JP3340324B2 - 硬化性ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents
硬化性ポリイミド樹脂組成物Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性ポリイミド
樹脂組成物に関し、特に低温、短時間の熱処理で、耐溶
剤性及び密着性に優れた硬化皮膜が得られる硬化性ポリ
イミド樹脂組成物に関する。
樹脂組成物に関し、特に低温、短時間の熱処理で、耐溶
剤性及び密着性に優れた硬化皮膜が得られる硬化性ポリ
イミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は耐熱性に優れるため、
電子部品等のコーティング材に用いられる。ただし、こ
の樹脂は、一部の高沸点有機溶剤にしか溶解しないた
め、一般には、その前駆体であるポリアミック酸の状態
で有機溶剤に一度溶解させる。例えば、テトラカルボン
酸二無水物と芳香族ジアミンとを、有機極性溶剤中で付
加反応させ、ポリアミック酸を合成し、基材(電子部品
等)に塗布した後、 300℃以上の温度で長時間加熱処理
することにより、脱水、イミド化させる。しかし、この
方法では、ポリアミック酸を脱水してポリイミド化する
ために、また、高沸点有機溶剤を完全に除去するため
に、高温かつ長時間の加熱を必要とする。したがって、
基材である電子部品等が熱劣化を起こしやすい。また、
加熱が不十分であると、得られる樹脂の構造中にポリア
ミック酸が残存してしまい、耐湿性、耐腐食性等の低下
の原因となる。特に、電子部品の絶縁保護膜として用い
る場合には、耐湿性、耐腐食性等の低下は電子部品の劣
化、短寿命化につながる。
電子部品等のコーティング材に用いられる。ただし、こ
の樹脂は、一部の高沸点有機溶剤にしか溶解しないた
め、一般には、その前駆体であるポリアミック酸の状態
で有機溶剤に一度溶解させる。例えば、テトラカルボン
酸二無水物と芳香族ジアミンとを、有機極性溶剤中で付
加反応させ、ポリアミック酸を合成し、基材(電子部品
等)に塗布した後、 300℃以上の温度で長時間加熱処理
することにより、脱水、イミド化させる。しかし、この
方法では、ポリアミック酸を脱水してポリイミド化する
ために、また、高沸点有機溶剤を完全に除去するため
に、高温かつ長時間の加熱を必要とする。したがって、
基材である電子部品等が熱劣化を起こしやすい。また、
加熱が不十分であると、得られる樹脂の構造中にポリア
ミック酸が残存してしまい、耐湿性、耐腐食性等の低下
の原因となる。特に、電子部品の絶縁保護膜として用い
る場合には、耐湿性、耐腐食性等の低下は電子部品の劣
化、短寿命化につながる。
【0003】これに対し、ポリアミック酸ではなく、有
機溶剤に可溶なポリイミド樹脂の溶液を基材に塗布した
後、加熱して溶剤を揮発させ、ポリイミド樹脂皮膜を形
成する方法が研究されている。例えば、シロキサン結合
を有するテトラカルボン酸二無水物と特定のジアミンと
を反応させて得られるポリイミド樹脂であって、N−メ
チル-2-ピロリドン、ジクライム、シクロヘキサノン等
の溶剤に可溶なもの(特開昭61-83228号公報、特開昭61
-118424 号公報、特開昭61-118425 号公報及び特開平2-
36232 号公報)である。
機溶剤に可溶なポリイミド樹脂の溶液を基材に塗布した
後、加熱して溶剤を揮発させ、ポリイミド樹脂皮膜を形
成する方法が研究されている。例えば、シロキサン結合
を有するテトラカルボン酸二無水物と特定のジアミンと
を反応させて得られるポリイミド樹脂であって、N−メ
チル-2-ピロリドン、ジクライム、シクロヘキサノン等
の溶剤に可溶なもの(特開昭61-83228号公報、特開昭61
-118424 号公報、特開昭61-118425 号公報及び特開平2-
36232 号公報)である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の有機溶
剤に可溶なポリイミド樹脂を用いて得られる樹脂皮膜
は、耐溶剤性に劣るという欠点を有する。そこで、本発
明は、比較的低温、短時間の熱処理により、高湿条件下
における基材への密着性及び耐久性に優れ、かつ耐溶剤
性にも優れるポリイミド樹脂硬化皮膜が得られる硬化性
ポリイミド樹脂組成物を提供することにある。
剤に可溶なポリイミド樹脂を用いて得られる樹脂皮膜
は、耐溶剤性に劣るという欠点を有する。そこで、本発
明は、比較的低温、短時間の熱処理により、高湿条件下
における基材への密着性及び耐久性に優れ、かつ耐溶剤
性にも優れるポリイミド樹脂硬化皮膜が得られる硬化性
ポリイミド樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定のポリイ
ミド樹脂、エポキシ樹脂、イミダゾール化合物及び特定
の溶剤からなる組成物が、上記の課題を解決することが
できることを見いだした。すなわち、本発明は、(A) 一
般式(1) :
ミド樹脂、エポキシ樹脂、イミダゾール化合物及び特定
の溶剤からなる組成物が、上記の課題を解決することが
できることを見いだした。すなわち、本発明は、(A) 一
般式(1) :
【0006】
【化9】
【0007】〔式中、Xは式(2):
【0008】
【化10】
【0009】で表されるシロキサン含有基1〜60モル
%と、式(3):
%と、式(3):
【0010】
【化11】
【0011】で表される2,2-ジフェニルパーフルオロプ
ロパン残基、式(4):
ロパン残基、式(4):
【0012】
【化12】
【0013】で表されるジフェニルスルフォン残基及び
式(5):
式(5):
【0014】
【化13】
【0015】で表されるビフェニル残基からなる群から
