量についても、ポリイミド成形体を加熱して発生するガス分をガスクロマトグラフィー法により定量される。
[ポリイミド前駆体組成物(A−1)、(A−2)の作製]
−重合工程−
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、テトラヒドロフラン(以下、THFと表記)360g、水40gを充填した。乾燥した窒素ガスを通じながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAと表記:分子量200.24)41.23g(205.92ミリモル)を添加した。溶液温度を30℃に保ちながら撹拌を行い、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと表記:分子量294.22)58.77g(199.75ミリモル)を徐々に添加した。ジアミン化合物、テトラカルボン酸二無水物の溶解を確認後、さらに、反応温度を30℃に保持しながら、24時間反応を行った。後述の方法でポリイミド前駆体溶液(固形分20質量%)の粘度を測定したところ、70Pasであった。
なお、生成したポリイミド前駆体のイミド化率は0.02であり、既述の末端アミノ基量の測定の結果、少なくとも一つの末端にアミノ基を有するものであった。
−アミン塩化工程−
重合工程で得たポリイミド前駆体溶液を撹拌しながら、ジメチルアミノエタノール(以下、DMAEtと表記:分子量89.14:有機アミン化合物)35.62g(399.5ミリモル)と水400gを添加した。これにより、ポリイミド前駆体がアミン塩化により水溶化したポリイミド前駆体水溶液を得た。
得られたポリイミド前駆体水溶液に、ポリオキシエチレンオレイルエーテル「商品名エマルゲン404(花王(株)製):ノニオン性界面活性剤」を得られるポリイミド前駆体組成物に対して0.01質量%となる量で添加し、この溶液をポリイミド前駆体樹脂組成物(A−1)とした。得られたポリイミド前駆体樹脂組成物(A−1)の組成は以下の通りである。
〜ポリイミド前駆体樹脂組成物(A−1)の組成〜
・固形分: 10%(ポリイミドとしての固形分率)
・溶剤組成比: THF/水=360g/440g
ポリイミド前駆体樹脂組成物(A−1)を撹拌しながら、10mmHg/30℃で減圧し、THFの一部を留去して、下記組成のポリイミド前駆体樹脂組成物(A−2)を得た。
〜ポリイミド前駆体樹脂組成物(A−2)の組成〜
・粘度: 50Pas
・固形分: 13.0%(ポリイミドとしての固形分率)
・溶剤組成比: THF/水=6/94
粘度は、E型回転粘度計を用いて下記条件で測定を行った。
・測定装置: E型回転粘度計TV−20H(東機産業株式会社)
・測定プローブ: No.3型ローター3°×R14
・測定温度: 22℃
固形分は、示差熱熱重量同時測定装置を用いて下記条件で測定した。なお、380℃の測定値をもって、固形分はポリイミドとしての固形分率として測定した。
・測定装置: 示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA6200(セイコーインスツルメンツ株式会社)
・測定範囲: 20℃以上400℃以下
・昇温速度: 20℃/分
ポリイミド前駆体組成物中の水分率電量滴定方式自動水分測定装置(カールフィッシャー)を用いて、下記条件で水分率を測定した。測定値から試料中に含まれる樹脂分を除することで、溶剤中の水分量を算出した。これにより、溶剤組成を求めた。
・測定装置: 電量滴定方式自動水分測定装置(カールフィッシャー)CA−07型(三菱化学株式会社)
・試料量: 10μl
得られたポリイミド前駆体組成物(A−1)、(A−2)の保存安定性について評価した。また、ポリイミド前駆体組成物(A−1)、(A−2)を用いて製膜を行って、フィルムを作製し、その塗布安定性及び製膜性について評価した。
ポリイミド前駆体組成物(A−1)、(A−2)の調製直後、及び室温(25℃)で20日間保管後の液状性、及び粘度を調べた。
ポリイミド前駆体組成物(A−1)、(A−2)を用い、下記操作により製膜を行った。塗布直後の塗膜について、(1)表面ムラ・模様、(2)はじきを評価した。
・塗布法: 塗布厚100μmとなるようにスペーサーを設置した塗布ブレードを用いたバーコート法。
・塗布基材: 1.1mmtガラス板
・乾燥温度: 60℃×10分
・焼成温度: 250℃×30分
塗膜表面に発生する表面ムラ・模様の有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎: 表面ムラ、模様の発生が見られない。
○: 塗膜表面の一部に表面ムラ、模様が僅かに確認できる(塗膜表面面積の10%未満)。
△: 塗膜表面の一部に表面ムラ、模様が確認できる。
×: 塗膜表面に表面ムラ、模様が一様に発生している(塗膜表面面積の10%以上)。
塗膜表面に発生するはじきの有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎: はじきの発生が見られない。
○: 塗膜表面の一部に表はじきが僅かに確認できる(塗膜表面面積の5%未満)。
△: 塗膜表面の一部にはじきが確認できる。
×: 塗膜表面にはじきが一様に発生している(塗膜表面面積の15%以上)。
(製膜性)
