JPH10195278A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH10195278A
JPH10195278A JP320497A JP320497A JPH10195278A JP H10195278 A JPH10195278 A JP H10195278A JP 320497 A JP320497 A JP 320497A JP 320497 A JP320497 A JP 320497A JP H10195278 A JPH10195278 A JP H10195278A
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道博 菅生
Hideto Kato
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 比較的低温で短時間の熱処理により、高湿条
件下における基材への密着性および皮膜の耐久性に優
れ、なおかつ耐溶剤性の良好なポリイミド樹脂硬化皮膜
が得られる熱硬化性樹脂組成物。 【解決手段】 平均分子量5,000 から 150,000のポリイ
ミド樹脂 100重量部、エポキシ樹脂 0.1重量部〜20重量
部、イミダゾール化合物0.05重量部〜5重量部および有
機溶剤からなる熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱硬化性樹脂組成物
に関し、特に低温、短時間の熱処理により耐溶剤性およ
び密着性に優れた硬化皮膜が得られる熱硬化性ポリイミ
ド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリイミド樹脂は耐熱性および電
気絶縁性に優れているので、電子部品等の樹脂ワニスと
して広く用いられている。しかしこの樹脂は限られた高
沸点の有機溶剤にのみ溶解する。そのため一般にはポリ
イミドの前駆体であって、種々の有機溶剤に比較的易溶
であるポリアミック酸を基材に塗布した後、 300℃以上
の温度で長時間加熱処理することにより、脱水、ポリイ
ミド化する方法がとられている。しかしこの方法ではポ
リアミック酸を脱水してポリイミド化するために、高温
且つ長時間の加熱を必要とする。したがって、基材の熱
劣化を起こしやすく、一方加熱が不十分であると、得ら
れる樹脂の皮膜中にポリアミック酸が残存し、耐湿性、
耐腐食性等の低下の原因となる。これに対して、有機溶
剤に可溶なポリイミド樹脂の溶液を基材に塗布した後、
加熱することにより溶剤を揮散させ、ポリイミド樹脂皮
膜を形成する方法が知られている(特開昭60-83228号、
特開昭61-118424 号、特開昭61-118425 号、特開平2-36
232 号各公報参照)。しかしこれらの有機溶剤に可溶な
ポリイミド樹脂を用いて得られる樹脂皮膜は耐溶剤性に
劣るという欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は比較的低温で
短時間の熱処理により、高湿条件下における基材への密
着性および皮膜の耐久性に優れ、なおかつ耐溶剤性の良
好なポリイミド樹脂硬化皮膜が得られる熱硬化性樹脂組
成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特定のポ
リイミド樹脂、エポキシ樹脂、イミダゾール化合物およ
び特定の溶剤からなる組成物が、上記の課題を解決でき
ることを見出した。すなわち本発明は一般式(化12)
で表わされる繰り返し単位からなる平均分子量5,000か
ら 150,000のポリイミド樹脂 100重量部、エポキシ樹脂
0.1重量部〜20重量部、イミダゾール化合物0.05重量部
〜5重量部および有機溶剤からなることを特徴とする熱
硬化性樹脂組成物である。
【0005】
【化12】 [(化12)の式中、Xは(化13)、(化14)、
(化15)、(化16)のいずれかで表わされる4価の
有機基の少なくとも1種、Yは(化17)で示されるヒ
ドロキシル基を有する芳香族ジアミン残基30モル%から
99モル%および(化18)で示される芳香族ジアミン残
基70モル%から1モル%よりなり、aは0または1のい
ずれかである。また、Bは(化19)、(化20)、
(化21)のいずれかで表わされる基である。さらに、
Zは、(化22)で表わされるシロキサンジアミン残基
であり、m、nの間の関係は 0.7≦m/(m+n)≦0.