選ばれる少なくとも1種の基99〜40モル%とからな
る4価の有機基であり;Yは式(6):
選ばれる少なくとも1種の基99〜40モル%とからな
る4価の有機基であり;Yは式(6):
【0016】
【化14】
【0017】(式中、mは40〜120の整数である)
で表されるシロキサン残基2〜10モル%と、式
(7):
で表されるシロキサン残基2〜10モル%と、式
(7):
【0018】
【化15】
【0019】(式中、R1 は水素原子又はフッ素原子で
ある)で表される芳香族基98〜90モル%とからなる
2価の有機基である〕で表される繰返し単位からなるポ
リイミド樹脂、(B) 一般式(8):
ある)で表される芳香族基98〜90モル%とからなる
2価の有機基である〕で表される繰返し単位からなるポ
リイミド樹脂、(B) 一般式(8):
【0020】
【化16】
【0021】〔式中、Zは−CH2 −及び−C(CH3 ) 2 −
からなる群から選ばれる2価の炭化水素基であり、nは
0〜5の数である〕で示されるビスフェノール型エポキ
シ樹脂、(C) イミダゾール化合物、並びに(D) シクロヘ
キサノン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2
−ヘプタノン及び2−オクタノンからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の溶剤を含有する硬化性ポリイミド樹
脂組成物を提供する。
からなる群から選ばれる2価の炭化水素基であり、nは
0〜5の数である〕で示されるビスフェノール型エポキ
シ樹脂、(C) イミダゾール化合物、並びに(D) シクロヘ
キサノン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2
−ヘプタノン及び2−オクタノンからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の溶剤を含有する硬化性ポリイミド樹
脂組成物を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】(A)ポリイミド樹脂 (A)成分のポリイミド樹脂は、上述したように、一般
式(1) で表される繰り返し単位から構成される。そし
て、Xで表される4価の有機基は、式(2)で表される
シロキサン含有基と、式(3)の2,2-ジフェニルパーフ
ルオロプロパン残基、式(4)のジフェニルスルフォン
残基及び式(5)のビフェニル残基からなる群から選ば
れる少なくとも1種の基とからなる。式(2)のシロキ
サン含有基の量は、全X基に対して、1〜60モル%で
あり、好ましくは5〜30モル%である。この量が1モ
ル%未満であると、本発明の組成物を硬化させることに
より得られるフィルムの基材に対する接着力が得られな
い。逆に、60モル%を越えると、充分なフィルム強度
が得られない。他方、残余の基、すなわち、式(3)の
2,2-ジフェニルパーフルオロプロパン残基、式(4)の
ジフェニルスルフォン残基及び式(5)のビフェニル残
基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基の合計の
割合は、全X基に対して、99〜40モル%、好ましく
は95〜70モル%である。該X基に、式(3)2,2-ジ
フェニルパーフルオロプロパン残基を導入すると、(A)
ポリイミド樹脂の(D) 溶剤に対する溶解性を向上させる
ことができ、式(5のビフェニル残基を導入すると、得
られる硬化皮膜の強度を向上させることができる。
式(1) で表される繰り返し単位から構成される。そし
て、Xで表される4価の有機基は、式(2)で表される
シロキサン含有基と、式(3)の2,2-ジフェニルパーフ
ルオロプロパン残基、式(4)のジフェニルスルフォン
残基及び式(5)のビフェニル残基からなる群から選ば
れる少なくとも1種の基とからなる。式(2)のシロキ
サン含有基の量は、全X基に対して、1〜60モル%で
あり、好ましくは5〜30モル%である。この量が1モ
ル%未満であると、本発明の組成物を硬化させることに
より得られるフィルムの基材に対する接着力が得られな
い。逆に、60モル%を越えると、充分なフィルム強度
が得られない。他方、残余の基、すなわち、式(3)の
2,2-ジフェニルパーフルオロプロパン残基、式(4)の
ジフェニルスルフォン残基及び式(5)のビフェニル残
基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基の合計の
割合は、全X基に対して、99〜40モル%、好ましく
は95〜70モル%である。該X基に、式(3)2,2-ジ
フェニルパーフルオロプロパン残基を導入すると、(A)
ポリイミド樹脂の(D) 溶剤に対する溶解性を向上させる
ことができ、式(5のビフェニル残基を導入すると、得
られる硬化皮膜の強度を向上させることができる。
【0023】一般式(1)において、Yで示される2価
の有機基は、上述したように、式(6)のシロキサン残
基と式(7)の芳香族基とからなる。式(6)のシロキ
サン残基の量は、全Y基に対し、2〜10モル%、好ま
しくは3〜5モル%である。このシロキサン残基の量が
2モル%未満であると、ポリイミド樹脂の弾性率が低下
しない。逆に、10モル%を超えると、ポリイミド樹脂
のフィルム強度が低下する。また、式(6)中のmは、
ジメチルシロキサン単位の繰り返し数を表し、40〜1
20の整数、好ましくは40〜90の整数である。mの
値が40未満であると、高湿条件下におけるポリイミド
樹脂の基材に対する接着性が得られず、また、弾性率が
高くなる。逆に、120を越えると、ポリイミド樹脂が
(D) 溶剤に対して充分な溶解性を示さなくなる。他方、