ポリイミド前駆体組成物(A−1)、(A−2)を用い、下記操作により製膜を行った。製膜フィルムについて、(3)ボイド痕、(4)表面ムラ・模様を評価した。
製膜フィルム表面のボイド痕の有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎: ボイド痕の発生が見られない。
○: 製膜フィルム表面に1個以上10個未満のボイド痕が確認できる。
△: 製膜フィルム表面に10個以上の50未満のボイド痕が点在する。
×: 製膜フィルム表面に無数のボイド痕が一様に発生している。
製膜フィルム体表面に発生する表面ムラ、模様の有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎: 表面ムラ、模様の発生が見られない。
○: 製膜フィルム表面の一部に表面ムラ、模様が僅かに確認できる(製膜フィルム表面面積の10%未満)。
△: 製膜フィルム表面の一部に表面ムラ、模様が確認できる。
×: 製膜フィルム表面に表面ムラ、模様が一様に発生している(製膜フィルム表面面積の10%以上)。
[ポリイミド前駆体組成物(A−3)〜(A−7)の作製]
ポリイミド前駆体組成物の重合工程およびアミン塩化工程、溶剤置換工程の条件を、下記表1に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(A−3)〜(A−7)を作製した。
そして、実施例1と同様に保存安定性について評価した後、製膜して塗布安定性、及び製膜性について評価をした。評価結果を表1に示す。
[ポリイミド前駆体組成物(X−1)、(X−2)の作製]
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと表記)400gを充填した。乾燥した窒素ガスを通じながら、ODA41.23g(205.92ミリモル)を添加した。溶液温度を30℃に保ちながら攪拌を行い、BPDA58.77g(199.75ミリモル)を徐々に添加した。ジアミン化合物、テトラカルボン酸二無水物の溶解を確認後、さらに、反応温度を30℃に保持しながら、24時間反応を行った。前述の方法でポリイミド前駆体溶液(固形分20質量%)の粘度を測定したところ、160Pasであった。
得られたポリイミド前駆体水溶液に、ポリオキシエチレンオレイルエーテル「商品名エマルゲン404(花王(株)製):ノニオン性界面活性剤」を得られるポリイミド前駆体組成物に対して0.01質量%となる量で添加し、この溶液をポリイミド前駆体組成物(X−1)とした。
そして、実施例1と同様に保存安定性について評価した後、製膜して塗布安定性、及び製膜性について評価をした。評価結果を表2に示す。
[ポリイミド前駆体組成物(X−3)の作製]
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ノニオン性界面活性剤)を添加しなかった以外は、実施例1のポリイミド前駆体組成物(A−2)と同様にしてポリイミド前駆体組成物(X−3)を作製した。室温(25℃)で20日間保管後の(X−3)の溶液性状を確認したところ、ゲル化してしまっていた。原因は、界面活性剤を添加していなかったために徐々に増粘してしまったためであると考えられる。
[ポリイミド前駆体組成物(B−1)の作製]
−重合工程−
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、水900gを充填した。ここに、p−フェニレンジアミン(以下、PDAと表記:分子量108.14)27.28g(252.27ミリモル)と、メチルモルホリン(以下、MMOと表記:有機アミン化合物)50.00g(494.32ミリモル)とを添加し、20℃で10分間攪拌して分散させた。この溶液に、ポリオキシエチレンオレイルエーテル「商品名エマルゲン404(花王(株)製):ノニオン性界面活性剤」を得られるポリイミド前駆体組成物に対して0.01質量%となる量で添加した。更に、この溶液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと表記:分子量294.22)72.72g(247.16ミリモル)を添加し、反応温度20℃に保持しながら、24時間攪拌して溶解、反応を行い、ポリイミド前駆体水溶液(B−1)を得た。
そして、実施例1と同様に保存安定性について評価した後、製膜して塗布安定性、及び製膜性について評価をした。評価結果を表3に示す。
なお、生成したポリイミド前駆体のイミド化率は0.02であり、既述の末端アミノ基量の測定の結果、少なくとも末端にアミノ基を有するものものであった。
[ポリイミド前駆体組成物(B−2)〜(B−16)の作製]
ポリイミド前駆体組成物の重合工程の条件を、表3〜表5に記載の条件に変更した以外は、実施例7と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(B−2)〜(B−16)を作製した。
そして、実施例1と同様に保存安定性について評価した後、製膜して塗布安定性、及び製膜性について評価をした。評価結果を表3〜表5に示す。
なお、実施例22で生成したポリイミド前駆体は、既述の末端アミノ基量の測定の結果、アミノ基末端を含まず、全末端がカルボキシル基を有するものであった。
[ポリイミド前駆体組成物(Y−1)の作製]
−重合工程−