98、0.02≦n/(m+n)≦0.3 であり、aは0または
1、bは40≦b≦100 を満たす整数である。]
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【0006】
【発明の実施の形態】一般式(化1)で表わされるポリ
イミド樹脂中のXで表わされる4価の有機基は、(化
2)で表わされる2,2−ジフェニル−パーフルオロプ
ロパン残基、式(化3)で表わされるシロキサン含有
基、(化4)のジフェニルスルフォン残基及び(化5)
のビフェニル残基から選ばれる少なくとも1種の有機基
である。Xが(化2)の2,2−ジフェニル−パーフル
オロプロパン残基もしくは(化4)のジフェニルスルフ
ォン残基であるとポリイミド樹脂の有機溶剤に対する溶
解性を向上させることができ、(化3)で表わされるシ
ロキサン含有基であると、本発明の組成物を硬化させる
ことにより得られるフィルムの基材に対する接着性を向
上させることができる。また(化5)のビフェニル残基
であると、得られる硬化皮膜の強度を向上させることが
できる。
【0007】一般式(化1)においてYで示される2価
の有機基は(化6)のヒドロキシル基を有する芳香族ジ
アミン残基30モル%から99モル%および(化7)で表さ
れる芳香族ジアミン残基70モル%から1モル%よりな
る。ここで、ヒドロキシル基含有芳香族ジアミン残基の
量が30モル%未満であると、架橋密度が低くなるため、
硬化が不十分となり、耐溶剤性が低下する。(化6)の
aは0または1のいずれかであり、a=1の場合はa=
0の場合に比較して有機溶剤に対する溶解性を向上させ
ることができる。また(化7)中のBは(化8)のフェ
ニル基、(化9)ジフェニルプロパン基もしくは(化1
0)のジフェニル−パーフルオロプロパン残基のいずれ
かより選ばれる基である。
【0008】(化1)中のZで表わされる2価の有機基
は(化11)で示されるシロキサン残基である。(化1
1)中のbはジメチルシロキサン単位の繰り返し数を表
し、40〜100 の整数であり、好ましくは40〜80の整数で
ある。bの値が40未満であると、高湿度条件下における
本発明のポリイミド樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂の
基材に対する良好な接着性が得られず、また弾性率が悪
くなる。逆に、100 を超えると、ポリイミド樹脂が有機
溶剤に対して充分な溶解性を示さなくなる。(化1)中
のm、nの間の関係は 0.7≦m/(m+n)≦0.98、0.
02≦n/(m+n)≦0.3 であり、このn/(m+n)
が0.02未満であると、ポリイミド樹脂の弾性率が低下し
ない。逆に 0.3を超えるとポリイミド樹脂のフィルム強
度が低下する。ポリイミド樹脂の平均分子量は、 5,000
〜150,000 であり、好ましくは20,000〜150,000 であ
る。
【0009】(化1)で表わされるポリイミド樹脂の製
造方法は従来公知の方法が使用可能で、例えば次のよう
にして製造することができる。(化23)で表わされる
2,2−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸アンヒド
リド)パーフルオロプロパン、(化24)で表わされる
1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン、式(化25)
で表わされるビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−
スルフォンジアンヒドリド、及び(化26)で表わされ
る3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ
アンヒドリドからなる群から選ばれる少なくとも1種の
テトラカルボン酸二無水物成分と(化27)で表わされ
るフッ素含有芳香族ジアミンおよび(化28)で表わさ
れる芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも
1種のヒドロキシル基含有芳香族ジアミン成分と(化2
9)で表わされる芳香族ジアミン、(化30)で表わさ
れる芳香族ジアミン、および(化31)で表わされるフ
ッ素含有芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なく
とも1種のジアミン成分と一般式(化32)(式中、b
は前記のとおりである)で表わされるジアミノシロキサ
ンとを、シクロヘキサノン等の溶剤中に仕込み、20〜40
℃程度で反応させてポリイミド樹脂の前駆体であるポリ
アミック酸を合成する。
【0010】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【0011】ここで、テトラカルボン酸二無水物成分に
対するジアミン成分の割合は、ポリイミド樹脂の分子量
の調整等の必要に応じて適宜決められ、通常モル比で0.