残余の基、すなわち、式(7)の芳香族基の割合は、全
Y基に対して、98〜90モル%、好ましくは97〜9
5モル%である。
の有機基は、上述したように、式(6)のシロキサン残
基と式(7)の芳香族基とからなる。式(6)のシロキ
サン残基の量は、全Y基に対し、2〜10モル%、好ま
しくは3〜5モル%である。このシロキサン残基の量が
2モル%未満であると、ポリイミド樹脂の弾性率が低下
しない。逆に、10モル%を超えると、ポリイミド樹脂
のフィルム強度が低下する。また、式(6)中のmは、
ジメチルシロキサン単位の繰り返し数を表し、40〜1
20の整数、好ましくは40〜90の整数である。mの
値が40未満であると、高湿条件下におけるポリイミド
樹脂の基材に対する接着性が得られず、また、弾性率が
高くなる。逆に、120を越えると、ポリイミド樹脂が
(D) 溶剤に対して充分な溶解性を示さなくなる。他方、
残余の基、すなわち、式(7)の芳香族基の割合は、全
Y基に対して、98〜90モル%、好ましくは97〜9
5モル%である。
【0024】(A) ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、
好ましくは5,000 〜150,000 であり、特に好ましくは2
0,000〜150,000 である。この重量平均分子量が小さす
ぎると、得られる硬化皮膜が充分な強度を示さない。逆
に、大きすぎると、(A) ポリイミド樹脂の分子末端に存
在するアミノ基、カルボン酸無水物基又はこの酸無水物
基が加水分解して生成するカルボキシル基の量が減り、
(B) エポキシ樹脂と反応させることができず、硬化性及
び耐溶剤性が低下する。
好ましくは5,000 〜150,000 であり、特に好ましくは2
0,000〜150,000 である。この重量平均分子量が小さす
ぎると、得られる硬化皮膜が充分な強度を示さない。逆
に、大きすぎると、(A) ポリイミド樹脂の分子末端に存
在するアミノ基、カルボン酸無水物基又はこの酸無水物
基が加水分解して生成するカルボキシル基の量が減り、
(B) エポキシ樹脂と反応させることができず、硬化性及
び耐溶剤性が低下する。
【0025】(A)成分のポリイミド樹脂は、ポリイミ
ド樹脂を合成するのに用いられる従来公知の方法に従え
ばよく、例えば次のようにして製造することができる。 式(9):
ド樹脂を合成するのに用いられる従来公知の方法に従え
ばよく、例えば次のようにして製造することができる。 式(9):
【0026】
【化17】
【0027】で表される1,3-ビス(3,4- ジカルボキシフ
ェニル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンジアンヒド
リド、並びに式(10):
ェニル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンジアンヒド
リド、並びに式(10):
【0028】
【化18】
【0029】で表される2,2-ビス(3,4- ベンゼンジカル
ボン酸アンヒドリド) パーフルオロプロパン、式(1
1):
ボン酸アンヒドリド) パーフルオロプロパン、式(1
1):
【0030】
【化19】
【0031】で表されるビス(3,4- ジカルボキシフェニ
ル)-スルフォンジアンヒドリド及び式(12):
ル)-スルフォンジアンヒドリド及び式(12):
【0032】
【化20】
【0033】で表される3,3',4,4'-ビフェニルテトラカ
ルボン酸ジアンヒドリドからなる群から選ばれる少なく
とも1種のテトラカルボン酸二無水物成分と、一般式
(13):
ルボン酸ジアンヒドリドからなる群から選ばれる少なく
とも1種のテトラカルボン酸二無水物成分と、一般式
(13):
【0034】
【化21】
【0035】〔式中、mは前記のとおりである〕で表さ
れるジアミノシロキサン、及び式(14):
れるジアミノシロキサン、及び式(14):
【0036】
【化22】
【0037】〔式中、R1 は前記のとおりである〕で表
される芳香族ジアミンからなるジアミン成分とを、シク
ロヘキサノン等の溶剤中に仕込み、低温、すなわち、2
0〜40℃程度で反応させてポリイミド樹脂の前駆体で
あるポリアミック酸を合成する。ここで、テトラカルボ
ン酸二無水物成分に対するジアミン成分の割合は、ポリ
イミド樹脂の分子量の調整等に応じて適宜決められ、通
常、モル比で0.95〜1.05、好ましくは0.98〜1.02の範囲
である。なお、ポリイミド樹脂の分子量を調整するため
に、無水フタル酸、アニリン等の一官能の原料を添加す
ることも可能である。この場合の添加量は、(A) 成分と
(B) 成分との合計量に対して2モル%以下とする。引き
続き、得られたポリアミック酸溶液を、通常、80〜200
℃、好ましくは140 〜180 ℃の温度範囲に昇温すること
により、ポリアミック酸の酸アミド部分に脱水閉環反応
を進行させ、ポリイミド樹脂が溶液として得られる。
される芳香族ジアミンからなるジアミン成分とを、シク
ロヘキサノン等の溶剤中に仕込み、低温、すなわち、2
0〜40℃程度で反応させてポリイミド樹脂の前駆体で
あるポリアミック酸を合成する。ここで、テトラカルボ
ン酸二無水物成分に対するジアミン成分の割合は、ポリ
イミド樹脂の分子量の調整等に応じて適宜決められ、通
常、モル比で0.95〜1.05、好ましくは0.98〜1.02の範囲
である。なお、ポリイミド樹脂の分子量を調整するため
に、無水フタル酸、アニリン等の一官能の原料を添加す
ることも可能である。この場合の添加量は、(A) 成分と
(B) 成分との合計量に対して2モル%以下とする。引き
続き、得られたポリアミック酸溶液を、通常、80〜200
℃、好ましくは140 〜180 ℃の温度範囲に昇温すること