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、NMP900gを充填した。ここに、PDA27.28g(252.27ミリモル)を添加し、20℃で10分間攪拌して分散させた。この溶液にBPDA72.72g(247.16ミリモル)を添加し、反応温度を20℃に保持しながら、24時間攪拌して溶解、反応を行い、ポリイミド前駆体水溶液を得た。
得られたポリイミド前駆体水溶液に、ポリオキシエチレンオレイルエーテル「商品名エマルゲン404(花王(株)製):ノニオン性界面活性剤」を得られるポリイミド前駆体組成物に対して0.01質量%となる量で添加し、この溶液をポリイミド前駆体組成物(Y−1)とした。
そして、実施例1と同様に保存安定性について評価した後、製膜して塗布安定性、及び製膜性について評価をした。評価結果を表2に示す。
[ポリイミド前駆体組成物(Y−3)の作製]
−重合工程−
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、水900gを充填した。ここに、PDA27.28g(252.27ミリモル)と、MMO51.03g(504.54ミリモル)とを添加し、20℃で10分間攪拌して分散させた。この溶液にBPDA72.72g(247.16ミリモル)を添加し、反応温度を20℃に保持しながら、24時間攪拌して溶解、反応を行い、ポリイミド前駆体組成物(Y−3)を得た。
室温(25℃)で20日間保管後の(Y−3)の溶液性状を確認したところ、ゲル化してしまっていたために塗布安定性、及び製膜性について評価することができなかった。
[ポリイミド前駆体組成物(Y−4)の作製]
ポリイミド前駆体組成物の重合工程の条件を、表6に記載の条件に変更した以外は、実施例7と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(Y−4)を作製した。
そして、実施例1と同様に保存安定性について評価した後、製膜して塗布安定性、及び製膜性について評価をした。評価結果を表6に示す。
[ポリイミド前駆体組成物(Y−5)の作製]
ポリイミド前駆体組成物の重合工程の条件を、表6に記載の条件に変更した以外は、実施例7と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(Y−5)を作製した。
室温(25℃)で20日間保管後の(Y−5)の溶液性状を確認したところ、ゲル化してしまっていたために塗布安定性、及び製膜性について評価することができなかった。
[ポリイミド前駆体組成物(Y−6)の作製]
ポリイミド前駆体組成物の重合工程の条件を、表6に記載の条件に変更した以外は、実施例7と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(Y−6)を作製した。
そして、実施例1と同様に保存安定性について評価した後、製膜して塗布安定性、及び製膜性について評価をした。評価結果を表6に示す。
また、本実施例では、比較例に比べ、ポリイミド前駆体組成物の塗布安定性、及び製膜性の評価についても良好な結果が得られたことがわかる。
・ジアミン化合物:「ODA」(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)、「PDA」(p−フェニレンジアミン)
Claims (7)
- 水を含む水性溶剤に、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂と、有機アミン化合物と、重量平均分子量250以上のノニオン性界面活性剤と、が溶解しており、
ノニオン性界面活性剤の含有量が、ポリイミド前駆体樹脂組成物全体に対して0.0001質量%以上0.5質量%以下であるポリイミド前駆体組成物。
(一般式(I)中、Aは4価の有機基を示し、Bは2価の有機基を示す。) - 前記ノニオン性界面活性剤が、下記一般式(II−1)、下記一般式(II−2)、下記一般式(II−3)、及び下記一般式(II−4)で表される界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のポリイミド前駆体組成物。
(一般式(II−1)〜(II−4)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に炭素数8以上の置換若しくは無置換の有機基を示す。A3、及びA4は、各々独立に多糖類を示す。n1、n2、及びn4は、各々独立に1以上10以下の整数を示す。m4は、1以上5以下の整数を示す。 - 前記有機アミン化合物が、3級アミン化合物である請求項1又は2に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記樹脂が、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物とから合成された樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記樹脂が、末端にアミノ基を有する樹脂を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を加熱処理して成形するポリイミド成形体の製造方法。
- 請求項6に記載のポリイミド成形体の製造方法により製造されたポリイミド成形体。
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