95〜1.05、好ましくは0.98〜1.02の範囲である。なお、
ポリイミド樹脂の分子量を調整するために、無水フタル
酸、アニリン等の官能基含有原料を添加することも可能
である。この場合の添加量は目的収量のポリイミド樹脂
の量に対して2モル%以下が好ましい。引き続き、得ら
れたポリアミック酸溶液を、通常80〜 200℃、好ましく
は 140〜 180℃の温度範囲に昇温させることにより、ポ
リアミック酸の酸アミド部分に脱水閉環反応を進行さ
せ、ポリイミド樹脂が溶液として得られる。また無水酢
酸/ピリジン混合溶液をポリアミック酸溶液に添加し、
ついで得られた溶液を50℃前後に昇温させ、イミド化を
行う方法もある。
【0012】本発明において用いられるエポキシ樹脂は
一般式(化33)で表わされるエポキシ樹脂である。一
般式(化33)のエポキシ樹脂において、Z1 が−CH
2 −の場合がビスフェノールF型であり、−C(CH
32 −の場合がビスフェノールA型である。また、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂とビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂とを組み合わせて用いてもよい。エポキシ樹
脂成分は本発明におけるポリイミド樹脂成分と良好な相
溶性を示す。また触媒の存在下、比較的低温で該ポリイ
ミド樹脂成分と反応硬化させることができ、硬化後は良
好な耐熱性を示す。
【0013】
【化33】
【0014】エポキシ樹脂成分の配合量は、ポリイミド
樹脂 100重量部に対して、通常 0.1〜20重量部であり、
好ましくは5〜15重量部である。エポキシ樹脂成分が
0.1重量部未満であると、得られる硬化皮膜の耐溶剤性
が充分には得られない。20重量部を超えると、硬化皮膜
の耐熱性がかえって低下する。
【0015】本発明に用いられるイミダゾール化合物
は、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂とを反応硬化させる
触媒である。イミダゾール化合物としては、例えば(化
34)(式中、Rは1価の有機基または水素原子であ
り、pは1〜3の整数であり、pが2または3の場合に
はRは同一でも異なっていてもよい。)で示される化合
物を挙げることができる。Rで示される1価の有機基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、ウンデシル
基等の炭素原子数が1〜20のアルキル基;フェニル基等
のアリール基が挙げられる。必要に応じて上記の基の水
素原子の一部または全部がヒドロキシル基で置換された
基、例えばヒドロキシアルキル基でもよい。本発明に用
いられるイミダゾール化合物の具体例としては、2−メ
チルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウン
デシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ールおよび2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチル
イミダゾール等が挙げられ、好ましくは2−メチルイミ
ダゾール、2−エチルイミダゾール及び2−フェニル−
4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールである。本発
明の組成物におけるイミダゾール化合物の配合量は、ポ
リイミド樹脂 100重量部に対して通常0.05〜5重量部で
よく、好ましくは 0.1〜5重量部である。配合量が0.05
重量部未満であると低温における硬化性が不十分とな
り、他方5重量部を超えると本発明の組成物の保存安定
性を悪化させたり、本発明の組成物の成形品の耐熱性を
低下させたりする。
【0016】
【化34】
【0017】本発明の組成物に使用される溶剤は、溶剤
使用前の組成物と相溶性のあるものであればよい。これ
ら好適な溶剤の具体例としては、テトラヒドロフラン、
アニソール等のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ブ
タノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、2
−オクタノン、アセトフェノン等のケトン類;酢酸ブチ
ル、安息香酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル
類;ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類及
びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げら
れ、好ましくはケトン類、エステル類及びセロソルブ類
であり、特に好ましくはγ−ブチロラクトン、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−メチ
ル−2−ピロリドンである。これらの溶剤は単独でも2
種以上組み合わせて用いてもよい。本発明の組成物に添
加すべき溶剤の量は、樹脂の溶解性、塗布時の作業性、
皮膜の厚さ等を考慮して、通常ポリイミド樹脂濃度が1