により、ポリアミック酸の酸アミド部分に脱水閉環反応
を進行させ、ポリイミド樹脂が溶液として得られる。
【0038】また、無水酢酸/ピリジン混合溶液をポリ
アミック酸溶液に添加し、次いで、得られた溶液を50
℃前後に昇温し、イミド化を行う方法もある。
アミック酸溶液に添加し、次いで、得られた溶液を50
℃前後に昇温し、イミド化を行う方法もある。
【0039】(B)エポキシ樹脂 本発明に用いられる(B) 成分は、上述したように、一般
式(8)で示されるエポキシ樹脂である。一般式(8)
のエポキシ樹脂において、Z が-CH 2 - の場合がビスフ
ェノールF型であり、-C(CH 3 ) 2 - の場合がビスフェ
ノールA型であり、好ましくはビスフェノールA型であ
る。また、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂とを組み合わせて用いてもよ
い。(B) 成分は、(A) ポリイミド樹脂と良好な相溶性を
示す。また、触媒の存在下、比較的低温で(A) 成分と反
応硬化させることができ、硬化後は、良好な耐熱性を示
す。(B) 成分の配合量は、(A) ポリイミド樹脂100 重量
部に対して、通常、1〜50、好ましくは5〜30重量部で
ある。(B) 成分が少なすぎると、得られる硬化皮膜の耐
溶剤性が充分には得られない。逆に、多すぎると、該硬
化皮膜の耐熱性がかえって低下する。
式(8)で示されるエポキシ樹脂である。一般式(8)
のエポキシ樹脂において、Z が-CH 2 - の場合がビスフ
ェノールF型であり、-C(CH 3 ) 2 - の場合がビスフェ
ノールA型であり、好ましくはビスフェノールA型であ
る。また、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂とを組み合わせて用いてもよ
い。(B) 成分は、(A) ポリイミド樹脂と良好な相溶性を
示す。また、触媒の存在下、比較的低温で(A) 成分と反
応硬化させることができ、硬化後は、良好な耐熱性を示
す。(B) 成分の配合量は、(A) ポリイミド樹脂100 重量
部に対して、通常、1〜50、好ましくは5〜30重量部で
ある。(B) 成分が少なすぎると、得られる硬化皮膜の耐
溶剤性が充分には得られない。逆に、多すぎると、該硬
化皮膜の耐熱性がかえって低下する。
【0040】(C)イミダゾール化合物 (C) 成分は、イミダゾール化合物であり、(A) ポリイミ
ド樹脂と(B) エポキシ樹脂とを反応硬化させる触媒であ
る。イミダゾール化合物としては、例えば下記式:
ド樹脂と(B) エポキシ樹脂とを反応硬化させる触媒であ
る。イミダゾール化合物としては、例えば下記式:
【0041】
【化23】
【0042】〔式中、R2 は1価の有機基又は水素原子
であり、pは1〜3の整数であり、pが2又は3の場合
には、R2 は同一でも非同一でもよい〕で示される化合
物を挙げることができる。R2 で示される1価の有機基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ウンデシ
ル基等の炭素原子数が1〜20のアルキル基;並びにフ
ェニル基等のアリール基が挙げられる。また、特性上必
要な場合には、上記の基の一部がヒドロキシル基により
置換された基(例えばヒドロキシアルキル基)でもよ
い。該イミダゾール化合物の具体例としては、2-メチル
イミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイ
ミダゾール、2-エチル-4- メチルイミダゾール及び2-フ
ェニル-4,5- ジヒドロキシメチルイミダゾールが挙げら
れ、好ましくは2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダ
ゾール及び2-フェニル-4,5- ジヒドロキシメチルイミダ
ゾールである。(C) 成分の配合量は、(A) ポリイミド樹
脂100 重量部に対して、通常、0.05〜5重量部でよく、
好ましくは0.1 〜5重量部である。(C) 成分が少なすぎ
ると、低温での硬化性が悪化する。逆に、多すぎると、
本発明の組成物の保存安定性を悪化させたり、耐熱性を
低下させたりする。
であり、pは1〜3の整数であり、pが2又は3の場合
には、R2 は同一でも非同一でもよい〕で示される化合
物を挙げることができる。R2 で示される1価の有機基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ウンデシ
ル基等の炭素原子数が1〜20のアルキル基;並びにフ
ェニル基等のアリール基が挙げられる。また、特性上必
要な場合には、上記の基の一部がヒドロキシル基により
置換された基(例えばヒドロキシアルキル基)でもよ
い。該イミダゾール化合物の具体例としては、2-メチル
イミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイ
ミダゾール、2-エチル-4- メチルイミダゾール及び2-フ
ェニル-4,5- ジヒドロキシメチルイミダゾールが挙げら
れ、好ましくは2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダ
ゾール及び2-フェニル-4,5- ジヒドロキシメチルイミダ
ゾールである。(C) 成分の配合量は、(A) ポリイミド樹
脂100 重量部に対して、通常、0.05〜5重量部でよく、
好ましくは0.1 〜5重量部である。(C) 成分が少なすぎ
ると、低温での硬化性が悪化する。逆に、多すぎると、
本発明の組成物の保存安定性を悪化させたり、耐熱性を
低下させたりする。
【0043】(D)溶剤 本発明の組成物に使用される溶剤は、シクロヘキサノ
ン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプ
タノン、2−オクタノンのいずれかを必須とし、これら
の混合溶剤でもよく、さらに必要に応じて他の溶剤との
混合溶剤でもよい。混合溶剤中の前記溶剤の量は、通
常、50〜100 重量%である。その他の溶剤としては、テ
トラヒドロフラン、アニソール等のエーテル類;アセト
フェノン等のケトン類;酢酸ブチル、安息香酸メチル、
γ−ブチロラクトン等のエステル類;ブチルセロソルブ
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート等のセロソルブ類;及びトルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類が挙げられ、好ましくはケトン
類、エステル類及びセロソルブ類であり、特に好ましく
はγ−ブチロラクトン及びプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートである。これらの溶剤は、1種
単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明の
組成物に含まれる溶剤の量は、樹脂の溶解性、塗布時の
作業性、皮膜の厚み等を考慮して、通常、(A) ポリイミ
ド樹脂の濃度が1〜40重量%となる範囲で調整される。
保存の際には比較的高濃度で調製しておき、使用の際に
適度の濃度に希釈してもよい。
ン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプ
タノン、2−オクタノンのいずれかを必須とし、これら
の混合溶剤でもよく、さらに必要に応じて他の溶剤との
混合溶剤でもよい。混合溶剤中の前記溶剤の量は、通
常、50〜100 重量%である。その他の溶剤としては、テ
トラヒドロフラン、アニソール等のエーテル類;アセト
フェノン等のケトン類;酢酸ブチル、安息香酸メチル、
γ−ブチロラクトン等のエステル類;ブチルセロソルブ
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート等のセロソルブ類;及びトルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類が挙げられ、好ましくはケトン
類、エステル類及びセロソルブ類であり、特に好ましく
はγ−ブチロラクトン及びプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートである。これらの溶剤は、1種
単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明の
組成物に含まれる溶剤の量は、樹脂の溶解性、塗布時の
作業性、皮膜の厚み等を考慮して、通常、(A) ポリイミ
ド樹脂の濃度が1〜40重量%となる範囲で調整される。
保存の際には比較的高濃度で調製しておき、使用の際に
適度の濃度に希釈してもよい。
【0044】本発明のポリイミド樹脂溶液は、従来のポ
リアミック酸溶液と異なり、塗布後に300 ℃以上という
高温でかつ長時間の加熱を必要としない。例えば、該ポ
リイミド樹脂組成物溶液を基材に塗布後、150 〜200 ℃
の温度で1〜4時間加熱すれば、溶剤を完全に除去し、
かつ硬化させ、ポリイミド樹脂硬化皮膜を得ることがで
きる。
リアミック酸溶液と異なり、塗布後に300 ℃以上という
高温でかつ長時間の加熱を必要としない。例えば、該ポ
リイミド樹脂組成物溶液を基材に塗布後、150 〜200 ℃
の温度で1〜4時間加熱すれば、溶剤を完全に除去し、
かつ硬化させ、ポリイミド樹脂硬化皮膜を得ることがで
きる。
【0045】該ポリイミド樹脂硬化皮膜は、電子部品、
半導体装置等への種々の膜に好適である。具体的には、
半導体素子表面のパッシベーション膜、保護膜、ダイオ
ード、トランジスタ等の接合部のジャンクション保護
膜、VLSIのα線遮蔽膜、層間絶縁膜、イオン注入マス
ク、プリントサーキットボードのコンフォーマルコー
ト、液晶表示素子の配向膜、ガラスファイバーの保護
膜、太陽電池の表面保護膜等の形成に広範囲に用いるこ
とができる。
半導体装置等への種々の膜に好適である。具体的には、
半導体素子表面のパッシベーション膜、保護膜、ダイオ
ード、トランジスタ等の接合部のジャンクション保護
膜、VLSIのα線遮蔽膜、層間絶縁膜、イオン注入マス
ク、プリントサーキットボードのコンフォーマルコー
ト、液晶表示素子の配向膜、ガラスファイバーの保護
膜、太陽電池の表面保護膜等の形成に広範囲に用いるこ
とができる。
【0046】
【実施例】(A)ポリイミド樹脂の合成 〔合成例1〕攪拌機、温度計及び窒素置換装置を具備し
たフラスコ内に、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)パーフルオロプロパンジアンヒドリド22.2g(0.05モ
ル)、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3
-テトラメチルジシロキサンジアンヒドリド21.3 g( 0.0
5モル)及びシクロヘキサノン270gを仕込んだ。次い
で、ジアミノシロキサン〔ただし、一般式(13)のm
の平均が64のもの〕49.1g(0.01モル)及び2,2-ビス〔4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン36.9g(0.09
モル)をシクロヘキサノン120gに溶解した溶液を反応系
の温度が50℃を越えないように調節しながら、上記フラ
スコ内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間撹