〜40重量%となる範囲内で使用される。組成物の保存の
際には比較的高濃度に調製しておき、使用の際に所望の
濃度に希釈してもよい。
【0018】本発明のポリイミド組成物溶液は、従来の
ポリアミック酸溶液と異なり、塗布後に 300℃以上のよ
うな高温での長時間の加熱を必要としない。例えば、本
発明のポリイミド樹脂組成物を基材に塗布後、 150〜 2
00℃の温度で1〜4時間加熱すれば、溶剤が完全に除去
され、かつ硬化でき、ポリイミド樹脂硬化皮膜を得るこ
とができる。本発明のポリイミド樹脂組成物は低温での
硬化で皮膜を得ることができるので、比較的耐熱性の低
い基材や熱で変質する材料に対しての皮膜剤として好適
である。さらにこれまでのポリイミド樹脂組成物と比較
して、簡便に硬化皮膜が得られるので、作業性向上及び
省資源化に寄与するものと考えられる。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】(ポリイミド樹脂の合成) (合成例1)撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えた
フラスコ内に、3,3' , 4,4'−ジフェニルスルホ
ンテトラカルボン酸二無水物 35.8g(0.1 モル)および
n−メチル−2−ピロリドン400gを仕込んだ。ついで、
ジアミノシロキサン[但し一般式(化32)のbの平均
が64のもの] 14.7g(0.003 モル)、4,4' −( 3,
3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル 10.9g(0.05
モル)および2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン 19.3g(0.047 モル)をn−メ
チル−2−ピロリドン100gに溶解した溶液を反応系の温
度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ
内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間攪拌し
た。つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を
取り付けた後、キシレン 30gを加え、 150℃に昇温させ
てその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得
られた。こうして得られた溶液を室温(25℃)まで冷却
した後、メタノール中に投じて再沈澱させた。得られた
沈降物を乾燥したところ、下記(化35)を繰り返し単
位とするポリイミド樹脂を得た。
【0021】[式中Y1 は(化36)及び(化37)表
わされる基であって、そのモル比が50:47である2価の
有機基である]
【0022】
【化35】
【化36】
【化37】
【0023】再沈澱された樹脂の赤外線吸収スペクトル
を測定したところ、未反応のポリアミック酸に基づく吸
収は現れず、 1,780cm-1および 1,720cm-1にイミド基に
基づく吸収を確認した。テトラヒドロフランを溶媒とす
るゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、この
樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定した
ところ、35,000であった。この樹脂をポリイミド樹脂
(a)とし、実施例及び比較例に供した。
【0024】(合成例2)撹拌機、温度計及び窒素置換
装置を備えたフラスコ内に、3,3',4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物 20.5g(0.07モル)、
1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサンジアンヒドリド
12.8g(0.03モル)およびγ−ブチロラクトン300gを仕
込んだ。ついで、ジアミノシロキサン[ただし、一般式
(化32)のbの平均が64のもの] 14.7g(0.003 モ
ル)、4,4' −(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノ
ビフェニル 13.1g(0.06モル)および2,2−ビス[4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル]パーフルオロプ
ロパン 15.2g(0.037 モル)をγ−ブチロラクトン100g
に溶解した溶液を反応系の温度が50℃を超えないように
調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。これ以後の
操作は、全て合成例1と同様に行い、式(化38)を繰
り返し単位とするポリイミド樹脂を調製した。得られた
樹脂の重量平均分子量を合成例1と同様の条件で測定し
たところ、60,000であた。この樹脂をポリイミド樹脂
(b)とし、実施例に供した。[ここでX1 は(化3)
及び(化39)で表わされる基であって、そのモル比が
70:30である4価の有機基であり、Y2は(化36)、