拌した。次に、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器
を取り付けた後、キシレン30gを加え、150 ℃に昇温し
てその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得
られた。また、水分受容器内に3.5gの水が生成した。
たフラスコ内に、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)パーフルオロプロパンジアンヒドリド22.2g(0.05モ
ル)、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3
-テトラメチルジシロキサンジアンヒドリド21.3 g( 0.0
5モル)及びシクロヘキサノン270gを仕込んだ。次い
で、ジアミノシロキサン〔ただし、一般式(13)のm
の平均が64のもの〕49.1g(0.01モル)及び2,2-ビス〔4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン36.9g(0.09
モル)をシクロヘキサノン120gに溶解した溶液を反応系
の温度が50℃を越えないように調節しながら、上記フラ
スコ内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間撹
拌した。次に、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器
を取り付けた後、キシレン30gを加え、150 ℃に昇温し
てその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得
られた。また、水分受容器内に3.5gの水が生成した。
【0047】こうして得られた黄褐色の溶液を室温(25
℃) まで冷却した後、メタノール中に投じて再沈させ
た。得られた沈降物を乾燥して、下記の式:
℃) まで冷却した後、メタノール中に投じて再沈させ
た。得られた沈降物を乾燥して、下記の式:
【0048】
【化24】
【0049】〔ここで、Xは
【0050】
【化25】
【0051】のモル比で示される4価の有機基である〕
を繰り返し単位とするポリイミド樹脂を得た。再沈され
た樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応
の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収
は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸
収を確認した。テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパ
ーミュエイションクロマトグラフ(GPC)により、該
樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定した
ところ、28,000であった。この樹脂をポリイミド樹脂
とし、実施例及び比較例に供した。
を繰り返し単位とするポリイミド樹脂を得た。再沈され
た樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応
の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収
は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸
収を確認した。テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパ
ーミュエイションクロマトグラフ(GPC)により、該
樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定した
ところ、28,000であった。この樹脂をポリイミド樹脂
とし、実施例及び比較例に供した。
【0052】〔合成例2〕攪拌機、温度計及び窒素置換
装置を具備したフラスコ内に、2,2-ビス(3,4-ジカルボ
キシフェニル)パーフルオロプロパンジアンヒドリド3
5.5g(0.08モル)、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンジアンヒドリ
ド8.5 g( 0.02 モル)及び2−ヘプタノン270g を仕
込んだ。次いで、ジアミノシロキサン〔ただし、一般式
(13)のmの平均が93のもの〕35.3g(0.005 モル)及
び2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン39.0g(0.095 モル)を2−ヘプタノン120g に溶
解した溶液を、反応系の温度が50℃を越えないように調
節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下以降の操
作は、合成例1と同様に行い、式:
装置を具備したフラスコ内に、2,2-ビス(3,4-ジカルボ
キシフェニル)パーフルオロプロパンジアンヒドリド3
5.5g(0.08モル)、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンジアンヒドリ
ド8.5 g( 0.02 モル)及び2−ヘプタノン270g を仕
込んだ。次いで、ジアミノシロキサン〔ただし、一般式
(13)のmの平均が93のもの〕35.3g(0.005 モル)及
び2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン39.0g(0.095 モル)を2−ヘプタノン120g に溶
解した溶液を、反応系の温度が50℃を越えないように調
節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下以降の操
作は、合成例1と同様に行い、式:
【0053】
【化26】
【0054】〔ここで、Xは
【0055】
【化27】
【0056】のモル比で示される4価の有機基である〕
を繰り返し単位とするポリイミド樹脂を調製した。得ら
れた樹脂の重量平均分子量を合成例1と同様の条件で測
定したところ、48,000であった。この樹脂をポリイミド
樹脂と称し、実施例に供した。
を繰り返し単位とするポリイミド樹脂を調製した。得ら
れた樹脂の重量平均分子量を合成例1と同様の条件で測
定したところ、48,000であった。この樹脂をポリイミド
樹脂と称し、実施例に供した。
【0057】〔合成例3〕攪拌機、温度計及び窒素置換
装置を具備したフラスコ内に、3,3',4,4'-ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物17.6g(0.06モル) 、1,3-ビス
(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチル
ジシロキサンジアンヒドリド17.0 g(0.04 モル)及びシ
クロヘキサノン270g を仕込んだ。次いで、ジアミノ
シロキサン〔ただし、一般式(13)のmの平均が93の
もの〕35.3g(0.005 モル)及び2,2-ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕パーフルオロプロパン49.3g(0.
095 モル)をシクロヘキサノン120g に溶解した溶液
を反応系の温度が50℃を越えないように調節しながら、
上記フラスコ内に滴下した。滴下以降の操作は、合成例
1と同様に行い、式:
装置を具備したフラスコ内に、3,3',4,4'-ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物17.6g(0.06モル) 、1,3-ビス
(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチル
ジシロキサンジアンヒドリド17.0 g(0.04 モル)及びシ
クロヘキサノン270g を仕込んだ。次いで、ジアミノ
シロキサン〔ただし、一般式(13)のmの平均が93の
もの〕35.3g(0.005 モル)及び2,2-ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕パーフルオロプロパン49.3g(0.
095 モル)をシクロヘキサノン120g に溶解した溶液
を反応系の温度が50℃を越えないように調節しながら、
上記フラスコ内に滴下した。滴下以降の操作は、合成例
1と同様に行い、式:
【0058】
【化28】
【0059】〔ここで、Xは
【0060】
【化29】
【0061】のモル比で示される4価の有機基である〕
を繰り返し単位とするポリイミド樹脂を調製した。得ら
れた樹脂の重量平均分子量を実施例1と同様の条件で測
定したところ、121,000 であった。この樹脂をポリイミ
ド樹脂と称し、実施例に供した。
を繰り返し単位とするポリイミド樹脂を調製した。得ら
れた樹脂の重量平均分子量を実施例1と同様の条件で測
定したところ、121,000 であった。この樹脂をポリイミ
ド樹脂と称し、実施例に供した。
【0062】〔実施例1〜3、比較例1〜3〕ポリイミド樹脂組成物の調製 各例において、(A) 〜(D) 成分を、表1に示す種別及び
割合で混合し、硬化性ポリイミド樹脂組成物を調製し
た。なお、表中の部は重量部を表す。
割合で混合し、硬化性ポリイミド樹脂組成物を調製し
た。なお、表中の部は重量部を表す。
【0063】
【表1】
【0064】ポリイミド樹脂硬化皮膜の作製 各例で得られたポリイミド樹脂組成物溶液を、それぞ
れ、ガラス基板上に塗布し、80℃の温度で30分、さらに
180 ℃の温度で1時間加熱し、ポリイミド樹脂硬化皮膜
を作製した。上記で得られた硬化皮膜を40℃のメチルエ
チルケトンに5分間浸漬した後、皮膜の表面を観察し
た。その結果を表2に示す。
れ、ガラス基板上に塗布し、80℃の温度で30分、さらに
180 ℃の温度で1時間加熱し、ポリイミド樹脂硬化皮膜
を作製した。上記で得られた硬化皮膜を40℃のメチルエ
チルケトンに5分間浸漬した後、皮膜の表面を観察し
た。その結果を表2に示す。
【0065】また、各例で得られた硬化性ポリイミド樹
脂組成物溶液のそれぞれを、銅基板及びシリコンウエハ
ー上に形成された SiO2 基板に塗布し、80℃の温度で30
分、さらに180 ℃の温度で1時間加熱し、ポリイミド樹
脂硬化皮膜を形成した。次いで、2.1 気圧の飽和水蒸気
中に24時間放置した後、碁盤目剥離テスト(JIS540
0)を行い、高湿条件下の接着性を評価した。その結果
を表2に示す。なお、表中の数値(分子/分母)は、分
画数100 (分母)当たり、剥離した分画数(分子)を表
し、すなわち、0/100の場合は全く剥離せず、10
0/100の場合はすべて剥離したことを示す。
脂組成物溶液のそれぞれを、銅基板及びシリコンウエハ
ー上に形成された SiO2 基板に塗布し、80℃の温度で30
分、さらに180 ℃の温度で1時間加熱し、ポリイミド樹
脂硬化皮膜を形成した。次いで、2.1 気圧の飽和水蒸気
中に24時間放置した後、碁盤目剥離テスト(JIS540
0)を行い、高湿条件下の接着性を評価した。その結果
を表2に示す。なお、表中の数値(分子/分母)は、分
画数100 (分母)当たり、剥離した分画数(分子)を表
し、すなわち、0/100の場合は全く剥離せず、10