(化37)で表される基であって、そのモル比60:37で
ある2価の有機基である]
【0025】
【化38】
【化39】
【0026】(合成例3)撹拌機、温度計及び窒素置換
装置を備えたフラスコ内に、2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)パーフルオロプロパンジアンヒド
リド 44.4g(0.1モル)およびシクロヘキサノン300gを
仕込んだ。ついで、ジアミノシロキサン[但し、一般式
(化32)のbの平均が93のもの] 21.2g(0.003 モ
ル)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
7.9g(0.027 モル)および2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン8.2g(0.02モル)
をシクロヘキサノン100gに溶解した溶液を反応系の温度
が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内
に滴下した。これ以後の操作は、合成例1と同様に行
い、(化40)を繰り返し単位とするポリイミド樹脂を
調製した。得られた樹脂の重量平均分子量を合成例1と
同様の条件で測定したところ、 125,000であた。この樹
脂をポリイミド樹脂(c)と称し、実施例に供した。
[ここでY3 は(化36)、(化37)、(化41)で
表される基であって、そのモル比がが50:27:20である
2価の有機基である]
【0027】
【化40】
【化41】
【0028】(ポリイミド樹脂組成物の調製)ポリイミ
ド樹脂、エポキシ樹脂、イミダゾール化合物及び溶剤を
表1に示す配合比率で混合し、各種の熱硬化性ポリイミ
ド樹脂組成物を調製した。なお表中の部は全て重量部を
表す。
【0029】(ポリイミド樹脂組成物の硬化皮膜の形成
及びその性能評価)上記で得られた各ポリイミド樹脂組
成物を、それぞれガラス基板上に塗布し、80℃の温度で
30分、さらに 180℃の温度で1時間加熱し、ポリイミド
樹脂硬化皮膜を形成した。得られた硬化皮膜を40℃のメ
チルエチルケトンに5分間浸漬した後、皮膜の表面を観
察しその結果を表2に示した。また表1の熱硬化性ポリ
イミド樹脂組成物を銅基板および鉄基板上に塗布し、80
℃で30分、さらに 180℃で1時間加熱し、ポリイミド樹
脂硬化皮膜を形成した。ついでこれらを 2.1気圧の飽和
水蒸気中に24時間放置した後、碁盤目剥離テスト(JIS
K5400 )を行い、高湿度条件下の接着性を評価し、その
結果を表2に示した。なお表2中の数値(分子/分母)
は、分画数 100(分母)当たり、剥離しない分画数(分
子)を表す。即ち 100/100 の場合は全く剥離せず、0
/100 の場合はすべて剥離したことを示す。
【0030】
【表1】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は種々の有
機溶剤の溶液であり、使用時には低温、短時間の加熱処
理により容易に溶剤を除去して、ポリイミド樹脂硬化皮
膜を得ることができる。本発明の熱硬化性樹脂組成物の
皮膜は、ポリイミド樹脂のそれが本来有する耐熱性およ
び優れた機械強度を有するとともに、アルコール、ケト
ン系等の溶剤に対する耐性も高く、さらに鉄、銅、ニッ
ケル、アルミニウム等の金属に対する高湿度条件下での
接着性および皮膜耐久性にも優れる。従って種々の部品
や基板の保護膜等として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 179/08 C09D 179/08 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(化1)で表わされる繰り返し単
    位からなる平均分子量5,000 から 150,000のポリイミド
    樹脂 100重量部、エポキシ樹脂 0.1重量部〜20重量部、
    イミダゾール化合物0.05重量部〜5重量部および有機溶
    剤からなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 【化1】 [(化1)の式中、Xは(化2)、(化3)、(化
    4)、(化5)のいずれかで表わされる4価の有機基の
    少なくとも1種、Yは(化6)で表わされるヒドロキシ
    ル基を有する芳香族ジアミン残基30モル%から99モル%
    および(化7)で表わされる芳香族ジアミン残基70モル
    %から1モル%よりなり、aは0または1のいずれかで
    ある。また(化7)式中のBは(化8)、(化9)、
    (化10)のいずれかで表わされる基である。さらに、
    Zは、(化11)で表わされるシロキサンジアミン残基
    であり、m、nの間の関係は 0.7≦m/(m+n)≦0.
    98、0.02≦n/(m+n)≦0.3 であり、aは0または
    1、bは40≦b≦100 を満たす整数である。] 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】
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