0/100の場合はすべて剥離したことを示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】本発明の硬化性ポリイミド樹脂組成物
は、シクロヘキサノン、2−ブタノン、メチルイソブチ
ルケトン、2−ヘプタノン、2−オクタノンのいずれか
を必須溶剤とした溶液として得られる。このため、長期
保存性に優れ、使用時には、低温、短時間の加熱処理に
より容易に溶剤を除去して、ポリイミド樹脂硬化皮膜を
得ることができる。該ポリイミド樹脂硬化皮膜は、ポリ
イミド樹脂が本来有する耐熱性、電気的特性及び機械的
特性に優れるとともに、アルコール、ケトン、フロン系
などの溶剤に対する耐性も高く、さらにシリコン、アル
ミニウム、ニッケル、銅、銀等の金属に対する高湿条件
下での接着性及び耐久性にも優れる。したがって、この
種の溶剤を通常使用する電子部品、半導体装置の分野の
保護膜等に有用である。
は、シクロヘキサノン、2−ブタノン、メチルイソブチ
ルケトン、2−ヘプタノン、2−オクタノンのいずれか
を必須溶剤とした溶液として得られる。このため、長期
保存性に優れ、使用時には、低温、短時間の加熱処理に
より容易に溶剤を除去して、ポリイミド樹脂硬化皮膜を
得ることができる。該ポリイミド樹脂硬化皮膜は、ポリ
イミド樹脂が本来有する耐熱性、電気的特性及び機械的
特性に優れるとともに、アルコール、ケトン、フロン系
などの溶剤に対する耐性も高く、さらにシリコン、アル
ミニウム、ニッケル、銅、銀等の金属に対する高湿条件
下での接着性及び耐久性にも優れる。したがって、この
種の溶剤を通常使用する電子部品、半導体装置の分野の
保護膜等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−306231(JP,A) 特開 平5−25453(JP,A) 特開 平5−32762(JP,A) 特開 平5−125345(JP,A) 特開 平5−140524(JP,A) 特開 平7−224259(JP,A) 特開 平9−118807(JP,A) 特開 平9−118825(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 63/02 C08L 79/08 C08G 59/40 C08G 59/50
Claims (2)
- 【請求項1】(A) 一般式(1): 【化1】 〔式中、Xは式(2): 【化2】 で表されるシロキサン含有基1〜60モル%と、式
(3): 【化3】 で表される2,2-ジフェニルパーフルオロプロパン残基、
式(4): 【化4】 で表されるジフェニルスルフォン残基及び式(5): 【化5】 で表されるビフェニル残基からなる群から選ばれる少な
くとも1種の基99〜40モル%とからなる4価の有機
基であり;Yは式(6): 【化6】 (式中、mは40〜120の整数である)で表されるシ
ロキサン残基2〜10モル%と、式(7): 【化7】 (式中、R1 は水素原子又はフッ素原子である)で表さ
れる芳香族基98〜90モル%とからなる2価の有機基
である〕で表される繰返し単位からなるポリイミド樹
脂、(B) 一般式(8): 【化8】 〔式中、Zは−CH2 −及び−C(CH3 ) 2 −からなる群か
ら選ばれる2価の炭化水素基であり、nは0〜5の数で
ある〕で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂、(C)
イミダゾール化合物、並びに(D) シクロヘキサノン、2
−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン
及び2−オクタノンからなる群から選ばれる少なくとも
1種の溶剤を含有する硬化性ポリイミド樹脂組成物。 - 【請求項2】(A) 成分のポリイミド樹脂の重量平均分子
量が5,000 〜150,000である、請求項1に記載の硬化性
ポリイミド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23731296A JP3340324B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 硬化性ポリイミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23731296A JP3340324B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 硬化性ポリイミド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1060090A JPH1060090A (ja) | 1998-03-03 |
JP3340324B2 true JP3340324B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=17013508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23731296A Expired - Fee Related JP3340324B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 硬化性ポリイミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3340324B2 (ja) |
-
1996
- 1996-08-20 JP JP23731296A patent/JP3340324B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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